JP2014172149A - キャリア - Google Patents
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Abstract
【課題】ウエハを安定的に保持して、研磨を確実に行う。
【解決手段】上定盤4と下定盤5との間に原料ウエハS0を挟み込んで原料ウエハS0を所定の厚みに研磨加工する際にウエハSを保持するキャリア2であって、外周部に複数のギヤ歯が形成されるとともに、外周部よりも内側に位置する部分に貫通孔33が形成された円板状のキャリア本体30と、貫通孔33の内周に沿って設けられる樹脂製のスペーサ部材34と、を有し、スペーサ部材34は、キャリア本体30よりも厚いものとした。
【選択図】図9
【解決手段】上定盤4と下定盤5との間に原料ウエハS0を挟み込んで原料ウエハS0を所定の厚みに研磨加工する際にウエハSを保持するキャリア2であって、外周部に複数のギヤ歯が形成されるとともに、外周部よりも内側に位置する部分に貫通孔33が形成された円板状のキャリア本体30と、貫通孔33の内周に沿って設けられる樹脂製のスペーサ部材34と、を有し、スペーサ部材34は、キャリア本体30よりも厚いものとした。
【選択図】図9
Description
本発明は、ウエハを研磨加工して所定の厚みに調整するウエハ研磨装置で用いるキャリアに関する。
近年、携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号等のタイミング源、リファレンス信号源等として水晶等を利用した圧電振動子が用いられている。この種の圧電振動子は、様々なものが知られており、例えば音叉型の圧電振動片を有するものや、厚み滑り振動する圧電振動片を有するもの等が知られている。
圧電振動片は、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の各種の圧電体から形成されるものが一般的である。この圧電振動片の作製について具体的に説明すると、まず、圧電体の原石を切断してウエハにした後、該ウエハを所定の厚みまで研磨加工する。そして、研磨加工されたウエハを洗浄、乾燥させた後、フォトリソグラフィ技術によりエッチング加工して圧電振動片の外形を形成すると共に、所定の金属膜をパターニングして電極を形成する。これにより、1枚のウエハから一度に複数の圧電振動片を作製することができる。
このように作製される圧電振動片は、自身の厚みがウエハの厚みに依存するため、上述した研磨加工が品質等を決定付けるための特に重要な工程とされている。通常、研磨加工においては、原石から切断されたウエハをある程度の厚みまで粗く研磨するラッピング工程と、該ラッピング工程後、ウエハを鏡面研磨して所定の厚みまで高精度に仕上げるポリッシング工程と、を行っている。
図14、図15に示すように、研磨加工を行うウエハ研磨装置では、ウエハSを研磨する際、上定盤303と下定盤304との間にウエハSを挟みこみ、上定盤303と下定盤304とをウエハSに対して相対的に回転させることによって研磨を行う。上定盤303と下定盤304との間にウエハを挟み込むには、円板状で、ウエハSを支持する保持孔301が形成されたキャリア300が用いられている。このキャリア300は、その外周部にギヤ部が形成されて、遊星歯車機構によって上定盤303と下定盤304との間で遊星運動し、これによって、保持孔301に保持されたウエハSが研磨される。
図14に示すように、ウエハSとキャリア300の保持孔301との間には、例えばウエハSの保持孔301へのセットや保持孔301からの取り出しを容易に行う等するためにクリアランス302が存在している。
そして、保持孔301に保持されたウエハSには、上定盤303と下定盤304との間でウエハSの表面に沿った方向の摩擦力と、上定盤303と下定盤304との間でウエハSの表面に直交する方向の圧力とが作用している。このため、ウエハSを研磨する際には、前記の摩擦力と圧力が作用しているウエハSが、遊星運動しているキャリア300に対し、保持孔301内で相対的に移動し、ウエハSの外周部が保持孔301の内周面に衝突する。その結果、ウエハSの外周部に、傷等が付いてしまうことがある。
そして、保持孔301に保持されたウエハSには、上定盤303と下定盤304との間でウエハSの表面に沿った方向の摩擦力と、上定盤303と下定盤304との間でウエハSの表面に直交する方向の圧力とが作用している。このため、ウエハSを研磨する際には、前記の摩擦力と圧力が作用しているウエハSが、遊星運動しているキャリア300に対し、保持孔301内で相対的に移動し、ウエハSの外周部が保持孔301の内周面に衝突する。その結果、ウエハSの外周部に、傷等が付いてしまうことがある。
そこで、特許文献1には、保持孔の内周部に、ウエハSよりも硬度の低い材質で、コーティングを施すことによって、ウエハSの外周部への傷つきを防止する構成が開示されている。
ところで、特許文献1に記載したような構成においては、図16に示すように、例えばウエハSの角部305が相対回転している上定盤303や下定盤304に引っ掛かる等してウエハSが保持孔301内から抜け出し、ウエハSが、キャリア300と上定盤303または下定盤304との間に噛み込んでしまうおそれがある。すると、ウエハSに対して上定盤303と下定盤304との間で過大な圧力が加わり、ウエハSの割れ306等の損傷が生じてしまう。
このような現象は、ウエハSの保持状態が上定盤303又は下定盤304の表面の平坦度(Flatness)に影響を受けることで生じ易い。即ち、両定盤303、304の少なくとも一方の表面が、例えば研磨用の凹凸を有していたり、研磨のために反っていたりする場合などがある。これらの場合、キャリア300と両定盤303、304との間に空隙が生じるため、例えばこの空隙にウエハSの角部305が入り込むこと等により、ウエハSがキャリア300から抜け出してしまう。
なお近年では、ウエハSの薄型化を実現すべく、薄型のキャリア300(例えば、厚さが0.1mm程度)が使用されていて、このような問題が顕著に生じ易くなっている。さらにこのような問題は、研磨装置においてキャリア300を上定盤303および下定盤304に対して相対的に回転させ始める研磨初期時に特に生じやすい。
そこでなされた本発明の目的は、ウエハを安定的に保持して、研磨を確実に行うことのできるキャリアを提供することである。
