JP2000170169A - 法面緑化用枠の設置構造及び法面緑化工法 - Google Patents

法面緑化用枠の設置構造及び法面緑化工法

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Seishin Nishio
精真 西尾
Suguru Ito
英 伊藤
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Sumitomo Forestry Co Ltd
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Sumitomo Forestry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 法面に予め設置固定されたコンクリート法枠
をそのまま生かして自然景観と調和させることができる
と共に、客土の流出を防止でき且つ水掃けに優れた、樹
木により緑化が図れる法面緑化用枠の設置構造を簡便な
構造で以て提供し、また該法面緑化用枠の設置構造によ
る法面緑化工法を提供する。 【解決手段】 法面緑化用枠の設置構造は、法面4に予
め格子状に設置固定されてなるコンクリート法枠5の上
端面5aに、複数本の枝を結束してなる粗朶1を、アン
カー、ボルト、プレート8及びナット10からなる固定
手段によって取り付け固定してなる。法面緑化工法は、
上記法面緑化用枠3内に、少なくとも上記コンクリート
法枠5を覆い隠すように客土を充填し、該法面緑化用枠
3内に樹木を植樹する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、法面緑化用枠の設
置構造及びこの法面緑化用枠を用いた法面緑化工法に関
し、詳細には、法面に予め設置固定されたコンクリート
法枠をそのまま生かして樹木による法面の緑化が図れ
る、法面緑化用枠の設置構造及び法面緑化工法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
山肌を削り落としてできた法面は、崩落防止等のため例
えばコンクリートが打たれ、または菱形形状のコンクリ
ートブロックやプラスチック枠等が設置固定されてお
り、あるいは芝又はマメ科植物で緑化されているのが現
状である。
【0003】上記のような法面を樹木により緑化するに
は、該法面に樹木が生育するために必要な肥料を充分含
んだ客土を使用する必要があるが、該客土は雨水や融雪
水等によって流出し易い。特に、法面の傾斜角度が30
度以上の急斜面であると、より一層客土の流出が発生し
易くなり、法面の緑化が困難となる。また、客土の流出
を確実に防止し且つ水掃けを良くするには、多大な労力
と経費を伴う。また、客土の流出を防止するために、プ
ラスチック枠を法面に設置固定することも考えられる
が、該プラスチック枠は腐らないので、緑化後に腐って
自然に戻る枠材が必要である。
【0004】従って、本発明の目的は、法面に予め設置
固定されたコンクリート法枠をそのまま生かして自然景
観と調和させることができると共に、客土の流出を防止
でき且つ水掃けに優れた、樹木により緑化が図れる法面
緑化用枠の設置構造を簡便な構造で以て提供し、また該
法面緑化用枠の設置構造による法面緑化工法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、法面に予め格子状に設置固定されてなるコンクリー
ト法枠の上端面に、複数本の枝を結束してなる粗朶を、
固定手段によって取り付け固定してなることを特徴とす
る法面緑化用枠の設置構造を提供することにより、上記
の目的を達成したものである。
【0006】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
法面緑化用枠の設置構造において、上記固定手段は、ア
ンカー、ボルト、プレート及びナットからなることを特
徴とする法面緑化用枠の設置構造を提供することによ
り、上記の目的を達成したものである。
【0007】請求項3に記載の発明は、請求項1記載の
法面緑化用枠の設置構造において、上記法面の傾斜角度
が30〜60度であることを特徴とする法面緑化用枠の
設置構造を提供することにより、上記の目的を達成した
ものである。
【0008】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
