JP2009185372A - ターゲットプレートおよびスパッタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 処理基板の成膜する側の面とターゲットプレートとを、平行に対向させ、マグネトロンスパッタ方式でスパッタを行うスパッタ装置で、ノジュールの発生をできるだけ抑え、且つ、処理基板の大型化に対応できるスパッタ装置を提供する。そして、そのようなスパッタ装置用のターゲットプレートを提供する。
【解決手段】 バッキングプレートの一面に沿い配され、且つ、長手方向の中央と、長手方向の両端側において、それぞれ、長手方向に直交する方向に、0.2mm〜0.4mmの範囲で隙間をあけて分割されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、処理基板の成膜する側の面とターゲットプレートとを、平行に対向させ、マグネトロンスパッタ方式でITO(ITO;Indium Tin Oxide、錫をドープしたインジウム酸化物)膜を成膜するスパッタを行うスパッタ装置に用いられるターゲットプレートに関する。
近年、情報化社会への進展が著しく、ディスプレイ装置の使用も多様化し、種々のディスプレイ装置が開発、実用化されている。
特に、液晶表示装置は、CRT(Cathode−Ray Tube、ブラウン管) に代わり、広く普及されるようになってきた。
液晶表示装置用のカラー表示用の液晶パネルは、簡単には、バックライトからの光が各色の着色層を通過して表示されるが、各色の着色層を通過する光は、画素毎に液晶をスイッチング素子としてオン−オフ制御されている。
そして、この画素毎に液晶をスイッチング素子としてオン−オフ制御するための制御用電極の材質としては、従来から、透明導電性のITO膜(錫をドープしたインジウム酸化物の膜)が用いられている。
ITO膜の成膜方法としては、ITO焼結体をターゲットとし、所定のスパッタリング条件の下で基板上にITOをスパッタリングすることにより、所望のITO膜を形成する方法が、特開平6−24826号公報(特許文献1)、特開平6−247765号公報(特許文献2)等にて知られている。
特開平6−24826号公報 特開平6−247765号公報
生産性向上の面、低コスト化の面等から、面付け生産が行われているが、これに用いられる透明なガラス基板の大型化の要求は強く、最近では、G6世代(1800mm×1500mmサイズ)サイズの大サイズのガラス基板での量産化が現実のものとなってきている。
そして、生産性の面から、このような、大サイズのガラス基板を用いた処理基板へのITO膜の成膜をインラインで行う、図4(a)にその概略構成配置図を示すような、インラインITOスパッタ成膜装置も提案されている。
ここに示すスパッタ装置においては、図4(b)に示すように、大サイズのガラス基板をベース基板とする処理基板463を、キャリア460に搭載して鉛直方向492に立てた状態で、インラインで、搬送しながらスパッタ処理を行い、処理基板463の一面側に電極用のITO膜をスパッタ成膜する。
簡単には、処理基板463は、ローディングチャンバー411に投入され、ヒーティングチャンバー(予備チャンバーとも言う)412を経て、第1のスパッタチャンバー413に投入され、搬送されながらスパッタ処理され、回転処理部420に搬入され、ここで、回転部によりキャリアごと180度回転され、向きを変え、第2のスパッタチャンバー433に投入され、搬送されながらスパッタ処理される。
そして、スパッタ後、トランスファーチャンバー(予備チャンバーとも言う)432、アンローディングチャンバー431を経て搬出される。
ここでは、図4(b)に示すように、処理基板463を保持するための枠部461を有する基板ホルダー部460Aに処理基板463を載せた状態で、搬送用のキャリア460に搭載し、基板ホルダー460Aとキャリア460とを一体として移動させることにより、処理基板463を立てた状態で搬送する。
