JP2008268744A - ポジ型感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)活性光線又は放射線の照射により、一般式(II)で表される酸を発生する化合物、及び、(B)一般式(I)で表される酸分解性繰り返し単位を含有する酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂、を含有するポジ型感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法。式中、各記号は所定の原子または基を表す。
【選択図】なし
Description
このため、脂環炭化水素構造を有する樹脂を含有するArFエキシマレーザー用レジストが開発されてきている。ArFエキシマレーザー用レジストにおいては、種々の改良が施されてきており、例えば、脂環酸分解性繰り返し単位において、主鎖と酸分解基の間にスペーサー部分を有する繰り返し単位を導入し、種々の特性の改良がなされている(特許文献1〜3)。酸発生剤についても種々の改良がなされ、様々な化合物が検討されている(特許文献4〜6)。
ここで、ラインエッジラフネスとは、レジストの特性に起因して、レジストのラインパターンと基板界面のエッジが、ライン方向と垂直な方向に不規則に変動した形状を呈することをいう。このパターンを真上から観察するとエッジが凸凹(±数nm〜数十nm程度)に見える。この凸凹は、エッチング工程により基板に転写されるため、凸凹が大きいと電気特性不良を引き起こし、歩留まりを低下させることになる。
(A)活性光線又は放射線の照射により、一般式(II)で表される酸を発生する化合物、及び、
(B)一般式(I)で表される酸分解性繰り返し単位を含有する酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂、
を含有するポジ型感光性組成物。
式(II)中、
Rf1、Rf2はそれぞれフッ素原子またはフロロアルキル基を表す。
Rxは脂環炭化水素構造及びラクトン構造の少なくとも1つを含有する基を表す。
Xa1は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはシアノ基を表す。
Ry1〜Ry3は各々独立してアルキル基またはシクロアルキル基を表す。Ry1〜Ry3のうち少なくとも2つが結合して環状炭化水素構造を形成してもよい。
Zは2価の連結基を表す。
(A)成分が、一般式(II)で表される酸のアニオンを有するスルホニウム塩化合物、またはヨードニウム塩化合物である上記<1>に記載のポジ型感光性組成物。
(B)成分が、更に、ラクトン基、水酸基、シアノ基及びアルカリ可溶性基から選ばれる少なくとも1種を有する繰り返し単位を含有する、上記<1>または<2>に記載のポジ型感光性組成物。
上記<1>〜<3>のいずれかに記載のポジ型感光性組成物により、膜を形成し、該膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成法。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明の組成物は、活性光線又は放射線の照射により式(II)で表される酸を発生する化合物(酸発生剤(A)とも呼ぶ)を含有する。
Rf1、Rf2はそれぞれフッ素原子またはフロロアルキル基を表す。
Rxは脂環炭化水素構造及びラクトン構造の少なくとも1つを含有する基を表す。
Rxの脂環炭化水素構造を有する基における脂環炭化水素構造としては、置換していてもよい炭素数5〜20の脂環炭化水素構造が好ましく、より好ましくは炭素数5〜8の単環環状アルキル基、炭素数7〜14の多環環状アルキル基が挙げられる。好ましい単環環状アルキル基としてはシクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。好ましい多環環状アルキル基としてはアダマンチル基、ノルボルナン基、テトラシクロドデカニル基、トリシクロデカニル基、ジアマンチル基が挙げられる。これら脂環炭化水素構造は置換基を有していてもよい。好ましい置換基としては水酸基、ヒドロキシアルキル基、シアノ基、アルキル基、オキソ基が挙げられる。
脂環炭化水素構造は一般式(II)におけるエステル酸素原子と直接結合していてもよいし、連結基を介して結合していてもよい。好ましい連結基としては炭素数1〜8のアルキレン基である。
尚、上記のうち、LC1−3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,14,15,16は脂環炭化水素構造とラクトン構造の両方を有する基である。
R201、R202及びR203は、各々独立に有機基を表す。
Xd-は、前記一般式(II)で表される酸のアニオンを表す。
R204〜R205のアリール基は置換基を有していてもよく、フェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
R204〜R205としてのアルキル基、シクロアルキル基は置換基を有していてもよく、直鎖、分岐のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
R204〜R205の各基がさらに有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基などのアリール基、インドール残基、ピロール残基、などのヘテロアリール基が好ましく、更に好ましくはフェニル基、インドール残基である。アリールスルホニム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖、分岐アルキル基又はシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
R201〜R203のアリール基、アルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、アリール基(例えば炭素数6−から14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖、分岐アルキル基、シクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
