JP3262719B2 - 硬質法面の緑化工法及びこれに使用する柵状体 - Google Patents

硬質法面の緑化工法及びこれに使用する柵状体

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JP3262719B2
JP3262719B2 JP24120796A JP24120796A JP3262719B2 JP 3262719 B2 JP3262719 B2 JP 3262719B2 JP 24120796 A JP24120796 A JP 24120796A JP 24120796 A JP24120796 A JP 24120796A JP 3262719 B2 JP3262719 B2 JP 3262719B2
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文雄 相羽
裕紀 吉田
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天龍工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、法面の緑化工法及
びこれに使用する資材に関し、特に法面が、岩盤が剥き
出しのままになっているか、あるいは表面にモルタル等
からなる硬質層を有した硬質なものである場合に適した
緑化工法及びこれに使用する柵状体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば山間地で新規に形成された道路の
脇や造成地においては、その法面の岩盤が崩れないと考
えられる場合はそのまま剥き出しに、また岩盤等の表面
が崩れ易いと考えられる場合には、これにモルタル等を
吹き付けて硬質層を形成し、この硬質層によって法面の
保護を行うことがなされてきた。
【0003】ところが、このような硬質層や剥き出しに
されていた岩盤は、永年の風化によって亀裂等が入るよ
うになってきており、新たな保護を必要とするようにな
ってきている。また、モルタル等による硬質層や岩盤は
そのままでは美観に欠けるものであるから、これらの表
面を植物によって覆い、見た目に美しい景観とする要望
も高まってきている。
【0004】以上のような硬質法面の新たな保護と景観
の維持は、その硬質法面を緑化することにより同時に達
成できることから、そのための緑化工法としては種々な
ものが既に提案されてきている。例えば、特開平7−1
58072号公報には、硬質法面上に多数のウイングと
呼ばれる羽根を固定して、これらのウイング間に植生基
材を吹き付けるようにしたものであるが、各ウイング間
には距離があるため、各ウイング間から植生基材が流れ
落ちる可能性がある。
【0005】このため、例えば図11に示したように、
モルタル等の硬質層に貫通孔を多数明けておくととも
に、硬質法面上に集水マットと仕切網とを配置して、こ
れらの上に植物のための生育基盤材(植生基材)を吹き
付けておき、この植生基材を行う工法も提案されてきて
いる。この図11に示した工法では、保水性に富む植生
基材を使用するとともに、硬質層に形成した貫通孔から
地山中の水分を集水マットに供給するようにして、貫通
孔への根系の侵入促進を図るとともに、老朽化した硬質
層の修復・補強を可能にしているものである。
【0006】この図11に示した緑化工法では、植生植
物と所謂「草本類」しか対象としていないものであり、
そのために植生基材の厚さはせいぜい10cm程度しか
ないものである。つまり、植生基材の厚さを規定してい
る仕切網は、その高さがせいぜい10cm程度しかない
ものであり、それ自体を横方向に長く連続したものとし
て構成できるだけでなく、硬質法面上に対する固定も簡
単に行えるものとなっている。
【0007】ところが、実際の硬質法面の保護を植生に
よって行うには、「草本類」よりも「木本類」である植
物を採用する必要があるのである。何故なら、草本類の
根系は非常に浅くかつ短いものであるため、その根系が
硬質層の表面を単にはうだけか、あるいは10cmとい
う薄い植生基材中に入り込むだけであるから、この根系
によって硬質法面の保護を行うことは殆ど不可能であ
る。これに対して、「木本類」の根系は、硬質層内へも
入り込んで地山あるいは岩盤にも届くものであるため、
硬質法面の緑化を行う植生植物として、「木本類」を採
用するのが最も適しているのである。しかしながら、
11に示した従来の工法では、その植生基材の厚さが非
常に薄いため、「木本類」による植生・緑化を行うこと
は、殆ど不可能となっているのである。
【0008】そこで、本発明者等は、硬質法面の保護及
び緑化を確実に行うにはどうしたらよいかについて研究
を重ねてきた結果、植生植物として木本類を採用できる
ようにすることが良いとの結論を得て、本発明を完成し
たのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な経緯に基づいてなされたもので、その解決しようとす
る課題は、硬質法面上に木本類を植生するのに適した厚
さの着根層を形成することである。
【0010】そして、まず請求項1に係る発明の目的と
するところは、着根層の厚さを木本類の成育に適した3
0cm前後のものとすることができ、かつこの厚い着根
層を形成している植生基材や客土を硬質法面上に永年に
わたって確実に保持することのできる緑化工法を提供す
ることにある。
【0011】請求項2に係る発明の目的とするところ
