JP2001238544A - 植生枠およびその植生枠を備える植生構造体、並びにその植生構造体からなる連続植生構造体および沿道植生構造体 - Google Patents

植生枠およびその植生枠を備える植生構造体、並びにその植生構造体からなる連続植生構造体および沿道植生構造体

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JP2001238544A
JP2001238544A JP2000052403A JP2000052403A JP2001238544A JP 2001238544 A JP2001238544 A JP 2001238544A JP 2000052403 A JP2000052403 A JP 2000052403A JP 2000052403 A JP2000052403 A JP 2000052403A JP 2001238544 A JP2001238544 A JP 2001238544A
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Taro Miyagahara
太郎 宮ヶ原
Akira Sakai
晃 酒井
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Tenryu Industries Co Ltd
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Tenryu Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 植物の生育が良好な、植生枠およびその植生
枠を備える植生構造体を提供する。 【解決手段】 植生枠1は、上方に開口し、内部に土壌
12を詰めることができる収容空間Uを形成するよう
に、底網部2と、その底網部2につながって立設され
る、前網部3および後網部4と左右の側網部5、5とか
らなる。少なくとも、前網部3および/または後網部4
は、上向きに傾斜する植生面Hを形成するための、網状
の傾斜部Qとなっている。植生枠1の内側に植生シート
材11を張り、さらにその内側に土譲12を投入して植
生構造体10を形成する。複数個の植生構造体10、1
0を、長手方向に連続して並べて連結し、連続植生構造
体20およびガードレールなどの沿道植生構造体21を
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、ガード
レールとか防音壁あるいは植生緑化部等の構築に好適に
用いられる、植生枠およびその植生枠を備える植生構造
体、並びに、その植生構造体からなる連続植生構造体お
よび沿道植生構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の植生構造体としては、例
えば、特開平6−033426号公報記載の路肩に沿っ
て構築される防音壁が知られていた。この防音壁30
は、内部に網状のシート体を張りめぐらせた、上方に開
口する籠31を備え、その籠31内に、土壌等を投入し
て植生構造体32を形成し、その後、この植生構造体3
2を、路肩に沿って立設された支柱33、33間に、複
数個積み上げて構築された(図16参照)。前記籠31
は、ほぼ矩形状の底網部と、その底網部の四辺に一体的
につながり、前記底網部とでほぼ直角状に四方を囲むよ
うにして立設される、左右の側網部34(一方側図示な
し)と前網部35と後網部とからなっていた。そして、
緑化するには、前記シート体の一部を切り取り、その切
り口から内部の土壌を取り除いて穴を設け、その穴に植
物が植えられたポット等を埋設していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記防音壁
30は、長手方向に連続するように並べられる、前記前
網部35と後網部とが、ほぼ垂直方向に立設されて構築
されるため、これら前網部35と後網部とに植生させて
も、植物が十分に生育しない虞があった。
【0004】また、籠31を構成する、前記底網部、前
記左右の側網部34、並びに前記前網部35および後網
部は、一体的に形成されて分割できないため、籠31が
大型化した場合に、運搬時等において取り扱い上不便で
あった。さらに、道路のカーブに沿って防音壁30を構
築するような場合、かかる籠31によっては、左右の側
網部34等が障壁となり、カーブの形状に柔軟に対応し
て構築することが困難であった。
【0005】この発明は、上記した従来の問題点を解決
するためになされたものであり、その目的は、植物の生
育が良好な、植生枠およびその植生枠を備える植生構造
体、並びにその植生構造体からなる連続植生構造体およ
び沿道植生構造体を提供することにある。また、他の目
的は、運搬する際に取り扱い性のよい植生枠を提供する
ことにある。また、他の目的は、道路のカーブ等曲線部
に沿って並べて設置することが容易な植生枠を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る、植生枠
およびその植生枠を備える植生構造体、並びにその植生
構造体からなる連続植生構造体および沿道植生構造体
は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。す
なわち、請求項1に記載の発明に係る植生枠は、上方に
開口し、内部に土壌および/または土嚢を詰めることが
できる収容空間を形成する植生枠であって、上向きに傾
斜する植生面を形成するための、網状の傾斜部を備える
ことを特徴とする。これにより、前記収容空間に土壌お
よび/または土嚢を詰めると、前記網状の傾斜部によっ
て、植物の生育にとって良好な、上向きに傾斜する植生
面が形成されることとなる。
【0007】また、請求項2に記載の発明に係る植生枠
のように、底網部と、その底網部につながって立設され
