JP2009184552A - タイヤの設計方法及び、タイヤ。 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤ負担荷重に応じて、直進安定性を確保するのに必要な残留コーナリングフォースを得られるタイヤの設計方法を提供すること。
【解決手段】走行路Rのカント角度θを設定し、角度θにおいてタイヤがカントを下ろうとする力DFをタイヤ負担荷重Wに応じて算出し、下ろうとする力DFとタイヤ負担荷重Wとの関係から傾きmを求め、走行時に、角度φ、角度A、及び角度Bが発生に寄与するPRCFとタイヤ負担荷重Wとの関係から求められる傾きが、傾きmと等しくなるように、角度φ、角度A、及び角度Bを設定することで、タイヤ負担荷重に応じて、直進安定性を確保するのに必要な残留コーナリングフォースが得られるタイヤ10を設計することができる。
【選択図】図2

Description

本発明はタイヤに関し、特には、車重にかかわらず車両の直進安定性を確保するタイヤの設計方法及び、このタイヤの設計方法を適用したタイヤに関する。
従来、乗用車用のタイヤには、装着する車両の車重に対して、路面カント(雨水の排水のために設けられた路面の傾き)を直進できるように残留コーナリングフォース(以下、適宜PRCFと記載。)が付与されるタイヤ設計がなされている。
残留コーナリングフォースの発生にはトレッドパターンが寄与することから、路面カントに対して好適な残留コーナリングフォースを得られるトレッドパターンが種々検討されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−58114号公報
近年、タイヤは同一サイズでも色々な重量の車両に装着されて使用されることが増えている。しかし、タイヤは路面カントの傾斜角度(以下、カント角度と記載。)、及びタイヤが負担する荷重(以下、タイヤ負担荷重)に応じて、直進安定性を確保するのに必要とされるPRCFが異なる。このため、市場では、タイヤ負担荷重にかかわらず直進安定性を確保するタイヤ、換言すれば、タイヤ負担荷重に応じて、直進安定性を確保するのに必要な残留コーナリングフォースを得られるタイヤが望まれている。
本発明は、上記事実を考慮して、タイヤ負担荷重に応じて、直進安定性を確保するのに必要な残留コーナリングフォースを得られるタイヤの設計方法及び、このタイヤの設計方法で設計したタイヤを提供することを目的とする。
一般的に、カントを有する走行路R上を車両が走行する際には、タイヤTには図3に示されるような力が作用する。なお、図3中に示されるθはカント角度を示し、Wはタイヤ負担荷重を示し、DFはタイヤTがカントを下ろうとする力を示している。タイヤTが走行路Rのカントを下ろうとする力DFは、図3に示されるように、走行路Rの路面に平行な方向に生じ、W×sinθで求めることができる。また、下ろうとする力DFは、下ろうとする力DFと逆向きで且つ大きさが等しい力をタイヤTに発生(作用)させることで打ち消すことができる。下ろうとする力DFを打ち消すことで車両の直進安定性が確保される。ここで、本発明者は下ろうとする力DFを打ち消す力として、走行時に発生する残留コーナリングフォースに着目した。
残留コーナリングフォースは、大きく分けて、ベルトのコードが変形することによって発生するベルト成分に起因する力(以下、ベルト成分と記載。)と、トレッドのブロックが荷重を受け、捻られることによって発生するパターン成分に起因する力(以下、パターン成分と記載。)とで構成されている。
ベルトのコード変形によって発生するベルト成分は、通常の乗用車用タイヤに用いられるベルト材料では、例えば荷重1kN当たり10N程度発生する。このベルト成分は、ベルトのコードがタイヤ周方向(又はタイヤ幅方向)に対して傾斜するようにベルトを貼り付けることで得られる。具体的には、ベルトのコードをタイヤ外周面側から見て右上がりに傾斜させることで、タイヤの進行方向に対して右方向のベルト成分が得られ、ベルトのコードをタイヤ外周面側から見て左上がりに傾斜させることで、タイヤの進行方向に対して左方向のベルト成分が得られる。このため、右側通行(進行方向に対して左上がりの路面カント)の国では左方向のベルト成分を発生させ、左側通行(進行方向に対して右上がりの路面カント)の国では右方向のベルト成分を発生させることが多い。また、ベルト成分の発生には、最外層のベルトが最も寄与するため、最外層のベルトのコード方向(右上がり、又は左上がり)によってベルト成分の発生する方向が決定される。なお、ベルトが1枚の場合は、そのベルトが最外層のベルトとなる。