基板ホルダー部460Aは、枠部461に、順に、処理基板463、裏板461を嵌め込み、処理基板463を保持するものであり、処理基板463は、鉛直方向492に沿うように立てた状態でキャリア460の基板ホルダー部460Aにはめ込まれている。
そして、図4(a)に示すように、処理基板463は、基板ホルダー部460Aごとキャリア460に搭載されて、水平方向491に搬送され、鉛直方向492に沿うように立てた状態で、ターゲット471と平行にして対向させてスパッタが行われる。
尚、図4(a)中、点線矢印は、キャリア460の搬送方向を示している。
図示していないが、ここでのスパッタ方式は、ターゲット471の裏面側(処理基板463側とは反対の側)に、外側磁極と内側磁極の間で磁場が閉じるように設計し、発生したプラズマをターゲット471近傍のみに存在するようにしているマグネトロンスパッタ方式のものである。
大サイズの処理基板として、例えば、大サイズの透明なガラス基板の一面側に各色の着色層をカラーフィルタ(以下、CFとも言う)として形成したカラーフィルタ形成基板を処理基板が挙げられ、この処理基板のCF形成面側に、電極用のITO膜を成膜する。
図4(b)に示すキャリア460には、図示していない駆動用モーター(キャリア側のものではない)からの駆動力を歯車468Aとの噛み合わせで伝える溝を切った溝形成部468がその下部に設けられており、更に、歯車468Aによる磨耗を極力抑えるために、キャリア460の溝形成部468の進行方向両側、下側に平坦部を有する搬送支持レール466、467が、キャリアの荷重を支えるために設けられており、本体側にある前記の歯車468Aとは異なるボビンのような回転体469にキャリア側の搬送支持レール466、468の平坦部が乗っかるようになっている。
キャリア460は、その下側に設けられた搬送支持レール466、467に保持されながら、溝形成部468にて駆動用モーターからの駆動力を歯車468Aの噛み合わせで受けて、搬送される。
G6世代では、スパッタ処理する処理基板463と基板ホルダー部460A、キャリア460を併せた重量は100kg程度となるため、どうしても磨耗が発生するためこのように、できるだけ、前記溝形成部200と歯車との嵌合を少なくしている。
尚、キャリア460、基板ホルダー部460Aの枠部461の材質としては重量の面、剛性の面から、Tiが好ましく用いられる。
スパッタリングは、Arガス雰囲気中、10-5torr〜10-2torr圧下で、プレート状にされた、成膜する膜組成のITOをターゲットとして用いて行う。
この場合、CFを形成する着色層の耐熱性(CFからの脱ガス)の面から、低温で成膜を行うことが求められている。
尚、このような、マグネトロンスパッタ方式で、低温スパッタには、例えば、In2 3 、90w%+SnO2 、10w%組成の焼結したターゲット材を、厚さ8mm〜15mmとして用いる。
また、ITO焼結体はセラミクスであり、大きな焼結体を歩留まり良く製造することは困難であり、また歩留まりが低いことから高価なものとなっているため、複数枚の小さな焼結体を1枚のバッキングプレート上に配置して、大型のターゲットプレートとする方法が採用されている。
例えば、ターゲットとしては、Cuプレートをバッキング材として、インジウム半田を接着層とし、つなぎ目は斜めにして、多数枚の焼結ターゲット材をつなぎ合わせている。
このような、処理基板にITO膜を成膜するスパッタ装置においては、ターゲットプレートとスパッタ処理するガラス基板をベースとする処理基板とを、平行ないしほぼ平行に立てた状態で対向させてスパッタを行っているが、上記該ターゲットプレートから飛散したものが、ターゲットプレートを保持しているバッキングプレートに付着することを防止するため、通常、ターゲットプレートの外周に沿いステンレスからなる防着材を設ける形態が採られている。
バッキングプレートに該付着物が付着すると冷却しているために、他の部分よりも剥がれが顕著になるため、防着材によりこの剥れを防止するものである。