アリールスルホニウムカチオンとして好ましくは置換していてもよいトリフェニルスルホニウムカチオン、置換していてもよいナフチルテトラヒドロチオフェニウムカチオン、置換していてもよいフェニルテトラヒドロチオフェニウムカチオンである。
化合物(ZI−2a)は、式(ZIa)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
R201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
R201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、最も好ましくは直鎖又は分岐2−オキソアルキル基である。
2−オキソシクロアルキル基は、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
R6c及びR7cは、水素原子又はアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、アリル基、又はビニル基を表す。
R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
R1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖、分岐アルキル基およびシクロアルキル基、又は直鎖、分岐、環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1cからR5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
Rx及びRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。2種以上を組み合わせて使用する際には、水素原子を除く全原子数が2以上異なる2種の有機酸を発生する化合物を組み合わせることが好ましい。
X-は、非求核性アニオンを表し、好ましくはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF4 -、PF6 -、SbF6 -などが挙げられ、好ましくは炭素原子を含有する有機アニオンである。
好ましい有機アニオンとしては下式AN1〜AN4に示す有機アニオンが挙げられる。
Rc1は有機基を表す。
Rc1における有機基として炭素数1−30のものが好ましく、より好ましくは置換していてもよいアルキル基、アリール基、またはこれらの複数が、単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。Rd1は水素原子、アルキル基を表し、結合しているアルキル基、アリール基と環構造を形成してもよい。
Rc1の有機基としてより好ましくは1位がフッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子またはフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。Rc1において炭素原子を5個以上有する時、少なくとも1つの炭素原子は水素原子で置換されていることが好ましく、水素原子の数がフッ素原子より多いことがより好ましい。炭素数5以上のパーフロロアルキル基を有さないことにより生態への毒性が軽減する。
Axは連結基(好ましくは単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−)を表す。Rd1は水素原子、アルキル基を表し、Rc7と結合して環構造を形成してもよい。
Rc7は水素原子、フッソ原子、置換していてもよい直鎖、分岐アルキル基、単環または多環のシクロアルキル基、置換していてもよいアリール基を表す。置換していてもよいアルキル基、アリール基は置換基としてフッソ原子を含有しないことが好ましい。
Rc3、Rc4、Rc5は各々独立して有機基を表す。Rc3、Rc4、Rc5における有機基として好ましくはRc1における好ましい有機基と同じものを挙げることができる。
Rc3とRc4とが結合して環を形成していてもよい。
Rc3とRc4とが結合して形成される基としてはアルキレン基、アリーレン基が挙げられる。好ましくは炭素数2〜4のパーフロロアルキレン基である。Rc3とRc4が結合して環を形成することにより光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上し、好ましい。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。
R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
R201、R202及びR203としての有機基の具体例としては、後述する化合物(ZI−1)、(ZI−2)、(ZI−3)における対応する基を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基などのアリール基、インドール残基、ピロール残基、などのヘテロアリール基が好ましく、更に好ましくはフェニル基、インドール残基である。アリールスルホニム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基およびシクロアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖、分岐アルキル基又はシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
R201〜R203のアリール基、アルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、アリール基(例えば炭素数6−から14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖、分岐アルキル基又はシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
化合物(ZI−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
R201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
ンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくは2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基を挙げることができる。シクロアルキル基として、より好ましくは、2−オキソシクロアルキル基を挙げることができる。
2−オキソシクロアルキル基は、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
R6c及びR7cは、水素原子又はアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、アリル基、又はビニル基を表す。
R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
R1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖、分岐のアルキル基、シクロアルキル基、又は直鎖、分岐、環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1cからR5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
2−オキソアルキル基は、R1c〜R5cとしてのアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
Rx及びRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
R204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
R204〜R207としてのアルキル基、シクロアルキル基は、直鎖、分岐のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
R204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
X-は、非求核性アニオンを表し、一般式(I)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
R206は、アルキル基又はアリール基を表す。
R207及びR208はアルキル基、アリール基又は電子吸引性基を表す。
R207として好ましくは置換若しくは未置換のアリール基である。
R208として好ましくは電子吸引性基であり、より好ましくはシアノ基、フロロアルキル基である。
Aは、置換若しくは未置換のアルキレン基、置換若しくは未置換のアルケニレン基又は置換若しくは未置換のアリーレン基を表す。
更に、併用しうる酸発生剤は活性光線又は放射線の照射により、下記一般式AC1〜AC3で表される酸を発生する化合物であることが好ましい。
本発明のポジ型感光性組成物に用いられる(B)酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂(以下、「樹脂(B)」「(B)成分」ともいう)は、一般式(I)で表される酸分解性繰り返し単位を含有する。
式(I)中、
Xa1は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはシアノ基を表す。
Ry1〜Ry3は各々独立してアルキル基またはシクロアルキル基を表す。Ry1〜Ry3のうち少なくとも2つが結合して環状炭化水素構造を形成してもよい。
Zは2価の連結基を表す。
Xa1におけるアルキル基は水酸基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。Xa1は好ましくは水素原子、メチル基である。
Ry1〜Ry3のアルキル基としては、直鎖でも分岐型でもよく、好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは1〜4のものであり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基が挙げられ、より好ましくはメチル基、エチル基である。シクロアルキル基としては、好ましくは炭素数3〜8の単環環状アルキル基、炭素数7〜14の多環環状アルキル基が挙げられる。好ましい単環環状アルキル基としてはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピル基が挙げられる。好ましい多環環状アルキル基としてはアダマンチル基、ノルボルナン基、テトラシクロドデカニル基、トリシクロデカニル基、ジアマンチル基が挙げられる。
Ry1〜Ry3ののうち少なくとも2つが結合して形成する単環環状炭化水素構造としてはシクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。Ry1〜Ry3のうち少なくとも2つが結合して形成する多環環状炭化水素構造としてはアダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデカニル基が好ましい。
炭素数1〜4の鎖状アルキレン基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられ、直鎖状でも分岐していてもよい。好ましくはメチレン基である。
炭素数5〜20の環状アルキレン基としてはシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基などの単環の環状アルキレン基、ノルボルニレン基、アダマンチレン基などの多環環状アルキレン基が挙げられる。好ましくはアダマンチレン基である。
ここで、酸分解性繰り返し単位とは、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基(以下、「酸分解性基」ともいう)を有する繰り返し単位である。
アルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基を有する基等が挙げられる。
好ましいアルカリ可溶性基としては、カルボン酸基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホン酸基が挙げられる。
