JP2009191033A - 油中水型日焼け止め化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)部分架橋型ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、(B)有機チタネート処理微粒子酸化亜鉛及び/又は有機チタネート処理微粒子酸化チタン、(C)シリコーン油、成分(D)トリオクタン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコールから選ばれる一種又は二種以上の油剤、(E)イヌリン脂肪酸エステル及び/又は加水分解イヌリン脂肪酸エステルを配合することを特徴とする油中水型日焼け止め化粧料。
【選択図】なし
Description
しかしながら、シリコーン油は他の炭化水素やエステル油などの一般的な化粧料油剤との相溶性が悪く、多量に配合すると、経時安定性を損なうことになる。そのため、シリコーン油を配合した化粧料においては、配合するシリコーン油の種類や配合する添加剤について種々の検討がなされ、種々の化粧料が提案されている。例えば、部分架橋型ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン重合物とシリコーン油を配合し、さっぱりとした使用感を持つ化粧料が提案され、これにさらに無水ケイ酸や疎水性シリカ、糖類、糖アルコール類を配合して安定性を向上させた化粧料が提案されている(特許文献1、2参照)。
また、有機チタネートで処理した粉体を配合したものや、有機チタネート処理等により吸油量を調整した粉体と、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン等の界面活性剤を併用したものは、分散性や肌への付着性は多少改善されるものの、経時で増粘や凝集等が見られる場合があり、安定性や使用感、化粧持ちの点で必ずしも満足のいくものではなく、紫外線防御効果も十分には発揮されない場合があり、更なる改善が望まれていた。
本発明は、かかる要望に応えるもので、分散・乳化安定性に優れ、のび広がりが良好で、油性感がなくさっぱりしていながら、しっとり感も感じられ、化粧持ちにも優れ、紫外線防御効果を十分に発現する油中水型日焼け止め化粧料を提供することをその課題とする。
本発明に使用される成分(A)の部分架橋型ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン重合物は、(イ)Si−H基含有シロキサン化合物と、(ロ)分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有する化合物とを付加反応させて得られる重合物であって、且つ分子中に少なくとも一つ以上のポリオキシアルキレン基を含有する重合物である。この重合体としては、特開平4−272932号公報、特開平5−140320号公報等に記載されているものが例示される。
R1 aR2 bHcSiO(4-a-b-c)/2・・・(1)
[式中、R1は同種又は異種の炭素数1〜18の非置換、又は置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はハロゲン化炭化水素基、R2は一般式CnH2nO(C2H4O)d(C3H6O)eR3〔ここにR3は水素原子又は炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基もしくは−(CO)−R4(R4は炭素数1〜5の飽和脂肪族炭化水素基)で示される基、dは2〜200の整数、eは0〜200の整数、d+eは3〜200の整数、nは2〜6をそれぞれ示す〕で示されるポリオキシアルキレン基、aは1.0≦a≦2.5、bは0.001≦b≦1.0、cは0.001≦c≦1.0をそれぞれ示す。]で表わされるオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び/又は下記一般式(2)
R1 fHgSiO(4-f-g)/2・・・(2)
(式中、R1は上記と同じ、fは1.0≦f≦3.0、gは0.001≦g≦1.5をそれぞれ示す。)で表わされるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
CmH2m-1O(C2H4O)h(C3H6O)iCmH2m-1・・・(3)
(式中、hは2〜200の整数、iは0〜200の整数、h+iは3〜200の整数、mは2〜6をそれぞれ示す。)で表わされるポリオキシアルキレン及び/又は下記一般式(4)