また、ベルト成分は、コードの強力などに左右されるため、例えば、LT用などのコードの強力に優れたベルトを用いるとベルト成分は大きな値となるが、材料コストなどを考えると適当な選択とはいえない。
パターン成分は、80%正規荷重時の接地形状の接地端(接地幅の端部)とタイヤ赤道面とを2等分する線に最も近い位置(線上も含む)に設けられる周方向溝を基準として、
基準となる周方向溝のタイヤ幅方向内側(タイヤ赤道面側)とタイヤ幅方向外側(タイヤ赤道面から離れる側)とで発生の仕方が異なる。この基準となる周方向溝のタイヤ幅方向内側では、パターン成分が主に接地面内に生じる前後方向のせん断力によって発生する。具体的には、タイヤ外周面側から見て右上がりのラグ溝によって形成されるブロックでは進行方向に対して左方向のパターン成分が発生し、タイヤ外周面側から見て左上がりのラグ溝によって形成されるブロックでは進行方向に対して右方向のパターン成分が発生する。この基準となる周方向溝のタイヤ幅方向内側で発生するパターン成分は、ラグ溝のタイヤ幅方向に対する角度が半分になれば荷重当たりのパターン成分の発生量もおよそ半分となり、角度が倍になれば荷重当たりのパターン成分の発生量もおよそ倍となる。
また、基準となる周方向溝のタイヤ幅方向外側では、パターン成分が主に接地面内に生じる左右方向のせん断力によって発生する。具体的には、タイヤ外周面側から見て右上がりのラグ溝によって形成されるブロックでは進行方向に対して右方向のパターン成分が発生し、タイヤ外周面側から見て左上がりのラグ溝によって形成されるブロックでは進行方向に対して左方向のパターン成分が発生する。この基準となる周方向溝のタイヤ幅方向外側で発生するパターン成分は、ラグ溝のタイヤ幅方向に対する角度が半分になれば荷重当たりのパターン成分の発生量もおよそ半分となり、角度が倍になれば荷重当たりのパターン成分の発生量もおよそ倍となる。
本発明者は、以上のことを考慮しつつ鋭意研究を重ね、タイヤ負担荷重に応じて異なる下ろうとする力DFを打ち消すのに必要な残留コーナリングフォースを発生することができるタイヤの設計方法を完成するに至った。
即ち、本発明の請求項1に係るタイヤの設計方法は、複数の周方向溝、及び前記周方向溝と交差する複数のラグ溝で区画された複数のブロックを有するトレッドと、前記トレッドのタイヤ径方向内側に設けられ、互いに平行に設けられた複数本のコードを有する少なくとも1枚のベルトと、を備えるタイヤの設計方法であって、走行路のカント角度を設定し、設定した前記カント角度においてタイヤがカントを下ろうとする力をタイヤ負担荷重に応じて算出し、算出した前記下ろうとする力とタイヤ負担荷重との関係から傾きを求める第1のステップと、走行時に、最外層の前記ベルトのコードのタイヤ幅方向に対する角度、タイヤ幅方向の最外側ブロックを区画する外側ラグ溝のタイヤ幅方向に対する角度、及び前記最外側ブロックよりもタイヤ幅方向内側の内側ブロックを区画する内側ラグ溝のタイヤ幅方向に対する角度が発生に寄与するタイヤ進行方向と直交方向の力の合力とタイヤ負担荷重との関係から求められる傾きが、前記第1のステップで求められた傾きと等しくなるように、最外層の前記ベルトのコードのタイヤ幅方向に対する角度、前記外側ラグ溝のタイヤ幅方向に対する角度、及び前記内側ラグ溝のタイヤ幅方向に対する角度を設定する第2のステップと、を有することを特徴としている。
次に請求項1に記載のタイヤの設計方法について説明する。
第1ステップでは、走行路のカント角度が設定され、設定されたカント角度においてタイヤがカントを下ろうとする力がタイヤ負担荷重に応じて算出される。算出された下ろうとする力とタイヤ負担荷重との関係から傾きが求められる。
