JP2009184478A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】走行燃費の一層の向上を図ることができる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】車両用空調装置が有する蒸気圧縮式冷凍サイクル1は、冷媒を吸入して吐出する圧縮機2と、吐出された冷媒を冷却する凝縮器3と、凝縮器3で冷却された冷媒を減圧する膨張弁5と、減圧された冷媒を蒸発させて車室内へ送風する空気を冷却する蒸発器6と、を順次環状に接続して構成される第1の流路13を有する。さらに蒸気圧縮式冷凍サイクル1は、膨張弁5と凝縮器3との間で膨張弁5よりも冷媒流れの上流側で分岐して圧縮機2の吸込み側に接続される第2の流路14を有する。第2の流路14には蓄熱材を有した蓄冷熱交換器9が蒸発器6と並列するように設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄冷熱交換器を備えた冷凍サイクルによって車両エンジンの停止に伴う圧縮機の停止時に空調を行う車両用空調装置に関する。
従来、蓄冷熱交換器を備えた冷凍サイクルにより圧縮機停止時の空調を行う車両用空調装置として特許文献1に記載の装置が知られている。この車両用空調装置においては、特許文献1の図1に示すように、冷凍サイクル中の蓄冷熱交換器が蒸発器と圧縮機との間で蒸発器に直列に接続されている。
そして、蓄冷運転時には膨張弁で減圧膨張された低温の冷媒によって蓄冷熱交換器の蓄熱材を冷却して蓄冷し(低温の熱量を蓄え)、エンジンおよび圧縮機の停止時の放冷時(蓄冷した熱の放出時)には蒸発器で蒸発した冷媒を蓄冷熱交換器で凝縮させることにより蒸発圧力を低く保って蒸発器の冷却能力を維持している。
なお、従来の蓄冷熱交換器は、冷凍サイクルの作動媒体である冷媒の通る通路と蓄熱材とを隣接して配置する構成を有し、両者間で熱交換を可能にするとともに、冷媒と空気との熱交換と、空気と蓄熱材との熱交換との両方を可能とする熱交換器であり、例えば、特許文献2,3および4に記載の構成を有するものが知られている。
特開2007−1485号公報(図1参照) 特開2000−205777号公報 特開2002−337537号公報 特開2004−184071号公報
しかしながら、特許文献1に記載の車両用空調装置は、いわゆるアイドルストップ車両に適用することを想定しており、蒸発器と蓄冷熱交換器とが直列に接続されているため、蓄冷熱交換器の冷媒圧力が圧縮機の吸入圧力に等しくなってしまう。そして、フロスト防止の観点から低圧側回路の冷媒圧力を所定圧力以下にすることができないため、蓄冷量に制限がかかり、さらなる燃費の向上が困難となる。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、走行燃費の一層の向上を図ることができる車両用空調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。車両用空調装置に係る第1の発明は、冷媒を吸入して吐出する圧縮機(2)と、吐出された冷媒を冷却する凝縮器(3)と、凝縮器(3)で冷却された冷媒を減圧する減圧器(5)と、減圧された冷媒を蒸発させて車室内へ送風する空気を冷却する蒸発器(6)と、を順次環状に接続して構成される第1の流路(13)を有する蒸気圧縮式冷凍サイクル(1)を備えたものである。
蒸気圧縮式冷凍サイクル(1)は、減圧器(5)と凝縮器(3)との間の減圧器(5)よりも冷媒流れ上流側で第1の流路(13)から分岐し、圧縮機(2)の吸込み側で第1の流路(13)に合流する第2の流路(14)を有する。第2の流路(14)において蓄熱材(9a)を有した蓄冷熱交換器(9)が蒸発器(6)と並列となるように設けられている。
蓄冷熱交換器(9)は、圧縮機(2)の作動時に冷媒によって冷却され、蓄熱材(9a)と周囲の空気とが熱交換することにより放冷する。
この発明によれば、蒸発器での冷媒の蒸発圧力と独立して蓄冷熱交換器を流通する冷媒の圧力、温度を制御することができるので、圧縮機の出力が低減するような場合でも蓄冷量を確保して冷凍能力の低下を抑制することができる。これにより、空調能力と冷凍サイクルのCOP(成績係数)との両面に優れた車両用空調装置が得られ走行燃費の向上が図れる。
また、蓄熱材(9a)の周囲の空気は、蓄熱材(9a)と熱交換した後、凝縮器(3)に向けて流れることが好ましい。この発明によれば、蓄熱材との熱交換で冷却された空気を凝縮器に送風して凝縮器を冷却することにより、冷凍サイクルの高圧側の冷媒圧力が低下するので、圧縮機の仕事量が低減し、省動力が図れる。また、蓄冷熱交換器に蓄冷された熱エネルギー(低温熱(本願においては冷熱とも表現する)の熱エネルギー)を空気を介して冷凍サイクルに伝達して活用することができる。
また、蓄冷熱交換器(9)は凝縮器(3)内部の冷媒と熱交換される空気の流れ方向において凝縮器よりも上流側で、凝縮器に隣接して設けられていることが好ましい。この発明によれば、蓄冷熱交換器に蓄冷された熱エネルギー(低温熱の熱エネルギー)を空気を介して凝縮器に供給することにより冷凍サイクルに伝達し、冷凍サイクルのCOPを向上させることができる。また、蓄冷熱交換器の熱交換部分の体積を大きくすることが容易であり、蓄冷熱容量の拡大により走行燃費の一層の向上が図れる。
