JP2009190145A - ウエハ研磨装置 - Google Patents

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洋一 藤平
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Abstract

【課題】定盤から飛び出しているキャリアの撓みを抑制して、キャリアの安定した噛合を確保すると共に、キャリアの保持孔から抜け出てしまうことに起因する割れを防止しながら、ウエハを薄く研磨すること。
【解決手段】外縁がギア部2aとされ、ウエハSが収納される保持孔2bが形成された円板状のキャリア2と、ギア部を介してキャリアに噛合され、該キャリアを自転させながら軸線回りに公転させる遊星歯車機構と、中心が刳り貫かれた環状に形成され、キャリアの一部を露出させた状態で該キャリアの上下に配置されて、保持孔に収納されたウエハに所定の荷重を加えながら該ウエハを両面から挟み込む上定盤及び下定盤5と、を備え、上定盤及び下定盤は、両定盤の内周面及び外周面からの最大飛び出し量Xを7mm以上13mm以下の範囲内に規制した状態でキャリアを露出させるように内径及び外径が設定されていることを特徴とするウエハ研磨装置を提供する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ウエハを研磨加工して所定の厚みに調整するウエハ研磨装置に関するものである。
近年、携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号等のタイミング源、リファレンス信号源等として水晶等を利用した圧電振動子が用いられている。この種の圧電振動子は、様々なものが知られており、例えば音叉型の圧電振動片を有するものや、厚み滑り振動する圧電振動片を有するもの等が知られている。
ところで、この圧電振動片は、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の各種の圧電体から形成されている。具体的には、圧電体の原石を切断してウエハにした後、該ウエハを所定の厚みまで研磨加工する。そして、研磨加工されたウエハを洗浄、乾燥させた後、フォトリソ技術によりエッチング加工して圧電振動片の外形を形成すると共に、所定の金属膜をパターニングして電極を形成する。これにより、1枚のウエハから一度に複数の圧電振動片を作製することができる。
このように作製される圧電振動片は、自身の厚みがウエハの厚みに依存するため、上述した研磨加工が品質等を決定付けるための特に重要な工程とされている。通常、研磨加工は、原石から切断されたウエハをある程度の厚みまで粗く研磨するラッピング工程と、該ラッピング工程後、ウエハを鏡面研磨して所定の厚みまで高精度に仕上げるポリッシング工程と、を行っている。
この研磨加工は、一般的に研磨装置を利用して行われている(特許文献1、2及び3参照)。ここで、従来の研磨装置について図23及び図24を参照して簡単に説明する。
研磨装置200は、図23及び図24に示すように、サンギア201と、インターナルギア202と、キャリア203とを有している。また、キャリア203の上下には、上定盤204及び下定盤205が配置されている。サンギア201及びインターナルギア202は、共に反時計方向に回転するようになっており、それぞれが図示しないキャリア203のギア部と噛合しながらキャリア203を遊星運動させている。即ち、キャリア203を時計方向に自転させながら、反時計方向に公転させている。キャリア203は、例えば直径数インチの円板であり、上定盤204と下定盤205との間に所定角度毎に複数個配置されている。また、キャリア203には、ウエハSを保持するために複数の保持孔206が設けられており、1つのキャリア203に対して、複数枚(例えば5枚)のウエハSを保持することができるようになっている。よって、1バッチの研磨で複数枚のウエハSを一度に研磨することが可能とされている。
上定盤204及び下定盤205は、キャリア203に保持されたウエハSを一部露出させた状態で、該ウエハSを上下から挟み込むように配置されている。この際、上定盤204は、所定の荷重をウエハSに加えた状態となっている。下定盤205は、キャリア203が公転する方向とは逆方向である反時計方向に回転するようになっている。
また、上定盤204には、図24に示すように、両定盤204、205の間に研磨液を供給するための供給路204aが複数(数十個)形成されている。そして、図示しない供給ホースを介して研磨液が供給路204aに供給されるようになっている。これにより、両定盤204、205の間に各供給路204aを介して研磨液を供給することができ、研磨液を利用してウエハSを研磨することができるようになっている。また、研磨液としては、微小な粒径の研磨剤(遊離砥粒)が混入されたものが使用され、この研磨剤よるウエハ表面の微細な破壊で研磨が進行する。
このように構成された研磨装置200を利用して、ウエハSを研磨する場合について簡単に説明する。
まず、上定盤204と下定盤205とを離間させた状態で、各キャリア203に複数枚のウエハSをセットする。セット後、上定盤204を所定の荷重でウエハSに押し付けた状態で、該ウエハSを両定盤204、205で挟み込む。そして、供給路204aを介して両定盤204、205の間に研磨液を供給しながら、サンギア201、インターナルギア202を駆動させてキャリア203を自転及び公転させる。この際、上述したようにキャリア203の一部は、上定盤204及び下定盤205から飛び出して、露出した状態になっている。また、これと同時に下定盤205を回転させる。これにより、キャリア203に保持されたウエハSの両面を研磨することができる。
特開平11−10530号公報 特開2000−15566号公報 国際公開第WO00/35630パンフレット
しかしながら、上述した従来の装置では、まだ以下の課題が残されていた。
始めに、電子機器の小型化に伴って、これら電子機器に搭載される圧電振動子のさらなる小型化が求められており、圧電振動片自体の小型化が要求されている。ここで、圧電振動片の厚みは、上述したようにウエハSの厚みに依存されるため、ウエハS自身のさらなる薄型化が求められている。つまり、ウエハSをできるだけ薄く、しかも高品質に仕上げることが今後要求される。
