JP2009194263A - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】漏れ電流の増加を抑制することが可能な固体電解コンデンサの製造方法を提供する。
【解決手段】積層型固体電解コンデンサは、陽極部8および陰極部9を有するコンデンサ素子10(コンデンサ素子10a〜10d)が4枚積層され、積層状態の中央部に外部リード端子として機能するリードフレーム(陽極端子11および陰極端子12)が取り付けられている。そして、コンデンサ素子10の陽極部8のそれぞれが、支点部材6を支点としてその先端側が折れ曲がり、陽極端子11あるいは隣接する陽極部8と抵抗溶接されている。こうした抵抗溶接は、コンデンサ素子10の陽極部8に支点部材6および掘削部5を形成し、支点部材6を支点として陽極部8を曲げ、陽極部8を陽極端子11もしくは別のコンデンサ素子10の陽極部8に溶接固定することにより行っている。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体電解コンデンサの製造方法に関する。
一般に積層型固体電解コンデンサの製造方法では、アルミニウムなどの弁作用を有する金属箔を陽極酸化することにより、その表面に主に酸化物からなる誘電体層を形成する。そして、誘電体層が形成された金属箔の片側端部を陽極部とし、この陽極部を除いた部分の誘電体層上に電解質層(たとえば、二酸化マンガン、ポリピロール、ポリチオフェンなど)を形成した後、その上に陰極引出層(たとえば、導電性カーボン層と銀ペースト層の積層膜)を形成し、陰極部とする。これにより、陽極部と陰極部とを有するコンデンサ素子を形成する。その後、こうしたコンデンサ素子を外部リード端子として機能するリードフレーム(陽極端子および陰極端子)上に複数積層し、陽極部と陽極端子あるいは隣接する陽極部同士を抵抗溶接により接続するとともに、陰極部と陰極端子あるいは隣接する陰極部同士を導電性接着剤で接続する。そして、トランスファー法などでモールドを行うことにより積層型固体電解コンデンサを完成させる方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
国際公開第WO00/74091号パンフレット
しかしながら、上記特許文献1に記載の積層型固体電解コンデンサの製造方法では、コンデンサ素子の抵抗溶接を、陽極部の根本付近(陽極部と陰極部との境界)で金属箔を曲げながら(あるいは曲げた状態で)行うので、陽極部の根元付近に応力が集中し、その周辺の誘電体層が破損しやすい。このため、積層型固体電解コンデンサの漏れ電流(LC:Leakage Current)の増加や、短絡による不良の原因となるという問題があった。特にリ
ードフレームから離れた位置で積層されるコンデンサ素子では、金属箔の曲げ量が大きくなり、こうした問題がより顕著となる。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、漏れ電流の増加を抑制することが可能な固体電解コンデンサの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法は、陽極端子と陰極端子を含むリード端子と、第1のコンデンサ素子とを備えた固体電解コンデンサの製造方法であって、第1のコンデンサ素子の第1の陽極部に第1の支点部材を形成する第1の工程と、第1の支点部材を支点として第1の陽極部を曲げ、第1の陽極部を陽極端子に接続する第2の工程と、を備えることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る別の固体電解コンデンサの製造方法は、複数のコンデンサ素子を積層した固体電解コンデンサの製造方法であって、複数のコンデンサ素子のうち少なくとも1つのコンデンサ素子の陽極部に支点部材を形成する工程と、支点部材を支点として陽極部を曲げ、陽極部を、積層状態で隣接する他のコンデンサ素子の陽極部に接続する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、漏れ電流の増加を抑制することが可能な固体電解コンデンサの製造方法が提供される。
以下、本発明を具現化した実施形態について図面に基づいて説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
図1は本実施形態に係る積層型固体電解コンデンサの構成の一例を示す概略断面図である。図2は図1の積層型固体電解コンデンサに用いるコンデンサ素子の概略図(断面図および平面図)である。なお、図2の断面図は平面図のX−X線に沿った断面に相当する。また、図3は図2のコンデンサ素子の製造プロセスを説明するための概略図(断面図および平面図)であり、図4および図5は積層型固体電解コンデンサの製造プロセスを説明するための概略断面図である。また、図6は積層型固体電解コンデンサの一製造工程を示す平面図である。
本実施形態に係る積層型固体電解コンデンサは、図1に示すように、複数枚(本例では4枚)積層されたコンデンサ素子10(コンデンサ素子10a〜10d)を備え、積層状態の中央部には外部リード端子として機能するリードフレーム(陽極端子11および陰極端子12)が取り付けられている。そして、陽極端子11および陰極端子12の一部が相反する方向の外部に引き出される形で、積層されたコンデンサ素子10、陽極端子11、及び陰極端子12はモールド外装体13により覆われている。