酸で分解し得る基(酸分解性基)として好ましい基は、これらのアルカリ可溶性基の水素原子を酸で脱離する基で置換した基である。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
R01〜R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
酸分解性基としては好ましくは、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、第3級のアルキルエステル基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基である。 一般式(I)で表される酸分解性繰り返し単位以外の酸分解性繰り返し単位としては式(II)で表される繰り返し単位が好ましい。
Rx1〜Rx3は、各々独立して、アルキル基またはシクロアルキル基を表す。Rx1〜Rx3の少なくとも2つが結合してシクロアルキル基を形成してもよい。
Rx1〜Rx3のアルキル基は直鎖でも分岐型でもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
Rx1〜Rx3のシクロアルキル基としては、単環でも多環でもよく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環環状アルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環環状アルキル基が好ましい。
Rx1〜Rx3の少なくとも2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、単環でも多環でもよく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環環状アルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環環状アルキル基が好ましい。
Rx1がメチル基またはエチル基であり、Rx2とRx3が結合して上述の単環または多環環状アルキル基を結合している様態が好ましい。
(式中、Rxは水素原子、CH3、CF3またはCH2OHを表す。Rxa,Rxbはそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
一般式(I)の酸分解繰り返し単位と他の酸分解繰り返し単位(好ましくは一般式(II)の繰り返し単位)を併用する場合、一般式(I)の酸分解繰り返し単位と他の酸分解繰り返し単位の比率はモル比で90:10〜10:90、より好ましくは80:20〜20:80である。
(B)成分はラクトン基を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。
ラクトン基としては、ラクトン構造を含有していればいずれの基でも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造を含有する基であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。下記一般式(LC1−1)〜(LC1−16)のいずれかで表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。また、ラクトン構造を有する基が主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造としては(LC1−1)(LC1−4)(LC1−5)(LC1−6)(LC1−13)(LC1−14)であり、特定のラクトン構造を用いることでラインエッジラフネス、現像欠陥が良好になる。
ラクトン構造を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、15〜60mol%が好ましく、より好ましくは20〜50mol%、更に好ましくは30〜50mol%である。
ラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
(式中、Rxは水素原子、CH3、CF3またはCH2OHを表す。)
(B)成分は水酸基またはシアノ基を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。これにより基板密着性、現像液親和性が向上する。水酸基またはシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位であることが好ましい。水酸基またはシアノ基で置換された脂環炭化水素構造の脂環炭化水素構造としてはアダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルナン基が好ましい。好ましい水酸基またはシアノ基で置換された脂環炭化水素構造としては(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造が好ましい。
R1cは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基、ヒドロキメチル基を表す。
R2c〜R4cは、(VIIa)〜(VIId)におけるものと同義である。
水酸基またはシアノ基を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、5〜40mol%が好ましく、より好ましくは5〜30mol%、更に好ましくは10〜25mol%である。
本発明の樹脂は、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。アルカリ可溶性基としてはカルボキシル基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、ビスルスルホニルイミド基、α位が電子吸引性基で置換された脂肪族アルコールが挙げられ、カルボキシル基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を含有することによりコンタクトホール用途での解像性が増す。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、さらにはアルカリ可溶性基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましく、連結基は単環または多環の環状炭化水素構造を有していてもよい。最も好ましくはアクリル酸、メタクリル酸である。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜20mol%が好ましく、より好ましくは3〜15mol%、更に好ましくは5〜10mol%である。
