JP5362464B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、箔状の陽極体を備えたコンデンサ素子を有する固体電解コンデンサの製造方法に関する。
従来の固体電解コンデンサとして、箔状の陽極体を複数積層した積層型固体電解コンデンサがある(例えば、特許文献1)。図10に一例として従来の固体電解コンデンサの概略縦断面図を示す。この固体電解コンデンサは、4つのコンデンサ素子92(92a〜92d)、陽極端子94、陰極端子95、外装樹脂93を備えている。コンデンサ素子92aの縦断面図を図11に示す。各コンデンサ素子92は、陽極体921と、陽極体921の外周面に形成された誘電体被膜922と、誘電体被膜922上に形成された固体電解質層923と、固体電解質層923上に順次形成されたカーボン層924と銀ペースト層925とから構成されている。陽極体921は、弁作用金属(タンタル、ニオブ、チタン、アルミニウム等)の箔状体である。
図10に示すように、4つのコンデンサ素子92は、抵抗溶接やレーザ溶接等により、積層された状態で各々の陽極体921が陽極端子94と電気的に接続している。また、各々の銀ペースト層925は導電性接着材96を介して陰極端子95と電気的に接続している。また、各々のコンデンサ素子92は外装樹脂93により被覆されている。そして、陽極端子94及び陰極端子95は、外装樹脂93の外部に引き出されて、固体電解コンデンサの側面及び下面に沿って折り曲げられている。
特開2004−158577号公報
しかしながら、従来の固体電解コンデンサの製造工程においては、陽極体921に誘電体被膜922、固体電解質層923、カーボン層924を順次形成したカーボン層形成体を作製後、該カーボン層形成体を銀ペースト槽に浸漬し、所定時間経過後に引き上げて乾燥させることによりカーボン層形成体に銀ペースト層925を形成していた。または、カーボン層形成体に銀ペーストを印刷して銀ペースト層925を形成していた。この銀ペースト層形成工程において、銀ペーストの粘度が高いために、図12(a)に示すように、銀ペースト層925が陽極体921上の誘電体被膜922にまで這い上がった這い上がり部925Xが発生したり、同図(b)に示すように、陽極体921上の誘電体被膜922にブリッジ状に接合したブリッジ部925Yが発生することがあった。
このような、這い上がり部925Xやブリッジ部925Yが発生したコンデンサ素子92を内蔵した固体電解コンデンサであっても、這い上がり部先端部925X1やブリッジ部先端部925Y1と陽極体921との間には誘電体被膜922があるため、検査工程ではショート不良や漏れ電流(LC)不良とはならず、市場へ出荷されていた。市場へ投入された後で、大きな熱ストレス等が加わると誘電体被膜922が損傷して、這い上がり部先端部925X1やブリッジ部先端部925Y1が陽極体921と接触してショート状態又はLC大状態となる虞がある。即ち、耐熱に対する信頼性が低いという問題があった。
また、固体電解質層形成工程では誘電体被膜を形成した陽極体を、3,4−エチレンジオキシチオフェン、P−トルエンスルホン酸第二鉄、及び1−ブタノールからなる化学重合液に所定の位置まで浸漬させ、誘電体被膜922上に導電性高分子ポリマーであるポリチオフェンからなる固体電解質層923を化学酸化重合にて形成している。ところが、前記化学重合液の液面の高さ精度のバラツキが大きいため、固体電解コンデンサ完成品における誘電体被膜922と固体電解質層923との接触面積もばらつくこととなる。従って、容量のバラツキも大きくなるという問題があった。
この容量バラツキを抑えるために、固体電解質層形成前や銀ペースト層形成前に誘電体被膜の一部に絶縁部材を設けることにより誘電体被膜と固体電解質層との接触面積のバラツキを抑えることもできるが、余分な材料や作業が増加することとなるため、コストアップを招来するという問題もあった。