また、蓄熱材(9a)の周囲の空気は、蓄熱材(9a)と熱交換した後、蒸発器(6)に向けて流れることが好ましい。この発明によれば、蒸発器で冷却される前の空気と蓄熱材とが熱交換するため、両者の温度差が大きくなり放冷能力を大きくすることができる。
また、蓄冷熱交換器(9)は蒸発器(6)内部の冷媒と熱交換される空気の流れ方向において蒸発器よりも上流側で、蒸発器に隣接して設けられていることが好ましい。この発明によれば、蓄冷熱交換器に蓄冷された熱エネルギー(低温熱の熱エネルギー)を空気を介して蒸発器に対して供給することにより、冷凍サイクルに有効に伝達することができる。また、蓄冷熱交換器の熱交換部分の体積を大きくすることが容易であり、蓄冷熱容量の拡大により走行燃費の一層の向上が図れる。
また、蓄冷熱交換器(9)は蒸発器(6)内部の冷媒と熱交換される空気の流れ方向において蒸発器よりも下流側に設けられていることが好ましい。この発明によれば、蒸発器で冷却された空気が蓄熱材と熱交換するため、放冷時の蓄熱材の加熱が抑制されて、蓄熱材の温度を低く保つことができる。これにより、蓄熱材を冷却する能力を大きくしやすく、蓄冷時間の短縮化が図れる。
車両用空調装置に係る第2の発明は、上記第1の発明の前段部に加え、蒸気圧縮式冷凍サイクル(40)は、減圧器(5)と凝縮器(3)との間の減圧器(5)よりも上流側で第1の流路(45)から分岐し圧縮機(2)の吸込み側で第1の流路(45)に合流する第2の流路(46)と、蒸発器(6)と圧縮機(2)との間であって蒸発器(6)よりも下流側に設けられた流路抵抗部(7)と、蓄熱材(41a)を有し、第2の流路(46)に蒸発器(6)と並列に設けられる蓄冷熱交換器(41)と、蒸発器(6)と流路抵抗部(7)との間であって第1の流路(45)の蒸発器(6)よりも下流側と第2の流路(46)の蓄冷熱交換器(41)よりも上流側とを接続するバイパス流路(47)と、蓄冷熱交換器(41)の入口および出口と第1の流路(45)との間の冷媒の流通を切り替える開閉手段(42,43,44)と、を備えている。
蓄冷熱交換器(41)は、圧縮機(2)の作動時に冷媒によって冷却され、開閉手段(42,43,44)の開閉により蒸発器(6)で蒸発した冷媒と蓄熱材(41a)とが熱交換することにより放冷する。
この発明によれば、蒸発器での冷媒の蒸発圧力と独立して蓄冷熱交換器を流通する冷媒の圧力、温度を制御することができるので、圧縮機の出力が低減するような場合でも蓄冷量を確保して冷凍能力の低下を抑制することができる。これにより、空調能力と冷凍サイクルのCOPとの両面に優れた車両用空調装置が得られ走行燃費の向上が図れる。また、凝縮器や蒸発器等の熱交換器の搭載位置に関係なく、蓄冷熱交換器を比較的自由に配置することができる。
さらに開閉手段は、蓄冷熱交換器(41)よりも第2の流路(46)の上流側に設けられた第1の開閉弁(42)と、バイパス流路(47)に設けられた第2の開閉弁(43)と、蓄冷熱交換器(41)よりも第2の流路(46)の下流側に設けられた第3の開閉弁(44)と、を含み、蓄冷時には第2の開閉弁(43)を閉じ、放冷時には第1の開閉弁(42)および第3の開閉弁(44)を閉じて第2の開閉弁(43)を開くことが好ましい。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態である第1実施形態の車両用空調装置は、例えば、信号待ちなどで車両が停止する所定の条件になると、エアコンがON状態であっても車両のエンジンを自動的に停止してアイドリングストップ状態とすることで車両停止時の排気ガス量を低減する車両に使用されるものである。この車両空調装置は、エンジンの停止時の冷房能力の確保および空調負荷軽減のために、蒸発器に対して並列に配置した蓄冷熱交換器を備えている。そして、この蓄冷熱交換器を用いて、車両減速時の回生エネルギーを積極的に蓄冷し(低温の熱(本願においては冷熱とも表現する)を蓄え)、効率の悪い運転域では圧縮機の停止、または作動負荷の軽減によって、空調運転を行い、走行燃費を向上させるものである。
以下、本実施形態について図1〜図3を用いて説明する。図1は、本実施形態の車両用空調装置に係る蒸気圧縮式冷凍サイクル1における蓄冷モード時の冷媒流れを示した模式図である。蒸気圧縮式冷凍サイクル1は、冷媒を吸入して吐出する圧縮機2と、圧縮機2で吐出された冷媒を冷却する凝縮器3と、凝縮器3で冷却された冷媒を減圧する膨張弁5と、膨張弁5で減圧された冷媒を蒸発させて車室内へ送風する空気を冷却する蒸発器6と、を順次環状に配管によって接続して構成される第1の流路13(主回路)を備えている。第1の流路13には凝縮器3と膨張弁5との間にさらに受液タンク4が設けられている。
蒸気圧縮式冷凍サイクル1は、第1の流路13に加え、第2の流路14を備えている。第2の流路14は、膨張弁5と凝縮器3との間の膨張弁5よりも上流側の配管部位11で第1の流路13から分岐する配管によって膨張弁8、蓄冷熱交換器9を順に接続した後、圧縮機2の吸込み側の配管部位12で第1の流路13に接続されて合流するように構成されている。
