JP2009183253A - 緑化フェンス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】緑化フェンス1は、フレーム部材2と、フレーム部材2に囲われた開口面に沿うようにして互いに離間距離をもって対向配置されるとともに、支柱21、21に対して着脱可能に設けられたネット3、3と、ネット3、3どうしの間に保持された保水性を有する固化培土4と、固化培土4に水を供給するための潅水手段5とを備えている。ネット3、3どうしの間の収容領域の一部には、所定の大きさの開口部Rを有して枠組みされた枠ユニット6が配置されている。
【選択図】図1
Description
特許文献1は、メッシュ状のフェンスの下端部に溝状の保持部を設け、その保持部内に植栽基盤、肥料、保水材などを一体化させた緑化材を挿入保持し、フェンスに蔓性の植物を絡ませるようにした緑化構造について記載したものである。
特許文献2は、建物壁面とフェンスとの間に土壌を袋詰めした土嚢を複数積み重ね、そのフェンス側に植物を繁茂させる緑化方法について開示したものである。
すなわち、特許文献2は土壌を詰めた土嚢の重量が大きくなるので、設置作業や、土壌や植物を取り替える際の作業が大掛かりとなり、施工性が低下するという欠点があった。
さらに、植物を適宜変更する作業を容易に行うことができないことから、例えばフェンスにデザイン性を必要とした用途に採用し難いという問題があり、その点で改良する余地があった。
そして、本緑化フェンスが平板状をなす植栽基盤をネット間に保持させる簡単な構造であるうえ、二重のネットのうち一方を取り外すことで、ネット間の収容領域を開放することができるので、植栽基盤の収容作業や交換作業を簡略化させることができ、植物の取り替えを容易に行うことができる。
本発明では、枠部材があるので植栽基盤上に載置させることができ、枠ユニット上に植栽基盤を載置させることが可能となる。そのため、枠ユニットを収容領域の任意の位置に配置させることで、緑化フェンスの一部に開口部を容易に設けることができ、緑化デザインの自由度をより一層高めることができる。
本発明では、枠ユニットの上方に配置される植栽基盤内の水を、枠ユニット内の導水管を通過させて枠ユニットの下方に配置される植栽基盤へ流す構成となるので、収容領域に配置される植栽基盤全体に水を供給することができ、開口部を設けた状態でも緑化構造としての機能を確保することができる。
本発明では、例えば複数の横材を設けることで、それら横材どうしの間に開口部を設けることができることから、緑化デザインの自由度をより一層高めることができる。
本発明では、開口部の上方に配置される植栽基盤内の水を、開口部内の導水管を介して開口部の下方に配置される植栽基盤へ流す構成となるので、収容領域に配置される植栽基盤全体に確実に水を供給することができ、開口部を設けた状態でも緑化構造としての機能を確保することができる。
本発明では、植栽基盤の下部側に比べて、下方への水の流出が多い植栽基盤の上部側の保水量を増やすことで、ネット間に保持される植栽基盤全体にわたって保水量を均一化させることができ、植物の発達が一様となるように調整することができ、緑化構造としての機能を確保することができる。
本発明では、雨水受け部で雨水を溜めておき、その雨水を雨水受け部の底部から上部潅水管を通過させて植栽基盤に水を供給することができることから、雨水が確保できる期間は、上部潅水管に水を供給する手間を不要にすることができる。
図1は本発明の実施の形態による緑化フェンスの全体構成を示す立面図、図2は図1に示す緑化フェンスのA−A線断面図、図3はネットの開閉状態を示す図であって、図2に対応する図、図4は枠ユニットの構成を示す図である。
図1及び図2に示すように、緑化フェンス1は、フレーム部材2と、フレーム部材2に囲われた開口面(平面)に沿うようにして互いに離間距離をもって対向配置されたネット3、3と、ネット3、3どうしの間に保持された保水性を有する固化培土4(植栽基盤)と、固化培土4に水を供給するための潅水手段5とを備えて概略構成されている。
なお、ネット3の網目の大きさは、任意とされるが、フレーム部材2に収容されている固化培土4が外れたり落下したりしないように配置できる大きさであることが好ましいとされる。
本潅水手段5では、雨水受け部51で雨水を溜めておくことができ、その雨水を雨水受け部51の底部51aから上部潅水管52を介して、上部潅水管52に接する固化培土4に水を供給し、雨水を有効的に活用することが可能な構成となっている。
すなわち、枠ユニット6は、固化培土4と同様、ネット3、3(図2参照)間に保持された状態で配置され、枠部材(縦材61、横材62)があるので固化培土4上に載置させることができるとともに、枠ユニット6上に固化培土4を載置させることが可能とされる。そして、枠ユニット6に導水管63が設けられているので、枠ユニット6の上方に配置される固化培土4内の水を、枠ユニット6内の導水管63を通過させて枠ユニット6の下方に配置される固化培土4へ流すことができる。
