JP2009180719A - X線検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】X線透視画像の画質の向上と検出部の解像度の向上とを図り得るX線検査装置を提供する。
【解決手段】被検査物4にX線を照射する照射部1と、被検査物4を透過したX線を検出する検出部2と、これらの間を通過するように被検査物4を搬送する搬送部3とを備えたX線検査装置を用いる。検出部2には、入射したX線を電気信号に変換する変換層11及び12を含むX線検出素子(X線センサ10)を備えさせる。X線検出素子における入射面の法線方向(z´軸方向)は、X線6の照射方向(z軸方向)と搬送方向(x軸方向)とに平行なzx平面内で、z軸方向に対して傾斜させる。複数個のX線検出素子は、それぞれの入射面が、z軸方向及びx軸方向に直交するy軸方向(紙面垂直方向)と、入射面内においてy軸方向に直交するx´軸方向とに沿ってアレイ状に並ぶように配置される。
【選択図】図3

Description

本発明は、X線検査装置に関する。
近年、肉眼では見えない製品内部を非破壊で検査するため、食品や、電子機器等の種々の分野で、X線検査装置が利用されている。X線検査装置は、検査対象となる物品(以下「被検査物」という。)にX線を照射し、被検査物を透過したX線をX線センサで検出することによって、被検査物のX線透視画像を生成する。
X線センサとしては、X線を直接電荷に変換する変換素子を備えた直接型のX線センサ(例えば、特許文献1参照。)が知られている。特許文献1に記載のX線センサは、複数個のX線検出素子の集合によって構成されている。各X線検出素子は、例えば、カドミウムテルル(CdTe)等で形成された変換層を備えている。変換層は、入射したX線を電気信号に変換する。また、変換層は、バイアス電圧を印加する電極と、回路基板とで挟み込まれている。回路基板は、変換層で得られた電気信号を取り出すための電極、半導体素子、配線等といった電子回路を有している。
また、X線センサとしては、他に、間接型のX線センサも知られている(例えば、特許文献2参照。)。間接型のX線センサは、X線を一旦可視光に変換する変換層と、可視光を電気信号に変換する変換層とを備えている。図8は、従来からの間接型のX線センサを示す斜視図である。
図8に示す間接型のX線センサ100は、X線を可視光に変換する変換層(シンチレータ)101と、得られた可視光を電気信号に変換する変換層102とを備えている。変換層101は、変換層102の入射面を覆う単一の層である。外部からのX線は先ず変換層101に入射する。なお、図8では、変換層101は破線によって示されている。
図8の例では、変換層102は、複数個のフォトダイオード102aによって構成されている。これらフォトダイオード102aは、半導体基板上にアレイ状に配置されている。また、X線センサ100は、変換層102の入射面の反対側に、回路基板103を備えている。回路基板103も、上述した直接型のX線センサの場合と同様に、フォトダイオード102a毎に電気信号を取り出すための電極、半導体素子、配線等といった電子回路を備えている。
このような構成により、X線センサ100では、フォトダイオード102a毎に、電気信号が出力され、X線が検出される。また、X線センサ100においては、一つのフォトダイオード102aと、回路基板103中のこのフォトダイオード102aに対応する電子回路と、このフォトダイオード102aに重なっている変換層101の一部分とが、一つのX線検出素子を構成している。X線センサ100は、複数個のX線検出素子を備えている。
また、上述したX線センサ100を備えたX線検査装置の一例について、図9及び図10を用いて説明する。図9は、従来のX線検査装置の概略構成を示す斜視図である。図10は、図9に示すX線検査装置の一部分を拡大して示す図である。図9及び図10の例では、図8に示したX線センサ100が用いられている。
図9に示すように、X線検査装置は、被検査物107に含まれる異物108(図10)参照)の検出に用いられる。X線検査装置は、X線を照射する照射部104と、照射されたX線を検出する検出部105と、被検査物107を搬送するベルトコンベア106とを備えている。検出部105は、X線カメラであり、図8に示したX線センサ100を備えている。
