JP2009195555A - 生体器官拡張器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】バルーン上に装着したステントの移動および離脱を十分に抑制し、ステントの装着時にバルーン損傷を受けることが少ない生体器官拡張器具を提供する。
【解決手段】生体器官拡張器具1は、シャフト本体部2の先端部に設けられた拡張可能かつ折り畳まれたバルーン3と、バルーン3に装着されたステント10とを備える。折り畳まれた状態のバルーン3は、ステント10の軸方向に延びる複数の折り畳み目35を備える。ステント10は、ステント10の軸方向に延びる多数の線状構成要素18を有する線状体であり、かつ、バルーン3の折り畳み目35を横切るようにバルーン3に装着されており、ステント10の軸方向に延びる複数の線状構成要素18は、ステント10の周方向に延びかつバルーン3の折り畳み目35下に侵入した延出部15を備えている。
【選択図】図5

Description

本発明は、血管、胆管、気管、食道、尿道等の生体管腔内に生じた狭窄部、もしくは閉塞部の改善を行うための生体器官拡張器具に関する。
生体器官拡張器具は、狭窄部の改善のためにステントを備えるものが一般的となっている。ステントは、血管あるいは他の生体内管腔が狭窄もしくは閉塞することによって生じる様々な疾患を治療するために、その狭窄もしくは閉塞部位を拡張し、その内腔を確保するためにそこに留置する一般的には管状の医療用具である。
ステントは、体外から体内に挿入するため、そのときは直径が小さく、目的の狭窄もしくは閉塞部位で拡張させて直径を大きくし、かつその管腔をそのままで保持する物である。
ステントとしては、金属線材、あるいは金属管を加工した円筒状のものが一般的である。カテーテルなどに細くした状態で装着され、生体内に挿入され、目的部位で何らかの方法で拡張させ、その管腔内壁に密着、固定することで管腔形状を維持する。ステントは、機能および留置方法によって、セルフエクスパンダブルステントとバルーンエクスパンダブルステントに区別される。バルーンエクスパンダブルステントはステント自体に拡張機能はなく、ステントを目的部位に挿入した後、ステント内にバルーンを位置させてバルーンを拡張させ、バルーンの拡張力によりステントを拡張(塑性変形)させ目的管腔の内面に密着させて固定する。このタイプのステントでは、上記のようなステントの拡張作業が必要になる。
そして、バルーンエクスパンダブルステントでは、折り畳まれたバルーン上にステントを配置した後、ステントを圧縮することにより縮径させて、バルーン上に装着する。ステントがバルーンに確実に装着されないと、留置作業時にステントが離脱するおそれがある。
特開2007−135880号公報(特許文献1)には、バルーンが折り畳まれた状態において前記ステントストラットによって少なくとも1つの、該バルーンの二次的な突出部が挟み込まれているステントデリバリーシステムが開示されている。
具体的には、特許文献1のステントデリバリーシステムでは、折り畳まれた場合に、表面上に二次的な突出部1Dを備えるバルーンが用いられている。バルーンは、折り畳まれた時に、表面上に少なくとも1つのウイング1Eを有し、さらに、二次的な突出部1Dが、ウイングの表面上に形成される。そして、折り畳まれたバルーン1の外面、好ましくは直管部1Aの外面に収縮状態のステント10に配設することにより、バルーンの二次的な突起部1Dは、図2のようにステント10のステントストラット11に挟まれる。
特開2007−135880号公報
特許文献1のものでは、ステントのバルーンからの高い離脱抑制効果を備えるものと思われる。しかし、バルーンの複数の二次的な突起部をステントのストラットにより挟持するものであり、ストラットの挟持時にバルーンを損傷させるおそれがある。
本発明の目的は、バルーン上に装着したステントの移動および離脱を十分に抑制し、かつ、ステントの装着時にバルーン損傷を受けることが少ない生体器官拡張器具を提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) チューブ状のシャフト本体部と、該シャフト本体部の先端部に設けられた拡張可能かつ折り畳まれたバルーンと、該折り畳まれたバルーンを被包するように装着され、かつ前記バルーンの拡張により拡張するステントとを備える生体器官拡張器具であって、
前記折り畳まれた状態のバルーンは、前記ステントの軸方向に延びる複数の折り畳み目を備え、
前記ステントは、前記ステントの軸方向に延びる多数の線状構成要素を有する線状体であり、かつ、前記バルーンの前記折り畳み目を横切るように前記バルーンに装着されており、さらに、前記ステントの軸方向に延びる多数の線状構成要素のすべてもしくは複数の線状構成要素は、前記ステントの周方向に延びる延出部を備え、すべてもしくは一部の複数の前記延出部の端部が、前記バルーンの前記折り畳み目下に侵入している生体器官拡張器具。
(2) 前記ステントは、前記バルーンの前記折り畳み目下に侵入した前記延出部と前記バルーンの折り畳み目上を横切る線状構成要素とにより、前記バルーンを緩やかに挟持している上記(1)に記載の生体器官拡張器具。
(3) 前記バルーンの各折り畳み目は、前記ステントの中心軸に対してほぼ平行となっており、前記ステントは、前記延出部が前記ステントの中心軸に対してほぼ平行に複数設けられた延出部列を前記バルーンの各折り畳み目に対応するように複数有している上記(1)または(2)に記載の生体器官拡張器具。