そこで本発明の目的は、這い上がり部やブリッジ部が発生しても市場へ投入されることのない、信頼性が高く、容量バラツキも小さく、コストアップを招来しない固体電解コンデンサの製造方法を提供することである。
第1の発明は、箔状の陽極部と、該陽極部の表面に形成された誘電体被膜と、該誘電体被膜の上に形成された陰極部と、を有するコンデンサ素子を、備えた固体電解コンデンサであって、該陽極部と陰極部の境界部には、前記誘電体被膜から露出すると共に凹状をした陽極露出部が形成された固体電解コンデンサである。
陰極部は固体電解質層を備え、陰極部側の陽極露出部の側壁に該固体電解質層が露出していることが好ましい。
前記陽極露出部はコンデンサ素子表面に円環状に形成されていることが好ましい。
第2の発明は、箔状をした陽極体と、該陽極体の上に形成された誘電体被膜と、を備えた誘電体被膜形成体を用意し、該誘電体被膜形成体の第1領域に固体電解質層を形成する第1の工程と、誘電体被膜形成体のうち第1領域を除いた第2領域に形成された誘電体被膜と、第1領域に形成された誘電体被膜と固体電解質層とを、第1領域と第2領域の境界を跨いで除去して陽極露出部を形成する第2の工程と、第1領域から陽極露出部を除いた第3領域に陰極引出層を形成する第3の工程と、を備える固体電解コンデンサの製造方法である。
第1の工程と第2の工程の間に、前記固体電解質層の上に陰極中間層を形成することができる。
第3工程の後で、前記第3領域と前記陽極露出部との境界部を覆うように絶縁樹脂層を形成する第4の工程をさらに備えることができる。
本発明に係る固体電解コンデンサによれば、信頼性が高く、容量バラツキも小さく、コストアップを招来することがない。また、本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法によれば、信頼性が高く、容量バラツキも小さく、コストアップを招来しない固体電解コンデンサを提供することができる。
本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサの概略縦断面図である。 本発明の実施形態のコンデンサ素子の縦断面図である。 実施形態の凹部を説明する部分縦断面図である。 実施形態の凹部を説明する斜視図である。 実施形態の固体電解コンデンサの一製造工程を説明する図である。 実施形態の固体電解コンデンサの一製造工程を説明する図である。 実施形態の固体電解コンデンサの一製造工程を説明する図である。 実施形態の固体電解コンデンサの一製造工程を説明する図である。 実施形態の固体電解コンデンサの効果を説明する図である。 従来の固体電解コンデンサの概略縦断面図である。 従来のコンデンサ素子の縦断面図である。 従来の固体電解コンデンサの課題を説明する図である。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。
(固体電解コンデンサの構成)
図1を参照して実施形態に係る固体電解コンデンサについて説明する。図1は実施形態に係る固体電解コンデンサの概略縦断面図である。図1に示すように、固体電解コンデンサ1は、複数枚(本実施形態では4枚)積層されたコンデンサ素子2(2a〜2d)と、陽極端子4及び陰極端子5の一部を外装樹脂3にて覆っている構成である。そして、陽極端子4及び陰極端子5は、外装樹脂3の外部に引き出されて、固体電解コンデンサ1の側面及び下面に沿って折り曲げられている。
外装樹脂3へ埋設された陽極端子埋設部4aの上側では、コンデンサ素子2a、2bの陽極体21(図2参照)が抵抗溶接やレーザ溶接等によって陽極端子4と電気的に接続している。一方、陽極端子埋設部4aの下側では、コンデンサ素子2c、2dの陽極体21が抵抗溶接やレーザ溶接等によって陽極端子4と電気的に接続している。