図10に示すように、照射部104は、X線源109と、遮蔽板110とを備えている。遮蔽板110により、X線源109のX線発生点112から放出されたX線111の形状は、搬送方向側から見た時に扇状となり、側面側から見た時にライン状となる(図9参照)。また、X線センサ100は、X線発生点112から放出されたX線束の中心軸113が、X線の入射面に直交するように(入射面の法線と一致するように)配置されている。中心軸113は、図10の例では、照射野の中心とX線発生点112とを通っている。
よって、照射部104が被検査物107に向けてX線を出射すると、検出部105は、X線センサ100によって、被検査物107を透過したX線を検出する。X線検査装置は、検出部105からの電気信号に基づいて被検査物107のX線透視画像を形成し、これを表示装置(図示せず)の表示画面に表示する。図9及び図10に示すX線検査装置を用いれば、異物を含んだ製品を簡単に見つけることができる。
特開昭59−99384号公報 特開2003−84066号公報
このように、図9及び図10に示したX線検査装置において、X線センサ100は重要な役割を担っており、X線検査装置による異物検出の精度は、X線センサ100の解像度に依存する。また、X線センサ100の解像度の向上は、これを構成しているX線検出素子を微小化することによって達成できる。特に、被検査物107が搬送され、それが照射部104と検出部105との間を通過する場合は、搬送方向における解像度の向上が重要である。
しかしながら、X線検出素子の更なる微細化には、加工精度の向上が必要となる。また、加工精度を向上させる場合は、変換層102の製造設備や製造プロセスを見直す必要があることから、X線検出素子の微細化は極めて困難である。更に、X線検出素子を微細化すると、各X線検出素子が出力する電気信号のレベルが低下するため、形成されるX線透視画像の画質が低下してしまう。
また、X線透視画像の画質の向上を図るため、X線センサにおける電荷密度の向上が求められる。具体的には、図8に示したX線センサ100であれば、各フォトダイオード102aが蓄積可能な電荷量を増加させ、これにより、X線センサ100の単位面積当たりの電荷量を向上させることが求められる。しかしながら、電荷密度の向上は、X線センサの構造や形成材料の見直しが伴うため、微細化と同様に極めて困難である。
本発明の目的は、上記問題を解消し、X線透視画像の画質の向上と検出部の解像度の向上とを図り得るX線検査装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明におけるX線検査装置は、検査対象である物品にX線を照射する照射部と、前記物品を透過したX線を検出する検出部と、前記照射部と前記検出部との間を通過するように前記物品を搬送する搬送部とを備えたX線検査装置であって、前記検出部は、入射したX線を電気信号に変換する変換層を含むX線検出素子を複数個有し、前記X線検出素子における前記変換層の入射面の法線方向は、前記照射部からのX線の照射方向と前記搬送部による物品の搬送方向とに平行な平面内で、前記照射方向に対して傾斜し、複数個の前記X線検出素子は、それぞれの前記変換層の入射面が、前記照射方向及び前記搬送方向に直交する第1の方向と、前記入射面内において前記第1の方向に直交する第2の方向とに沿ってアレイ状に並ぶように配置されている、ことを特徴とする。
本発明のX線検査装置では、複数個のX線検出素子の入射面は、直交する2方向に沿って連続的に配置される。この連続配置の一方の方向は、第2の方向、即ち、上記平面内において搬送方向に対して傾斜した方向である。よって、X線検査装置を照射部側から見ると、搬送方向における単位長さ当たりのX線検出素子の数は、X線検出素子が傾斜していない従来例に比べて増加することとなる(後述の図4参照)。そして、傾斜していない場合と傾斜している場合とで各X線検出素子が蓄積可能な電荷量は同一であるから、物品載置面に平行な面を基準にすると、この面における単位面積あたりの電荷量は、傾斜によって増加することとなる。
即ち、本発明によれば、簡単に、従来のX線センサにおいて単位面積当たりの電荷量を向上させた場合と同様の効果を得ることができ、X線透視画像の画質の向上が図られる。また、本発明では、X線検出素子は連続的に配置されている。従って、入射面の法線の傾斜角度を大きくする程、搬送方向における単位長さ当たりのX線検出素子の数は更に増加し、同時に、物品載置面に平行な面を基準にした単位面積当たりの電荷量もいっそう増加する。