(4) 前記延出部の前記端部は、エッジのない湾曲端となっている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(5) 前記延出部は、前記線状構成要素の一部が、前記ステントの周方向に膨出することにより構成されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(6) 前記延出部は、前記線状構成要素の一部が、前記ステントの周方向に突出するように湾曲することにより構成されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(7) 前記ステントの軸方向に延びる多数の線状構成要素は、前記ステントの中心軸に平行な線状構成要素であり、前記延出部は、前記ステントの中心軸に平行な線状構成要素に設けられている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(8) 前記ステントの軸方向に延びる多数の線状構成要素は、前記ステントの中心軸に対して所定角度斜めに延びる線状構成要素であり、前記延出部は、前記ステントの中心軸に対して所定角度斜めに延びる線状構成要素に設けられている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(9) 前記ステントは、前記バルーンの軸方向に延びる多数の線状構成要素を有する線状体により形成され、かつ軸方向に複数配列された環状体と、軸方向に隣り合う各環状体間を連結する連結部とを備えるものである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(10) 前記延出部は、前記環状体に設けられている上記(9)に記載の生体器官拡張器具。
(11) 前記延出部は、前記連結部に設けられている上記(9)または(10)に記載の生体器官拡張器具。
(12) 前記各環状体は、複数の前記ステントの一端側屈曲部と複数の前記ステントの他端側屈曲部と、前記一端側屈曲部と前記他端側屈曲部間を繋ぎかつ前記ステントの軸方向に延びる線状構成要素とを有する波線状環状体である上記(9)ないし(11)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(13) 前記各環状体は、ステントの軸方向に長い線状リング部が複数ステントの中心軸を取り囲むように配列され、かつ、隣接する線状リング部が接合部にて接続された環状体からなるものである上記(9)ないし(11)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
本発明の生体器官拡張器具は、チューブ状のシャフト本体部と、該シャフト本体部の先端部に設けられた拡張可能かつ折り畳まれたバルーンと、該折り畳まれたバルーンを被包するように装着され、かつ前記バルーンの拡張により拡張するステントとを備えるものであって、前記折り畳まれた状態のバルーンは、前記ステントの軸方向に延びる複数の折り畳み目を備え、前記ステントは、前記ステントの軸方向に延びる多数の線状構成要素を有する線状体であり、かつ、前記バルーンの前記折り畳み目を横切るように前記バルーンに装着されており、さらに、前記ステントの軸方向に延びる多数の線状構成要素のすべてもしくは複数の線状構成要素は、前記ステントの周方向に延びる延出部を備え、すべてもしくは一部の複数の前記延出部の端部が、前記バルーンの前記折り畳み目下に侵入している。
本発明のステントは、バルーンの折り畳み目を横切るようにバルーン上に装着されるとともに、ステントが備える延出部の端部がバルーンの折り畳み目の下に侵入している。このため、ステントの延出部が侵入したバルーンの折り目部分を若干押し上げる状態となり、バルーン上に装着されたステントの移動および離脱を抑制する。また、延出部は、バルーンを強く挟持するものではないので、バルーンの折り畳み目の下に侵入する延出部が、バルーンを損傷させる可能性は極めて少ない。
本発明の生体器官拡張器具について以下の好適実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例の生体器官拡張器具の正面図である。図2は、図1に示した生体器官拡張器具の先端部の拡大図である。図3は、図1に示した生体器官拡張器具の先端部の拡大断面図である。図4は、ステントを装着しない状態における本発明の生体器官拡張器具の先端部の拡大図である。図5は、図2の部分拡大図である。図6は、図5のA−A線拡大断面図である。図7は、本発明の実施例の生体器官拡張器具の作用を説明するための説明図である。図8は、図1に示した生体器官拡張器具の生体内留置用ステントの正面図である。図9は、図8の生体内留置用ステントの展開図である。図10は、図8の生体内留置用ステントの拡張時の正面図である。図11は、図8の生体内留置用ステントの拡張時の展開図である。図12は、本発明の生体器官拡張器具に使用される生体内留置用ステントの他の例の展開図である。
本発明の生体器官拡張器具1は、チューブ状のシャフト本体部2と、シャフト本体部2の先端部に設けられた拡張可能かつ折り畳まれたバルーン3と、折り畳まれたバルーン3を被包するように装着され、かつバルーン3の拡張により拡張するステント10とを備える。折り畳まれた状態のバルーン3は、ステント10の軸方向に延びる複数の折り畳み目35を備える。ステント10は、ステント10の軸方向に延びる多数の線状構成要素18を有する線状体であり、かつ、バルーン3の折り畳み目35を横切るようにバルーン3に装着されており、さらに、ステント10の軸方向に延びる多数の線状構成要素18のすべてもしくは複数の線状構成要素18は、ステント10の周方向に延びる延出部15を備え、すべてもしくは一部の複数の延出部15の端部が、バルーン3の折り畳み目下に侵入している。なお、折り畳み目35は、ウイングの端部、折り目端部、プリーツ端部と言い換えることができる。そして、生体器官拡張器具としては、血管拡張器具であることが好ましい。なお、生体器官拡張器具としては、胆管、気管、食道、尿道等を拡張するものであってもよい。
本発明の生体器官拡張器具1は、チューブ状のシャフト本体部2と、シャフト本体部2の先端部に設けられた折り畳みおよび拡張可能なバルーン3と、折り畳まれた状態のバルーン3を被包するように装着され、バルーン3の拡張により拡張されるステント10とを備える。
この実施例の生体器官拡張器具1にて用いられているステント10は、略管状体に形成され、生体内管腔への挿入のための直径を有し、ステント10の内部より半径方向に広がる力が付加されたときに拡張する、いわゆるバルーン拡張型ステントである。
この実施例の生体器官拡張器具1は、上述したステント10と、ステント10が装着されたチューブ状の生体器官拡張器具本体5とからなる。
生体器官拡張器具本体5は、チューブ状のシャフト本体部2と、シャフト本体部の先端部に設けられた折り畳みおよび拡張可能なバルーン3とを備え、ステント10は、折り畳まれた状態のバルーン3を被包するように装着され、かつバルーン3の拡張により拡張されるものである。