何れかに記載の法面緑化用枠内に、少なくとも上記コン
クリート法枠を覆い隠すように客土を充填し、該法面緑
化用枠内に樹木を植樹することを特徴とする法面緑化工
法を提供することにより、上記の目的を達成したもので
ある。
【0009】請求項5に記載の発明は、請求項4記載の
法面緑化工法において、上記客土が、浄水ケーキ及び合
成樹脂粉末1〜3kg/m3 の混合物からなることを特
徴とする法面緑化工法を提供することにより、上記の目
的を達成したものである。
【0010】請求項6に記載の発明は、請求項4又は5
記載の法面緑化工法において、ポット苗を植樹すること
を特徴とする法面緑化工法を提供することにより、上記
の目的を達成したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい一実施形
態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は
複数本の枝を束ねて結束してなる粗朶の斜視図、図2は
粗朶をコンクリート法枠に固定する固定手段を示す斜視
図、図3は粗朶をコンクリート法枠に固定する状態を示
す斜視図、図4は粗朶をコンクリート法枠に固定して法
面緑化用枠を形成した状態を示す斜視図、図5は法面緑
化用枠内に客土を充填した状態を示す斜視図、図6は法
面緑化用枠内にポット苗を植樹した状態を示す斜視図、
図7は法面緑化用枠内にポット苗を植樹した状態を示す
法面の全体斜視図、図8は植樹してから2〜3年後の法
面を示す全体斜視図、図9は植樹してから5年後の法面
を示す全体斜視図である。
【0012】先ず、本実施形態の法面緑化用枠の設置構
造について詳細に説明する。本実施形態の法面緑化用枠
の設置構造は、図1ないし図4に示すように、法面4に
予め格子状に設置固定されてなるコンクリート法枠5の
上端面5aに、複数本の枝1aを束ねて結束してなる粗
朶1を、固定手段によって取り付け固定してなるもので
ある。
【0013】上記コンクリート法枠5は、図7に示すよ
うに、例えば傾斜角度θがかなりきつい30〜60度の
急斜面である法面4に、土砂崩れ防止用として予めコン
クリートからなる格子状の法枠を設置固定することによ
り形成されているものである。本実施形態では、予め法
面4に設置固定されたコンクリート法枠5をそのまま生
かして、樹木による緑化を簡便な構造で行うべく、上記
コンクリート法枠5の上端面5aに粗朶1により組んだ
法面緑化用枠3を形成する。
【0014】上記法面緑化用枠3を形成するには、自然
木を有効利用した粗朶1を使用する。上記粗朶1は、図
1に示すように、下枝刈りで切り取られた直径3センチ
以下の複数本の枝1aを長さ1〜2メートル、直径20
センチ程度に束ね、番線2で3〜5カ所程度結束して形
成したものである。かかる粗朶1は、目が粗く落葉や埃
等が堆積しても目詰まりの心配がないため、該粗朶1の
中を水が流れ、法面緑化用枠3内の雨水や雪解け水など
を上手く排水させることができる。上記粗朶1には、例
えば柳の枝等の如き根付き易い枝を用いることが好まし
い。柳の枝等により粗朶1を形成すれば、該粗朶1自体
が根付いて柳の木により法面4が緑化される。
【0015】また、上記粗朶1は、上記のように排水を
主目的として使用するが、樹木の枝1aを使用している
ため適度な水分を保水することもできる。さらに、上記
粗朶1は、複数本の枝1aを束ねて形成してあることか
ら、法面緑化用枠3内に植樹された樹木の根が該粗朶1
の中に侵入して来ても該枝1aがしなって、該粗朶1の
機能が損なわれることはない。このため、樹木の根が粗
朶1を貫通し隣の法面緑化用枠3の中まで侵入して根が
張り巡り、法面4が安定する。
【0016】上記粗朶1を組むには、図2に示すよう
に、例えばアンカー6、ボルト7、プレート8、ワッシ
ャー9及びナット10(いずれも鉄からなる)からなる
固定手段によって上記コンクリート法枠5の上端面5a
に設置固定する。上記アンカー6は、円柱形状をなすも
ので、その中心にボルト7を螺合させる雌ネジ(図示は
省略する)を有している。上記プレート8は、上記粗朶
1の外形状に応じて円弧形状に形成されており、中央部
に上記ボルト7を挿通させる円形孔11が形成されてい
る。
【0017】上記粗朶1をコンクリート法枠5に設置固
定するには、先ず、図3に示すように、上記コンクリー
ト法枠5の上端面5aに粗朶1を固定させるための複数