また、本発明のX線検査装置の検出部を照射部側から見ると、搬送方向におけるX線検出素子間のピッチ(搬送方向ピッチ)は、実際のX線検出素子間のピッチ(第2の方向におけるピッチ)よりも小さくなり、搬送方向における解像度が向上している。更に、従来であれば、搬送方向ピッチを小さくする場合はX線検出素子を微細化する必要があったが、本発明ではその必要はない。本発明によれば、X線透視画像の画質を低下させることなく、X線センサの解像度の向上が図られる。
上記本発明におけるX線検査装置は、前記X線検出素子からの出力信号に基づいて前記物品のX線透視画像を作成する画像処理部を更に備え、前記画像処理部は、前記X線検出素子から前記搬送部の物品載置面までの距離に応じて、前記出力信号を補正する補正部を有する、態様とするのが好ましい。上記態様とした場合は、X線検出素子から物品載置面までの距離の差による微小な画質の低下でさえも抑制できる。
また、上記態様においては、前記画像処理部は、前記第1の方向に沿って並ぶ前記X線検出素子の第1の列に属するX線検出素子からの出力信号と、第2の列に属するX線検出素子からの出力信号との加算処理を実行可能な加算部をさらに有する、のが好ましい。
この場合は、例えば、一の列に属するX線検出素子からの出力信号と、その搬送方向の下流側に隣接している別の列に属するX線検出素子からの、同一の被写体に対する出力信号とを加算することができる。そして、これにより、X線透視画像を構成する各画素は、隣接するX線検出素子の加算された出力信号によって形成される。この結果、X線透視画像の画素間におけるノイズ成分が平均化され、更に、画素間の濃淡の差は大きくなるので、更なる画質の向上が図られる。
また、上記本発明におけるX線検査装置は、前記X線検出素子からの出力信号に基づいて前記物品のX線透視画像を作成する画像処理部を更に備え、前記画像処理部は、前記第1の方向に沿って並ぶ前記X線検出素子の第1の列に属するX線検出素子からの出力信号と、第2の列に属するX線検出素子からの出力信号との加算処理を実行可能な加算部を有する、態様であっても良い。この場合も、上記と同様に、X線透視画像の画素間におけるノイズ成分が平均化され、また、画素間の濃淡の差は大きくなるため、更なる画質の向上が図られる。
更に、上記の2つの態様においては、前記加算部は、前記加算処理を行う第1のモードと、前記加算処理を行わない第2のモードとを切り換え可能である、態様とすることができる。この態様において、第1のモードは、X線透視画像の画質の向上に有効である。第2のモードはX線透視画像の形成に必要な時間の短縮に有効である。この態様を用いれば、利用者の求めに応じて、X線透視画像の画質の向上を図ったり、X線透視画像の形成スピードを優先させたりすることができる。
上記本発明におけるX線検査装置は、前記X線検出素子の傾斜角度が可変となっている態様とするのが好ましい。この場合は、解像度や画質を簡単に変更できるため、これらの設定を、予想される被検査物中の異物の種類や大きさに応じて、最適化できる。
なお、本発明において「X線の照射方向」とは、照射部から照射されたX線束の中心軸方向をいう。また、「X線の照射方向と搬送方向とに平行な平面」とは、X線の照射方向に平行な軸とこれに交差する搬送方向に平行な軸とによって規定される平面をいう。
以上のように本発明におけるX線検査装置によれば、X線透視画像の画質の向上と検出部の解像度の向上とを図ることができる。
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態におけるX線検査装置について、図1〜図4を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるX線検査装置の外観を概略的に示す斜視図である。図2は、図1に示したX線検査装置を構成する検出部を示す斜視図である。図3は、図1に示したX線検査装置の内部構成を概略的に示す図である。図4は、図1に示したX線検査装置の検出部と従来のX線検査装置の検出部とを比較する図である。図4(a)は図1に示したX線検査装置の検出部を示し、図4(b)は従来のX線検査装置の検出部を示している。
