JP2009186952A - 新規な化合物およびその製造方法、酸発生剤、レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】7−オキサビシクロ[2,2,1]ヘプタンラクトン基を有する特定構造の化合物。
【選択図】なし
Description
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長のF2エキシマレーザー、電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
なお、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸と、α位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方あるいは両方を意味する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、レジスト組成物用の酸発生剤として有用な新規な化合物、該化合物の前駆体として有用な化合物およびその製造方法、酸発生剤、レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の第一の態様は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)、および露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)を含有するレジスト組成物であって、
前記酸発生剤成分(B)が、下記一般式(b1−1)で表される化合物からなる酸発生剤(B1)を含むことを特徴とするレジスト組成物である。
「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「低級アルキル基」は、炭素原子数1〜5のアルキル基である。
「構成単位」とは、樹脂成分(重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「露光」は放射線の照射全般を含む概念とする。
本発明の化合物(I)は、前記一般式(I)で表される。
式(I)中、Xは、−O−、−S−、−O−R3−または−S−R4−である。
R3およびR4はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基である。該アルキレン基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましく、炭素数は1〜3であることが好ましく、1〜2であることがより好ましい。
Xとしては、−O−が最も好ましい。
R2におけるアルコキシ基としては、前記でR2におけるアルキル基として挙げたアルキル基が酸素原子(−O−)に結合した基が挙げられる。
R2におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
R2におけるハロゲン化アルキル基としては、前記でR2におけるアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン化アルキル基としてはフッ素化アルキル基が好ましく、特にパーフルオロアルキル基が好ましい。
R2におけるヒドロキシアルキル基としては、前記でR2におけるアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換された基が挙げられる。
aは0〜2のいずれであってもよく、0が最も好ましい。
aが2である場合、複数のR2はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
該アルキレン基として、具体的には、たとえばメチレン基[−CH2−];−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CH2CH2−];−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CH2CH2CH2−];−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CH2CH2CH2CH2−];−CH(CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CH2CH2CH2CH2CH2−]等が挙げられる。
Q1としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基または単結合が好ましく、特に単結合が好ましい。
Y1としては、−CF2−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、−CF(CF3)CF2−、−CF(CF2CF3)−、−C(CF3)2−、−CF2CF2CF2CF2−、−CF(CF3)CF2CF2−、−CF2CF(CF3)CF2−、−CF(CF3)CF(CF3)−、−C(CF3)2CF2−、−CF(CF2CF3)CF2−、−CF(CF2CF2CF3)−、−C(CF3)(CF2CF3)−;−CHF−、−CH2CF2−、−CH2CH2CF2−、−CH2CF2CF2−、−CH(CF3)CH2−、−CH(CF2CF3)−、−C(CH3)(CF3)−、−CH2CH2CH2CF2−、−CH2CH2CF2CF2−、−CH(CF3)CH2CH2−、−CH2CH(CF3)CH2−、−CH(CF3)CH(CF3)−、−C(CF3)2CH2−;−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−CH(CH2CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH3)−等が挙げられる。
これらの中でも、−CF2−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、又はCH2CF2CF2−が好ましく、−CF2−、−CF2CF2−又は−CF2CF2CF2−がより好ましく、−CF2−が特に好ましい。
cは1が最も好ましい。
R3およびR4のフッ素化アルキル基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましい。また、該フッ素化アルキル基は、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。該フッ素化アルキル基の炭素数は1〜5が好ましく、1が最も好ましい。
R3、R4は、それぞれ、フッ素原子であることが最も好ましい。
化合物(I)は、後述する化合物(B1)の製造における前駆体として有用である。
本発明の化合物(I)の製造方法としては、特に限定されないが、下記一般式(I−3)で表される化合物(I−3)と、下記一般式(I−4)で表される化合物(I−4)とを脱水縮合させることにより化合物(I)を得る工程を含む方法が好ましく用いられる。
化合物(I−3)、化合物(I−4)としては、それぞれ、市販のものを用いてもよく、合成してもよい。
たとえば化合物(I−3)は、特に限定されないが、下記一般式(I−1)で表される化合物(I−1)をアルカリ処理することにより下記一般式(I−2)で表される化合物(I−2)を得る工程(以下、工程(i)という。)、および前記化合物(I−2)を、酸の存在下で加熱することにより化合物(I−3)を得る工程(以下、工程(ii)という。)により合成できる。
工程(i)において、アルカリ処理は、たとえば、化合物(I−1)を、アルカリの存在下で加熱することにより実施でき、具体例としては、化合物(I−1)を、水、テトラヒドロフラン等の溶媒に溶解し、該溶液にアルカリを添加し、加熱することにより実施できる。
アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。
アルカリの使用量は、化合物(I−1)1モルに対し、1〜5モルが好ましく、2〜4モルがより好ましい。
加熱温度は、20〜120℃程度が好ましく、50〜100℃程度がより好ましい。加熱時間は、加熱温度等によっても異なるが、通常、0.5〜12時間が好ましく、1〜5時間がより好ましい。
前記アルカリ処理後、さらに中和を行ってもよい。中和は、前記アルカリ処理後の反応液に塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸等の酸を添加することにより実施できる。このとき、中和は、酸添加後の反応液のpHが6〜8となるように実施することが好ましい。
反応終了後、反応液中の化合物(I−2)を単離、精製してもよい。単離、精製には、従来公知の方法が利用でき、たとえば濃縮、溶媒抽出、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等をいずれか単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
工程(ii)において、酸としては、化合物(I−3)よりも酸強度の高い酸を使用する。かかる酸としては、p−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸などが挙げられる。
酸の使用量は、化合物(I−2)1モルに対し、0.5〜3モルが好ましく、1〜2モルがより好ましい。
加熱温度は、20〜150℃程度が好ましく、50〜120℃程度がより好ましい。加熱時間は、加熱温度等によっても異なるが、通常、0.5〜12時間が好ましく、1〜5時間がより好ましい。
