JP2009197972A - 伝動ベルトおよび伝動ベルトの組み付け方法 - Google Patents

伝動ベルトおよび伝動ベルトの組み付け方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エレメントとリングとを容易にかつ確実に組み付けることができる伝動ベルトおよびその組み付け方法を提供すること。
【解決手段】帯状のリングRを幅方向で複数列に並列させて収容する凹部7が形成されるとともに、凹部7における左右の内壁面5a,6aの開口端側にリングRを係合させてその離脱を防止する左右の抜け止め部8,9が形成された板片状の多数のエレメントEを環状に配列し、そのエレメントEの列における両抜け止め部8,9の内周側にリングRを嵌め込んで組み付けた伝動ベルトVにおいて、環状の弾性体により形成されるとともにリングRの最外周面13a,14aよりも外周側に、環状に配列されたエレメントEの列における互いに隣接するエレメントE同士がそれぞれの対向面内で相対回転する際にその相対回転するエレメントEの一部と当接して相対回転を規制する保持リング15を装着する。
【選択図】図1

Description

この発明は、板片状の多数のエレメントを互いに対面させて環状に配置し、それらのエレメントをリングに組み付けることにより無端環状に結束して構成した伝動ベルトおよびその組み付け方法に関するものである。
一般に、複数の回転部材同士の間で動力の伝達を行う場合に用いる変速機として、変速比を段階的に変化させることができる有段変速機と、変速比を連続してすなわち無段階に変化させることができる無段変速機とがあり、後者の無段変速機としてはベルト式無段変速機およびトロイダル式無段変速機などが知られている。このうち、ベルト式無段変速機は、駆動側プーリおよび従動側プーリの2組のプーリと、それらのプーリに巻き掛けられる伝動ベルトとを使用して変速比を無段階に変化させる変速機である。そのようなベルト式無段変速機に用いられる伝動ベルトとして、例えば、エレメントあるいはブロックなどと称される多数の板片をその板厚方向に互いに重ね合わせて環状に配列するとともに、それらの板片をリングあるいはバンドあるいはキャリアなどと称される環状の帯状体で環状に結束することにより、無端環状に形成されたベルトが知られている。
このような伝動ベルトが、駆動側および従動側の2組のプーリに巻き掛けられた状態で駆動側プーリが駆動されると、エレメントには、エレメントと駆動側プーリとの接触部分の摩擦力、および、駆動側プーリのトルクに応じて駆動側プーリからエレメントに対して加えられるエレメントの積層方向すなわちエレメントの厚さ方向の圧縮力が作用する。そして、駆動側プーリに接触しているエレメントに伝達された圧縮力は、プーリに巻き掛けられていないエレメントを経由して、従動側プーリに接触しているエレメントに伝達される。この従動側プーリに接触しているエレメントに圧縮力が伝達されると、そのエレメントと従動側プーリとの接触部分の摩擦力、および伝達された圧縮力に応じて従動側プーリを回転させようとするトルクが発生する。このようにして、駆動側プーリと従動側プーリとの間で、伝動ベルトを介して動力伝達が行われる。
上記のような伝動ベルトの一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されている高負荷伝動ベルトは、センターベルトと耐側圧を補強するブロックとからなる伝動ベルトであって、具体的には、上端に係止部(抜け止め部)を有している2本のベルト側部(柱部)およびそれらを下端で連結する連結部材(本体(基体)部)により形成されたブロック(エレメント)と、そのエレメントの両抜け止め部の間に開口している嵌合溝(エレメントの凹部)に両抜け止め部によってエレメントから外れないように嵌め込まれている2列の無端キャリア(リング)とによって構成されている。そして、エレメントの2本の柱部の前後面には、それぞれ嵌合用凸部(ディンプル)と嵌合用凹部(ホール)とが設けられていて、前後のエレメント同士の間でそれらディンプルとホールとが嵌り合うことにより、エレメントがベルト走行中でも整列するようになっている。
特開2000−205342号公報
上記の特許文献1に記載されている伝動ベルトは、エレメントの左右両端の柱部にリングとエレメントとを係止する抜け止め部が形成されていて、両柱部上方の平面部分に、隣接するエレメント同士で互いに嵌合するディンプルおよびホールが形成されている。すなわちこれらディンプルおよびホールは、エレメントの両側に左右対称に2箇所設けられている。そして、両柱部の間に形成された凹部に2列のリングを嵌め込み、抜け止め部で係止されるように組み付けることにより、伝動ベルトが構成されている。
このような伝動ベルトにおいては、リングにエレメントを組み付ける場合、あるいはリングに組み付けられたエレメントをリングから外す場合に、2列に並列されているリングの一部を互いに重ね合わせた状態にする必要がある。すなわち2列のリングに対してエレメントを組み付けたり、外したりする場合には、それら2列のリングにねじりを加えて互いに重ね合わせることにより、2列のリングの幅をエレメントの両抜け止め部の間の開口幅よりも狭い状態にする必要がある。
2列のリングにねじりを加えて互いに重ね合わせた状態にするためには、隣接しているエレメント同士を、それぞれの対向面内で相対回転、すなわちローリングさせる必要がある。しかしながら、特許文献1に記載されている伝動ベルトは、隣接するエレメント同士で互いに嵌合するディンプルとホールとがエレメントの左右両側に2箇所設けられているため、エレメント同士のローリング方向の動作が規制されてしまう。その結果、2列のリングを互いに重なり合わせた状態にすることが困難になり、伝動ベルトを組み付けることができなくなる可能性がある。