は、上記請求項1に係る緑化工法を確実に実現すること
のできる柵状体を、簡単な構造・構成によって提供する
ことにある。
【0012】請求項3に係る発明の目的とするところ
は、上記請求項1に係る緑化工法をさらに効果的なもの
とすることにあり、保水袋の深さも含めた着根層の厚さ
を木本類の成育に適した30cm前後のものとすること
ができるだけでなく、この厚い着根層を形成している植
生基材や客土を硬質法面上に永年にわたって確実に保持
しながら、かつ十分な保水性を有したものとすることの
できる緑化工法を提供することにある。
【0013】(削除)
【0014】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、請求項1に係る発明の採った手段は、以下の実施
形態において使用する符号を付して説明すると、「岩盤
が剥き出しのままになっているか、あるいは表面にモル
タル等からなる硬質層21を有した硬質法面20に、植
物を積極的に成育させるようにした緑化工法であって、
一端にアンカーピン30が挿通される固定部13を有
し、その略中央部に植物の根が入り得る多数の穴を有し
た第1枠体11と、この第1枠体11に対して横方向へ
スライド可能に組付けられて、その他端にアンカーピン
30が挿通される固定部14を有し、かつその略中央部
に植物の根が入り得る多数の穴を有した第2枠体12と
により構成した柵状体10の多数を、硬質法面20上に
配列してこれらをアンカーピン30によって固定するこ
とにより、所定の高さを有した連続する複数の堰10a
を構成し、これら各堰10aの上方を網状体40によっ
て覆ってから、各柵状体10間および上方に、肥料や土
壌改良材を含む植生基材あるいは客土、またはこれらに
植物の種子を混入したものを注入して、網状体40及び
各柵状体10によって硬質法面20上に所定厚さの着根
層50を形成し、植生基材あるいは客土中の種子を発芽
させるか、または着根層50に挿木を施すことにより、
硬質法面20上の緑化を行うようにしたことを特徴とす
る緑化工法」である。
【0015】すなわち、この請求項1に係る緑化工法で
は、まず多数の柵状体10をアンカーピン30等によっ
て硬質法面20上に連続した状態で固定するのであり、
これにより硬質法面20上に多数の柵状体10からなる
連続状の堰10aを形成するのである。このようにする
のは、各柵状体10の有する高さによって、後に形成さ
れる着根層50の厚さを、例えば30cm前後の厚いも
のとするためであり、かつ多数の柵状体10からなる堰
10aの硬質法面20上に対する保持を各アンカーピン
30によって確実に維持できるようにするためである。
この堰10aを形成するに際しては、例えば図8の
(イ)及び(ロ)に示したように、その形状をジグザグ
状のものとすれば、各堰10aが支持すべき着根層50
の土圧を硬質法面20の直下方向だけでなく横方向へも
分散できるため、有利なものとなる。また、図8の
(ロ)に示すように、横方向に位置している堰10aの
間を、縦方向の堰10aによって連結すれば、各堰10
a間の連結状態が強固となるため、有利なものとなる。
【0016】また、多数の柵状体10をアンカーピン3
0によって硬質法面20上に固定するに際しては、各柵
状体10を2段、3段と上方へ積み上げることもなされ
る。つまり、1つの柵状体10の高さが小さい場合に、
この柵状体10の一つのみでは十分な高さ(深さ)の着
根層50を形成することができないから、この柵状体1
0を、2段、3段と積み上げてその高さ確保を行うよう
にするのである。すなわち、この柵状体10は、一定の
高さで硬質法面20上に強固に固定され得るものとする
ために、主として第1枠体11及び第2枠体12によっ
て構成したものであり、その必要な剛性を維持しながら
横方向への長さ調整を自由に行えるようにするために、
その第2枠体12を第1枠体11に対してスライド自在
としたものである。そして、この柵状体10は、アンカ
ーピン30によって硬質法面20上に固定するものであ
るから、このアンカーピン30のための挿通孔を第1枠
体11の一端に設けた固定部13と、第2枠体12の他
端に設けた固定部14とに 形成したものである。また、
これらの固定部13及び14は、各柵状体10を互いに
連結するための役目を果たすものであるから、一つの柵
状体10の固定部13は、他の柵状体10の固定部14
にその段部13aを挿通することにより、一体化される
ものである。さらに、各柵状体10の第1枠体11及び
第2枠体12は、上述した堰10aを形成するものであ
り、この堰10aによって着根層50中の伏流水の流下
を可能にしながら植生基材あるいは客土の流出を防止す
ると同時に、植生植物Pの根が反対側へ張ることや網体
11aに絡みつくことができるようにするために、これ
ら第1枠体11及び第2枠体12はその略中央部に多数
の開口部を有しているものである。
【0017】硬質法面20上に各柵状体10による堰1
0aが完成すれば、これら堰10aの上面に網状体40
を張設するのであるが、これは、後に吹き付けられる植
生基材あるいは客土の硬質法面20に対する保持を確実
にするためである。なお、以下の実施形態においては、
この堰10a上に張設される網状体40と同様な法面側
網状体41を、各堰10aを形成する前の硬質法面20
上に張設することがなされるものであり、これにより、
植生基材あるいは客土の硬質法面20に対する保持をよ
り一層確実化できるようにしている。
【0018】そして、以上のように形成した堰10aの