外装樹脂3へ埋設された陰極端子埋設部5aの上面とコンデンサ素子2aの陰極部1c(図2参照)が導電性接着材6により電気的に接続している。また、コンデンサ素子2aの陰極部1cとコンデンサ素子2bの陰極部1cが導電性接着材6により電気的に接続している。
同様に、外装樹脂3へ埋設された陰極端子埋設部5aの下面とコンデンサ素子2cの陰極部1cが導電性接着材6により電気的に接続している。また、コンデンサ素子2cの陰極部1cとコンデンサ素子2dの陰極部1cが導電性接着材6により電気的に接続している。
図2を参照してコンデンサ素子2について説明する。図2はコンデンサ素子2aの縦断面図である。図2に示すように、コンデンサ素子2は、弁作用金属であるアルミニウムの箔状体である陽極体21の表面に、酸化被膜である誘電体被膜22が形成されている。そして、誘電体被膜22の上に、ポリチオフェン系の導電性ポリマーからなる固体電解質層23と、カーボン層24と、銀ペイント層25が順次形成されている。陽極体21の陽極端子側表面21sには誘電体被膜22が形成されておらず、陽極端子4と電気的に接続することとなる。コンデンサ素子2b、2c、2dもコンデンサ素子2aと同様の構成をしている。
なお、陽極体21が陽極部1aを構成し、固体電解質層23、カーボン層24、銀ペイント層25が陰極部1cを構成する。そして、カーボン層24が陰極中間層を構成し、銀ペイント層25が陰極引出層を構成する。
図3を参照して固体電解質層23の陽極端子4側の端部近傍、即ち、陽極部1aと陰極部1cの境界部を説明する。図3は、図2のT部を拡大した部分縦断面図である。コンデンサ素子2には凹部28が形成されており、凹部28は陽極端子側の第1側壁281、陰極端子側の第2側壁282、底壁283を備えている。また、凹部28は図4に示すようにコンデンサ素子2の表面、即ち、上面2s1、下面2s2、右側面2s3、左側面2s4に円環状に設けられている。
陽極体21はその表面が誘電体被膜22から露出した陽極露出部211を有している。従って、陽極部1aと陰極部1cの境界部には、誘電体被膜22から露出すると共に凹状をした陽極露出部211が形成されていることになる。該陽極露出部211は前記第1側壁281、第2側壁282、底壁283の一部をなしている。また、第1側壁281には誘電体被膜22が露出していると共に、第2速壁282には誘電体被膜22と固体電解質層23が露出している。従って、陰極部1c側の陽極露出部211の側壁に固体電解質層23が露出していることになる。
(固体電解コンデンサの製造方法)
図5〜8を参照してコンデンサ素子2の製造方法について説明する。
先ず、板状に切り出したアルミニウム箔を0.01〜2wt%の例えばリン酸水溶液又はアジピン酸水溶液中で所定電圧にて電解化成処理し、図5(a)に示すように、陽極体21の表面にAlからなる誘電体被膜22を形成させた誘電体被膜形成体2Aを作製する。次に、同図(b)に示すように、3,4−エチレンジオキシチオフェン、P−トルエンスルホン酸第二鉄、及び1−ブタノールからなる化学重合液23Lに前記誘電体被膜形成体2Aを所定の位置まで浸漬させ、同図(c)に示すように、誘電体酸化皮膜22上に導電性高分子ポリマーであるポリチオフェンからなる固体電解質層23を化学酸化重合にて形成させた固体電解質層形成体2Bを作製する。ここで、固体電解質層形成体2Bのうち固体電解質層22を形成した部分を第1領域2B1といい、固体電解質層22を形成していない部分を第2領域2B2ということとする。
図6(a)は固体電解質層形成体2Bの上面図、同図(b)は同図(a)の線I−Iで切断した縦断面図である。同図(a)に示すように、固体電解質層形成体2Bの上面2Baから斜線部にレーザ光を照射する。即ち、第2領域2B2に形成された誘電体被膜22と、第1領域2B1に形成された誘電体被膜22と固体電解質層23と、陽極体21とを、第1領域2B1と第2領域2B2の境界2B3を跨いで除去して凹部28を形成する。
