JP2009182000A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分なEM耐性および配線間TDDB寿命を確保しつつ、層間絶縁膜の低誘電率化を行っても絶縁膜ライナー膜厚を薄くすることができ、配線間の実効比誘電率Keffを低減した高速で高信頼性な配線を得ることができる。
【解決手段】第1の絶縁膜1には配線溝M1が形成されており、配線溝M1内にはCu膜2bが設けられている。Cu膜2bの上にはSiCN膜3a、SiCO膜3bおよびSiOC膜4aが順に設けられており、SiOC膜4aはSiCN膜3aおよびSiCO膜3bよりも低誘電率な絶縁膜である。SiCO膜3bの上面には、高密度化処理が施されて高密度膜3cが形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、特に配線上の絶縁性ライナー膜の膜質を改善することにより半導体装置の信頼性を向上させる技術に関する。
近年、半導体装置(特に、半導体集積回路装置)の高集積化、高機能化及び高速化に伴って、その内部配線として銅(Cu)もしくは銅を主体とした配線(以下、Cu配線と記す)が多く用いられている。このCu配線は一般的にダマシン法により、形成される。その代表例は特許文献1および2に記されている。このダマシン法では、形成されたCu配線の最表面に露出したCuの上に、Cu拡散を防止する絶縁性ライナー膜を形成し、その絶縁性ライナー膜の上に、層間膜となる絶縁膜を形成することが一般的である。その絶縁性ライナー膜の代表例としては、窒化シリコン膜(SiN)、SiCN膜、SiCO膜、SiC膜及びそれらの積層構造が挙げられ、このような絶縁性ライナー膜はプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)により成膜されて形成されている。
一方、配線間の容量低減による高速化を目指して、近年、層間膜の低誘電率化が進んでいると共に、比較的誘電率の高い絶縁性ライナー膜の低誘電率化が検討されている。層間膜としてはSiOCベースの低誘電率膜を使うのが一般的であり、層間膜の低密度化および層間膜へのポア(空孔)形成により層間膜の低誘電率化(k≦3.0)が図られている。
また、絶縁性ライナー膜としては、SiNの比誘電率kが7.0程度でありSiCN,SiCOおよびSiCの比誘電率が5.2未満であるので、比誘電率の高いSiNの代わりにSiCN,SiCO,SiC及びこれらの組み合わせを用いることが主流となっている。
図3に、従来技術により作成された3層配線構造を示す。この3層配線構造は、低誘電率膜であるSiOC膜(k=3.0)101と、タンタル系バリアメタル膜102aとCu膜102bとからなる第1の配線層102と、SiCN膜(k=4.8)103aとSiCO膜(k=4.5)103bとの積層構造からなる絶縁性ライナー膜103と、k=2.7であるSiOC膜104a及びk=3.0であるSiOC膜104b、タンタル系バリアメタル膜105aとCu膜105bとからなる第2の配線層105と、SiCN膜(k=4.8)106aとSiCO膜(k=4.5)106bとの積層構造からなる絶縁性ライナー膜106と、k=2.7であるSiOC膜107a及びk=3.0であるSiOC膜107bと、タンタル系バリアメタル膜108aとCu膜108bとからなる第3の配線層108と、SiCN膜(k=4.8)109aとSiCO膜(k=4.5)109bとの積層構造からなる絶縁性ライナー膜109とからなっている。ここで、k=2.7であるSiOC膜104a,107aは、膜質を強化するために成膜後にUVキュアが照射されている。
なお、SiCO膜は、Si−CベースにOが結合したものである。また、SiOC膜は、Si−Oの骨格がベースで、Si−Oの骨格に−CH基が結合したものである。SiOC膜とSiCO膜とではこのように骨格ベースが相異なるので、SiOC膜の方がSiCO膜よりも低密度である。
特開2002−9150号公報 特開2004−158832号公報 Y.Hayashi, K.Tsumura, M.Shimada, K.Watanabe, H.Miyajima, T.Usui, H.Shibata,"High Performance Ultra Low−k (k=2.0 / keff=2.4) Hybrid Dielectrics / Cu Dual−Damascene Interconnects with Selective Barrier Layer for 32nm−Node",Advanced Metallization Conference 2006 p.37−38
上記のような従来の製造方法において形成された配線構造において配線間の実効比誘電率keffを今後更に下げるためには、SiCN膜103a,106aおよび109aならびにSiCO膜103b,106bおよび109bを薄膜化する方法と、低誘電率なSiOC膜101,104aおよび107aの比誘電率kを更に低くする方法とが挙げられる。
まず、絶縁性ライナー膜を薄膜化した場合に半導体装置の信頼性への影響を調べた結果を図4および図5に示す。図4は、第1の配線層102の幅が0.06μmでありその長さが150μmであり、第2の配線層105の幅が0.21μmでありその長さが5μmであり、ビア径が0.07μmである16個のチェーンで評価したエレクトロマイグレーション(EM;Electro Migration)の試験結果である。この結果から、絶縁性ライナー膜103がSiCO膜/SiCN膜=30nm/30nmよりも薄膜化するに従いEM寿命が劣化することが新たに判明した。また、図5は、第2の配線層105の配線間のTDDB(Time Dependent Dielectric Breakdown)を評価した結果である。この結果からも、絶縁性ライナー膜103が薄膜化するに従いTDDB寿命が劣化することが新たに判明した。