R1 jR5 kSiO(4-j-k)/2 ・・・(4)
(式中、R1は前記に同じ、R5は末端に脂肪族不飽和基を有する炭素数2〜10の1価炭化水素基、jは1.0≦j≦3.0、kは0.001≦k≦1.5をそれぞれ示す。)で表わされるオルガノポリシロキサン及び/又は、α,ω−不飽和アルケンが挙げられる。
これら有機チタネートの中でも、上記一般式(5)においてp=17で示されるイソプロピルトリイソステアロイルチタネートを選択すると、油剤中での粉体の分散安定性や付着性、使用感がより良好なものとなる。
成分(E)のイヌリン脂肪酸エステル及び/又は加水分解イヌリンの脂肪酸エステルは、一単糖単位あたりの脂肪酸置換度が2.2以上であると、油剤のゲル化能力が高く好ましい。ここで示す脂肪酸置換度とは、単糖単位中の3個の水酸基を脂肪酸でエステル化した平均モル数を示す。また、該エステルのアシル基において、総アシル基の60モル%以上は、炭素数16〜22の直鎖炭化水素骨格を有するアシル基が好ましく、具体的にはヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、エイコサノイル基、ドコサノイル基があげられる。アシル基の炭素鎖長においては、ヘキサデカノイル基より炭素数の少ないアシル基では、油性成分との溶解性やゲル構造性の付与が充分でなく、反対にドコサノイル基より炭素数の多いアシル基では、使用時に重い感触を伴ったり、経時で析出したりする場合がある。
また、総アシル基の40モル%未満は、他のアシル基で置換されていても構わない。他のアシル基を例示するならば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、テトラデカノイル基、テトラコサノイル基、ヘキサコサノイル基、オクタコサノイル基、トリアコンタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、イソステアロイル基、イソヘキサデカノイル基、イソデカノイル基、イソオクタノイル基等が挙げられる。
具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリブテン等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ホホバ油、リンゴ酸ジイソステアリル、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられる。
イソプロピルアルコール500gとイソプロピルトリイソステアロイルチタネート50gを混合し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)中で酸化亜鉛〔MZ−500(テイカ社製)〕950gと混合する。その後、減圧下、60℃でイソプロピルアルコールを回収し、粉砕して、有機チタネート5%処理微粒子酸化亜鉛を得た。
前記製造例1と同様に、微粒子酸化亜鉛の代わりに酸化チタン〔MT−500B(テイカ社製)〕を用いて、有機チタネート3%及びメチルハイドロジェンポリシロキサン3%処理微粒子酸化チタンを得た。
表1に示す処方の油中水型日焼け止め化粧料を下記製造方法にて調製し、分散安定性、乳化安定性、使用感(のび広がり、べたつきのなさ、しっとり感)紫外線防御効果について下記方法により評価した。
A.成分(1)〜(19)を室温にて均一に混合分散する。
B.成分(20)〜(23)を室温にて均一に混合する。
C.AにBを加え乳化し、油中水型日焼け止め化粧料を得る。
〔分散安定性〕
各試料を調製直後と40℃恒温槽に1ヶ月間保管後、石英板上に、各試料の薄膜(厚さ6μm)を作成して、透過スペクトルを測定し、波長400nmにおける透過率を測定した。
ここで、可視光400nmの透過率を直後と1ヶ月後で比較し、下記(ハ)の4段階判定基準を用いて判定した。
(ハ)4段階判定基準
(評価) (判定)
透過率の差が5%未満であった :◎
透過率の差が5〜10%未満であった :○
透過率の差が10〜20%未満であった:△
透過率の差が20%以上であった :×
各試料を40℃恒温槽に3ヶ月間保管し、調製直後の状態を基準として、外観の変化を以下の(ニ)4段階判定基準を用いて判定した。
(ニ)4段階判定基準
(評価) (判定)
変化なく良好 :◎
油剤のしみ出し等外観にわずかに変化があるが、化粧品として問題はない。:○
外観、使用性に変化がある。 :△
明らかに変化があり、形状維持が困難である。 :×