各柵状体10間に、肥料や土壌改良材を含む植生基材あ
るいは客土を、吹き付け等の手段により注入するのであ
る。この植生基材あるいは客土の注入は、種々な方法に
よってなされ得るが、細粉化した植生基材あるいは客土
を空気圧のみを利用して吹き付ける等の手段が採られる
ものである。なお、この植生基材あるいは客土の柵状体
10間への注入は、植生植物の種子がない植生基材ある
いは客土で網状体40面まで一旦行い、さらにその上に
植生植物の種子を含む植生基材あるいは客土を表層のみ
被覆するようにしてなされることもある。
【0019】以上のようにすれば、複数の柵状体10か
らなる各堰10a、及び網状体40によって、硬質法面
20上に対して十分な保持がなされた着根層50が形成
されることになるから、この着根層50中の種子を発芽
させたり挿木を施すことにより、本発明の緑化工法が完
了するのである。
【0020】このような緑化工法を採用するにあたって
は、請求項2に係る柵状体10を使用するとよい。すな
わち、この請求項2に係る発明の採った手段は、「岩盤
が剥き出しのままになっているか、あるいは表面にモル
タル等からなる硬質層21を有した硬質法面20上にア
ンカーピン30によって連続した状態で固定され、硬質
法面20上に所定高さを有した連続する複数の堰10a
を構成するための柵状体10であって、一端にアンカー
ピン30が挿通される固定部13を有し、その略中央部
に植物の根が入り得る多数の穴を有した第1枠体11
と、この第1枠体11に対して横方向へスライド可能に
組付けられて、その他端にアンカーピン30が挿通され
る固定部14を有し、かつその略中央部に植物の根が入
り得る多数の穴を有した第2枠体12とにより構成した
ことを特徴とする緑化工法において使用する柵状体1
0」ということになる。
【0021】すなわち、この柵状体10は、一定の高さ
で硬質法面20上に強固に固定され得るものとするため
に、主として第1枠体11及び第2枠体12によって構
成したものであり、その必要な剛性を維持しながら横方
向への長さ調整を自由に行えるようにするために、その
第2枠体12を第1枠体11に対してスライド自在とし
たものである。
【0022】そして、この柵状体10は、アンカーピン
30によって硬質法面20上に固定するものであるか
ら、このアンカーピン30のための挿通孔を第1枠体1
1の一端に設けた固定部13と、第2枠体12の他端に
設けた固定部14とに形成したものである。また、これ
らの固定部13及び14は、各柵状体10を互いに連結
するための役目を果たすものであるから、一つの柵状体
10の固定部13は、他の柵状体10の固定部14にそ
の段部13aを挿通することにより、一体化されるもの
である。
【0023】さらに、各柵状体10の第1枠体11及び
第2枠体12は、上述した堰10aを形成するものであ
り、この堰10aによって着根層50中の伏流水の流下
を可能にしながら植生基材あるいは客土の流出を防止す
ると同時に、植生植物Pの根が反対側へ張ることや網体
11aに絡みつくことができるようにするために、これ
ら第1枠体11及び第2枠体12はその略中央部に多数
の開口部を有しているものである。
【0024】次に、上述した課題を解決するために、請
求項3に係る発明の採った手段は、「岩盤が剥き出しの
ままになっているか、あるいは表面にモルタル等からな
る硬質層を有した硬質法面20に、植物を積極的に成育
させるようにした緑化工法であって、硬質法面20上
に、保水材や肥料等71を収納する保水袋70のための
収納穴23を多数形成するとともに、一端にアンカーピ
ン30が挿通される固定部13を有し、その略中央部に
植物の根が入り得る多数の穴を有した第1枠体11と、
この第1枠体11に対して横方向へスライド可能に組付
けられて、その他端にアンカーピン30が挿通される固
定部14を有し、かつその略中央部に植物の根が入り得
る多数の穴を有した第2枠体12とにより構成した柵状
体10の多数を、硬質法面20上に配列してこれらをア
ンカーピン30によって固定することにより、所定の高
さを有した連続する複数の堰10aを構成し、硬質法面
20上の各収納穴23内に保水袋70を収納するととも
に、各堰10aの上方を網状体40によって覆ってか
ら、各柵状体10間および上方に、肥料や土壌改良材を
含む植生基材あるいは客土、またはこれらに植物の種子
を混入したものを注入して、網状体40及び各柵状体1
0によって硬質法面20上に所定厚さの着根層50を形
成し、植生基材あるいは客土中の種子を発芽させるか、
または着根層50に挿木を施すことにより、硬質法面2
0上の緑化を行うようにしたことを特徴とする緑化工
法」である。
【0025】すなわち、この請求項3に係る緑化工法で
は、請求項1に係る緑化工法について、多数の柵状体1
0による堰10aを硬質法面20上に形成する前に、こ
の硬質法面20上に多数の収納穴23を形成しておき、
これら各収納穴23内に、保水材等71を収納した保水
袋70を収納施工しておくものであり、これにより、保
水袋70も含めた着根層50の深さを、木本植物Pが根
を張るのに適した30cm前後のものとするのである。
ここで使用される柵状体10は、一定の高さで硬質法面
20上に強固に固定され得るものとするために、主とし
て第1枠体11及び第2枠体12によって構成したもの
であり、その必要な剛性を維持しながら横方向への長さ
調整を自由に行えるようにするために、その第2枠体1
2を第1枠体11に対してスライド自在としたものであ
