JP2010286469A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、物品にX線を照射し、物品内の異物を検出するX線検査装置に関する。
従来、物品内の異物を検出するためにX線検査装置等が使用されている。これらのX線検査装置に関して、日々研究開発が行われている。
特許文献1には、ワイヤボンディングに必要なスペースを最小にし、放射線検出器の小型化および制作を容易にし、かつ2次元検出装置の制作が容易になる放射線検出器用部品が開示されている。この放射線検出器用部品は、X線検査装置に使用されるものである。
特許文献1記載の放射線検出器用部品では、基板上面の一部領域上に配置されかつ受光面上に第1パッドを有する光電素子を備え、該光電素子が受光する光の強度に基づく電気信号を出力する放射線検出器用部品であって、基板の他の領域上に配置されたパッド形成部と、該パッド形成部上に形成され、光電素子の受光面上に配置された第1パッドと同一平面を形成するよう配置され、第1パッドと電気的に接続された第2パッドと、を備えるものである。
さらに、特許文献1記載の放射線検出器用部品では、光電素子の受光面よりも受光方向上流側に光導波路をさらに備えるものについても開示されている(特許文献1の請求項22および図7参照)。
例えば、特許文献1記載の放射線検出用部品においては、光導波路としてコリメータ14を用いて平行光のみを検出に使用することが例示されている(特許文献1の図7参照)。しかしながら、特許文献1記載の図7のように、フォトダイオードアレイ2とシンチレータアレイ11との大きさを一致させ、マトリクスとして形成する場合、型費用等、製造工程にかかる費用が莫大となる。
すなわち、コスト低減を考慮すると、フォトダイオードアレイ(以下、PDAと略記する)2上にシンチレータアレイ11を光学接着剤により接着する場合、PDA2の幅は、0.1mm〜0.9mm程度と微小であり、シンチレータアレイ11の幅は、コスト低減における接着工程を考慮した場合、数mm必要となる。
そのため、シンチレータアレイ11がPDA2よりも大きいため、シンチレータアレイ11で変換された可視光線が、PDA2に対して回り込み、微小な検出物の検出が困難となる。以下当該回り込みについて説明を行う。
図15は、微小異物の検出を低下させる状態を説明するための模式的断面図である。
図15に示すように、従来のX線検査装置900においては、X線照射装置200からX線S1が照射され、X線S1がベルトコンベア801を透過し、シンチレータ300のシンチレータ素子310a,310b,310c,310d,310eから可視光線が発光される。そして、当該可視光線が、PDA400に入光され電気信号が発信される。
このように、シンチレータ300のシンチレータ素子310a,310b,310c,310d,310eは、X線S1が照射された場合、全方位360度方向に対して可視光線を発光させる。したがって、物品内に微小異物がある場合、微小異物の下方に存在するシンチレータ素子から可視光線の発光がされない。しかしながら、シンチレータ素子が多数存在するため、物品内の微小異物の下方の近傍に位置するシンチレータ素子により変換された可視光線が、PDA400に入光されることとなる。それにより、フォトダイオードアレイ400における微小異物の電気信号の際が薄くなり、物品内の微小異物の有無の検出が困難となる。
本発明の目的は、簡易な構造で、微小異物の検出を確実に行うことができるX線検査装置を提供することである。
本発明の他の目的は、簡易な構造で、製造コストを低減させ、微小異物の検出を確実に行うことができるX線検査装置を提供することである。
本発明の他の目的は、簡易な構造で、製造コストを低減させ、微小異物の検出を確実に行うことができるX線検査装置を提供することである。
(1)