ところで、上述した研磨装置200でウエハSを薄く研磨するためには、ウエハSを保持するキャリア203を該ウエハSより薄くする必要がある。従って、ウエハSの薄型化に併せて、キャリア203を薄型化する必要があった。
しかしながら、薄型化されたキャリア203は、機械的強度がどうしても弱くなってしまい、容易に撓んでしまう傾向があった。この結果、キャリア203の両定盤204、205から飛び出している部分に撓みが発生してしまっていた。そのため、サンギア201及びインターナルギア202よりキャリア203が脱落し、クラッシュ(設備トラブル)が発生してしまうことがあった。このため、研磨作業を一時停止せざるを得なかった。
更に、この撓みの発生のため、保持孔206に収納されていたウエハSが該保持孔206から抜け出ることが頻発していた。保持孔206から抜け出たウエハSは、保持孔206に収納されている場合と異なり、上定盤204及び下定盤205に対して傾いた状態で研磨されるため、ウエハSに割れが発生してしまうことがあった。
また、抜け出たウエハSが、研磨装置200内で巻き込まれることによってクラッシュが発生する恐れもあった。よって、この場合も研磨作業を一時停止せざるを得なかった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、定盤から飛び出しているキャリアの撓みを抑制して、キャリアの安定した噛合を確保すると共に、キャリアの保持孔から抜け出てしまうことに起因する割れを防止しながら、ウエハを薄く研磨することができるウエハ研磨装置を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明に係るウエハ研磨装置は、ウエハの両面を研磨して、該ウエハの厚みを所定の厚みに調整するウエハ研磨装置であって、外縁がギア部とされ、前記ウエハが収納される保持孔が形成された円板状のキャリアと、前記ギア部を介して前記キャリアに噛合され、該キャリアを自転させながら軸線回りに公転させる遊星歯車機構と、中心が刳り貫かれた環状に形成され、前記キャリアの一部を露出させた状態で該キャリアの上下に配置されて、前記保持孔に収納された前記ウエハに所定の荷重を加えながら該ウエハを両面から挟み込む上定盤及び下定盤と、を備え、前記上定盤及び前記下定盤が、両定盤の内周面及び外周面からの最大飛び出し量を7mm以上13mm以下の範囲内に規制した状態で前記キャリアを露出させるように内径及び外径が設定されていることを特徴とするものである。
この発明に係るウエハ研磨装置によれば、ウエハを研磨するために、まず、研磨加工対象物であるウエハをキャリアの保持孔内に収納する。そして、保持孔内に収納されたウエハの両面を上定盤と下定盤とで所定の荷重を加えながら挟み込む。次いで、遊星歯車機構を利用してキャリアを自転及び公転させて、ウエハの両面を両定盤で研磨する。これにより、ウエハを所定の厚みに調整することができる。
特に、上定盤及び下定盤は、両定盤の内周面及び外周面からの最大飛び出し量を7mm以上13mm以下の範囲内に規制した状態でキャリアを露出させるように内径及び外径が設定されている。つまり、両定盤からキャリアが13mmより長く飛び出すことはない。従って、ウエハを薄く研磨するために薄型化されたキャリアを用いた場合であっても、上定盤及び下定盤から飛び出しているキャリアが撓むことを抑制できる。仮に両定盤からキャリアが13mmより長く飛び出している場合には、飛び出しているキャリアに撓みが生じてしまい、遊星歯車機構から脱落してしまう恐れがある。即ち、両定盤からキャリアが飛び出す量を13mm以下にすることで、キャリアの撓みを抑制して、キャリアが遊星歯車機構から脱落することを防止できる。これにより、安定した噛合を確保することができ、クラッシュの発生等をなくすことができる。そのため、ウエハを効率良く研磨することができる。更に、キャリアの撓みを抑制することができるので、保持孔からウエハが抜け出てしまうことを防止でき、ウエハの割れの発生を防止することができる。
ところで、キャリアは飛び出し量が13mm以下とはいえ、少なくとも7mmは飛び出している。よって、キャリアのギア部を確実に両定盤から飛び出させることができ、ギア部と遊星歯車機構とを確実に噛合させることができる。ここで、仮に両定盤から7mm未満しかキャリアが飛び出ていない場合には、ギア部の歯元が両定盤に挟まれた状態でギア部と遊星歯車機構とを噛合させることになる。この結果、両者の噛合が不確実になってしまう。即ち、キャリアの両定盤からの最大飛び出し量を7mm以上にすることで、ギア部と遊星歯車機構とを確実に噛合させて、キャリアが遊星歯車機構から脱落することを防止できる。よって、この点においても、安定した噛合を確保することができ、研磨を効率良く行うことができる。
本発明のウエハ研磨装置によれば、定盤から飛び出しているキャリアの撓みを抑制して、キャリアの安定した噛合を確保すると共に、キャリアの保持孔から抜け出てしまうことに起因する割れを防止しながら、ウエハを薄く研磨することができる。
また、このウエハ研磨装置によれば、キャリアの厚さを50μm〜150μm程度にしても上述した作用効果を奏することができるので、ウエハをこの厚みと略等しい厚みまで薄く研磨することができる。
以下、本発明に係る一実施形態を、図1から図7を参照して説明する。
本実施形態のウエハ研磨装置1は、図1に示すように、研磨液Wを供給しながらウエハSの両面を研磨して、該ウエハSの厚みを所定の厚みに調整する装置であって、キャリア2と、遊星歯車機構3と、上定盤4と、下定盤5と、研磨液供給手段6と、を備えている。
キャリア2は、図1から図3に示すように、外縁がギア部2aとされ、直径3インチのウエハSが収納される保持孔2bが形成された円板状のものである。キャリア2の厚みとしては、約100μmである。なお、本実施形態では、保持孔2bが3つ形成されたキャリア2を5枚備えている場合を例に挙げて説明するが、保持孔2bの数、キャリア2の枚数は、それぞれウエハSの寸法、上定盤4及び下定盤5の寸法によって制約を受けるが、その制約の範囲内で自由に設定して構わない。これら5枚のキャリア2は、軸線Lを中心として等角度毎に配置されている。