る、前網部および後網部と左右の側網部とからなり、前
記網状の傾斜部は、少なくとも、前記前網部および/ま
たは後網部によって形成されてなるのが望ましい。これ
により、底網部の上方で、前網部および後網部と左右の
側網部とが取り囲むことによって前記収容空間を形成す
ることができる。そして、傾斜部としての前網部および
/または後網部が、植物の生育にとって良好な上向きに
傾斜する植生面を形成する。
【0008】また、請求項3に記載の発明に係る植生枠
のように、前記底網部と、前記前網部および後網部、並
びに、前記左右の側網部とは、互いに取り外し可能につ
ながっているのが望ましい。これにより、植生枠を運搬
する場合には、底網部、前網部、後網部、並びに左右の
側網部といった構成部ごとに分割した状態で運搬するこ
とができるので、嵩張ることがなく、取り扱い性がよ
い。
【0009】また、請求項4に記載の発明に係る植生枠
のように、底網部と、その底網部につながって立設され
る、前網部および後網部と、前記底網部につながり、左
右のいずれか一方側に立設される側網部とからなり、前
記網状の傾斜部は、少なくとも、前記前網部および/ま
たは後網部によって形成され、かつ、前記側網部に対向
する他方側は、隣接する他の植生枠の側網部によって閉
じられて、前記収容空間が形成されるのが望ましい。こ
のように、前記側網部に対向する他方側は、隣接する植
生枠の側網部によって閉じられるので、例えば、基礎上
に複数の植生枠を、網状の傾斜部が連続するように並べ
て設置する場合には、互いに隣接する各植生枠の間を、
一つの側網部で仕切ることができる。このとき、前記側
網部に対向する他方側は開放されているので、この他方
側に対して、隣接する植生枠の側網部およびその付近の
底網部を、部分的に重なり合うように、連結させること
もできるので、例えば、道路のカーブに沿うように並べ
ることが容易となる。
【0010】また、請求項5に記載の発明に係る植生枠
のように、前記底網部と、前記前網部および後網部、並
びに、前記左右のいずれか一方側の側網部とは、互いに
取り外し可能につながっているのが望ましい。これによ
り、植生枠を運搬する場合には、底網部、前網部、後網
部、並びに左右いずれか一方側の側網部といった各構成
部ごとに分割した状態で運搬することができるので、嵩
張ることがなく、取り扱い性がよい。
【0011】請求項6に記載の発明に係る植生構造体
は、基礎上に設置された前記植生枠と、その植生枠の内
側に張られる植生シート材と、その植生シート材の内側
に詰められる土壌および/または土嚢とを備え、少なく
とも、前記傾斜部に上向きに傾斜する植生面が形成され
てなることを特徴としている。これにより、傾斜部に
は、植物の生育にとって良好な、上向きに傾斜する植生
面が形成されることになる。なお、植生シート材とは、
ある程度の強度を有して土壌の流出を防ぐとともに、排
水機能を有し、かつ、植物の生育を可能とするシート材
であって、例えば、植生用のジオテキスタイルとか、植
生体を取り付けたネット等の網状シート、あるいは、植
生体そのもの、さらには、目の細かいネットもしくはジ
オテキスタイルに植生体を張り付けたもの等のことを言
う。
【0012】請求項7に記載の発明に係る植生構造体
は、基礎上に設置された前記植生枠と、その植生枠の内
側に詰められる土嚢とを備え、少なくとも、前記傾斜部
に上向きに傾斜する植生面が形成されてなることを特徴
としている。これにより、傾斜部には、植物の生育にと
って良好な、上向きに傾斜する植生面が形成されること
になる。ここで、土嚢としては、土壌のみを詰めた土嚢
に限られず、例えば、土壌とともに種子を含むことによ
り、土嚢そのものからの植生を可能とする、いわゆる植
生土嚢を用いることもできる。
【0013】また、請求項8に記載の発明に係る植生構
造体のように、前記上向きに傾斜する植生面は、吹き付
け工法、植生土嚢工法、もしくは植生ポット工法、また
は、これら吹き付け工法、植生土嚢工法、もしくは植生
ポット工法を併用する工法によって植生されるのが望ま
しい。このように、植生方法としては、特に限定される
ことなく、種々の方法で行うことができる。ここで、吹
き付け工法とは、種子、種子を含む肥料、または、これ
らを含む客土等からなる吹き付け材料を対象面に吹き付
ける工法を言う。また、植生土嚢工法とは、前記植生土
嚢を用いる工法であって、その植生土嚢中の種子の発芽
によって植生されるように、その植生土嚢を植生枠の内
側に詰める工法を言う。また、植生ポット工法とは、植
生ポットに、苗木等の植物を植えたり、挿し木をした
り、種子を蒔いたりしたものを、土壌中に植え込む工法
を言う。
【0014】請求項9に記載の発明に係る連続植生構造
体は、複数個の前記植生構造体を、前記傾斜部が連続す
るように並べて連結してなるものである。これにより、
植物の生育にとって良好な、上向きに傾斜する植生面
が、連続して形成される。
【0015】請求項10に記載の発明に係る沿道植生構
造体は、道路に沿って、前記植生構造体または前記連続
植生構造体を連続的に、あるいは、継続的に構築して形
成してなるものである。こうして、沿道植生構造体は、
ガードレール、防音壁、あるいは中央分離帯等の、道路
に沿う植生構造体として形成される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る、植生枠お
よびその植生枠を備えた植生構造体、並びにその植生構
造体からなる連続植生構造体および沿道植生構造体の実
施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】図1は、この発明に係る植生枠の第一の実
施の形態を示す展開図である。図中符号1は、植生枠で
ある。この植生枠1は、ほぼ矩形状に形成された底網部
2と、その底網部2の前方となる長辺部につながって立
設される、ほぼ矩形状の前網部3と、その底網部2の後
方となる長辺部につながって立設される、ほぼ矩形状の