しかし、このように、防着材を設けた形態としても、ターゲットプレートの非エロージョン部分に、該ターゲットプレートから飛散したものが付着し、厚くなり、付着したものが剥れて、処理基板への異物付着となり、これが原因で処理基板に成膜におけるキズ(打痕キズとも言う)や異物欠陥やPH等の欠陥を発生させるという問題があった。
ターゲットプレートから飛散したものが付着したものを一般にはノジュールと言うが、これが原因で異常放電を引き起こし、成膜におけるキズ(打痕キズとも言う)の一因となっている。
上記のように、近年、情報化社会への進展が著しく、ディスプレイ装置の使用も多様化し、特に、液晶表示装置が広く普及されるようになり、その生産性向上の面、低コスト化の面から、面付け生産が行われているが、これに用いられるガラス基板をベースとする処理の大型化の要求は強く、最近では、G6世代(1800mm×1500mmサイズ)の大サイズの透明なガラス基板での量産化が現実のものとなってきている。
このような中、図4(a)に示すようなスパッタ装置においては、ターゲットプレート471と処理基板463とを立てた状態で対向させて、搬送しながらスパッタ処理を行っているが、ノジュールの発生をなくし、処理基板の大型化に対応できるものがなく、その対応が求められていた。
本発明はこれに対応するもので、処理基板の成膜する側の面とターゲットプレートとを、平行に対向させ、マグネトロンスパッタ方式でスパッタを行うスパッタ装置で、ノジュールの発生をできるだけ抑え、且つ、処理基板の大型化に対応できるスパッタ装置を提供しようとするものであり、そのようなスパッタ装置用のターゲットプレートを提供しようとするものである。
本発明のターゲットプレートは、処理基板の成膜する側の面とターゲットプレートとを対向させ、マグネトロンスパッタ方式でITO膜を成膜するスパッタを行うスパッタ装置に用いられるターゲットプレートであって、バッキングプレートの一面に沿い配され、且つ、長手方向の中央と、長手方向の両端側において、それぞれ、長手方向に直交する方向に、0.2mm〜0.4mmの範囲で隙間をあけて、4分割されていることを特徴とするものである。
そして、上記のターゲットプレートであって、前記スパッタ装置は、前記処理基板をキャリアに搭載して、搬送しながらスパッタ処理を行い、該処理基板の一面側にITO膜をスパッタ成膜するものであることを特徴とするものである。
そしてまた、上記いずれかのターゲットプレートであって、前記ターゲットの表面粗さRaは、0.9〜1.1μmの範囲であることを特徴とするものである。
尚、ここで言う、長手方向の両端側とは、ターゲットプレートの中央に比べて、ノジュール発生の影響が極めて品質面で小さい、ターゲットプレートの両端から近い位置を意味する。
本発明のスパッタ装置は、処理基板の成膜する側の面とターゲットプレートとを対向させ、マグネトロンスパッタ方式でITO膜(錫をドープしたインジウム酸化物膜)を成膜するスパッタを行うスパッタ装置であって、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のターゲットプレートを用いていることを特徴とするものである。
(作用)
本発明のターゲットプレートは、このような構成にすることにより、処理基板の成膜する側の面とターゲットプレートとを、平行に対向させ、マグネトロンスパッタ方式でスパッタを行うスパッタ装置で、ノジュールの発生をできるだけ抑え、且つ、処理基板の大型化に対応できるスパッタ装置の提供を可能としている。
具体的には、バッキングプレートの一面に沿い配され、且つ、長手方向の中央と、長手方向の両端側において、それぞれ、長手方向に直交する方向に、0.2mm〜0.4mmの範囲で隙間をあけて、4分割されていることにより、これを達成している。