同様に固体電解質層形成体2Bの下面2Bbからも同図(a)の斜線部と対応する位置にレーザ光を照射すると、同図(b)に示すように、凹部28が形成される。
この2方向からのレーザ光の照射により、固体電解質層形成体2Bの右側面2Bc、左側面2Bdにも凹部28は形成され、固体電解質層形成体2Bの4つの表面2Ba、2Bb、2Bc、2Bdに凹部28が円環状に設けられることとなる。
なお、レーザ光は波長1064nmのYAGレーザを用い、レーザパワーは約30W、レーザ径は73μmとした。レーザ光による陽極体21、誘電体被膜22の深さ方向(図3のD方向)の除去量は、例えば、1〜20μmである。固体電解質層23の厚さが薄い部分では陽極体21、誘電体被膜22の深さ方向の除去量は大きくなる。そして、レーザ光による幅方向(図3のW方向)の除去量は、例えば、凹部28の底壁283の幅で約0.6mmである。
次に、固体電解質層形成体2Bを、水溶液や有機溶媒にカーボン粉末を拡散させた溶液中に浸漬させ、所定の温度と時間にて乾燥させるという工程を数回繰り返し、図7に示すように、固体電解質層23の上にカーボン層24を形成させたカーボン層形成体2Cを作製する。
最後に、図8(a)に示すように、銀ペースト25Lに前記カーボン層形成体2Cを所定の位置まで浸漬させ、カーボン層24上に銀ペースト層25形成する。これにより同図(b)に示す定格電圧25V、容量10μFのコンデンサ素子2が完成する。
次いで、凹部28に絶縁樹脂液を、銀ペースト層25に導電性接着材液を塗布する。誘電体被膜形成体のうち固体電解質層を形成した領域を第1領域とし、固体電解質層を形成していない領域を第2領域とし、さらに、第1領域から陽極露出部を除いた領域を第3領域とすると、前記第3領域と前記陽極露出部との境界部を覆うように絶縁樹脂層7が形成されたこととなる。また、銀ペースト層25と陰極端子5との間に導電性接着材6が形成されることとなる。
そして、陽極端子埋設部4a及び陰極端子埋設部5aに1つのコンデンサ素子2を載置・押圧して抵抗溶接やレーザ溶接等を施すと、被溶接部分の誘電体被膜が破壊・除去され陽極端子埋設部4aと陽極体21の陽極端子側表面21s(図2参照)が電気的に接続すると共に、陰極端子埋設部5aと銀ペースト層25が導電性接着材6により電気的に接続する。
載置・押圧・溶接を繰り返して、4つのコンデンサ素子2を陽極端子埋設部4a及び陰極端子埋設部5aと電気的に接続する。なお、各コンデンサ素子2は陰極部1cの厚さ分だけ厚くなるので、陽極埋設部4aと陰極埋設部5aの間の領域で折れ曲がることとなる。そして、最後に外装樹脂3にて封止して、固体電解コンデンサ1を完成させた。
(電気的特性)
表1に、従来技術による固体電解コンデンサの銀ペースト層形成後における銀ペースト層の這い上がり部、ブリッジ部の発生率を示す。発生率はそれぞれ0.008%と0.077%であった。
Figure 0005362464
それぞれ故意に這い上がり部又はブリッジ部を発生させた、本発明に係るコンデンサ素子と従来技術によるコンデンサ素子(それぞれ定格電圧25V、容量2.5μF)を用意した。そして、上記の本発明に係るコンデンサ素子を4つ積層した固体電解コンデンサ(以下、本願発明故意発生品という)と上記の従来技術によるコンデンサ素子を4つ積層した固体電解コンデンサ(以下、従来例故意発生品という)をそれぞれ1304個作製した。
本願発明故意発生品及び従来例故意発生品の初期状態における漏れ電流(LC)を調べた。具体的には、規格値として0.1×定格電圧(25V)×容量(10μF)を用い、この規格値を越えるものを不良とした。その結果を表2に示す。本願発明故意発生品では不良品として全品を除去することができたため良品率は0%であったが、従来例故意発生品では2.3%が良品となってしまった(この2.3%の良品を以下、比較例コンデンサという)。
Figure 0005362464