また、上記軸線Lに沿ってシャフト10が配置されており、該シャフト10にはサンギア11が固定されている。また、5枚のキャリア2の周囲を取り囲むように、リング状に形成されたインターナルギア12が配置されている。そして、5枚のキャリア2は、サンギア11及びインターナルギア12に対してギア部2aが噛合した状態で配置されている。
これらサンギア11及びインターナルギア12は、図示しない駆動源により共に反時計方向に回転するようになっている。この際、サンギア11及びインターナルギア12の回転速度は、それぞれ別々の速度で回転するように調整されている。これにより、各キャリア2は、時計方向に自転しながら、軸線Lを中心に反時計方向に公転するようになっている。つまり、サンギア11及びインターナルギア12は、ギア部2aを介してキャリア2に噛合され、該キャリア2を自転させながら軸線L回りに公転させる上記遊星歯車機構3として機能する。
上定盤4及び下定盤5は、共に中心が刳り貫かれた環状に形成されており、キャリア2の上下に配置されている。この際、下定盤5は、回転テーブル13上に固定されており、回転テーブル13と共に軸線Lを中心としてキャリア2の公転方向とは反対方向(時計方向)に回転するようになっている。一方、上定盤4は、ポール14に沿って上下に移動可能とされており、下定盤5との距離を自在に調整できるようになっている。これにより、キャリア2に形成された保持孔2bにウエハSを収納して保持或いは取り出したり、保持孔2bに保持されたウエハSに所定の荷重を加えながら該ウエハSを両定盤4、5で挟み込んだりすることができるようになっている。
ところで両定盤4、5は、キャリア2の一部が両定盤4、5の内周面及び外周面から外側に飛び出して露出するサイズに形成されている。より具体的には、図3及び図4に示すように、両定盤4、5の内周面及び外周面からの最大飛び出し量Xを7mm以上13mm以下の範囲内に規制した状態でキャリア2を露出させるように内径及び外径が設定されている。そのため、自転及び公転するキャリア2は、サンギア11側の一部及びインターナルギア12側の一部が常に露出するようになっている。なお、図3では、下定盤5だけ図示しているが上定盤4も下定盤5と同じサイズである。また、図4では、図を見易くするために、研磨液Wの表示を省略している。
また、上定盤4の上方には、図1に示すように、パウダーリング15が固定されたリングプレート16が配置されており、該リングプレート16の下面に上記ポール14が固定されている。パウダーリング15には、環状の溝部15aが形成されており、パウダーリング15の上方に配置された供給バルブ17から吐出された研磨液Wを内部に貯留できるようになっている。
また、リングプレート16には、複数のパウダーホース18の基端側が固定されている。この際、各パウダーホース18は、溝部15a内に連通した状態で固定されている。これにより、溝部15a内に一旦貯留された研磨液Wは、溝部15aからパウダーホース18内に流れ、パウダーホース18の先端に向かって流れるようになっている。
これらパウダーホース18の先端は、上定盤4に形成された複数の貫通路4aに固定されている。これら複数の貫通路4aは、図5に示すように、軸線Lを中心として、半径R1の内側円、半径R2の中間円、半径R3の外側円に沿って所定間隔毎に形成されている。これにより、両定盤4、5の間にかたよりなく均等に研磨液Wを供給することができるようになっている。
ところで、パウダーホース18の固定についてより詳細に説明すると、図6に示すように、該パウダーホース18は、円筒状に形成された継手20を介して貫通路4aに差し込まれて固定されている。この継手20には、略中間部分に外径が大きくなったストップリング20aが形成されている。
一方、上定盤4に形成された貫通路4aの内径は、継手20の外径よりも若干大きいサイズとされている。これにより、継手20を貫通路4a内に嵌め込んで嵌合固定できるようになっている。この際、継手20に形成されたストップリング20aが上定盤4の上面に接触するので、継手20は安定に固定されるようになっている。
このように、継手20を介して上定盤4の貫通路4aに固定されたパウダーホース18によって、両定盤4、5の間に研磨液Wを供給することができるようになっている。なお、図1及び図2では、図を見易くするために継手20の図示を省略している。
また、図1に示すように、下定盤5の下方には、研磨後に流れてきた研磨液Wを受け取る回収パン21と、回収パン21で受け取られて集められた研磨液Wを貯める研磨液槽22とが配置されている。研磨液槽22には、内部に溜まった研磨液Wを攪拌すると共に、研磨液Wを汲み上げて循環ホース23に循環させるポンプ24が設けられている。そして、循環ホース23は、供給バルブ17に接続された分配器25に接続されている。これにより、回収した研磨液Wを再度供給バルブ17に戻し、パウダーリング15の溝部15a内に供給できるようになっている。
なお、上述したパウダーリング15、リングプレート16、供給バルブ17、パウダーホース18、回収パン21、研磨液槽22、循環ホース23、ポンプ24及び分配器25は、研磨液Wを両定盤4、5の間に供給する上記研磨液供給手段6として機能する。
また、回収パン21には、フィルタ26が設けられており、回収した研磨液Wに含まれるウエハSの研磨加工粉を除去している。これにより、常に清浄な研磨液Wを両定盤4、5の間に供給し続けることができるようになっている。
なお、上述した研磨液Wは、研磨材が含有された液である。研磨材としては、一般的に酸化セリウム(CeO2)が慣用される。また、研磨液Wとしては、例えば、酸化セリウムと防錆材と水とからなるスラリー等が挙げられる。