後網部4と、前記底網部2の左右両側の短辺部につなが
って立設される、左右一対のほぼ台形状の側網部5、5
とからなる。
【0018】ここで、この植生枠1を構成する、底網部
2、前網部3、後網部4、および左右の側網部5、5の
各構成部は、それぞれ互いに取り外し可能である。よっ
て、各構成部は、別々に成形され、所要の連結具によっ
て互いにつなげられ、植生枠1を構成する。連結具とし
ては、例えば、螺旋状のコイル6があり、この螺旋状の
コイル6の先端部を、各構成部の網の開孔部に出入りさ
せつつ、渦状に巻いて、各構成部を、互いにつなげる。
もっとも、連結具としては、螺旋状のコイル6に限ら
ず、例えば、リングとかワイヤー、ロープその他のジョ
イント部材でもよい。なお、図示実施の形態における螺
旋状のコイル6は、底網部2の四辺の長さや前網部3お
よび後網部4のそれぞれの側辺の長さと、ほぼ同じ長さ
に形成されているが、取り扱い性を考慮すれば、もっと
短い長さの螺旋状のコイルであってもよく、また、複数
の短い螺旋状のコイル6を適宜の個所で使用してもよ
い。
【0019】こうして、底網部2と前網部3および後網
部4、底網部2と左右の側網部5、5、前網部3と左右
の側網部5、5、および後網部4と左右の側網部5、5
のそれぞれが互いにつながって植生枠1が組み立てられ
る。組み立てられた植生枠1は、例えば、高さが600
mm〜900mm、底幅が約600mm、長さが500
mm〜2000mm程度の縦断面台形状で上方に開口す
る籠体である(網目の大きさである開孔径は、約100
mm〜150mm程度)。もっとも、植生枠1の大きさ
は、後述するガードレールへの適用を考慮したものであ
って、特にこの数値に限定されるわけではない。よっ
て、植生枠1は、使用の目的に応じて、任意の大きさに
設定されるとよく、例えば、防音壁に適用する場合に
は、もう少し高さを高くする等し、また、使用の状況に
応じて、長さ方向の途中から適宜切断等して使用しても
よい。これにより、植生枠1には、前網部3および後網
部4のそれぞれの備える平面部によって、それらの下方
から他側の網部である後網部4もしくは前網部3側へと
上向きに傾斜する、網状の傾斜部Qが形成される。
【0020】そして、この発明に係る第二の実施の形態
の植生枠1aは、左右のいずれか一方側にのみ側網部5
が備わる態様のものである(図2参照)。すなわち、こ
の植生枠1aは、ほぼ矩形状に形成された底網部2と、
その底網部2の前方となる長辺部につながって立設され
る、ほぼ矩形状の前網部3と、その底網部2の後方とな
る長辺部につながって立設される、ほぼ矩形状の後網部
4と、前記底網部2の左右両側の短辺部のいずれか一方
側につながって立設される、ほぼ台形状の側網部5とか
らなる。ここで、この植生枠1aの各構成部は、第一の
実施の形態の植生枠1と同様に分割可能であり、底網部
2と前網部3および後網部4、底網部2と左右のいずれ
か一方側の側網部5、前網部3と左右のいずれか一方側
の側網部5、および後網部4と左右いずれか一方側の側
網部5とは、それぞれ互いに取り外し可能につながって
いる。そして、前記螺旋状のコイル6等、既述した適宜
連結具によって各構成部をつなげることで、植生枠1a
が組み立てられる。組み立てられた植生枠1aは、第一
の実施の形態の植生枠1と同様に、前網部3および後網
部4のそれぞれの備える平面部がそれらの下方から他側
の網部である後網部4もしくは前網部3側へと上向きに
傾斜する、網状の傾斜部Qを形成する。
【0021】そして、この植生枠1aは、側網部5に対
向する他方側の開放部7が、隣接する植生枠1または1
aの側網部5によって閉じられるように並べられ、その
隣接する植生枠1または1aとの間を、前記螺旋状のコ
イル6等の連結具によって連結して利用に供される(図
3参照)。これにより、互いに隣接する各植生枠1、1
aの間を、一つの側網部5で仕切ることができる。この
とき、側網部5に対向する他方側の開放部7に対して、
隣接する植生枠1または1aの側網部5およびその付近
の底網部2を、部分的に重なり合うように連結させるこ
ともでき、例えば、ガードレールを形成する場合等、各
植生枠1、1aを道路Wのカーブ等曲線部に沿うように
並べて設置することが容易となる(図4参照)。また、
このような各植生枠1、1aが部分的に重なり合う部分
であるZ部(図中の斜線部)は、省略してもよく、Z部
を構成する一方の植生枠1または1aの、底網部2およ
び前網部3を適宜切断することにより、各植生枠1、1
aの前網部同士3、3および後網部同士4、4を突き合
わせるようにして、各植生枠1、1aを連結させてもよ
い。
【0022】次に、以上の構成からなる植生枠、例え
ば、第一の実施の形態の植生枠1を備える植生構造体1
0について説明する。この植生構造体10は、図5に示
すように、基礎R上に設置される植生枠1と、その植生
枠1の内側全面に張られる植生シート材11と、その植
生シート材11の内側に投入されて詰められる土壌12
とを備え、前記植生シート材11は、土壌12の流出を
防ぐとともに、排水機能を有する。そして、少なくと
も、前網部3および後網部4が形成する網状の傾斜部Q
に植生させるわけであるが、図示実施の形態において
は、左右の側網部5、5にも植生させるようになってい
る。(図5および図9においては、傾斜部Qおよび左右
の側網部5、5に、まばらに発芽し、成長の途中段階に
ある緑化用植物が描かれている。)
【0023】ここで、植生枠1は、その内側全面に、前
記植生シート材11が張られ、その植生シート材11を
介して、その内部に、土壌12を詰めることができる収
容空間Uを形成する(図7参照)。そして、前記網状の
傾斜部Qは、その内側に植生シート材11が張られた、
植物の生育にとって良好な、上向きに傾斜する植生面H
を形成する。従来のように、垂直方向に立設される植生
面では、植生される植物の生育は不良となりやすく、ま