反応終了後、反応液中の化合物(I−3)を単離、精製してもよい。単離、精製には、従来公知の方法が利用でき、たとえば濃縮、溶媒抽出、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等をいずれか単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記脱水縮合反応において、有機溶剤としては、特に、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族系の有機溶剤を用いることが、得られる化合物(I)の収率、純度等が向上するため好ましい。
脱水縮合反応の反応温度は、20℃〜200℃程度が好ましく、50℃〜150℃程度がより好ましい。反応時間は、化合物(I−3)および化合物(I−4)の反応性や反応温度等によっても異なるが、通常、1〜30時間が好ましく、3〜30時間がより好ましい。
酸性触媒としては、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、硫酸、塩酸等の無機酸などが挙げられ、これらはいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脱水縮合反応における酸性触媒の使用量は、触媒量であってもよく、溶媒に相当する量であってもよく、通常、化合物(I−4)1モルに対して、0.001〜5モル程度である。
また、脱水縮合反応に際して、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水剤を併用してもよい。
脱水剤を使用する場合、その使用量は、通常、化合物(I−4)1モルに対して、0.2〜5モル程度が好ましく、0.5〜3モル程度がより好ましい。
本発明の化合物(B1)は、前記一般式(b1−1)で表される。
式(b1−1)中、X、R2、a、Q1、Y1は、それぞれ前記一般式(I)中のX、R2、a、Q1、Y1と同じである。
A+の有機カチオンとしては、特に制限されず、従来、オニウム塩系酸発生剤のカチオン部として知られているものを適宜用いることができる。具体的には、下記一般式(b’−1)、(b’−2)、(b−5)または(b−6)で表されるカチオン部を好適に用いることができる。
また、R1”〜R3”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R1”〜R3”のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、R1”〜R3”のすべてがアリール基であることが最も好ましい。
無置換のアリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
置換アリール基におけるアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基であることが最も好ましい。
置換アリール基におけるハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
R47、R48において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜5であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
R47、R48は、少なくとも一方が水素原子であることが好ましい。特に、一方が水素原子であり、他方が水素原子またはメチル基であることがより好ましい。
R49のアルキル基としては、好ましくは炭素数が1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
R49における直鎖状、分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
R49における環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
R50における直鎖状、分岐鎖状のアルキレン基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基などが挙げられる。
R51における第3級アルキル基としては、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロペンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルペンチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘキシル基などが挙げられる。
R1”〜R3”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、残りの1つは、アリール基であることが好ましい。前記アリール基は、前記R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアリール基としては、R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルキル基としては、R1”〜R3”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R5”〜R6”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
アルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基中の一個又は複数個の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
n0は、好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜2である。
n2およびn3は、好ましくはそれぞれ独立して0又は1であり、より好ましくは0である。
n4は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1である。
n5は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
n6は、好ましくは0又は1である。
式(b’−1−8)中、R7は、炭素数1〜5のアルキル基である。該アルキル基は、直鎖または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、特にメチル基またはn−ブチル基が好ましい。
式(b’−1−9)中、R7’は、それぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基である。該アルキル基としては、前記R1”〜R3”のアルキル基と同様のものが挙げられ、直鎖または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、直鎖状のアルキル基がより好ましく、特にn−ブチル基が好ましい。
式(b’−1−10)〜(b’−1−11)中、R8、R9は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいフェニル基もしくはナフチル基、炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、または水酸基である。前記フェニル基またはナフチル基が有していてもよい置換基としては、前記R1”〜R3”のアリール基における置換基と同様のものが挙げられる。該置換基としては、特にアルキル基が好ましい。
aは1〜3の整数であり、1または2が最も好ましい。
Z−における化合物(I)よりも酸性度が低い酸になりうるイオンとしては、p−トルエンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ブチル硫酸イオン等が挙げられる。
化合物(I)と、化合物(II)とは、たとえば、これらの化合物を、水、ジクロロメタン、アセトニトリル、メタノール、クロロホルム、塩化メチレン等の溶媒に溶解し、撹拌する等により反応させることができる。
反応温度は、0℃〜150℃程度が好ましく、0℃〜100℃程度がより好ましい。反応時間は、化合物(I)および化合物(II)の反応性や反応温度等によっても異なるが、通常、0.5〜10時間が好ましく、1〜5時間がより好ましい。
上記反応における化合物(II)の使用量は、通常、化合物(I)1モルに対して、0.5〜2モル程度が好ましい。
本発明の酸発生剤は、前記第三の態様の化合物(B1)からなるものである。
該酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物用の酸発生剤、たとえば後述する本発明のレジスト組成物の酸発生剤成分(B)として有用である。
本発明のレジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)(以下、(A)成分という。)、および露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分という。)を含有し、前記(B)成分は、前記一般式(b1−1)で表される化合物からなる酸発生剤(B1)を含む。
かかるレジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、レジストパターン形成時に選択的露光を行うと、(B)成分から酸が発生し、該酸が(A)成分のアルカリ現像液に対する溶解性を変化させる。その結果、当該レジスト膜の露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が変化する一方で、未露光部はアルカリ現像液に対する溶解性が変化しないため、アルカリ現像により、ポジ型の場合は露光部が、ネガ型の場合は未露光部が溶解除去され、レジストパターンが形成される。