また、本実施形態の両定盤4、5には、図1及び図2に示すように、着脱可能な研磨用パッドPが接着されている。この研磨用パッドPは、図7に示すように、接着層P1とナップ層P2とからなる2層のパッドである。ナップ層P2は、厚みが例えば400μmから1000μm程度のスエード等の繊維状の層であり、表面に無数の微小開口P3が形成されている。つまり、ナップ層P2の表面は、襞状となっている。そのため、研磨中にこの微小開口P3に研磨液Wを一時的に保持したり、ウエハSの研磨加工粉を一時的に溜め込んだりすることができるようになっている。また、接着層P1は、厚みが例えば400μmから1000μm程度の層であり、格子状の溝部P4が形成されている。そして、この溝部P4を通じて研磨液WやウエハSの研磨加工粉が外部に排出されるようになっている。なお、この研磨用パッドPを利用することで、研磨対象の表面を鏡面加工することができる。研磨用パッドPは、ウエハSを粗く削るラッピング工程では取り外し、ウエハSを仕上研磨するポリッシング工程では接着させるのが一般的である。
次に、このように構成されたウエハ研磨装置1を利用しながら、ウエハSの両面を研磨加工する場合について説明する。
まず、上定盤4を下定盤5から離間するようにポール14に沿って上方に移動させた後、キャリア2の保持孔2b内にウエハSを収納して保持させる。ウエハSを保持した後、ポール14に沿って上定盤4を下降させ、保持孔2bに保持されたウエハSの両面を上定盤4と下定盤5とで所定の荷重を加えながら挟み込む。これにより、ウエハSは、両定盤4、5の表面に接着された研磨用パッドPに挟み込まれた状態となる。この際、キャリア2は、一部が両定盤4、5の内周面及び外周面から外側に飛び出して露出した状態となっている。
次いで、研磨液供給手段6により両定盤4、5の間に研磨液Wを供給すると同時に、遊星歯車機構3を駆動させてキャリア2を自転させながら両定盤4、5の中心を貫く軸線L回りに公転させる。但し、研磨液Wの供給と遊星歯車機構3の作動が同時ではなく、研磨液Wの供給を行った後に遊星歯車機構3を駆動させても構わない。また、遊星歯車機構3の駆動と同時に、下定盤5をキャリア2の公転方向とは反対方向に回転させる。
研磨液Wを供給するには、ポンプ24を作動させる。ポンプ24を作動させると、研磨液Wは、図1に示すように、研磨液槽22の中で十分に攪拌された後に汲み上げられて、循環ホース23内に送られる。そして、循環ホース23内を通過した後、研磨液Wは分配器25に送られ、該分配器25で分流されてパウダーリング15内の溝部15a内に送られる。そして、溝部15a内に送られた研磨液Wは、該溝部15a内に貯留されると共に各パウダーホース18に流れ込む。そして、パウダーホース18を流れた研磨液Wは、貫通路4aを通過した後、両定盤4、5の間に流れ込む。これにより、研磨液Wの供給を行うことができる。
一方、遊星歯車機構3の駆動によってキャリア2が自転及び公転させられるので、保持孔2bに保持されたウエハSも同時に自転及び公転運動する。これにより、ウエハSは、研磨液Wが間に供給された両定盤4、5によって両面が研磨加工させられる。その結果、ウエハSを所定の厚みに研磨することができる。
特に、上定盤4及び下定盤5は、両定盤4、5の内周面及び外周面からの最大飛び出し量Xを7mm以上13mm以下の範囲内に規制した状態でキャリア2を露出させるように内径及び外径が設定されている。つまり、両定盤4、5からキャリア2が13mmより長く飛び出すことはない。従って、ウエハSを薄く研磨するために薄型化されたキャリア2を用いた場合であっても、上定盤4及び下定盤5から飛び出しているキャリア2が撓むことを抑制できる。仮に両定盤4、5からキャリア2が13mmより長く飛び出している場合には、飛び出しているキャリア2に撓みが生じてしまい、サンギア11及びインターナルギア12から脱落してしまう恐れがある。即ち、両定盤4、5からキャリア2が飛び出す量を13mm以下にすることで、キャリア2の撓みを抑制して、キャリア2がサンギア11及びインターナルギア12から脱落することを防止できる。これにより、安定した噛合を確保することができ、クラッシュの発生等をなくすことができる。そのため、ウエハSを効率良く研磨することができる。更に、キャリア2の撓みを抑制することができるので、保持孔2bからウエハSが抜け出てしまうことを防止でき、ウエハSの割れの発生を防止することができる。
ところで、キャリア2は、飛び出し量が13mm以下であるとはいえ、少なくとも7mmは飛び出している。よって、キャリア2のギア部2aを確実に両定盤4、5から飛び出させることができ、ギア部2aとサンギア11及びインターナルギア12とを確実に噛合させることができる。ここで、仮に両定盤4、5から7mm未満しかキャリア2が飛び出ていない場合には、ギア部2aの歯元が両定盤4、5に挟まれた状態でギア部2aとサンギア11及びインターナルギア12とを噛合させることになる。この結果、両者の噛合が不確実になってしまう。即ち、キャリア2の両定盤4、5からの最大飛び出し量Xを7mm以上にすることで、ギア部2aとサンギア11及びインターナルギア12とを確実に噛合させて、キャリア2がサンギア11及びインターナルギア12から脱落することを防止できる。よって、この点においても、安定した噛合を確保することができ、研磨を効率良く行うことができる。
また、このウエハ研磨装置1によれば、キャリア2の厚さを50μm〜150μm程度にしても上述した作用効果を奏することができるので、ウエハSをこの厚みと略等しい厚みまで薄く研磨することができる。
また、本実施形態では、ウエハSを研磨する際に、下定盤5をキャリア2の公転方向とは反対方向に向けて回転させているので、より効率良くウエハSを研磨することができる。
ところで、両定盤4、5の間に供給された研磨液Wは、上定盤4及び下定盤5に接着された研磨用パッドPのナップ層P2に形成された微小開口P3に一時的に保持された状態で研磨に貢献する。また、研磨によって生じたウエハSの微細な研磨加工粉も、微小開口P3に一時的に保持される。そして、これら研磨液W及び研磨加工粉は、研磨用パッドPの接着層P1に形成された溝部P4を通じて流れ、最終的には図1に示すように、回収パン21によって回収される。そして、回収パン21によって回収された研磨液W及び研磨加工粉は、フィルタ26を通過した後、研磨液槽22に溜まる。なお、研磨用パッドPが接着されていない場合であっても、同様に研磨液W及び研磨加工粉は回収パン21によって回収されてフィルタ26を通過した後、研磨液槽22に溜まる。
なお、フィルタ26を通過する際に、研磨加工粉は除去される。そのため、研磨液槽22には、清浄な研磨液Wだけが溜まった状態となる。そして、回収された研磨液Wは、再度ポンプ24によって送り出され、再使用される。