の取付穴をドリルによって所定間隔を置いて形成した
後、該取付穴にアンカー6を打ち込む。上記アンカー6
は、コンクリート法枠5の上端面5aから飛び出ないよ
うに埋め込む。そして、上記アンカー6にボルト7を螺
合させる。これにより、上記コンクリート法枠5の上端
面5aには、上記粗朶1を固定させるための複数のボル
ト7が垂直に植立されることになる。
【0018】そして、図3及び図4に示すように、上記
ボルト7に上記粗朶1を通し、該粗朶1より突出した該
ボルト7に上記プレート8を取り付ける。そして、上記
プレート8の円形孔11を介して突出する上記ボルト7
の先端にワッシャー9を取り付け、上記ナット10で固
定することにより、上記粗朶1を上記コンクリート法枠
5に固定する。これにより、上記粗朶1は、上記コンク
リート法枠5の上端面5aにがたつきなく強固に固定さ
れる。そして、上記作業を繰り返し上記コンクリート法
枠5の上端面5aを覆い隠すことによって法面緑化用枠
3を形成する。このように形成された法面緑化用枠3に
よれば、後述する客土13の流出が防止できると共に、
雨水、雪解け水、落ち葉などによる荷重が該粗朶1にか
かっても、法面緑化用枠3の崩壊を防止することができ
る。
【0019】通常、法面4の傾斜角度θが30度以上で
あると、雨水や融雪水によって客土が流出してしまい、
樹木が育たず、法面緑化が図れない。しかし、上述の法
面緑化用枠3であれば、法面4の傾斜角度θが30〜6
0度とかなりきつい急斜面であっても、安定した法面4
を得ることができる。また、上記コンクリート法枠5の
上端面5aが上記粗朶1により覆われることになり、自
然景観との調和が図れる。
【0020】なお、上記固定手段は、いずれも鉄から形
成されており、樹木が育つまでは安定した法面緑化用枠
3を保持し、樹木が育った5〜10年で朽ちて土に戻る
ことになる。このように、固定手段を、鉄等、樹木が育
った5〜10年で朽ちる材料で形成すれば、該固定手段
を構成する各部材により作業員が怪我をしたり、景観が
損なわれたりすることを防止できる。
【0021】次に、上述のようにして組まれた法面緑化
用枠3を用いた法面緑化工法について説明する。先ず、
図5に示すように、上記法面緑化用枠3内に客土13を
充填する。上記客土13は、飲料水を作る過程で発生す
る浄水ケーキ100容量部、保水性を向上させるための
椰子繊維又はピートモス20〜60容量部、及びバーク
堆肥5〜15容量部の混合物からなる。本実施形態で
は、浄水ケーキ80容量部+ココナッツファイバー10
容量部を混合した客土(スミリン農産工業(株)社製、
商品名:東京土太郎)を用いた。
【0022】そして、上記客土13に浸食防止剤として
合成樹脂粉末を混合する。かかる合成樹脂粉末は、客土
13を袋詰めにする時点で混合し、品質のばらつきをな
くすために均等に攪拌する。合成樹脂粉末としては、例
えば酢酸ビニルベオバ共重合樹脂、変性酢酸ビニル樹
脂、酢酸ビニルエチレン共重合樹脂、特殊共重合樹脂、
アクリル共重合樹脂、酢酸ビニルアクリル共重合樹脂等
が挙げられる。合成樹脂粉末は、1〜3kg/m3 とす
るのが好ましい。
【0023】このように、客土13に飲料水を作る過程
で発生した浄水ケーキを利用することで、透水性、保水
性、通気性が良く、N、P、Kを含み、Mg、Caの微
量要素に富み、樹木が早く成長し、法面4の早期安定化
が図れる。また、客土13に合成樹脂粉末が混合されて
いるため、法面4の地盤と客土13、つまり土の粒子同
士が接着され、客土13の流出及び法面緑化用枠3への
荷重を抑えることができる。
【0024】上記法面緑化用枠3内に上記客土13を充
填するには、高層吹き付け機又は圧送機にて、浄水ケー
キ、椰子繊維及び合成樹脂粉末が偏らないように攪拌さ
れた客土13を吹き付けるか又は敷き込む。上記客土1
3の充填は、上記粗朶1の上部より50mm〜80mm
下がった位置までとし、少なくとも上記コンクリート法
枠5の上端面5aを覆うようにする。上記粗朶1が隠れ
る程度に客土13を敷き込まず該粗朶1の上面を見える
ようにしているのは、法面緑化用枠3内に充填された客
土13が雨水等によって流れ出ないようにするためであ
る。
【0025】次に、図6に示すように、客土13が充填
された法面緑化用枠3内に樹木のポット苗14を植樹す
る。すなわち、ビニールポットで栽培された樹木の苗を