このような現象は、ウエハSの保持状態が上定盤303又は下定盤304の表面の平坦度(Flatness)に影響を受けることで生じ易い。即ち、両定盤303、304の少なくとも一方の表面が、例えば研磨用の凹凸を有していたり、研磨のために反っていたりする場合などがある。これらの場合、キャリア300と両定盤303、304との間に空隙が生じるため、例えばこの空隙にウエハSの角部305が入り込むこと等により、ウエハSがキャリア300から抜け出してしまう。
なお近年では、ウエハSの薄型化を実現すべく、薄型のキャリア300(例えば、厚さが0.1mm程度)が使用されていて、このような問題が顕著に生じ易くなっている。さらにこのような問題は、研磨装置においてキャリア300を上定盤303および下定盤304に対して相対的に回転させ始める研磨初期時に特に生じやすい。
そこでなされた本発明の目的は、ウエハを安定的に保持して、研磨を確実に行うことのできるキャリアを提供することである。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明は、上定盤と下定盤との間に原料ウエハを挟み込んで該原料ウエハを所定の厚みに研磨加工する際に前記原料ウエハを保持するキャリアであって、外周部に複数のギヤ歯が形成されるとともに、前記外周部よりも内側に位置する部分に貫通孔が形成された円板状のキャリア本体と、前記貫通孔の内周に沿って設けられ、その内方に前記原料ウエハが収容される樹脂製のスペーサ部材と、を有し、前記スペーサ部材は、前記キャリア本体よりも厚いことを特徴とする。
この発明によれば、スペーサ部材の内周側に原料ウエハを収容して研磨加工を行うときに、上定盤、下定盤との間に生じる摩擦力や圧力によって、原料ウエハがキャリアに対して相対的に移動しても、原料ウエハが樹脂製のスペーサ部材に当たりその衝撃を緩衝することができるので、その外周部が例えば割れ、欠けする等して傷ついたりするのを防止できる。
そして、このスペーサ部材は、キャリア本体よりも厚いため、原料ウエハはこのスペーサ部材に囲まれることとなり、貫通孔から外部に抜けだしてしまうのを防止することができる。しかも前述のように、原料ウエハとスペーサ部材とが衝突したときには、その衝撃が緩衝されることから、両者間の接触面積を確保して摩擦力を高めることが可能になり、原料ウエハの抜け出しを効果的に防止することができる。
すなわち、本発明は、上定盤と下定盤との間に原料ウエハを挟み込んで該原料ウエハを所定の厚みに研磨加工する際に前記原料ウエハを保持するキャリアであって、外周部に複数のギヤ歯が形成されるとともに、前記外周部よりも内側に位置する部分に貫通孔が形成された円板状のキャリア本体と、前記貫通孔の内周に沿って設けられ、その内方に前記原料ウエハが収容される樹脂製のスペーサ部材と、を有し、前記スペーサ部材は、前記キャリア本体よりも厚いことを特徴とする。
この発明によれば、スペーサ部材の内周側に原料ウエハを収容して研磨加工を行うときに、上定盤、下定盤との間に生じる摩擦力や圧力によって、原料ウエハがキャリアに対して相対的に移動しても、原料ウエハが樹脂製のスペーサ部材に当たりその衝撃を緩衝することができるので、その外周部が例えば割れ、欠けする等して傷ついたりするのを防止できる。
そして、このスペーサ部材は、キャリア本体よりも厚いため、原料ウエハはこのスペーサ部材に囲まれることとなり、貫通孔から外部に抜けだしてしまうのを防止することができる。しかも前述のように、原料ウエハとスペーサ部材とが衝突したときには、その衝撃が緩衝されることから、両者間の接触面積を確保して摩擦力を高めることが可能になり、原料ウエハの抜け出しを効果的に防止することができる。
また、前記スペーサ部材は、前記貫通孔内に位置する本体部と、前記本体部の一端側で前記貫通孔の外周側に張り出す張り出し部と、を有するようにしてもよい。
この場合、研磨時に、張り出し部がキャリア本体に係止されることとなり、スペーサ部材が貫通孔から剥ぎ取られてしまうのを抑えることができる。
なお、上定盤と下定盤との間にキャリアをセットしたときに、張り出し部をキャリアの下方に位置させた場合には、キャリアが下定盤上に直接接触せず、下定盤から上方に浮き上がった状態で保持される。これにより、下定盤によってキャリアが研磨されるのを抑えることができ、キャリアの長寿命化を図ることができる。
さらに、スペーサ部材が、貫通孔に対して着脱可能である場合には、スペーサ部材をキャリアの貫通孔に装着するときに、本体部をキャリア本体の一方の側から貫通孔に挿入すると、張り出し部が貫通孔の周囲のキャリア本体に突き当たることで、スペーサ部材が不用意に脱落することなくキャリアに装着できる。
この場合、研磨時に、張り出し部がキャリア本体に係止されることとなり、スペーサ部材が貫通孔から剥ぎ取られてしまうのを抑えることができる。
なお、上定盤と下定盤との間にキャリアをセットしたときに、張り出し部をキャリアの下方に位置させた場合には、キャリアが下定盤上に直接接触せず、下定盤から上方に浮き上がった状態で保持される。これにより、下定盤によってキャリアが研磨されるのを抑えることができ、キャリアの長寿命化を図ることができる。
さらに、スペーサ部材が、貫通孔に対して着脱可能である場合には、スペーサ部材をキャリアの貫通孔に装着するときに、本体部をキャリア本体の一方の側から貫通孔に挿入すると、張り出し部が貫通孔の周囲のキャリア本体に突き当たることで、スペーサ部材が不用意に脱落することなくキャリアに装着できる。
また、前記スペーサ部材は、前記貫通孔に対して着脱可能であるようにしてもよい。
この場合、スペーサ部材は樹脂製であるため、原料ウエハとともに研磨される。したがって、研磨完了後、スペーサ部材を新たなものと交換することができる。これにより、キャリア本体自体は交換する必要がなく、その長寿命化を図ることが可能となる。
この場合、スペーサ部材は樹脂製であるため、原料ウエハとともに研磨される。したがって、研磨完了後、スペーサ部材を新たなものと交換することができる。これにより、キャリア本体自体は交換する必要がなく、その長寿命化を図ることが可能となる。
また、前記スペーサ部材は、前記原料ウエハより厚いものとしてもよい。
この場合、スペーサ部材は原料ウエハよりも先に定盤に接触する。これによって、原料ウエハを保持したキャリアを両定盤の間に挟み込んだ時に、スペーサ部材を、原料ウエハと定盤との接触に対する緩衝手段として機能させることが可能になり、原料ウエハの割れ、欠けを抑制することができる。また、原料ウエハが上定盤に引っかけられてしまうのを防ぐことができる。