上記コンデンサ素子10は、図2に示すように、弁作用を有する金属箔1の表面に、誘電体層2、電解質層3、及び陰極引出層4が順次形成されている。誘電体層2は、金属箔1の酸化物からなる誘電体で構成され、金属箔1の表面に形成されている。電解質層3は、導電性ポリマーからなる導電性高分子層から構成され、金属箔1の片側端部を除いた誘電体層2の表面上に形成されている。陰極引出層4は、カーボン粒子を含む層からなる導電性カーボン層4aと、銀粒子を含む層からなる銀ペースト層4bとの積層膜で構成され、電解質層3上に形成されている。ここで、誘電体層2が形成された金属箔1の片側端部(電解質層3および陰極引出層4が形成されていない部分)を陽極部8とし、この陽極部8を除いた部分(誘電体層2の上に電解質層3および陰極引出層4が形成されている部分)を陰極部9とする。
このような構成のコンデンサ素子10を、リードフレーム(陽極端子11および陰極端子12)の上下面に各2枚積層し、陽極部8と陽極端子11および隣接する陽極部8同士を抵抗溶接(固定)するとともに、陰極部9と陰極端子12および隣接する陰極部9同士を導電性接着剤7で接着固定している。そして、積層されたコンデンサ素子10、陽極端子11、及び陰極端子12をモールド外装体13で成型して覆うことにより積層型固体電解コンデンサが形成されている。
ここで、積層型固体電解コンデンサに用いられるコンデンサ素子10には、図2に示すように、陽極部8と陰極部9との境界14と、抵抗溶接棒の当接位置15との間における金属箔1の両面に掘削部5が設けられている。さらに、掘削部5を設けた陽極部8における金属箔1の一方の面には、熱硬化性部材からなる支点部材6が設けられている。この支点部材6は、掘削部5の陰極部9側(境界14と掘削部5との間)に設けられ、掘削部5の一部を覆うように形成されている。なお、支点部材6は、陽極部8を小面積化(短小化)しつつ、陽極部8を抵抗溶接する際に陽極部8の先端側(抵抗溶接棒の当接位置15側)が折れ曲がり易くなるように、陽極部8の中央部よりも陰極部9側に位置して形成されている。
本実施形態の積層型固体電解コンデンサにおいては、こうしたコンデンサ素子10の陽極部8のそれぞれが、図1に示すように、支点部材6を支点としてその先端側(抵抗溶接棒の当接位置15側)が折れ曲がり、陽極端子11あるいは隣接する陽極部8と抵抗溶接
されている。このように支点部材6および掘削部5が存在することにより、支点部材6を支点として掘削部5部分を含む先端側で陽極部8が折れ曲がる。したがって、コンデンサ素子10の陽極部8の根元付近(境界14)に曲げ応力が加わることが抑制されるので、その周辺の誘電体層2の破損に起因した漏れ電流の増加や短絡による不良を抑制することが可能となる。
なお、こうした曲げ応力の抑制効果は、陽極部8と陽極端子11との間の接続と、積層状態で隣接するコンデンサ素子10の陽極部8同士の接続のいずれの場合においても得られている。
(製造方法)
次に、本実施形態の積層型固体電解コンデンサの製造方法について、図1〜図6を参照して説明する。
工程1:アルミニウム、ニオブ、タンタルから選ばれる弁作用金属またはその合金からなり、所定の厚みD1を有する単板状の金属箔1を用意する。
工程2:金属箔1を電解液中で陽極酸化することにより、金属箔1の表面を覆うように主に金属箔の酸化物(金属酸化物)からなる誘電体層2を形成する。電解液としては、たとえば、リン酸水溶液やアジピン酸水溶液などが採用される。
工程3:電解質層3として、誘電体層2の表面の一部(陰極部9となる部分)を覆うように、化学重合法を用いて導電性ポリマーからなる導電性高分子層を形成する。具体的には、導電性ポリマーとなる単量体(モノマー)と酸化剤を溶解させた化学重合液を用意し、誘電体層2を形成した金属箔1を所定の位置までこの化学重合液に浸漬した後、熱処理を施すことにより、単量体(モノマー)を酸化重合させ、誘電体層2の表面上に導電性高分子層を形成する。なお、導電性高分子層の材料としては、導電性を有する高分子材料であれば特に限定されないが、たとえば、導電性に優れたポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンなどの材料が採用される。
工程4:電解質層3上にカーボンペーストを塗布、乾燥することにより導電性カーボン層4aを形成する。さらに、この導電性カーボン層4a上に銀ペーストを塗布、乾燥することにより銀ペースト層4bを形成する。このようにして、電解質層3を覆うように、導電性カーボン層4aと銀ペースト層4bとの積層膜からなる陰極引出層4を形成する。
以上の工程を経て、図3(A)に示す状態のコンデンサ素子10が形成される。ここで、誘電体層2の上に電解質層3および陰極引出層4が形成されている部分が陰極部9となり、電解質層3および陰極引出層4が形成されていない部分が陽極部8となる。なお、陽極部8の表面と陰極部9の表面との間には電解質層3の厚さと陰極引出層4の厚さの総和に相当する段差H1が生じる。
工程5:コンデンサ素子10における陽極部8の所定の位置にレーザー光を照射することにより、金属箔1の幅全体にわたって誘電体層2の表面から所定の深さD2を有する掘削部5を形成する。この際、掘削部5は長さW1で形成する。さらに、こうしたレーザー照射を陽極部8の反対側の面に対して行い、図3(B)に示す状態のコンデンサ素子10を形成する。