る。そして、この柵状体10は、アンカーピン30によ
って硬質法面20上に固定するものであるから、このア
ンカーピン30のための挿通孔を第1枠体11の一端に
設けた固定部13と、第2枠体12の他端に設けた固定
部14とに形成したものである。また、これらの固定部
13及び14は、各柵状体10を互いに連結するための
役目を果たすものであるから、一つの柵状体10の固定
部13は、他の柵状体10の固定部14にその段部13
aを挿通することにより、一体化されるものである。さ
らに、各柵状体10の第1枠体11及び第2枠体12
は、上述した堰10aを形成するものであり、この堰1
0aによって着根層50中の伏流水の流下を可能にしな
がら植生基材あるいは客土の流出を防止すると同時に、
植生植物Pの根が反対側へ張ることや網体11aに絡み
つくことができるようにするために、これら第1枠体1
1及び第2枠体12はその略中央部に多数の開口部を有
しているものである。
【0026】各収納穴23は、天然繊維や成分解性プラ
スチック等の、雨水や土中の微生物によって分解される
材料によって、織布または不織布状、あるいは網状に形
成したものであり、いずれは植生植物Pの肥料または硬
質法面20の構成材となるものである。そして、この収
納穴23内には、硬質法面20の各収納穴23に対する
収納施工の前に、図10の(ロ)に示したように、保水
材等71が収納されるのであり、この保水材等71を収
納した保水袋70は、図9に示すように、植生植物Pの
根系が発達し易い、言わば着根層50と同様な部分を硬
質法面20に形成するのである。
【0027】これにより、硬質法面20に対して、この
保水袋70内の保水材等71の深さと、植生基材が吹き
付けられることによって形成される着根層50の深さと
により、木本植物Pの根が張るのに適した深さの土の部
分を形成するのである。従って、この請求項3の緑化工
法によって、仮に堰10aの高さが低いものであって
も、全体として十分な深さの着根層を形成するのであ
り、木本植物Pが十分根を張ることができ、かつこの十
分張った根により硬質法面20の保護がなされるのであ
る。
【0028】それだけでなく、表層を水が流れ易い硬質
層21の一部にこの保水袋70を配置することにより、
この保水袋70を通して雨水が硬質層21の下層内に浸
透するとともに、硬質層21の下層内の水分を着根層5
0側に供給するものとなるから、着根層50に植生植物
Pが成育する際に不足することがある水分の補給を、こ
れら各保水袋70が行うことになるのである。これによ
っても、木本植物Pの根の張りを十分なものとするので
ある。
【0029】なお、このような保水袋70を採用するこ
とによって、柵状対10の高さを30cm前後のものと
する必要性はなくなる。すなわち、保水袋70内も着根
層50の一部となるのであれば、この保水袋70の深さ
分だけ柵状体10の高さを低くして、柵状体10の構成
をより一層簡単なものとし得るのである。
【0030】従って、この保水袋70を使用した緑化工
法では、植生植物Pの成育を常に安定して行うことがで
きるのであり、硬質法面20上の植生植物Pによる緑化
を十分かつ確実に行うことができるのである。
【0031】(削除)
【0032】(削除)
【0033】(削除)
【0034】(削除)
【0035】(削除)
【0036】以上の請求項1または請求項3に係るいず
れの緑化工法においても重要なことは、特にモルタルを
吹き付けて形成した硬質層21を殆んどそのままの状態
にしておき、この硬質層21を破壊することによる所謂
「残土」を殆ど発生させないまま行えるということであ
る。勿論、以上の緑化工法の内保水袋70のための収納
穴23の形成が必要なものについては、各収納穴23分
の残土が発生するが、その量は、当該施工現場において
処理できる程度の少量なものであり、本発明の各請求項
の緑化工法を施工することによる残土の問題は殆ど生じ
ないのである。
【0037】また、以上の保水袋70を採用するように
した請求項3及び請求項4の緑化工法において、木本植
物Pの挿木を採用する場合には、その挿木場所を保水袋
70の直上にすると、木本植物Pの根が保水袋70内へ
まっすぐ伸びることができることになり、木本植物Pの
成育をより一層確実に行えるのである。この挿木場所を
保水袋70の直上にする方法は、非常に簡単である。何
故なら、保水袋70の上面には植生基材に水を混ぜて吹
き付けることにより着根層50を形成するのであるが、
この植生基材中の水がひいたとき、保水袋70の上方に
は、水のひきにより、目に見える窪みが自然に形成さ
れ、これにより保水袋70の直上を簡単に見つけられる
からである。
【0038】
【発明の実施の形態】次に、請求項1及び請求項2に係
る発明を、図面に示した実施の形態に従って説明する
が、この場合、請求項2に係る柵状体10は、請求項1
に係る緑化工法を実施するに際して使用されるものであ
るから、この柵状体10の説明から行うことにする。
【0039】この柵状体10は、図6及び図7に示した
ように、断面略コ字状の第1枠体11及び第2枠体12
から主として構成したものであり、第1枠体11に対し
て第2枠体12はスライド可能としてある。つまり、こ
の柵状体10の保管や運搬を行う場合には、その第2枠
体12を第1枠体11内に完全に収納しておき、その全
長を短くするものであり、緑化工法を施工するために使
用する場合には、例えば図6に示したように第2枠体1
2を最大限引き出して、堰10aの一部を構成するもの