そこで、例えば図9に示すように、隣接するエレメント同士で互いに嵌合するディンプルおよびホールがエレメントの幅方向の中央部に1箇所だけ設けられているエレメントを採用することにより、エレメント同士のローリングを可能にし、2列のリングを互いに重なり合わせた状態にしてエレメントと2列のリングとを容易に組み付けることが可能な構成を、本出願人は別に出願している。
この図9に示す構成の伝動ベルトでは、上記のようにエレメント同士のローリングを可能にしてエレメントと2列のリングとを組み付けることができる。さらに、図10に示すように、エレメントの凹部の内壁面とその内壁面に対向する抜け止め部の先端面との間の距離Wに対して2列のリングの幅Dを細くすることにより、それらエレメントと2列のリングとの組み付けを容易にすることができる。しかしながら、その場合は、エレメントと2列のリングとの組み付けが容易になる反面、リングからエレメントが離脱し易くなってしまう。すなわち、図10に示す状態のように、エレメントの凹部内の左右いずれか一方に2列のリングが偏って配置された状態になると、他方の抜け止め部によるリングへの係合が外れてしまい、その結果リングからエレメントが離脱してしまう場合がある。
このように、リングを収容する凹部が形成されたエレメントと2列のリングとを組み付けて構成される従来の伝動ベルトにおいては、エレメントと2列のリングとを容易にかつ確実に組み付けるためには、未だ改良の余地があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、エレメントとリングとを容易にかつ確実に組み付けることができる伝動ベルトおよびその組み付け方法を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、帯状のリングを幅方向で複数列に並列させて収容する凹部が形成されるとともに、その凹部における左右の内壁面の開口端側に前記複数列のリングを係合させてその離脱を防止する左右の抜け止め部が形成された板片状の多数のエレメントを、前記開口端側が外周側となるように環状に配列し、その環状に配列されたエレメントの列における前記両抜け止め部の内周側に前記複数列のリングを嵌め込んで組み付けた伝動ベルトにおいて、環状の弾性体により形成されて前記リングの最外周面よりも外周側に装着されるとともに、前記エレメントの列における互いに隣接するエレメント同士がそれぞれの対向面内で相対回転する際に該相対回転するエレメントの一部と当接する当接部を有する保持リングを備えていることを特徴とする伝動ベルトである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記保持リングが、前記エレメントの列の最外周面に装着され、前記エレメントの列における互いに隣接するエレメント同士がそれぞれの対向面内で相対回転する際に該相対回転するエレメントの最外周面と当接する当接部を有する環状の弾性体を含むことを特徴とする伝動ベルトである。
そして、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記保持リングが、前記リングの最外周面に装着され、前記エレメントの列における互いに隣接するエレメント同士がそれぞれの対向面内で相対回転する際に該相対回転するエレメントの最外周面もしくは前記抜け止め部と当接する当接部を有する環状の弾性体を含むことを特徴とする伝動ベルトである。
一方、請求項4の発明は、帯状のリングを幅方向で複数列に並列させて収容する凹部が形成されるとともに、その凹部における左右の内壁面の開口端側に前記複数列のリングを係合させてその離脱を防止する左右の抜け止め部が形成された板片状の多数のエレメントを、前記開口端側が外周側となるように環状に配列し、その環状に配列されたエレメントの列における前記両抜け止め部の内周側に前記複数列のリングを嵌め込んで組み付ける伝動ベルト組み付け方法において、前記エレメントの列における前記両抜け止め部の内周側に前記複数列のリングを嵌め込み、その後、前記リングの最外周面よりも外周側に、前記環状に配列されたエレメントの列における互いに隣接するエレメント同士がそれぞれの対向面内で相対回転する際に該相対回転するエレメントの一部と当接して該相対回転を規制する当接部を有する保持リングを装着することを特徴とする伝動ベルトの組み付け方法である。
また、請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記エレメントの列の最外周面に、前記エレメントの列における互いに隣接するエレメント同士がそれぞれの対向面内で相対回転する際に該相対回転するエレメントの最外周面と当接して前記相対回転を規制する当接部を有する保持リングを装着することを特徴とする伝動ベルトの組み付け方法である。
そして、請求項6の発明は、請求項4の発明において、前記リングの最外周面に、前記エレメントの列における互いに隣接するエレメント同士がそれぞれの対向面内で相対回転する際に該相対回転するエレメントの最外周面もしくは前記抜け止め部と当接して前記相対回転を規制する当接部を有する保持リングを装着することを特徴とする伝動ベルトの組み付け方法である。