工程6:陽極部8の一方の面(溶接面:陽極端子もしくは別のコンデンサ素子の陽極部と接合される面)の所定の位置(掘削部5の一部と重畳する位置)に、金属箔1の幅全体にわたって熱硬化性部材を塗布した後、熱処理を施して硬化させ、支点部材6を形成する。この際、支点部材6は、誘電体層2の表面から所定の高さH2および長さW2で形成す
る。なお、支点部材6の高さH2は、上述の段差H1よりも高くなるよう調整している。また、熱硬化性部材としては、熱硬化性の絶縁部材あるいは熱硬化性の導電性部材が採用される。
以上の工程を経て、図2に示す状態のコンデンサ素子10(積層型固体電解コンデンサに用いられる4枚のコンデンサ素子10a〜10d)が形成される。
工程7:外部リード端子として機能するリードフレーム(平板状の陽極端子11および平板状の陰極端子12)を用意する。そして、図4(A)に示すように、1枚目のコンデンサ素子10aの陰極部9上に導電性接着剤7を塗布した後、コンデンサ素子10aをリードフレームの対応する位置に少し離した状態で配置する。そして、コンデンサ素子10aを移動させ、図4(B)および図6に示すように、導電性接着剤7を介して陰極部9と陰極端子12とを接触させた状態で乾燥させることにより、陰極部9と陰極端子12と導電性接着剤7で接続する。さらに、図4(B)および図6に示すように、陽極端子11に陽極部8の支点部材6の一部を重畳して押し当てた状態で、陽極部8を陽極端子11にスポット溶接により接続する。この際、陽極部8は、支点部材6を支点としてその先端側(図2における抵抗溶接棒の当接位置15側)が折れ曲がり、陽極端子11と抵抗溶接される。
工程8:図4(C)に示すように、2枚目のコンデンサ素子10bの陰極部9上に導電性接着剤7を塗布した後、コンデンサ素子10aの陽極部8および陰極部9と対応する位置に少し離した状態で配置する。そして、コンデンサ素子10bを移動させ、図5(A)に示すように、導電性接着剤7を介してコンデンサ素子10bの陰極部9とコンデンサ素子10aの陰極部9とを接触させた状態で乾燥させることにより、2枚のコンデンサ素子の陰極部9同士を導電性接着剤7で接続する。さらに、図5(A)に示すように、コンデンサ素子10bの支点部材6をコンデンサ素子10aの陽極部8に押し当てた状態で、コンデンサ素子10bの陽極部8をコンデンサ素子10aの陽極部8にスポット溶接により接続する。この際、コンデンサ素子10bの陽極部8は、支点部材6を支点としてその先端側(図2における抵抗溶接棒の当接位置15側)が折れ曲がり、コンデンサ素子10aの陽極部8と抵抗溶接される。
工程9:引き続き、リードフレーム(陽極端子11および陰極端子12)の反対側の面に、上述の工程7と工程8と同様の手法で、3枚目のコンデンサ素子10cと4枚目のコンデンサ素子10dを順に接続する。これにより、図5(B)に示すように、上下の各2枚のコンデンサ素子がリードフレーム(陽極端子11および陰極端子12)を中央に挟み込むように形成される。
工程10:トランスファー法でモールドを行い、図5(C)に示すように、モールド外装体13を周囲に成形する。この際、積層されたコンデンサ素子10(コンデンサ素子10a〜10d)を内部に収納するとともに、陽極端子11および陰極端子12の端部を外部(相反する方向)に引き出すように成形する。なお、モールド外装体13を成形する樹脂としては、モールド外装体として水分が出入りするのを抑制するため、またリフロー時(加熱処理時)のクラックや剥離を防止するため、吸水率の小さな樹脂(たとえば、エポキシ樹脂)が好ましく採用される。
工程11:陽極端子11および陰極端子12を所定の長さに加工する。そして、図1に示すように、モールド外装体13から露出した陽極端子11および陰極端子12の先端部を下方に折り曲げ、モールド外装体13の側面および下面に沿って配置する。この両端子の先端部は、積層型固体電解コンデンサの端子として機能し、実装基板に積層型固体電解コンデンサを電気的に接続するために使用される。
工程12:最後に積層型固体電解コンデンサの両端子を介して所定の電圧を印加するエージング処理を行う。これにより、積層型固体電解コンデンサの特性を安定化させる。
以上の工程を経て、本実施形態に係る積層型固体電解コンデンサが製造される。
なお、陽極端子11は本発明の「陽極端子」、陰極端子12は本発明の「陰極端子」、リードフレームは本発明の「リード端子」、コンデンサ素子10a(またはコンデンサ素子10c)は本発明の「第1のコンデンサ素子」、コンデンサ素子10a(またはコンデンサ素子10c)の陽極部8は本発明の「第1の陽極部」、コンデンサ素子10a(またはコンデンサ素子10c)の支点部材6は本発明の「第1の支点部材」、コンデンサ素子10a(またはコンデンサ素子10c)の掘削部5は本発明の「第1の凹部」、コンデンサ素子10a(またはコンデンサ素子10c)の陰極部9は本発明の「第1の陰極部」、コンデンサ素子10b(またはコンデンサ素子10d)は本発明の「第2のコンデンサ素子」、コンデンサ素子10b(またはコンデンサ素子10d)の陽極部8は本発明の「第2の陽極部」、コンデンサ素子10b(またはコンデンサ素子10d)の支点部材6は本発明の「第2の支点部材」、及び積層型固体電解コンデンサは本発明の「固体電解コンデンサ」の一例である。
次に、本実施形態に係る積層型固体電解コンデンサの特性評価を行うために作製した実施例および特性比較のために作製した比較例について説明する。
(実施例)
実施例では、上述の実施形態の製造方法における各工程(工程1〜工程12)に対応した工程を経て積層型固体電解コンデンサAを作製した。なお、図1〜図6は実施例の積層型固体電解コンデンサAの構造および製造方法を示す図面に相当する。