としての十分な長さを有したものとするものである。
【0040】第2枠体12を第1枠体11から引き出す
ときには、その両者間の位置関係が変化しないようにす
るとよいが、本実施形態の柵状体10では、これを第1
枠体11側の端部に一体的に形成した案内部15によっ
て行うようにしている。すなわち、図7に示したよう
に、第1枠体11の図示右端側にはそれぞれ内側に突出
する部分を有する案内部15が形成してあり、この案内
部15が第2枠体12側に形成した案内溝15a内に常
に係止するのである。
【0041】また、この柵状体10の第2枠体12を第
1枠体11から引き出した時には、その両者間を固定化
する必要があるが、それを行うのが取付ボルト17なの
である。すなわち、この取付ボルト17は、第1枠体1
1側の端部(図6では図示左端部)に形成した1つの穴
に挿通してナットにより固定されるものであるが、その
一部は、第2枠体12側の上縁及び下縁に形成した位置
調整長穴16に挿通されるものである。この位置調整長
穴16は、図6に示したように、第2枠体12側の上下
両縁に複数形成したものであり、これにより、位置調整
長穴16側の剛性が位置調整長穴16の存在によって低
下しないようにするとともに、完全には引き出さない第
2枠体12の第1枠体11に対する固定をも行えるよう
にしているものである。つまり、各柵状体10の第2枠
体12は、全ての柵状体10について第1枠体11から
完全に引き出されるものではなく、例えば硬質法面20
上の状態によって縮めた方が良い場合があるからであ
り、また堰10aの両端となる柵状体10についてはそ
の全長を短くする必要がある場合であるから、その第1
枠体11からの引き出しを、例えば1/3程度か半分程
度で納めておく場合があるのである。
【0042】そして、この柵状体10は、アンカーピン
30によって硬質法面20に固定されるものであるか
ら、このアンカーピン30を挿通するための固定部13
及び14が、図6に示したように、第1枠体11の一端
(図では図示右端)、及び第2枠体12の他端(図では
図示左端)にそれぞれ形成してある。また、本実施形態
では、1つの柵状体10における第1枠体11側の固定
部13は、これに隣接する柵状体10における第2枠体
12側の固定部14に、そのアンカーピン30を挿通す
るための挿通穴を共通にして簡単に連結できるようにす
るものであり、そのために、図6に例示したように、第
1枠体11側の固定部13の下端に段部13aを形成し
たものとしてある。勿論、この固定部13の段部13a
は、当該柵状体10と隣接する柵状体10側の固定部1
4に形成した挿入段部14a内に挿入されるものであ
る。
【0043】さらに、この柵状体10は、図8に示した
ような堰10aを構成したときに、植生植物Pの根が柵
状体10を越えて十分張ることができるようにするため
に、多数の穴を中央部の略全面に形成したものである。
本実施形態の柵状体10は、図6及び図7に示したよう
に、第1枠体11及び第2枠体12の略中央を開口とし
て、この開口に網体11a及び12aを張ることによ
り、穴の形成を行っている。勿論、これらの網体11a
及び12aは、後述する植生基材あるいは客土を簡単に
は通さないが、水や植生植物Pの根を通すことができる
程度の編目を有するものであることは言うまでもない。
【0044】なお、この柵状体10の網体11a及び1
2aは、後述する網状体40及び41と同様に、所謂
「金網」によって構成することもあるが、着根層50内
に埋設されることになるものであるから、この着根層5
0が水分の多いものとなる可能性が高い場合には、合成
樹脂製等の非腐食性の網によって形成したものを採用す
る等、伏流水を流下できるものであればその材質を問わ
ず実施できる。
【0045】さて、以上のような柵状体10を使用し
て、硬質法面20の緑化を行うには、多数の柵状体10
が図8に示したような堰10aを硬質法面20上に形成
できるように、その各固定部13及び14の挿通穴内に
アンカーピン30を挿通しながら、各アンカーピン30
を図1及び図3に示すように固定するのである。このア
ンカーピン30の硬質法面20に対する固定を行うに
は、硬質法面20上の硬質層21が薄い場合には、その
まま打ち込むことによって行えばよいのであるが、硬質
層21が厚いか剥き出しの岩盤がそのまま硬質法面20
上にある場合には、アンカーピン30の固定のためのア
ンカー固定穴22を硬質法面20上に形成すればよい。
このアンカー固定穴22の間隔はそれ程厳密にする必要
はない。何故なら、各柵状体10においては第2枠体1
2が第1枠体11に対してスライド自在となっているか
ら、両固定部13及び14の間隔を自由に調整できるか
らである。
【0046】なお、各柵状体10の硬質法面20上への
固定をするにあたっては、図2に示したように、硬質法
面20上に法面側網状体41を予め張設しておいてもよ
い。何故なら、細粒としてある植生基材あるいは客土の
硬質法面20上に対する保持を、各柵状体10や後述す
る網状体40だけではなく、この法面側網状体41によ
っても行うようにして、硬質法面20上での着根層50
の保持を確実にするためである。特に、この法面側網状
体41は、硬質法面20上の硬質層21が平面形状のも
のである場合に有効である。
【0047】なお、網状体40及び41は、前述したよ
うに、所謂「金網」によって構成することもあるが、着
根層50内に埋設されることになるものであるから、こ
の着根層50が水分の多いものとなる可能性が高い場合