この実施例の生体器官拡張器具1では、図3に示すように、シャフト本体部2は、シャフト本体部2の先端にて一端が開口し、シャフト本体部2の後端部にて他端が開口するガイドワイヤールーメン8を備えている。
この生体器官拡張器具本体5は、シャフト本体部2と、シャフト本体部2の先端部に固定されたステント拡張用バルーン3とを備え、このバルーン3上にステント10が装着されている。シャフト本体部2は、内管4と外管6と分岐ハブ7とを備えている。
内管4は、図3に示すように、内部にガイドワイヤーを挿通するためのガイドワイヤールーメン8を備えるチューブ体である。内管4としては、長さは、100〜2500mm、より好ましくは、250〜2000mm、外径が、0.1〜1.0mm、より好ましくは、0.3〜0.7mm、肉厚10〜250μm、より好ましくは、20〜100μmのものである。そして、内管4は、外管6の内部に挿通され、その先端部が外管6より突出している。この内管4の外面と外管6の内面によりバルーン拡張用ルーメン9が形成されており、十分な容積を有している。外管6は、内部に内管4を挿通し、先端が内管4の先端よりやや後退した部分に位置するチューブ体である。
外管6としては、長さは、100〜2500mm、より好ましくは、250〜2000mm、外径が、0.5〜1.5mm、より好ましくは、0.7〜1.1mm、肉厚25〜200μm、より好ましくは、50〜100μmのものである。
この実施例の生体器官拡張器具1では、外管6は、先端側外管6aと本体側外管6bにより形成され、両者が接合されている。そして、先端側外管6aは、本体側外管6bとの接合部より先端側の部分において、テーパー状に縮径し、このテーパー部より先端側が細径となっている。
先端側外管6aの細径部での外径は、0.50〜1.5mm、好ましくは0.60〜1.1mmである。また、先端側外管6aの基端部および本体側外管6bの外径は、0.75〜1.5mm、好ましくは0.9〜1.1mmである。
内管4および外管6の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が使用でき、好ましくは上記の熱可塑性樹脂であり、より好ましくは、ポリオレフィンである。
そして、バルーン3は、先端側接合部3aおよび後端側接合部3bを有し、先端側接合部3aが内管4の先端より若干後端側の位置に固定され、後端側接合部3bが外管の先端に固定されている。また、バルーン3は、基端部付近にてバルーン拡張用ルーメン9と連通している。
バルーン3は、図4および図6に示すように、折り畳み可能なものであり、拡張させない状態では、内管4の外周に折り畳まれた状態となることができるものである。特に、本発明の生体器官拡張器具1では、図1ないし図6に示すように、折り畳まれた状態のバルーン3は、ステント10の軸方向に延びる複数(具体的には、3つ)の折り畳み目35を備えている。特に、図示する実施例では、バルーン3の各折り畳み目35は、装着されるステント10の中心軸に対してほぼ平行となっている。そして、複数(具体的には、3つ)の折り畳み目は、バルーン(ステント)の中心軸に対して、ほぼ等角度となるように形成されていることが好ましい。つまり、この実施例のバルーン3では、3つの折り畳み目35を備え、それらは、バルーン(ステント)の中心軸に対して約120度毎の配置となっている。また、折り畳み目は、4つ以上設けられていてもよく、この場合にも、各折り畳み目は、バルーン(ステント)の中心軸に対してほぼ等角度となるように設けられることが好ましい。なお、折り畳み目の数としては、2〜20程度が好適であり、3〜10が特に好ましい。また、バルーン3の各折り畳み目35は、図24に示し後述する生体器官拡張器具400のように、装着されるステント20の中心軸に対して所定角度斜めに延びるものであってもよい。
また、バルーン3は、図2ないし図4に示すように、拡張時に、装着されるステント10を拡張できるようにほぼ同一径の筒状部分(好ましくは、略円筒部分)となった拡張可能部3cを有している。略円筒部分は、完全な円筒でなくてもよく、多角柱状のものであってもよい。そして、バルーン3は、上述のように、先端側接合部3aが内管4にまた後端側接合部3bが外管6の先端に接着剤または熱融着などにより液密に固着されている。また、このバルーン3では、拡張可能部と接合部との間がテーパー状に形成されている。そして、バルーン3は、図7に示すように、内部に拡張用流体が注入されることにより、拡張し、装着されているステント10を拡張する。また、バルーン3の折り畳み目は、拡張時に実質的に消失する。
バルーン3は、バルーン3の内面と内管4の外面との間に拡張空間3dを形成する。この拡張空間3dは、後端部ではその全周において拡張用ルーメン9と連通している。このように、バルーン3の後端は、比較的大きい容積を有する拡張用ルーメンと連通しているので、拡張用ルーメン9よりバルーン内への拡張用流体の注入が確実である。
バルーン3の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリアリレーンサルファイド(例えば、ポリフェニレンサルファイド)等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が使用できる。特に、延伸可能な材料であることが好ましく、バルーン3は、高い強度および拡張力を有する二軸延伸されたものが好ましい。
バルーン3の大きさとしては、拡張されたときの円筒部分(拡張可能部)の外径が、2〜4mm、好ましくは2.5〜3.5mmであり、長さが10〜50mm、好ましくは20〜40mmである。また、先端側接合部3aの外径が、0.9〜1.5mm、好ましくは1〜1.3mmであり、長さが1〜5mm、好ましくは1〜1.3mmである。また、後端側接合部3bの外径が、1〜1.6mm、好ましくは1.1〜1.5mmであり、長さが1〜5mm、好ましくは、2〜4mmである。