この場合、スペーサ部材は原料ウエハよりも先に定盤に接触する。これによって、原料ウエハを保持したキャリアを両定盤の間に挟み込んだ時に、スペーサ部材を、原料ウエハと定盤との接触に対する緩衝手段として機能させることが可能になり、原料ウエハの割れ、欠けを抑制することができる。また、原料ウエハが上定盤に引っかけられてしまうのを防ぐことができる。
さらにこの場合、前記スペーサ部材は、前記原料ウエハの1.2倍以上の厚さを有しているようにしてもよい。
この場合、原料ウエハが上定盤に引っかけられたり、原料ウエハがスペーサ部材を乗り越えて抜け出てしまうのを確実に防止できる。
この場合、原料ウエハが上定盤に引っかけられたり、原料ウエハがスペーサ部材を乗り越えて抜け出てしまうのを確実に防止できる。
本発明によれば、ウエハを安定的に保持して、研磨を確実に行うことが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明によるキャリアを実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るキャリアを用いて研磨を行うウエハ研磨装置の構成図、図2は、図1に示すウエハ研磨装置を構成するキャリア周辺の拡大図、図3は、図2のA−A矢視図である。さらに、図4は、図1に示すウエハ研磨装置を構成する上定盤とパウダーホースとの取り付け関係を示す図である。
本実施形態のウエハ研磨装置1は、図1、図2に示すように、研磨液Wを供給しながらウエハSの両面を研磨して、該ウエハSの厚みを所定の厚みに調整する装置であって、キャリア2と、遊星歯車機構3と、上定盤4と、下定盤5と、研磨液供給手段6と、を備えている。
図1は、本発明の実施形態に係るキャリアを用いて研磨を行うウエハ研磨装置の構成図、図2は、図1に示すウエハ研磨装置を構成するキャリア周辺の拡大図、図3は、図2のA−A矢視図である。さらに、図4は、図1に示すウエハ研磨装置を構成する上定盤とパウダーホースとの取り付け関係を示す図である。
本実施形態のウエハ研磨装置1は、図1、図2に示すように、研磨液Wを供給しながらウエハSの両面を研磨して、該ウエハSの厚みを所定の厚みに調整する装置であって、キャリア2と、遊星歯車機構3と、上定盤4と、下定盤5と、研磨液供給手段6と、を備えている。
キャリア2は、図3に示すように、円板状のキャリア本体30と、キャリア本体30の外周部に、周方向に沿って所定ピッチで複数のギヤ歯が形成されたギヤ部31と、キャリア本体30の内周部に形成された、ウエハSが収納されるウエハ収納部32と、を備えて形成されている。キャリア2の厚みは、例えば約100μmである。なお、本実施形態では、ウエハ収納部32が1つ形成されたキャリア2を5枚備えている場合を例に挙げて説明するが、ウエハ収納部32の数、キャリア2の枚数は、それぞれウエハSの寸法、上定盤4及び下定盤5の寸法によって制約を受け、その制約の範囲内で自由に設定して構わない。そして、本実施形態では、5枚のキャリア2が、軸線L回りに該軸線Lを中心として等角度毎に配置されている。
上記軸線Lに沿って配置されるシャフト10には、サンギア11が固定され、サンギア11の外周側には、5枚のキャリア2の周囲を取り囲むように、リング状に形成されたインターナルギア12が配置されている。そして、5枚のキャリア2は、サンギア11及びインターナルギア12に対してギヤ部31が噛合した状態で配置されている。
これらサンギア11及びインターナルギア12は、図示しない駆動源により共に図3の紙面上において反時計方向に回転する。この際、サンギア11及びインターナルギア12の回転速度は、それぞれ別々の速度で回転するように調整されている。これにより、各キャリア2は、時計方向に自転しながら、軸線Lを中心に反時計方向に公転する。つまり、サンギア11及びインターナルギア12は、ギヤ部31を介してキャリア2に噛合され、該キャリア2を自転させながら軸線L回りに公転させる上記遊星歯車機構3として機能する。
図1に示すように、上定盤4及び下定盤5は、共に中心が刳り貫かれた環状に形成されており、キャリア2の上下に配置されている。この際、下定盤5は、回転テーブル13上に固定されており、回転テーブル13と共に軸線Lを中心としてキャリア2の公転方向とは反対方向(時計方向)に回転するようになっている。一方、上定盤4は、ポール14に沿って上下に移動可能とされており、下定盤5との距離を自在に調整できるようになっている。これにより、キャリア2に形成されたウエハ収納部32にウエハSを収納して保持したり、ウエハ収納部32に保持されたウエハSに所定の荷重を加えながら該ウエハSを両定盤4、5で挟み込んだり、ウエハ収納部32からウエハSを取り出したりすることができるようになっている。
上定盤4の上方には、パウダーリング15が固定されたリングプレート16が配置されており、該リングプレート16の下面に上記ポール14が固定されている。パウダーリング15には、環状の溝部15aが形成されており、パウダーリング15の上方に配置された供給バルブ17から吐出された研磨液Wを内部に貯留できるようになっている。
また、リングプレート16には、複数のパウダーホース18の基端側が固定され、各パウダーホース18は、溝部15a内に連通した状態になっている。これにより、溝部15a内に一旦貯留された研磨液Wは、溝部15aからパウダーホース18内に流れ、パウダーホース18の先端に向かって流れるようになっている。パウダーホース18の先端は、上定盤4に形成された後述する複数の貫通孔に固定され、これにより、両定盤4、5の間に研磨液Wを供給することができるようになっている。
また、リングプレート16には、複数のパウダーホース18の基端側が固定され、各パウダーホース18は、溝部15a内に連通した状態になっている。これにより、溝部15a内に一旦貯留された研磨液Wは、溝部15aからパウダーホース18内に流れ、パウダーホース18の先端に向かって流れるようになっている。パウダーホース18の先端は、上定盤4に形成された後述する複数の貫通孔に固定され、これにより、両定盤4、5の間に研磨液Wを供給することができるようになっている。