図6を用いて、半導体装置におけるこのような信頼性の劣化原因を説明する。低誘電率膜であるSiOC膜104aおよび107aは、比誘電率が低いほど多くの水分を含有する。その理由は、SiOC中の微小空孔(ポア)、または、工程中のアッシング等のプラズマ処理により形成されたダメージ層に、水分が吸湿されやすいためである。このようにして低誘電率なSiOC膜104aに吸湿された水分は薄膜化したSiCN膜103aおよびSiCO膜103bを透過しやすくなり、SiCN膜103aおよびSiCO膜103bの下に設けられた第1の配線層102の表面が水分にさらされ、その結果、Cu膜102bの表面が酸化される。低誘電率なSiOC膜107aについても同様のことが言え、低誘電率なSiOC膜107aに吸湿された水分は薄膜化したSiCN膜106aおよびSiCO膜106bを透過しやすくなり、SiCN膜106aおよびSiCO膜106bの下に設けられた第2の配線層105の表面が水分にさらされ、その結果、Cu膜105bの表面が酸化される。
Cu膜102bおよび105bの表面が酸化されると銅酸化膜(CuO膜)が形成され、その銅酸化膜と銅酸化膜の上の絶縁性ライナー膜との界面密着性が劣化し、EM時のCuの界面拡散速度が増加し、EM寿命の劣化を引き起こす。また、CuOができるとCu金属に比べCuがイオン化されやすくなるので、そのCuイオンが配線間電界で移動しやすくなり、配線間TDDBが劣化する。また、絶縁性ライナー膜103とSiOC膜101との界面又は、絶縁性ライナー膜106とSiOC膜104bとの界面に水分が存在することにより、その水分が配線間リーク電流を増加させると共にCuイオンの拡散を加速するため、配線間TDDBが更に劣化する。
それを裏付けるために、SiCO膜およびSiCN膜の透水性の膜厚依存性を評価した結果を図7(b)に示す。図7(b)に示す結果は、図7(a)に示すように吸湿性SiO膜を下地とし、その下地を上記SiCO膜またはSiCN膜でキャップし、吸湿性SiO膜のストレスの経時変化を評価した結果である。この評価は、SiCO膜およびSiCN膜に透水性があれば、大気中の水分がSiCN膜およびSiCO膜をそれぞれ透過し、その水分が下地の吸湿性SiO膜に吸湿され、下地の吸湿性SiO膜にストレス変化が発生することを利用したものである。図7(b)に示すように、SiCN膜は、膜厚を30nmまで厚くしても透水性があることが分かる。一方、SiOC膜は、膜厚が10nm未満であれば透水性があるが、その膜厚が20nm以上となるとストレスの経時変化が起こっておらず透水性が無いことが分かる。但し、実際の工程中では、各種のダメージおよびストレス等を受けたり、SiOC膜自体にもプロセスばらつきがあることから、実際にはSiOC膜は膜厚が20nm程度でも透水性を持つ可能性があり、その結果、図4および図5に示すように、EM特性の劣化およびTDDB特性の劣化が起こっているものと考えられる。
別途非特許文献1でも、低誘電率膜中の水分が絶縁性ライナー膜を透過してCu配線表面を酸化することによりEM特性が劣化するというモデルを提唱しており、Cu配線の表面をCuSiNとすればCu配線の表面における酸化を防止することができEM特性を改善することができることを示している。
但し、非特許文献1の手法では、Cuをシリサイド化させてCuSiN膜を形成しているため、Cu配線の断面積の減少を招来する。その結果、Cu配線の配線抵抗が高くなると共に、Cuをシリサイドさせる反応がCu表面の状態およびCu表面の温度に非常に敏感であるために配線抵抗のウェハ面内ばらつきを増大させるという問題がある。
一方、配線間の実効比誘電率keffを低減させるもう一つの方法である低誘電率膜の誘電率を更に低減させるためには、低誘電率膜における空孔径をさらに増大させて低誘電率膜の膜密度を更に低減させる必要がある。しかし、低誘電率膜の膜密度を低減させると低誘電率膜のダメージ耐性が劣化するので、低誘電率膜中の水分が増加して、上記課題が益々深刻になる。
本発明は、上記の問題点を解決するもので、十分なEM耐性および配線間TDDB寿命を確保しつつ、層間絶縁膜の低誘電率化を行っても、絶縁性ライナー膜の膜厚を薄くすることができ、配線間の実効比誘電率Keffを低減した高速で高信頼性な配線を得ることができる半導体装置およびその製造方法を提供する。
本発明の第1の半導体装置は、半導体基板上の層形成絶縁膜に形成された配線溝と、配線溝内に設けられた銅膜と、銅膜の上及び層形成絶縁膜の上に設けられた第一の絶縁性バリア膜と、第一の絶縁性バリア膜の上に設けられた第二の絶縁性バリア膜と、第二の絶縁性バリア膜の上に設けられ、第一の絶縁性バリア膜および第二の絶縁性バリア膜よりも誘電率が低い低誘電率な絶縁膜とを有している。第一の絶縁性バリア膜および第二の絶縁性バリア膜のうちの少なくとも一方の絶縁性バリア膜の少なくとも上面は、膜密度が高い高密度膜である。
本発明の第1の半導体装置では、第二の絶縁性バリア膜と低誘電率な絶縁膜との間に窒化シリコン膜が設けられていることが好ましい。
本発明の第1の半導体装置では、高密度膜は、第二の絶縁性バリア膜の上面または第二の絶縁性バリア膜全体に形成されており、第一の絶縁性バリア膜よりも高密度であることが好ましい。
本発明の第1の半導体装置では、高密度膜の膜密度は2.0g/cm以上であることが好ましい。
本発明の第1の半導体装置では、第一の絶縁性バリア膜は、シリコンカーボン窒化膜であり、第二の絶縁性バリア膜は、シリコンカーボン酸化膜であることが好ましい。
本発明の第2の半導体装置は、半導体基板上の層形成絶縁膜に形成された配線溝と、配線溝内に設けられた銅膜と、銅膜の上及び層形成絶縁膜の上に設けられた第一の絶縁性バリア膜と、第一の絶縁性バリア膜の上に設けられた第二の絶縁性バリア膜とを有している。第一の絶縁性バリア膜又は第二の絶縁性バリア膜のうちどちらか一方は窒化シリコン膜である。