圧縮機2は、蒸気圧縮式冷凍サイクル1内の冷媒を圧縮機構により吸入して吐出する流体機械である。圧縮機2は電磁クラッチを介してエンジンによって駆動されている。電磁クラッチは、例えば制御装置(図示せず)より出力されるON/OFF信号に基づいてON/OFF制御され、圧縮機2の作動が制御される。また、圧縮機2が可変容量式の圧縮機で構成されている場合は、その容量制御弁により吐出容量を連続的または段階的に変更することによって、冷凍能力を制御することができる。また、圧縮機2は電気モータで駆動される構成としてもよい。本実施形態の車両用空調装置をハイブリッド車や電気自動車に使用する場合は、ハイブリッド車や電気自動車の大きな供給電力を利用して電気モータで駆動することが可能だからである。
圧縮機2で高温高圧に圧縮されたガス冷媒は、凝縮器3に流入する。凝縮器3は、圧縮機2により高温高圧に圧縮された冷媒を冷却して凝縮液化する熱交換器である。凝縮器3に車両の走行風と電動式のファン(図示せず)によって冷却風が送風されることにより、凝縮器3内部のガス冷媒が冷却されて凝縮する。受液タンク4は、凝縮器3で凝縮された冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離し液相冷媒を流出されるレシーバである。
膨張弁5は、受液タンク4を流出した冷媒を所定圧力に減圧膨張できる減圧器であり、弁部と、蒸発器6の出口温度を検出する感温部とを備えた温度式膨張弁である。感温部で検出された冷媒の温度に応じて弁部の開度が制御されることにより、蒸発器6出口の冷媒の過熱度は所定値に制御される。膨張弁5が設けられている配管には、弁部とは別に常に開状態にある細い管のブリードポート10が設けられている。また、膨張弁5としてブリードポート付きのものを用いてもよい。
蒸発器6は、冷媒の蒸発潜熱により車室内の空気を冷却するものであり、エアコン操作パネル(図示せず)の裏側に配置された空調ケース(図示せず)内に設けられている。そして、空調ケースにおいて、車両室内または車両室外から取り込んだ空気を蒸発器6に向かって送風機(図示せず)により送風することで、蒸発器6により冷却された空気が車室内に送り出される。蒸発器6と圧縮機2の吸込み側との間の第1の流路13には流路抵抗部7が設けられている。流路抵抗部7は、蒸発器6を流出した冷媒を所定圧力に制御する絞り機構である。
蒸発器6の下流側には、送風機により送風される冷房風の温度を検出する蒸発器後センサ(図示せず)が設けられている。この蒸発器後センサにより検出された温度情報は、エアコン制御装置(図示せず)に送信され、蒸発器6の冷却能力を調整するために用いられる。また、蒸発器後センサは着霜防止の機能を有する。冷房能力が冷房負荷に勝った場合、冷媒蒸発圧力が低下し、蒸発器6の表面温度が0℃以下となり、凝縮水の氷結が進行して通過空気の流動を妨げ、蒸発圧力がさらに下がり、空気が流れなくなってしまうということになる。このような状態を防止するために、冷凍サイクルの冷房能力を制御して着霜を防止する機能が必要である。なお、蒸発器6の温度を知るために蒸発器後センサの代わりに蒸発器6のフィン温度を直接検出するフィン温度センサを用いてもよい。
さらに、空調ケース内においては、蒸発器6の下流側にエアミックスドア(図示せず)が配置され、このエアミックスドアの下流側にはエンジンの温水を熱源として空気を加熱するヒータコア(図示せず)が配置されている。エアミックスドアは、車室内への吹出し空気の温度調節機能を有しており、ヒータコアからの温風と蒸発器6から直接流れてくる空気との割合を調節するものである。
第2の流路14に設けられた膨張弁8は、前述の膨張弁5と同様の減圧器である。蓄冷熱交換器9は蒸発器6に対して並列に設けられている。蓄冷熱交換器9は、冷凍サイクルの作動媒体である冷媒(例えばHFC134a等)と空気と蓄熱材(例えばパラフィン、氷等)との三者間で熱交換が可能な構成を備えている。蓄熱材は冷媒により運ばれる熱(冷たい熱、暖かい熱)等を蓄えることができる。蓄冷(蓄熱材に冷熱を蓄えること)モードでは、蓄熱材の融点よりも低い温度の冷媒を蓄冷熱交換器9に流通させることにより、蓄熱材が凝固し、凝固潜熱が蓄えられる。放冷(蓄冷した熱を放出すること)モードでは、蓄熱材の融点よりも高い温度の空気を流通させることにより、蓄熱材が加熱されて融解潜熱を受けて融解し液相になる。
例えば、蓄熱材が充填されている蓄熱材セル9aと冷媒の通る通路とを隣接して配置する構成を有し、両者間で熱交換を可能としている。さらに、蓄熱材セル9aと空気が通る通路と隣接して配置する構成を有し、両者間で熱交換を可能としている。このような熱交換器の具体的構成としては、前述の従来技術の欄に記載した構成をはじめ、種々の構成を採用することができる。例えば、フィンアンドチューブタイプの熱交換器は、二重構造のチューブにおいて蓄熱材を封入する部分と冷媒を通過させる流路とを構成し、さらにチューブ内部と周囲の空気との熱交換を促進するためのフィンをチューブと交互に積層することにより構成する。