本発明のレジスト組成物は、ネガ型レジスト組成物であってもよく、ポジ型レジスト組成物であってもよい。
(A)成分としては、通常、化学増幅型レジスト用の基材成分として用いられている有機化合物を1種単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
ここで、「基材成分」とは、膜形成能を有する有機化合物であり、好ましくは分子量が500以上の有機化合物が用いられる。該有機化合物の分子量が500以上であることにより、膜形成能が向上し、また、ナノレベルのレジストパターンを形成しやすい。
前記分子量が500以上の有機化合物は、分子量が500以上2000未満の低分子量の有機化合物(以下、低分子化合物という。)と、分子量が2000以上の高分子量の樹脂(高分子材料)とに大別される。前記低分子化合物としては、通常、非重合体が用いられる。樹脂(重合体、共重合体)の場合は、「分子量」としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。以下、単に「樹脂」という場合は、分子量が2000以上の樹脂を示すものとする。
(A)成分としては、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂を用いることができ、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する低分子材料を用いることもできる。
かかるネガ型レジスト組成物は、露光により(B)成分から酸が発生すると、当該酸が作用して基材成分と架橋剤との間で架橋が起こり、アルカリ現像液に対して難溶性へ変化する。そのため、レジストパターンの形成において、当該ネガ型レジスト組成物を基板上に塗布して得られるレジスト膜を選択的に露光すると、露光部はアルカリ現像液に対して難溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ現像液に対して可溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することによりレジストパターンが形成できる。
ネガ型レジスト組成物の(A)成分としては、通常、アルカリ現像液に対して可溶性の樹脂(以下、アルカリ可溶性樹脂という。)が用いられる。
アルカリ可溶性樹脂としては、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸、またはα−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸の低級アルキルエステルから選ばれる少なくとも一つから誘導される単位を有する樹脂が、膨潤の少ない良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。なお、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸は、カルボキシ基が結合するα位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸と、このα位の炭素原子にヒドロキシアルキル基(好ましくは炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基)が結合しているα−ヒドロキシアルキルアクリル酸の一方または両方を示す。
架橋剤としては、例えば、通常は、メチロール基またはアルコキシメチル基を有するグリコールウリルなどのアミノ系架橋剤を用いると、膨潤の少ない良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。架橋剤の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対し、1〜50質量部であることが好ましい。
該(A)成分は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(A1)(以下、(A1)成分ということがある。)であってもよく、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する低分子化合物(A2)(以下、(A2)成分ということがある。)であってもよく、これらの混合物であってもよい。
(A1)成分としては、通常、化学増幅型レジスト用の基材成分として用いられている樹脂成分(ベース樹脂)を1種単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、(A1)成分としては、アクリル酸エステルから誘導される構成単位を含有するものが好ましい。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。置換基としては、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基等が挙げられる。
なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことを意味する。
アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としての低級アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
また、ハロゲン化低級アルキル基として、具体的には、上記「α位の置換基としての低級アルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
本発明において、アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であることが好ましく、水素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることが最も好ましい。
また、(A1)成分は、構成単位(a1)に加えて、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有することが好ましい。
(A1)成分は、構成単位(a1)に加えて、または構成単位(a1)および(a2)に加えて、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有することが好ましい。
構成単位(a1)における酸解離性溶解抑制基は、解離前は(A1)成分全体をアルカリ現像液に対して難溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、酸により解離してこの(A1)成分全体のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるものであり、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができる。一般的には、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基と環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基;アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性溶解抑制基などが広く知られている。
なお、前記鎖状または環状のアルキル基は置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基」という。
第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基としては、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基が挙げられる。
脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基としては、炭素数4〜8の第3級アルキル基が好ましく、具体的にはtert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘプチル基等が挙げられる。
構成単位(a1)における「脂肪族環式基」は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。「脂肪族環式基」は、多環式基であることが好ましい。
脂肪族環式基としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
R1’,R2’の低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、R1’,R2’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性溶解抑制基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基」と同様のものが例示できる。
R19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
R19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
R19が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的にはフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式においては、R17及びR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であってR19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17とR19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
