JP2009180888A - カラーフィルタ製造装置、カラーフィルタ製造方法、乾燥装置、乾燥方法、表示装置の製造装置、表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】減圧加熱装置8は、減圧部9によりチャンバ41内の空気を吸引して減圧し、加熱部10はチャンバ41内の温度低下を抑制すると同時に基板3の着色層45を加熱する。着色層45から水分や溶剤が気化して気化成分51が生じる。気化成分51は、チャンバ41内に蒸散して滞留する。加熱部10がチャンバ41内を上部から加熱することにより気化成分51が結露することを防止する。従って結露に起因する欠陥の発生を防止することができる。また、加熱部10は、チャンバ41内の温度低下を抑制すると同時に着色層45を加熱するので、着色層45からの水分や溶剤の気化を促進し乾燥時間を短縮することができる。
【選択図】図5
Description
インクジェット法では、基板上にパターン形成されたインク受容層にインクを付与することにより、着色層が形成される。あるいは、基板上に遮光部により画設された開口部にインクを塗布することにより、着色層が形成される。インク受容層あるいはインクを乾燥及び硬化させるためには、加熱工程が必要となる。例えば、ホットプレートを用いて加熱することにより、プリベイク(乾燥工程)及びポストベイク(硬化工程)が行われる。一般に、吐出安定性を確保するために遅乾性溶媒(例えば、沸点250℃)がインクの主溶剤として用いられる。加熱により溶剤を気化(揮発)させることによりプリベイクが行われる。
上方加熱部及び下方加熱部としての加熱源は、例えばホットプレート、IR(Infrared Rays:赤外線)ヒータ、電熱線、ランプ等を用いることができる。
最初に、図1を参照しながら、カラーフィルタ製造装置1の構成について説明する。
図1は、カラーフィルタ製造装置1の構成図である。
カラーフィルタ製造装置1は、基板3に対してインクジェットヘッド5からインクを吐出してパターニングを行い、カラーフィルタを製造する装置である。
吸着テーブル4は、基板3を吸着して固定するテーブルである。基板の吸着は、例えば、吸着テーブル4と基板3との間の空気を減圧あるいは真空にすることにより行われる。この場合、吸着テーブルには、空気を吸引するための小孔(図示しない)が設けられ、吸着の際には当該孔を通じて真空ポンプ(図示しない)等により空気の吸引が行われる。
移動部6は、吸着テーブル4及びインクジェットヘッド5の移動及び位置決めを行う装置である。尚、移動機構としては、汎用のガイド機構や移動用アクチュエータを用いることができる。例えば、移動用アクチュエータとして、ステップモータ、サーボモータ、リニアモータを用い、ガイド機構として、直線移動機構、エアースライドを用いることができる。
アライメントカメラ7は、基板3の位置座標を検出するために、基板3の所定箇所(基板上に形成されるアライメントマーク等)を撮像するカメラである。
次に、図2及び図3を参照しながら、カラーフィルタ製造方法について説明する。
図2は、インク受容層にインクを付与して着色層を形成するカラーフィルタ製造方法を示す図である。
図2(b)に示すように、フォトマスク24を用いて光23を照射してパターン露光が行われる。インク受容層22にネガ型の樹脂組成物が用いられる場合、露光部分のインク受容層22は、インク受容能を失って非着色域25となる。露光部分以外のインク受容層22は、着色域26となる。
図2(d)に示すように、着色層28が形成された基板3は、減圧加熱装置8に搬送される。減圧加熱装置8は、基板3を減圧環境下で加熱し、着色層28に含まれる水分や溶剤成分を除去して乾燥させる。その後、減圧加熱装置8は、基板3をさらに高温で加熱して着色層28全体を硬化させる。
図2(e)に示すように、着色層28上に必要に応じて保護層29を形成してもよい。
図3は、開口部にインクを付与して着色層を形成するカラーフィルタ製造方法を示す図である。
図3(b)に示すように、インクジェットヘッド5からインク32が吐出される。インク32は、染料あるいは顔料等の着色剤を含有する。開口部にインク32が塗布され、着色層33が形成される。この段階では、着色層33は、水分や溶剤成分を含み、湿潤状態(ウェット状態)である。
図3(c)に示すように、着色層33が形成された基板3は、減圧加熱装置8に搬送される。減圧加熱装置8は、基板3を減圧環境下で加熱し、着色層33に含まれる水分や溶剤成分を除去して乾燥させる。その後、減圧加熱装置8は、基板3をさらに高温で加熱して着色層33全体を硬化させる。