本発明の第2の半導体装置では、第一の絶縁性バリア膜又は第二の絶縁性バリア膜のうち窒化シリコン膜ではない絶縁性バリア膜は、シリコンカーボン窒化膜又はシリコンカーボン酸化膜であることが好ましい。
本発明の第3の半導体装置は、半導体基板上の層形成絶縁膜に形成された配線溝と、配線溝内に設けられた銅膜と、銅膜の上及び層形成絶縁膜の上に設けられた第一の絶縁性バリア膜と、第一の絶縁性バリア膜の上に設けられた第二の絶縁性バリア膜と、第二の絶縁性バリア膜の上に設けられ、第一の絶縁性バリア膜および第二の絶縁性バリア膜よりも誘電率が低い低誘電率な絶縁膜とを有している。銅膜と低誘電率な絶縁膜との間には、窒化シリコン膜が設けられている。
本発明の第3の半導体装置では、窒化シリコン膜は、第二の絶縁性バリア膜と低誘電率な絶縁膜との間に設けられていることが好ましい。
本発明の第3の半導体装置では、第一の絶縁性バリア膜および第二の絶縁性バリア膜のうちの一方は、窒化シリコン膜であり、第一の絶縁性バリア膜および第二の絶縁性バリア膜のうちの他方は、シリコンカーボン窒化膜又はシリコンカーボン酸化膜であることが好ましい。
本発明の第3の半導体装置では、窒化シリコン膜の膜厚は、5nm以下であることが好ましい。
本発明の第1の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に形成された層形成絶縁膜に配線溝を形成する工程(a)と、工程(a)の後に、配線溝内に銅膜を堆積させて配線を形成する工程(b)と、工程(b)の後に、銅膜の上及び層形成絶縁膜の上に第一の絶縁性バリア膜を形成する工程(c)と、工程(c)の後に、第一の絶縁性バリア膜の上に第二の絶縁性バリア膜を形成する工程(d)と、第一の絶縁性バリア膜および第二の絶縁性バリア膜の少なくとも一方の絶縁性バリア膜の少なくとも上面に対して高密度化処理を行う工程(e)と、第二の絶縁性バリア膜の上に、第一の絶縁性バリア膜および第二の絶縁性バリア膜よりも誘電率が低い低誘電率な絶縁膜を形成する工程(f)とを有している。
本発明の第1の半導体装置の製造方法では、工程(c)と工程(d)の間に、第一の絶縁性バリア膜の上面に対して高密度化処理を行う工程(g)を有することが好ましい。
本発明の第1の半導体装置の製造方法では、工程(e)の後に、第二の絶縁性バリア膜の上に窒化シリコン膜を形成する工程(h)を有することが好ましい。
本発明の第1の半導体装置の製造方法では、高密度化処理として、プラズマ処理又は酸化処理を行うことが好ましい。
本発明の第1の半導体装置の製造方法では、プラズマ処理は、ヘリウム、アルゴン、窒素、アンモニアおよび酸素のいずれかのガスを用いることが好ましい。
本発明の第1の半導体装置の製造方法では、高密度化処理では、膜密度を2.0g/cm以上とすることが好ましい。
本発明の第1の半導体装置の製造方法では、第一の絶縁性バリア膜としてシリコンカーボン窒化膜を用い、第二の絶縁性バリア膜としてシリコンカーボン酸化膜を用いることが好ましい。
本発明の第2の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に形成された層形成絶縁膜に配線溝を形成する工程(i)と、工程(i)の後に、配線溝内に銅膜を堆積させて配線を形成する工程(j)と、工程(j)の後に、銅膜の上及び層形成絶縁膜の上に、第一の絶縁性バリア膜および第二の絶縁性バリア膜を順に形成する工程(k)と、工程(k)の後に、第二の絶縁性バリア膜の上に、第一の絶縁性バリア膜および第二の絶縁性バリア膜よりも誘電率が低い低誘電率な絶縁膜を形成する工程(l)とを備え、工程(k)では、第一の絶縁性バリア膜および第二の絶縁性バリア膜のうちの一方を窒化シリコン膜とする。
本発明の第2の半導体装置の製造方法では、工程(k)では、第一の絶縁性バリア膜および第二の絶縁性バリア膜のうちの窒化シリコン膜ではない絶縁性バリア膜をシリコンカーボン窒化膜又はシリコンカーボン酸化膜とすることが好ましい。
本発明の第3の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に形成された層形成絶縁膜に配線溝を形成する工程(i)と、工程(i)の後に、配線溝内に銅膜を堆積させて配線を形成する工程(j)と、工程(j)の後に、銅膜の上及び層形成絶縁膜の上に、第一の絶縁性バリア膜および第二の絶縁性バリア膜を順に形成する工程(k)と、工程(k)の後に、第二の絶縁性バリア膜の上に、第一の絶縁性バリア膜および第二の絶縁性バリア膜よりも誘電率が低い低誘電率な絶縁膜を形成する工程(l)と、銅膜と低誘電率な絶縁膜との間に、窒化シリコン膜を形成する工程(m)を有している。
本発明の第3の半導体装置の製造方法では、工程(k)と工程(l)との間で工程(m)を行い、工程(m)では、第二の絶縁性バリア膜の上に窒化シリコン膜を形成することが好ましい。
本発明の第3の半導体装置の製造方法では、工程(m)では、第一の絶縁性バリア膜および第二の絶縁性バリア膜のうちの一方を窒化シリコン膜とし、第一の絶縁性バリア膜および第二の絶縁性バリア膜のうちの他方をシリコンカーボン窒化膜又はシリコンカーボン酸化膜とすることが好ましい。
本発明の第3の半導体装置の製造方法では、窒化シリコン膜の膜厚を5nm以下とすることが好ましい。
以上のように、本発明によれば、高密度処理を行えば第二の絶縁性バリア膜の少なくとも一部分を高密度にすることができるので、第二の絶縁性バリア膜が薄くても、第二の絶縁性バリア膜の上に設けられた低誘電率な絶縁膜からの水分の浸透を防止することができ、第二の絶縁性バリア膜の下に設けられた銅膜の表面酸化を防止することができる。従って、配線のEM耐性と配線間TDDB寿命とを十分確保しつつ、実効比誘電率が低い配線構造を得ることができる。