た、種子等を吹き付けて植生させようとしても、吹き付
けた種子が流れ落ちたりする。よって、かかる現象が起
こるのを防止するため、前記網状の傾斜部Qによって、
上向きに傾斜する植生面Hを形成するものである。
【0024】また、前記植生シート材11とは、ある程
度の強度を有して土壌12の流出を防ぐとともに排水機
能を有し、かつ、植物の生育を可能とするシート材であ
ればよく、例えば、植生用のジオテキスタイルとか植生
体を取り付けたネット等の網状シート、あるいは、植生
体そのもの、さらには、目の細かいネットもしくはジオ
テキスタイルに植生体を張り付けたもの等である。具体
的には、植生シート材11としては、編物、不織布、織
布、もしくは、これらが組み合わされた複合材等の繊維
材料からなる、いわゆるジオテキスタイル、または、孔
あき樹脂シートを延伸成形してなるジオグリッドとか押
出成形された樹脂ストランドを網目状に融着してなるジ
オネット等の非繊維材料からなるジオテキスタイル関連
製品を用いることができる。また、種子、肥料等を不織
布、紙等に張り付けた植生体を取り付けたネット等の網
状シート、あるいは、前記植生体そのものでもよい。さ
らには、ワイヤーラス、樹脂製ネット、繊維性ネット等
からなる、いわゆる植生ネット等であって、種子等を付
けたりするのに適した目の細かいネットそのもの、ある
いは、ジオテキスタイルに植生体を張り付けたものでも
構わない。したがって、植生シート材11は、ジオテキ
スタイルとか植生ネット等の、それ自身では植生機能を
発揮することができず、後述するような、吹き付け工法
等によって種子等が付くことにより植生が可能となるシ
ート材と、ネットに植生体を張り付けた網状シートとか
ジオテキスタイルに植生体を張り付けたもの等、それ自
身のみによって植生機能を発揮できるシート材とに大別
される。
【0025】なお、植生構造体10を構築するに際し
て、植生枠1を現場まで運搬する必要があるが、既述し
たように、植生枠1は、底網部2、前網部3、後網部
4、左右の側網部5、5の各構成部が取り外し可能につ
ながっているため、構成部ごとに分割した状態で運搬す
れば、嵩張らなくて済み、取り扱い性がよい。そして、
施工現場において、各構成部を、前記螺旋状のコイル6
等の連結具によってつなげて植生枠1として組み立てれ
ばよい。また、植生枠1は、構成部ごとに完全に分割し
た状態で運搬する必要はなく、例えば、底網部2の四辺
を基端として、前網部3、後網部4、および左右の側網
部5、5のそれぞれが、底網部2に、螺旋状のコイル6
等の連結具によって回動可能もしくは展開可能につなが
るように、折り畳んだ状態で運搬等してもよい。こうす
ると、植生枠1は、嵩張らないので取り扱い性がよいの
に加え、現場において迅速に組み立てられる。
【0026】そして、植生構造体10は、以下の手順に
よって構築される。すなわち、設置予定地の地面を掘削
等して均して基礎Rを形成し、その基礎R上に、植生枠
1を、底網部2が底面となるように設置する。次に、支
持杭13、13を、植生枠1の底網部2の網の開孔部1
4から突き出るように、所定の間隔を置いて打ち込む
(図6参照)。これらの支持杭13、13は、現地で伐
採した木を用いることで、資源の有効利用が図れる。ま
た、支持杭13は、植生構造体10が、ずれないで安定
して基礎R上に固定されるよう設けるものであって、そ
の数は、一本あるいは二本以上の複数本でよい。また、
支持杭13以外にも、例えば、アンカー用の鋼材、ある
いは、コンクリートパイル系等を用いてもよい。もっと
も、内部に投入される土壌12等によって植生構造体1
0が安定して設置されるならば、支持杭13とかアンカ
ー用の鋼材は不要である。なお、支持杭13、13等を
打ち込んだ後から、植生枠1を設置しても構わない。
【0027】次に、設置した植生枠1の内側全面に、前
記植生シート材11を覆うように張る。具体的には、植
生シート材11は、底網部2、前網部3および後網部4
に張る大型の植生シート材11aと、左右の側網部5、
5のそれぞれに張る、ほぼ台形状の左右一対の植生シー
ト材11b、11bとから構成される。また、植生シー
ト材11aの底網部2に張る部分については、支持杭1
3、13が突き出るように、通し孔を設けておく。もっ
とも、この底網部2については、植生シート材11を省
略しても構わない。場合によっては、底網部2以外につ
いても、植生シート材11を省略してもよい。なお、植
生シート材11を張る時期は、上記したように、植生枠
1として組み立てた後に張る場合に限らず、植生枠1と
して組み立てる前に予め張って置いてもよいし、また、
植生枠1として組み立てるのと並行して張ってもよく、
便宜性を考慮して任意に決めればよい。
【0028】そして、植生枠1の上端部に、望ましく
は、その中間部においても、前網部3と後網部4との間
に掛け渡すように、複数の間隔保持具15、15を取り
付ける(図示実施の形態では、上端部に、所定の間隔を
置いて三本)。これら間隔保持具15、15は、例え
ば、前網部3および後網部4の網に引っ掛けるよう、両
端部が折り返された細長の棒状鉄材等からなり、植生枠
1が、内部に詰められる土壌12の土圧によって膨らん
で張り出すのを防止する機能を有する。よって、かかる
機能が発揮される範囲で、間隔保持具15をどの個所に
取り付けるか、また、いくつ設けるのかを決定すればよ
い。なお、間隔保持具15は、前記鉄材の他、例えば、
金属ワイヤーその他の金属類、合成樹脂ロープ、あるい
はガラス繊維性ロープ等でもよい。
【0029】そして、植生シート材11の内側に、土壌
12を詰めて、植生枠1の内部の収容空間Uを充填する
(図8参照)。土壌12は、土壌のみでもよいが、岩石
等が混合されていてもよいし、また、肥料とか保水材が
混入されていても構わない。また、土嚢とか保水材の入
った保水袋を土壌中に入れてもよい。そして、施工現場
の土壌12が植物の生育に適するならば、その土譲12