図3(d)に示すように、着色層33上に必要に応じて保護層34を形成してもよい。
次に、図4を参照しながら、第1の実施の形態に係る減圧加熱装置8について説明する。
図4は、減圧加熱装置8の構成図である。
減圧加熱装置8では、チャンバ41の上方に加熱部10が設けられる。
次に、図5及び図6を参照しながら、減圧加熱装置8による乾燥処理について説明する。
図5は、減圧加熱装置8による乾燥処理を示す図である。
図6は、減圧加熱装置8内部の、基板3からの距離と温度の関係を示す図である。
尚、温度分布81は、加熱部10の加熱温度、加熱時間、基板3と加熱部10との距離を変更することによって調整することができる。気化成分51が液化しないように温度分布81を適宜調整することが望ましい。
次に、図7を参照しながら、第2の実施の形態に係る減圧加熱装置8aについて説明する。
図7は、減圧加熱装置8aの構成図である。
減圧加熱装置8aでは、チャンバ41内の上方に加熱部10−1が設けられると共に、チャンバ41内の下方に加熱部10−2が設けられる。
次に、図8及び図9を参照しながら、減圧加熱装置8aによる乾燥処理について説明する。
図8は、減圧加熱装置8aによる乾燥処理を示す図である。
図9は、減圧加熱装置8a内部の、基板3からの距離と温度の関係を示す図である。
尚、温度分布83は、加熱部10−1及び加熱部10−2の加熱温度、加熱時間、基板3と加熱部10との距離を変更することによって調整することができる。気化成分51が液化しないように温度分布83を適宜調整することが望ましい。
図10は、表示装置91を示す図である。ここでは、表示装置91として液晶ディスプレイパネルを挙げて説明する。
基板92は、カラーフィルタ製造装置1により製造されたカラーフィルタである。基板92には、液晶封入空間を確保するためのスペーサ96が形成される。基板93は、TFT(Thin Film Transistor)等のアレイ基板である。基板92と基板93とを貼り合わせ、基板の周辺部分にシール材94を設け、基板間に液晶97を封入することにより、表示装置91が製造される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[1−1.着色層形成用基板作製]
カラーフィルタ用ガラス材として用いられている厚み0.7mm、横370mm、縦470mmのCorning社製EAGLE2000を用意し、このガラス基材上にフォトリソグラフィ法にて樹脂製のブラックマトリクスを形成した。
ブラックマトリクスは開口部が150μm×420μm、遮光部分の線幅が縦90μm、横20μmとなるように形成し、横方向に170μmピッチ、縦方向に510μmピッチにて縦方向に600画素、横方向に2400画素(800×3)配置されるものとした。またこの際、遮光部分の膜厚は平均1.5μmとした。
上記ブラックマトリクス付ガラス基材に対し、フッ素化合物を導入ガスとしたプラズマ処理を加えることにより、ブラックマトリクスの表面を撥液性に、それ以外の領域(着色層形成用領域)を親液性とした。このとき表面張力40mN/mの液体との接触角は、ブラックマトリクス上で60°、着色層形成用領域で10°であった。
上記親疎液性を有する着色層形成用基板に対し、インクジェットヘッドを用いて着色層形成用塗工液を塗布した。着色層形成用塗工液は、カラーフィルタ用顔料と熱硬化型樹脂等からなるRGB各色の顔料分散型インクを用い、1つの開口部(着色層形成用領域)あたり50滴にて所望のカラーフィルタの色が表現できるように濃度を設計したものを用いた。
このときのインクジェットヘッドへの印加電圧は75V、パルス幅は2μsであった。また、インクジェットヘッドは1ヘッドにつき128ノズルを有するものを用い、1色につき1ヘッド、すなわちRGB3色にて3ヘッドを用いた。
塗布は、各着色層形成用領域(1画素)あたり1ノズルが配置されるように位置決めして行い、ノズルから吐出された着色層形成用塗工液の各液滴が、上記着色層形成用領域内に着弾するように行った。また、着色層形成用塗工液は画素短手方向にRGBの順に繰り返し配置し、画素長手方向には同色が並ぶように配置した。そして、インクジェットヘッドを画素長手方向に走査しつつ着色層形成用塗工液を塗布した。この際、各色の着色層形成用塗工液は開口部全域に塗れ広がり、かつ異なる色同士混色することは無かった。
上記着色層形成用塗工液を着弾させたカラーフィルタ用基板を基板下方および基板上方に加熱機構を備えた減圧加熱乾燥装置内に配置し減圧加熱乾燥した。