第2ステップでは、走行時に、最外層ベルトのコードのタイヤ幅方向に対する角度、外側ラグ溝のタイヤ幅方向に対する角度、及び内側ラグ溝のタイヤ幅方向に対する角度が発生に寄与するタイヤ進行方向と直交方向の力の合力(PRCF)とタイヤ負担荷重との関係から求められる傾きが、第1のステップで求められた傾きと等しくなるように、最外層ベルトのコードのタイヤ幅方向に対する角度、外側ラグ溝のタイヤ幅方向に対する角度、及び内側ラグ溝のタイヤ幅方向に対する角度が設定される。
ここで、走行時にタイヤが発生する合力(PRCF)の方向が、タイヤがカントを下ろうとする方向と逆方向、つまり、下ろうとする力を打ち消す方向となるように、タイヤを設計し、車両に装着することで、設定されたカント角度の走行路を走行時には、下ろうとする力と合力とが互いに打ち消しあって、車両の直進安定性が確保される。また、装着する車両を変更したり、乗車人員を変更して、タイヤ負担荷重が変動しても、タイヤが発生する合力(PRCF)とタイヤ負担荷重との関係から求められた傾きが、タイヤがカントを下ろうとする力とタイヤ負担荷重との関係から求められた傾きと等しくなるように設定されているため、変動したタイヤ負担荷重に応じて、直進安定性を確保するのに必要な残留コーナリングフォースを得ることができる。結果、車両の直進安定性が確保される。
本発明の請求項2に係るラジアルタイヤは、請求項1に記載のタイヤの設計方法によって設計されたことを特徴としている。
本発明のタイヤの設計方法によれば、タイヤ負担荷重に応じて、直進安定性を確保するのに必要な残留コーナリングフォースを得ることができるタイヤを設計することができる。
[第1の実施形態]
本発明のタイヤの設計方法で設計したタイヤの第1の実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。本実施形態のタイヤは、乗用車用の空気入りラジアルタイヤ10(以下、タイヤと記載。)であり、カント角度θが平均2度の左側通行(進行方向Fに対して右上がりのカント)の国向けに設計されている。なお、タイヤサイズは195/65R15である。
図1に示されるように、タイヤ10は、左右一対のビードコア16が夫々埋設されたビード部14と、一方のビードコア16から他方のビードコア16へとトロイド状に延び、端部分がビードコア16に係合されたカーカス12と、カーカス12のタイヤ径方向外側に設けられたベルト18と、ベルト18のタイヤ径方向外側に設けられたトレッド20とを備えている。なお、タイヤ10を構成するタイヤ構成部材は、従来公知のものを使用することができる。
(ベルト)
図2に示されるように、ベルト18は、互いに平行に設けられた複数本のベルトコード18Cを被覆ゴム中に埋設して形成されている。ベルトコード18Cは、タイヤ赤道面CL上においてタイヤ幅方向に対して角度φで傾斜している。なお、図2は、タイヤ10をタイヤ外周側から見た平面図の部分断面図であり、本実施形態のベルトコード18Cは図2で見て右上がりに傾斜している。
(トレッド、溝)
図2に示されるように、トレッド20には赤道面CLを挟んで両側にタイヤ周方向に延びるセンター周方向溝30が形成され、両センター周方向溝30のタイヤ幅方向外側にはショルダー周方向溝32が形成されている。なお、本実施形態のショルダー周方向溝32は、80%正規荷重時の接地形状の接地端20Eとタイヤ赤道面CLとを2等分する線に最も近い位置(線上も含む)に設けられている。
また、トレッド20には、タイヤ幅方向に対して角度B1で傾斜して延び、両センター周方向溝30間にブロック状の陸部(第1センターブロック50)を区画する第1センターラグ溝40、及びタイヤ幅向に対して角度B2で傾斜して延び、両ショルダー周方向溝32と両センター周方向溝30との間にブロック状の陸部(第2センターブロック52)を区画する第2センターラグ溝42とが形成されている。なお、本実施形態の第1センターラグ溝40及び第2センターラグ溝42は、タイヤ幅方向に対して同方向、且つ図2で見て左上がりに傾斜している。