請求項1の発明によれば、エレメントの凹部に複数列のリングを嵌め込む際に、互いに隣接するエレメント同士をそれぞれの対向面の平面内で相対回転させながら、すなわちローリングさせながら、エレメントの凹部における両抜け止め部の内周側に複数列のリングを容易に嵌め込んで係合させることができる。そして、凹部に複数列のリングが嵌め込まれた状態のエレメントと複数列のリングとに保持リングが装着されることにより、エレメントがローリングしようとする際に、そのエレメントの一部が保持リングの当接部に当接し、互いに隣接するエレメント同士のローリングが規制される。その結果、エレメントの抜け止め部と複数列のリングとの係合状態が保持され、エレメントの凹部から複数列のリングが離脱してしまうことが回避される。そのため、エレメントと複数列のリングとを容易に組み付けることができるとともに、それらエレメントと複数列のリングとが組み付けられた状態を確実に保持することができる。
また、請求項2の発明によれば、凹部に複数列のリングが嵌め込まれた状態のエレメントの列の最外周面に保持リングが装着される。そのため、エレメントがローリングしようとする際に、そのエレメントの最外周面が保持リングの当接部に当接するので、互いに隣接するエレメント同士のローリングが規制され、それらエレメントと複数列のリングとが組み付けられた状態を確実に保持することができる。
そして、請求項3の発明によれば、エレメントの凹部に嵌め込まれた状態の複数列のリングの最外周面に保持リングが装着される。そのため、エレメントがローリングしようとする際に、そのエレメントの最外周面もしくは抜け止め部が保持リングの当接部に当接するので、互いに隣接するエレメント同士のローリングが規制され、それらエレメントと複数列のリングとが組み付けられた状態を確実に保持することができる。
一方、請求項4の発明によれば、エレメントの凹部に複数列のリングを嵌め込む際に、互いに隣接するエレメント同士をそれぞれの対向面の平面内で相対回転させながら、すなわちローリングさせながら、エレメントの凹部における両抜け止め部の内周側に複数列のリングを容易に嵌め込んで係合させることができる。そして、凹部に複数列のリングが嵌め込まれた後に、複数列のリングの最外周面よりも外周側に保持リングが装着される。そのため、エレメントがローリングしようとする際に、そのエレメントの一部が保持リングの当接部に当接し、互いに隣接するエレメント同士のローリングが規制される。その結果、エレメントの抜け止め部と複数列のリングとの係合状態が保持されて、エレメントの凹部から複数列のリングが離脱してしまうことが回避される。したがって、エレメントと複数列のリングとを容易に組み付けることができるとともに、それらエレメントと複数列のリングとを組み付けた状態を確実に保持することができる。
また、請求項5の発明によれば、凹部に複数列のリングが嵌め込まれた後に、凹部に複数列のリングが嵌め込まれた状態のエレメントの列の最外周面に保持リングが装着される。そのため、ベルトの側面から容易に保持リングを装着することができる。そして、エレメントがローリングしようとする際に、そのエレメントの最外周面が保持リングの当接部に当接するので、互いに隣接するエレメント同士のローリングが規制され、それらエレメントと複数列のリングとが組み付けられた状態を確実に保持することができる。
そして、請求項6の発明によれば、凹部に複数列のリングが嵌め込まれた後に、エレメントの凹部に嵌め込まれた状態の複数列のリングの最外周面に保持リングが装着される。そのため、エレメントがローリングしようとする際に、そのエレメントの最外周面もしくは抜け止め部が保持リングの当接部に当接するので、互いに隣接するエレメント同士のローリングが規制され、それらエレメントと複数列のリングとが組み付けられた状態を確実に保持することができる。
つぎに、この発明を図面を参照して具体的に説明する。初めに、この発明の実施例として、この発明に係る伝動ベルトの構成例を説明し、ついで、この発明に係る伝動ベルトの組み付け方法による組み付け例を、以下に順次説明する。
(第1実施例)
先ず、この発明の第1実施例における伝動ベルトの構成を、図1,図2に基づいて説明する。図1,図2において、伝動ベルトVは、例えば、ベルト式無段変速機の駆動側(入力軸)プーリと従動側(出力軸)プーリとに巻き掛けられて、それらのプーリの間で動力を伝達するベルトの例を示している。そして、この発明における多数のエレメントEは、例えば金属製の板片状の部材からなり、その幅方向(図1のx軸方向)における左右の側面1,2が、テーパ状の傾斜した面として形成された本体(基体)部3を有し、そのテーパ状に傾斜した両側面1,2が、ベルト式無段変速機の駆動側プーリあるいは従動側プーリであるプーリ4のベルト巻き掛け溝(V形溝)4aに摩擦接触してトルクを伝達するトルク伝達面となっている。
本体部3の幅方向(図1のx軸方向)における左右の両端部分に、本体部3の一部であって、エレメントEの上下方向(図1,図2のy軸方向)での上方に延びた左右の柱部5,6がそれぞれ形成されている。したがって、本体部3の図1,図2での上側のエッジ部分である上端面3aと、両柱部5,6の本体部3の幅方向における中央を向いた左右の内壁面5a,6aとによって、エレメントEの上側(図1のy軸方向での上側)すなわち伝動ベルトVの外周側に開口した凹部7が形成されている。
凹部7は、互いに密着して環状に配列されたエレメントEを環状に結束するための帯状の2列(もしくは2条)のリングRを、その内側に挿入して幅方向で2列に並列させた状態で収容するための部分であり、したがって上端面3aが、リングRの内周面を接触させて載せるサドル面3aとなっている。