図9(a)は這い上がり部25Xが発生した本願発明故意発生品の凹部28近傍の縦断面図である。這い上がり部先端部25X1が陽極露出部211と直接接しているため、這い上がり部25Xが発生した固体電解コンデンサをLC不良として確実に除去できる。また、図9(b)はブリッジ部25Yが発生した本願発明故意発生品の凹部28近傍の縦断面図である。ブリッジ部先端部25Y1が陽極露出部211と直接接しているため、ブリッジ部25Yが発生した固体電解コンデンサをLC不良として確実に除去できる。
次に、故意に這い上がり部・ブリッジ部を発生させていない、本発明に係るコンデンサ素子(定格電圧25V、容量2.5μF、以下、実施例コンデンサ素子という)と、故意に這い上がり部・ブリッジ部を発生させていない、従来技術によるコンデンサ素子(定格電圧25V、容量2.5μF、以下、従来例コンデンサ素子という)をそれぞれ1104個作製した。
また、これらのコンデンサ素子の初期状態での容量(測定周波数120Hz)を調べた。その結果を表3に示す。容量については、実施例コンデンサ素子が2.286μFであるのに対して従来例コンデンサ素子では2.353μFと同等であった。標準偏差(σ)については、実施例コンデンサ素子が0.022μFであるのに対して従来例コンデンサ素子では0.104μFであり、実施例コンデンサ素子は従来例コンデンサ素子の約1/5に減少していた。固体電解質層形成工程において化学重合液の液面の高さは標準値に対して最大で0.5mm程度ばらつくことがあり、従来例コンデンサ素子では、そのバラツキがそのまま容量のバラツキに直結してしまう。
それに対して、実施例コンデンサ素子では、その後の工程でレーザ光により固体電解質層を除去するが、レーザ光の照射位置バラツキは標準値に対して0.1mm以下とすることができる。従って、実施例コンデンサ素子では、化学重合液の液面の高さが標準値に対して最大で0.5mm程度ばらついたとしても、その後の工程で行なうレーザ光による固体電解質層の除去により容量のバラツキ、即ち、標準偏差を小さくすることができる。
Figure 0005362464
次に、実施例コンデンサ素子を4つ積層した本願発明に係る固体電解コンデンサ(以下、実施例コンデンサという)と、従来例コンデンサ素子を4つ積層した従来技術による固体電解コンデンサ(以下、従来例コンデンサという)を作製した。
そして、実施例コンデンサ、従来例コンデンサ、比較例コンデンサに対して、リフロー後とLife試験後の漏れ電流LCを調べた。具体的には、リフローは、各サンプルを温度60℃、湿度60%環境下に40時間放置した後で、最高温度260℃のリフロー炉に2回通した。また、Life試験は、温度125℃で電圧25Vを1000時間印加した。LCの規格値は前述の通りである。
LCの測定結果を表4に示す。実施例コンデンサでは、リフロー後とLife試験後のいずれにおいても不良率は0%であった。それに対して、従来例コンデンサでは、リフロー後とLife試験後の不良率はそれぞれ0.070%と0.016%であった。また、比較例コンデンサでは、リフロー後とLife試験後の不良率はそれぞれ20%と50%であった。
従来技術による固体電解コンデンサで0.086%(0.070%と0.016%の合計)の不良率であったということは、製造工場で良品として出荷された固体電解コンデンサであっても使用時の環境によって大きな熱ストレス等が加わること等により市場において0.086%程度の不良が発生し得るということを意味する。本願発明によれば、検査工程においてコンデンサ素子の目視検査や誘電体被膜への絶縁部材の設置を行なわなくても、例えば這い上がり部やブリッジ部の発生した固体電解コンデンサを確実に除去できるため、信頼性を高くすることが可能となる。また、故意に這い上がり部やブリッジ部を発生させた比較例では数十%台という高率で不良品が発生することが確かめられた。
Figure 0005362464