さらに、トレッド20には両ショルダー周方向溝32からタイヤ幅方向外側に延び、両ショルダー周方向溝32のタイヤ幅方向外側にブロック状の陸部(ショルダーブロック54)を区画するショルダーラグ溝44が形成されている。このショルダーラグ溝44は、タイヤ幅方向に対して角度Aで傾斜するとともに、傾斜方向が第2センターラグ溝42と逆方向になっている。つまり、ショルダーラグ溝44は図2で見て右上がりに傾斜している。
以下に、タイヤ10の設計手順について説明する。
(第1のステップ)
まず、タイヤ10を使用する走行路Rのカント角度θを設定する。次に、設定したカント角度θにおいて、タイヤ10がカントを下ろうとする力DFを、DF=Wsinθを用いて、タイヤ負担荷重Wに応じて算出する(図4参照)。そして、図5に示されるように、横軸(X軸)をタイヤ負担荷重Wとし、縦軸(Y軸)を下ろうとする力DFとして、各角度θにおける下ろうとする力DFとタイヤ負担荷重Wとの関係を示す直線を求めるとともに、この直線の傾きmを求める。
(第2のステップ)
次に、走行路Rのカント方向(進行方向Fに対して右上がり、又は左上がりか)について設定する。なお、本実施形態では、走行路Rのカント方向を進行方向Fに対して右上がりに設定している。
そして、タイヤ10の走行時に発生するPRCFとタイヤ負担荷重Wとの関係を示す直線の傾きが第1ステップで求めた直線の傾きmと等しくなるように、角度φ、角度A、及び角度B(角度B1及び角度B2の平均値)を設定する。なお、設定する角度φ、角度A、及び角度Bの値は、後述する計算式で求めても、タイヤの挙動を計測する挙動シュミレーションにタイヤの各構成を入力して求めても、複数の試作評価を行いその測定値を基準にして求めてもよいものとする。
以上説明したタイヤの設計手順で設計したタイヤ10の作用及び効果について説明する。進行方向Fに対して右上がりのカント(カント角度θ)を有する走行路Rを、タイヤ10を装着した車両で走行する際には、タイヤ10にはカントを下ろうとする力DFが作用する。しかし、下ろうとする力DFは、走行時のタイヤ10に発生するPRCFによって打ち消されるため、車両の直進安定性が確保される。また、タイヤ10を装着する車両を変更したり、乗車人員を変更して、タイヤ負担荷重Wが変動しても、第1のステップで求めた直線の傾きmに対して、PRCFとタイヤ負担荷重Wとの関係を示す直線の傾きが等しくなるようにタイヤ10が設計されているため、変動したタイヤ負担荷重Wに応じて、直進安定性を確保するのに必要な残留コーナリングフォースを得ることができる。結果、車両の直進安定性が確保される。
次に、残留コーナリングフォース(PRCF)を求めるための計算式について説明する。まず、PRCFは進行方向Fに対して右方向に発生する力を+(プラス)、進行方向Fに対して左方向に発生する力を−(マイナス)とする。また、トレッド20に形成される各ラグ溝のタイヤ周方向に対する傾斜方向は、タイヤ外周面側から見て右上がりを+、左上がりを−とする。
通常、左側通行の国では路面カントが右上がりのため、左側に車両が流されないように右方向の力、つまり+方向の力が必要とされる。+方向の力を発生させるため、通常ベルトの貼り方向(ベルトのコード方向)は、+の方向(進行方向に対して右方向)に力が出るように組み合わせる。ここで、タイヤ一輪当たりのタイヤ負担荷重をXkNとすると、ベルト18は、例えばタイヤ幅方向に対するベルトコード18Cの角度φが62〜68度の範囲において、10×XkNの力を発生する。
一方、ショルダー周方向溝32よりタイヤ幅方向内側の第1センターラグ溝40及び第2センターラグ溝42は、傾斜方向が左上がり(−の角度)の時+のPRCFを発生させ、角度Bのとき、例えば(−B/45度)×10×XNの力を発生する。
また、ショルダー周方向溝32よりタイヤ幅方向外側のショルダーラグ溝44は、傾斜方向が右上がり(+の角度)のとき+のPRCFを発生させ、角度Bの時、例えば(A/7.5)×10×XNの力を発生させる。
よって荷重XkN時のPRCFは、それらの合計となり、荷重XkN時のPRCF=10×XN+(−B/45度)×10×XN+(A/7.5度)×10×XNで求められる。