左右の柱部5,6の上端部分には、左右の先端面8a,9aがそれぞれ本体部3の幅方向における中央に向かって延びた左右の抜け止め部8,9が、それぞれ両柱部5,6と一体に形成されている。言い換えると、凹部7の開口端(凹部7における伝動ベルトVの外周側の端部)側の左右の内壁面5a,6aに、凹部7の幅方向(図1のx軸方向)における中心側に向けた抜け止め部8,9がそれぞれ形成されている。
したがって、凹部7の底部7a(すなわちサドル面(上端面)3a)側では、互いに対向する両内壁面5a,6a間の距離Wによって凹部7内の内幅Wが決定されている。一方、凹部7の開口端側では、互いに対向する両先端面8a,9aの間の距離Wによって凹部7の開口部7bにおける開口幅Wが決定されている。
この伝動ベルトVを構成する多数のエレメントEは、環状に配列された状態でリングRによって結束され、その状態で駆動側および従動側のそれぞれのプーリ4に巻き掛けられる。したがってプーリ4に巻き掛けられた状態では、各エレメントEが、プーリ4の中心に対して扇状に拡がり、かつ互いに密着する必要があるため、各エレメントEの図1,図2での下側の部分(環状に配列した状態での中心側の部分)が薄肉に形成されている。
すなわち、本体部3の一方の面(例えば図2のz軸方向での左側の面)で、エレメントEの上下方向におけるサドル面3aの位置から下側の部分が削り落とされた状態で次第に薄肉化されている。したがって、各エレメントEが扇形に拡がって接触する状態、言い換えると、各エレメントEがプーリ4に巻き掛かり円弧状に湾曲して配列されて伝動ベルトVが湾曲するベルト湾曲状態で、その板厚の変化する境界部分で接触する。この境界部分のエッジが、いわゆるロッキングエッジ10となっている。
この種のエレメントEのサドル面3aは、多数のエレメントEを結束しているリングRが接触しているので、伝動ベルトVがトルクを伝達している状態では、その接触圧が大きくなるのに対して、エレメントEが直線状に配列されている状態からプーリ4に巻き掛かって扇状に開く場合には、リングRとサドル面3aとの間に滑りによる摺動が生じ、それに伴って大きい摩擦力が生じる。このとき、エレメントEの上下方向における上記のサドル面3aとロッキングエッジ10との間の距離が長いと、リングRとサドル面3aとの間の摩擦力によるモーメントが大きくなり、リングRとサドル面3aとの間で一層滑りによる摺動が生じ易くなる。その結果、伝動ベルトVの運転時における摩擦損失が増大して伝動ベルトVの伝動効率が低下してしまうおそれがある。
そこで、上記のように、エレメントEの上下方向におけるサドル面3aの位置と同じ位置もしくはほぼ同じ位置に、すなわちエレメントEの上下方向におけるサドル面3aの位置からオフセットせずに、ロッキングエッジ10を形成することによって、リングRとサドル面3aとの間の摩擦力によるモーメントを可及的に小さくすることができ、その結果、伝動ベルトVの運転時における摩擦損失を低減して伝動ベルトVの伝動効率を向上することができる。
エレメントEの本体部3の幅方向における中央部分には、各エレメントEの相対的な位置を決めるためのディンプル11とホール12とが形成されている。具体的には、本体部3の一方の面側(図2の例では、ロッキングエッジ10のある面側)に凸となる円錐台形のディンプル11が形成されている。そして、このディンプル11とは反対側の面に、隣接するエレメントEにおけるディンプル11を緩く嵌合(遊嵌)させる有底円筒状のホール12が形成されている。
したがって、ベルト直線状態でこれらのディンプル11とホール12とが嵌合することによって、その状態におけるエレメントE同士の図1での左右方向および上下方向の相対位置を決めることができ、例えばベルト式無段変速機が運転される場合に、伝動ベルトVのがたつきを防止して伝動ベルトVを安定して走行させることができる。
そして、この伝動ベルトVを構成するリングRは、例えば、金属製で環状の薄い帯状体(単リング)を径方向に複数層に重ねたいわゆる積層リング13,14として形成されていて、この積層リング13,14における各単リング同士の重ね合わせ状態もしくは積層状態は、各単リングの張力や各単リング同士の間の摩擦力等によって保持されている。
このように、リングRが2列の積層リング13,14によって構成されることにより、それら各積層リング13,14を円周方向の一部において部分的に径方向(すなわち厚さ方向)で互いに重なり合わせることによって、リングRとして、積層リング13と積層リング14とが径方向に互いに重なり合った重ね合わせ状態と、積層リング13と積層リング14とが幅方向に互いに並列した並列状態とを同時に設定できるようになっている。
そしてこのリングRは、並列状態でのリングRの全幅(すなわち、積層リング13の幅と積層リング14の幅との合計)Lが、前述の開口幅Wよりも広くなり、かつ内幅Wよりも狭くなるように、積層リング13,14の幅寸法、および凹部7の各部の形状・寸法が設定されて形成されている。さらに、リングRを重ね合わせ状態にすることにより、リングRの全幅を一時的に開口幅Wよりも狭くすることができるように、積層リング13,14の幅寸法、および凹部7の各部の形状・寸法が設定されて形成されている。
したがって、リングRを重ね合わせ状態にすることにより、その重ね合わせ状態の部分を、凹部7の両先端面8a,9aの間、すなわち開口部7bを通過させて凹部7に嵌め込むことができる。そしてリングRの重ね合わせ状態の部分を開口部7bを通過させて凹部7に嵌め込んだ後に、エレメントEをリングRの並列状態の部分まで移動させること、もしくはリングRの凹部7が嵌め込まれた部分を並列状態に戻すことによって、凹部7内でリングRを両抜け止め部8,9の内周側の部分で係止し、凹部7からのリングRの離脱を防止すること、すなわちリングRを凹部7に嵌め込んで係合させることができる。