図1に示すように、X線検査装置は、照射部1と、検出部2と、搬送部3とを備えている。X線検査装置は、食品等の検査対象となる物品(以下「被検査物」という。)4に含まれる異物5(図3参照)の検出に用いられる。照射部1は、被検査物4にX線を照射する。検出部2は、被検査物4を透過したX線を検出する。搬送部3は、照射部1と検出部2との間を被検査物4が通過するように、被検査物4を搬送する。
図2に示すように、本実施の形態では、検出部2は、X線カメラであり、X線センサ10を有している。X線の検出は、X線センサ10によって行われる。X線センサ10は、入射したX線を電気信号に変換する変換層を含むX線検出素子を備えている。
また、本実施の形態では、X線センサ10は、図8に示したX線センサ100と同様に、間接型のX線センサである。X線センサ10は、X線を可視光に変換する変換層(シンチレータ)11と、可視光を電気信号に変換する変換層12と、回路基板13とを備えている。回路基板13、変換層12、及び変換層11は、順に積層されている。よって、外部からのX線は、先ず上層の変換層11に入射する。図2及び図3において、11aは変換層11の入射面を示している。
下層の変換層12は、複数の光電変換素子12a、例えば、フォトダイオードによって構成されている。図2において、各光電変換素子12aは破線によって示されている。回路基板13は、光電変換素子12a毎に電気信号を取り出すための電極、半導体素子、及び配線等を含む電子回路を備えている。
X線センサ10では、一つの光電変換素子12aと、回路基板13中のこの光電変換素子12aに対応する電子回路と、この光電変換素子12aに重なっている変換層11の一部分とが、一つのX線検出素子を構成している。検出部2(X線センサ10)は、複数個のX線検出素子を備えている。また、変換層11の入射面11aにおける各部分が、X線検出素子それぞれの入射面となる。
また、本実施の形態では、図3に示すように、照射部1は、X線源7と遮蔽板8とを備えている。遮蔽板8は、X線源7からのX線の一部を遮蔽している。遮蔽板8によって遮蔽されなかったX線は、X線束となって被検査物4へと照射される。図1及び図3において、9はX線束の中心軸を示している。中心軸9の軸方向がX線の照射方向となる。また、中心軸9は、図1及び図3に示すように、X線源7におけるX線発生点14と、被検査物4が載置されている(以下「物品載置面」という。)面15上のX線の照射野の中心17とを通る軸である。
更に、本実施の形態では、搬送部3は、複数本の回転軸3aと、ベルト3bとを備えたベルトコンベアである。ベルト3bの移動方向が、搬送部3による被検査物4の搬送方向となる。また、物品載置面15は、ベルト3b上の面である。
図1〜図3に示すように、本実施の形態では、搬送部3による被検査物4の搬送方向をx軸方向とし、中心軸9の軸方向に平行な方向をz軸方向とする。更に、x軸方向とz軸方向との両方に直交する方向をy軸方向とする。また、図1及び3に示すように、本実施の形態でも、従来例と同様に(図9参照)、遮蔽板8により、照射部1から照射されたX線6の形状は、x軸方向(搬送方向)側から見ると扇形状となり、y軸方向側から見るとライン状となる。
このような構成により、本実施の形態におけるX線検査装置においても、従来例と同様に、照射部1が被検査物4に向けてX線を照射すると、検出部2が、被検査物4を透過したX線を受線する。そして、X線検査装置は、検出部2が出力した信号に基づいて被検査物4のX線透視画像を形成し、これを表示装置(図示せず)の表示画面に表示する。
但し、本実施の形態では、図1〜図3に示すように、X線センサ10は、それを構成する各X線検出素子の入射面の法線方向(z´軸方向)が、照射部1からのX線の照射方向(z軸方向)に対して傾斜するように配置されている。更に、図2及び図3に示すように、X線検出素子の入射面の法線方向(z´軸方向)の傾斜は、照射方向(z軸方向)と搬送方向(x軸方向)とに平行な平面(zx平面)内で行われている。
また、本実施の形態では、図2に示すように、複数個のX線検出素子は、それぞれの変換層11における入射面が、y軸方向と、入射面内においてy軸方向に直交する方向(x´軸方向)とに沿ってアレイ状に並ぶように、配置されている。図3に示すように、x´軸方向は、言い換えると、zx平面内において搬送方向(x軸方向)に対して傾斜した方向である。