一方で下定盤5の下方には、研磨後に流れてきた研磨液Wを受け取る回収パン21と、回収パン21で受け取られて集められた研磨液Wを貯める研磨液槽22とが配置されている。研磨液槽22には、内部に溜まった研磨液Wを攪拌すると共に、研磨液Wを汲み上げて循環ホース23に循環させるポンプ24が設けられている。循環ホース23は、供給バルブ17に接続された分配器25に接続され、これにより、回収した研磨液Wを再度供給バルブ17に戻し、パウダーリング15の溝部15a内に供給できるようになっている。
なお、上述した研磨液Wは、研磨材が含有された液(スラリー)である。研磨材としては、一般的に酸化セリウム(CeO2)が慣用される。また、研磨液Wとしては、例えば、酸化セリウムと防錆材と水とからなる溶液等が挙げられる。また、回収パン21には、フィルタ26が設けられており、回収した研磨液Wに含まれるウエハSの研磨加工粉を除去している。これにより、常に清浄な研磨液Wを両定盤4、5の間に供給し続けることができるようになっている。
また、図4に示すように、上定盤4には複数の貫通孔4aが形成され、本実施形態において貫通孔4aは8つ形成されている。そして、これら貫通孔4aには上記パウダーホース18の先端が固定される。
ここで、パウダーホース18の固定についてより詳細に説明すると、該パウダーホース18は、円筒状に形成された継手20を介して貫通孔4aに差し込まれて固定される。この継手20には、略中間部分に外径が大きくなったストップリング20aが形成されている。
一方、上定盤4に形成された貫通孔4aの内径は、継手20の外径よりも若干大きいサイズとされている。これにより、継手20を貫通孔4a内に嵌め込んで嵌合固定できるようになっている。この際、継手20に形成されたストップリング20aが上定盤4の上面に接触するので、継手20は安定に固定されるようになっている。
このように、継手20を介して上定盤4の貫通孔4aに固定されたパウダーホース18によって、両定盤4、5の間に研磨液Wを供給することができるようになっている。なお、図1及び図2では、図を見易くするために継手20の図示を省略している。ここで、上述したパウダーリング15、リングプレート16、供給バルブ17、パウダーホース18、回収パン21、研磨液槽22、循環ホース23、ポンプ24及び分配器25は、研磨液Wを両定盤4、5の間に供給する上記研磨液供給手段6として機能する。
一方、上定盤4に形成された貫通孔4aの内径は、継手20の外径よりも若干大きいサイズとされている。これにより、継手20を貫通孔4a内に嵌め込んで嵌合固定できるようになっている。この際、継手20に形成されたストップリング20aが上定盤4の上面に接触するので、継手20は安定に固定されるようになっている。
このように、継手20を介して上定盤4の貫通孔4aに固定されたパウダーホース18によって、両定盤4、5の間に研磨液Wを供給することができるようになっている。なお、図1及び図2では、図を見易くするために継手20の図示を省略している。ここで、上述したパウダーリング15、リングプレート16、供給バルブ17、パウダーホース18、回収パン21、研磨液槽22、循環ホース23、ポンプ24及び分配器25は、研磨液Wを両定盤4、5の間に供給する上記研磨液供給手段6として機能する。
ところで、図1等においては、上定盤4および下定盤5に着脱可能に接着された上側研磨パッド100および下側研磨パッド101が接着された状態を示している。
上側研磨パッド100においても研磨液WをウエハS側に供給するための複数の不図示の貫通孔が形成されている。本実施形態では、これら不図示の貫通孔も、上定盤4の貫通孔4aと同様の配置位置とするが、任意の位置で構わない。
上側研磨パッド100においても研磨液WをウエハS側に供給するための複数の不図示の貫通孔が形成されている。本実施形態では、これら不図示の貫通孔も、上定盤4の貫通孔4aと同様の配置位置とするが、任意の位置で構わない。
ウエハ研磨装置1では、図5に示すように、ウエハSを粗く削るラッピング工程では上述の上側研磨パッド100および下側研磨パッド101を取り外し、上定盤4および下定盤5でウエハSを挟み込んで、研磨加工を行い、図6に示すように、ウエハSを鏡面加工に仕上げるポッリンシング加工では、上側研磨パッド100および下側研磨パッド101を利用して、これらの間にウエハSを挟みこんで研磨する。
さて、図7に示すように、キャリア2に形成されたウエハ収納部32は、キャリア本体30に形成された例えば略矩形の貫通孔33と、貫通孔33の内周に沿って設けられるスペーサ部材34と、を備える。
図7〜図9に示すように、スペーサ部材34は、キャリア2およびウエハSよりも硬度の低い、例えばガラスエポキシ系樹脂等の樹脂から形成されている。このスペーサ部材34は、リング状で、貫通孔33内に挿入されて、貫通孔33の中心軸に沿って延びる断面矩形の筒状の筒状部(本体部)35と、筒状部35の一端側において外周側に張り出し、貫通孔33の内側開口寸法よりも大きな外形寸法を有したフランジ部(張り出し部)36と、を備えている。
ここで、筒状部35は、その外周面35aが貫通孔33の内周面に沿うよう、貫通孔33の内径よりもわずかに小さい外形寸法を有している。筒状部35の内方にはウエハSが収容され、その内周面35bの内側開口寸法は、ウエハSとの間に所定のクリアランスが確保できるよう、ウエハSの外形寸法よりも大きく形成されている。
ここで、筒状部35は、その外周面35aが貫通孔33の内周面に沿うよう、貫通孔33の内径よりもわずかに小さい外形寸法を有している。筒状部35の内方にはウエハSが収容され、その内周面35bの内側開口寸法は、ウエハSとの間に所定のクリアランスが確保できるよう、ウエハSの外形寸法よりも大きく形成されている。
また、筒状部35の厚さTは、キャリア本体30の板厚t1、および研磨前の状態のウエハS(以下、この状態のウエハSを、区別のため、原料ウエハS0と称することがある)の板厚t2よりも大きくなるよう形成されている。
ここで、筒状部35の厚さTは、原料ウエハS0の板厚t2に対し、1.2倍以上の厚さとするのが好ましい。具体例をあげると、原料ウエハS0の厚さt2が190〜200μmである場合、筒状部35の厚さTは250μm程度とすることができる。
ここで、筒状部35の厚さTは、原料ウエハS0の板厚t2に対し、1.2倍以上の厚さとするのが好ましい。具体例をあげると、原料ウエハS0の厚さt2が190〜200μmである場合、筒状部35の厚さTは250μm程度とすることができる。