このように、一度供給した研磨液Wを廃棄して無駄にするのではなく、再度有効利用できるので、研磨液Wに費やすコストの低減化を図ることができる。しかも、フィルタ26を利用して研磨加工粉を除去できるので、常に清浄な研磨液Wだけを安定して供給し続けることができ、高精度な研磨を行うことができる。
次に、上述したウエハ研磨装置1を利用してポリッシング工程を行い、図に示すシリンダパッケージタイプの圧電振動子30を製造する場合について説明する。始めに、この圧電振動子30について説明する。
圧電振動子30は、図8に示すように、圧電振動片31と、該圧電振動片31を内部に収納するケース32と、圧電振動片31をケース32内に密閉させる気密端子であるプラグ33と、を備えている。
圧電振動片31は、図9から図11に示すように、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。なお、この圧電振動片31は、上述したウエハSから作製されたものである。
この圧電振動片31は、平行に配置された一対の振動腕部40、41と、該一対の振動腕部40、41の基端側を一体的に固定する基部42と、一対の振動腕部40、41の外表面上に形成されて一対の振動腕部40、41を振動させる第1の励振電極43と第2の励振電極44とからなる励振電極45と、第1の励振電極43及び第2の励振電極44に電気的に接続されたマウント電極46、47とを有している。
また、本実施形態の圧電振動片31は、一対の振動腕部40、41の両主面上に、該振動腕部40、41の長手方向に沿ってそれぞれ形成された溝部48を備えている。この溝部48は、振動腕部40、41の基端側から略中間付近まで形成されている。
第1の励振電極43と第2の励振電極44とからなる励振電極45は、一対の振動腕部40、41を互いに接近又は離間する方向に所定の共振周波数で振動させる電極であり、一対の振動腕部40、41の外表面に、それぞれ電気的に切り離された状態でパターニングされて形成されている。具体的には、図11に示すように、第1の励振電極43が、一方の振動腕部40の溝部48上と、他方の振動腕部41の両側面上とに主に形成され、第2の励振電極44が、一方の振動腕部40の両側面上と他方の振動腕部41の溝部48上とに主に形成されている。
また、第1の励振電極43及び第2の励振電極44は、図8及び図9に示すように、基部42の両主面上において、それぞれ引き出し電極49、50を介してマウント電極46、47に電気的に接続されている。そして圧電振動片31は、このマウント電極46、47を介して電圧が印加されるようになっている。
なお、上述した励振電極45、引き出し電極49、50及びマウント電極46、47は、例えば、クロム(Cr)と金(Au)との積層膜であり、水晶と密着性の良いクロム膜を下地として成膜した後に、表面に金の薄膜を施したものである。但し、この場合に限られず、例えば、クロムとニクロム(NiCr)の積層膜の表面にさらに金の薄膜を積層しても構わないし、クロム、ニッケル、アルミニウム(Al)やチタン(Ti)等の単層膜でも構わない。
また、一対の振動腕部40、41の先端には、自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振動するように調整(周波数調整)を行うための重り金属膜51が被膜されている。なお、この重り金属膜51は、周波数を粗く調整する際に使用される粗調膜51aと、微小に調整する際に使用される微調膜51bとに分かれている。これら粗調膜51a及び微調膜51bを利用して周波数調整を行うことで、一対の振動腕部40、41の周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に収めることができる。
ケース32は、図8に示すように、有底円筒状に形成されており、圧電振動片31を内部に収納した状態でプラグ33の後述するステム60の外周に対して圧入されて、嵌合固定されている。なお、このケース32の圧入は、真空雰囲気下で行われており、ケース32内の圧電振動片31を囲む空間が真空に保たれた状態となっている。
プラグ33は、ケース32を密閉させるステム60と、該ステム60を貫通するように平行配置され、ステム60を間に挟んで一端側が圧電振動片31をマウント(機械的に接合及び電気的に接続)するインナーリード61aとされ、他端側が外部に電気的に接続されるアウターリード61bとされた2本のリード端子61と、ステム60の内側に充填されてステム60とリード端子61とを固定させる絶縁性の充填材62とを有している。
ステム60は、金属材料で環状に形成されたものである。また、充填材62の材料としては、例えば、ホウ珪酸ガラスである。また、リード端子61の表面及びステム60の外周には、それぞれ同材料の図示しないメッキが施されている。
2本のリード端子61は、ケース32内に突出している部分がインナーリード61aとなり、ケース32外に突出している部分がアウターリード61bとなっている。そして、インナーリード61aとマウント電極46、47とが、導電性のバンプEを介してマウントされている。即ち、バンプEを介してインナーリード61aとマウント電極46、47とが機械的に接合されていると同時に、電気的に接続されている。その結果、圧電振動片31は、2本のリード端子61にマウントされた状態となっている。
このように構成された圧電振動子30を作動させる場合には、2本のリード端子61のアウターリード61bに対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、インナーリード61a、バンプE、マウント電極46、47及び引き出し電極49、50を介して、第1の励振電極43及び第2の励振電極44からなる励振電極45に電流を流すことができ、一対の振動腕部40、41を接近・離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部40、41の振動を利用して、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等として利用することができる。
次に、圧電振動子30の製造方法について、図12から図14に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