基板と下方加熱ステージとのギャップはSUS製の5mmピンを用いて設定した。また、基板と上方加熱源とのギャップは80mmに設定した。加熱温度は上方加熱部を30℃、下方加熱部を30℃に設定した。減圧圧力は10Pa、減圧保持時間70secに設定した。尚、設定減圧圧力到達時間は15secであった。尚、この時の基板温度は30℃であった。
プリベイク後の減圧乾燥装置内を観察した結果、結露の発生は無かった。そして、着色層形成用塗工液は、先端の直径が12μmの針で5mgの圧力にて表面を触針しても傷が入らない程度に固化し、混色しない状態であった。
上記、プリベイク後が終了したカラーフィルタ用基板を200℃のオーブンに設置し、30分間ポストベイクを行った。
上記ポストベイク後のカラーフィルタ用基板の着色層を、Micromap社三次元非接触表面形状計測装置micromap557を用いて測定した。測定は、カラーフィルタ用基板の中央部および額縁部の着色層形成領域(1画素)、すなわち170μm×510μmの範囲における表面形状を計測した。
カラーフィルタ用基板の中央部および額縁部の画素断面形状について比較した結果、形状は同じであった。また、クラック、表面荒れ、色ムラ等、表示に影響を及ぼすといった欠陥が無く、良質なカラーフィルタ用基板が作製できた。
減圧加熱乾燥工程に関して、[実施例]では加熱温度として、上方加熱部を30℃、下方加熱部を30℃に設定したのに対して、[比較例]では、加熱は下方加熱部のみを使用して温度を30℃に設定した。尚、[比較例]では[実施例]と同様に着色層形成用基板作製、着色層形成工程、ポストベイク工程を行った。
[実施例1]と同様であるので説明を省略する。
[実施例1]と同様であるので説明を省略する。
上記着色層形成用塗工液を着弾させたカラーフィルタ用基板を基板下方および基板上方に加熱機構を備えた減圧加熱乾燥装置内に配置し減圧加熱乾燥した。
基板と下方加熱ステージとのギャップはSUS製の5mmピンを用いて設定した。また、基板と上方加熱部とのギャップは80mmに設定した。加熱は下方加熱部のみを使用し、温度を30℃に設定した。減圧圧力は10Pa、減圧保持時間70secに設定した。尚、設定減圧圧力到達時間は15secであった。尚、この時の基板温度は30℃であった。
プリベイク後の減圧乾燥装置内を観察した結果、上方加熱部の周囲に結露が発生した。着色層形成用塗工液は、先端の直径が12μmの針で5mgの圧力にて表面を触針しても傷が入らない程度に固化し、混色しない状態であったが、結露した溶剤が再付着した痕跡があった部位では混色していた。
[実施例1]と同様であるので説明を省略する。
上記ポストベイク後のカラーフィルタ用基板の着色層を、Micromap社三次元非接触表面形状計測装置micromap557を用いて測定した。測定は、カラーフィルタ用基板の中央部および額縁部の着色層形成領域(1画素)、すなわち170μm×510μmの範囲における表面形状を計測した。
カラーフィルタ用基板の中央部および額縁部の画素断面形状について比較した結果、形状は同じであった。しかし、結露した溶剤の再付着に起因した混色および色ムラがあり、良質なカラーフィルタ用基板は作製出来なかった。
図11は、上方加熱温度と下方加熱温度毎の結露発生状況及び着色層欠陥状況の結果を示す図である。
また、上方加熱部と下方加熱部が25℃以下の場合、着色層に変形が生じ、上方加熱部または下方加熱部のいずれかが100℃を超える場合、着色層表面にクラックの欠陥が生じる。
また、着色層の変形やクラック等の表示に影響を及ぼすといった欠陥を防止するには基板温度を30℃以上100℃以下にすることが望ましい。
以上詳細に説明したように、減圧加熱装置の上方に加熱部を設け着色層からの気化成分の結露を抑制するので、結露が滴下して着色層へ再付着することを防止することができる。従って、混色や色ムラ等の欠陥を防止することができ、カラーフィルタ製造における歩留まりの向上に効果がある。
また、加熱部は容器内の温度低下を防止して結露を抑制するだけではなく、加熱部が着色層を加熱することにより、着色層の乾燥時間を短縮することができる。
また、インクの吐出は、インクジェットヘッドに限られず、例えば、ディスペンサ等を用いることもできる。
2………制御部
3………基板
4………吸着テーブル
5………インクジェットヘッド
6………移動部
7………アライメントカメラ
8、8a………減圧加熱装置
9………減圧部
10、10−1、10−2………加熱部
21、31………遮光層
22………インク受容層
23………光
24………フォトマスク
25………非着色域