詳しくは、ターゲットプレートの分割の隙間部においては、その断面コーナー部は、突起状態と言え、スパッタによる放電が発生し易く、このため、ターゲットプレートから飛散したものが付着したものであるノジュールが発生し易く、これにより、更に放電が起こり易く、放電による打痕キズの発生が、ターゲットプレートの分割の隙間部近傍にみられるが、ターゲットプレートの長手方向の中央での分割を1としていることにより、処理基板の膜生成品品質に大きく影響する領域である、ターゲットプレートの、中央部を含む領域でのノジュールの発生を極力抑えることを可能としている。
本願発明者は、スパッタ装置において成膜を行うと、ターゲット表面上にノジュールが分割された部分に多く生成されてしまうことを見出し成したもので、特に、ターゲットの分割数を減らし、ノジュール多発箇所を削減する際に、処理基板の領域を考慮して品質面で有効的にその削減を行うものである。
これにより、処理基板の高い品質が要求される中央部での打痕キズについて、その発生を実用レベルで抑制し、品質を高いものとできる。
そして、ターゲットプレートの長手方向の両端側において、それぞれ、長手方向に直交する方向に、所定の隙間をあけて分割されていることにより、処理基板の長さに対応したターゲット長さをとることを可能としている。
このように、ターゲットプレートの中央での分割数を減らし1とすることにより、中央でのノジュール多発箇所を削減しており、製品の膜質が向上し、結果的には、ターゲットライフも増加し、ターゲット交換のためのメンテナンス周期が伸び、運転率が向上し、同時に、メンテナンス時のノジュール除去の負担が軽減される。
また、ターゲットプレートの分割の隙間は、0.2mm〜0.4mmの範囲であることにより、熱変化に伴う隙間を挟むターゲット材の衝突を防止し、且つ、バッキングプレートのスパッタを有効に防止できるものとしている。
分割の隙間が0.2mmより狭いと、熱により割れが発生し、また0.4mmより広いと、バッキング材が露出し、バッキングプレートをスパッタするため、これを他の材質で防ぐ必要がでてくる。
ここでの、スパッタ装置としては、前記スパッタ装置は、前記処理基板をキャリアに搭載して、搬送しながらスパッタ処理を行い、該処理基板の一面側にITO膜をスパッタ成膜するものが挙げられる。
処理基板としては、カラーフィルタ形成基板が挙げられる。
また、前記ターゲットの表面粗さRa(中心線平均粗さ)は、0.9〜1.1μmの範囲であることが好ましく、ターゲットプレートの非エロージョン領域に付着したITOの飛散物が剥がれることを防止できる。
0.9μm未満となると再付着膜の剥がれ防止の効果が得難くなり、1.1μmより大きいと粗れた表面から焼結体の一部が容易に折り取られ、パーティクルとなって基板に付着するおそれがある。
本発明のスパッタ装置は、処理基板の成膜する側の面とターゲットプレートとを、平行に対向させ、マグネトロンスパッタ方式でスパッタを行い、ノジュールの発生をできるだけ抑えることができ、且つ、処理基板の大型化に対応できるものとしている。
本発明はこれに対応するもので、処理基板の成膜する側の面とターゲットプレートとを対向させ、マグネトロンスパッタ方式でスパッタを行うスパッタ装置で、ノジュールの発生をできるだけ抑え、且つ、処理基板の大型化に対応できるスパッタ装置の提供と、そのようなスパッタ装置用のターゲットプレートの提供を可能とした。
本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明のターゲットプレートの実施の形態の1例を示した概略平面図で、図2(a)〜図2(d)はノジュールの形成と放電との関係を説明するための概略図で、図3(a)は本発明のターゲットプレートにおける分割の仕方を示した概略図で、図3(b)は従来のターゲットプレートにおける分割の仕方を示した概略図である。
尚、図1においては、ターゲットプレートを保持するバッキングプレートも便宜上示している。
図1〜図3中、10はターゲットプレート、11〜14は(分割された)ターゲット部、15はバッキングプレート、16は隙間、16a〜16gは隙間、17はパーティクル、17aはITO、18はパーティクル、20はターゲットプレート、21〜15は(分割された)ターゲット部である。