また、本発明によれば、透水性に対する防止能の高い窒化シリコン膜を積層したライナー膜構造を有しているので、ライナー膜トータルの膜厚が薄くても、ライナー膜の上に設けられた低誘電率な絶縁膜からの水分の浸透を防止することができ、ライナー膜の下に設けられた銅膜の表面酸化を防止できる。従って、配線のEM耐性と配線間TDDB寿命を十分確保しつつ、実効比誘電率が低い配線構造を得ることができる。なお、ここでいう窒化シリコン膜とは、膜厚が例えば5nm以下の非常に薄い窒化シリコン膜である。
以下、本発明の実施の形態を示す半導体装置およびその製造方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されない。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1の半導体装置およびその製造方法を説明する。
図1(a)〜(g)は本実施の形態1の半導体装置の製造方法における各工程を示す断面図である。
まず、シリコン基板(図示せず)上に、低誘電率な絶縁膜である炭素含有シリコン酸化膜(SiOC)(比誘電率kは例えば3.0)からなる層形成絶縁膜としての第1の絶縁膜1(膜厚は例えば150nm)及びプラズマ酸化膜(図示せず,膜厚は例えば30nm)を順に成膜する。その後、プラズマ酸化膜の上に第1の配線の配線溝パターン(不図示)をフォトリソグラフィー法により形成し、ドライエッチング法によりプラズマ酸化膜と第1の絶縁膜1とをエッチングし、深さが例えば170nmである配線溝M1を形成する(工程(a))。
次に、配線溝M1内およびプラズマ酸化膜の上に、タンタル系バリアメタル膜2a(膜厚は例えば15nm)およびシードCu層(層厚は例えば30nm)を順にスパッタ法により成膜する。その後、電界めっき法によりCu膜2b(膜厚は例えば400nm)を成膜し、N雰囲気でアニール(アニール温度は例えば300℃)を行う。その後、CMP法により配線溝M1内以外のCu膜2bおよびタンタル系バリアメタル膜2aを除去する。と同時に、プラズマ酸化膜を削り取り、第1の絶縁膜1を上面から20nmの厚み分を削り取る。これにより、図1(a)に示すように、配線溝M1内に、タンタル系バリアメタル膜2aおよびCu膜2bを有する第1の配線(配線)2(高さは例えば120nm)が形成される(工程(b))。
次に、Cu膜2b上の酸化膜を還元するためにNH又はH系のガスを用いたプラズマ処理を行う。その後、大気開放せずに、図1(b)に示すように、Cu膜2bの上および第1の絶縁膜1の上にSiCN膜3a(第一の絶縁性バリア膜,膜厚は例えば10nm)とSiCO膜3b(第二の絶縁性バリア膜,膜厚は例えば20nm)とを順にプラズマCVD法により成膜する(工程(c)および工程(d))。これらの膜は4MS(テトラメチルシラン:Si(CH3)4)を原料として形成され、200mmウェハ対応装置を用いる場合には典型的には以下の条件で成膜する。
<SiCN成膜条件>
4MSの流量:50sccm
NHの流量:70sccm
Heの流量:700sccm
圧力:690Pa
HRF(High Radio Frequency):580W
LRF(Low Radio Frequency):70W
ステージ温度:395℃
<SiCO成膜条件>
4MSの流量:300sccm
Heの流量:2500sccm
COの流量:1900sccm
圧力:533Pa
HRF:450W
LRF:100W
ステージ温度:395℃
なお、この成膜条件でのSiCN膜3aにおける組成はSi/C/N=42/36/22(atm%)であり、SiCO膜3bにおける組成はSi/O/C=38/26/36(atm%)である(これらの組成はXPS(X-ray photoelectron spectroscopy)の分析結果である)。
また、成膜段階における比誘電率k値に関しては、SiCNは4.8であり、SiCOは4.5である。
その後、図1(c)に示すように、Heプラズマ処理を行うことにより、SiCO膜3bの表面に高密度膜3cを形成する(工程(e))。SiCO膜の膜密度は、プラズマ処理をしなければ1.8g/cm程度であるが、Heプラズマ処理を行えば2.0g/cm以上となる。この際、Heプラズマ処理では膜組成(Si/C/Oの比率)の変化はほとんどない。
なお、Heプラズマの条件としては、200mmウェハ対応装置を用いる場合には例えば以下の通りである。
<Heプラズマの条件>
Heの流量:180sccm、圧力:560Pa
RFパワー:1550W
ウェハ温度:400℃
その後、層形成絶縁膜としての第2の絶縁膜4としてSiOC膜4a(比誘電率は例えば2.7、膜厚は例えば200nm)とSiOC膜4b(比誘電率は例えば3.0、膜厚は例えば50nm)との積層膜を形成し(工程(f))、その後UVキュアを行いSiOC膜4aの強度を向上させる。このUVキュアにより、SiOC膜4aの膜厚は例えば200nmから180nmにシュリンクする。その後、SiOC膜4bの上に、TEOS原料によるプラズマ酸化膜5(膜厚は例えば80nm)を成膜する。その後、通常のデュアルダマシン法によりフォトリソグラフィー法、ドライエッチ法、アッシングおよび洗浄により、ビアホールH1を形成する(図1(d))。この際のビアエッチでは、最低でもSiCN膜3aを完全に除去しないようにする。
その後、ビアホールH1をレジストプラグで埋め込み平坦化した後に、フォトリソグラフィー法、ドライエッチ法、アッシング及び洗浄により配線溝M2を形成する(図1(e))。その後、全面エッチによりビアホールH1の底部のSiCO膜3bおよびSiCN膜3aを除去し、洗浄を行う(図1(f))。この全面エッチの際には、プラズマ酸化膜5の一部も除去される(エッチ後のプラズマ酸化膜5の膜厚は例えば50nmである)。