本発明の樹脂は、上記の繰り返し構造単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにレジストの一般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し構造単位を含有することができる。
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性、
等の微調整が可能となる。
本発明に用いる脂環炭化水素系酸分解性樹脂として好ましくは、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート繰り返し単位で構成されたものである。この場合、繰り返し単位のすべてがメタクリレート、繰り返し単位のすべてがアクリレート、メタクリレート/アクリレート混合のいずれのものでも用いることができるが、アクリレート繰り返し単位が全繰り返し単位の50mol%以下であることが好ましい。より好ましくは酸分解性基を有する(メタ)アクリレート繰り返し単位20〜50%、ラクトン構造を含有する(メタ)アクリレート繰り返し単位20〜50%、極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する(メタ)アクリレート繰り返し単位5〜30%、更に他の繰り返し単位を0〜20%含む共重合ポリマーである。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
本発明に係る樹脂の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、更に好ましくは3,000〜20,000、最も好ましくは5,000〜15,000である。重量平均分子量を、1,000〜200,000とすることにより、耐熱性やドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、且つ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化することを防ぐことができる。 分子量分布は通常1〜3であり、好ましくは1〜2、更に好ましくは1.4〜1.7の範囲のものが使用される。分子量分布の小さいものほど、解像度、レジスト形状が優れ、且つレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
また、本発明において、樹脂は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
本発明の方法で製造された樹脂をKrFエキシマレーザー光、電子線、X線、波長50nm以下の高エネルギー光線(EUVなど)を照射するポジ型感光性組成物に使用する場合には、樹脂は一般式(I)の繰り返し単位と更にヒドロキシスチレン構造を有する繰り返し単位を有することが好ましい。ヒドロキシスチレン構造を有する繰り返し単位としてはo−,m−,p−ヒドロキシスチレン及び/又は酸分解基で保護されたヒドロキシスチレンが挙げられる。
酸分解基で保護されたヒドロキシスチレン繰り返し単位としては、1−アルコキシエトキシスチレン、t−ブチルカルボニルオキシスチレンが好ましい。一般式(I)で表される繰り返し単位、ヒドロキシスチレン構造を有する繰り返し単位に加えて、一般式(II)で表される酸分解性繰り返し単位を更に有していても良い。
本発明に使用されるヒドロキシスチレン繰り返し単位及び一般式(I)で表される酸分解基を有する繰り返し単位を含有する樹脂の具体例を示す。式中、Xa1は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはシアノ基を表す。
溶解制御化合物としては、カルボキシル基、スルホニルイミド基、α位がフロロアルキル基で置換された水酸基などのようなアルカリ可溶性基を有する化合物、水酸基やラクトン基、シアノ基、アミド基、ピロリドン基、スルホンアミド基、などの親水性基を有する化合物、または酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基または親水性基を放出する基を含有する化合物が好ましい。酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基または親水性基を放出する基としてはカルボキシル基あるいは水酸基を酸分解性基で保護した基が好ましい。溶解制御化合物としては220nm以下の透過性を低下させないため、芳香環を含有しない化合物を用いるか、芳香環を有する化合物を組成物の固形分に対し20wt%以下の添加量で用いることが好ましい。
好ましい溶解制御化合物としてはアダマンタン(ジ)カルボン酸、ノルボルナンカルボン酸、コール酸などの脂環炭化水素構造を有するカルボン酸化合物、またはそのカルボン酸を酸分解性基で保護した化合物、糖類などのポリオール、またはその水酸基を酸分解性基で保護した化合物
が好ましい。
本発明のポジ型感光性組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減あるいは、露光によって発生した酸の膜中拡散性を制御するために、(D)塩基性化合物を含有することが好ましい。
好ましい含窒素塩基性化合物構造として、下記式(A)〜(E)で示される部分構造を有する化合物を挙げることができる。
また、これらはアルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでも良い。
本発明のポジ型感光性組成物は、更に、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