を利用するとよい。こうすると、別途土壌12を搬送す
る手間が省ける。
【0030】その後、前網部3および後網部4によって
形成される前記網状の傾斜部Qと、左右の側面部5、5
と、土壌12が露出している天端部16とを、すなわ
ち、底網部2を除いた植生構造体10の全体が植生する
ようにする。植生方法としては、次のような方法があ
る。まず、天端部16の植生は、その露出している土壌
12に、直接苗木を植えたり、挿し木をしたりするとよ
く、また、緑化用植物等の種子を蒔いてもよい。苗木を
植えたり、挿し木をするには、直接行ってもよいが、例
えば、植生ポット、好ましくは、生分解性の植生ポット
に苗木を植えたり、挿し木をし、その植生ポットを、前
記露出している土壌12中に埋めればよい。また、挿し
木をするには、土嚢、好ましくは、土嚢袋の中に土壌と
ともに肥料とか保水材等を入れた土嚢に、花木等を挿し
て、露出している土壌12の上に載せる方法等がある。
また、例えば、土嚢袋の内側に植生体を張ったり種子を
付着させることにより、土壌12とともに種子等を含む
ようにして土嚢そのものからの植生を可能とする、いわ
ゆる植生土嚢が形成されるので、かかる植生土嚢を、露
出している土壌12の上に、植生土嚢中の種子の発芽す
る面が上を向くようにして載せてもよい。また、前記前
網部3および後網部4に張る植生シート材11を延長し
て天端部16をも覆うことにより、植生シート材11の
みで植生することもできる。この場合、底網部2、前網
部3、後網部4、および天端部16は、一つの植生シー
ト材11aによって覆われることができる(図9参
照)。
【0031】次に、前記傾斜部Qとしての前網部3およ
び後網部4と、左右の側面部5、5とを植生させる方法
について説明する。なお、傾斜部Qおよび左右の側網部
5、5のいずれも、同じ方法によって植生させることが
可能であるので、以下は、傾斜部Qの植生について説明
する。
【0032】この傾斜部Qには、天端部16と同様、苗
木を植えたり、挿し木をしたり、あるいは、緑化用植物
等の種子を蒔いたりすることができる。この場合、傾斜
部Qに対して、直接苗木を植えたり、種子を蒔いたりす
ることもできるが、以下の植生ポット工法によってもよ
い。すなわち、苗木を植えるには、まず前記植生ポット
に苗木を入れて苗木付きの植生ポットを作成する。一
方、傾斜部Qの方には、植生シート材11の一部に切れ
目を入れ、さらに、その切れ目を入れた内側の土壌12
を排除して、前記苗木付きの植生ポットを埋めるための
嵌め込み穴を形成しておく。そして、苗木付きの植生ポ
ットを、傾斜部Qの網の開孔部を介して、嵌め込み穴に
入れて、土壌12中に植え込む。また、植生ポットに緑
化用植物等の種子を蒔いたものも、同様に、前記嵌め込
み穴に入れ、土壌12中に植え込むことができる。挿し
木をする場合には、ネットからなる植生シート材11の
網目の開きが小さい場合には、挿し木可能なように網の
一部を切る等して網目を大きくし、そこに挿し木をする
か、前記苗木と同様の植生ポット工法によって植生させ
るとよい。また、植生シート材11が、例えば、ネット
に植生体を張り付けた網状シート、または、ジオテキス
タイルに植生体を張り付けたもの、あるいは植生体その
ものからなる場合には、植生体からの発芽が期待できる
ので、苗木を植えたり、挿し木をしたりすることを省略
することができる。もっとも、この場合でも、苗木や挿
し木との併用は、可能である。
【0033】また、傾斜部Qには、種子、種子を含む肥
料、または、これらを含む客土等からなる吹き付け材料
を吹き付ける、いわゆる吹き付け工法によって植生させ
ることもできる。すなわち、この工法は、例えば、種
子、土壌、肥料、および土壌活性材等を混合してなる吹
き付け材料を、ポンプ等を用いて、傾斜部Qに吹き付け
ることによって行う。また、前記天端部16に対して吹
き付けを行ってもよいし、天端部16を含む全体に吹き
付けてもよい。この場合の植生シート材11は、吹き付
け材料が絡み易く、材料の流出、落下を防止できるもの
が好ましい。もちろん、この吹き付ける方法と、上記し
たような、例えば、苗木を植える植生方法とか植生体を
用いる植生方法とを併用してもよい。このように、植生
構造体10への植生は、吹き付け工法、植生ポット工
法、植生体や土嚢を用いる工法等、種々の方法によって
行うことができ、どの方法によるかは、任意に決定すれ
ばよい。そして、これらから選択した任意の植生方法を
用いることで、傾斜部Qによって形成された上向きに傾
斜する植生面Hは、植生される。
【0034】また、植生構造体10は、土壌12の代わ
りに土嚢40を、植生シート材11の内側に詰めること
によって形成されてもよい。すなわち、植生構造体10
cは、植生枠1の内部の前記収容空間Uに、複数の土嚢
40、40を、敷き詰めるように積み上げて形成される
ことができる(図10参照)。この場合、収容空間Uが
適当に充填されていれば、土嚢40の形状とか大きさ
は、特に限定されず、また、その敷き詰める数や積み上
げる際の配列等も任意である。そして、土嚢が、既述し
たような植生土嚢40aである場合、この植生土嚢40
aからの植生と、植生シート材11からの植生と、両者
からの植生が期待できる。すなわち、植生構造体10c
は、植生シート材11のすぐ内側に、その植生シート材
11と対面位置するように、植生土嚢40a、40a
の、種子の発芽が期待できる片面を配置することによっ
て形成されるとよい(図11参照)。そして、天端部1
6を構成する土嚢も、植生土嚢40aにし、その種子の
発芽が期待できる片面が上に向くように配置するとよ
い。一方、表面に露出せず、前記収容空間Uの内部に埋
もれる土嚢は、植生土嚢40a、40aである必要はな
い。このように、少なくとも前記植生土嚢40a、40
aの片面側に、上向きに傾斜する植生面Hが形成される
ように、その植生土嚢40a、40aを植生枠1の内側