その後、ビアホールH1の底部のCu膜6b上の酸化膜を還元するためにH雰囲気中においてアニール(加熱温度は例えば250℃)を行い、大気開放せずプラズマ酸化膜5の上にタンタル系バリアメタル膜6a(膜厚は例えば15nm)およびシードCu層(層厚は例えば30nm)をスパッタ法により順に成膜し、その後、電界めっき法によりCu膜6b(膜厚は例えば400nm)を成膜し、N雰囲気でアニール(アニール温度は例えば300℃)を行う。その後、CMP法により配線溝M2内以外のCu膜6bおよびタンタル系バリアメタル膜6aを除去し、プラズマ酸化膜5を削り取り、さらには、表面から20nm分のSiOC膜4bを削り取る。これにより、図1(g)に示すように、配線溝M2内には、タンタル系バリアメタル膜6aおよびCu膜6bを有する第2のCu配線6(高さは例えば120nm)が形成される。
その後、再度、NH又はH系のプラズマ処理を行った後、大気開放せずにCu膜6bの上およびSiOC膜4bの上にSiCN膜7a(膜厚は例えば10nm)とSiCO膜7b(膜厚は例えば20nm)とをプラズマCVD法により順に成膜し、その後、Heプラズマ処理を行い、SiCO膜7bの表面に高密度膜7cを形成する(図1(g))。以上のような工程を繰り返すことにより、多層配線を形成することができる。
以上の実施の形態1によると、プラズマCVD法により形成されたSiCO膜3bがHeプラズマ処理により膜組成を変えることなく高密度膜3cとなるため、SiCO膜3bが薄膜であってもSiCO膜3bの膜厚を厚くしたのと同等の効果が得られ、SiOC膜4aからの水分の浸透を防止することができる。従って、SiOC膜4aの直下のCu膜2bの上面が水分に接触することを抑制できるため、Cu膜2bの上面が酸化されることを抑制でき、SiCN膜3aとCu膜2bとの良好な密着性を確保できる。同様の理由から、SiCN膜7aとCu膜6bとの良好な密着性を確保することができる。
また、配線間の第1の絶縁膜1とSiCN膜3aとの界面、又はSiOC膜4bとSiCN膜7aとの界面に水分が入ることを抑制できる。従って、配線およびビアのEM耐性ならびに配線間のTDDBが劣化することなく、半導体装置の良好な寿命を確保することができる。
なお、実施の形態1は、以下に示す構成であってもよい。
高密度処理の具体的な方法としては、Heプラズマ処理を行う代わりに、Ar等の他の希ガスを用いてプラズマ処理を行っても良い。イオンの衝突エネルギーにより、SiCO膜3bの表面が高密度化されることとなる。
また、窒素(N)ガスまたはアンモニア(NH)ガス等の反応性ガスを使ったプラズマ処理により、SiCO膜3bの表面を窒化させて未結合手のSi等をSiN化させてもよい(工程(h))。この場合、SiCO膜3bを上記実施の形態1に比べてさらに高密度化させることができるので、透水性に対する防止能を高めることができる。その上、SiCO膜3bの表面が窒化されることによりその表面にはSiN膜が形成され、SiN膜自体が透水性に対する防止能に優れているので、透水性に対する防止能をさらに高めることができる。同様のことは、SiCO膜7bの表面を窒化させた場合にも言える。
また、酸素(O)ガスまたはNO等の酸化系ガスを使ってSiCO膜3bまたはSiCO膜7bの酸化を強化しても、透水性に対する防止能を高めることができる。
ここで、NHプラズマの条件としては、例えば、200mmウェハ対応装置を用いた場合には以下の通りである。
<NHプラズマの条件>
NHの流量:300sccm、圧力:530Pa
RFパワー:400W
ウェハ温度:400℃
また、高密度処理においては、ラジカル処理またはガスクラスターイオンビームによる表面処理を行っても良い。
さらに、SiCO膜およびSiCN膜の膜厚としては、SiCO膜3bの膜厚(高密度膜3cの膜厚を含む)が30nm〜5nmであり、SiCN膜3aの膜厚が30nm〜1nmであり、SiCO膜3bの膜厚とSiCN膜3aの膜厚のトータルが50nm以下であれば、半導体装置において容量を低減させることができるとともに信頼性を確保することができるので好ましい。同様のことは、SiCO膜7bおよびSiCN膜7aに対しても言える。なお、Cu配線上にSiCN膜を設けなければ、SiCO膜がCu膜の表面に直接接触することになり、成膜時にCu膜の表面が酸化されてCu膜が剥離する虞がある。従って、Cu膜の上には、膜厚が最低でも1nmであるSiCN膜を設けることが好ましい。
特に図7で示したように、SiCO膜の方がSiCN膜に比べて透水性に対する防止能が優れており且つ比誘電率も低いため、SiCN膜3aを極力薄くしてSiCO(高密度膜3cを含む)膜3bを厚くすれば、SiCN膜3aおよびSiCO膜3bの積層膜を薄膜化することができるとともにその積層膜の比誘電率を低くすることができるので好ましい。
その上、本実施形態では、SiCO膜3b,7bに対して高密度化処理を行ったが、SiCO膜3b,7bを高密度化するのと同様の処理をSiCN膜3a,7aに対して行えば(工程(g))、SiCN膜3a,7aを高密度化することができるので透水性に対する防止能をさらに高めることができるという効果がある。また、SiCN膜3a,7aのみを高密度化することでも、透水性に対する防止能を高めることは可能であるので、SiCN膜3a,7aのみを高密度化してもよい。
また、SiCO膜3b,7bの表面に対して高密度化処理を行ったが、SiCO膜3b,7bの全体に対して高密度化処理を行っても良い。ただし、SiCO膜3b,7bの上面は、その下面と比較して高密度となる。また、SiCN膜3a,7aに対しても高密度化処理を行う場合には、SiCN膜3a,7aの上面にのみ高密度化処理を行っても良いし、SiCN膜3a,7aの全体に対して高密度化処理を行っても良い。ただし、SiCN膜3a,7aの上面は、その下面と比較して高密度となる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2の半導体装置およびその製造方法を説明する。
図2(a)〜(f)は本実施の形態2の半導体装置の製造方法における各工程を示す断面図である。