本発明のポジ型感光性組成物からなるレジスト膜を、液浸水を介して露光する場合には、必要に応じてさらに表面疎水化樹脂を添加することができる。これにより、レジスト膜表面の後退接触角を向上させ、液浸水追随性をよくすることができる。表面疎水化樹脂としては、表面の後退接触角が添加することにより向上する樹脂であれば何でもよいが、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する樹脂であることが好ましい。添加量は、レジスト膜の後退接触角が60°〜80°になるよう適宜調整して使用できるが、好ましくは0.1〜5質量%である。
本発明の感光性組成物は、上記の成分を所定の溶剤に溶解して用いる。
(S1)水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有しない溶剤とを少なくとも含有する混合溶剤(好ましい混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40。水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。)
(S2)エステル構造を有する溶剤とケトン構造を有する溶剤とを少なくとも含有する混合溶剤(好ましい混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは40/60〜80/20である。エステル構造を有する溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。)
(S3)エステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤とを少なくとも含有する混合溶剤(好ましい混合比(質量)は、70/30〜99/1、好ましくは80/20〜99/1、更に好ましくは90/10〜99/1である。エステル構造を有する溶剤を70質量%以上含有する混合溶剤が経時安定性の点で特に好ましい。)
(S4)エステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤と水酸基を有する溶剤とを少なくとも含有する混合溶剤(好ましい混合比はエステル構造を有する溶剤を30〜80重量%、ラクトン構造を有する溶剤を1〜20重量%、水酸基を含有する溶剤を10〜60重量%含有することが好ましい。)
(S5)エステル構造を有する溶剤とカーボネート構造を有する溶剤と水酸基を有する溶剤とを少なくとも含有する混合溶剤(好ましい混合比はエステル構造を有する溶剤を30〜80重量%、カーボネート構造を有する溶剤を1〜20重量%、水酸基を含有する溶剤を10〜60重量%含有することが好ましい。)
(S6)エステル構造を有する溶剤とケトン構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤とを少なくとも含有する混合溶剤(好ましい混合比はエステル構造を有する溶剤を30〜80重量%、ケトン構造を有する溶剤を10〜60重量%、ラクトン構造を含有する溶剤を1〜20重量%含有することが好ましい。)
これによりレジスト液保存時のパーティクル発生を軽減でき、また、塗布時の欠陥の発生を抑制することができる。
エステル構造を有する溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、酢酸ブチルなどが挙げられ、好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
ラクトン構造を有する溶剤としてはγ−ブチロラクトンが挙げられる。
カーボネート構造を有する溶剤としてはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネートが挙げられ、好ましくはプロピレンカーボネートである。
本発明のポジ型感光性組成物には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、上記以外の界面活性剤、光増感剤を含有させることができる。
本発明のポジ型感光性組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターは0.1ミクロン以下、より好ましくは0.05ミクロン以下、更に好ましくは0.03ミクロン以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
露光量は適宜設定できるが、通常1〜100mJ/cm2である。露光後、好ましくはスピンまたは/かつベークを行い、現像、リンスを行い、パターンを得る。
活性光線又は放射線の照射時に感光性膜とレンズの間に空気よりも屈折率の高い液体(液浸媒体)を満たして露光(液浸露光)を行ってもよい。これにより解像性を高めることができる。用いる液浸媒体としては空気よりも屈折率の高い液体であればいずれのものでも用いることができるが好ましくは純水である。
また、液浸露光を行なう際に液浸媒体と感光性膜が直接触れ合わないようにするために感光性膜の上にさらにオーバーコート層を設けても良い。これにより感光性膜から液浸媒体への組成物の溶出が抑えられ、現像欠陥が低減する。
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
さらに、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜14.0である。
(a) 被加工基板上に有機材料からなる下層レジスト層を形成する。
(b) 下層レジスト層上に中間層及び放射線照射で架橋もしくは分解する有機材料からなる上層レジスト層を順次積層する。
(c) 該上層レジスト層に所定のパターンを形成後、中間層、下層及び基板を順次エッチングする。
中間層としては、一般にオルガノポリシロキサン(シリコーン樹脂)あるいはSiO2塗布液(SOG)が用いられる。下層レジストとしては、適当な有機高分子膜が用いられるが、各種公知のフォトレジストを使用してもよい。たとえば、フジフイルムアーチ社製FHシリーズ、FHiシリーズ或いは住友化学社製PFIシリーズの各シリーズを例示することができる。
下層レジスト層の膜厚は、0.1〜4.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜2.0μmであり、特に好ましくは0.25〜1.5μmである。0.1μm以上とすることは、反射防止や耐ドライエッチング性の観点で好ましく、4.0μm以下とすることはアスペクト比や、形成した微細パターンのパターン倒れの観点で好ましい。