このようなスペーサ部材34は、キャリア2の貫通孔33に対して、筒状部35を挿抜することによって着脱可能となっている。このスペーサ部材34は、ウエハSの研磨の際には、上定盤4と下定盤5との間に配置するキャリア2に対し、筒状部35を下方から貫通孔33に挿入することによって、キャリア2に装着される。キャリア2に装着した状態で、スペーサ部材34のフランジ部36は、キャリア2の下面に突き当たるようになっている。
次に、上記ウエハ研磨装置1を利用して行うラッピング加工およびポリッシング加工について説明する。
まず、ラッピング加工では、上定盤4を下定盤5から離間するようにポール14に沿って上方に移動させた後、キャリア2のウエハ収納部32内にウエハSを収納して保持させる。このとき、ウエハ収納部32を構成する貫通孔33には、スペーサ部材34が装着され、原料ウエハS0は、スペーサ部材34の筒状部35内に配置される。
ウエハSを保持した後、図9に示すように、上定盤4を下降させ、スペーサ部材34に保持された原料ウエハS0の両面側を上定盤4と下定盤5とで所定の荷重を加えながら挟み込む。この状態で、筒状部35は、キャリア2およびウエハSの板厚t1,t2よりも高く、上定盤4に対しては、筒状部35のみが突き当たっている。
ウエハSを保持した後、図9に示すように、上定盤4を下降させ、スペーサ部材34に保持された原料ウエハS0の両面側を上定盤4と下定盤5とで所定の荷重を加えながら挟み込む。この状態で、筒状部35は、キャリア2およびウエハSの板厚t1,t2よりも高く、上定盤4に対しては、筒状部35のみが突き当たっている。
次いで、研磨液供給手段6により両定盤4、5の間に研磨液Wを供給すると同時に、遊星歯車機構3を駆動させてキャリア2を自転させながら両定盤4、5の中心を貫く軸線L回りに公転させる。但し、研磨液Wの供給と遊星歯車機構3の作動が同時ではなく、研磨液Wの供給を行った後に遊星歯車機構3を駆動させても構わない。また、遊星歯車機構3の駆動と同時に、下定盤5をキャリア2の公転方向とは反対方向に回転させる。
研磨液Wを供給するには、ポンプ24を作動させる。ポンプ24を作動させると、研磨液Wは、図1に示すように、研磨液槽22の中で十分に攪拌された後に汲み上げられて、循環ホース23内に送られる。そして、循環ホース23内を通過した後、研磨液Wは分配器25に送られ、該分配器25で分流されてパウダーリング15内の溝部15a内に送られる。そして、溝部15a内に送られた研磨液Wは、該溝部15a内に貯留されると共に各パウダーホース18に流れ込む。そして、パウダーホース18を流れた研磨液Wは、貫通孔4aを通過した後、両定盤4、5の間に流れ込む。これにより、研磨液Wの供給を行うことができる。
一方、遊星歯車機構3の駆動によってキャリア2が自転及び公転させられるので、ウエハ収納部32に保持されたウエハSも同時に自転及び公転運動する。これにより、原料ウエハS0は、研磨液Wが間に供給された両定盤4、5によって両面が研磨加工される。ここで、少なくとも研磨初期時には、スペーサ部材34の筒状部35の方が原料ウエハS0よりも厚くなっていて、まずはスペーサ部材34の筒状部35およびフランジ部36が両定盤4,5によって研磨される。その後、スペーサ部材34の厚さが原料ウエハS0と同等となって以降、原料ウエハS0が、スペーサ部材34とともに両定盤4,5によって研磨されていく。
なお前述の研磨初期時とは、研磨開始直後のみならず、両定盤4、5とウエハSとが積極的に摺動し始める時期、例えば研磨開始後約5〜10分までを含む。研磨初期時が経過したときには、キャリア2の両定盤4、5に対する相対的な回転の回転速度が、研磨開始直後よりも高くなっていて、キャリア2が定速移動している。
一方で、ポリッシング加工では、まず、両定盤4、5の間から、ウエハSが収納されたキャリア2を取り除き、上定盤4に上側研磨パッド100を接着するとともに、下定盤5に下側研磨パッド101を接着する。そして、両定盤4、5の間に再びキャリア2を配置して、ウエハSを、両定盤4、5の表面に接着された上側研磨パッド100および下側研磨パッド101に挟み込む。そして上述と同様に、研磨液供給手段6により両定盤4、5の間に研磨液Wを供給すると同時に、遊星歯車機構3を駆動させてキャリア2を自転させながら両定盤4、5の中心を貫く軸線L回りに公転させる。これにより、図10に示すように、上側研磨パッド100および下側研磨パッド101により両面が研磨加工される。なお図10では、上側研磨パッド100および下側研磨パッド101の図示を省略している。
ところで本実施形態では、ポリッシング加工において、ラッピング加工で使用したキャリア2をそのまま使用したが、これに限られない。例えば、ポリッシング加工において、ラッピング加工において使用したキャリア2から一端、ウエハSおよびスペーサ部材34を取り外し、新たなスペーサ部材34を貫通孔33内に装着させてこの新たなスペーサ部材34内にウエハSを配置してもよい。また、ウエハSおよびスペーサ部材34を取り外した後、スペーサ部材34を装着させずに貫通孔33内にウエハSを配置してもよい。
さらに、ポリッシング加工において、ラッピング加工で使用したキャリア2とは異なる他のキャリアを用いてもよい。この場合、前記他のキャリアは、ラッピング加工におけるキャリア2と同様の構成であってもよく、異なっていてもよい。また前記他のキャリアは、スペーサ部材34を有していてもよく、有していなくてもよい。
さらに、ポリッシング加工において、ラッピング加工で使用したキャリア2とは異なる他のキャリアを用いてもよい。この場合、前記他のキャリアは、ラッピング加工におけるキャリア2と同様の構成であってもよく、異なっていてもよい。また前記他のキャリアは、スペーサ部材34を有していてもよく、有していなくてもよい。
上述したウエハ研磨装置1を利用してラッピング工程およびポリッシング工程を行ったウエハSは、例えば、以下に示すような圧電振動子200の圧電振動片205の作製に用いられる。
(圧電振動子)
図11は、圧電振動子をリッド基板側から見た外観斜視図であり、図12は、圧電振動子の分解斜視図である。
図11、図12に示すように、上記圧電振動子200は、箱状のパッケージ201と、パッケージ201のキャビティC内に収納された圧電振動片205とを備えた表面実装型の圧電振動子200である。
(圧電振動子)
図11は、圧電振動子をリッド基板側から見た外観斜視図であり、図12は、圧電振動子の分解斜視図である。