まず、シリコン基板(図示せず)上に、低誘電率な絶縁膜である炭素含有シリコン酸化膜(SiOC)(比誘電率kは例えば3.0)からなる層形成絶縁膜としての第1の絶縁膜1(膜厚は例えば150nm)及びプラズマ酸化膜(図示せず,膜厚は例えば30nm)を順に成膜する。その後、プラズマ酸化膜の上に第1の配線の配線溝パターン(不図示)をフォトリソグラフィー法により形成し、ドライエッチング法によりプラズマ酸化膜と第1の絶縁膜1とをエッチングし、深さが例えば170nmである配線溝M1を形成する(工程(i))。
次に、配線溝M1内およびプラズマ酸化膜の上に、タンタル系バリアメタル膜2a(膜厚は例えば15nm)およびシードCu層(層厚は例えば30nm)を順にスパッタ法により成膜する。その後、電界めっき法によりCu膜2b(膜厚は例えば400nm)を成膜し、N雰囲気でアニール(アニール温度は例えば300℃)を行う。その後、CMP法により配線溝M1内以外のCu膜2bおよびタンタル系バリアメタル膜2aを除去する。と同時に、プラズマ酸化膜を削り取り、第1の絶縁膜1を上面から20nmの厚み分を削り取る。これにより、図2(a)に示すように、配線溝M1内に、タンタル系バリアメタル膜2aおよびCu膜2bを有する第1の配線(配線)2(高さは例えば120nm)が形成される(工程(j))。
その後、Cu膜2b上の酸化膜を還元するためにNH又はH系のガスを用いたプラズマ処理を行った後、大気開放せずに図2(b)に示すようにCu膜2bの上および第1の絶縁膜1の上にSiCN膜3a(第一の絶縁性バリア膜,膜厚は例えば10nm)とSiCO膜3b(第二の絶縁性バリア膜,膜厚は例えば10nm)とSiNx膜3d(窒化シリコン膜,膜厚は例えば5nm)を順にプラズマCVD法により成膜する(工程(k))。ここで、SiNxの比誘電率k値は7.0である。
その後、層形成絶縁膜としての第2の絶縁膜4としてSiOC膜4a(比誘電率は例えば2.7、膜厚は例えば200nm)とSiOC膜4b(比誘電率は例えば3.0、膜厚は例えば50nm)との積層膜を形成し(工程(l))、その後UVキュアを行いSiOC膜4aの強度を向上させる。このUVキュアにより、SiOC膜4aの膜厚は例えば200nmから180nmにシュリンクする。その後、SiOC膜4bの上に、TEOS原料によるプラズマ酸化膜5(膜厚は例えば80nm)を成膜する。その後、通常のデュアルダマシン法によりフォトリソグラフィー法、ドライエッチ法、アッシングおよび洗浄により、ビアホールH1を形成する(図2(c))。この際のビアエッチでは、最低でもSiCN膜3aを完全に貫通しないようにする。
その後、ビアホールH1をレジストプラグで埋め込み平坦化した後に、フォトリソグラフィー法、ドライエッチ法、アッシング及び洗浄により配線溝M2を形成する(図2(e))。その後、全面エッチによりビアホールH1の底部のSiCO膜3bおよびSiCN膜3aを除去し、洗浄を行う(図2(f))。この全面エッチの際に、プラズマ酸化膜5の一部も除去される(除去後のプラズマ酸化膜5の膜厚は例えば50nmである)。
その後、ビアホールH1の底部のCu膜6b上の酸化膜を還元するためにH雰囲気中においてアニール(加熱温度は例えば250℃)を行い、大気開放せずプラズマ酸化膜5の上にタンタル系バリアメタル膜6a(膜厚は例えば15nm)およびシードCu層(層厚は例えば30nm)をスパッタ法により順に成膜し、その後、電界めっき法によりCu膜6b(膜厚は例えば400nm)を成膜し、N雰囲気でアニール(アニール温度は例えば300℃)を行う。その後、CMP法により配線溝M2内以外のCu膜6bおよびタンタル系バリアメタル膜6aを除去し、プラズマ酸化膜5を削り取り、さらには、表面から20nm分のSiOC膜4bとを削り取る。これにより、図2(f)に示すように、配線溝M2内には、タンタル系バリアメタル膜6aおよびCu膜6bを有する第2のCu配線6(高さは例えば120nm)が形成される。
その後、再度、NH又はH系のプラズマ処理を行った後、大気開放せずにCu膜6bの上およびSiOC膜4bの上にSiCN膜7a(膜厚は例えば10nm)とSiCO膜7b(膜厚は例えば10nm)とSiNx膜7d(膜厚は例えば5nm)をプラズマCVD法により順に成膜する(図2(f))。以上のような工程を繰り返すことにより、多層配線を形成することができる。
以上の実施の形態2によると、プラズマCVD法により形成されたSiNx膜3dは、高密度であるので(具体的には、膜密度は2.0g/cm以上)、薄膜であっても透水性に対する防止能に優れており、よって、薄膜でもSiOC膜4aからの水分の浸透を防止することができる。従って、SiNx膜3dの直下のCu膜2bの上面が水分に触れることがないので酸化されることを防止でき、その結果、SiCN膜3aとCu膜2bとの良好な密着性を確保することができる。同様の理由から、SiCN膜7aとCu膜6bとの良好な密着性を確保することができる。
また、配線間の第1の絶縁膜1とSiCN膜3aとの界面、又はSiOC膜4bとSiCN膜7aとの界面に水分が入ってくることを抑制することができる。従って、配線およびビアのEM耐性ならびに配線間のTDDBが劣化することなく、半導体装置の良好な寿命を確保することができる。
また、SiNx膜3d,7dは比誘電率kが約7と高いため、その膜厚が5nm以下であり且つ絶縁性ライナー膜全体の膜厚の40%以下程度に薄膜にすることにより、処理速度および信頼性に影響を与えることなく低keffが実現可能である。
なお、実施の形態2は、以下に示す構成であってもよい。
SiNx膜3d,7dの成膜前に実施の形態1の各種プラズマ処理(高密度化処理)を施せば、言い換えるとSiCO膜3b又はSiCN膜3aのどちらかに高密度化処理を施せば、高密度化処理を施さない場合に比べて透水性に対する防止能を高めることができるため好ましい。また、SiCO膜3bとSiCN膜3aの両方に高密度化処理を施す方がより好ましい。