に詰める、いわゆる植生土嚢工法と、既述した植生シー
ト材11からの植生方法、例えば、吹き付け工法とか植
生ポット工法等を適宜に併用させることで、種々のバリ
エーションの植生を図ることができる。
【0035】ところで、前記植生シート材11は、内部
に詰められる土壌12の流出を防止する機能を有する
が、かかる機能は、土嚢のみによっても達成できる。よ
って、植生構造体10dは、植生枠1と、その植生枠1
の内側に詰められる土嚢40とを備え、植生シート材1
1が用いられることなく構成されるものであってもよい
(図12参照)。そして、少なくとも、前記傾斜部Qに
植生させるわけであるが、その方法は、前記吹き付け工
法とか植生ポット工法その他の既述した種々の植生方法
によって植生させることが可能となる。もちろん、天端
部16の植生も、傾斜部Qと同様、吹き付け工法とか植
生ポット工法等によることができる。
【0036】また、土嚢として、植生土嚢40aを用い
れば、植生土嚢工法として、植生土嚢40aそのものか
らの植生が期待できる。この場合、植生構造体10d
は、植生枠1の前網部3および後網部4とか左右の側網
部5、5のすぐ内側に、それらと対面位置するように、
植生土嚢40a、40aの、種子の発芽が期待できる片
面を配置することによって形成されるとよい(図13参
照)。天端部16を構成する土嚢も、植生土嚢40aで
あるのが望ましい。一方、表面に露出せず、前記収容空
間Uの内部に埋もれる土嚢は、植生土嚢40a、40a
である必要はない。これにより、あえて吹き付け工法と
か植生ポット等によって植生させなくても、傾斜部Qと
か天端部16を植生させることができる。もっとも、吹
き付け工法とか植生ポット工法その他の種々の植生方法
と、この植生土嚢工法とを適宜に併用して植生させても
よいのは、既述した通りである。
【0037】なお、植生構造体10(10c、10d)
への植生は、必ずしも、植生構造体10(10c、10
d)の全体になされる必要はない。例えば、左右の側網
部5、5への植生は省略してもよいし、また、傾斜部Q
全体にではなく、傾斜部Qを部分的に植生させるもので
もよい。
【0038】一方、第二の実施の形態の植生枠1aの場
合、側網部5が、左右のいずれか一方側のみにしかない
ので、植生構造体10aを構築するには、既述したよう
に、植生枠1aを複数個並べて、側網部5と対向する他
方側の開放部7を、隣接する植生枠1、1aの側網部5
によって閉じ、土壌12および/または土嚢を詰めるこ
との可能な前記収容空間Uを確保する。その後は、上記
した第一の実施の形態の植生枠1から植生構造体10を
構築するのと同様の手順で植生構造体10aを構築する
ことができる。もっとも、隣接する植生枠1、1aとの
間を仕切る側網部5は、各植生構造体10、10aの内
部にあって表面に現れないので、植生させる必要はな
い。よって、そのような側網部5には、植生シート材1
1を張るのを省略してもよい。
【0039】この第二の実施の形態の植生枠1aを利用
すれば、効率的に、複数個の植生構造体10aを、前記
傾斜部Qが長手方向に連続するように並べて連結して連
続植生構造体20を形成することができる。もちろん、
第一の実施の形態の植生枠1を備える植生構造体10
(10c、10d)を、傾斜部Qが長手方向に連続する
ように複数個並べて連結して連続植生構造体20を形成
してもよい。
【0040】また、第一の実施の形態の植生枠1を備え
る植生構造体(以下、第一の植生構造体10(10c、
10d)と言う。)と第二の実施の形態の植生枠1aを
備える植生構造体(以下、第二の植生構造体10aと言
う。)とを組み合わせて連続植生構造体20を形成する
こともできる。この場合、連続植生構造体20を形成す
る予定地の一端部に、第一の実施の形態の植生枠1を設
置し、その第一の実施の形態の植生枠1の、左右の側網
部5、5のうちの一方側の側網部5に、第二の実施の形
態の植生枠1aの他端側の開放部7を、合わせるように
並べて設置する(図3参照)。そして、隣接する各植生
枠1、1aのそれぞれの前網部3、3の網を、前記螺旋
状のコイル6等の連結具によって連結する。同様に、各
植生枠1、1aのそれぞれの後網部4、4の網も、螺旋
状のコイル6等の連結具によって連結する。そして、各
植生枠1、1aの内側に前記植生シート材11を張り、
その植生シート材11の内側に土壌12および/または
土嚢を投入し、各傾斜面Q、Qと各天端部16、16と
を植生させることにより、第一の植生構造体10(10
c、10d)と第二の植生構造体10aとが連結された
連続植生構造体20が形成される(図14参照)。もっ
とも、第一の植生構造体10(10c、10d)と第二
の植生構造体10aとは、同時に形成される必要はな
く、例えば、第一の植生構造体10(10c、10d)
を形成した後に、第二の実施の形態の植生枠1aを連結
させ、それから、第二の植生構造体10aを形成しても
よい。
【0041】こうして、第一の植生構造体10(10
c、10d)と第二の植生構造体10aとの間は、第一
の植生構造体10(10c、10d)が備える、一つの
側網部5によって仕切られることとなる。そして、さら
に、この第二の植生構造体10aの側網部5に、他の、
第二の実施の形態の植生枠1aの開放部7を合わせるよ
うに並べて設置することで、次々と第二の植生構造体1
0a、10aが設置され、連続植生構造体20は、長手
方向に延設される。
【0042】もっとも、連続植生構造体20の中間部を
構成する植生構造体は、例えば、底網部2と、前網部3
および後網部4とからなり、左右のいずれにも側網部の
ない植生枠を用いるものであってもよい。
【0043】また、第二の実施の形態の植生枠1aから
も、前記植生構造体10cおよび10dに相当する植生
構造体を構築できるのは勿論である。この場合の植生構
造体は、第二の実施の形態の植生枠1aの内側に、植生
シート材11を張り、さらに、その植生シート材11の