本発明に係るX線検査装置は、被対象物を搬送して被対象物内の異物を検出するX線検査装置であって、被対象物にX線を照射するX線照射装置と、被対象物の搬送方向と交差する方向に延在して配設され、X線照射装置により照射されたX線を可視光線に光変換するシンチレータと、搬送方向と交差する方向に延在して設けられたスリットを有し、スリットを通過したX線だけがシンチレータに入るように、X線の照射方向においてシンチレータの上流側に配設されたスリット部材と、シンチレータの配設方向に沿って配設され、シンチレータにより光変換された可視光線を検出して電気信号に変換するフォトダイオードアレイと、を含み、スリット部材のスリット幅は、搬送方向においてシンチレータの幅より小さく、搬送方向においてフォトダイオードアレイの受光幅の1/2以上である。
本発明に係るX線検査装置は、被対象物を搬送して被対象物内の異物を検出するX線検査装置であって、被対象物にX線を照射するX線照射装置と、被対象物の搬送方向と交差する方向に延在して配設され、X線照射装置により照射されたX線を可視光線に光変換するシンチレータと、搬送方向と交差する方向に延在して設けられたスリットを有し、スリットを通過したX線だけがシンチレータに入るように、X線の照射方向においてシンチレータの上流側に配設されたスリット部材と、シンチレータの配設方向に沿って配設され、シンチレータにより光変換された可視光線を検出して電気信号に変換するフォトダイオードアレイと、を含み、スリット部材のスリット幅は、搬送方向においてシンチレータの幅より小さく、搬送方向においてフォトダイオードアレイの受光幅の1/2以上である。
本発明に係るX線検査装置においては、X線照射装置により被対象物にX線が照射され、スリット部材のスリットを通過したX線がシンチレータにより可視光線に光変換され、フォトダイオードアレイにより光変換された可視光線が検出されて電気信号に変換される。
この場合、スリット部材のスリット幅が、シンチレータの幅より小さく、フォトダイオードアレイの受光幅の1/2以上の大きさで設けられる。したがって、スリット部材のスリットを通過したX線を、シンチレータで確実に光変換し、フォトダイオードアレイで電気信号に変換することができる。
また、シンチレータをフォトダイオードアレイの受光幅に合わせて製造する必要がないため、X線検査装置の製造コストを低減することができる。
さらに、被対象物内の微小異物を検出する場合、スリット部材により可視光線の回り込みを防止し、微小異物の際を明確にすることができる。以上により、簡易な構造で、微小異物の検出を確実に行うことができる。
また、シンチレータをフォトダイオードアレイの受光幅に合わせて製造する必要がないため、X線検査装置の製造コストを低減することができる。
さらに、被対象物内の微小異物を検出する場合、スリット部材により可視光線の回り込みを防止し、微小異物の際を明確にすることができる。以上により、簡易な構造で、微小異物の検出を確実に行うことができる。
(2)
本発明に係るX線検査装置は、スリットを通してシンチレータに照射する照射幅を調整する照射幅調整機構をさらに備えてもよい。
本発明に係るX線検査装置は、スリットを通してシンチレータに照射する照射幅を調整する照射幅調整機構をさらに備えてもよい。
この場合、照射幅調整機構によりシンチレータに照射する照射幅を調整することができる。例えば、シンチレータとスリット部材との間隔を調整することで、シンチレータへのX線の照射幅、入光量を調整することができる。
(3)
フォトダイオードアレイの受光幅とスリット部材のスリット幅との比率が、1:1から1:3の範囲内であることが好ましい。
フォトダイオードアレイの受光幅とスリット部材のスリット幅との比率が、1:1から1:3の範囲内であることが好ましい。
この場合、フォトダイオードアレイの受光幅と、スリット部材のスリット幅との比率が、1:1から1:3の範囲内で設けられる。したがって、スリット部材のスリット幅が、シンチレータの幅より小さく、フォトダイオードアレイの受光幅以上の大きさで設けられる。
また、シンチレータをフォトダイオードアレイの受光幅に合わせて製造する必要がないため、X線検査装置の製造コストを低減することができる。さらに、フォトダイオードアレイにおける解像度および電気信号を高く維持することができる。
また、シンチレータをフォトダイオードアレイの受光幅に合わせて製造する必要がないため、X線検査装置の製造コストを低減することができる。さらに、フォトダイオードアレイにおける解像度および電気信号を高く維持することができる。
(4)