エアコン制御装置は、空調制御に係る制御プログラムや演算式等が記憶されたマイクロコンピュータ(図示せず)を内蔵し、エアコン操作パネルの操作により出力される信号、内気または外気の温度を検出する内外気検知センサ、日射センサ、蒸発器後センサ、エンジン水温センサ等のセンサ群から出力される各信号や、エンジン制御装置(図示せず)から送信される信号に基づいて、吹出口切替ドア、内外気切替ドア、エアミックスドア、電磁クラッチ、送風機、圧縮機2等を制御する。
エンジン制御装置は、回転数信号、車速信号、ブレーキ信号等のエンジンの運転状況を検出するセンサ群に基づいて、エンジンを制御するとともに、エアコン制御装置にエンジンの運転状況を伝達する。エンジン制御装置は、エンジンの回転数信号、車速信号、ブレーキ信号などに基づいて停車状態を検出すると、点火装置の電源遮断や、燃料噴射の停止などを行い、エンジンを自動的に停止する。そして、エンジンの停止後、運転者の運転操作により車両を発進させる状態に移行すると、エンジン制御装置は、アクセル信号などに基づいて発進状態を認識し、エンジンを始動することになる。また、エンジン制御装置とエアコン制御装置は一つの制御装置として統合して構成してもよい。
次に、上記構成における蒸気圧縮式冷凍サイクル1の作動について説明する。蒸気圧縮式冷凍サイクル1の作動には、蓄冷モードと、圧縮機2が作動している放冷モードと、圧縮機2が停止している放冷モードと、がある。
車両走行時のエンジンにより圧縮機2が駆動され、蒸気圧縮式冷凍サイクル1が作動すると、その後蓄冷モードが開始される。図1に示すように、圧縮機2によって吐出された冷媒は、凝縮器3で凝縮され受液タンク4で気液分離される。受液タンク4を流出した冷媒の一部は、膨張弁5で減圧膨張された後、蒸発器6で周囲の空気から吸熱することで蒸発し、周囲の空気を冷却する。蒸発器6で蒸発した冷媒は、流路抵抗部7で減圧された後、圧縮機2の吸込み側の配管部位12(合流部)で後述する第2の流路14を流れてきた冷媒と合流して圧縮機2に吸入される。
一方、受液タンク4を流出した冷媒の残部は、膨張弁5と凝縮器3との間の膨張弁5よりも上流側の配管部位11(分岐部)で分岐して第2の流路14を流れ、膨張弁8により減圧膨張されて蓄冷熱交換器9の冷媒通路に流入する。蓄冷熱交換器9では、冷媒が蒸発することにより、蓄熱材セル9a内の蓄熱材が加熱状態から冷却され、低温の熱が蓄熱材に蓄冷されることになる。この蓄冷が完了するまでの間は蓄冷熱交換器9の車両前方から後方に向けて通過する空気(凝縮器3の前面部に送られる空気)は冷却されないので、凝縮器3内を流れる高圧側冷媒は冷却されない。蓄冷熱交換器9を流出した冷媒は、圧縮機2の吸込み側の配管部位12で第1の流路13を流れてきた冷媒に合流して圧縮機2に吸入される。蓄熱材への蓄冷が完了すると、蓄冷熱交換器9での冷媒と蓄熱材との間の熱移動が停止する。
次に放冷モードについて図2および図3を用いて説明する。図2は圧縮機2が作動している場合の放冷モード時の冷媒流れを示した模式図である。図3は圧縮機2が停止した場合の放冷モード時の冷媒流れを示した模式図である。
図2に示すように、蓄冷モードが完了した段階で蓄冷熱交換器9は、膨張弁8による減圧と蓄冷モード時に冷やされた蓄熱材とによって、凝縮器3の前面部に送られる空気を冷却して、蓄熱材に蓄えた冷熱(低温熱の熱エネルギー)を放出する(放冷する)。これによって凝縮器3を流れる冷媒は外気温度よりもさらに冷却されるので、冷媒圧力が低下して圧縮機2の圧縮比が低下し、冷凍サイクルのCOP(成績係数)が向上することになる。
一方、車両が停止し、例えばアイドリングストップの所定の条件が満たされるとエンジン制御装置がエンジンを停止し、圧縮機2も停止する。このような圧縮機2が停止した場合の放冷モード時には冷凍サイクルの駆動が停止するため、図3に示すように、凝縮器3に対して送風をするための送風機は停止し、強制的な送風はなされない。このとき、冷凍サイクルでは、残圧により、高圧側である凝縮器3、受液タンク4から低圧側である蒸発器6に向けて冷媒が流れる。そして、蒸発器6を流出した後の冷媒は圧縮機2の吸込み側の配管部位12を通過して第2の流路14に流れ込み、蓄冷熱交換器9内に流入する。
この場合、蓄冷熱交換器9内に冷媒が流れ込むことにより放冷して凝縮器3の前面部側の空気を冷却しても蒸発器6の冷房能力には影響を与えない。しかしながら、蓄熱材セル9aの蓄熱材は冷熱(低温熱の熱エネルギー)を保持しているため、蒸発器6で蒸発したガス冷媒が蓄冷熱交換器9に流入し、内部で冷却されて凝縮することにより、サイクルの低圧側(蒸発器6、圧縮機2の吸込み側の配管、蓄冷熱交換器9)の冷媒圧力は蓄熱材の蓄積熱量が残っている間は低く維持される。
また、この放冷モードでは膨張弁5は閉じられているが、高圧側の凝縮器3等に残圧が残っている間は液冷媒がブリードポート10を通過して蒸発器6に流入可能となり、蒸発器6による冷房能力の維持を助けることができる。また、この放冷モードによると、圧縮機2が停止していても、車室内の乗員に対して冷房を供給でき、不快感を与えないようにできる。さらに放冷モードにおいて、車両が走行状態に移行するとエンジン制御装置がエンジンを起動し、圧縮機2も作動されると、上記蓄冷モードに移行する。