さらに、リングRの全幅Lを狭く設定することにより、凹部7へのリングRの嵌め込みを一層容易にすることができる。すなわち、図3に示すように、リングRの全幅Lが凹部7における内壁面5a(もしくは6a)と先端面9a(もしくは8a)との間の距離Wよりも狭くなるように、リングRおよびエレメントEを構成することにより、リングRを重ね合わせ状態にしなくとも、エレメントEを傾けてローリングするように移動させることによって、エレメントEの凹部7内へリングRを容易に嵌め込むことができる。
しかしながら、その場合は、エレメントEの凹部7内へのリングRの嵌め込みを容易に行うことができる反面、凹部7における抜け止め部9(もしくは8)の内周側の部分とリングRの最外周面14a(もしくは13a)との間の係合が外れ易くなり、その結果エレメントEの凹部7からリングRが離脱し易くなってしまう。
そこで、この発明における伝動ベルトVは、多数のエレメントEと複数列のリングとを組み付ける際の組み付け易さと、それらを組み付けた後の外れ難さとを両立させるために、リングRの最外周面13a,14aよりも外周側に、具体的には(この第1実施例では)、凹部7にリングRが嵌め込まれて環状に配列された状態のエレメントEの列の最外周面に、互いに隣接するエレメントE同士がそれぞれの対向面内で相対回転すなわちローリングする際に、そのローリングするエレメントEの一部分と当接してエレメントEのローリング方向の移動を規制する保持リング15が装着されている。
より具体的には、図1に示すように、保持リング15は、例えば金属製で所定の弾性を有する環状の薄い帯状体により形成されたリングであって、エレメントEの最外周側(図1,図2のy軸方向での最上側)の端面である最外周面16,17に覆い被せるようにして装着されている。したがって、この保持リング15とエレメントEの列とは、保持リング15の張力および保持リング15とエレメントEの列との間の摩擦力等によって、保持リング15のエレメントEの列への装着状態が保持されている。
また、保持リング15は、エレメントEの列の最外周面16,17に装着された状態でそれら最外周面16,17とそれぞれ対向する(対向して接触する場合も含む)当接部15a,15bを有している。そのため、この保持リング15がエレメントEの列の最外周面16,17に装着された状態で、いずれかのエレメントEがローリング方向に移動しようとすると、そのエレメントEの最外周面16(もしくは17)と保持リング15の当接部15a(もしくは15b)とが当接する。図4に示すように、エレメントEが、そのエレメントEを前面(ロッキングエッジ10およびディンプル11が形成されている側の面)から見て時計回りの方向にローリングする場合、エレメントEの左側の最外周面16と保持リング15の左側の当接部15aとが当接する(図4の範囲Aで示す状態)。
このように、エレメントEがローリング方向に移動しようとする際に、エレメントEの最外周面16(もしくは17)と保持リング15の当接部15a(もしくは15b)とが当接することにより、エレメントEはそれ以上移動しなくなる、すなわちエレメントEのローリング方向の移動が規制される。そのため、例えば、図4に示すように、エレメントEの凹部7内でリングRが一方の内壁面5a側に偏って配置されて、リングRの他方の最外周面14aが凹部7の抜け止め部9の内周側に係合できない場合、すなわちリングRの他方の最外周面14aとエレメントEの抜け止め部9との係合が外れてそのエレメントEがローリング方向に移動することにより、エレメントEの凹部7からリングRが離脱する可能性がある場合であっても、その場合のエレメントEのローリング方向の移動が規制されるので、エレメントEの凹部7からのリングRの離脱が回避される。
つぎに、この第1実施例で示す構成の伝動ベルトVの組み付け例を説明する。この発明による伝動ベルトVを組み付ける場合、従来の構成による伝動ベルトの組み付けのように、リングRの周長方向の一部を重ね合わせ状態にしてリングRの全幅Lを一時的にエレメントEの凹部7の開口幅Wよりも狭くすることにより、リングRを、エレメントEの凹部7の開口幅Wの部分を通過させて、エレメントEの凹部7内に嵌め込んで組み付けることもできる。
これに対して、前述したように、リングRの全幅Lを、凹部7における内壁面5a(もしくは6a)と先端面9a(もしくは8a)との間の距離Wよりも狭くなるように設定しておくことにより、リングRを重ね合わせ状態にしなくとも、すなわちリングRを並列状態にしたままで、エレメントEの凹部7内にリングRを嵌め込んで組み付けることができる。
すなわち、前述の図3に示すように、先ず、並列状態のリングRの一方(図3の例では左側)の側面が、エレメントEの凹部7の一方の内壁面5a側に嵌め込まれる。このとき、図3に示すようにエレメントEを傾けてローリングするように移動させることによって、エレメントEの凹部7内へリングRを容易に嵌め込むことができる。なお、凹部7内にリングRが嵌め込まれたエレメントEは、図1,図5に示す状態のように、エレメントEの幅方向における中央部分にリングRが配置されるように、リングRに対してエレメントEを幅方向に相対移動させておくことにより、リングRの最外周面13a,14aが抜け止め部8,9の内周側にそれぞれ係合する状態となり、エレメントEとリングRとが仮に保持された状態にされる。