X1は、酸解離性溶解抑制基であれば特に限定されることはなく、例えば上述した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基、アセタール型酸解離性溶解抑制基などを挙げることができ、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基が好ましい。
X2は、式(a1−0−1)中のX1と同様である。
Y2は、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基、又は2価の脂肪族環式基であり、該脂肪族環式基としては、水素原子が2個以上除かれた基が用いられること以外は前記「脂肪族環式基」の説明と同様のものを用いることができる。
Y2が炭素数1〜10のアルキレン基である場合、炭素数1〜6であることが更に好ましく、炭素数1〜4であることが特に好ましく、炭素数1〜3であることが最も好ましい。
Y2が2価の脂肪族環式基である場合、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンから水素原子が二個以上除かれた基であることが特に好ましい。
R1’、R2’、n、Yとしては、それぞれ、上述の「アセタール型酸解離性溶解抑制基」の説明において挙げた一般式(p1)におけるR1’、R2’、n、Yと同様のものが挙げられる。
Y2としては、上述の一般式(a1−0−2)におけるY2と同様のものが挙げられる。
上記の中でも、一般式(a1−1)で表される構成単位が好ましく、具体的には(a1−1−1)〜(a1−1−6)および(a1−1−35)〜(a1−1−41)なる群から選択される少なくとも1種を用いることがより好ましい。
さらに、構成単位(a1)としては、特に式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−01)で表されるものや、式(a1−1−35)〜(a1−1−41)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−02)も好ましい。
R11の低級アルキル基は、Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基またはエチル基が好ましい。
一般式(a1−1−02)において、Rについては上記と同様である。
R12の低級アルキル基はRにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましく、エチル基が最も好ましい。hは1または2が好ましく、2が最も好ましい。
(A1)成分中、構成単位(a1)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位に対し、10〜80モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましく、25〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
構成単位(a2)は、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
ここで、ラクトン含有環式基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつの目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2)のラクトン環式基は、高分子化合物(A1)をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、水を含有する現像液との親和性を高めたりするうえで有効なものである。
具体的には、ラクトン含有単環式基としては、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
R’の低級アルキル基としては、前記構成単位(a1’)におけるR1の低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
R”が直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の場合は炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的にはフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
A”の炭素数1〜5のアルキレン基として、具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。
一般式(a2−1)〜(a2−5)中、R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)の具体的な構成単位を例示する。
(A1)成分中、構成単位(a2)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対して、5〜60モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましく、20〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
構成単位(a3)は、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
(A1)成分が構成単位(a3)を有することにより、(A1)成分の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、多環式の脂肪族炭化水素基(多環式基)が挙げられる。該多環式基としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該多環式基の炭素数は7〜30であることが好ましい。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから2個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
jは1であることが好ましく、特に水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
式(a3−2)中、kは1であることが好ましい。シアノ基はノルボルニル基の5位または6位に結合していることが好ましい。
式(a3−3)中、t’は1であることが好ましい。lは1であることが好ましい。sは1であることが好ましい。これらはアクリル酸のカルボキシ基の末端に2−ノルボルニル基または3−ノルボルニル基が結合していることが好ましい。フッ素化アルキルアルコールはノルボルニル基の5又は6位に結合していることが好ましい。
(A1)成分中、構成単位(a3)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位に対し、5〜50モル%が好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a3)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(A1)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a1)〜(a3)以外の他の構成単位(a4)を含んでいてもよい。
構成単位(a4)は、上述の構成単位(a1)〜(a3)に分類されない他の構成単位であれば特に限定されるものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
構成単位(a4)としては、例えば酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位などが好ましい。該多環式基は、例えば、前記の構成単位(a1)の場合に例示したものと同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を置換基として有していてもよい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)の構造のものを例示することができる。
また、(A1)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH2−CH2−CH2−C(CF3)2−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF3)2−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
また分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
(A2)成分としては、分子量が500以上2000未満であって、上述の(A1)成分の説明で例示したような酸解離性溶解抑制基と、親水性基とを有する低分子化合物が好ましい。具体的には、複数のフェノール骨格を有する化合物の水酸基の水素原子の一部が上記酸解離性溶解抑制基で置換されたものが挙げられる。
(A2)成分は、たとえば、非化学増幅型のg線やi線レジストにおける増感剤や、耐熱性向上剤として知られている低分子量フェノール化合物の水酸基の水素原子の一部を上記酸解離性溶解抑制基で置換したものが好ましく、そのようなものから任意に用いることができる。
かかる低分子量フェノール化合物としては、たとえば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾールまたはキシレノールなどのフェノール類のホルマリン縮合物の2、3、4核体などが挙げられる。勿論これらに限定されるものではない。