はじめに、本発明のターゲットプレートの実施の形態の1例を、図に基づいて説明する。
本例のターゲットプレートは、ディスプレイパネル用のG6世代サイズ(1800mm×1500mmサイズ)以上の大サイズの透明なガラス基板をベース基板とする処理基板463を、キャリアに搭載して立てた状態で、インラインで、搬送しながらスパッタ処理を行い、処理基板の一面側に電極用のITO膜をスパッタ成膜する、マグネトロンスパッタ方式のスパッタ装置に用いられる、ITO膜(錫をドープしたインジウム酸化物の膜)焼結体からなるターゲットプレートである。
そして、図1に示すように、バッキングプレート15の一面に沿い配され、且つ、長手方向の中央と、長手方向の両端側において、それぞれ、長手方向に直交する方向に、所定の隙間16をあけて4分割されており、分割されたターゲット部11〜14をあわせて1つの大型のターゲットプレートとしている。
ここでは、隙間が0.2mm〜0.4mmの範囲としているが、これにより、熱変化に伴う隙間を挟むターゲット材の衝突を防止し、且つ、バッキングプレートのスパッタを有効に防止できるものとしている。
また、ターゲットプレートの表面粗さ(中心線平均粗さ)Raを、0.9〜1.1μmの範囲としているが、これは、0.9μm未満となると再付着膜の剥がれ防止の効果が得難くなり、1.1μmより大きいと粗れた表面から焼結体の一部が容易に折り取られ、パーティクルとなって基板に付着するおそれがあるためである。
これにより、ターゲットプレートの非エロージョン領域に付着したITOの飛散物が剥がれることを防止できる。
ここで、ノジュールの形成と放電との関係について、図2に基づいて簡単に説明しておく。
先にも述べたように、ターゲットプレートから飛散したものが付着したものを一般にはノジュールと言うが、これが原因でノジュール箇所において異常放電を引き起こし、成膜におけるキズ(打痕キズとも言う)の一因となっている。
異常放電は、以下の(1)〜(3)を繰り返して、発生するものと考えられる。
(1)ターゲットプレート上にITOからなるパーティクル17が付着し、プラズマによって温度上昇が起して、還元され、高抵抗パーティクルとなり、パーティクルの下部はスパッタされなくなり、突起部10aとなる。(図2(a)〜図2(b))
(2)この突起部10aにITO17aが付着して還元され高抵抗、ノジュールとなり、ノジュール部でアーク放電が発生し破壊され、この部分がパーティクル18となる。(図2(c)〜図2(d))
(3)破壊により発生したパーティクルがターゲットプレート上に付着する。(図2(a))
このように、ノジュールが生成されると、アーク放電の多発による膜質の悪化(打痕キズ等)が生じ、メンテナンス処理を余儀なくされる。
本例のターゲットプレートが供されるスパッタ装置としては、図4に示すような、処理基板(図4の463に相当)をキャリア(図4の460に相当)に搭載して、搬送しながらスパッタ処理を行い、該処理基板の一面側にITO膜をスパッタ成膜するインラインスパッタ装置が挙げられるが、これを、以下、簡単に説明する。
図4(b)に示すように、キャリア460は、枠部461に、順に、処理基板463、裏板462を嵌め込み、処理基板463を保持する基板ホルダー460Aを備えている。 そして、処理基板463を保持する基板ホルダー460Aを一体として搬送用のキャリア460に、搭載して、インラインで、搬送しながら、処理基板463の成膜する側の面とターゲットプレート(図示していない)とを、平行ないしほぼ平行に対向させ、スパッタを行う。
ここでは、処理基板463として、G6世代サイズの透明なガラス基板の一面側に各色の着色層をカラーフィルタとして形成したカラーフィルタ形成基板を用い、そのカラーフィルタ形成面側にITO膜をスパッタ成膜する。
次に、スパッタ装置本体各部について、簡単に説明しておく。
図4(a)に示すにターゲットプレート471は、四角状で、その外周に沿い防着板を設けている。
ここでは、ターゲットプレート471は、そのバッキングプレート(図示していない)に沿い保持された状態でスパッタ処理に供される。