ビニールポットから外し、客土13の植え穴の中に植え
付ける。ポット苗14は、その高さを0.3〜0.8メ
ートルとし、1m2 当たり1pot〜4potとして植
樹する。
【0026】樹木は、その土地の植生に合った植物を選
択する。選択の目安は、代償植生(一定の人為的要因と
釣り合って存続してきた植生)及び潜在自然植生(人為
的要因が無くなった時どのような自然植生が復帰するか
潜在的な能力を持っているかという理論の植生)及び自
然植生(人間の影響をまったく受けず自然のままに生育
する植生)の中からとする。ただし、急斜面に植栽する
ため、深根型及び中間型の根系樹木を主として選択する
が、浅根型が土の表面を覆う意味で多少(全体の3割ま
で)は植栽する必要がある。また、急斜面地(傾斜角度
45度〜60度)においては、浸食防止を考慮し、松等
の垂下根型の樹木を追加する。植生配分は、風、日射
し、乾燥等の環境に成育を阻害され難い林縁部(ソデ群
落)と、苗木を保護するためのマント群落、高木層の樹
冠を形成する森林植生の構成とする。
【0027】例えば、栃木県芳賀郡松倉山周辺は、代償
植生がクヌギ−コナラ群落であり、潜在自然植生がシラ
カシ群集となっている。図7に示すように、クヌギ−コ
ナラ群集としては、ポット苗14としての高木層にコナ
ラ(深)、クヌギ(深)、クリ(深)、ヤマザクラ
(中)、エゴノキ(浅)、イヌシデ(浅)、アカシデ
(浅)、シラカシ(中)、低木15としてのマント群落
にガマズミ(中)、ムラサキシキブ(浅)、カマツカ
(浅)、下草16としてのソデ群落にジャノヒゲ、ヤブ
コウジ、ヤブラン等が好ましい。
【0028】シラカシ群集としては、ポット苗14とし
ての高木層にシラカシ(中)、ウラジロガシ(中)、ヤ
ブツバキ(浅)、シロダモ(中)、ヤブニッケイ
(中)、低木15としてのマント群落にヒサカキ
(深)、アオキ(浅)、ネズミモチ(浅)、チャノキ
(深)、ナンテン(中)、ヤツデ(中)、ハナイカダ
(浅)、ガマズミ(中)、下草16としてのソデ群落に
ベニシダ、テイカカズラ、ヤブコウジ等が好ましい。な
お、(深)は深根型、(中)は中間型、(浅)は浅根型
を示す。
【0029】次に、浸食防止、雑草防除、地温の安定及
び土壌の水分蒸散抑制としてホワイトクローバーの種
子、樹木樹皮チップ、藁等により、上記法面4の表面を
マルチングする。その際、これらが風で飛散したり雨水
で流亡しないよう上記ホワイトクローバーの種に合成樹
脂水性エマルジョン(例えばアクリル共重合樹脂、酢酸
ビニル樹脂、酢酸ビニルエチレン共重合樹脂)を混合し
て客土13に吹き付ける。
【0030】また、樹木樹皮チップは、厚さ30mm〜
60mmに敷設し、アクリル酸樹脂、アクリルスチレン
共重合樹脂、アクリル共重合樹脂等のアクリル酸エステ
ル樹脂を1m2 当たり200g〜600gを水で希釈し
て表面に散布する。藁は、客土13の上に1m2 当たり
3kg〜6kgを均等になるよう敷き詰め、藁縄又はし
ゅろ縄を使用して藁を留める。縄の間隔は、40cm〜
50cmとし、長さ50cm〜60cmを半分に折り曲
げた針金を留縄80cm〜100cmにつき1本差して
留める。縄の両端は、末口径5cm程度の木抗或いは竹
串とする。
【0031】上記法面4の表面にいずれかの方法でマル
チングすることにより、初期(3年程度)の法面4の安
定が図れ、3年以降は、地表の大部分が樹木で覆われ、
緑量が確保されるため、雑草の発生が抑制される。そし
て、法面4の法尻付近には、図7に示すように、自然の
再現として上述した種類の低木15や下草16を植え
る。
【0032】なお、シカ、ウサギによる食害防止、除草
作業の軽減、チューブ内の温室効果による樹木の成長促
進のために、ポリプロピレン、紙又はプラスチック製の
長さ50cm〜200cmのチューブ(円柱又は角柱)
を植栽木に被せ、木製又は鉄製の支柱を立てて倒れない
ようにする。また、チューブには、周囲に5mmから1
0mmの穴を10cm2 から30cm2 に1カ所開けて
蒸れ防止を図っても良い。
【0033】以上のようにして、法面緑化用枠3内にポ
ット苗14を植樹すれば、2〜3年後には、図8に示す
ように、樹木17の樹高が1〜2メートルとなる。そし
て、5年後には、図9に示すように、樹木17はその樹
高が3〜5メートルにまで育つ。
【0034】このように、本発明によれば、法面に予め
設置固定されたコンクリート法枠をそのまま生かして自