まず、圧電振動片31の元となるウエハSを作製するウエハS作製工程について説明する。このウエハS作製工程は、原石を切断してウエハSにすると共に、該ウエハSを複数回研磨しながら最終的に所定の厚み、例えば150μmの厚みに調整する工程である。
始めに、原石を用意すると共にX線回析法等により切断角度(カット角)の測定を行う(S1)。詳細には、原石のZ面のX軸回りの角度が指定の角度になるようにX線を用いて測定する。測定後、ベースとなるガラス上に接着剤を用いて原石を固定する。
次いで、ガラス上に固定された原石を、ワイヤーソーのワークテーブルにセットする。そして、測定した上記切断角度に沿って、原石をワイヤーソー(例えば、線径が約160μmの高張力線)を用いて約220μmの厚みに切断する(S2)。
次いで、切断されたウエハSの両面を粗く研磨してラッピングを行い、ウエハSの厚みを約180μmにする工程を行う。
まず、ラッピングを行う前に、ウエハSの側面研磨を行う(S3)。これにより、外周を滑らかに仕上げて、ウエハSの割れや欠け等の発生を抑制することができる。続いて、図示しない両面ラップ装置によりウエハSの両面をラッピング(粗加工)して研磨する(S4)。このラッピングによって、厚みを約220μmから約180μmまで薄くする。
続いて、ラッピングが終了した後、ウエハSを洗浄する(S5)。即ち、ウエハSを図示しないバスケットに収納すると共に、バスケットごと洗浄液に漬浸する。そして、超音波洗浄と純水洗浄とを繰り返し行う。また、同時に酸洗浄とアルカリ洗浄とを組み合わせて行う。そして、ウエハSに付着しているラッピングを行った際に用いた砥粒を除去した後、純水によるすすぎ洗浄を行う。その後、スピン乾燥機により脱水及び乾燥を行う。
次いで、ラッピングによってウエハSの表面に生じた加工変質層を除去する第1のエッチングを行う(S6)。この工程は、ラッピングを行った際に用いた砥粒が加工変質層に食い込んでいるので、ウエハSの両面を約10μm程度フッ酸系の溶液によりエッチングして加工変質層を除去する工程である。詳細には、ウエハSをバスケットに収納した後、所定の時間の間、バスケットごとフッ酸系の溶液であるエッチング液に漬浸する。なおこの間、バスケットをゆっくり上下に揺動させて、ウエハSの厚みにムラが生じてしまうことを防止することが好ましい。そして、所定の時間が経過した後、バスケットをエッチング液から取り出すと共に、純水に漬浸させて十分にエッチング液を取り去る。この第1のエッチングにより、ウエハSの厚みは約180μmから約160μmまで薄くなる。
次いで、ウエハSを乾燥させた後、ウエハSの両面を鏡面研磨して、最終的に厚みを所定の厚みに仕上げて調整するポリッシングを行う(S7)。具体的には、ウエハSの厚みを約160μmから150μmまで薄くして仕上げる。即ち、ウエハSの片面を約5μm程度研磨する。このポリッシングは、先に説明した図1に示すウエハ研磨装置1を利用して行うものである。よって、詳細な説明は省略する。
このように、ポリッシングに上述したウエハ研磨装置1を利用することで、割れがなく、厚みが約150μmに仕上げされたウエハSを得ることができる。しかも、効率良く研磨作業を行えるので、ポリッシングに費やす時間を大幅に短縮することができる。
そして、ポリッシングが終了した後、再び洗浄を行う(S8)。即ち、ウエハSをバスケットに収納した後、超音波洗浄と純水洗浄とを繰り返し行って洗浄を行う。なお、ポリッシングが終了したウエハSは、次工程に移行するまでの間、純水等に漬浸した状態で保管することが好ましい。
次いで、ポリッシングによってウエハSの表面に生じたダメージ層や何らかの付着物等を除去する第2のエッチングを行う(S9)。詳細には、ウエハSをバスケットに収納した後、所定の時間の間、バスケットごとフッ酸系の溶液であるエッチング液に漬浸してエッチングを行う。
次いで、ウエハSをバスケットに収納した後、純水や60℃程度の温度に加熱した温純水や超純水にバスケットを漬浸して、ウエハSの洗浄を行う(S10)。洗浄した後、ウエハSをスピン乾燥機等で脱水する。脱水後、真空中でウエハSを加熱して、吸着した水分を脱利させて乾燥させる。なお、乾燥後は、N2デシケータにウエハSを保管することが好ましい。
次に、上述したように研磨されたウエハSを利用して、圧電振動子30を一度に複数製造する工程に移行する。
まず、研磨後のウエハSをフォトリソ技術によりエッチングして、複数の圧電振動片31の外形形状をパターニングする外形形成工程を行う(S20)。この工程について、具体的に説明する。
始めに、ポリッシングが終了したウエハSを準備(S21)した後、図15に示すようにウエハSの両面にエッチング保護膜70をそれぞれ成膜する(S22)。このエッチング保護膜70としては、例えば、クロム(Cr)を数μm成膜する。次いで、エッチング保護膜70上に図示しないフォトレジスト膜を、フォトリソ技術によってパターニングする。この際、圧電振動片31の周囲を囲むようにパターニングする。そして、このフォトレジスト膜をマスクとしてエッチング加工を行い、マスクされていないエッチング保護膜70を選択的に除去する。そして、エッチング加工後にフォトレジスト膜を除去する。これにより、図16及び図17に示すように、エッチング保護膜70を上述した形状にパターニングすることができる(S23)。つまり、圧電振動片31の外形形状、即ち、一対の振動腕部40、41及び基部42の外形形状に沿ってパターニングすることができる。またこの際、複数の圧電振動片31の数だけパターニングを行う。なお、図17から図22は、図16に示す切断線D−D線に沿った断面を示す図である。
次いで、パターニングされたエッチング保護膜70をマスクとして、ウエハSの両面をそれぞれエッチング加工する(S24)。これにより、図18に示すように、エッチング保護膜70でマスクされていない領域を選択的に除去して、圧電振動片31の外形形状を形作ることができる。この時点で、外形形成工程が終了する。なお、圧電振動片31は、後に行う切断工程を行うまで、図示しない連結部を介してウエハSに連結された状態となっている。
次に、一対の振動腕部40、41に溝部48を形成する溝部形成工程を行う(S30)。この工程について、具体的に説明する。