には、合成樹脂製等の非腐食性の網によって形成したも
のを採用して実施してもよいものである。
【0048】次に、図4に示すように、硬質法面20上
に固定された各柵状体10の上面に網状体40を固定
し、この上に、図5に示したように植生基材あるいは客
土を吹き付けて着根層50を構成するのである。この着
根層50中に植生植物Pの種子を含ませたい場合には、
次のようにすると効率が良い。つまり、例えば網状体4
0を基準にしてその下側の着根層50は、植生植物Pの
種子を含まない植生基材あるいは客土によって構成して
おいて、その上面に植生植物Pの種子を含む植生基材あ
るいは客土を吹き付けるのである。そうすれば、着根層
50の表層にのみ植生植物Pの種子が播かれることにな
って、無駄がなくなるのである。
【0049】植生植物Pの着根層50に対する植生をそ
の種子から行わずに、挿木のみによって行う場合には、
当該着根層50の表層を構成するための植生基材あるい
は客土中に木本類種子を混入させることはないが、木本
類の挿木の周囲に草本類の花を咲かせたい場合には、着
根層50の表層を構成するための植生基材あるいは客土
中に草本類の種子を混入させて、更に木本類の挿木を行
なうこともある。
【0050】また、木本類と草本類の種子を植生基材あ
るいは客土中に一緒に混入、これを着根層50の表層に
吹き付けて、草本類の花を先に咲かせてから、木本類を
徐々に成長させるようにすることもある。勿論、挿木の
使用や、各種子の混合割合等は、適宜選定すればよいも
のである。
【0051】挿木による木本類の植生を行なう場合に
は、別の場所で成長させた挿木を着根層50上に植え付
けるものであることは言うまでもない。
【0052】なお、挿木を着根層50の表層に行なう方
法としては、挿木そのものを直接植え付けるようにする
他、 ・根の部分を少しの土と一緒にネットに包んでおいたも
のを採用して、このネットに包んだ部分を、着根層50
の表層に形成しておいた挿木穴内に挿入する方法 ・着根層50中で崩壊する材料によって形成した筒状の
ものの中に、挿木の根の部分と土とを収納しておき、こ
の筒状のものを、着根層50の表層に形成しておいた挿
木穴内に挿入する方法 ・着根層50に、この中で崩壊する材料によって形成し
た筒状のものを予め入れておいて、その後にこの筒状の
ものの中に、挿木の根の部分と土とを詰める方法 等が考えられる。これらのネットや袋の中に、保水材等
の植生基材を予め入れておけば、挿木の吸水性を維持し
て、成育を確実なものとすることができる。
【0053】以上のような種子からの植生を行うのに適
した木本類は、次の表1に例示した通りである。
【表1】
【0054】また、挿木による植生を行うのに適した木
本類は、次の表2に示した通りである。
【表2】
【0055】本実施形態においては、高さが約27cm
程度の柵状体10を採用しているものであり、この柵状
体10の上端からでる着根層50の厚さを3〜5cmと
しているものであり、結果として、着根層50の厚さが
30〜32cmとなるようにしている。これにより、植
生植物Pが木本類であっても、図1に示したように、そ
の根系が着根層50内にて十分発達することができるの
である。また、多数の柵状体10を連ねて構成される各
堰10a間の間隔は、図8に示したように、1〜2mと
している。
【0056】図9には、請求項3に係る緑化工法を施工
した後の状態が示してあるが、この緑化工法では、請求
項1における堰10aを形成する前に、保水材等71を
収納した保水袋70を、硬質法面20に、図10の
(イ)に示したように形成しておいた収納穴23内に収
納しておくようにするものである。
【0057】この実施形態の保水袋70は、図10の
(ロ)に示したように、直径が約60mmで高さが約1
00mmの袋状のものとして形成したものであるが、こ
の大きさは自由に変えられるものであることは言うまで
もない。また、この保水袋70の上端は、中に保水材等
71を入れたとき、その表面が大きく露出するように、
開口させたままのものとしてある。そして、この保水袋
70は、硬質法面20の所定部分に、図10の(イ)に
示したような保水材等71の露出部分を形成するもので
あり、施工時の保水材等71の保持と、硬質法面20の
一部に植生植物Pの根が張り得る部分を形成するもので
あるから、ある一定期間が過ぎれば、消失しても構わな
いのものである。従って、本実施形態の各保水袋70
は、パルプや天然繊維等によって、織布状、不織布状、
あるいは網状に形成したものである。勿論、この保水袋
70の材料として、土中の微生物によって分解され得
る、成分解性プラスチックを採用して実施してもよいも
のである。
【0058】この保水袋70内には、図10の(ロ)に
示したように、肥料や保水材等71が収納されるのであ
るが、この保水材等71としては、次の表3に示すよう
な種々なものがされ得る。すなわち、硬質法面20の改
質をも行いたい場合には、表3中の右端欄に記入してあ
る「土壌改良機能」に応じて、「資材の種類」の欄に記
載してある資材を選択すればよいのである。
【0059】
【表3】
【0060】勿論、以上のような保水材等71を詰めた
保水袋70は、硬質法面20あるいはその表層の硬質層
21に対して施工しなければならないのであるから、図
10の(イ)に示したように、この保水袋70を収納す
るための収納穴23を硬質法面20に形成するのであ
る。この収納穴23は、アンカーピン30のためのアン
カー固定穴22の形成と同時に行えばよいものである