内側に、前記土嚢40もしくは植生土嚢40aを詰め、
植生構造体10c相当の植生構造体として形成される
か、あるいは、第二の実施の形態の植生枠1aの内側
に、直接土嚢40もしくは植生土嚢40aを詰め、植生
構造体10d相当の植生構造体として形成される。
【0044】そして、連続植生構造体20は、傾斜部Q
が長手方向に連続して並ぶことにより、植物の生育が良
好な植生面Hが、長手方向に連続して形成される。よっ
て、道路Wに沿って、植生構造体10(10a、10
c、10d)または連続植生構造体20を連続的に、あ
るいは、継続的に構築して形成すると、景観上優れた沿
道植生構造体21を形成することができる。ここで、沿
道植生構造体21としては、例えば、ガードレール、防
音壁、中央分離帯等の、緑化された沿道構造体が挙げら
れる。沿道植生構造体21としてのガードレール、防音
壁等は、既述したように、第二の実施の形態の植生枠1
aを用いることによって、道路Wのカーブ等曲線部に沿
って容易に構築することができる。
【0045】なお、この発明は、上述した実施の形態に
限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能であ
る。例えば、植生枠は、左右両側の側網部5、5、ある
いは、左右のいずれか一方側の側網部5の有する平面部
が、上向きに傾斜するようにして、前網部3および後網
部4と同様の、網状の傾斜部Qとなっていてもよい。
【0046】また、植生枠は、前網部3あるいは後網部
4のいずれか一方側のみによって傾斜部Qが形成される
ものであってもよい。この第三の実施の形態の植生枠1
bを備える植生構造体10bは、前網部3あるいは後網
部4のいずれか一方側のみに、上向きに傾斜する植生面
Hが形成され、他方側はほぼ垂直方向に立設する垂直面
18が形成されることとなる(図15参照)。もちろ
ん、第三の実施の形態の植生枠1bからも、前記植生構
造体10cおよび10dに相当する植生構造体を構築す
ることができ、その場合の植生構造体は、第三の実施の
形態の植生枠1bの内側に、植生シート材11を張り、
その植生シート材11の内側に、前記土嚢40もしくは
植生土嚢40aを詰め、植生構造体10c相当の植生構
造体として形成されるか、あるいは、第三の実施の形態
の植生枠1bの内側に、直接土嚢40もしくは植生土嚢
40aを詰め、植生構造体10d相当の植生構造体とし
て形成される。このように、上向きに傾斜する植生面H
を形成するための網状の傾斜部Qは、少なくとも、前網
部3および/または後網部4によって形成されていれば
よく、使用の目的に応じて、任意に設計すればよい。例
えば、沿道植生構造体21としてのガードレールを形成
する場合、傾斜部Qが道路側となるように植生構造体1
0(10a、10b、10c、10d)を並べて連結す
ると、植物の生育にとって良好な、上向きに傾斜する植
生面Hが、道路側に向けて、連続的に、あるいは、継続
的に並ぶので、景観上好ましい。また、植生枠の底網部
2は、左右の側網部5、5と異なり、剛体としてのフレ
ーム構造である必要はなく、例えば、変形容易な網でも
よい。
【0047】また、連続植生構造体20および沿道植生
構造体21の中間部を構成する植生構造体10(10
a、10b、10c、10d)が備える側網部5、5
は、構造体の内部に埋没するので、植生面Hとしての機
能を考慮する必要はない。よって、側網部5、5の代わ
りに、網状でない、単なる仕切り板材を用いてもよい。
もちろん、前網部3または後網部4のいずれか一方側
が、このような仕切り板材で形成されてもよい。
【0048】また、植生枠は、運搬上の取り扱い容易性
等を考慮しないならば、底網部2、前網部3、後網部
4、および左右の側網部5、5の各構成部が、それぞれ
に取り外し可能である必要はない。よって、植生枠は、
各構成部が、溶接等によって分割不能に一体的につなが
っていてもよい。
【0049】このように、植生枠は、植物の生育が良好
な、上向きに傾斜する植生面Hを形成することができる
ならば、その形状とか構造は特に限定されず、使用の目
的に応じて、適宜に変更可能である。
【0050】
【発明の効果】以上、詳述したところから明らかなよう
に、この発明によれば、次の効果がある。
【0051】請求項1または2に記載された植生枠によ
れば、植物の生育にとって良好な、上向きに傾斜する植
生面の形成が可能となる。
【0052】また、請求項3または5に記載された植生
枠によれば、加えて、運搬する際に取り扱い性がよい。
【0053】また、請求項4に記載された植生枠によれ
ば、加えて、道路のカーブ等曲線部に沿うように並べて
設置することが容易である。
【0054】また、請求項6または7に記載された植生
構造体によれば、植物の生育にとって良好な上向きに傾
斜する植生面を備える。
【0055】また、請求項8に記載された植生枠によれ
ば、加えて、上向きに傾斜する植生面からの植生を確実
に図ることができる。
【0056】また、請求項9に記載された連続植生構造
体によれば、かかる植生面が連続して形成され、景観上
好ましい。
【0057】また、請求項10に記載された沿道植生構
造体によれば、ガードレール、防音壁、あるいは中央分
離帯等として構築され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る植生枠の第一の実施の形態の展
開図である。
【図2】この発明に係る植生枠の第二の実施の形態の展
開図である。
【図3】第二の実施の形態の植生枠の開放部を、第一の
実施の形態の植生枠の側網部によって閉じて、土壌を詰
めるための収容空間を形成する状態を示す斜視図であ
る。
【図4】沿道植生構造体としてのガードレールを形成す
るため、道路のカーブに沿って、第二の実施の形態の植
生枠に、隣接する植生枠を連結させた状態を示す平面図
である。
【図5】第一の実施の形態の植生枠を用いて構築してな
る植生構造体の斜視図である。