工程1A:弁作用を有する金属箔1として、厚さ約0.1mmを有する単板状のアルミニウム箔を用意する。
工程2A:アルミニウム箔に対して、所定濃度のリン酸水溶液中において所定電圧で陽極酸化を行う。これにより、アルミニウム箔の周囲を覆うように酸化アルミニウムからなる誘電体層2を形成する。
工程3A:3,4−エチレンジオキシチオフェンの単量体(モノマー)とドーパント兼酸化剤として所定濃度のp−トルエンスルホン酸鉄(III)を1−ブタノール溶媒に混合した化学重合液を用意する。そして、誘電体層2が形成されたアルミニウム箔を所定の位置までこの化学重合液に浸漬した後、熱処理を施すことにより単量体(モノマー)を酸化重合させ、誘電体層2上に所定の厚みで3,4−エチレンジオキシチオフェンからなる導電性高分子層を電解質層3として形成する。
工程4A:電解質層3上にカーボンペーストを塗布、乾燥することにより導電性カーボン層4aを所定の厚みで形成する。さらに、この導電性カーボン層4a上に銀ペーストを塗布、乾燥することにより銀ペースト層4bを所定の厚みで形成する。このようにして、電解質層3を覆うように、導電性カーボン層4aと銀ペースト層4bとの積層膜からなる陰極引出層4を形成する。
以上の工程を経て、図3(A)に示した状態のコンデンサ素子10が形成される。ここで、誘電体層2の上に電解質層3および陰極引出層4が形成されている部分が陰極部9であり、電解質層3および陰極引出層4が形成されていない部分が陽極部8である。なお、本実施例では、陽極部8の表面と陰極部9の表面との間には約0.05mmの段差が生じている。
工程5A:陽極部8の所定の位置にレーザー光を照射することにより、アルミニウム箔の幅全体にわたって誘電体層2の表面から所定の深さ約0.03mmを有する掘削部5を形成する。この際、掘削部5は長さ約0.3mmで形成する。さらに、こうしたレーザー照射を陽極部8の反対側の面に対して同様にレーザー光を照射し、掘削部5を形成する。これにより、両面に掘削部5が形成された領域の陽極部8(金属箔1)の厚さは約1/3まで薄くなっている。なお、レーザー照射は10Wのレーザーパワーで50%の出力で行っている。
工程6A:コンデンサ素子10の陽極部8の一方の面(溶接面)の所定の位置(掘削部5の一部と重畳する位置)に、アルミニウム箔の幅全体にわたって熱硬化性の絶縁部材としてエポキシ樹脂を塗布した後、熱処理(120℃、15分程度)を施して硬化させ、支点部材6を形成する。この際、支点部材6は、誘電体層2の表面から所定の高さ約0.1mm〜約0.15mmおよび長さ約0.2mmで形成する。具体的には、陽極端子11とスポット溶接するコンデンサ素子(コンデンサ素子10a、10c)については支点部材6の高さを約0.1mmとし、コンデンサ素子の陽極部8とスポット溶接するコンデンサ素子(コンデンサ素子10b、10d)については支点部材6の高さを約0.15mmしている。
以上の工程を経て、図2に示した状態のコンデンサ素子10(積層型固体電解コンデンサに用いられる4枚のコンデンサ素子10a〜10d)が形成される。
工程7A:外部リード端子として機能するリードフレーム(平板状の陽極端子11および平板状の陰極端子12)を用意する。そして、1枚目のコンデンサ素子10aの陰極部9上に液状エポキシ樹脂からなる導電性接着剤7を塗布した後、コンデンサ素子10aをリードフレームの対応する位置に少し離した状態で配置する。そして、コンデンサ素子10aを移動させ、導電性接着剤7を介して陰極部9と陰極端子12とを接触させた状態で乾燥させることにより、陰極部9と陰極端子12と導電性接着剤7で接続する。さらに、陽極端子11に陽極部8の支点部材6の一部を重畳して押し当てた状態で、陽極部8を陽極端子11にスポット溶接により接続する。
工程8A:2枚目のコンデンサ素子10bの陰極部9上に液状エポキシ樹脂からなる導電性接着剤7を塗布した後、コンデンサ素子10aの陽極部8および陰極部9と対応する位置に少し離した状態で配置する。そして、コンデンサ素子10bを移動させ、導電性接着剤7を介してコンデンサ素子10bの陰極部9とコンデンサ素子10aの陰極部9とを接触させた状態で乾燥させることにより、2枚のコンデンサ素子の陰極部9同士を導電性接着剤7で接続する。さらに、コンデンサ素子10bの支点部材6をコンデンサ素子10aの陽極部8に押し当てた状態で、コンデンサ素子10bの陽極部8をコンデンサ素子10aの陽極部8にスポット溶接により接続する。
工程9A:リードフレーム(陽極端子11および陰極端子12)の反対側の面に、上述の工程7Aと工程8Aと同様の手法で、3枚目のコンデンサ素子10cと4枚目のコンデンサ素子10dを順に接続する。
工程10A:トランスファー法でモールドを行う。具体的には、積層された4枚のコンデンサ素子(コンデンサ素子10a〜10d)を金型内(上下の金型の間)に配置し、内部にエポキシ樹脂を加熱し軟化させた状態で加圧して注入し、4枚のコンデンサ素子と金型の隙間に完全に充填した後、高温のまま一定時間保持しエポキシ樹脂を硬化させる。これにより、エポキシ樹脂からなる略直方体状のモールド外装体13を周囲に成形する。この際、積層された4枚のコンデンサ素子を内部に収納するとともに、陽極端子11および陰極端子12の端部を外部(相反する方向)に引き出すように成形する。
工程11A:陽極端子11および陰極端子12を所定の長さに加工する。そして、モールド外装体13から露出した陽極端子11および陰極端子12の先端部を下方に折り曲げ、モールド外装体13の側面および下面に沿って配置する。