まず、図19に示すように、エッチング保護膜70上にフォトレジスト膜71をスプレー塗布等により成膜する(S31)。そして、このフォトレジスト膜71を、フォトリソ技術によってパターニングする。この際、図20に示すように、溝部48の領域を空けた状態で圧電振動片31の外形形状に沿ってパターニングする(S32)。そして、パターニングされたフォトレジスト膜71をマスクとしてエッチング加工を行い、マスクされていないエッチング保護膜70を選択的に除去する(S33)。そして、エッチング加工後にフォトレジスト膜71を除去する。これにより、図21に示すように、既にパターニングされたエッチング保護膜70を、溝部48の領域を空けた状態でさらにパターニングすることができる。
次いで、この再度パターニングされたエッチング保護膜70をマスクとして、ウエハSをエッチング加工(S34)した後、マスクとしていたエッチング保護膜70を除去する(S35)。これにより、図22に示すように、一対の振動腕部40、41に溝部48を形成することができる。この時点で、溝部形成工程が終了する。
次に、複数の圧電振動片31の外表面上に図示しない電極膜を成膜すると共に、パターニングを行って、励振電極45、引き出し電極49、50、マウント電極46、47をそれぞれ形成する電極形成工程を行う(S40)。また、これと同時に、同様の方法により重り金属膜51を形成する(S41)。
次いで、ウエハSと圧電振動片31とを連結していた連結部を切断して、複数の圧電振動片31をウエハSから切り離して小片化する切断工程を行う(S42)。これにより、所定の厚みに調整されたウエハSから、励振電極45、引き出し電極49、50及びマウント電極46、47の各電極が形成された圧電振動片31を一度に複数製造することができる。
次いで、圧電振動片31をマウントする前に、共振周波数の粗調を行う(S43)。これは、重り金属膜51の粗調膜51aにレーザ光を照射して一部を蒸発させ、重量を変化させることで行う。なお、共振周波数をより高精度に調整する微調に関しては後に行う。これについては、後に説明する。
次に、プラグ33を作製する気密端子作製工程を行う(S50)。具体的には、まず、ステム60作製工程によりステム60を作製する(S51)。即ち、鉄ニッケルコバルト合金や鉄ニッケル合金等の導電性を有する板部材をランス加工した後、複数回の深絞り加工を行って有底の筒部材を形成する。そして、筒部材の底面に開口を形成すると共に、外形抜きを行って筒部材を板部材から切り離すことで、ステム60を作製する。
次いで、ステム60内に、リード端子61及び充填材62をそれぞれセットするセット工程を行う(S52)。まず、作製したステム60を、図示しない専用の治具にセットした後、予めリング状に焼結された充填材62をステム60の内部にセットすると共に、充填材62を貫通するようにリード端子61をセットする。
上記セット工程により、ステム60とリード端子61と充填材62とを組み合わせた後、治具を加熱炉内に入れて1000℃前後の温度雰囲気で充填材62の焼成を行う(S53)。これにより、充填材62とリード端子61との間、充填材62とステム60との間が完全に封着されて、気密に耐えられる構造となる。そして、治具から取り出すことで、プラグ33を得ることができる。この時点で、気密端子作製工程が終了する。
次に、リード端子61の外表面及びステム60の外周に同一材料の金属膜を湿式メッキ法で被膜させるメッキ工程を行う(S60)。そのための前処理として、リード端子61の外表面及びステム60の外周を洗浄すると共に、アルカリ溶液で脱脂した後、塩酸及び硫酸の溶液にて酸洗浄を行う。この前処理が終了した後、リード端子61の外表面及びステム60の外周面に下地金属膜を形成する。例えば、Cuメッキ或いはNiメッキを略2μm〜5μmの膜厚で被膜させる。続いて、下地金属膜上に仕上金属膜を形成する。例えば錫や銀等の単一材料の他、耐熱メッキや、錫銅合金、錫ビス膜合金、錫アンチモン合金等を、略8μm〜15μmの膜厚で被膜させる。
このように、下地金属膜及び仕上金属膜からなる金属膜を被膜させることで、インナーリード61aと圧電振動片31との接続を可能にすることができる。また、圧電振動片31の接続だけでなく、ステム60の外周に被膜された金属膜が柔らかく弾性変形する特性を有しているので、ステム60とケース32との冷間圧接を可能にすることができ、気密接合を行うことができる。
続いて、金属膜の安定化を図るため、真空雰囲気の炉中でアニーリングを行う(S61)。例えば、170℃の温度で1時間の加熱を行う。これにより、下地金属膜の材料と仕上金属膜の材料との界面に形成される金属間化合物の組成を調整して、ウイスカの発生を抑制することができる。このアニーリングが終了した時点でマウント工程を行うことができる。なお、金属膜を被膜する際に、湿式メッキ法で行った場合を例にしたが、この場合に限られず、例えば、蒸着法や化学気相法等で行っても構わない。
なお、本実施形態では、アニーリングが終了した後、次に行うマウント工程のためにインナーリード61aの先端に、金等の導電性のバンプEを形成する(S62)。そして、圧電振動片31のマウント電極46、47をインナーリード61aに接合するマウント工程を行う(S63)。具体的には、バンプEを加熱しながら、該バンプEを間に挟んだ状態でインナーリード61aと圧電振動片31とを所定の圧力で重ね合わせる。これにより、バンプEを介してインナーリード61aとマウント電極46、47とを接続することができる。その結果、圧電振動片31をマウントすることができる。即ち、圧電振動片31は、リード端子61に機械的に支持されると共に、電気的に接続された状態となる。
なお、バンプ接続する際に、加熱・加圧を行ってマウントしたが、超音波を利用してバンプ接続を行っても構わない。
次に、封止工程を行う前に、上述したマウントによる歪みをなくすために、所定の温度でベーキングを行う(S64)。続いて、圧電振動片31の周波数調整(微調)を行う(S65)。この周波数調整について、具体的に説明すると、全体を真空チャンバーに入れた状態で、アウターリード61b間に電圧を印加して圧電振動片31を振動させる。そして、周波数を計測しながら、レーザにより重り金属膜51の微調膜51bを蒸発させることで、周波数の調整を行う。なお、周波数計測を行うには、アウターリード61bに図示しないプローブの先端を押し付けることで、計測を正確に行うことができる。この周波数調整を行うことで、予め決められた周波数の範囲内に圧電振動片31の周波数を調整することができる。