窒素気流下シクロヘキサノン8.8gを3つ口フラスコに入れこれを80℃に加熱した。これにγブチロラクトンメタクリレート8.5g、3−ヒドロキシアダマンチル−1−メタクリレート4.7g、2−メチル−2−アダマンチルオキシカルボニルメチルメタクリレート8.8g、開始剤V−60(和光純薬製)をモノマーに対し13mol%をシクロヘキサノン79gに溶解させた溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で2時間反応させた。反応液を放冷後メタノール900m/水100mlの混合液に20分かけて滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥すると樹脂(RA−1)が18g得られた。得られた樹脂の重量平均分子量は標準ポリスチレン換算で6200、分散度(Mw/Mn)は1.63であった。
他の樹脂についても同様の手法を用いて合成した。重量平均分子量は開始剤の量を変更することで調整した。
特開2006−257078、特開2006−306856、US2007/27336記載の方法に従い化合物(A1)〜(A5)を合成した。
下記表に示す成分を溶剤に溶解させ固形分濃度8質量%の溶液を調製し、これを0.03ミクロンのポリエチレンフィルターでろ過してポジ型レジスト溶液を調製した。調製したポジ型レジスト溶液を下記の方法で評価し、結果も表に示した。
スピンコーターにてヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上にブリューワーサイエンス社製反射防止膜DUV−42を600オングストローム均一に塗布し、100℃で90秒間ホットプレート上で乾燥した後、190℃で240秒間加熱乾燥を行った。その後、各ポジ型レジスト溶液をスピンコーターで塗布し120℃で60秒乾燥を行い160nmのレジスト膜を形成させた。
このレジスト膜に対し、マスクを通してArFエキシマレーザーステッパー(ASML社製 NA=0.75、2/3輪帯)で露光し、露光後直ぐに120℃で60秒間ホットプレート上で加熱した。さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、ラインパターンを得た。
85nmラインアンドスペースのマスクパターンを再現する露光量を最適露光量とし、最適露光量からさらに露光量を増大させて形成されるラインパターンの線幅を細らせた際に、パターンが倒れずに解像する線幅をもって定義した。値が小さいほど、より微細なパターンが倒れずに解像することを表し、パターン倒れが発生しにくいことを示す。
ラインエッジエッジラフネスの測定は測長走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して85nmの孤立パターンを観察し、ラインパターンの長手方向のエッジが2μmの範囲についてエッジのあるべき基準線からの距離を測長SEM((株)日立製作所S−8840)により10ポイント測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
85nmの孤立パターンを観察し、矩形なものを○、ややテーパー形状のものを△、膜減りが発生しているものを×とした。
表1の各実施例および比較例の成分に加え下記表面疎水化樹脂(Polymer―A)を0.2g添加し、溶剤に溶解させ固形分濃度5質量%の溶液を調製し、これを0.03μmのポリエチレンフィルターで濾過してポジ型レジスト溶液を調製した。調製したポジ型レジスト溶液を下記の方法で評価した。
組成物を条件1と同様に処理した基板上にスピンコーターで塗布し120℃で60秒乾燥を行い160nmのレジスト膜を形成させた際のレジスト膜の純水の後退接触角は65〜75°であった。調整したポジ型レジスト溶液を上記の方法で評価した。
TPSA:トリフェニルスルホニウムアセテート
DIA:2,6−ジイソプロピルアニリン
TEA:トリエタノールアミン
DBA:N,N−ジブチルアニリン
PBI:2−フェニルベンズイミダゾール
TMEA:トリス(メトキシエトキシエチル)アミン
PEA:N−フェニルジエタノールアミン
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)(シリコン系)
W‐4:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
S1:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
S4:γ−ブチロラクトン
S5:プロピレングリコールメチルエーテル
S6:乳酸エチル
Claims (4)
- (A)活性光線又は放射線の照射により、一般式(II)で表される酸を発生する化合物、及び、
(B)一般式(I)で表される酸分解性繰り返し単位を含有する酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂、
を含有するポジ型感光性組成物。
Rf1、Rf2はそれぞれフッ素原子またはフロロアルキル基を表す。
Rxは脂環炭化水素構造及びラクトン構造の少なくとも1つを含有する基を表す。
Xa1は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはシアノ基を表す。
Ry1〜Ry3は各々独立してアルキル基またはシクロアルキル基を表す。Ry1〜Ry3のうち少なくとも2つが結合して環状炭化水素構造を形成してもよい。
Zは2価の連結基を表す。 - (A)成分が、一般式(II)で表される酸のアニオンを有するスルホニウム塩化合物、またはヨードニウム塩化合物である請求項1に記載のポジ型感光性組成物。
- (B)成分が、更に、ラクトン基、水酸基、シアノ基及びアルカリ可溶性基から選ばれる少なくとも1種を有する繰り返し単位を含有する、請求項1または2に記載のポジ型感光性組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポジ型感光性組成物により、膜を形成し、該膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成法。
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