工程12A:最後にエージング処理として、積層型固体電解コンデンサの両端子(陽極端子11、陰極端子12)に定格電圧(25V)を印加した状態で2時間保持する。
このようにして、実施例における積層型固体電解コンデンサAが作製される。
(比較例1)
図7は比較例1に係る積層型固体電解コンデンサの構成の一例を示す概略断面図である。実施例と異なる箇所は、コンデンサ素子20の陽極部8aに掘削部5および支点部材6が形成されていないことである。それ以外は実施例と同様である。
比較例1に係る積層型固体電解コンデンサは、積層された4枚のコンデンサ素子20(コンデンサ素子20a〜20d)を備え、積層状態の中央部にはリードフレーム(陽極端子11および陰極端子12)が取り付けられている。そして、陽極端子11および陰極端子12の一部が相反する方向の外部に引き出される形で、積層されたコンデンサ素子20、陽極端子11、及び陰極端子12はモールド外装体13により覆われている。
上記コンデンサ素子20には、図3(A)に示した状態のコンデンサ素子(従来のコンデンサ素子)が用いられ、実施例に用いたコンデンサ素子10とは異なり、コンデンサ素子20の陽極部8aに掘削部5および支点部材6が形成されていない。そして、このようなコンデンサ素子20を、リードフレーム(陽極端子11および陰極端子12)の上下面に、陽極部8aの根元付近(陽極部8aと陰極部9との境界14)で陽極部8aを曲げながら(あるいは曲げた状態で)、陽極部8aと陽極端子11あるいは隣接する陽極部8a同士を抵抗溶接するとともに、陰極部9と陰極端子12あるいは隣接する陰極部9同士を導電性接着剤7で接着固定している。そして、上下面に各2枚積層されたコンデンサ素子20、陽極端子11、及び陰極端子12をモールド外装体13で覆うことにより比較例1の積層型固体電解コンデンサXが形成されている。
(製造方法)
比較例1では、実施例における工程5A(掘削部を形成する工程)および工程6A(支点部材を形成する工程)を行わずにコンデンサ素子20(コンデンサ素子20a〜20d)を形成すること以外は実施例と同様にして、積層型固体電解コンデンサXを作製した。
(比較例2)
図8は比較例2に係る積層型固体電解コンデンサの構成の一例を示す概略断面図である。比較例1と異なる箇所は、コンデンサ素子30の陽極部8bを、陰極部9と水平を保つため、金属製のスペーサ16で底上げをした状態で陽極端子11あるいは別のコンデンサ素子の陽極部8bと接続していることである。それ以外は比較例1と同様である。
比較例2に係る積層型固体電解コンデンサは、積層された4枚のコンデンサ素子30(コンデンサ素子30a〜30d)を備え、積層状態の中央部にはリードフレーム(陽極端子11および陰極端子12)が取り付けられている。そして、陽極端子11および陰極端子12の一部が相反する方向の外部に引き出される形で、積層されたコンデンサ素子30、陽極端子11、及び陰極端子12はモールド外装体13により覆われている。
上記コンデンサ素子30には、比較例1と同様のコンデンサ素子(従来のコンデンサ素子)が用いられる。そして、このようなコンデンサ素子30を、リードフレーム(陽極端子11および陰極端子12)の上下面に、陽極部8と陽極端子11あるいは隣接する陽極
部8同士を、金属製のスペーサ16を介して抵抗溶接するとともに、陰極部9と陰極端子12あるいは隣接する陰極部9同士を導電性接着剤7で接着固定している。そして、上下面に各2枚積層されたコンデンサ素子30、陽極端子11、及び陰極端子12をモールド外装体13で覆うことにより比較例2の積層型固体電解コンデンサYが形成されている。
(製造方法)
比較例2では、工程7Aおよび工程8Aにおけるスポット溶接の際に、金属製のスペーサ16を介して陽極部8と陽極端子11との間および陽極部8同士を接続すること以外は比較例1と同様にして、積層型固体電解コンデンサYを作製した。
(評価)
実施例、比較例1、及び比較例2で作製した各積層型固体電解コンデンサの特性評価を行った。特性評価では、漏れ電流(LC)を評価し、コンデンサ完成検査におけるLC不良率および信頼性試験におけるLC不良数を算出した。なお、漏れ電流は、直流電流源および電流モニタを用いて、各積層型固体電解コンデンサに対して25V(定格電圧に相当)の電圧を印加して20秒後の電流を測定した。また、信頼性試験は、耐久性試験(温度105℃、定格電圧負荷、試験時間1000時間)および高温高湿試験(温度60℃、湿度90%、電圧無負荷、試験時間500時間)を行った。
LC不良率は、完成検査での漏れ電流が0.1CV(C:容量、V:定格電圧)より大きいものを不良とし、試料数1000個における不良数から算出した。
LC不良数は、各試験後の漏れ電流が0.1CVより大きいものを不良とした際の、試料数50個中の不良数である。
表1は各積層型固体電解コンデンサにおけるLC不良率およびLC不良数の評価結果を示す。
Figure 2009194263
表1に示すように、実施例(積層型固体電解コンデンサA)では、従来の比較例1(積層型固体電解コンデンサX)に比べて、コンデンサ完成検査におけるLC不良率が半減していることに加え、耐久性試験および高温高湿試験において発生していたLC不良数が0個まで減少していることが分かる。一方、陽極部を金属製のスペーサを介して抵抗溶接した比較例2(積層型固体電解コンデンサY)と比べても、LC不良率およびLC不良数は遜色なく同程度の結果となっていることが分かる。これは、支点部材6を支点としてコンデンサ素子10の陽極部8(金属箔1)を曲げて抵抗溶接することで、コンデンサ素子10の陽極部8の根元付近(境界14)に曲げ応力が加わることが抑制され、その周辺の誘電体層2の破損に起因した漏れ電流の増加が低減されたためと推察される。また、漏れ電