26………着色域
27、32………インク
28、33、45………着色層
29、34………保護層
41………チャンバ
51………気化成分
81、83………温度分布
91………表示装置
92………カラーフィルタ基板
93………アレイ基板
94………シール材
96………スペーサ
97………液晶
Claims (14)
- 基板にインクを付与して着色層を形成するカラーフィルタ製造装置であって、
前記基板を収容する容器と、
前記容器内の上方を加熱する上方加熱部と、
を具備し、
前記上方加熱部は、加熱処理により前記着色層からの気化成分の温度低下を抑制して前記気化成分の液化を防止することを特徴とするカラーフィルタ製造装置。 - 前記容器内の下方を加熱する下方加熱部を具備し、
前記上方加熱部または前記下方加熱部の少なくともいずれかは、加熱処理により前記着色層に含まれる溶媒成分を気化させることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ製造装置。 - 前記容器内の減圧を行う減圧部を具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタ製造装置。
- 基板にインクを付与して着色層を形成するカラーフィルタ製造方法であって、
前記基板を容器に収容する基板収容ステップと、
前記容器内の上方を加熱する上方加熱ステップと、
を具備し、
前記上方加熱ステップは、加熱処理により前記着色層からの気化成分の温度低下を抑制して前記気化成分の液化を防止することを特徴とするカラーフィルタ製造方法。 - 前記容器内の下方を加熱する下方加熱ステップを具備し、
前記上方加熱ステップまたは前記下方加熱ステップの少なくともいずれかは、加熱処理により前記着色層に含まれる溶媒成分を気化させることを特徴とする請求項4に記載のカラーフィルタ製造方法。 - 前記容器内の減圧を行う減圧ステップを具備することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のカラーフィルタ製造方法。
- 基板にインクを付与して形成される着色層を乾燥する乾燥装置であって、
前記基板を収容する容器と、
前記容器内の上方を加熱する上方加熱部と、
を具備し、
前記上方加熱部は、加熱処理により前記着色層からの気化成分の温度低下を抑制して前記気化成分の液化を防止することを特徴とする乾燥装置。 - 前記容器内の下方を加熱する下方加熱部を具備し、
前記上方加熱部または前記下方加熱部の少なくともいずれかは、加熱処理により前記着色層に含まれる溶媒成分を気化させることを特徴とする請求項7に記載の乾燥装置。 - 前記容器内の減圧を行う減圧部を具備することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の乾燥装置。
- 基板にインクを付与して形成される着色層を乾燥する乾燥方法であって、
前記基板を容器に収容する基板収容ステップと、
前記容器内の上方を加熱する上方加熱ステップと、
を具備し、
前記上方加熱ステップは、加熱処理により前記着色層からの気化成分の温度低下を抑制して前記気化成分の液化を防止することを特徴とする乾燥方法。 - 前記容器内の下方を加熱する下方加熱ステップを具備し、
前記上方加熱ステップまたは前記下方加熱ステップの少なくともいずれかは、
加熱処理により、前記着色層に含まれる溶媒成分を気化させることを特徴とする請求項10に記載の乾燥方法。 - 前記容器内の減圧を行う減圧ステップを具備することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の乾燥方法。
- 基板にインクを付与して着色層が形成されたカラーフィルタを備える表示装置の製造装置であって、
前記基板を収容する容器と、
前記容器内の上方を加熱する上方加熱部と、
を具備し、
前記上方加熱部は、加熱処理により前記着色層からの気化成分の温度低下を抑制して前記気化成分の液化を防止することを特徴とする表示装置の製造装置。 - 基板にインクを付与して着色層が形成されたカラーフィルタを備える表示装置の製造方法であって、
前記基板を容器に収容する基板収容ステップと、
前記容器内の上方を加熱する上方加熱ステップと、
を具備し、
前記上方加熱ステップは、加熱処理により前記着色層からの気化成分の温度低下を抑制して前記気化成分の液化を防止することを特徴とする表示装置の製造方法。
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