本実施形態に係る車両用空調装置の効果について以下に述べる。以上の構成によれば、例えばアイドリングストップ機能によるエンジンの停止、作動が連動するように、冷熱の移動をともなう蓄冷モード、圧縮機2作動の放冷モード、圧縮機2停止の放冷モードが繰り返し行われる運転を実施することができる。これにより、車両減速時の回生エネルギーを積極的に圧縮機2の駆動に活用して蓄冷を行い、効率のよくない運転域では圧縮機を停止または作動負荷を減少させて空調運転を行うことにより、走行燃費を向上させている。また、蒸発器6での冷媒の蒸発圧力と独立して蓄冷熱交換器9を流通する冷媒の圧力を制御することができるので、圧縮機2の出力が低減した場合でも蓄冷量を確保して冷凍能力の低下を抑制する冷凍サイクルを提供できる。
また、圧縮機2の作動時も放冷することにより、冷凍サイクル運転の制御に自由度が拡大し、車両の様々な走行状況に応じて蓄冷運転、放冷運転を適用することができるので、エンジンの燃費効率の高い領域で冷凍サイクルを運転させやすくなり、走行燃費の向上が得られる。また、圧縮機2の作動中であっても蓄冷熱交換器9の蓄積熱量を利用して放冷モードを実施することにより、圧縮機2の動力を補助する機能を有する冷凍サイクルを提供でき、冷凍サイクルのCOPの向上が得られる。
また、蓄熱材の周囲の空気が蓄熱材と熱交換した後、凝縮器3に向けて流れるように構成したことにより、凝縮器3が蓄熱材に蓄えられた低温の冷熱によって冷やされて、冷凍サイクルの高圧側の冷媒圧力が低下するので、圧縮機2の圧縮比が低減し、省動力の冷凍サイクルを実現できる。
また、蓄冷熱交換器9は凝縮器3を通過する空気の凝縮器3よりも上流側(車両前方で)で、凝縮器3に隣接して設けられていることにより、蓄冷熱交換器9の熱交換部分の体積を大きくしやすいので、蓄冷熱容量の拡大、放冷時間の増加が実現でき、走行燃費の一層の向上が図れる。
(第2実施形態)
第2実施形態の車両用空調装置に関する蒸気圧縮式冷凍サイクル20について図4にしたがって説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる構成、作動および作用効果のみについて説明し、その他は第1実施形態と同一である。図4は蒸気圧縮式冷凍サイクル20において圧縮機2が作動している場合の放冷モード時の冷媒流れを示した模式図である。
図4に示すように、蒸気圧縮式冷凍サイクル20は、圧縮機2、凝縮器3、受液タンク4、膨張弁5、蒸発器6、流路抵抗部7を順次環状に配管によって接続して構成される第1の流路21(主回路)に加え、第2の流路22を備えている。第2の流路22は、膨張弁5と受液タンク4との間の膨張弁5よりも上流側の配管部位23で第1の流路21から分岐する配管によって膨張弁8、蓄冷熱交換器9を順に接続した後、圧縮機2の吸込み側の配管部位24で第1の流路21に接続されて合流するように構成されている。蓄冷熱交換器9は蒸発器6に対して並列となるように配管によって接続されており、蒸発器6の前方で蒸発器6に隣接して設けられている。
次に、上記構成における蒸気圧縮式冷凍サイクル20の作動について説明する。蒸気圧縮式冷凍サイクル20の作動には、第1実施形態の蒸気圧縮式冷凍サイクル1と同様に、蓄冷モードと、圧縮機2が作動している放冷モードと、圧縮機2が停止している放冷モードと、がある。
以下に、圧縮機2が作動している放冷モードを図4にしたがって説明する。蓄冷モードが完了した段階で蓄冷熱交換器9は、膨張弁8による減圧と蓄冷モード時に冷やされた蓄熱材とによって、蒸発器6に送られる室内空気を冷却して蓄熱材に蓄えた低温熱の熱エネルギーを放出する(放冷する)。これにより、蓄冷熱交換器9に蓄冷された低温熱を室内空気を介して蒸発器6に供給することで冷凍サイクルに伝達して有効活用することができる。
本実施形態に係る車両用空調装置の効果について以下に述べる。本実施形態では、蓄熱材の周囲の空気が蓄熱材と熱交換した後、蒸発器6に向けて流れるように構成されている。これによれば、蒸発器6で冷却される前の空気と蓄熱材とが熱交換することにより、空気と蓄冷材との温度差が大きくなるので放冷能力を大きくすることができ、冷凍サイクルのCOPの向上が図れる。
(第3実施形態)
第3実施形態の車両用空調装置に関する蒸気圧縮式冷凍サイクル30について図5にしたがって説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる構成、作動および作用効果のみについて説明し、その他は第1実施形態と同一である。図5は蒸気圧縮式冷凍サイクル30における放冷モード時の冷媒流れを示した模式図である。
図5に示すように、蒸気圧縮式冷凍サイクル30は、圧縮機2、凝縮器3、受液タンク4、膨張弁5、蒸発器6、流路抵抗部7を順次環状に配管によって接続して構成される第1の流路31(主回路)に加え、第2の流路32を備えている。第2の流路32は、膨張弁5と受液タンク4との間の膨張弁5よりも上流側の配管部位33で第1の流路31から分岐する配管によって膨張弁8、蓄冷熱交換器9を順に接続した後、圧縮機2の吸込み側の配管部位34で第1の流路31に接続されて合流するように構成されている。蓄冷熱交換器9は蒸発器6に対して並列となるように配管によって接続されており、蒸発器6の前方で(風上側で)蒸発器6に隣接して設けられている。