図11、図12に示すように、上記圧電振動子200は、箱状のパッケージ201と、パッケージ201のキャビティC内に収納された圧電振動片205とを備えた表面実装型の圧電振動子200である。
パッケージ201は、ベース基板202及びリッド基板203が接合材204を介して積層され、互いに陽極接合されることで形成されている。このパッケージ201は、ベース基板202およびリッド基板203がガラス材料からなる、表面実装型のガラスパッケージである。
ベース基板202には、ベース基板202を貫通する一対の貫通電極206,207が設けられている。ベース基板202の裏面202aには、これら貫通電極206,207に電気的に接続された不図示の外部電極が設けられている。ベース基板202の表面202bには、貫通電極206,207に電気的に接続された引き回し電極208,209が形成されている。
リッド基板203は、ベース基板202に重ね合わせ可能な大きさの板状に形成されている。そして、リッド基板203の裏面203b側には、圧電振動片205が収容される矩形状の凹部203aが形成されている。この凹部203aは、ベース基板202及びリッド基板203が重ね合わされたときに、圧電振動片205を収容するキャビティCを形成する。
圧電振動片205は、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。
この圧電振動片205は、平行に配置された一対の振動腕部205a,205bと、一対の振動腕部205a,205bの基端側を一体的に固定する基部205cとからなる音叉型で、一対の振動腕部205a,205bの外表面上には、振動腕部205a,205bを振動させる図示しない一対の励振電極と、この一対の励振電極と、ベース基板202の表面202bに形成された引き回し電極208,209と、を電気的に接続する一対のマウント電極とを有している(何れも不図示)。
この圧電振動片205は、平行に配置された一対の振動腕部205a,205bと、一対の振動腕部205a,205bの基端側を一体的に固定する基部205cとからなる音叉型で、一対の振動腕部205a,205bの外表面上には、振動腕部205a,205bを振動させる図示しない一対の励振電極と、この一対の励振電極と、ベース基板202の表面202bに形成された引き回し電極208,209と、を電気的に接続する一対のマウント電極とを有している(何れも不図示)。
このように構成された圧電振動片205は、導電性接着剤や金等のバンプBを利用して、引き回し電極208,209上に接合されている。
これにより、圧電振動片205は、ベース基板202の表面202bから浮いた状態で支持されるとともに、各マウント電極と引き回し電極208,209とがそれぞれ電気的に接続された状態となる。
これにより、圧電振動片205は、ベース基板202の表面202bから浮いた状態で支持されるとともに、各マウント電極と引き回し電極208,209とがそれぞれ電気的に接続された状態となる。
このように構成された圧電振動子200を作動させる場合には、ベース基板202に形成された外部電極(不図示)に対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片205の各励振電極に電流を流すことができ、一対の振動腕部205a,205bを接近・離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部205a,205bの振動を利用して、発振器、電子機器、電波時計において、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等として利用することができる。
(圧電振動子の製造方法)
次に、上述した圧電振動子200の製造方法について説明する。
図13は、圧電振動子を製造する際の一工程を示す図であって、圧電振動片をキャビティ内に収容した状態でベース基板用ウエハとリッド基板用ウエハとが陽極接合されたウエハ接合体の分解斜視図である。
図13に示すように、複数のベース基板202が連なるベース基板用ウエハ220と、複数のリッド基板203が連なるリッド基板用ウエハ230との間に複数の圧電振動片205を封入してウエハ接合体240を形成し、ウエハ接合体240を切断することにより複数の圧電振動子200を同時に製造する。
次に、上述した圧電振動子200の製造方法について説明する。
図13は、圧電振動子を製造する際の一工程を示す図であって、圧電振動片をキャビティ内に収容した状態でベース基板用ウエハとリッド基板用ウエハとが陽極接合されたウエハ接合体の分解斜視図である。
図13に示すように、複数のベース基板202が連なるベース基板用ウエハ220と、複数のリッド基板203が連なるリッド基板用ウエハ230との間に複数の圧電振動片205を封入してウエハ接合体240を形成し、ウエハ接合体240を切断することにより複数の圧電振動子200を同時に製造する。
圧電振動片205を作製するには、まず水晶のランバート原石を所定の角度でスライスした後、上記ウエハ研磨装置1においてラッピング研磨、ポリッシュ研磨を行って、所定の厚みのウエハSとする。この続いて、フォトリソグラフィ技術によって圧電振動片205の外形形状にパターニングするとともに、金属膜の成膜およびパターニングを行って、励振電極(不図示)、引き回し電極208,209等を形成する。その後、圧電振動片205の共振周波数の粗調を行う。
リッド基板203を作製するには、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研磨加工して円板状のリッド基板用ウエハ230を形成した後、リッド基板用ウエハ230の裏面230aに、エッチング等によりキャビティC用の凹部203aを複数形成する。さらに、ベース基板用ウエハ220との接合面となるリッド基板用ウエハ230の裏面230a側を少なくとも研磨する。
ベース基板202を作製するには、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研磨加工して円板状のベース基板用ウエハ220を形成した後、例えばプレス加工等により、ベース基板用ウエハに一対のスルーホールを形成し、このスルーホール内に貫通電極206,207を形成する。
さらに、ベース基板用ウエハ220の表面220aに導電性材料をパターニングして、接合材204、引き回し電極208,209を形成する。