酸解離性溶解抑制基も特に限定されず、上記したものが挙げられる。
本発明のレジスト組成物中、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて調整すればよい。
(B)成分は、前記一般式(b1−1)で表される化合物からなる酸発生剤(B1)(以下、(B1)成分ということがある。)を含む。該(B1)成分は、前記本発明の化合物(B1)と同じである。
(B1)成分は、1種又は2種以上混合して用いることができる。
本発明のレジスト組成物において、(B)成分中の(B1)成分の含有量は、40質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、100質量%でもよい。最も好ましくは75質量%である。該範囲の下限値以上であることにより、本発明のレジスト組成物を用いてレジストパターンを形成した際に、解像性、マスク再現性、焦点深度幅、露光量マージン、ラインワイズラフネス(LWR)等のリソグラフィー特性が向上する。
(B2)成分としては、前記(B1)成分以外であれば特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。
このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
また、R1”〜R3”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R1”〜R3”のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、R1”〜R3”のすべてがアリール基であることが最も好ましい。
R1”〜R3”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
R1”〜R3”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
これらの中で、R1”〜R3”は、それぞれ、フェニル基またはナフチル基であることが最も好ましい。
式(b−1)におけるR1”〜R3”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、残りの1つは、アリール基であることが好ましい。前記アリール基は、前記R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、前記R1”で示したような環式基であって、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また、該フッ素化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中のフッ素原子の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したフッ素化アルキル基(パーフルオロアルキル基)が、酸の強度が強くなるので好ましい。
R4”としては、直鎖状もしくは環状のアルキル基、またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
R5”〜R6”のアリール基としては、R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルキル基としては、R1”〜R3”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R5”〜R6”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR4”としては上記式(b−1)のR4”と同様のものが挙げられる。
また、これらのオニウム塩のアニオン部がメタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネートに置き換えたオニウム塩も用いることができる。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
アルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基中の一個又は複数個の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
R41〜R46に付された符号n1〜n6が2以上の整数である場合、複数のR41〜R46はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
n1は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1であり、さらに好ましくは0である。
n2およびn3は、好ましくはそれぞれ独立して0又は1であり、より好ましくは0である。
n4は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1である。
n5は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
n6は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。
R31の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
R31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
R32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
R33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが特に好ましい。
R34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
R35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため特に好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
R37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
R38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は好ましくは2である。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、WO2004/074242A2(65〜85頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
(B2)成分を配合する場合、(B)成分中の(B2)成分の割合は、(B)成分の総質量に対し、10〜99質量%が好ましく、25〜95質量%がより好ましく、50〜95質量%がさらに好ましい。(B2)成分の割合が上記範囲内であると、(B1)成分とのバランスが良好で、リソグラフィー特性が向上する。
本発明のレジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の成分として、含窒素有機化合物(D)(以下、(D)成分という)を配合させることができる。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良く、なかでも脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNH3の水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)又は環式アミンが挙げられる。
アルキルアミンおよびアルキルアルコールアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミンが挙げられる。これらの中でも、炭素数5〜10のアルキル基が窒素原子に3個結合したトリアルキルアミンが好ましく、トリ−n−ペンチルアミンが最も好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸およびその誘導体としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分としては、有機カルボン酸が好ましく、特にサリチル酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
本発明のレジスト組成物は、材料を有機溶剤(S)(以下、(S)成分ということがある)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;
エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];
ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;
アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
本発明のレジストパターン形成方法は、前記本発明のレジスト組成物を用いて支持体上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含む。
本発明のレジストパターン形成方法は、例えば以下の様にして行うことができる。