次に、上記構成における蒸気圧縮式冷凍サイクル30の作動について説明する。蒸気圧縮式冷凍サイクル30の作動には、第1実施形態の蒸気圧縮式冷凍サイクル1と同様に、蓄冷モードと、圧縮機2が作動している放冷モードと、圧縮機2が停止している放冷モードと、がある。
以下に、圧縮機2が作動している放冷モードを図5にしたがって説明する。蓄冷モードが完了した段階で蓄冷熱交換器9は、膨張弁8による減圧と蓄冷モード時に冷やされた蓄熱材とによって、蒸発器6での熱交換によりある程度冷却された室内空気をさらに蓄熱材に蓄えた低温熱の熱エネルギーによって冷却して放冷する。このときの放冷は第2実施形態で説明した放冷よりも放冷能力が小さくなるが、その直前の放冷による加熱が抑えられるために、蓄熱材の温度が低く保たれることにある。
本実施形態に係る車両用空調装置の効果について以下に述べる。本実施形態では、蓄冷熱交換器9は蒸発器6内部の冷媒と熱交換される空気の流れ方向において蒸発器6よりも下流側に設けられている。これによれば、まず蒸発器6で冷却された空気がその後に蓄熱材と熱交換することにより、放冷時の蓄熱材の加熱が抑制されて蓄熱材の温度上昇を抑制することができる。したがって、蓄熱材を冷却する能力を大きくしやすく、蓄冷時間の短縮化が図れる。
(第4実施形態)
第4実施形態の車両用空調装置に関する蒸気圧縮式冷凍サイクル40について図6にしたがって説明する。本実施形態の蒸気圧縮式冷凍サイクル40は、蓄熱材の蓄積熱量を放冷するための伝達媒体として空気を介さないで冷凍サイクルの冷媒を介して行う構成を備えている。また、本実施形態では、第1実施形態と異なる構成、作動および作用効果のみについて説明し、その他は第1実施形態と同一である。図6は蒸気圧縮式冷凍サイクル40における放冷モード時の冷媒流れを示した模式図である。
図6に示すように、蒸気圧縮式冷凍サイクル40は、膨張弁5と凝縮器3との間の膨張弁5よりも上流側の配管部位(分岐部)で第1の流路45から分岐し、圧縮機2の吸込み側の配管部位49(合流部)で第1の流路45に合流するように配管によって接続された第2の流路46を備えている。さらに蒸気圧縮式冷凍サイクル40は、蒸発器6と圧縮機2との間の蒸発器6よりも下流側に設けられた流路抵抗部7と、第2の流路46において蒸発器6と並列になるように設けられた蓄冷熱交換器41と、を備えている。さらに蒸気圧縮式冷凍サイクル40は、蒸発器6と流路抵抗部7との間であって蒸発器6よりも下流側の配管部位48と第2の流路46の蓄冷熱交換器41よりも上流側の配管部とを接続するバイパス流路47と、蓄冷熱交換器41の入口および出口と第1の流路45との間の冷媒の流通を切り替える開閉手段と、を備えている。バイパス流路47で第1の流路45と第2の流路46とが接続されることによって、蓄冷熱交換器41は流路抵抗部7と並列関係にある。
そして、開閉手段は、それぞれ電磁弁である第1の開閉弁42、第2の開閉弁43、第3の開閉弁44で構成され、蓄冷熱交換器41の入口および出口と第1の流路45との間の冷媒の流通を切り替えるものである。第1の開閉弁42は、蓄冷熱交換器41よりも第2の流路46の上流側でかつ膨張弁8の下流側に設けられて、凝縮器3から流出した冷媒が第2の流路46に流入可能となるか否かを制御する弁である。第2の開閉弁43は、バイパス流路47に設けられて、蒸発器6から流出した冷媒が第2の流路46の蓄冷熱交換器41に流入可能となるか否かを制御する弁である。第3の開閉弁44は、蓄冷熱交換器41よりも下流側に設けられて、蓄冷熱交換器41内の冷媒が圧縮機2に吸入され得るか否かを制御する弁である。
次に、上記構成における蒸気圧縮式冷凍サイクル40の作動について、蓄冷モード、圧縮機2が作動している放冷モード、圧縮機2が停止している放冷モードを説明する。図6において、一点鎖線の矢印線は蓄冷モード時の冷媒の流れを示し、実線の矢印線は放冷モード時の冷媒の流れを示している。
車両走行時のエンジンにより圧縮機2が駆動され、蒸気圧縮式冷凍サイクル40が作動すると、初期状態(冷媒が第1の流路45のみを流れる状態)を経てから蓄冷モードが開始される。蓄冷モードでは、第1の開閉弁42および第3の開閉弁44が開状態に制御され、第2の開閉弁43が閉状態に制御されて、サイクル内の冷媒の流れは二つの経路を形成する。一つは圧縮機2、凝縮器3、膨張弁5、蒸発器6、流路抵抗部7、圧縮機2の順に流れる経路であり、もう一つは圧縮機2、凝縮器3、膨張弁8、第1の開閉弁42、蓄冷熱交換器41、第3の開閉弁44、圧縮機2の順に流れる経路である。そして、圧縮機2から吐出された冷媒は凝縮器3で凝縮液化される。凝縮器3を流出した冷媒の一部は、膨張弁5で減圧膨張された後、蒸発器6で周囲の空気から吸熱することで蒸発し、周囲の空気を冷却する。蒸発器6で蒸発した冷媒は、流路抵抗部7で減圧された後、圧縮機2の吸込み側の配管部位49(合流部)で第2の流路46を流れてきた冷媒と合流して圧縮機2に吸入される。