ここで、荷重XkN時のPRCFを求める式に、第1の実施形態の荷重XkN時のPRCFを代入すると、傾きK1×XN=10×XN+(−B/45度)×10×XN+(A/7.5度)×10×XNとなる。第1の実施形態では、カント角度θが平均2度のため、第1のステップで求められる直線は図5に示されるθ=2度の直線となり、その傾きmは略34.8となる。この略34.8を代入すると、111.6=6×A−Bの関係式が得られる。つまり角度A、及び角度Bの値が、111.6=6×A−Bの関係式を満たせば、車両重量が変動しても、走行路R上を直進することができる。なお、上述の荷重Xに対し、発生する力の各係数は、実測の実験データやシュミレーションによる寄与率の算出等により求めることができる。
なお、例えば、ショルダーラグ溝に折れ曲がりを設けると、荷重依存性を非線形にコントロールすることが可能となるが、車両シュミレーションを行った結果、車重が変わった場合に、必要とされるPRCFは荷重に対して線形のため、ショルダーラグ溝は、折れ曲がりが無いことが好ましい。
また、第1の実施形態のタイヤ10は、カント角度θが平均2度の左側通行(進行方向Fに対して右上がりのカント)の国向けに設計されているため、111.6=6×A−Bの関係式を満たせば直進安定性を得られるが、カント角度θが同じで、右側通行(進行方向Fに対して左上がりのカント)の国向けにタイヤを設計する場合には、上述の荷重X時のPRCFの計算式に基づいて−111.6=6×a−bの関係式が得られ、この関係式を満たせば、直進安定性が得られる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されることは無く、特許請求の範囲に含まれる範囲で各種変更して実施可能であることは言うまでもない。
また、80%正規荷重時の接地面とは、タイヤをJATMA YEAR BOOK(2008年度版、日本自動車タイヤ協会規格)に規定されている適用リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の80%の内圧を充填し、静止した状態で平板に対し垂直に置き、最大負荷能力を負荷したときのトレッドの接触面を指し、接地形状は接地面の形状を指すものである。なお、使用地又は製造地において、TRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
(試験例)
本発明によるタイヤの性能改善効果を確かめるために、タイヤサイズ195/65R15のタイヤを用意し、国産乗用車A、又は国産乗用車Bに夫々装着し、各タイヤにおける車両流れを訓練されたドライバーの官能評価にて行った。なお、表1には国産乗用車Aの試験結果を示し、表2には国産乗用車Bの試験結果を示す。また、表中の評価は、◎が最も良好、○が良好、×が良好でない、ことを示している。
(試験条件)
供試タイヤは、何れもベルトが2層構造(交錯ベルト)のタイヤを用いた。
試験に用いた実車走行路は、進行方向に対して右上がりのカントで、カント角度が1.5〜2.5度の間のばらつきを有していた。
供試タイヤを国産乗用車Aに装着した場合、タイヤ(前輪)が負担する過重は一輪当たり4.5kNであった。
供試タイヤを国産乗用車Bに装着した場合、タイヤ(前輪)が負担する過重は一輪当たり3.9kNであった。
次に、国産乗用車Aに装着して試験を行った実施例1〜3、及び比較例1、2のタイヤについて説明する。
実施例1のタイヤは、6A−Bが72.5となるように角度φ、角度A、及び角度Bを設定した。
実施例2のタイヤは、6A−Bが111.6となるように角度φ、角度A、及び角度Bを設定した。
実施例3のタイヤは、6A−Bが151.7となるように角度φ、角度A、及び角度Bを設定した。
比較例1のタイヤは、6A−Bが60となるように角度φ、角度A、及び角度Bを設定した。
比較例2のタイヤは、6A−Bが160となるように角度φ、角度A、及び角度Bを設定した。
なお、実施例1〜3、及び比較例1、2のタイヤの角度φ、角度A、及び角度Bの値を表1中に示す。
次に、国産乗用車Bに装着して試験を行った実施例4〜6、及び比較例3、4のタイヤについて説明する。
実施例4のタイヤは、6A−Bが72.5となるように角度φ、角度A、及び角度Bを設定した。
実施例5のタイヤは、6A−Bが111.6となるように角度φ、角度A、及び角度Bを設定した。