さらに、ベース基板用ウエハ220の表面220aに導電性材料をパターニングして、接合材204、引き回し電極208,209を形成する。
次に、ベース基板用ウエハ220の各引き回し電極208,209上に、圧電振動片205を、それぞれ導電性接着剤や金等のバンプBを介してマウントする。そして、ベース基板用ウエハ220とリッド基板用ウエハ230とを重ね合わせ、図示しない陽極接合装置で陽極接合する。これにより、圧電振動片205がキャビティC内に封止され、ベース基板用ウエハ220とリッド基板用ウエハ230とが接合されたウエハ接合体240が得られる。
こののち、一対の貫通電極206,207にそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極(不図示)を形成し、圧電振動子200の周波数を微調整する。
こののち、一対の貫通電極206,207にそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極(不図示)を形成し、圧電振動子200の周波数を微調整する。
周波数の微調が終了後、接合されたウエハ接合体240を切断して個片化することにより、互いに陽極接合されたベース基板202とリッド基板203との間に形成されたキャビティC内に圧電振動片205が封止された圧電振動子200が一度に複数製造される。
なお、上記のパッケージ201は、ベース基板202をセラミックからなるものとし、リッド基板203を金属またはガラス材料等からなる、セラミックパッケージとすることも可能である。この場合、ベース基板202とリッド基板203とを、前記接合材204に代えて、両基板202、203の間に配置されたシールリングによって接合してもよい。前記シールリングは、ベース基板202の外形よりも一回り小さい導電性の枠状部材であり、ベース基板202に接合される。前記シールリングは、銀ロウ等のロウ材や半田材等による焼付けによってベース基板202に接合、或いは、ベース基板202上に形成(例えば、電解メッキや無電解メッキの他、蒸着やスパッタ等により)された金属接合層に対する溶着等によって接合される。
また、このセラミックパッケージにおいては、リッド基板203が、銀ロウ等のロウ材や半田材等による焼付け等によって、前記シールリングと気密に接合される。なおリッド基板203の溶接方法としては、例えばローラ電極を接触させることによるシーム溶接や、レーザ溶接、超音波溶接等が挙げられる。また、リッド基板203と前記シールリングとの溶接をより確実なものとするため、互いになじみの良いニッケルや金等の接合層を、少なくともリッド基板203の下面と、前記シールリングの上面とにそれぞれ形成することが好ましい。
また、このセラミックパッケージにおいては、リッド基板203が、銀ロウ等のロウ材や半田材等による焼付け等によって、前記シールリングと気密に接合される。なおリッド基板203の溶接方法としては、例えばローラ電極を接触させることによるシーム溶接や、レーザ溶接、超音波溶接等が挙げられる。また、リッド基板203と前記シールリングとの溶接をより確実なものとするため、互いになじみの良いニッケルや金等の接合層を、少なくともリッド基板203の下面と、前記シールリングの上面とにそれぞれ形成することが好ましい。
以上に記載したように、本実施形態によれば、研磨の際に、ウエハS(原料ウエハS0)は、キャリア2の貫通孔33に装着されたスペーサ部材34の筒状部35に収容される。このスペーサ部材34は、樹脂製であるため、研磨の際にウエハSが、上定盤4と下定盤5との間でウエハSを研磨するときの摩擦力や、上定盤4と下定盤5との間に挟み込まれることで生じる圧力によって、筒状部35内で相対的に移動しても、筒状部35に衝突するときの衝撃を緩衝することができる。これによって、ウエハSの外周部が例えば割れ、欠けする等して傷ついたりするのを防止できる。
しかも、筒状部35は、その厚さTがキャリア2および原料ウエハS0の板厚t1、t2よりも大きいため、研磨を開始した直後の状態では、上定盤4に対しては筒状部35のみが突き当たる。したがって、研磨の初期の段階で、原料ウエハS0が上定盤4に噛み込まれることがない。しかも、ウエハSは筒状部35に囲まれているため、ウエハSが貫通孔33から外部に抜けだしてしまうのを防止することができる。さらに前述のように、ウエハSとスペーサ部材34とが衝突したときには、その衝撃が緩衝されることから、両者間の接触面積を確保して摩擦力を高めることが可能になり、ウエハSの抜け出しを効果的に防止することができる。そして、スペーサ部材34は樹脂製であり、ウエハSとともに研磨されていくため、研磨の支障になることもない。
また、原料ウエハS0を保持したキャリア2を両定盤4,5の間に挟み込んだ時に、スペーサ部材34を、原料ウエハS0と両定盤4,5との接触に対する緩衝手段として機能させることが可能になり、原料ウエハS0の割れ、欠けを抑制することができる。
そして、スペーサ部材34が研磨されて、その厚さTが漸次小さくなっていき、上定盤4がウエハSに接触し始める段階では、上定盤4とウエハSは、その相対的な回転速度が十分に高まって安定しているため、ウエハSが上定盤4の研磨のための凹凸に引っ掛かりにくくなっている。また、例えウエハSが上定盤4に引っ掛かったとしても、ウエハSの外周側には、研磨されてウエハSと同じ厚さになっている筒状部35が存在しているため、ウエハSが外周側に移動することもない。
このようにして、ウエハSを確実にキャリア2の貫通孔33内に保持して研磨を確実に行うことができる。
そして、スペーサ部材34が研磨されて、その厚さTが漸次小さくなっていき、上定盤4がウエハSに接触し始める段階では、上定盤4とウエハSは、その相対的な回転速度が十分に高まって安定しているため、ウエハSが上定盤4の研磨のための凹凸に引っ掛かりにくくなっている。また、例えウエハSが上定盤4に引っ掛かったとしても、ウエハSの外周側には、研磨されてウエハSと同じ厚さになっている筒状部35が存在しているため、ウエハSが外周側に移動することもない。
このようにして、ウエハSを確実にキャリア2の貫通孔33内に保持して研磨を確実に行うことができる。
また、上定盤4と下定盤5との間にキャリア2をセットしたときには、スペーサ部材34のフランジ部36がキャリア2の下方に位置する。したがって、キャリア2が下定盤5上に直接接触せず、下定盤5から上方に浮き上がった状態で保持される。したがって、下定盤5によってキャリア2が研磨されるのを抑えることができ、キャリア2の長寿命化を図ることが可能となる。