また、本例においては、図示していないが、スパッタ処理側でないターゲットプレート471の裏面側にマグネトロン構造にマグネットを備えてマグネトロンスパッタ方式により、スパッタ処理を行う。
尚、マグネトロン構造は、マグネットの配置すなわち磁場を工夫して設けた構造で、その構造体表面に電子を拘束させることが可能となり、電離衝突の頻度が極めて高くなり、非常に大きなターゲット(材料)衝撃電流密度を容易に得ることができ、また、回路設計上、電子やイオンが磁気回路にそって連続的に運動し、局所的に溜まることがないため、局部的に磁石等構造体に熱がたまることがなく、成膜、特に成膜分布に対して悪影響を及ぼす可能性がなく、好適である。
また、ターゲットプレート471としては、ここでは、例えば、In2 3 、90w%+SnO2 、10w%組成の焼結したターゲットプレート材を、厚さ8mm〜15mmとしたものを用いるが、サイズを大とするために、Cuプレートをバッキング材として、インジウム半田を接着層とし、4枚の焼結ターゲット材(図1の11〜14に相当)をつなぎ合わせている。
防着板としては、例えば、ステンレス(SUS)材が用いられる。
ここでは、防着板をサンドブラスト処理により粗面化している。
ここでは、スパッタリングは、Arガス雰囲気中、10-5torr〜10-2torr圧下で、プレート状にされた、成膜する膜組成のITOをターゲットプレートとして用いて行う。
この場合、CFを形成する着色層の耐熱性(CFからの脱ガス)の面から、低温で成膜を行う。
ここでのインラインスパッタ装置は、搬送されながらスパッタ処理を行うもので、各チャンバーの配置や処理基板の搬入から搬出までの流れは、先に述べたので、ここでは説明を省く。
キャリア460の搬送は、駆動用モーターからの駆動力を歯車(図4(b)の468Aに相当)との噛み合わせで伝える溝を切った溝形成部468が、キャリア下部に設けられており、更に、歯車468Aによる磨耗を極力抑えるために、キャリア460の溝形成部468の進行方向両側、下側に、平坦部を有する搬送支持レール(支持部466、467に相当)が、キャリア460の荷重を支えるために設けられており、本体側にある前記の歯車468Aとは異なるボビンのような回転体(図4(b)の469に相当)にキャリア側の搬送支持レール27の平坦部が乗っかるようになっている。
本例においては、このような回転体、歯車を、搬送路に沿い複数配置して搬送を行う。
ここでのインラインスパッタ装置においては、簡単には、処理基板463は、ローディングチャンバー411に投入され、ヒーティングチャンバー(予備チャンバーとも言う)412を経て、第1のスパッタチャンバー413に投入され、搬送されながらスパッタ処理され、回転処理部420に搬入され、ここで、回転部によりキャリアごと180度回転され、向きを変え、第2のスパッタチャンバー433に投入され、搬送されながらスパッタ処理される。
そして、スパッタ後、トランスファーチャンバー(予備チャンバーとも言う)432、アンローディングチャンバー431を経て搬出される。
尚、各チャンバーの境には、機械的な仕切りがあり、各仕切りの開放は、両側のチャンバーの真空度を同じ程度にして行う。
また、基板ホルダー部460Aの枠部461他各部の材質については、剛性が大きく、強固で、軽いものが好ましく、Tiやステンレスが挙げられる。
本例における上記のスパッタ装置本体は1例で、本発明は、これに限定されるものではない。
また、処理基板463、ターゲットプレート471を鉛直方向から傾けた状態、あるいは水平にして、互いに平行に対向した状態でスパッタを行う形態も挙げられる。
勿論、図4(a)に示す各部の構成配置を直線的に設けた形態としても良い。
図1に示すターゲットプレート(図3(a)のターゲットプレートに相当)を用いてスパッタ処理を行った場合のノジュールの発生状況を表1に示す。
比較のため、従来の図3(b)に示す5分割のターゲットプレートを用いて同じ条件でスパッタを行った場合のノジュールの発生状況を表1に示す。