そして、この生体器官拡張器具1は、図3に示すように、拡張されたときの円筒部分(拡張可能部)3cの両端となる位置のシャフト本体部の外面に固定された2つのX線造影性部材37、38を備えている。なお、ステント10の中央部分の所定長の両端となる位置のシャフト本体部2(この実施例では、内管4)の外面に固定された2つのX線造影性部材を備えるものとしてもよい。さらに、ステントの中央部となる位置のシャフト本体部の外面に固定された単独のX線造影性部材を設けるものとしてもよい。
X線造影性部材37、38は、所定の長さを有するリング状のもの、もしくは線状体をコイル状に巻き付けたものなどが好適であり、形成材料は、例えば、金、白金、タングステンあるいはそれらの合金、あるいは銀−パラジウム合金等が好適である。
そして、バルーン3を被包するようにステント10が装着されている。ステントは、ステント拡張時より小径かつ折り畳まれたバルーンの外径より大きい内径の金属パイプを加工することにより作製される。そして、作製されたステント内にバルーンを挿入し、ステントの外面に対して均一な力を内側に向けて与え縮径させることにより製品状態のステントが形成される。つまり、上記のステント10は、バルーンへの圧縮装着により完成する。
内管4と外管6との間(バルーン拡張用ルーメン9内)には、線状の剛性付与体(図示せず)が挿入されていてもよい。剛性付与体は、生体器官拡張器具100の可撓性をあまり低下させることなく、屈曲部位での生体器官拡張器具100の本体部2の極度の折れ曲がりを防止するとともに、生体器官拡張器具100の先端部の押し込みを容易にする。剛性付与体の先端部は、他の部分より研磨などの方法により細径となっていることが好ましい。また、剛性付与体は、細径部分の先端が、本体部外管6の先端部付近まで延びていることが好ましい。剛性付与体としては、金属線であることが好ましく、線径0.05〜1.50mm、好ましくは0.10〜1.00mmのステンレス鋼等の弾性金属、超弾性合金などであり、特に好ましくは、ばね用高張力ステンレス鋼、超弾性合金線である。
この実施例の生体器官拡張器具1では、図1に示すように、基端に分岐ハブ7が固定されている。分岐ハブ7は、ガイドワイヤールーメン8と連通しガイドワイヤーポートを形成するガイドワイヤー導入口71を有し、内管4に固着された内管ハブと、バルーン拡張用ルーメン9と連通しインジェクションポート72を有し、外管6に固着された外管ハブとからなっている。そして、外管ハブと内管ハブとは、固着されている。この分岐ハブ7の形成材料としては、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂が好適に使用できる。
なお、生体器官拡張器具の構造は、上記のようなものに限定されるものではなく、生体器官拡張器具の中間部分にガイドワイヤールーメンと連通するガイドワイヤー挿入口を有するものであってもよい。
ステント10は、図5に示すように、ステント10の軸方向に延びる多数の線状構成要素18を有する線状体であり、かつ、ステント10の軸方向に延びる線状構成要素18もしくは他の線状構成要素が、バルーン3の折り畳み目35を横切るようにバルーン3に装着されている。さらに、ステント10の軸方向に延びる多数の線状構成要素18のすべてもしくは多数の線状構成要素18のうちの複数の線状構成要素18は、ステント10の周方向に延びる延出部15を備えている。そして、すべての延出部もしくは一部の複数の延出部15(言い換えれば、すべての延出部ではないものの多数の延出部)の端部が、バルーン3の折り畳み目35下に侵入している。
そして、この実施例のステント10は、図5、図8ないし図11に示すように、バルーン3の軸方向に延びる多数の線状構成要素18を有する線状体により形成されかつ軸方向に複数配列された環状体12と、軸方向に隣り合う各環状体12間を連結する連結部13とを備えるものとなっている。
特に、この実施例のステント10では、環状体12は、ステントの一端側に位置する複数の一端側屈曲部(山部)16と、他端側に位置する複数の他端側屈曲部(谷部)17と、一端側屈曲部16と他端側屈曲部17を繋ぐとともにステントの軸方向に延びる線状構成要素18を有する波線状環状体となっている。また、このステント10では、ステントの軸方向に延びる線状構成要素18は、バルーン3に装着された状態において、ステントの中心軸に対してほぼ平行に延びるものとなっている。そして、軸方向に隣り合う環状体12は、接続部13により接続されている。特に、この実施例のステント10では、隣り合う2つの環状体は、一方の環状体の他端側屈曲部17と他方の環状体の一端側屈曲部16とが近接するものとなっており、かつ、その近接部において接続部13により接続されている。
この実施例のステント10における波状環状体12は、図8およびその展開図である図9ならびに図10およびその展開図である図11に示すように、ほぼ同じピッチの複数の山部と谷部を有し、環状に連続した無端の波状体により構成されている。なお、波状環状体の山(もしくは谷)の数は、4〜10が好適である。そして、この実施例のステント10では、隣り合う環状体12間には、複数(具体的には、3つ)の接合部13が設けられている。なお、接合部13は、隣り合う環状体間に複数備えることが好ましいが、1つのみ備えるものであってもよい。さらには、隣り合う環状体間の近接するすべての一端側屈曲部と他端側屈曲部を接合部13により接続してもよい。
なお、本発明のステントの形態は、上述したステント10のような、隣り合う環状体間の一端側屈曲部と他端側屈曲部が近接するように配置された形態のものに限定されるものではない。
そして、ステント10は、図5、図6、図8ないし図11に示すように、複数のステント10の軸方向に延びる線状構成要素18は、ステント10の周方向に延びる延出部15を備えている。延出部15は、図5、図8および図9に示すように、バルーン3上への装着状態(圧縮状態)において、周方向に近接する線状構成要素に接触しないものとなっている。より好ましくは、延出部15は、延出部以外の部分に比べて、周方向に近接する線状構成要素と近接するものの、若干離間していることが好ましい。そして、延出部15は、環状体12の屈曲部もしくは屈曲部付近に形成されていることが好ましい。ステント10は、図10およびその展開図である図11の状態より、圧縮されることにより、図8および図9の状態に変形する。この変形時に、1つの環状体内にて隣り合う屈曲部16、17は、近接する方向に変形する。つまり、屈曲部16、17は圧縮時における移動量が多いため、屈曲部もしくは屈曲部付近に延出部を形成することにより、圧縮時(変形時)に延出部の移動量も多くなり、バルーンの折り畳み目下に侵入しやすいものとなる。