専門評価パネル20名により、各試料を顔面に塗布し、使用感(のび広がり、べたつきのなさ、しっとり感の付与)について、下記(ホ)の5段階評価基準にて評価し、更に各試料の評点の平均値を(ヘ)の4段階判定基準を用いて判定した。
(ホ)5段階評価基準
(評点): (評価)
4 : 非常に良い
3 : 良い
2 : 普通
1 : やや悪い
0 : 悪い
(ヘ)4段階判定基準
(評点の平均値) :(判定)
3.5以上 : ◎
2.5以上、3.5未満 : ○
1.5以上、2.5未満 : △
1.5未満 : ×
5cm×8cm四方のサージカルテープ(住友3M社製 型番:1526)上に各試料40mgを均一に塗布し、SPF Analyzer System UV−1000S(Labsphere社製)にて測定し、1サンプル15点測定(N=3)の平均値により、UVB領域である300nmの透過率を算出し、下記(ト)の4段階判定基準を用いて判定した。
(ト)4段階判定基準
(評価) : (判定)
UVB透過率が10%未満で、遮断効果が非常に良好 :◎
UVB透過率が10以上30%未満で、遮断効果が良好 :○
UVB透過率が30以上40%未満で、遮断効果がやや劣る :△
UVB透過率が40%以上で、遮断効果が劣る :×
一方、特に成分(D)、(E)を配合することの効果を確認した比較例において、成分(D)の油剤を、イソノナン酸イソノニル、流動パラフィン、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、マカデミアナッツ油に置き換えて配合した比較例1〜4は、分散・乳化安定化作用が十分ではなく、使用感も悪く、紫外線防御効果も劣るものであった。また、成分(D)成分は配合しているが、成分(E)を配合していない比較例5、或いは成分(E)を他のゲル化剤であるパルミチン酸デキストリンに置き換えた比較例6も、共に分散・乳化安定化作用に劣り、使用感も悪く、紫外線防御効果も劣るものであった。更に、成分(D)の油剤も成分(E)のイヌリン脂肪酸エステルも配合していない比較例7は、成分(B)の表面処理微粒子酸化亜鉛が凝集により増粘してしまい分散安定性が悪く、乳化安定性も損なわれ、のび広がりやべたつきのなさ等の使用感も紫外線防御効果も劣るものであった。
つまり、本発明の実施例1〜6の油中水型日焼け止め化粧料は、比較例1〜7と比較して、特に成分(D)、(E)を配合することにより、分散安定性、乳化安定性が非常に優れたものとなり、それは、使用時ののび広がり、べたつきのなさ、しっとり感の付与等の使用感を良好なものとし、更には紫外線防御効果の高い油中水型日焼け止め化粧料とすることがわかった。
Claims (4)
- 次の成分(A)〜(E);
(A)部分架橋型ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン
(B)有機チタネート処理微粒子酸化亜鉛及び/又は有機チタネート処理微粒子酸化チタン
(C)シリコーン油
(D)トリオクタン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコールから選ばれる一種又は二種以上の油剤
(E)イヌリン脂肪酸エステル及び/又は加水分解イヌリン脂肪酸エステル
を配合することを特徴とする油中水型日焼け止め化粧料。 - 前記成分(C)、(D)、(E)の配合質量比が(C):(D):(E)=5〜1:1:0.01〜0.05であり、かつ(C)と(D)の合計配合量が30〜60質量%であることを特徴とする請求項1記載の油中水型日焼け止め化粧料。
- 前記成分(E)のイヌリン脂肪酸エステル及び/又は加水分解イヌリン脂肪酸エステルが、一単糖単位あたりの脂肪酸エステル化度が2.2以上であり、該エステルのアシル基において、総アシル基の60モル%以上が、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、エイコサノイル基、ドコサノイル基から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1または2記載の油中水型日焼け止め化粧料。
- 前記成分(B)がイソプロピルトリイソステアロイルチタネート処理微粒子酸化亜鉛及び/又はイソプロピルトリイソステアロイルチタネート処理微粒子酸化チタンであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項記載の油中水型日焼け止め化粧料。
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