すなわち、まず支持体上に、前記本発明のレジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB))を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに例えばArF露光装置などにより、ArFエキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して選択的に露光した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いでこれをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いて現像処理し、好ましくは純水を用いて水リンスを行い、乾燥を行う。また、場合によっては、上記現像処理後にベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
また、支持体としては、上述のような基板上に、無機系および/または有機系の膜が設けられたものであってもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)が挙げられる。
液浸露光では、上述したように、露光時に、従来は空気や窒素等の不活性ガスで満たされているレンズとウェーハ上のレジスト膜との間の部分を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たした状態で露光を行う。
より具体的には、液浸露光は、上記のようにして得られたレジスト膜と露光装置の最下位置のレンズ間を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たし、その状態で、所望のマスクパターンを介して露光(浸漬露光)することによって実施できる。
液浸媒体としては、空気の屈折率よりも大きく、かつ当該浸漬露光によって露光されるレジスト膜の有する屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒が好ましい。かかる溶媒の屈折率としては、前記範囲内であれば特に制限されない。
空気の屈折率よりも大きく、かつレジスト膜の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒としては、例えば、水、フッ素系不活性液体、シリコン系溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
フッ素系不活性液体の具体例としては、C3HCl2F5、C4F9OCH3、C4F9OC2H5、C5H3F7等のフッ素系化合物を主成分とする液体等が挙げられ、沸点が70〜180℃のものが好ましく、80〜160℃のものがより好ましい。フッ素系不活性液体が上記範囲の沸点を有するものであると、露光終了後に、液浸に用いた媒体の除去を、簡便な方法で行えることから好ましい。
フッ素系不活性液体としては、特に、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されたパーフロオロアルキル化合物が好ましい。パーフロオロアルキル化合物としては、具体的には、パーフルオロアルキルエーテル化合物やパーフルオロアルキルアミン化合物を挙げることができる。
さらに、具体的には、前記パーフルオロアルキルエーテル化合物としては、パーフルオロ(2−ブチル−テトラヒドロフラン)(沸点102℃)を挙げることができ、前記パーフルオロアルキルアミン化合物としては、パーフルオロトリブチルアミン(沸点174℃)を挙げることができる。
また、本発明のレジスト組成物によれば、レジストパターンを形成した際のマスク再現性(たとえばマスクリニアリティやマスクエラーファクター、ホールパターンを形成した際の該ホールの真円性)が向上するなど、リソグラフィー特性が良好なレジストパターンが形成できる。その理由は明らかではないが、以下のように推測される。
本発明のレジスト組成物においては、酸発生剤として前記(B1)成分が用いられる。
前記(B1)成分のアニオン部は、「Y1−SO3 −」の骨格に、環骨格上に極性基(−X−、−C(=O)−O−)を含む嵩高い環が「−Q1−O−CO−」を介して結合した構造を有する。そのため、従来アニオンとして用いられてきたフッ素化アルキルスルホン酸イオンに比べて、極性が高く、立体的に嵩高くバルキーな構造となっている。極性が高いことによる分子間の相互作用により、また、そのバルキーな立体構造により、Y1の炭素数が1〜4と比較的小さいにもかかわらず、ノナフルオロブタンスルホネート等の従来の酸発生剤のアニオン部に比べ、レジスト膜内での当該アニオン部の拡散が化学的にも物理的にも抑制されると推測される。そのため、(B1)成分を用いることにより、露光域で発生した酸の未露光域への拡散が抑制され、結果、未露光域と露光域とのアルカリ溶解性の差(溶解コントラスト)が向上し、これによって、ホールの真円性等のレジストパターン形状が向上すると推測される。
また、同様の理由により、露光余裕度(ELマージン)や焦点深度幅(DOF)の向上も期待される。ELマージンとは、露光量を変化させて露光した際に、ターゲット寸法に対するずれが所定の範囲内となる寸法でレジストパターンを形成できる露光量の範囲、すなわちマスクパターンに忠実なレジストパターンが得られる露光量の範囲のことであり、ELマージンは、その値が大きいほど、露光量の変動に伴うパターンサイズの変化量が小さく、プロセスの余裕度が向上するため好ましい。DOFとは、同一の露光量において、焦点を上下にずらして露光した際に、ターゲット寸法に対するずれが所定の範囲内となる寸法でレジストパターンを形成できる焦点深度の範囲、すなわちマスクパターンに忠実なレジストパターンが得られる焦点深度の範囲のことであり、その値が大きいほど好ましい。
また、Y1のアルキレン基またはフッ素化アルキレン基のアルキル鎖は、たとえば炭素数6〜10のパーフルオロアルキル鎖が難分解性であるのに対して分解性が良好で、生体蓄積性を考慮した取り扱いの点でより安全であるという効果も得られる。
[実施例1]
(i)フルオロスルホニル(ジフルオロ)酢酸メチル150g、純水375gに、氷浴中で10℃以下に保ちつつ、30%水酸化ナトリウム水溶液343.6gを滴下した。滴下後、100℃で3時間還流し、冷却後、濃塩酸で中和した。得られた溶液をアセトン8888gに滴下し、析出物を濾過、乾燥することによって、白色固体として化合物(I)184.5g(純度:88.9%、収率:95.5%)を得た。
下記の工程(i’)〜(iii’)で、実施例1で製造したのと同じ化合物(III)を製造した。なお、下記工程(i’)〜(iii’)における反応は、実施例1の(iii)で用いたジクロロエタンをトルエンに変更しているが、実施例1の工程(i)〜(iii)と同様の反応である。
(i’)フルオロスルホニル(ジフルオロ)酢酸メチル192.1g、純水480gに、氷浴中で10℃以下に保ちつつ、30%水酸化ナトリウム水溶液440gを滴下した。滴下後、100℃で3時間還流し、冷却後、10%塩酸で中和した。得られた溶液をアセトン9074gに滴下し、析出物を濾過、乾燥することによって、白色固体として化合物(I)257.6g(純度:80.7%、収率:94.5%)を得た。
実施例1−2の(ii’)で得た化合物(II)5.00g(純度:91.0%)、化合物(II’)3.69g、トルエン25.00gを仕込み、p−トルエンスルホン酸一水和物0.210gを添加し、110℃で26時間還流した。その後、濾過し、残渣にメチルエチルケトン79.50gを添加撹拌した。その後、濾過し、濾過物をメタノール23.86gで2回洗浄し、得られた沈殿物を乾燥することによって、白色固体として化合物(III)3.15g(純度:99.7%、収率:39.5%)を得た。
実施例1−2の(ii’)で得た化合物(II)5.00g(純度:91.0%)、化合物(II’)2.95g、トルエン25.00gを仕込み、p−トルエンスルホン酸一水和物0.210gを添加し、110℃で24時間還流した。その後、濾過し、残渣にメチルエチルケトン63.6gを添加撹拌した。その後、濾過し、濾過物をメタノール19.08gで2回洗浄し、得られた沈殿物を乾燥することによって、白色固体として化合物(III)4.07g(純度:99.8%、収率:63.9%)を得た。
また、実施例1−3と実施例1−4とを比較すると、化合物(II)に対する化合物(II’)の使用量の割合が若干少ない実施例1−4の方が、短時間で収率良く、高純度の化合物(III)を製造できた。
化合物(III)1.36g(純度:43.8%)を純水13.6gに溶解させた。この溶液に、トリフェニルスルホニウムブロミド0.51gをジクロロメタン5.10gに溶解させて添加し、室温にて3時間攪拌した後、有機相を分液して取り出した。さらに有機相を純水18.6gにて水洗いし、有機相を濃縮、乾燥することによって、無色粘性液体として化合物(IV)0.23g(収率:26.8%)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=7.89〜7.77(m,15H,Ha)、5.48(m,1H,Hb)、4.98(s,1H,Hc)、4.73〜4.58(d,2H,Hd)、2.71(m,1H,He)、2.14(m,2H,Hf)。
19F−NMR(DMSO−d6、376 MHz):δ(ppm)=−107.1。
上記の結果から、化合物(IV)が下記に示す構造を有することが確認できた。
以下に示す化合物(V)を下記の手順で製造した。
該化合物(以下、化合物(5−1)という。)について、1H−NMRによる分析を行った。その結果を以下に示す。
1H−NMR(DMSO−d6、600MHz):δ(ppm)=7.61−7.72(m,10H,phenyl),7.14(s,2H,Hc),3.12(s,3H,Hb),2.22(s,6H,Ha)。
上記の結果から、化合物(5−1)が下記に示す構造を有することが確認できた。