一方、凝縮器3を流出した冷媒の残部は、膨張弁5と凝縮器3との間の膨張弁5よりも上流側の配管部位(分岐部)で分岐して第2の流路46に流入し、膨張弁8により減圧膨張されて第1の開閉弁42を通った後、蓄冷熱交換器41の冷媒通路に流入する。蓄冷熱交換器41では、冷媒が蒸発することにより、蓄熱材セル41a内の蓄熱材が加熱状態から冷却され、低温の熱のエネルギーが蓄熱材に蓄冷されることになる。蓄冷熱交換器41を流出した冷媒は、第3の開閉弁44を通り、圧縮機2の吸込み側の配管部位49で第1の流路45を流れてきた冷媒に合流して圧縮機2に吸入される。蓄熱材への蓄冷が完了すると、蓄冷熱交換器41での冷媒と蓄熱材との間の熱移動が停止する。
次に放冷モードについて説明する。放冷モードは冷凍サイクルの冷媒を介して蓄熱材の蓄積熱量を放冷するモードである。蓄冷モードが完了した段階で第1の開閉弁42および第3の開閉弁44が閉状態に制御され、第2の開閉弁43が開状態に制御されると、放冷モードが開始される。このときの冷凍サイクル内の冷媒の流れは、第1の流路45を流通する経路と、蒸発器6よりも下流側の第1の流路45の配管部48から分流しバイパス流路47を介して蓄冷熱交換器41内に流入する経路と、になる(図6の実線の矢印線参照)。放冷モードにおいてバイパス流路47を通って蓄冷熱交換器41に流入する冷媒の流量は、蓄熱材セル41a内の蓄熱材の温度と蒸発器6の出口温度とによって決まる両者間の圧力差に比例するようになる。この蓄冷熱交換器41に流入する冷媒流量は、上記初期状態に対して高圧側の冷媒圧力(凝縮器3での冷媒圧力)が低下分に相当するので、放冷モードでは初期状態や蓄冷モードに対して高圧側冷媒が圧力低下し、冷凍サイクルのCOPが向上することになる。
一方、車両が停止し、例えばアイドリングストップの所定の条件が満たされるとエンジン制御装置がエンジンを停止し、圧縮機2も停止する。このような圧縮機2が停止した場合の放冷モード時には、第1の開閉弁42および第3の開閉弁44が閉状態に制御され、第2の開閉弁43が開状態に制御される。このとき、冷凍サイクルでは、残圧により、高圧側である凝縮器3から低圧側である蒸発器6に向けて冷媒が流れる。そして、蒸発器6を流出した後の冷媒はバイパス流路47から分流して第2の流路46に流れ込み、蓄冷熱交換器41内に流入する。また、この放冷モードによると、圧縮機2が停止していても、車室内の乗員に対して冷房を供給でき、不快感を与えないようにできる。さらに放冷モードにおいて、車両が走行状態に移行するとエンジン制御装置がエンジンを起動し、圧縮機2も作動されると、上記蓄冷モードに移行する。
本実施形態に係る車両用空調装置の効果について以下に述べる。本実施形態の蒸気圧縮式冷凍サイクル40は、第2の流路46と、蒸発器6に並列に配管接続された蓄冷熱交換器41と、バイパス流路47と、バイパス流路47によって蓄冷熱交換器41に並列に配管接続された流路抵抗部7と、を備え、さらに蓄冷時には閉じられる第1の開閉弁42と、放冷時には閉じられる第1の開閉弁42および第3の開閉弁44とを開閉手段として備えている。そして、蓄冷熱交換器41は、圧縮機2の作動時に冷媒によって冷却され、開閉手段の開閉により蒸発器6で蒸発した冷媒と蓄熱材とが熱交換することにより放冷する。
これにより、上記他の実施形態の車両用空調装置と同様に、圧縮機2の出力が低減するような場合でも蓄冷量を確保して冷凍能力の低下を抑制することができる。また、凝縮器3や蒸発器6、蓄冷熱交換器41等をそれぞれ個別に配置できる冷凍サイクルの構成なので、車両において蓄冷熱交換器41を搭載できる位置の自由度が高くなる。また、蒸発器6、凝縮器3、蓄冷熱交換器41等の各熱交換器の機能が独立して発揮できるように構成されているので各熱交換器の構造を簡単化できる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
上記実施形態においては、蒸気圧縮式冷凍サイクル装置1,20,30,40の減圧器として膨張弁を用いたが、これに代えて、エジェクタを用いてもよい。エジェクタは、高圧側冷媒を減圧膨張させるノズル部と、このノズル部から噴射される冷媒と蒸発器6から吸引される気相冷媒とを混合させて冷媒の圧力を昇圧させる昇圧部とを有するものであり、これにより、圧縮機2の動力を低減することができる。
また、第4実施形態では、蒸気圧縮式冷凍サイクル40の第2の流路46に、第3の開閉弁44と並列に接続される逆止弁(冷媒が蓄冷熱交換器41から圧縮機2の吸込口側に流れることを防止する弁)を設けてもよい。
第1実施形態の車両用空調装置に係る冷凍サイクルにおいて蓄冷モード時の冷媒流れを示した模式図である。 第1実施形態の冷凍サイクルにおいて圧縮機が作動している場合の放冷モード時の冷媒流れを示した模式図である。 第1実施形態の冷凍サイクルにおいて圧縮機が停止した場合の放冷モード時の冷媒流れを示した模式図である。 第2実施形態の車両用空調装置に係る冷凍サイクルにおける放冷モード時の冷媒流れを示した模式図である。 第3実施形態の車両用空調装置に係る冷凍サイクルにおける放冷モード時の冷媒流れを示した模式図である。 第4実施形態の車両用空調装置に係る冷凍サイクルにおける蓄冷モード時および放冷モード時の冷媒流れを示した模式図である。