なお、上記微調及び先に行った粗調の際に、レーザの照射により重り金属膜51を蒸発させることで、周波数調整を行ったが、レーザではなくアルゴンイオンを利用しても構わない。この場合には、アルゴンイオンの照射によりスパッタリングを行い、重り金属膜51を除去することで周波数調整を行う。
最後に、マウントされた圧電振動片31を内部に収納するようにケース32をステム60に圧入し、圧電振動片31を気密封止する封止工程を行う(S66)。具体的に説明すると、真空中で所定の荷重を加えながらケース32をプラグ33のステム60の外周に圧入する。すると、ステム60の外周に形成された金属膜が弾性変形するので、冷間圧接により気密封止することができる。これにより、ケース32内に圧電振動片31を密閉して真空封止することができる。
なお、この工程を行う前に、圧電振動片31、ケース32及びプラグ33を十分に加熱して、表面吸着水分等を脱離させておくことが好ましい。
そして、ケース32の固定が終了した後、スクリーニングを行う(S67)。このスクリーニングは、周波数や共振抵抗値の安定化を図ると共に、ケース32を圧入した嵌合部に圧縮応力に起因する金属ウイスカが発生してしまうことを抑制するために行うものである。スクリーニング終了後、内部の電気特性検査を行う(S68)。即ち、圧電振動片31の共振周波数、共振抵抗値、ドライブレベル特性(共振周波数及び共振抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチェックする。また、絶縁抵抗特性等を併せてチェックする。そして、最後に圧電振動子30の外観検査を行って、寸法や品質等を最終的にチェックする。この結果、図8に示す圧電振動子30を製造することができる。
特に、ウエハ研磨装置1により、効率よく且つできるだけ薄く両面研磨されたウエハSを使用するので、該ウエハSから作製された圧電振動片31及び圧電振動子30に関しても薄型化を図ることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、ウエハ研磨装置1をポリッシング工程に用いたが、これに限られず、ラッピング工程に用いても良い。その場合、研磨用パッドPは取り外すことが好ましい。
また、上記実施形態では、ウエハSから製造される製品の一例として、シリンダパッケージタイプの圧電振動子30を例に挙げて説明したが、セラミックパッケージタイプの圧電振動子30を製造しても構わないし、圧電振動子30以外のものを製造しても構わない。
いずれにしても、薄型化されたウエハSを用いることができるので、該ウエハSから製造される製品の薄型化を図ることができる。
本発明に係るウエハ研磨装置の構成図である。 図1に示すウエハ研磨装置を構成するキャリア周辺の拡大図である。 図2に示す断面矢視A−A図である。 図3に示す断面矢視B−B図である。 図1に示すウエハ研磨装置を構成する上定盤を上面から見た図である。 図1に示すウエハ研磨装置を構成する上定盤とパウダーホースとの取り付け関係を示す図である。 上定盤及び下定盤に接着された研磨用パッドの拡大断面図である。 本発明に係る圧電振動子の一実施形態を示す図であって、上面側から見た全体図である。 図8に示す圧電振動子を構成する圧電振動片を上面から見た図である。 図8に示す圧電振動子を構成する圧電振動片を下面から見た図である。 図8に示す断面矢視C−C図である。 図9に示す圧電振動片の元となるウエハを作製する際の流れを示すフローチャートである。 研磨加工されたウエハを利用して、図8に示す圧電振動子を製造する際の流れを示すフローチャートである。 図13に示すフローチャートの続きのフローチャートである。 図13に示すフローチャートに沿って圧電振動子を製造する際の一工程を示す図であって、ウエハの両面にエッチング保護膜を成膜した状態を示す図である。 図15に示す状態から、エッチング保護膜をパターニングした後の状態を示す図であって、ウエハを上方から見た図である。 図16に示す断面矢視D−D図である。 図17に示す状態から、エッチング保護膜をマスクとして、ウエハをエッチング加工した状態を示す図である。 図18に示す状態から、ウエハの両面にフォトレジスト膜を成膜した状態を示す図である。 図19に示す状態から、フォトレジスト膜をパターニングした後の状態を示す図である。 図20に示す状態から、パターニングしたフォトレジスト膜をマスクとして、エッチング保護膜をエッチング加工してさらにパターニングした後の状態を示す図である。 図21に示す状態から、さらにパターニングしたエッチング保護膜をマスクとして、ウエハをエッチング加工した状態を示す図である。 従来の研磨装置の一例を示す構成図である。 図23に示す断面矢視E−E図である。
符号の説明
1…ウエハ研磨装置
2a…ギア部
2b…保持孔
2…キャリア
3…遊星歯車機構
4…上定盤
5…下定盤
L…軸線
S…ウエハ
X…最大飛び出し量

Claims (1)

  1. ウエハの両面を研磨して、該ウエハの厚みを所定の厚みに調整するウエハ研磨装置であって、
    外縁がギア部とされ、前記ウエハが収納される保持孔が形成された円板状のキャリアと、
    前記ギア部を介して前記キャリアに噛合され、該キャリアを自転させながら軸線回りに公転させる遊星歯車機構と、
    中心が刳り貫かれた環状に形成され、前記キャリアの一部を露出させた状態で該キャリアの上下に配置されて、前記保持孔に収納された前記ウエハに所定の荷重を加えながら該ウエハを両面から挟み込む上定盤及び下定盤と、を備え、
    前記上定盤及び前記下定盤は、両定盤の内周面及び外周面からの最大飛び出し量を7mm以上13mm以下の範囲内に規制した状態で前記キャリアを露出させるように内径及び外径が設定されていることを特徴とするウエハ研磨装置。
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