また、研磨時に、フランジ部36がキャリア本体30に係止されることとなり、スペーサ部材34が貫通孔33から剥ぎ取られてしまうのを抑えることができる。
さらに、スペーサ部材34をキャリア2の貫通孔33に装着するときに、筒状部35をキャリア本体30の一方の側から貫通孔33に挿入すると、フランジ部36が貫通孔33の周囲のキャリア本体30に突き当たることで、スペーサ部材34が不用意に脱落することなくキャリア2に装着できる。
また、研磨時に、フランジ部36がキャリア本体30に係止されることとなり、スペーサ部材34が貫通孔33から剥ぎ取られてしまうのを抑えることができる。
さらに、スペーサ部材34をキャリア2の貫通孔33に装着するときに、筒状部35をキャリア本体30の一方の側から貫通孔33に挿入すると、フランジ部36が貫通孔33の周囲のキャリア本体30に突き当たることで、スペーサ部材34が不用意に脱落することなくキャリア2に装着できる。
(その他の実施形態)
なお、本発明のキャリアは、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、貫通孔33を矩形としたが、貫通孔33については、矩形に限らず、円形、多角形状等とすることも可能である。この場合、スペーサ部材34の筒状部35も、貫通孔33の断面形状に応じたものとなる。
なお、本発明のキャリアは、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、貫通孔33を矩形としたが、貫通孔33については、矩形に限らず、円形、多角形状等とすることも可能である。この場合、スペーサ部材34の筒状部35も、貫通孔33の断面形状に応じたものとなる。
また、上記実施形態では、スペーサ部材34の本体部として、筒状部35を備えるようにしたが、この本体部は筒状とは限らない。貫通孔33内でウエハSを囲うことができるのであれば、例えば、フランジ部36に、貫通孔33の内周部に沿って間隔を隔てて複数本の支柱状のスペーサを立設するような構成としてもよい。これらのスペーサの高さを、ウエハSおよびキャリア2の板厚よりも大きくすれば、上記筒状部35と同様の機能を果たすことが可能である。
また、上記実施形態では、スペーサ部材34は張り出し部36を有するものとしたが、有していなくてもよい。
さらに、上記実施形態では、スペーサ部材34は、貫通孔33に対して着脱可能であるものとしたが、これに限られない。例えば、スペーサ部材34に離脱不能に固着されていてもよい。
さらに、上記実施形態では、スペーサ部材34は、貫通孔33に対して着脱可能であるものとしたが、これに限られない。例えば、スペーサ部材34に離脱不能に固着されていてもよい。
また、キャリア2を用いて研磨を行うウエハ研磨装置1の構成については、上記で示した構成に限らず、適宜他の構成とすることができる。
例えば、ウエハ研磨装置1においては、ウエハSの両面を研磨する場合のみならず、片面のみを研磨するようにしてもよい。
上記実施形態で示したキャリア2を用い、ウエハ研磨装置1で研磨するウエハSの用途は、上記に例示した圧電振動子200に限らず、他の様々な用途のものであってもよい。
これ以外についても、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、ウエハ研磨装置1においては、ウエハSの両面を研磨する場合のみならず、片面のみを研磨するようにしてもよい。
上記実施形態で示したキャリア2を用い、ウエハ研磨装置1で研磨するウエハSの用途は、上記に例示した圧電振動子200に限らず、他の様々な用途のものであってもよい。
これ以外についても、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1…ウエハ研磨装置
2…キャリア
3…遊星歯車機構
4…上定盤
5…下定盤
6…研磨液供給手段
10…シャフト
11…サンギア
12…インターナルギア
30…キャリア本体
31…ギヤ部
32…ウエハ収納部
33…貫通孔
34…スペーサ部材
35…筒状部(本体部)
35a…外周面
35b…内周面
36…フランジ部(張り出し部)
38…収容孔
100…上側研磨パッド
101…下側研磨パッド
200…圧電振動子
200…パッケージ
205…圧電振動片
S…ウエハ
2…キャリア
3…遊星歯車機構
4…上定盤
5…下定盤
6…研磨液供給手段
10…シャフト
11…サンギア
12…インターナルギア
30…キャリア本体
31…ギヤ部
32…ウエハ収納部
33…貫通孔
34…スペーサ部材
35…筒状部(本体部)
35a…外周面
35b…内周面
36…フランジ部(張り出し部)
38…収容孔
100…上側研磨パッド
101…下側研磨パッド
200…圧電振動子
200…パッケージ
205…圧電振動片
S…ウエハ
Claims (5)
- 上定盤と下定盤との間に原料ウエハを挟み込んで該原料ウエハを所定の厚みに研磨加工する際に前記原料ウエハを保持するキャリアであって、
外周部に複数のギヤ歯が形成されるとともに、前記外周部よりも内側に位置する部分に貫通孔が形成された円板状のキャリア本体と、
前記貫通孔の内周に沿って設けられ、その内方に前記原料ウエハが収容される樹脂製のスペーサ部材と、を有し、
前記スペーサ部材は、前記キャリア本体よりも厚いことを特徴とするキャリア。 - 前記スペーサ部材は、
前記貫通孔内に位置する本体部と、
前記本体部の一端側で前記貫通孔の外周側に張り出す張り出し部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のキャリア。 - 前記スペーサ部材は、前記貫通孔に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1または2に記載のキャリア。
- 前記スペーサ部材は、前記原料ウエハより厚いことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のキャリア。
- 前記スペーサ部材は、前記原料ウエハの1.2倍以上の厚さを有していることを特徴とする請求項4に記載のキャリア。
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