そして、このステント10では、延出部15は、線状構成要素18の一部が、ステント10の周方向に膨出することにより形成されている。具体的には、延出部15は、線状構成要素18の一部の幅が、ステント10の周方向に広がることにより形成されている。また、このステント10では、延出部15は、ステント10の一方の周方向にのみ膨出するものとなっている。そして、このステント10では、延出部15は、屈曲部17とつながる線状構成要素18の端部もしくは屈曲部17と線状構成要素18の境界部に形成されている。そして、図5、図8および図9に示すように、延出部15の端部は、エッジのない湾曲端となっている。また、このステント10では、図5、図8および図9に示すように、延出部15の形状は、半円状のものとなっている。なお、延出部の形状としては、半楕円状、エッジのない半多角形状、エッジのない三角形状などであってもよい。
そして、このステント10では、延出部15を備える環状体12と備えない環状体12とが交互となるように配置されている。また、延出部15を有する環状体12には、複数、具体的には3つのステントの周方向かつ同じ方向に延出する延出部が設けられている。なお、図12に示すステント20のように、すべての環状体12に延出部を設けてもよい。さらに、この実施例のステント10では、図8ないし図11に示すように、延出部15を有する各環状体12は、延出部15がステント10の中心軸に対してほぼ平行の直線上となるように配置されており、これにより、ステント10は、複数の延出部15がステント10の中心軸に対してほぼ平行かつ直線上に並んだ延出部列を複数備えるものとなっている。そして、複数の延出部列は、上述したバルーン3の各折り畳み目35に対応するものとなっている。
このステント10では、図8ないし図11に示すように、バルーン3の各折り畳み目35に対応するように、複数(具体的には、3本)の延出部列を備えている。そして、複数(具体的には、3本)の延出部列は、バルーン(ステント)の中心軸に対して、ほぼ等角度となるように形成されていることが好ましい。つまり、この実施例のステント10では、3本の延出部列を備え、それらは、バルーン(ステント)の中心軸に対して約120度毎に存在するものとなっている。また、延出部列は、4本以上設けられていてもよく、この場合にも、各延出部列は、バルーン(ステント)の中心軸に対してほぼ等角度となるように形成されることが好ましい。なお、延出部列の数としては、2〜8程度が好適であり、2〜5が特に好ましい。また、延出部列の数は、バルーン3の各折り畳み目35に対応可能であればよく、同数に限定されるものではなく、折り畳み目の数の整数倍の数存在するものとしてもよい。
そして、この実施例の生体器官拡張器具1では、バルーン3の折り畳み目35の下に侵入した延出部15とバルーン3の折り畳み目上を横切る線状構成要素18とにより、ステント10は、バルーン3を緩やかに挟持している。特に、この実施例の生体器官拡張器具1では、図5に示すように、バルーン3の折り畳み目35は、バルーン3の折り畳み目35を横切る環状体12の屈曲部により間欠的に上から押さえられた状態となっている。具体的には、ステント10は、バルーン3の折り畳み目35と交差(折り畳み目上を横切る)する複数の交差部を持っている。隣り合う交差部は、ステントの軸方向に等距離離間するものではなく、所定長離間するものと近接するものとが交互となっている。そして、離間する交差部間に延出部15が位置するとともに、バルーン3の折り畳み目35の下に侵入し、バルーン3を若干持ち上げる状態となっている。このような部分が、軸方向に多数存在している。このため、ステント10は、バルーンに損傷を与えることなく、バルーン3を緩やかに挟持している。
また、本発明の生体器官拡張器具に使用されるステントとしては、図12に示すステント20のようなものであってもよい。このステント20では、すべての環状体12が、延出部15を備えている。このステント20の環状体の形態を含む基本構成は、上述したステント10と同じであり、相違は、すべての環状体12が、延出部15を備えている点および、各環状体における延出部15の数である。このステント20では、隣り合う2つの環状体は、一方の環状体の他端側屈曲部17と他方の環状体の一端側屈曲部16とが近接するものとなっており、かつ、その両者の近接部に延出部15が設けられている。具体的には、一方の環状体12のすべての他端側屈曲部17付近には、延出部15が設けられており、上記一方の環状体と隣り合う環状体12のすべての一端側屈曲部16付近には、延出部15が設けられている。そして、軸方向に隣り合う各延出部15は、ステント20の中心軸に対してほぼ平行の直線上となるように配置されており、これにより、ステント20は、複数の延出部15がステント20の中心軸に対してほぼ平行かつ直線上に並んだ延出部列をバルーンの各折り畳み目の数よりも多い数備えるものとなっている。そして、複数の延出部列は、バルーン(ステント)の中心軸に対して、ほぼ等角度となるように形成されている。
このように多くの延出部15を有するものとすることにより、バルーンの折り畳み目の下に侵入する延出部の数も多くなり、ステントは、バルーンに損傷を与えることなく、バルーン3を緩やかかつ確実に挟持するものとなる。
また、本発明の生体器官拡張器具としては、図13および図15に示すようなものであってもよい。
図13は、本発明の他の実施例の生体器官拡張器具の先端部の拡大図である。図14は、図13の部分拡大図である。図15は、図13に示した生体器官拡張器具の生体内留置用ステントの展開図である。
この実施例の生体器官拡張器具100と上述した生体器官拡張器具1との相違は、ステントの形態のみである。そして、この実施例の生体器官拡張器具100に用いられているステント30と上述したステント10の基本形態は同じであり、大きな相違点は、一端側屈曲部16と他端側屈曲部17を繋ぐとともにステントの軸方向に延びる線状構成要素18aの形態である。