が、図10の(イ)に示したように、約30cmの間隔
でグリッド状に形成し、高さが約100mmで約60m
mの直径となり得る保水袋70を収納するのに適した大
きさ深さのものとすればよい。
【0061】(削除)
【0062】(削除)
【0063】(削除)
【0064】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明にお
いては、上記実施形態において例示した如く、「岩盤が
剥き出しのままになっているか、あるいは表面にモルタ
ル等からなる硬質層21を有した硬質法面20に、植物
を積極的に成育させるようにした緑化工法であって、
端にアンカーピン30が挿通される固定部13を有し、
その略中央部に植物の根が入り得る多数の穴を有した第
1枠体11と、この第1枠体11に対して横方向へスラ
イド可能に組付けられて、その他端にアンカーピン30
が挿通される固定部14を有し、かつその略中央部に植
物の根が入り得る多数の穴を有した第2枠体12とによ
り構成した柵状体10の多数を、硬質法面20上に配列
してこれらをアンカーピン30によって固定することに
より、所定の高さを有した連続する複数の堰10aを構
成し、これら各堰10aの上方を網状体40によって覆
ってから、各柵状体10間および上方に、肥料や土壌改
良材を含む植生基材あるいは客土、またはこれらに植物
の種子を混入したものを注入して、網状体40及び各柵
状体10によって硬質法面20上に所定厚さの着根層5
0を形成し、植生基材あるいは客土中の種子を発芽させ
るか、または着根層50に挿木を施すことにより、硬質
法面20上の緑化を行うようにしたこと」にその特徴が
あり、これにより、着根層の厚さを木本類の成育に適し
た30cm前後のものとすることができ、かつこの厚い
着根層を形成している植生基材や客土を硬質法面上に永
年にわたって確実に保持することのできる緑化工法を提
供することができるのである。
【0065】また、請求項2の発明においては、同様
に、「岩盤が剥き出しのままになっているか、あるいは
表面にモルタル等からなる硬質層21を有した硬質法面
20上にアンカーピン30によって連続した状態で固定
され、硬質法面20上に所定高さを有した連続する複数
の堰10aを構成するための柵状体10であって、一端
にアンカーピン30が挿通される固定部13を有し、そ
の略中央部に植物の根が入り得る多数の穴を有した第1
枠体11と、この第1枠体11に対して横方向へスライ
ド可能に組付けられて、その他端にアンカーピン30が
挿通される固定部14を有し、かつその略中央部に植物
の根が入り得る多数の穴を有した第2枠体12とにより
構成した」にその特徴があり、これにより、請求項1に
係る緑化工法を確実に実現することのできる柵状体を、
簡単な構成によって提供することができるのである。
【0066】さらに、請求項3に係る発明においては、
「岩盤が剥き出しのままになっているか、あるいは表面
にモルタル等からなる硬質層を有した硬質法面20に、
植物を積極的に成育させるようにした緑化工法であっ
て、硬質法面20上に、保水材や肥料等71を収納する
保水袋70のための収納穴23を多数形成するととも
に、一端にアンカーピン30が挿通される固定部13を
有し、その略中央部に植物の根が入り得る多数の穴を有
した第1枠体11と、この第1枠体11に対して横方向
へスライド可能に組付けられて、その他端にアンカーピ
ン30が挿通される固定部14を有し、かつその略中央
部に植物の根が入り得る多数の穴を有した第2枠体12
とにより構成した柵状体10の多数を、硬質法面20上
に配列してこれらをアンカーピン30によって固定する
ことにより、所定の高さを有した連続する複数の堰10
aを構成し、硬質法面20上の各収納穴23内に保水袋
70を収納するとともに、各堰10aの上方を網状体4
0によって覆ってから、各柵状体10間および上方に、
肥料や土壌改良材を含む植生基材あるいは客土、または
これらに植物の種子を混入したものを注入して、網状体
40及び各柵状体10によって硬質法面20上に所定厚
さの着根層50を形成し、植生基材あるいは客土中の種
子を発芽させるか、または着根層50に挿木を施すこと
により、硬質法面20上の緑化を行うようにしたこと」
にその構成上の特徴があり、これにより、上記請求項1
に係る緑化工法をさらに効果的なものとすることがで
き、着根層の厚さを木本類の成育に適した30cm前後
のものとすることができるだけでなく、この厚い着根層
を形成している植生基材や客土を硬質法面上に永年にわ
たって確実に保持しながら、かつ十分な保水性を有した
ものとすることのできる緑化工法を提供することができ
る。
【0067】(削除)
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る緑化工法によって植生を行った状
態の断面図である。
【図2】本発明に係る柵状体を設置する前の状態を示し
た硬質法面の部分断面図である。
【図3】同柵状体をアンカーピンによって硬質法面上に
固定している状態を示す断面図である。
【図4】硬質法面上に固定した各柵状体上に網状体を張
設した状態を示す断面図である。
【図5】植生基材あるいは客土を柵状体間に吹き付けて
着根層を形成したときの断面図である。
【図6】本発明に係る柵状体の第2枠体を引き出した状
態を示す拡大斜視図である。
【図7】同柵状体の断面図である。
【図8】同柵状体によって硬質法面上に形成された堰の
状態を示すもので、(イ)は横方向の堰のみを形成した