また、枠ユニット6を収容領域の任意の位置に配置させることで、緑化フェンス1の一部に開口部を容易に設けることができ、緑化デザインの自由度をより一層高めることができる。
さらにまた、雨水受け部51で雨水を溜めておき、その雨水を雨水受け部51の底部51a(図2参照)から上部潅水管52を介して固化培土4に水を供給することができることから、雨水が確保できる期間は、上部潅水管52に水を供給する手間を不要にすることができる。
図5は実施の形態の第1変形例による緑化フェンスを示す図であって、図2に対応する図である。
図5に示すように、第1変形例による緑化フェンス1Aでは、実施の形態の枠ユニット6(図2参照)を設けない構成であり、ネット3、3どうしの間の収容領域には、隣り合う支柱21、21(図1参照)の中間部どうしを連結する横材7、7が設けられた構成となっている。すなわち、横材7、7を設けることで、それら横材7、7どうしの間、横材7と上部横フレーム22との間、或いは横材7と下部横フレーム23との間に開口部Rを設けることができる。したがって、本第1変形例では、上述した実施の形態と同様に、緑化デザインの自由度をより一層高めることができる効果を奏する。
図6に示すように、本第2変形例では、上述した第1変形例の同様に横材7、7が設けられ、各段に対応するようにネット3が分割され、それぞれのネット3を個別に開閉させることができる構成となっている。
すなわち、第2変形例による緑化フェンス1Bは、各横材7、7および下部横フレーム23に対して各段に対応するネット3(上から順に上段ネット3C、中段ネット3D、下段ネット3E)の下端が回動自在に支持されている。そして、上段ネット3Cの上端が上部横フレーム22に、中段ネット3Dおよび下段ネット3Eの上端がそれぞれ横材7、7に着脱可能に設けられている。本第2変形例では、上述した実施の形態の効果に加えて、ネット3が複数に分割されて個々のネット3の大きさを小さくすることができるので、ネット3の取り扱いが容易となり、固化培土4の交換作業の効率化を図ることができる。
例えば、本実施の形態および変形例ではネット3を下部横フレーム23(第2変形例においては上段ネット3C及び中段ネット3Dが横材7、下段ネット3Eが下部横フレーム23)を回動自在な支点として開閉操作する構成としているが、これに限定されることはなく、例えば支柱21に回動自在に支持され、左右方向に開閉する構成、或いはボルト等の固定手段によりフレーム部材2に対してネット3を取り外す構成や、ネット3をその面方向にスライドできる構成であってもかまわない。
なお、潅水手段5として、必要に応じてタイマーや施肥設備を組み込むことで、自動で潅水や施肥を行うような構成とすることもできる。
さらにまた、フレーム部材2、ネット3、枠ユニット6、雨水受け部51、上部潅水管52の大きさ、形状、厚さ寸法などの構成はとくに制限されることはなく、緑化フェンス1の用途、使用目的などに応じて任意に設定することができる。
2 フレーム部材
21 支柱
3 ネット
4 固化培土(植栽基盤)
5 潅水手段
51 雨水受け部
52 上部潅水管
6 枠ユニット
63 導水管
7 横材
R 開口部
Claims (7)
- 支柱と、
前記支柱どうしの間の平面に沿うようにして互いに離間距離をもって対向配置されるとともに、前記支柱に対して着脱可能に設けられたネットと、
前記ネットどうしの間に保持された保水性を有する植栽基盤と、
前記植栽基盤に水を供給するための潅水手段と、
を備えていることを特徴とする緑化フェンス。 - 前記ネットどうしの間の収容領域の一部には、所定の大きさの開口を有して枠組みされた枠ユニットが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の緑化フェンス。
- 前記枠ユニット内には、上下方向に延びる導水管が配設されていることを特徴とする請求項2に記載の緑化フェンス。
- 前記ネットどうしの間の収容領域には、隣り合う前記支柱の中間部どうしを連結する横材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の緑化フェンス。
- 前記収容領域には、前記横材の上下方向側に開口部が設けられ、
前記開口部には、上下方向に延びる導水管が配設されていることを特徴とする請求項4に記載の緑化フェンス。 - 前記植栽基盤は、その上部側が下部側に比べて保水性の高い材料であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の緑化フェンス。
- 前記潅水手段は、
前記ネット上に設けられた雨水受け部と、
前記ネットの上部に配置され、前記雨水受け部の底部に連通する上部潅水管と、
を備えていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の緑化フェンス。
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