然景観と調和させることができると共に、客土の流出を
防止でき且つ水掃けに優れた、樹木により法面の緑化が
図れ、30度以上の急斜面であっても安定した法面を提
供することができる。また、自然素材の粗朶を使用する
ことにより、樹木が生長して客土層が安定した後に腐食
し、該粗朶が土に戻る。このように、本発明によれば、
粗朶には化学物質と違い自然のリサイクル素材を利用し
ているため、土壌に有害物質が溶け込む心配がない。ま
た、粗朶の利用により選定枝の有効活用を図ることがで
きる。また、本発明の客土は、法面に植樹する樹木の生
育に適しているばかりか、街路樹等を植樹する際にも同
様に適している。
【0035】以上、本発明を適用した具体的な実施形態
について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限
されることなく種々の変更が可能である。例えば、上記
アンカー6は、樹脂製であっても良い。また、上述の実
施形態では、固定手段としてアンカー6、ボルト7、プ
レート8及びナット10を使用したが、これらに制限さ
れることはなく、粗朶をコンクリート法枠に固定し得る
適宜の固定手段を用いることができる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、法面に予め設置固定されたコンクリート法
枠をそのまま生かして自然景観と調和させることができ
ると共に、客土の流出を防止でき且つ水掃けに優れた、
樹木により緑化が図れる法面緑化用枠の設置構造及び法
面緑化工法を簡便な構造及び方法で以て提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数本の枝を束ねて結束してなる粗朶の斜視図
である。
【図2】粗朶をコンクリート法枠に固定する固定手段を
示す斜視図である。
【図3】粗朶をコンクリート法枠に固定する状態を示す
斜視図である。
【図4】粗朶をコンクリート法枠に固定して法面緑化用
枠を形成した状態を示す斜視図である。
【図5】法面緑化用枠内に客土を充填した状態を示す斜
視図である。
【図6】法面緑化用枠内にポット苗を植樹した状態を示
す斜視図である。
【図7】法面緑化用枠内にポット苗を植樹した状態を示
す法面の全体斜視図である。
【図8】植樹してから2〜3年後の法面を示す全体斜視
図である。
【図9】植樹してから5年後の法面を示す全体斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 粗朶 3 法面緑化用枠 4 法面 5 コンクリート法枠 6 アンカー 7 ボルト 8 プレート 9 ワッシャ 10 ナット 13 客土 14 ポット苗 17 樹木
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 英 東京都新宿区西新宿1丁目26番2号 住友 林業緑化株式会社内 Fターム(参考) 2D044 DA00 DA25 DA33 DB22

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 法面に予め格子状に設置固定されてなる
    コンクリート法枠の上端面に、複数本の枝を結束してな
    る粗朶を、固定手段によって取り付け固定してなること
    を特徴とする法面緑化用枠の設置構造。
  2. 【請求項2】 上記固定手段は、アンカー、ボルト、プ
    レート及びナットからなることを特徴とする請求項1記
    載の法面緑化用枠の設置構造。
  3. 【請求項3】 上記法面の傾斜角度が30〜60度であ
    ることを特徴とする請求項1記載の法面緑化用枠の設置
    構造。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の法面緑化
    用枠内に、少なくとも上記コンクリート法枠を覆い隠す
    ように客土を充填し、該法面緑化用枠内に樹木を植樹す
    ることを特徴とする法面緑化工法。
  5. 【請求項5】 上記客土が、浄水ケーキ及び合成樹脂粉
    末1〜3kg/m3 の混合物からなることを特徴とする
    請求項4記載の法面緑化工法。
  6. 【請求項6】 ポット苗を植樹することを特徴とする請
    求項4又は5記載の法面緑化工法。
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