そして、上記のように並列状態のリングRとエレメントEとを組み付ける作業が順次繰り返し行われる。それらの組み付けの際には、リングRを重ね合わせ状態にする必要がないので、リングRの全周長に対して組み付けられるエレメントEの枚数が比較的少ない組み付け初期段階から、リングRの全周長に対して組み付けられたエレメントEの枚数が比較的多数となった組み付け最終段階まで、さらに組み付けを所望する最後の1枚のエレメントEと積層リングRとを組み付ける際にも、上記に示した内容と同様の作業を行うことによって、それらエレメントEと積層リングRとを容易に組み付けることができる。
組み付けを所望する最後の1枚のエレメントEと積層リングRとが組み付けられると、すなわち、所望する全てのエレメントEの凹部7にリングRが嵌め込まれると、その後、図5に示すように、エレメントEの列の側面側(図5の例では左側)から、保持リング15が、エレメントEの列に対して幅方向に相対移動するようにして、エレメントEの列の最外周面16,17に装着される。
このとき、保持リング15の最内径Dを、環状に配列されたエレメントEの列の最外径Dよりも大きく設定しておくことにより、エレメントEの列の最外周面16,17に、保持リング15を容易に装着することができる。この場合、保持リング15が装着された伝動ベルトVがプーリ4に巻き掛けられた後は、プーリ4のベルト巻き掛け溝4aによりエレメントEの列に対する保持リング15の幅方向の相対移動が規制されるため、エレメントEの列から保持リング15が脱落することはない。
また、保持リング15の最内径Dを、環状に配列されたエレメントEの列の最外径D同等もしくは小さく設定した場合は、保持リング15が所定の弾性を有しているので、保持リング15をその最内径Dを増大する方向に伸張させることにより、エレメントEの列の最外周面16,17に保持リング15を装着することができる。この場合は、保持リング15の張力や保持リング15の最内周面とエレメントEの列の最外周面16,17との間の摩擦力などの作用により、エレメントEの列の最外周面16,17に保持リング15を装着した状態を安定して維持することができる。
このようにして、全てのエレメントEの凹部7にリングRが嵌め込まれ、その後、保持リング15がエレメントEの列の最外周面16,17に装着されると、全てのエレメントEとリングRとの組み付け状態が維持されることになり、すなわち、伝動ベルトVの組み付けが完了する。
(第2実施例)
図6ないし図8は、この発明の第2実施例における伝動ベルトVの構成を示す図である。上記の第1実施例では、組み付け後のエレメントEのローリングを規制する保持リング15が、例えば金属製で所定の弾性を有する帯状のリングによって形成され、その保持リング15をエレメントEの最外周面16,17に装着することにより伝動ベルトVを構成した例を示しているのに対し、この第2実施例では、例えばゴムや樹脂製で所定の弾性を有する帯状のリングによって形成された保持リングを、リングRの最外周面13a,14aに装着することにより伝動ベルトVを構成した例を示している。したがって、保持リングやその保持リングに関連する個所以外の、前述の第1実施例と同じ構成の部分については、図6ないし図8に、図1ないし図5と同じ参照符号を付けて、その詳細な説明は省略する。
図6に示すように、エレメントEの列の凹部7に嵌め込まれた状態のリングRの最外周面13a、14aに、互いに隣接するエレメントE同士がそれぞれの対向面内で相対回転すなわちローリングする際に、そのローリングするエレメントEの一部分と当接してエレメントEのローリング方向の移動を規制する保持リング21が装着されている。
具体的には、図6に示すように、保持リング21は、例えばゴム製あるいは樹脂製で所定の弾性を有する環状体により形成されたリングであって、リングRの最外周面13a,14aに覆い被せるようにして装着されている。この保持リング21は、その周長方向に直角な方向の断面がほぼ矩形であってリングRの最外周面13a,14aと当接する基体部21cと、エレメントEの最外周面16,17とそれぞれ対向する(対向して接触する場合も含む)当接部21a,21bとを有している。そして、それら当接部21a,21bが、基体部21cの上方の左右両端にそれぞれ幅方向に延出するように、基体部21cと一体に形成されている。
そして、ゴム製あるいは樹脂製のため相対的に高い伸縮率を有している保持リング21の基体部21cが、エレメントEの凹部7に嵌め込まれてリングRの最外周面13a,14aの外周側に接触して積層するように装着されている。したがって、この保持リング21とリングRとは、保持リング21の張力および保持リング21とリングRの最外周面13a,14aとの間の摩擦力等によって、保持リング21のリングRへの装着状態が保持されている。
また、保持リング21が、リングRの最外周面13a,14aに装着された状態でエレメントEの最外周面16,17と対向する当接部21a,21bを有していることにより、この保持リング21がリングRの最外周面13a,14aに装着された状態で、いずれかのエレメントEがローリング方向に移動しようとすると、そのエレメントEの最外周面16(もしくは17)と保持リング21の当接部21a(もしくは21b)とが当接する。
このように、エレメントEがローリング方向に移動しようとする際に、エレメントEの最外周面16(もしくは17)と保持リング21の当接部21a(もしくは21b)とが当接することにより、エレメントEはそれ以上移動しなくなる、すなわちエレメントEのローリング方向の移動が規制される。そのため、例えば、エレメントEの凹部7内でリングRがいずれか一方の内壁面5a(もしくは6a)側に偏って配置されて、リングRの他方の最外周面14a(もしくは13a)が凹部7の抜け止め部9(もしくは8)の内周側に係合できない場合、すなわちリングRの他方の最外周面14a(もしくは13a)とエレメントEの抜け止め部9(もしくは8)との係合が外れてそのエレメントEがローリング方向に移動することにより、エレメントEの凹部7からリングRが離脱する可能性がある場合であっても、その場合のエレメントEのローリング方向の移動が規制されるので、エレメントEの凹部7からのリングRの離脱が回避される。