このような特徴により、図4(a)及び(b)に示すように、本実施の形態では、x軸方向における単位長さA当たりのX線検出素子の数が従来例に比べて増加し、x軸方向における単位長さA当たりの電荷量も増加する。例えば、図中に現れている一つのX線検出素子の電荷量をQとする。この場合、図4(a)においては、単位長さA当たりの電荷量は5Qとなるのに対して、図4(b)においては、単位長さA当たりの電荷量は4Qとなる。言い換えると、本実施の形態では、物品載置面15に平行な面において、単位面積当たりの、光電変換素子によって蓄積される電荷量が増加する。なお、y軸方向においては傾斜の有無に拘わらず電荷量は一定である。
また、複数個のX線検出素子は連続的に配置されているので、入射面の法線の傾斜角度θが大きくなればなる程、x軸方向における単位長さA当たりの電荷量は増加する。このように、本実施の形態によれば、従来のX線センサ(図9参照)において単位面積当たりの電荷量を向上させた場合と同様の効果が簡単に得られ、X線透視画像の画質の向上が図られる。
更に、図4(a)及び(b)から明らかなように、本実施の形態では、x軸方向におけるX線検出素子間のピッチ(搬送方向ピッチ)P1は、従来例における搬送方向ピッチP2よりも小さくなり、搬送方向における解像度が向上する。従来例であれば、搬送方向ピッチを小さくする場合はX線検出素子を微細化する必要があったが、本実施の形態では、その必要はない。本実施の形態によれば、X線透視画像の画質を低下させることなく、X線センサ10の解像度の向上を図ることができる。
また、図3に示すように、本実施の形態におけるX線検査装置は、画像処理部20を備えている。画像処理部20は、X線センサ10を構成する各X線検出素子からの出力信号に基づいて被検査物4のX線透視画像を作成する。ここで、図5〜図7を用いて、画像処理部20の構成とその動作について説明する。
図5は、図3に示した画像処理部を具体的に示す図である。図5においては、画像処理部に加えて、X線センサも図示されている。図5に示すように、画像処理部20は、補正部21と、加算部22と、作成部23とを備えている。
先ず、補正部21の機能について説明する。図5に示すように、X線検出素子と物品載置面15との距離(L、L、・・・L、・・・L(nは1以上の自然数。mはn以上の自然数))は、y軸方向に沿って並ぶX線検出素子の列(以下「幅列」という。)毎に異なっている。よって、X線検出素子に入射するX線の強度も幅列毎に異なる。また、X線の強度の幅列毎の相違は、X線透視画像の画質に僅かではあるが影響する。このような画質への影響を少なくするため、補正部21は、X線検出素子から物品載置面15までの距離に応じて、X線検出素子からの出力信号を補正する。
具体的には、補正部21は、最も物品載置面15との距離が近い幅列からの出力信号を基準にして補正する。出力信号のレベルはX線検出素子から物品載置面15までの距離の2乗に反比例するため、この幅列からの出力信号のレベルをSとすると、Sは下記式(1)によって表すことができる。下記式(1)においてkは比例定数である。また、l、l、・・・l、・・・lは、物品載置面15上でのX線の照射野の中心17から各X線検出素子までの距離を示している。LDはX線発生点14から照射野の中心17までの距離を示している。
(数1)
=k/(l +(LD+L) ・・・・・・(1)
ここで、物品載置面15までの距離がLの幅列にあるX線検出素子が出力する出力信号のレベルをSとすると、Sは下記式(2)によって表すことができる。
(数2)
=k/(l +(LD+L+△L)・・・・・・(2)
よって、上記式(1)及び(2)から下記式(3)が成立する。
(数3)
/S=(l +(LD+L)/(l +(LD+L+△L)・・・(3)
但し、l<<LDと考えることができるから、式(1)及び式(2)は下記の式(1)´及び式(2)´のように書き換えることができる。また、この結果、式(3)も下記式(3)´のように書き換えることができる。
(数4)
=k/L ・・・・・・(1)´
(数5)
=k/(L+△L ・・・・・・(2)´
(数6)
=(L /(L+△L)・S ・・・(3)´
上記式(3)´より、物品載置面15までの距離がLの幅列から出力信号のレベルを補正する場合は、得られたレベルの値に補正係数((L+△L/L )を乗算すれば良い。よって、補正部21は、例えば、物品載置面15までの距離がLの幅列については、下記式(4)を用いて補正を行う。下記式(4)において、S´は、補正後の出力信号のレベルを示している。