シンチレータの厚みと、スリット部材のスリット幅との比率が、1:1から1:6の範囲内であってもよい。
シンチレータの厚みと、スリット部材のスリット幅との比率が、1:1から1:6の範囲内であってもよい。
この場合、シンチレータの厚みスリット部材のスリット幅との比率が、1:1から1:6の範囲内で形成されるので、スリット幅を通過したX線をシンチレータにおいて効率よく光変換させることができる。
本発明によれば、スリット部材により可視光線の回り込みを防止し、被対象物内の微小異物の際を明確にすることができる。以上により、簡易な構造で、微小異物の検出を確実に行うことができる。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を用いて説明する。
(一実施の形態)
図1は、本発明に係るX線検査装置100の一例を示す模式的外観図であり、図2は、本発明に係るX線検査装置100の内部の一例を示す模式図である。
(一実施の形態)
図1は、本発明に係るX線検査装置100の一例を示す模式的外観図であり、図2は、本発明に係るX線検査装置100の内部の一例を示す模式図である。
図1に示すように、X線検査装置100は、X線照射装置200を内蔵している。また、ベルトコンベア800に検査物である商品を載せて搬送させることにより、X線検査装置100の内部において異物混入がないか否かのX線検査を行うものである。
図1に示すように、X線検査装置100のベルトコンベア800は、X線検査装置100の外部に突出するように形成されており、複数のX線漏れ防止カーテン850が設けられている。また、作業者は、タッチパネル画面MTを操作することによりX線検査装置100を駆動させる。以下、X線検査装置100の内部構造について説明を行う。
図2に示すように、本発明に係るX線検査装置100は、主にX線照射装置200、ベルトコンベア800、スリット部材500、照射幅調整機構510(図3参照)、シンチレータ300およびフォトダイオードアレイ(以下、PDAと略記する)400からなる。ここで、ベルトコンベア800は、無端状のベルトが一対のローラに巻回されており、図2では、往路をベルトコンベア801で示し、復路をベルトコンベア802で示す。スリット部材500、シンチレータ300およびPDA400が順に上から配置され、これらが、ベルトコンベア801,802の間に配設され、ベルトコンベア801の上方にX線照射装置200が配設される。ベルトコンベア801が矢印L1の方向に物品を搬送し、ベルトコンベア802が矢印−L1の方向に移動することにより、ベルトコンベア801の往路側に戻される。本実施の形態においては、X線S1の減衰が、ベルトコンベア801の影響のみで、ベルトコンベア802には、依存しないように設けられている。
図2のX線照射装置200からX線S1が照射される。また、スリット部材500、シンチレータ300およびPDA400の上方のベルトコンベア801により物品600が矢印L1の方向に搬送される。
また、図2に示すように、シンチレータ300には、シンチレータ素子310a,310b,310c,310d,310eが含まれる。なお、シンチレータ素子310a,〜,310eは、説明上5個としているが、本来、シンチレータ300には、多数のシンチレータ素子が含まれている。また、図2のスリット部材500のスリットは、矢印L1の方向と垂直な方向で設けられる。
次に、図3、図4および図5を用いてスリット部材500のスリットについて説明を行う。図3は、図2のX線検査装置100を側方から視野した模式図であり、図4および図5は、図3の一部を拡大した模式的拡大図である。なお、図4および図5においては、シンチレータ素子310dの図示を省略している。
図3に示すように、シンチレータ300は、PDA400に化学接着剤で接着されている。そして、X線照射装置200からX線S1の照射が行われる。本実施の形態においては、スリット部材500により、X線S2の範囲のみがシンチレータ300に照射され、その他のX線S1はスリット部材500により反射される。すなわち、X線S2は、X線S1のうちスリット部材500のスリットを通過する範囲のX線である。なお、このスリット及びX線S2は、シンチレータ300により変換された可視光線をPDA400が受光する幅に依存する。