図8に、この第2実施例における伝動ベルトVの他の実施形態を示す。上記の図6,図7に示す保持リング21が、例えばゴムや樹脂製で所定の弾性を有する帯状のリングによって形成されて、リングRの最外周面13a,14aに装着されるとともに、エレメントEの最外周面16,17と対向する当接部21a,21bを有するように構成されているのに対して、この図8に示す保持リング31は、例えばゴムや樹脂製で所定の弾性を有する帯状のリングによって形成されて、リングRの最外周面13a,14aに装着されるとともに、エレメントEの左右の抜け止め部8,9の先端面8a,9aとそれぞれ対向する当接部31a,31bを有するように構成されている。
具体的には、図8に示すように、保持リング31は、前述の保持リング21と同様、例えばゴム製あるいは樹脂製で所定の弾性を有する環状体により形成されたリングであって、リングRの最外周面13a,14aに覆い被せるようにして装着されている。この保持リング31は、その周長方向に直角な方向の断面がほぼ矩形であってリングRの最外周面13a,14aと当接する基体部31cと、エレメントEの左右の抜け止め部8,9の先端面8a,9aとそれぞれ対向する(対向して接触する場合も含む)当接部31a,31bとを有している。そして、それら当接部31a,31bが、基体部31cの左右両端にそれぞれ幅方向に延出するように、基体部31cと一体に形成されている。
そして、ゴム製あるいは樹脂製のため相対的に高い伸縮率を有している保持リング31の基体部31cが、エレメントEの凹部7に嵌め込まれてリングRの最外周面13a,14aの外周側に接触して積層するように装着されている。したがって、この保持リング31とリングRとは、保持リング31の張力および保持リング31とリングRの最外周面13a,14aとの間の摩擦力等によって、保持リング31のリングRへの装着状態が保持されている。
また、保持リング31が、リングRの最外周面13a,14aに装着された状態でエレメントEの左右の抜け止め部8,9の先端面8a,9aと対向する当接部31a,31bを有していることにより、この保持リング31がリングRの最外周面13a,14aに装着された状態で、いずれかのエレメントEがローリング方向に移動しようとすると、そのエレメントEの先端面8a(もしくは9a)と保持リング31の当接部31a(もしくは31b)とが当接する。
このように、エレメントEがローリング方向に移動しようとする際に、エレメントEの先端面8a(もしくは9a)と保持リング31の当接部31a(もしくは31b)とが当接することにより、エレメントEはそれ以上移動しなくなる、すなわちエレメントEのローリング方向の移動が規制される。そのため、例えば、エレメントEの凹部7内でリングRがいずれか一方の内壁面5a(もしくは6a)側に偏って配置されて、リングRの他方の最外周面14a(もしくは13a)が凹部7の抜け止め部9(もしくは8)の内周側に係合できない場合、すなわちリングRの他方の最外周面14a(もしくは13a)とエレメントEの抜け止め部9(もしくは8)との係合が外れてそのエレメントEがローリング方向に移動することにより、エレメントEの凹部7からリングRが離脱する可能性がある場合であっても、その場合のエレメントEのローリング方向の移動が規制されるので、エレメントEの凹部7からのリングRの離脱が回避される。
なお、この第2実施例で示したように、保持リング21,31を、ゴム製あるいは樹脂製などの高い伸縮率を有する弾性部材により形成することにより、保持リング21,31をリングRに装着する際の自由度を高めることができ、したがって、伝動ベルトVの組み付け性を向上させることができる。
以上のように、この発明の伝動ベルトVによれば、エレメントEの凹部7に2列のリングRを嵌め込む際に、互いに隣接するエレメントE同士をそれぞれの対向面の平面内で相対回転させながら、すなわちローリングさせながら、エレメントEの凹部7における両抜け止め部8,9の内周側にリングRを容易に嵌め込んで係合させることができる。すなわち、エレメントEと2列のリングRとを容易に組み付けることができる。
そして、凹部7にリングRが嵌め込まれた状態のエレメントEとリングRとに保持リング15(もしくは21,31)が装着されることにより、エレメントEがローリングしようとする際に、そのエレメントEの一部が保持リング15(もしくは21,31)の当接部15a,15b(もしくは21a,21b,31a,31b)に当接し、互いに隣接するエレメントE同士のローリングが規制される。
例えば、凹部7に2列のリングRが嵌め込まれた状態のエレメントEの列の最外周面16,17に保持リング15が装着されることにより、エレメントEがローリングしようとする際に、そのエレメントEの最外周面16,17が保持リング15の当接部15a,15bに当接するので、互いに隣接するエレメントE同士のローリングが規制され、それらエレメントEと2列のリングRとが組み付けられた状態を確実に保持することができる。
また、エレメントEの凹部7に嵌め込まれた状態の2列のリングRの最外周面13a,14aに保持リング21(もしくは31)が装着されことにより、エレメントEがローリングしようとする際に、そのエレメントEの最外周面16,17もしくは抜け止め部8,9が保持リング21(もしくは31)の当接部21a,21b(もしくは31a,31b)に当接するので、互いに隣接するエレメントE同士のローリングが規制され、それらエレメントEと2列のリングRとが組み付けられた状態を確実に保持することができる。