該化合物(以下、化合物(5−2)という。)について、1H−NMRによる分析を行った。その結果を以下に示す。
1H−NMR(CDCl3、600MHz):δ(ppm)=7.83−7.86(m,4H,phenyl),7.69−7.78(m,6H,phenyl),7.51(s,2H,Hd),4.46(s,2H,Hc),2.39(s,6H,Ha),2.33(s,2H,Adamantane),2.17(s,2H,Adamantane),1.71−1.976(m,11H,Adamantane),1.68(s,3H,Hb),1.57−1.61(m,2H,Adamantane)。
上記の結果から、化合物(5−2)が下記に示す構造を有することが確認できた。
該化合物(V)について、1H−NMRによる分析を行った。その結果を以下に示す。
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=7.76−7.88(m,10H,Phenyl),7.63(s,2H,Hb),5.51(s,1H,Hd),5.01(s,1H,He),4.62−4.76(m,4H,Hc+Hf),2.75(m,1H,Hh),2.53−1.51(m,19H,Hg+Adamantan)。
19F−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=−106.7。
上記の結果から、該化合物(V)が下記に示す構造を有することが確認できた。
以下に示す化合物(VI)を下記の手順で製造した。
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=7.86〜7.58(m,14H,Ha+Hb)、5.48(m,1H,Hd)、4.98(s,1H,He)、4.73〜4.58(d,2H,Hf)、2.71(m,1H,Hg)、2.43(m,3H,Hc)、2.12(m,2H,Hh)。
19F−NMR(DMSO−d6、376MHz):δ(ppm)=−106.9。
上記の結果から、化合物(VI)が下記に示す構造を有することが確認できた。
以下に示す化合物(VII)を下記の手順で製造した。
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=8.17−8.29(d,4H,Ha)、7.64−7.68(t,2H,Hc)、7.49−7.58(t,4H,Hb)、5.46(t,1H,Hd)、4.97(s,1H,He)、4.57−4.70(d,2H,Hf)、2.70−2.72(m,1H,Hg),2.11−2.16(m,2H,Hh)。
19F−NMR(DMSO−d6、376MHz):δ(ppm)=−107.14,−106.98。
上記の結果から、化合物(7−1)が下記に示す構造を有することが確認できた
1H−NMR(DMSO−d6、400 MHz):δ(ppm)=8.50−8.52(d,2H,Ha)、8.32−8.38(d,2H,Hd)、7.91−7.97(t,2H,Hb)、7.67−7.70(t,2H,Hc)、7.52−7.63(m,5H,phenyl)、5.45−5.47(t,1H,He)、4.97(s,1H,Hf)、4.57−4.71(d,2H,Hg)、2.69−2.72(m,1H,Hh),2.04−2.15(m,2H,Hi)。
19F−NMR(DMSO−d6、376 MHz):δ(ppm)=−107.20,−106.99。
上記の結果から、化合物(VII)が下記に示す構造を有することが確認できた。
以下に示す化合物(VIII)を下記の手順で製造した。
上記で得られた水溶液61.02gに、ジクロロメタン61.02gと、実施例1−4で得た化合物(III)(純度99.8%)4.00g添加し1時間攪拌した。有機溶媒層を純水60gで3回洗浄した後、ヘキサンで晶析することによって白色固体の化合物(VIII)5.44g(収率:75.3%)を得た。
なお、下記化学式中、Meはメチル基を示す。
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=8.49−8.51(d,2H,Ha)、8.31−8.35(d,2H,Hd)、7.90−7.96(t,2H,Hb)、7.72−7.76(t,2H,Hc)、7.31(s,2H,He)、5.45−5.47(t,1H,Hf)、4.97(s,1H,Hg)、4.57−4.72(d,2H,Hh)、3.67(s,3H,Hk),2.71−2.73(m,1H,Hi),2.08−2.21(m,8H,Hj+Hl)。
19F−NMR (DMSO−d6、376 MHz):δ(ppm)=−107.19,−106.98。
上記の結果から、化合物(VIII)が下記に示す構造を有することが確認できた。
反応容器に下記化合物(7−1)34.10g、クロロベンゼン51.00g、ペンタメチレンスルフィド(6.18g)、安息香酸銅(II)0.463gを入れ、100℃にて1時間撹拌した後、反応液を50℃まで冷却し、t−ブチルメチルエーテルを123g滴下した。得られた固体をジクロロメタン164gにて再溶解し、1%NH3水溶液16.5gにて洗浄を行い、さらに純水16.5gにて水洗を4回行った後、t−ブチルメチルエーテル200gへ滴下することによって目的化合物(7−2)を11.5g得た(収率47%)。
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=8.07(d,2H,Ph−H),7.81(d,2H,Ph−H),7.43(d,2H,PTS),7.12(d,2H,PTS),4.10(t,2H,CH2),3.59(d,2H,CH2),2.32(s,3H,CH3),2.20(d,2H,CH2),2.19−1.71(m,4H,CH2),1.23(s,9H,t−Bu)。
上記の結果から、化合物(7−2)が上記に示す構造を有することが確認できた。
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=7.96(d,2H,Ph−H),7.71(d,2H,Ph−H),5.49(t,1H,CH),4.97(s,1H,CH),4.71(d,1H,CH),4.58(s,1H,CH),3.77(m,4H,CH2),2.72(m,1H,CH),2.15(m,4H,CH2),1.97(m,2H,CH2),1.73(m,2H,CH2),1.30(s,9H,t−Bu)。
上記の結果から、化合物(X)が上記に示す構造を有することが確認できた。
表1に示す各成分を混合、溶解してポジ型のレジスト組成物を調製した。
(A)−1:下記化学式(A)−1(式中、l/m/n=45/35/20(モル比))で表されるMw=7000、Mw/Mn=1.8の共重合体。
(A)−2:下記化学式(A)−2(式中、l/m/n=45/35/20(モル比))で表されるMw=5000、Mw/Mn=1.7の共重合体。
(B)−1:上記化合物(IV)。
(B)−2:上記化合物(V)。
(B)−3:上記化合物(VI)。
(B’)−1:4−メチルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート。
(D)−1:トリ−n−ペンチルアミン。
(S)−1:PGMEA/PGME=6/4(質量比)の混合溶剤。
(S)―2:γ−ブチロラクトン。
8インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC29A」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚84nmの有機系反射防止膜を形成した。そして、該反射防止膜上に、上記表1のポジ型レジスト組成物を、スピンナーを用いてそれぞれ塗布し、ホットプレート上で120℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚150nmのレジスト膜を形成した。
次に、前記レジスト膜上に、保護膜形成用塗布液「TSRC−002」(商品名、東京応化工業株式会社製)を、スピンナーを用いて塗布し、90℃で60秒間加熱することにより、膜厚28nmのトップコートを形成した。
次いで、液浸用ArF露光装置NSR−S609B(ニコン社製;NA(開口数)=1.07,2/3輪帯照明,縮小倍率1/4倍、液浸媒体:水)により、ホールパターンのマスクを介して、トップコートが形成された前記レジスト膜に対して、ArFエキシマレーザー(193nm)を選択的に照射した。
保護膜除去液「TS−Rememover−S」(商品名、東京応化工業株式会社製)を用いてトップコートを取り除き、その後、110℃で60秒間のPEB処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%のTMAH水溶液 NMD−3(東京応化工業株式会社製)で60秒間現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。
その結果、いずれの例においても、前記レジスト膜に、ライン幅65nm、ピッチ130nmのラインアンドスペースパターンが形成された。
このとき、ライン幅65nm、ピッチ130nmのラインアンドスペースパターンが形成される最適露光量Eop(mJ/cm2)求めた結果、実施例8が35.6mJ/cm2、実施例9が30.0mJ/cm2、実施例10が36.0mJ/cm2、実施例11が27.0mJ/cm2、比較例1が33.5mJ/cm2であった。
上記Eopにおいて、マスクパターンのLS比(ライン幅とスペース幅との比)を1:1に固定し、マスクサイズ(ライン幅)を65〜120nmの範囲で5nmずつ変化させてそれぞれLSパターンを形成し、形成されたLSパターンのサイズ(ライン幅)を測定した。