場合を、また(ロ)は横方向の堰の間を縦方向の堰によ
って接続した場合をそれぞれ示す平面図である。
【図9】請求項3に係る緑化工法によって植生を行った
状態の硬質法面の部分断面図である。
【図10】請求項3に係る緑化工法を実施するにあたっ
て必要な前作業を示すもので、(イ)は硬質法面上に所
定間隔で保水袋のための収納穴を形成した状態の硬質法
面の斜視図、(ロ)は保水袋内に保水材等を詰めている
状態を示す斜視図である。
【図11】従来の緑化工法を示す部分破断斜視図であ
る。
【符号の説明】
10 柵状体 10a 堰 11 第1枠体 12 第2枠体 13 固定部 13a 段部 14 固定部 14a 挿入段部 15 案内部 16 位置調整長穴 17 取付ボルト 20 硬質法面 21 硬質層 22 アンカー固定穴 23 収納穴 30 アンカーピン 40 網状体 41 法面側網状体 50 着根層 60 厚ネット 70 保水袋 71 保水材 P 植生植物
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−145625(JP,A) 特開 平6−26057(JP,A) 特開 平5−171648(JP,A) 特開 平7−48840(JP,A) 特開 平5−51932(JP,A) 特開 平6−1441(JP,A) 特開 昭62−182316(JP,A) 実開 昭55−50535(JP,U) 実開 平7−12535(JP,U) 特公 昭45−14089(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 17/20 102 E02D 17/20 103

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】岩盤が剥き出しのままになっているか、あ
    るいは表面にモルタル等からなる硬質層を有した硬質法
    面に、植物を積極的に成育させるようにした緑化工法で
    あって、一端にアンカーピンが挿通される固定部を有し、その略
    中央部に植物の根が入り得る多数の穴を有した第1枠体
    と、この第1枠体に対して横方向へスライド可能に組付
    けられて、その他端に前記アンカーピンが挿通される固
    定部を有し、かつその略中央部に植物の根が入り得る多
    数の穴を有した第2枠体とにより構成した柵状体の多数
    を、前 記硬質法面上に配列してこれらを前記アンカーピ
    ンによって固定することにより、所定の高さを有して連
    続する複数の堰を構成し、 これら各堰の上方を網状体によって覆ってから、各柵状
    体間および上方に、肥料や土壌改良材を含む植生基材あ
    るいは客土、またはこれらに植物の種子を混入したもの
    を注入して、前記網状体及び各柵状体によって前記硬質
    法面上に所定厚さの着根層を形成し、 前記植生基材あるいは客土中の種子を発芽させるか、ま
    たは前記着根層に挿木を施すことにより、前記硬質法面
    上の緑化を行うようにしたことを特徴とする緑化工法。
  2. 【請求項2】岩盤が剥き出しのままになっているか、あ
    るいは表面にモルタル等からなる硬質層を有した硬質法
    面上にアンカーピンによって連続した状態で固定され、
    前記硬質法面上に所定高さを有する連続した複数の堰を
    構成するための柵状体であって、 一端にアンカーピンが挿通される固定部を有し、その略
    中央部に植物の根が入り得る多数の穴を有した第1枠体
    と、この第1枠体に対して横方向へスライド可能に組付
    けられて、その他端に前記アンカーピンが挿通される固
    定部を有し、かつその略中央部に植物の根が入り得る多
    数の穴を有した第2枠体とにより構成したことを特徴と
    する緑化工法において使用する柵状体。
  3. 【請求項3】岩盤が剥き出しのままになっているか、あ
    るいは表面にモルタル等からなる硬質層を有した硬質法
    面に、植物を積極的に成育させるようにした緑化工法で
    あって、 前記硬質法面上に、保水材や肥料等を収納する保水袋の
    ための収納穴を多数形成するとともに、一端にアンカー
    ピンが挿通される固定部を有し、その略中央部に植物の
    根が入り得る多数の穴を有した第1枠体と、この第1枠
    体に対して横方向へスライド可能に組付けられて、その
    他端に前記アンカーピンが挿通される固定部を有し、か
    つその略中央部に植物の根が入り得る多数の穴を有した
    第2枠体とにより構成した柵状体の多数を、前記硬質法
    面上に配列してこれらをアンカーピン等によって固定す
    ることにより、所定の高さを有して連続する複数の堰を
    構成し、 前記硬質法面上の各収納穴内に保水袋を収納するととも
    に、前記各堰の上方を網状体によって覆ってから、各柵
    状体間および上方に、肥料や土壌改良材を含む植生基材
    あるいは客土、またはこれらに植物の種子を混入したも
    のを注入して、前記網状体及び各柵状体によって前記硬
    質法面上に所定厚さの着根層を形成し、 前記植生基材あるいは客土中の種子を発芽させるか、ま
    たは前記着根層に挿木を施すことにより、前記硬質法面
    上の緑化を行うようにしたことを特徴とする緑化工法。
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