この実施例に用いられているステント30では、環状体12は、ステントの一端側に位置する複数の山部(一端側屈曲部)16と、他端側に位置する複数の谷部(他端側屈曲部)17と、一端側屈曲部16と他端側屈曲部17を繋ぐとともにステントの軸方向に延びる線状構成要素18aを有する波線状環状体となっている。そして、ステントの軸方向に延びる線状構成要素18aは、バルーン3に装着された状態において、ステントの中心軸に対して所定角度斜めに延びるものとなっている。また、軸方向に隣り合う環状体12は、接続部13により接続されている。この実施例のステント30においても、隣り合う2つの環状体は、一方の環状体の他端側屈曲部17と他方の環状体の一端側屈曲部16とが近接するものとなっており、かつ、その近接部において接続部13により接続されている。
そして、ステント30の中心軸に対して所定角度斜めに延びる線状構成要素18aは、ステント30の周方向に延びる延出部15を備えている。延出部15の形態としては、ステント10において説明した形態が好適であり、また、ステント20のようにすべての環状体12が、延出部を有するものであってもよい。
また、本発明の生体器官拡張器具としては、図16および図17に示すようなものであってもよい。
図16は、本発明の他の実施例の生体器官拡張器具の先端部の拡大図である。
図17は、図16の部分拡大図である。図18は、図16に示した生体器官拡張器具の生体内留置用ステントの正面図である。図19は、図18に示した生体内留置用ステントの展開図である。
この実施例の生体器官拡張器具200と上述した生体器官拡張器具1との相違は、ステントの形態のみである。
この生体器官拡張器具200に用いられているステント40は、上述したステント10と同様に、複数の環状体42と隣り合う環状体42を連結する連結部46を有する点においては同じである。そして、このステント40では、各環状体42は、ステントの軸方向に長い線状リング部44が複数、ステント40の中心軸を取り囲むように配列され、かつ、隣接する線状リング部44が接合部45にて接続されたものとなっている。そして、連結部46は、バルーンへの装着状態において、ステントの軸方向に延びるものであるとともに、ステント40の周方向に延びる延出部47を備えている。そして、すべてもしくは一部の延出部47の端部は、図17に示すように、バルーン3の折り畳み目35の下に侵入している。
このステント40では、環状体42は、複数の線状リング部44と、隣り合う線状リング部44の側部を接続する接合部45とにより構成されている。具体的には、環状体42は、ステント40の軸方向に長い線状リング部44を複数ステントの周方向に備え、かつそれらが側部にて接合部45により接合した形態となっている。線状リング部44は、略菱形状となっており、ステント40の周方向に向かい合う2つの周方向角部と、ステント40の軸方向に向かい合う2つの軸方向角部と、4つの角部を接続する4本の斜行線状部を備えている。そして、接合部45は、近接しかつ隣り合う一方の線状リング部の周方向角部と他方の線状リング部の周方向角部とを接続している。また、1つの環状体42における線状リング部44の数は、4〜10が好適である。なお、線状リング部の形状としては、軸方向に長い5角以上の多角形状、楕円状であってもよい。
ステント40は、図19に示すように、複数の環状体42が、ステント40の軸方向にほぼ直線状となるように配列されるとともに、隣り合う環状体42を連結する連結部46を備えている。そして、連結部46は、ステントがバルーンに装着された状態において、ステント40の中心軸に対してほぼ平行に延びるものとなっている。そして、各連結部46には、ステント40の周方向に延びる延出部47を備えている。特に、このステント40では、延出部47は、連結部46の中央部に形成されており、このため、隣り合う環状体42の中間部に位置するものとなっている。また、このステント40では、バルーン3の各折り畳み目35に対応するように、隣り合う環状体42間には、複数(具体的には、3つ)の連結部46が設けられており、さらに、隣り合う連結部は、ほぼ直線状のものとなっている。このため、このステント40においても、バルーン3の各折り畳み目35に対応するように、複数(具体的には、3本)の延出部列を備えている。そして、複数(具体的には、3本)の延出部列(連結部列)は、バルーン(ステント)の中心軸に対して、ほぼ等角度となるように形成されている。つまり、この実施例のステント40においても、3本の延出部列(連結部列)を備え、それらは、バルーン(ステント)の中心軸に対して約120度毎に存在するものとなっている。また、延出部列は、4本以上設けられていてもよく、この場合にも、各延出部列(各連結部列)は、バルーン(ステント)の中心軸に対してほぼ等角度となるように形成されることが好ましい。なお、延出部列(連結部列)の数としては、2〜8程度が好適であり、2〜5が特に好ましい。また、延出部列(連結部列)の数は、バルーン3の各折り畳み目35に対応可能であればよく、同数に限定されるものではなく、折り畳み目の数の整数倍の数存在するものとしてもよい。なお、すべての連結部が、延出部を備えることが好ましいが、一部にのみ設けてもよい。また、このステント40においても、延出部47の形状は、半楕円状のものとなっている。なお、延出部の形状としては、半円状、エッジのない半多角形状、エッジのない三角形状などであってもよい。
また、本発明の生体器官拡張器具としては、図20および図21に示すようなものであってもよい。
図20は、本発明の他の実施例の生体器官拡張器具の先端部の拡大図である。
図21は、図20の部分拡大図である。図22は、図21に示した生体器官拡張器具の生体内留置用ステントの正面図である。図23は、図22に示した生体内留置用ステントの展開図である。
この実施例の生体器官拡張器具300と上述した生体器官拡張器具1との相違は、ステントの形態のみである。
この生体器官拡張器具300のステント60では、上述したステント1と同様に、環状体62は、ステントの一端側に位置する複数の一端側屈曲部(山部)66と、他端側に位置する複数の他端側屈曲部(谷部)67と、一端側屈曲部66と他端側屈曲部67とを繋ぐとともにステント60の軸方向に延びる線状構成要素68とを有する波状環状体により構成されている。