(数4)
´=((L+△L/L )・S・・・・・(4)
加算部22は、一の幅列に属するX線検出素子からの出力信号と、別の幅列に属するX線検出素子からの出力信号との加算処理を実行する機能を備えている。図5の例では、加算処理は、補正部21による補正が行われた出力信号に対して行われる。この加算機能により、加算部22は、例えば、一の幅列に属するX線検出素子からの出力信号と、その搬送方向の下流側に隣接している別の幅列に属するX線検出素子からの、同一の被写体に対する出力信号とを加算することができる。
具体的には、搬送部による搬送の速度がV[mm/秒]、x軸方向において隣接するX線検出素子間のピッチがP1[mm](図4(a)参照)であるとすると、加算部は、次の加算処理を行う。つまり、加算部22は、一の幅列からの出力信号と、これが出力されてから(P1/V)秒後に出力された、下流側で隣接する幅列からの出力信号とを加算する。この結果、X線透視画像を構成する各画素は、隣接するX線検出素子の加算された出力信号によって形成されることとなる。この場合、X線透視画像において、画素間におけるノイズ成分が平均化され、更に、画素間の濃淡の差は大きくなるため、画質の向上が図られる。
また、加算部22は、加算処理を行う第1のモードと、加算処理を行わない第2のモードとを切り換える機能を備えることもできる。この場合は、外部からのモード切替信号によって第1のモードが指示されると、加算部22は、補正部からの出力信号に対して上記の加算処理を実行し、加算処理後の信号を作成部23に出力する。一方、外部からのモード切替信号によって第2のモードが指示されると、加算部22は、補正部からの出力信号をそのまま作成部23に出力する。
また、この場合、第1のモードは、X線透視画像の画質の向上に有効であるのに対し、第2のモードはX線透視画像の形成に必要な時間の短縮に有効である。よって、加算部22にモード切換機能を持たせれば、X線検査装置の利用者の求めに応じて、X線透視画像の画質の向上を図ったり、X線透視画像の形成スピードを優先させたりすることができる。
なお、モード切替信号の入力は、例えば、X線検査装置のオペレーターが、X線検査装置のタッチパネル(図示せず)等の入力機器を介して行うことができる。また、この場合は、例えば、被検査物の種類毎にモードを予め設定しておくのが好ましい態様である。この態様によれば、オペレーターがタッチパネルによって被検査物の種類を特定するだけで、加算部22は最適なモードを実行する。
作成部23は、加算部22からの出力信号に基づいてX線透視画像を形成する。また、作成部23は、X線透視画像の画像データを表示装置(CRTディスプレイや液晶ディスプレイ等)に出力する。この結果、表示装置の表示画面には、X線透視画像が表示される。
また、本実施の形態において、画像処理部20の構成は、図5に示す例に限定されるものではない。図6及び図7は、図3に示した画像処理部の他の例を具体的に示す図である。なお、図6及び図7においても、X線センサは図示されている。
図6に示すように、本実施の形態は、画像処理部20が加算部を備えておらず、加算処理が行われない態様であっても良い。図6の例では、補正部21によって補正された出力信号は、そのまま作成部23に入力される。
また、図7に示すように、本実施の形態は、画像処理部20が補正部を備えておらず、補正処理が行われない態様であっても良い。図7の例においても加算部22はモード切替機能を備えることができる。この場合、加算部22は、第1のモードが選択されると、各X線検出素子の出力信号に対して加算処理を行う。一方、加算部22は、第2のモードが選択されると、各X線検出素子の出力信号に対して加算処理をすることなく、そのまま作成部23に入力する。
更に、本実施の形態では、X線検査装置は、X線検出素子の傾斜角度θを可変できる構成を備えていても良い。具体的には、図2に示すように、検出部2は、回転機構16を備えることができる。回転機構16は、例えば、電動機と歯車等とによって構成でき、y軸に平行な軸を回転軸としてX線センサ10を回転させる。このような構成によれば、被検査物4中の異物5の種類や大きさに応じて、X線センサ10の傾斜角度θを適切な角度に設定できる。