符号の説明
1,40…蒸気圧縮式冷凍サイクル
2…圧縮機
3…凝縮器
5…膨張弁(減圧器)
6…蒸発器
9,41…蓄冷熱交換器
9a,41a…蓄熱材セル(蓄熱材)
13,45…第1の流路
14,46…第2の流路
42…第1の開閉弁(開閉手段)
43…第2の開閉弁(開閉手段)
44…第3の開閉弁(開閉手段)
47…バイパス流路

Claims (8)

  1. 冷媒を吸入して吐出する圧縮機(2)と、前記吐出された冷媒を冷却する凝縮器(3)と、前記凝縮器(3)で冷却された冷媒を減圧する減圧器(5)と、前記減圧された冷媒を蒸発させて車室内へ送風する空気を冷却する蒸発器(6)と、を順次環状に接続して構成される第1の流路(13)を有する蒸気圧縮式冷凍サイクル(1)を備えた車両用空調装置であって、
    前記蒸気圧縮式冷凍サイクル(1)は、前記減圧器(5)と前記凝縮器(3)との間の前記減圧器(5)よりも上流側で第1の流路(13)から分岐し、前記圧縮機(2)の吸込み側で前記第1の流路(13)に合流する第2の流路(14)を有しており、
    前記第2の流路(14)には蓄熱材(9a)を有し、前記蒸発器(6)と並列になるように接続される蓄冷熱交換器(9)が設けられており、
    前記蓄冷熱交換器(9)は、前記圧縮機(2)の作動時に冷媒によって冷却され、前記蓄熱材(9a)と周囲の空気とが熱交換することにより放冷することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記蓄熱材(9a)の周囲の空気は、前記蓄熱材(9a)と熱交換した後、前記凝縮器(3)に向けて流れることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記蓄冷熱交換器(9)は前記凝縮器(3)内部の冷媒と熱交換される空気の流れ方向において前記凝縮器よりも上流側で、前記凝縮器に隣接して設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記蓄熱材(9a)の周囲の空気は、前記蓄熱材(9a)と熱交換した後、前記蒸発器(6)に向けて流れることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  5. 前記蓄冷熱交換器(9)は前記蒸発器(6)内部の冷媒と熱交換される空気の流れ方向において前記蒸発器よりも上流側で、前記蒸発器に隣接して設けられていることを特徴とする請求項1または4に記載の車両用空調装置。
  6. 前記蓄冷熱交換器(9)は前記蒸発器(6)内部の冷媒と熱交換される空気の流れ方向において前記蒸発器よりも下流側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  7. 冷媒を吸入して吐出する圧縮機(2)と、前記吐出された冷媒を冷却する凝縮器(3)と、前記凝縮器(3)で冷却された冷媒を減圧する減圧器(5)と、前記減圧された冷媒を蒸発させて車室内へ送風する空気を冷却する蒸発器(6)と、を順次環状に接続して構成される第1の流路(45)を有する蒸気圧縮式冷凍サイクル(40)を備えた車両用空調装置であって、
    前記蒸気圧縮式冷凍サイクル(40)は、
    前記減圧器(5)と前記凝縮器(3)との間の前記減圧器(5)よりも上流側で第1の流路(45)から分岐し、前記圧縮機(2)の吸込み側で前記第1の流路(45)に合流する第2の流路(46)と、
    前記蒸発器(6)と前記圧縮機(2)との間であって前記蒸発器(6)よりも下流側設けられた流路抵抗部(7)と、
    蓄熱材(41a)を有し、前記第2の流路(46)に前記蒸発器(6)と並列に設けられる蓄冷熱交換器(41)と、
    前記蒸発器(6)と前記流路抵抗部(7)との間であって前記第1の流路(45)の前記蒸発器(6)よりも下流側と前記第2の流路(46)の前記蓄冷熱交換器(41)よりも上流側とを接続するバイパス流路(47)と、
    前記蓄冷熱交換器(41)の入口および出口と前記第1の流路(45)との間の冷媒の流通を切り替える開閉手段(42,43,44)と、
    を備え、
    前記蓄冷熱交換器(41)は、前記圧縮機(2)の作動時に冷媒によって冷却され、前記開閉手段(42,43,44)の開閉により前記蒸発器(6)で蒸発した冷媒と前記蓄熱材(41a)とが熱交換することにより放冷することを特徴とする車両用空調装置。
  8. 前記開閉手段は、
    前記蓄冷熱交換器(41)よりも前記第2の流路(46)の上流側に設けられた第1の開閉弁(42)と、
    前記バイパス流路(47)に設けられた第2の開閉弁(43)と、
    前記蓄冷熱交換器(41)よりも前記第2の流路(46)の下流側に設けられた第3の開閉弁(44)と、を含み、
    蓄冷時には前記第2の開閉弁(43)を閉じ、放冷時には前記第1の開閉弁(42)および前記第3の開閉弁(44)を閉じて前記第2の開閉弁(43)を開くことを特徴とする請求項7に記載の車両用空調装置。
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