這い上がり部やブリッジ部の発生したコンデンサ素子は陽極端子や陰極端子に取り付ける前にコンデンサ素子単体でLCRメータ等による特性検査で容易に除去できるため、作業工数増加によるコストアップを招来することはないし、不良品を工程の早い段階で除去できるため、材料をロスすることがなくコストダウンにもつながる。
なお、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。内蔵するコンデンサ素子2の数は実施形態では4個としたが、これに実施に限定されない。陽極体としてアルミニウムを使用したが、弁作用金属であれば良く、例えば、タンタル、ニオブ、チタン等を使用することもできる。
実施形態では、陽極端子埋設部4a・陰極端子埋設部5aの上側と下側の両方にコンデンサ素子を配置したが、これに限らず、どちらか一方にのみコンデンサ素子を配置しても良い。また、陽極端子4・陰極端子5が、外装樹脂3の外部に引出されて、固体電解コンデンサ1の側面及び下面に沿って折り曲げられた、いわゆるガルウイング・タイプを実施形態で採用したが、これに限定されない。陽極端子・陰極端子が外装樹脂の側面及び下面に沿って折り曲げられておらず、固体電解コンデンサの下面に露出した、いわゆる下面電極タイプに本願発明を適用できることは言うまでもない。
実施形態では、陽極端子4と溶接される陽極体21の表面には誘電体被膜22が形成されており、溶接により誘電体被膜22が破壊・除去され陽極端子埋設部4aと陽極体21が電気的に接続していたが、これに限定されない。固体電解質層が形成されるべき領域及びその近傍に対応する陽極体表面にのみ誘電体被膜を形成し、溶接されるべき領域に対応する陽極体表面には誘電体被膜を形成しないこととすることもできる。
また、凹部28は図4に示すようにコンデンサ素子2の上面2s1、下面2s2、右側面2s3、左側面2s4に円環状に設けたがこれに限定されない。例えば、表面積の大きい上面2s1と下面2s2のみに凹部28を設け、表面積の小さい右側面2s3と左側面2s4には凹部28を設けないこととすることもできる。
固体電解質層23の形成後に凹部28を形成し、その後、カーボン層24、銀ペースト層25を順次形成したが、これに限定されない。カーボン層24を形成後に凹部28を形成し、その後、銀ペースト層25を形成することもできる。
1 固体電解コンデンサ、2 コンデンサ素子、3 外装樹脂、4 陽極端子、5 陰極端子、6 導電性接着材、7 絶縁樹脂層、211 陽極露出部、25X 這い上がり部、25Y ブリッジ部、28 凹部

Claims (3)

  1. 箔状をした陽極体と、該陽極体の上に形成された誘電体被膜と、を備えた誘電体被膜形成体を用意し、該誘電体被膜形成体の第1領域の上に固体電解質層を形成する第1の工程と、
    前記第1の工程の後、誘電体被膜形成体のうち第1領域を除いた第2領域に形成された誘電体被膜と、固体電解質層及び第1領域に形成された誘電体被膜とを、第1領域と第2領域の境界を跨いで除去して陽極露出部を形成する第2の工程と、
    前記第2の工程の後、第1領域から陽極露出部を除いた第3領域の上に形成された固体電解質層の上に陰極引出層を形成する第3の工程と、を備える固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 第1の工程と第2の工程の間に、前記固体電解質層の上に陰極中間層を形成する請求項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 第3工程の後で、前記第3領域と前記陽極露出部との境界部を覆うように絶縁樹脂層を形成する第4の工程をさらに備える請求項1又は2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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