このステント60における環状体62は、図22および図23に示すように、ほぼ同じピッチの複数の山部と谷部を有し、環状に連続した無端の波状体である。なお、波状環状体の山(もしくは谷)の数は、4〜10が好適である。
ステント60は、図21ないし図23に示すように、複数の環状体62が、ステント60の軸方向にほぼ直線状となるように配列されるとともに、隣り合う環状体62を連結する連結部63を備えている。そして、このステント60における延出部65は、ステント60の軸方向に延びる線状構成要素68の一部が、ステントの周方向に突出するように湾曲することにより構成されている。具体的には、環状体62は、ステント60の軸方向に延びる線状構成要素68の他端部がステントの周方向に突出するように湾曲するとともに、他端側屈曲部67と一体化した延出部65を備えている。そして、上述したステント10における延出部と同様に、このステント60における延出部65も、図21および図22に示すように、バルーン3上への装着状態(圧縮状態)において、周方向に近接する線状構成要素に接触しないものとなっている。より好ましくは、延出部65は、延出部以外の部分に比べて、周方向に近接する線状構成要素と近接するものの、若干離間していることが好ましい。そして、延出部65は、上述したように、屈曲部と一体化しているため、圧縮されることにより、図21および図22の状態に変形する。この変形時に、1つの環状体内にて隣り合う屈曲部は、近接する方向に変形する。つまり、屈曲部は圧縮時における移動量が多いため、屈曲部もしくは屈曲部付近に延出部を形成することにより、圧縮時(変形時)に延出部の移動量も多くなり、バルーンの折り畳み目下に侵入しやすいものとなる。
そして、このステント60では、バルーン3の各折り畳み目35に対応するように、各環状体62は、複数(具体的には、3つ)のステントの周方向かつ同じ方向に延出する延出部65を備えている。そして、この実施例のステント60では、各環状体62は、図22および図23に示すように、延出部65が直線状に配置されるように軸方向に複数配列している。このため、このステント60においても、バルーン3の各折り畳み目35に対応するように、複数(具体的には、3本)の延出部列を備えている。そして、複数(具体的には、3本)の延出部列(連結部列)は、バルーン(ステント)の中心軸に対して、ほぼ等角度となるように形成されている。また、この実施例のステント60では、各連結部63は、隣り合う環状体を延出部が形成されていない他端側屈曲部間にて連結するものとなっている。なお、連結部は、隣り合う環状体の延出部を持たない一端側屈曲部間にて連結するものであってもよい。そして、このステント60では、連結部63は、隣り合う環状体間に1つのみ形成されている。なお、連結部63は、隣り合う環状体間に複数形成してもよい。
また、上述したすべての実施例において、バルーン3の折り畳み目35は、バルーン(ステント)の中心軸に対して平行となるように形成されているが、本発明の生体器官拡張器具としては、そのようなものに限定されるものではない。
例えば、図24に示す生体器官拡張器具400のように、バルーン3の折り畳み目35aは、バルーン(ステント)の中心軸に対して所定角度斜めに延びるものであってもよい。このような折り畳み目35aを有する場合には、ステントが備える延出部15の配置形態も折り畳み目の形状に対応することが必要となる。そのためには、図12に示したステント20のように、多数の延出部15を有するものを用いること、また、バルーン3の折り畳み目35aの傾斜形態に対応して、傾斜した複数の延出部列を有するものとすることが好適である。
そして、上述したすべてのステントにおいて、ステントは、非拡張時の直径が、0.8〜1.8mm程度が好適であり、特に、0.9〜1.4mmがより好ましい。また、ステントの非拡張時の長さは、9〜40mm程度が好適である。また、1つの波状環状体の長さは、0.7〜2.0mm程度が好適であり、1つの環状体の長さは、1.5〜4.0mm程度が好適であり、特に、2.0〜3.0mmがより好ましい。また、1つの波状環状体の山の数(言い換えれば、谷の数)は、4〜8が好ましく、特に、5〜7が好ましい。また、環状体の数としては、4〜15が好適である。また、ステントの成形時(圧縮前)の直径は、1.5〜3.5mm程度が好適であり、特に、2.0〜3.0mmがより好ましい。さらに、ステントの肉厚としては、0.05〜0.15mm程度が好適であり、特に、0.08〜0.12mmが好適であり、波状要素の幅は、0.07〜0.15mm程度が好適であり、特に、0.08〜0.13mmが好適である。
ステントの形成材料としては、ある程度の生体適合性を有するものが好ましく、例えば、ステンレス鋼、タンタルもしくはタンタル合金、プラチナもしくはプラチナ合金、金もしくは金合金、コバルトベース合金等が考えられる。またステント形状を作製した後に貴金属メッキ(金、プラチナ)をしてもよい。ステンレス鋼としては、最も耐腐食性のあるSUS316Lが好適である。
また、ステントは、面取りされていることが好ましい。ステントの面取り方法としては、ステントを最終形状に形成した後、化学研磨、電解研磨もしくは機械研磨することにより行うことができる。化学研磨としては、ステンレス化学研磨液に浸漬することにより行うことが好ましい。ステンレス化学研磨液としては、ステンレスを溶解できるものであればよく、例えば、塩酸と硝酸からなる混合液を基本成分とし、これに、溶解速度調整、平滑化および光沢性付与のための有機硫黄化合物および界面活性剤を添加したものが好ましい。
さらに、ステントの最終形状を作製した後、焼きなましすることが好ましい。焼きなましを行うことにより、ステント全体の柔軟性および可塑性が向上し、屈曲した血管内での留置性が良好となる。焼きなましを行わない場合に比べて、ステントを拡張した後の拡張前形状に復元しようとする力、特に、屈曲した血管部位で拡張した時に発現する直線状に復帰しようとする力が減少し、屈曲した血管内壁に与える物理的な刺激が減少し、再狭窄の要因を減少させることができる。焼きなましは、ステント表面に酸化被膜が形成されないように、不活性ガス雰囲気下(例えば、窒素と水素の混合ガス)にて、900〜1200℃に加熱した後、ゆっくりと冷却することにより行うことが好ましい。