流の増加の抑制効果は、比較例2のように金属製のスペーサを設けることで陽極部の根元付近に加わる曲げ応力の抑制効果と同等であると推察される。
本発明の本実施形態に係る積層型固体電解コンデンサの製造方法によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)コンデンサ素子10a(またはコンデンサ素子10c)の陽極部8上に支点部材6を形成し、この支点部材6を支点として陽極部8を曲げ、陽極部8を陽極端子11に溶接固定するようにしたことで、コンデンサ素子10a(またはコンデンサ素子10c)の陽極部8の根元付近(陽極部8と陰極部9との境界14)に曲げ応力が加わることが抑制され、その周辺の誘電体層2の破損に起因した漏れ電流の増加を低減することができる。この結果、漏れ電流に起因した製造歩留まりが向上し、こうした積層型固体電解コンデンサの低コスト化を図ることができる。
(2)コンデンサ素子10b(またはコンデンサ素子10d)の陽極部8上に支点部材6を形成し、この支点部材6を支点として陽極部8を曲げ、この陽極部8をコンデンサ素子10a(またはコンデンサ素子10c)の陽極部8に溶接固定するようにしたことで、コンデンサ素子10b(またはコンデンサ素子10d)の陽極部8の根元付近(陽極部8と陰極部9との境界14)に曲げ応力が加わることが抑制され、その周辺の誘電体層2の破損に起因した漏れ電流の増加を低減することができる。特にリードフレーム(陽極端子11)から離れた位置で積層されるコンデンサ素子10b(またはコンデンサ素子10d)は、コンデンサ素子10a(またはコンデンサ素子10c)よりも陽極部8(金属箔1)の曲げ量が大きいので、こうした効果をより顕著に享受することができる。この結果、漏れ電流に起因した製造歩留まりが向上し、こうした積層型固体電解コンデンサの低コスト化を図ることができる。
(3)支点部材6として熱硬化性の絶縁部材であるエポキシ樹脂を溶接面に塗布した後、熱処理により硬化して形成したことで、絶縁性のスペーサを溶接面に固着して支点部材とする場合に比べて製造工程が容易となり、積層型固体電解コンデンサの低コスト化を図ることができる。
(4)支点部材6として熱硬化性の絶縁部材であるエポキシ樹脂を溶接面に塗布した後、熱処理により硬化して形成したことで、金属製のスペーサを溶接面に位置決めして溶接する場合(比較例2)に比べて製造工程が容易となり、積層型固体電解コンデンサの低コスト化を図ることができる。また、絶縁部材(エポキシ樹脂)は金属製のスペーサよりも安価であり、材料費面でも積層型固体電解コンデンサの低コスト化を図ることができる。
(5)コンデンサ素子10の陽極部8に支点部材6を設ける工程を追加するのみの変更で、従来の製造プロセスをそのまま用いて、漏れ電量の増加が抑制された積層型固体電解コンデンサを製造することができる。このため、漏れ電流に起因した製造歩留まりが向上し、こうした積層型固体電解コンデンサの低コスト化を図ることができる。
(6)支点部材6を陽極部8の中央部よりも陰極部9側に位置するように形成したことで、陽極部8を小面積化(短小化)しつつ、陽極部8を抵抗溶接する際に陽極部8の先端側(抵抗溶接棒の当接位置15側)を折り曲げ易くすることができる。このため、コンデンサ素子10の陽極部8の根元付近(陽極部8と陰極部9との境界14)に曲げ応力が加わることがさらに抑制され、上記(1)および(2)の効果をより効果的に享受することができる。
(7)コンデンサ素子10の陽極部8に形成する支点部材6の高さH2を、陽極部8の表面と陰極部9の表面との間に生じる段差H1よりも高くしたことで、陽極部8の支点部
材6を陽極端子11あるいは別のコンデンサ素子10の陽極部8に押し当てるまでの、陽極部8の曲がり量を低減することができる。このため、上記(1)、(2)、及び(6)の効果をより顕著に享受することができる。
(8)陽極部8の両面に掘削部5を形成したことで、陽極部8が掘削部5を中心に折れ曲がりやすくなる。このため、コンデンサ素子10の陽極部8の根元付近(陽極部8と陰極部9との境界14)に曲げ応力が加わることが抑制され、上記(1)および(2)の効果をより効果的に享受することができる。
(9)陽極部8に掘削部5を形成し、支点部材6を、陰極部9と掘削部5との間の、掘削部5の一部と重畳する位置に形成したことで、陽極部8が支点部材6を支点として掘削部5でより曲がり易くなり、コンデンサ素子10の陽極部8の根元付近(陽極部8と陰極部9との境界14)に曲げ応力が加わることがさらに抑制される。このため、上記(1)、(2)、(6)、及び(7)の効果をより顕著に享受することができる。
(変形例)
図9は変形例の積層型固体電解コンデンサに用いるコンデンサ素子の構成を示す概略図(断面図および平面図)である。なお、図9の断面図は平面図のX−X線に沿った断面に相当する。本実施形態のコンデンサ素子と異なる箇所は、コンデンサ素子40の陽極部8に設ける掘削部5aが陽極部8の端部に対して水平な複数の溝(本例では4本)により構成されていることである。それ以外は本実施形態のコンデンサ素子と同様である。