また、SiNx膜3dは、SiCO膜3bの下に設けられていても良く、SiCN膜3aの下に設けられていても良く、SiCN膜3aの代わりに設けられていても良く、SiCO膜3bの代わりに設けられていても良い。言い換えると、SiNx膜3dはCu膜2bとSiOC膜4aとの間のどこかに設けられていればよい。ただし、SiCN膜3aの代わりに設ける場合には、SiNx膜3dは、SiCO膜3bの下に設けられることになる。同様のことは、SiNx膜7dに対しても言える。
上記SiNx膜、SiCO膜およびSiCN膜の膜厚に関しては、SiNx膜3dの膜厚が1〜5nmであり、SiCO膜3bの膜厚が30〜5nmであり、SiCN膜3aの膜厚が30〜1nmであり、SiNx膜3dの膜厚とSiCO膜3bの膜厚とSiCN膜3aの膜厚との合計が50nm以下であれば、半導体装置において容量を低減させることができるとともに信頼性を確保することができるので好ましい。同様のことは、SiNx膜7d、SiCO膜7bおよびSiCN膜7aに対しても言える。なお、Cu膜上にSiCN膜を設けなければ、SiCO膜がCu膜の表面に直接接触することになり、成膜時にCu膜の表面が酸化されてCu膜が剥離する虞がある。従って、Cu膜の上には、膜厚が最低でも1nmであるSiCN膜又はSiNx膜を設けることが好ましい。
また、SiNおよびSiCNはSiCOに比べて比誘電率が高いため、SiNx膜3d及びSiCN膜3aを極力薄膜にしてSiCO膜3bを分厚くする方が、SiNx膜3d、SiCN膜3aおよびSiCO膜3bからなる積層膜を薄膜化することができ、且つ、その積層膜の比誘電率を低くすることができるので好ましい。
その上、第1の実施形態と同様に、SiNx膜3dおよびSiCN膜3aのどちらか一方、又はSiNx膜3d及びSiCN膜3aの両方に対してプラズマ処理を行って高密度化させれば、透水性に対する防止能を高めることができるため好ましい。
本発明の半導体装置およびその製造方法は、十分なEM耐性および配線間TDDB寿命を確保しつつ、層間絶縁膜の低誘電率化を行っても絶縁性ライナー膜膜厚を薄くすることができ、配線間の実効比誘電率Keffを低減した高速で高信頼性な配線を実現するための技術等に有用である。
本発明の実施の形態1の半導体装置の製造方法における各工程を示す断面図 本発明の実施の形態2の半導体装置の製造方法における各工程を示す断面図 従来の半導体装置の製造方法による配線構造断面図 従来の半導体装置の製造方法による配線構造におけるビアチェーンEM評価結果 従来の半導体装置の製造方法による配線構造における配線間TDDB評価結果 EM及び配線間TDDB劣化原因メカニズムの説明図 SiCO膜およびSiCN膜の透水性の評価結果
符号の説明
1 第1の絶縁膜(層形成絶縁膜)
M1,M2 配線溝
2b,6b 銅膜
3a,7a SiCN膜(第1の絶縁性バリア膜)
3b,7b SiCO膜(第2の絶縁性バリア膜)
3c,7c 高密度膜
3d,7d SiNx膜(窒化シリコン膜)
4 第2の絶縁膜
4a SiOC膜(低誘電率な絶縁膜)

Claims (24)

  1. 半導体基板上の層形成絶縁膜に形成された配線溝と、
    前記配線溝内に設けられた銅膜と、
    前記銅膜の上及び前記層形成絶縁膜の上に設けられた第一の絶縁性バリア膜と、
    前記第一の絶縁性バリア膜の上に設けられた第二の絶縁性バリア膜と、
    前記第二の絶縁性バリア膜の上に設けられ、前記第一の絶縁性バリア膜および前記第二の絶縁性バリア膜よりも誘電率が低い低誘電率な絶縁膜とを有し、
    前記第一の絶縁性バリア膜および前記第二の絶縁性バリア膜のうちの少なくとも一方の絶縁性バリア膜の少なくとも上面は、膜密度が高い高密度膜であることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第二の絶縁性バリア膜と前記低誘電率な絶縁膜との間に窒化シリコン膜が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記高密度膜は、前記第二の絶縁性バリア膜の上面または前記第二の絶縁性バリア膜全体に形成されており、前記第一の絶縁性バリア膜よりも高密度であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記高密度膜の膜密度は、2.0g/cm以上であることを特徴とする請求項1から3の何れか一つに記載の半導体装置。
  5. 前記第一の絶縁性バリア膜は、シリコンカーボン窒化膜であり、
    前記第二の絶縁性バリア膜は、シリコンカーボン酸化膜であることを特徴とする請求項1から4の何れか一つに記載の半導体装置。
  6. 半導体基板上の層形成絶縁膜に形成された配線溝と、
    前記配線溝内に設けられた銅膜と、
    前記銅膜の上及び前記層形成絶縁膜の上に設けられた第一の絶縁性バリア膜と、
    前記第一の絶縁性バリア膜の上に設けられた第二の絶縁性バリア膜とを有し、
    前記第一の絶縁性バリア膜又は前記第二の絶縁性バリア膜のうちどちらか一方は窒化シリコン膜であることを特徴とする半導体装置。
  7. 前記第一の絶縁性バリア膜又は前記第二の絶縁性バリア膜のうち前記窒化シリコン膜ではない絶縁性バリア膜は、シリコンカーボン窒化膜又はシリコンカーボン酸化膜であることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
  8. 半導体基板上の層形成絶縁膜に形成された配線溝と、
    前記配線溝内に設けられた銅膜と、
    前記銅膜の上及び前記層形成絶縁膜の上に設けられた第一の絶縁性バリア膜と、
    前記第一の絶縁性バリア膜の上に設けられた第二の絶縁性バリア膜と、
    前記第二の絶縁性バリア膜の上に設けられ、前記第一の絶縁性バリア膜および前記第二の絶縁性バリア膜よりも誘電率が低い低誘電率な絶縁膜とを有し、
    前記銅膜と前記低誘電率な絶縁膜との間には、窒化シリコン膜が設けられていることを特徴とする半導体装置。