表1から分かるように、従来の図3(b)に示す5分割のターゲットプレートを用いた場合に比べ、図3(a)に示す本例の4分割のターゲットプレートを用いた場合、ノジュールの発生が格段に少なくなった。

Figure 2009185372
ここでは、本例と従来のターゲットプレートのサイズは、いずれもW1は300mm、L1は1580mm、D1(厚さ)は7mmで、同じ組成のターゲット材焼結体を用い、同じスパッタ条件にて処理を行ったものである。
そして、表面部を中心線平均粗さRaを1.0μmとした。
また、いずれも分割の隙間を0.3mmと同じとした。
また、両端の分割されたターゲット部(図3(a)の11、14および図3(b)の21、25に相当)以外の、分割されたターゲット部(図3(a)の12と13、および図3(b)の22〜24に相当)は、それぞれ同じサイズに分割されている。
尚、図3中のL1、D2、W1〜W3は、それぞれ、長さないし幅を示している。

図1は本発明のターゲットプレートの実施の形態の1例を示した概略平面図である。 図2(a)〜図2(d)はノジュールの形成と放電との関係を説明するための概略図である。 図3(a)は本発明のターゲットプレートにおける分割の仕方を示した概略図で、図3(b)は従来のターゲットプレートにおける分割の仕方を示した概略図である。 スパッタ装置本体の概略構成配置図である。
符号の説明
10 ターゲットプレート
11〜14 (分割された)ターゲット部
15 バッキングプレート
16 隙間
16a〜16g 隙間
17 パーティクル
17a ITO
18 パーティクル
20 ターゲットプレート
21〜15 (分割された)ターゲット部
411 ローディングチャンバー
412 ヒーティングチャンバー(予備チャンバーとも言う)
413 スパッタチャンバー
420 回転処理部
421 回転部
431 アンローディングチャンバー
432 トランスファーチャンバー(予備チャンバーとも言う)
433 スパッタチャンバー
441〜443 チャンバー仕切り
441a〜443a チャンバー仕切り
460、460a キャリア
460A 基板ホルダー部
461 枠部(枠体とも言う)
462 裏板(押さえ板とも言う)
463 処理基板
464 支持部
465 位置決回転ローラ
465a、465b 軸
466、467 支持部(搬送用支持部)
468 溝形成部
468A 歯車
469 回転ローラ(回転部とも言う)
469a 軸
471 ターゲット
491 水平方向
492 鉛直方向

Claims (4)

  1. 処理基板の成膜する側の面とターゲットプレートとを対向させ、マグネトロンスパッタ方式でITO膜を成膜するスパッタを行うスパッタ装置に用いられるターゲットプレートであって、バッキングプレートの一面に沿い配され、且つ、長手方向の中央と、長手方向の両端側において、それぞれ、長手方向に直交する方向に、0.2mm〜0.4mmの範囲で隙間をあけて、4分割されていることを特徴とするターゲットプレート。
  2. 請求項1に記載のターゲットプレートであって、前記スパッタ装置は、前記処理基板をキャリアに搭載して、搬送しながらスパッタ処理を行い、該処理基板の一面側にITO膜をスパッタ成膜するものであることを特徴とするターゲットプレート。
  3. 請求項1ないし2のいずれか1項に記載のターゲットプレートであって、前記ターゲットの表面粗さRaは、0.9〜1.1μmの範囲であることを特徴とするターゲットプレート。
  4. 処理基板の成膜する側の面とターゲットプレートとを対向させ、マグネトロンスパッタ方式でITO膜を成膜するスパッタを行うスパッタ装置であって、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のターゲットプレートを用いていることを特徴とするスパッタ装置。
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