従来のX線検査装置900のX線照射装置200においては、スリット部材500が積層されていないため、X線S1の範囲で照射される。そのため、シンチレータ300のシンチレータ素子310a,310eにも可視光線の光変換が生じ、当該可視光線が、PDA400に入光される。それにより、本来の物品内に微小異物が存在する場合であっても、物品内の微小異物の輪郭がぼかされることになり、物品内の微小異物の検出が困難となる。この微小異物の検出が困難となる状態の具体例については、後述する。
次に、図4に示すように、PDA400の幅をH1とし、シンチレータ300の厚みをA2、幅をH2とし、スリット部材500の厚みをA3、スリット幅をH3とした場合、H1≦H3<H2の関係を有する。
また、図4および図5に示すように、照射幅調整機構510によりスリット部材500を鉛直上下方向(矢印M510の方向)に移動させることにより、シンチレータ300およびスリット部材500の間隔を距離A23から距離A23aに変更させることができる。これにより、X線S2の照射幅を、X線S21の照射幅に変更させることができる。
以上のように、シンチレータ300をPDA400に化学接着剤で接着し、スリット部材500を設けることにより、シンチレータ300の幅H2をPDA400の幅H1に合わせて製造する必要がない。すなわち、仮にシンチレータ300をPDA400の幅H1に合わせて製造した場合のシンチレータ300とPDA400との接着ずれ等による歩留まりの低下を改善することができる。また、PDA400の幅H1に合わせた微小なシンチレータ300を製造するためのコスト低減を図ることができる。
また、最大限必要なシンチレータ300にのみX線S2,X線S21を照射することができ、余分なシンチレータ300(図3のシンチレータ素子310a,310e)にX線を照射させないことができる。そして、光変換により意図しない多くの可視光線がPDA400に入光され、回り込みによりPDA400に不要な可視光線を与えることを防止することができる。
次に、図6から図9を用いてシンチレータ300の厚みA2、フォトダイオードアレイ400の幅H1およびスリット幅H3の関係について説明を行う。なお、以下の実験におけるX線の照射強度は、50kVである。以下の実験は、PDA400の幅H1が0.6mmの条件下で実施した。
図6はMTF曲線の一例を示す模式図であり、図7はスリット幅に応じた解像度の一例を示す模式図であり、図8はスリット幅に応じた出力減衰比の一例を示す模式図であり、図9はスリット幅に応じたセンサー出力の一例を示す模式図である。
まず、図6に示すMTF曲線は、横軸に単位長(ミリメートル)あたりの周期の数である空間周波数を示し、縦軸にゼロ周波数で1もしくは100に規格化したコントラスト再現度(MTF:Modulation Transfer Function)を示すものである。ここで、空間周波数とは、周期的に白と黒とを繰返す縞模様の間隔を示す値である。
図6に係る実験においては、シンチレータ300の厚みA2が0.3mmの条件下で実施した。また、スリット幅H3を0.6mm,0.9mm,1.2mm,1.5mm,1.8mmと複数種作成したスリット部材500を設けた場合と、スリット部材500を設けない場合について実施した。
図6では、スリット幅H3が0.6mmのものを曲線T06で示し、スリット幅H3が0.9mmのものを曲線T09で示し、スリット幅H3が1.2mmのものを曲線T12で示し、スリット幅H3が1.5mmのものを曲線T15で示し、スリット幅H3が1.8mmのものを曲線T18で示し、スリット部材500を設けない場合を曲線T0で示した。
図6の結果から、曲線T06、曲線T09、曲線T12、曲線T15、曲線T18、曲線T0の順で空間周波数を高く維持することができることがわかる。
すなわち、スリットがない場合よりも、スリットがある方が好ましいことがわかる。
すなわち、スリットがない場合よりも、スリットがある方が好ましいことがわかる。
次に、図7の横軸はスリット幅H3(mm)を示し、縦軸は解像度(mm)を示すものである。図7においては、MTF値0.1を初めて下回る空間周波数の値の逆数を解像度(mm)と定義した。