図1は、本発明の実施例の生体器官拡張器具の正面図である。 図2は、図1に示した生体器官拡張器具の先端部の拡大図である。 図3は、図1に示した生体器官拡張器具の先端部の拡大断面図である。 図4は、ステントを装着しない状態における本発明の生体器官拡張器具の先端部の拡大図である。 図5は、図2の部分拡大図である。 図6は、図5のA−A線拡大断面図である。 図7は、本発明の実施例の生体器官拡張器具の作用を説明するための説明図である。 図8は、図1に示した生体器官拡張器具の生体内留置用ステントの正面図である。 図9は、図8の生体内留置用ステントの展開図である。 図10は、図8の生体内留置用ステントの拡張時の正面図である。 図11は、図8の生体内留置用ステントの拡張時の展開図である。 図12は、本発明の生体器官拡張器具に使用される生体内留置用ステントの他の例の展開図である。 図13は、本発明の他の実施例の生体器官拡張器具の先端部の拡大図である。 図14は、図13の部分拡大図である。 図15は、図13に示した生体器官拡張器具の生体内留置用ステントの展開図である。 図16は、本発明の他の実施例の生体器官拡張器具の先端部の拡大図である。 図17は、図16の部分拡大図である。 図18は、図16に示した生体器官拡張器具の生体内留置用ステントの正面図である。 図19は、図18に示した生体内留置用ステントの展開図である。 図20は、本発明の他の実施例の生体器官拡張器具の先端部の拡大図である。 図21は、図20の部分拡大図である。 図22は、図21に示した生体器官拡張器具の生体内留置用ステントの正面図である。 図23は、図22に示した生体内留置用ステントの展開図である。 図24は、本発明の他の実施例の生体器官拡張器具を説明するための説明図である。
符号の説明
1 生体器官拡張器具
2 シャフト本体部
3 バルーン
10 ステント
15 延出部
35 折り畳み目

Claims (13)

  1. チューブ状のシャフト本体部と、該シャフト本体部の先端部に設けられた拡張可能かつ折り畳まれたバルーンと、該折り畳まれたバルーンを被包するように装着され、かつ前記バルーンの拡張により拡張するステントとを備える生体器官拡張器具であって、
    前記折り畳まれた状態のバルーンは、前記ステントの軸方向に延びる複数の折り畳み目を備え、
    前記ステントは、前記ステントの軸方向に延びる多数の線状構成要素を有する線状体であり、かつ、前記バルーンの前記折り畳み目を横切るように前記バルーンに装着されており、さらに、前記ステントの軸方向に延びる多数の線状構成要素のすべてもしくは複数の線状構成要素は、前記ステントの周方向に延びる延出部を備え、すべてもしくは一部の複数の前記延出部の端部が、前記バルーンの前記折り畳み目下に侵入していることを特徴とする生体器官拡張器具。
  2. 前記ステントは、前記バルーンの前記折り畳み目下に侵入した前記延出部と前記バルーンの折り畳み目上を横切る線状構成要素とにより、前記バルーンを緩やかに挟持している請求項1に記載の生体器官拡張器具。
  3. 前記バルーンの各折り畳み目は、前記ステントの中心軸に対してほぼ平行となっており、前記ステントは、前記延出部が前記ステントの中心軸に対してほぼ平行に複数設けられた延出部列を前記バルーンの各折り畳み目に対応するように複数有している請求項1または2に記載の生体器官拡張器具。
  4. 前記延出部の前記端部は、エッジのない湾曲端となっている請求項1ないし3のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
  5. 前記延出部は、前記線状構成要素の一部が、前記ステントの周方向に膨出することにより構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
  6. 前記延出部は、前記線状構成要素の一部が、前記ステントの周方向に突出するように湾曲することにより構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
  7. 前記ステントの軸方向に延びる多数の線状構成要素は、前記ステントの中心軸に平行な線状構成要素であり、前記延出部は、前記ステントの中心軸に平行な線状構成要素に設けられている請求項1ないし6のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
  8. 前記ステントの軸方向に延びる多数の線状構成要素は、前記ステントの中心軸に対して所定角度斜めに延びる線状構成要素であり、前記延出部は、前記ステントの中心軸に対して所定角度斜めに延びる線状構成要素に設けられている請求項1ないし6のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
  9. 前記ステントは、前記バルーンの軸方向に延びる多数の線状構成要素を有する線状体により形成され、かつ軸方向に複数配列された環状体と、軸方向に隣り合う各環状体間を連結する連結部とを備えるものである請求項1ないし8のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
  10. 前記延出部は、前記環状体に設けられている請求項9に記載の生体器官拡張器具。
  11. 前記延出部は、前記連結部に設けられている請求項9または10に記載の生体器官拡張器具。
  12. 前記各環状体は、複数の前記ステントの一端側屈曲部と複数の前記ステントの他端側屈曲部と、前記一端側屈曲部と前記他端側屈曲部間を繋ぎかつ前記ステントの軸方向に延びる線状構成要素とを有する波線状環状体である請求項9ないし11のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
  13. 前記各環状体は、ステントの軸方向に長い線状リング部が複数ステントの中心軸を取り囲むように配列され、かつ、隣接する線状リング部が接合部にて接続された環状体からなるものである請求項9ないし11のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
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