【図6】第一の実施の形態の植生枠を、基礎上に設置し
た状態を示す平面図である。
【図7】同じく、内側に植生シート材を張って、間隔保
持具を、前網部と後網部との間に掛け渡すよう、取り付
けた状態を示す斜視図である。
【図8】同じく、植生シート材の内側に土壌を投入し、
その土壌によって収容空間が充填された状態を示す斜視
図である。
【図9】植生シート材が延長されて天端部をも覆った状
態の、植生構造体の縦断面に相当する模式図である。
【図10】収容空間に土嚢を充填して形成される、他の
実施の形態に係る植生構造体の縦断面に相当する模式図
である。
【図11】同じく、土嚢として植生土嚢を含む図10相
当図である。
【図12】植生シート材が用いられることなく構成され
る、さらなる他の実施の形態に係る植生構造体の縦断面
に相当する模式図である。
【図13】同じく、土嚢として植生土嚢を含む図12相
当図である。
【図14】この発明に係る、連続植生構造体または道路
に沿って構築される沿道植生構造体の斜視図である。
【図15】第三の実施の形態の植生枠を用いて構築して
なる植生構造体の斜視図である。
【図16】従来の植生構造体としての防音壁を構築する
状態を示す概略図である。
【符号の説明】
H 上向きに傾斜する植生面 Q 傾斜部
R 基礎 U 収容空間 W 道路 1(1a、1b) 植生枠 2 底網部
3 前網部 4 後網部 5 側網部 7 側
網部に対向する他方側 10(10a、10b、10c、10d)植生構造体 11(11a、11b) 植生シート材 12 土壌 20 連続植生構造体
21 沿道植生構造体 40 土嚢 40a 植生土嚢
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B027 NC02 NC37 NC38 NC39 ND01 NE09 QA05 QD02 QD03 2D001 AA00 BA01 CA04 2D101 CA03 CA06 CA07 CB04 EA01 FA00 FB03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方に開口し、内部に土壌および/また
    は土嚢を詰めることができる収容空間を形成する植生枠
    であって、 上向きに傾斜する植生面を形成するための、網状の傾斜
    部を備えることを特徴とする植生枠。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の植生枠であって、 底網部と、その底網部につながって立設される、前網部
    および後網部と左右の側網部とからなり、 前記網状の傾斜部は、少なくとも、前記前網部および/
    または後網部によって形成されてなることを特徴とする
    植生枠。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の植生枠であって、 前記底網部と、前記前網部および後網部、並びに、前記
    左右の側網部とは、互いに取り外し可能につながってい
    ることを特徴とする植生枠
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の植生枠であって、 底網部と、その底網部につながって立設される、前網部
    および後網部と、前記底網部につながり、左右のいずれ
    か一方側に立設される側網部とからなり、 前記網状の傾斜部は、少なくとも、前記前網部および/
    または後網部によって形成され、かつ、前記側網部に対
    向する他方側は、隣接する他の植生枠の側網部によって
    閉じられて、前記収容空間が形成されることを特徴とす
    る植生枠。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の植生枠であって、 前記底網部と、前記前網部および後網部、並びに、前記
    左右のいずれか一方側の側網部とは、互いに取り外し可
    能につながっていることを特徴とする植生枠。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    の植生枠を備える植生構造体であって、 基礎上に設置された前記植生枠と、その植生枠の内側に
    張られる植生シート材と、その植生シート材の内側に詰
    められる土壌および/または土嚢とを備え、 少なくとも、前記傾斜部に上向きに傾斜する植生面が形
    成されてなる植生構造体。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    の植生枠を備える植生構造体であって、 基礎上に設置された前記植生枠と、その植生枠の内側に
    詰められる土嚢とを備え、 少なくとも、前記傾斜部に上向きに傾斜する植生面が形
    成されてなる植生構造体。
  8. 【請求項8】 請求項6または7に記載の植生構造体で
    あって、 前記上向きに傾斜する植生面は、吹き付け工法、植生土
    嚢工法、もしくは植生ポット工法、または、これら吹き
    付け工法、植生土嚢工法、もしくは植生ポット工法を併
    用する工法によって植生される植生構造体。
  9. 【請求項9】 請求項6ないし8のいずれか1項に記載
    の植生構造体からなる連続植生構造体であって、 複数個の前記植生構造体を、前記傾斜部が連続するよう
    に並べて連結してなる連続植生構造体。
  10. 【請求項10】 請求項6ないし8のいずれか1項に記
    載の植生構造体または請求項9に記載の連続植生構造体
    を備える沿道植生構造体であって、 道路に沿って、前記植生構造体または前記連続植生構造
    体を連続的に、あるいは、継続的に構築して形成してな
    る沿道植生構造体。
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