本実施の形態では、X線センサが間接型である場合について説明しているが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明においては、X線センサは直接型であっても良い。直接型のX線センサでは、変換層が単一の層によって形成されている場合があるが、この場合であっても、回路基板が複数個の端子を備え、端子毎に電気信号の取り出しが行われる。よって、各端子と、変換層の対応する一部分と、バイアス電極の一部分とが一つのX線検出素子を構成するため、このような直接型のX線センサは複数個のX線検出素子を備えている。
以上のように、本発明は、X線透視画像の画質の向上や、X線カメラの解像度の向上に有用である。本発明のX線検査装置は、産業上の利用可能性を有している。
図1は、本発明の実施の形態におけるX線検査装置の外観を概略的に示す斜視図である。 図2は、図1に示したX線検査装置を構成する検出部を示す斜視図である。 図3は、図1に示したX線検査装置の内部構成を概略的に示す図である。 図4は、図1に示したX線検査装置の検出部と従来のX線検査装置の検出部とを比較する図である。図4(a)は図1に示したX線検査装置の検出部を示し、図4(b)は従来のX線検査装置の検出部を示している。 図5は、図3に示した画像処理部を具体的に示す図である。 図6は、図3に示した画像処理部の他の例を具体的に示す図である。 図7は、図3に示した画像処理部の他の例を具体的に示す図である。 図8は、従来からの間接型のX線センサを示す斜視図である。 図9は、従来のX線検査装置の概略構成を示す斜視図である。 図10は、図9に示すX線検査装置の一部分を拡大して示す図である。
符号の説明
1 照射部
2 検出部
3 搬送部
3a 回転軸
3b ベルト
4 被検査物
5 異物
6 X線
7 X線源
8 遮蔽板
9 X線束の中心軸
10 X線センサ
11 変換層(シンチレータ)
11a 入射面
12 変換層
12a 光電変換素子(フォトダイオード)
13 回路基板
14 X線発生点
15 物品載置面
16 回転機構
17 照射野の中心
20 画像処理部
21 補正部
22 加算部
23 作成部

Claims (6)

  1. 検査対象である物品にX線を照射する照射部と、
    前記物品を透過したX線を検出する検出部と、
    前記照射部と前記検出部との間を通過するように前記物品を搬送する搬送部と
    を備えたX線検査装置であって、
    前記検出部は、入射したX線を電気信号に変換する変換層を含むX線検出素子を複数個有し、
    前記X線検出素子における前記変換層の入射面の法線方向は、前記照射部からのX線の照射方向と前記搬送部による物品の搬送方向とに平行な平面内で、前記照射方向に対して傾斜し、
    複数個の前記X線検出素子は、それぞれの前記変換層の入射面が、前記照射方向及び前記搬送方向に直交する第1の方向と、前記入射面内において前記第1の方向に直交する第2の方向とに沿ってアレイ状に並ぶように配置されている、X線検査装置。
  2. 前記X線検出素子からの出力信号に基づいて前記物品のX線透視画像を作成する画像処理部を更に備え、
    前記画像処理部は、
    前記X線検出素子から前記搬送部の物品載置面までの距離に応じて、前記出力信号を補正する補正部
    を有する、請求項1に記載のX線検査装置。
  3. 前記画像処理部は、
    前記第1の方向に沿って並ぶ前記X線検出素子の第1の列に属するX線検出素子からの出力信号と、第2の列に属するX線検出素子からの出力信号との加算処理を実行可能な加算部
    をさらに有する、請求項2に記載のX線検査装置。
  4. 前記X線検出素子からの出力信号に基づいて前記物品のX線透視画像を作成する画像処理部を更に備え、
    前記画像処理部は、
    前記第1の方向に沿って並ぶ前記X線検出素子の第1の列に属するX線検出素子からの出力信号と、第2の列に属するX線検出素子からの出力信号との加算処理を実行可能な加算部
    を有する、請求項1に記載のX線検査装置。
  5. 前記加算部は、
    前記加算処理を行う第1のモードと、
    前記加算処理を行わない第2のモードと
    を切り換え可能である、請求項3又は4に記載のX線検査装置。
  6. 前記X線検出素子の傾斜角度が可変となっている、請求項1〜5のいずれかに記載のX線検査装置。
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