その結果、実施例8〜11の方が、よりマスクサイズに忠実なサイズのLSパターンが形成されており、実施例8〜11のレジスト組成物が、比較例1よりもマスク再現性に優れていることが確認された。
表2に示す各成分を混合、溶解してポジ型のレジスト組成物を調製した。
[解像性・感度]
8インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC29A」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚89nmの有機系反射防止膜を形成した。そして、該反射防止膜上に、上記レジスト組成物をそれぞれ、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で110℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚150nmのレジスト膜を形成した。
次に、前記レジスト膜上に、保護膜形成用塗布液「TILC−035」(商品名、東京応化工業株式会社製)を、スピンナーを用いて塗布し、90℃で60秒間加熱することにより、膜厚90nmのトップコートを形成した。
次に、ArF液浸露光装置NSR−S609B(ニコン社製;NA(開口数)=1.07,σ0.97)により、ホールパターンのマスクを介して、トップコートが形成された前記レジスト膜に対して、ArFエキシマレーザー(193nm)を選択的に照射した。その後、105℃で60秒間のPEB処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%のTMAH水溶液 NMD−3(東京応化工業株式会社製)で60秒間現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。
その結果、いずれの例においても、前記レジスト膜に、ホール直径90nmのホールが等間隔(ピッチ180nm)に配置されたコンタクトホールパターン(以下、Dence CHパターンという。)が形成できた。
このとき、前記Dence CHパターンが形成される最適露光量Eop(mJ/cm2)を求めた。その結果を表3に示す。
上記Eopで、焦点を適宜上下にずらして上記[解像性・感度]と同様にしてレジストパターンを形成し、上記のDence CHパターンがターゲット寸法±5%(すなわち85.5〜94.5nm)の寸法変化率の範囲内で形成できる焦点深度幅(DOF、単位:nm)を求めた。その結果を表3に示す。
上記Eopにて、ホールの直径のターゲットサイズを86nm、88nm、90nm、92nm、94nmとするマスクパターンをそれぞれ用い、ピッチ180nmのCHパターンを形成した。このとき、ターゲットサイズ(nm)を横軸に、各マスクパターンを用いてレジスト膜に形成されたホールパターンの口径(nm)を縦軸にプロットしたときの直線の傾きをMEFとして算出した。MEF(直線の傾き)は、その値が1に近いほどマスク再現性が良好であることを意味する。得られた結果を表3に示す。
直径90nmのDence CHパターンがターゲット寸法(ホール直径90nm)の±5%(85.5nm、94.5nm)で形成される際の露光量を求め、次式によりELマージン(単位:%)を求めた。その結果を表5に示す。
ELマージン(%)=(|E1−E2|/Eop)×100
[式中、E1は、ホール直径85.5nmのCHパターンが形成された際の露光量(mJ/cm2)を示し、E2は、ホール直径94.5nmのCHパターンを形成された際の露光量(mJ/cm2)を示す。]
化合物(11−1)6.90gと水28.0gとジクロロメタン68.9gとを室温にて攪拌し、そこへ化合物(III)8.88gを添加した。2時間攪拌後、分液処理にて有機層を回収し、ジクロロメタン200gを加え、1%HClaq48.0gで1回、純水48.0gで水洗浄を4回行った。得られた有機層を濃縮乾固することにより化合物(XI)を6.91g(収率55.3%)得た。
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=7.99(d,2H,Hd)、7.76(t,1H,Hf)、7.62(t,2H,He)、5.46(t,1H,Hj)、5.30(s,2H,Hc)、4.96(s,1H,Hk)、4.71(d,1H,Hi)、4.58(d,1H,Hi)、3.54(m,4H,Hb)、2.72(m,1H,Hh)、2.05−2.28(m,6H,Ha+Hg)。
19F−NMR(DMSO−d6、376MHz):δ(ppm)=−107.1。
上記の結果から、化合物(XI)が下記に示す構造を有することが確認できた。
化合物(12−1)7.56gを純水75.64gに溶解させた後、化合物(III)10.18gとジクロロメタンを37.82g加え、室温で2時間攪拌を行った。その後、分液により有機層を取り出した。その有機層を等質量倍の1%HCl水溶液で3回洗浄し、その後、等質量倍の純水で4回洗浄した後、有機層を濃縮乾固し、さらに真空ポンプで1晩乾燥することで白色固体として化合物(XII)を10.21g(純度:97.6質量%、収率:85.3%)得た。
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=0.87(m,3H,Ha)、1.28(m,2H,Hb)、1.54(m,2H,Hc)、2.11(m,2H,Hd)、2.67−2.78(m,3H,He+Hf)、4.58(t,1H,Hg)、4.71(m,1H,Hg)、5.00(m,1H,Hh)、5.47(m,1H,Hi)、7.72(m,2H,Hk)、7.74−7.85(m,12H,Hl)。
19F−NMR(DMSO−d6、376MHz):δ(ppm)=−106.1〜−107.6(m,2F,Fa)。但し、ヘキサフルオロベンゼンのピークを−160ppmとした。
上記の結果から、化合物(XII)が下記に示す構造を有することが確認できた。
硫酸ジブチル26.5gにチオアニソール5.3gを添加した。100℃で19時間攪拌後、反応溶液を純水53.0g、t−ブチルメチルエーテル37.3gを混ぜた溶液に滴下し、分液した後、t−ブチルメチルエーテル37.3gで2回洗浄した。得られた水層にジクロロメタン399gを加え、分液処理にて有機層を回収し、純水42.8gで3回洗浄した。得られた有機層を濃縮乾固することにより化合物(18−1)を6.7g(収率41.7%)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6,400MHz):δ(ppm)=8.15(d,2H,Ha)、7.85−7.63(m,3H,Hb)、3.89−3.70(m,6H,Hc)、1.52−1.19(m,12H,Hd)、0.89−0.60(m,9H,He)。
上記の結果から、化合物(18−1)が下記に示す構造を有することが確認できた。
1H−NMR(DMSO−d6,400MHz):δ(ppm)=8.12(d,2H,Ha)、7.82−7.63(m,3H,Hb)、5.45(t,1H,Hc)、4.98(t,1H,Hd)、4.69,4.58(m,2H,He)、3.89−3.70(m,4H,Hf)、2.71(q,1H,Hg)、2.12(t,2H,Hh)、1.52−1.19(m,8H,Hi)、0.89−0.60(m,6H,Hj)。
19F−NMR(DMSO−d6,376MHz):δ(ppm)=−106.7,−106.9。
上記の結果から、化合物(XIII)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Claims (11)
- 酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)、および露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)を含有するレジスト組成物であって、
前記酸発生剤成分(B)が、下記一般式(b1−1)で表される化合物からなる酸発生剤(B1)を含むことを特徴とするレジスト組成物。
- 前記基材成分(A)が、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分である請求項1に記載のレジスト組成物。
- 前記基材成分(A)が、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(A1)を含有し、該樹脂成分(A1)が、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有する請求項2に記載のレジスト組成物。
- 前記樹脂成分(A1)が、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有する請求項3に記載のレジスト組成物。
- 前記樹脂成分(A1)が、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有する請求項3または4に記載のレジスト組成物。
- 含窒素有機化合物(D)を含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のレジスト組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のレジスト組成物を用いて支持体上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法。
- 下記一般式(I−3)で表される化合物(I−3)と、下記一般式(I−4)で表される化合物(I−4)とを脱水縮合させることにより下記一般式(I)で表される化合物(I)を得る工程を含む化合物の製造方法。
- 請求項10に記載の化合物からなる酸発生剤。
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