変形例のコンデンサ素子40には、図3(A)に示したコンデンサ素子をベースとして、陽極部8と陰極部9との境界14と、抵抗溶接棒の当接位置15との間における金属箔1の両面に複数の溝からなる掘削部5aが設けられている。そして、掘削部5aを設けた陽極部8における金属箔1の一方の面に、熱硬化性部材からなる支点部材6が形成されている。この支点部材6は、実施例と同様、境界14と掘削部5との間に設けられ、その一部が掘削部5aを覆うような位置に形成されている。
なお、変形例では、実施例における工程5Aにおいて、陽極部8に照射するレーザー光の照射条件を調整して、アルミニウム箔の幅全体にわたって誘電体層2の表面から所定の深さ約0.03mmを有する溝(長さ約0.04mm)を形成し、こうした溝を、少しずつ位置をずらしながら計4回繰り返して形成し、陽極部8に4本の溝からなる掘削部5aを形成すること以外は実施例と同様にして、積層型固体電解コンデンサを作製している。
本発明の変形例に係る積層型固体電解コンデンサの製造方法によれば、上記(1)〜(7)の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(10)コンデンサ素子40の陽極部8に設ける掘削部5aを、陽極部8の端部に対して水平な複数の溝(本例では4本)により構成したことで、陽極部8が掘削部5aを中心にさらに折れ曲がりやすくなる。このため、上記(8)および(9)の効果をより顕著に享受することができる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更などの変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
上記実施形態では、コンデンサ素子の陽極部に支点部材と掘削部を設けた例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、陽極部に支点部材のみを設けるようにしてもよい。この場合にも上記(1)〜(7)の効果を享受することができる。
上記実施形態では、支点部材を、境界(陽極部と陰極部との境界)と掘削部との間において、掘削部の一部と重畳する位置に設けた例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、支点部材を掘削部と離れた位置に設けてもよい。この場合にも上記効果を享受することができる。
上記実施形態では、コンデンサ素子の陽極部の両面に掘削部を形成した例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、陽極部の少なくとも一方の面に掘削部を設けていればよい。また、両面の掘削部を互いに重畳する位置に形成しなくてもよい。これらの場合にも上記効果を享受することができる。
上記実施形態では、リードフレームの両面に各2枚のコンデンサ素子を積層した例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、リードフレームの片側のみに複数(3枚以上)のコンデンサ素子を積層するようにしてもよい。この場合にも上記効果を享受することができる。
上記実施形態では、4枚(上下面の各2枚)すべてのコンデンサ素子の陽極部に支点部材を形成した例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、4枚うちの一部の陽極部に支点部材を設けるようにしてもよい。この場合には、少なくとも支点部材を設けたコンデンサ素子においては上記効果を享受することができる。特にリードフレーム(陽極端子)から最外部に位置するコンデンサ素子の陽極部に選択的に支点部材を形成する場合には、それ以外に選択的に形成する場合に比べて、上記効果をより効果的に享受することができる。
上記実施形態では、コンデンサ素子の陽極部の幅全体にわたって支点部材を形成した例を示したが、本発明はこれに限らない。支点部材は陽極部を曲げる際に支点として機能すればよく、たとえば、陽極部の幅の一部分に支点部材を設けていてもよく、また陽極部の幅全体にわたって複数の支点部材を点在させるように設けてもよい。このように構成しても上記効果を享受することができる。
上記実施形態では、コンデンサ素子の陽極部の一方の面(溶接面)に支点部材を設けた例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、陽極部の両面に支点部材を設けていてもよい。この場合、上下2枚のコンデンサ素子における陽極部の支点部材同士を対向させて配置することで、陽極部を曲げる際に支点部材を支点として機能させ、上記効果を享受することが可能となる。
上記実施形態では、リードフレーム(陽極端子および陰極端子)の同じ面側に積層された上下2枚のコンデンサ素子の支点部材同士(たとえば、1枚目のコンデンサ素子の支点部材および2枚目のコンデンサ素子の支点部材)を互いに重畳する位置に設けた例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、上下2枚のコンデンサ素子の支点部材を、互いに重畳しない異なる位置に設けるようにしてもよい。この場合にも上記効果を享受することができる。
上記実施形態では、熱硬化性の絶縁部材を塗布、熱硬化して支点部材とした例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、紫外線硬化型の絶縁部材を塗布した後、紫外線照射により硬化して支点部材としてもよい。この場合にも上記効果を享受することができる。