  9. 前記窒化シリコン膜は、前記第二の絶縁性バリア膜と前記低誘電率な絶縁膜との間に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  10. 前記第一の絶縁性バリア膜および前記第二の絶縁性バリア膜のうちの一方は、前記窒化シリコン膜であり、
    前記第一の絶縁性バリア膜および前記第二の絶縁性バリア膜のうちの他方は、シリコンカーボン窒化膜又はシリコンカーボン酸化膜であることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  11. 前記窒化シリコン膜の膜厚は、5nm以下であることを特徴とする請求項6から10の何れか一つに記載の半導体装置。
  12. 半導体基板上に形成された層形成絶縁膜に配線溝を形成する工程(a)と、
    前記工程(a)の後に、前記配線溝内に銅膜を堆積させて配線を形成する工程(b)と、
    前記工程(b)の後に、前記銅膜の上及び前記層形成絶縁膜の上に第一の絶縁性バリア膜を形成する工程(c)と、
    前記工程(c)の後に、前記第一の絶縁性バリア膜の上に第二の絶縁性バリア膜を形成する工程(d)と、
    前記第一の絶縁性バリア膜および前記第二の絶縁性バリア膜の少なくとも一方の絶縁性バリア膜の少なくとも上面に対して高密度化処理を行う工程(e)と、
    前記第二の絶縁性バリア膜の上に、前記第一の絶縁性バリア膜および前記第二の絶縁性バリア膜よりも誘電率が低い低誘電率な絶縁膜を形成する工程(f)とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. 前記工程(c)と前記工程(d)の間に、前記第一の絶縁性バリア膜の上面に対して高密度化処理を行う工程(g)を有することを特徴とする請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 前記工程(e)の後に、前記第二の絶縁性バリア膜の上に窒化シリコン膜を形成する工程(h)を有することを特徴とする請求項12または13に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 前記高密度化処理として、プラズマ処理又は酸化処理を行うことを特徴とする請求項12から14の何れか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  16. 前記プラズマ処理は、ヘリウム、アルゴン、窒素、アンモニアおよび酸素のいずれかのガスを用いることを特徴とする請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
  17. 前記高密度化処理では、膜密度を2.0g/cm以上とすることを特徴とする請求項12から16の何れか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  18. 前記第一の絶縁性バリア膜としてシリコンカーボン窒化膜を用い、
    前記第二の絶縁性バリア膜としてシリコンカーボン酸化膜を用いることを特徴とする請求項12から17のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
  19. 半導体基板上に形成された層形成絶縁膜に配線溝を形成する工程(i)と、
    前記工程(i)の後に、前記配線溝内に銅膜を堆積させて配線を形成する工程(j)と、
    前記工程(j)の後に、前記銅膜の上及び前記層形成絶縁膜の上に、第一の絶縁性バリア膜および第二の絶縁性バリア膜を順に形成する工程(k)と、
    前記工程(k)の後に、前記第二の絶縁性バリア膜の上に、前記第一の絶縁性バリア膜および前記第二の絶縁性バリア膜よりも誘電率が低い低誘電率な絶縁膜を形成する工程(l)とを備え、
    前記工程(k)では、前記第一の絶縁性バリア膜および前記第二の絶縁性バリア膜のうちの一方を窒化シリコン膜とすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  20. 前記工程(k)では、前記第一の絶縁性バリア膜および前記第二の絶縁性バリア膜のうちの前記窒化シリコン膜ではない絶縁性バリア膜をシリコンカーボン窒化膜又はシリコンカーボン酸化膜とすることを特徴とする請求項19に記載の半導体装置の製造方法。
  21. 半導体基板上に形成された層形成絶縁膜に配線溝を形成する工程(i)と、
    前記工程(i)の後に、前記配線溝内に銅膜を堆積させて配線を形成する工程(j)と、
    前記工程(j)の後に、前記銅膜の上及び前記層形成絶縁膜の上に、第一の絶縁性バリア膜および第二の絶縁性バリア膜を順に形成する工程(k)と、
    前記工程(k)の後に、前記第二の絶縁性バリア膜の上に、前記第一の絶縁性バリア膜および前記第二の絶縁性バリア膜よりも誘電率が低い低誘電率な絶縁膜を形成する工程(l)と、
    前記銅膜と前記低誘電率な絶縁膜との間に、窒化シリコン膜を形成する工程(m)を有していることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  22. 前記工程(k)と前記工程(l)との間で前記工程(m)を行い、
    前記工程(m)では、前記第二の絶縁性バリア膜の上に前記窒化シリコン膜を形成することを特徴とする請求項21に記載の半導体装置の製造方法。
  23. 前記工程(m)では、前記第一の絶縁性バリア膜および前記第二の絶縁性バリア膜のうちの一方を前記窒化シリコン膜とし、前記第一の絶縁性バリア膜および前記第二の絶縁性バリア膜のうちの他方をシリコンカーボン窒化膜又はシリコンカーボン酸化膜とすることを特徴とする請求項21に記載の半導体装置の製造方法。
  24. 前記窒化シリコン膜の膜厚を5nm以下とすることを特徴とする請求項19から23の何れか一つに記載の半導体装置の製造方法。
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