実施例6のタイヤは、6A−Bが151.7となるように角度φ、角度A、及び角度Bを設定した。
比較例3のタイヤは、6A−Bが60となるように角度φ、角度A、及び角度Bを設定した。
比較例4のタイヤは、6A−Bが160となるように角度φ、角度A、及び角度Bを設定した。
なお、実施例4〜6、及び比較例3、4のタイヤの角度φ、角度A、及び角度Bの値を表2中に示す。
Figure 2009184552
Figure 2009184552
(試験結果)
表1及び表2から分かるように、実施例1〜6のタイヤは車両流れが問題ないレベルである。これは、実施例1及び実施例4がカント角度θを1.5度に設定して本発明のタイヤの設計方法で設計したタイヤと同等のPRCFを発生させることができるためである。また、実施例3及び実施例6はカント角度θを2.5度に設定して本発明のタイヤの設計方法で設計したタイヤと同等のPRCFを発生させることができる。このため、試験に用いた走行路においては、良好な結果を表している。これに対して、比較例1〜4のタイヤは、カント角度θが1.5〜2.5度の範囲以外に設定されて設計されたタイヤのため、PRCFの発生量が適正値でなく、車両流れが生じている。なお、実施例2及び実施例5のタイヤはカント角度θを2度に設定して本発明のタイヤの設計方法で設計したタイヤと同等のPRCFを発生させることができるため、最も良好な結果が得られている。
本発明の第1の実施形態に係るタイヤのタイヤ幅方向に沿った断面の半部を示す半部断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るタイヤのトレッドパターンを示す平面図の部分断面図である。 走行路上のタイヤに作用する力を示す説明図である。 カント角度θ、タイヤ負担荷重W、及びタイヤがカントを下ろうとする力DFの関係を表す表である。 タイヤがカントを下ろうとするDFとタイヤ負担荷重Wとの関係を示すグラフである。
符号の説明
10 空気入りラジアルタイヤ(タイヤ)
18 ベルト
18C ベルトコード(ベルトのコード)
20 トレッド
30 センター周方向溝(周方向溝)
32 ショルダー周方向溝(周方向溝)
40 第1センターラグ溝(ラグ溝)
42 第2センターラグ溝(ラグ溝)
44 ショルダーラグ溝(ラグ溝)
50 第1センターブロック(ブロック)
52 第2センターブロック(ブロック)
54 ショルダーブロック(ブロック)
A 角度
B 角度
φ 角度
DF 下ろうとする力
F 進行方向
PRCF 残留コーナリングフォース(合力)
R 走行路
W タイヤ負担荷重
θ カント角度

Claims (2)

  1. 複数の周方向溝、及び前記周方向溝と交差する複数のラグ溝で区画された複数のブロックを有するトレッドと、
    前記トレッドのタイヤ径方向内側に設けられ、互いに平行に設けられた複数本のコードを有する少なくとも1枚のベルトと、を備えるタイヤの設計方法であって、
    走行路のカント角度を設定し、設定した前記カント角度においてタイヤがカントを下ろうとする力をタイヤ負担荷重に応じて算出し、算出した前記下ろうとする力とタイヤ負担荷重との関係から傾きを求める第1のステップと、
    走行時に、最外層の前記ベルトのコードのタイヤ幅方向に対する角度、タイヤ幅方向の最外側ブロックを区画する外側ラグ溝のタイヤ幅方向に対する角度、及び前記最外側ブロックよりもタイヤ幅方向内側の内側ブロックを区画する内側ラグ溝のタイヤ幅方向に対する角度が発生に寄与するタイヤ進行方向と直交方向の力の合力とタイヤ負担荷重との関係から求められる傾きが、前記第1のステップで求められた傾きと等しくなるように、最外層の前記ベルトのコードのタイヤ幅方向に対する角度、前記外側ラグ溝のタイヤ幅方向に対する角度、及び前記内側ラグ溝のタイヤ幅方向に対する角度を設定する第2のステップと、
    を有することを特徴とするタイヤの設計方法。
  2. 請求項1に記載のタイヤの設計方法によって設計されたことを特徴とするタイヤ。
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