上記実施形態では、電解質層としてポリチオフェンなどからなる導電性高分子層を採用したコンデンサ素子の例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、二酸化マンガンなどの導電性無機材料やTCNQ錯塩などの導電性有機材料を採用したコンデンサ素子
であってもよい。この場合にも上記効果を享受することができる。
上記実施形態では、4枚(上下面の各2枚)のコンデンサ素子をリードフレーム(陽極端子および陰極端子)に搭載する際、コンデンサ素子を単独(1枚)でリードフレームに搭載し、その陽極部と陽極端子とを接続する例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、2枚のコンデンサ素子を積層した状態でリードフレームに搭載し、一方のコンデンサ素子の陽極部と陽極端子とを接続するようにしてもよい。この場合には、2枚のコンデンサ素子を積層する際と、陽極部と陽極端子とを接続する際に、上記効果を享受することができる。
本実施形態に係る積層型固体電解コンデンサの構成を示す概略断面図。 図1の積層型固体電解コンデンサに用いるコンデンサ素子の構成を示す概略図(断面図および平面図)。 (A),(B)図2のコンデンサ素子の製造プロセスを説明するための概略図(断面図および平面図)。 (A)〜(C)積層型固体電解コンデンサの製造プロセスを説明するための概略断面図。 (A)〜(C)積層型固体電解コンデンサの製造プロセスを説明するための概略断面図。 積層型固体電解コンデンサの一製造工程を示す平面図 比較例1に係る積層型固体電解コンデンサの構成を示す概略断面図。 比較例2に係る積層型固体電解コンデンサの構成を示す概略断面図。 変形例の積層型固体電解コンデンサに用いるコンデンサ素子の構成を示す概略図(断面図および平面図)。
符号の説明
1 金属箔、2 誘電体層、3 導電性高分子層、4 陰極引出層、4a 導電性カーボン層、4b 銀ペースト層、5 凹部、6 支点部材、7 導電性接着剤、8 陽極部、9 陰極部 10 コンデンサ素子、10a−10d コンデンサ素子、11 陽極端子、12 陰極端子、13 モールド外装体、14 境界、15 抵抗溶接棒の当接位置。

Claims (8)

  1. 陽極端子と陰極端子を含むリード端子と、第1のコンデンサ素子とを備えた固体電解コンデンサの製造方法であって、
    前記第1のコンデンサ素子の第1の陽極部に第1の支点部材を形成する第1の工程と、
    前記第1の支点部材を支点として前記第1の陽極部を曲げ、前記第1の陽極部を前記陽極端子に接続する第2の工程と、
    を備えることを特徴とした固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 第2のコンデンサ素子の第2の陽極部に第2の支点部材を形成する第3の工程と、
    前記第2の支点部材を支点として前記第2の陽極部を曲げ、前記第2の陽極部を前記第1の陽極部に接続する第4の工程と、
    をさらに備え、
    前記第4の工程を前記第2の工程の後に行うことを特徴とした請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 第2のコンデンサ素子の第2の陽極部に第2の支点部材を形成する第3の工程と、
    前記第2の支点部材を支点として前記第2の陽極部を曲げ、前記第2の陽極部を前記第1の陽極部に接続する第4の工程と、
    をさらに備え、
    前記第4の工程を前記第2の工程の前に行うことを特徴とした請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 前記第1の工程では、前記第1の支点部材として熱硬化性部材を前記第1の陽極部の溶接面に塗布した後、熱処理により硬化して形成することを特徴とした請求項1〜3のいずれか一項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  5. 前記第1の工程では、前記第1の支点部材を前記第1の陽極部の中央部よりも前記第1のコンデンサ素子の第1の陰極部側に位置する態様で形成することを特徴とした請求項1〜4のいずれか一項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 前記第1の工程の前に、前記第1の陽極部に第1の凹部を形成する第5の工程をさらに備え、
    前記第1の工程では、前記第1の支点部材を、前記第1の陰極部と前記第1の凹部との間に形成することを特徴とした請求項1〜5のいずれか一項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 前記第1の工程では、前記第1の支点部材を、前記第1の凹部の一部と重畳する位置に形成することを特徴とした請求項6に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  8. 複数のコンデンサ素子を積層した固体電解コンデンサの製造方法であって、
    前記複数のコンデンサ素子のうち少なくとも1つのコンデンサ素子の陽極部に支点部材を形成する工程と、
    前記支点部材を支点として前記陽極部を曲げ、前記陽極部を、積層状態で隣接する他のコンデンサ素子の陽極部に接続する工程と、
    を備えることを特徴とした固体電解コンデンサの製造方法。
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