なお、この発明は上述した具体例に限定されない。すなわち、上述した具体例では、エレメントEと共にこの発明の伝動ベルトVを構成するリングRが、図面上では6層に積層されたリングにより構成された例を示しているが、この発明におけるリングRは、6層以外の複数層もしくは単層のリングであってもよい。
また、上述した具体例では、リングRを2列に並列させた例を示しているが、この発明のリングRは、2列以外に、例えば3列や4列の複数列に並列させた積層リングであってもよい。
また、上述した具体例では、この発明の伝動ベルトVが、例えばベルト式無段変速機に使用されている例を示しているが、この発明の伝動ベルトVは、ベルト式無段変速機に限らず、伝動ベルトとVプーリとによって構成される他の巻き掛け伝動装置の伝動ベルトにも適用することができる。
この発明に係る伝動ベルトの第1実施例における構成を示す模式図であって、その伝動ベルトの正面図である。 この発明に係る伝動ベルトの第1実施例における構成を示す模式図であって、その伝動ベルトの一部側断面図である。 この発明に係る伝動ベルトを構成するエレメントがローリングする状態を説明するための模式図である。 この発明の第1実施例における保持リングがエレメントのローリングを規制する状態を説明するための模式図である。 この発明に係る伝動ベルトの第1実施例における保持リングの組み付け状態を説明するための模式図である。 この発明に係る伝動ベルトの第2実施例における構成を示す模式図である。 この発明の第2実施例における保持リングがエレメントのローリングを規制する状態を説明するための模式図である。 この発明に係る伝動ベルトの第2実施例における他の構成を示す模式図である。 従来の伝動ベルトの構成を示す模式図である。 従来の伝動ベルトの構成で2列のリングが偏って配置された状態を説明するための模式図である。
符号の説明
E…エレメント、 R,13,14…リング、 V…伝動ベルト、 5a,6a…内壁面、 7…凹部、 8,9…抜け止め部、 10…ロッキングエッジ、 13a,14a…リングの最外周面、 15,21,31…保持リング、 15a,15b,21a,21b,31a,31b…当接部、 16,17…エレメントの最外周面。

Claims (6)

  1. 帯状のリングを幅方向で複数列に並列させて収容する凹部が形成されるとともに、その凹部における左右の内壁面の開口端側に前記複数列のリングを係合させてその離脱を防止する左右の抜け止め部が形成された板片状の多数のエレメントを、前記開口端側が外周側となるように環状に配列し、その環状に配列されたエレメントの列における前記両抜け止め部の内周側に前記複数列のリングを嵌め込んで組み付けた伝動ベルトにおいて、
    環状の弾性体により形成されて前記リングの最外周面よりも外周側に装着されるとともに、前記エレメントの列における互いに隣接するエレメント同士がそれぞれの対向面内で相対回転する際に該相対回転するエレメントの一部と当接する当接部を有する保持リングを備えていることを特徴とする伝動ベルト。
  2. 前記保持リングは、前記エレメントの列の最外周面に装着され、前記エレメントの列における互いに隣接するエレメント同士がそれぞれの対向面内で相対回転する際に該相対回転するエレメントの最外周面と当接する当接部を有する環状の弾性体を含むことを特徴とする請求項1に記載の伝動ベルト。
  3. 前記保持リングは、前記リングの最外周面に装着され、前記エレメントの列における互いに隣接するエレメント同士がそれぞれの対向面内で相対回転する際に該相対回転するエレメントの最外周面もしくは前記抜け止め部と当接する当接部を有する環状の弾性体を含むことを特徴とする請求項1に記載の伝動ベルト。
  4. 帯状のリングを幅方向で複数列に並列させて収容する凹部が形成されるとともに、その凹部における左右の内壁面の開口端側に前記複数列のリングを係合させてその離脱を防止する左右の抜け止め部が形成された板片状の多数のエレメントを、前記開口端側が外周側となるように環状に配列し、その環状に配列されたエレメントの列における前記両抜け止め部の内周側に前記複数列のリングを嵌め込んで組み付ける伝動ベルト組み付け方法において、
    前記エレメントの列における前記両抜け止め部の内周側に前記複数列のリングを嵌め込み、
    その後、前記リングの最外周面よりも外周側に、前記環状に配列されたエレメントの列における互いに隣接するエレメント同士がそれぞれの対向面内で相対回転する際に該相対回転するエレメントの一部と当接して該相対回転を規制する当接部を有する保持リングを装着する
    ことを特徴とする伝動ベルトの組み付け方法。
  5. 前記エレメントの列の最外周面に、前記エレメントの列における互いに隣接するエレメント同士がそれぞれの対向面内で相対回転する際に該相対回転するエレメントの最外周面と当接して前記相対回転を規制する当接部を有する保持リングを装着することを特徴とする請求項4に記載の伝動ベルトの組み付け方法。
  6. 前記リングの最外周面に、前記エレメントの列における互いに隣接するエレメント同士がそれぞれの対向面内で相対回転する際に該相対回転するエレメントの最外周面もしくは前記抜け止め部と当接して前記相対回転を規制する当接部を有する保持リングを装着することを特徴とする請求項4に記載の伝動ベルトの組み付け方法。
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