図7においては、シンチレータ300の厚みA2が0.3mmである場合を曲線A03で示す。シンチレータ300の厚みA2が0.5mmである場合を曲線A05で示す。なお、曲線A03および曲線A05は、それぞれの条件において、スリット幅H3を、0.6mm,0.9mm,1.2mm,1.5mm,1.8mm,2.4mmに変化させた点から推定した多項式近似曲線である。
図7に示すように、曲線A05と比較して、曲線A03は、全領域にわたって解像度が高いため、その結果、本実験において、シンチレータ300の厚みA2は、0.5mmよりも0.3mmである方が解像度が高いことがわかる。
また、図7の結果より、曲線A03においてスリット幅H3が1.8mm以上において解像度が一定になる。その結果、スリット幅H3の上限は1.8mmであり、スリット幅H3を1.8mm以上にしても意味をなさない。
続いて、図8は、横軸にスリット幅(mm)を示し、縦軸にセンサー出力を示したものである。ここで、センサー出力とは、PDA400からの電気信号の出力値を示すものである。
図8においては、シンチレータ300の厚みA2が0.3mmである場合を曲線A03で示し、シンチレータ300の厚みA2が0.5mmである場合を曲線A05で示す。なお、曲線A03および曲線A05は、それぞれの条件において、スリット幅H3を、0.6mm,0.9mm,1.2mm,1.5mm,1.8mm,2.4mmに変化させた点から推定した多項式近似曲線である。
図8に示すように、曲線A05よりも曲線A03の方が、センサー出力の値が高く示されており、シンチレータ300の厚みA2が0.3mmの場合は、厚みA2が0.5mmの場合と比較して、効率よく光変換を行っていることがわかる。
また、図8を参照すると、スリット幅H3が1.8mm以上であると、センサー出力が一定になる。その結果、スリット幅H3の上限は、1.8mmであり、スリット幅H3を1.8mm以上にしても意味をなさない。また、センサー出力の下限値が約300程度以上あれば、画像処理が可能であるため、スリット幅H3の下限は、0.3mmとなる。
さらに、センサー出力におけるSN比を考慮すると、ノイズ成分が一定値であるためシグナル成分が大きくなる方が好ましい。画像処理をより好適に行うためには、センサー出力が約1000以上あるほうが好ましい。したがって、シンチレータ300の厚みA2が0.3mmの場合に、スリット幅H3の下限は約0.6mmとなる。
さらに、センサー出力におけるSN比を考慮すると、ノイズ成分が一定値であるためシグナル成分が大きくなる方が好ましい。画像処理をより好適に行うためには、センサー出力が約1000以上あるほうが好ましい。したがって、シンチレータ300の厚みA2が0.3mmの場合に、スリット幅H3の下限は約0.6mmとなる。
上記のように、スリット幅H3は、0.3mmから1.8mmであることが好ましいことが分かる。シンチレータ300の厚みA2が0.3mmの場合、スリット幅H3の上限は、1.8mmであるために、シンチレータ300の厚みA2とスリット幅H3の上限との比率は、1:6となる。シンチレータ300の厚みA2が0.3mmの場合、スリット幅H3の下限は、0.3mmであるために、シンチレータ300の厚みA2とスリット幅H3の下限との比率は、1:1となる。
したがって、シンチレータ300の厚みA2とスリット幅H3との比率は、1:6から1:1の範囲がよい。
したがって、シンチレータ300の厚みA2とスリット幅H3との比率は、1:6から1:1の範囲がよい。
また、PDA400の幅H1が0.6mmの場合、スリット幅H3の上限は、1.8mmであるので、PDA400の幅H1とスリット幅H3の上限との比率は、1:3となる。また、PDA400の幅H1が0.6mmの場合、センサーの出力の下限値が約300程度であり、スリット幅H3の下限は、0.3mmであるので、PDA400の幅H1とスリット幅H3の下限との比率は、2:1となる。
また、上述したように画像処理を好適に行うためには、センサー出力が約1000以上あるほうが好ましいので、スリット幅H3の下限は、0.6mmとなる。また、PDA400の幅H1は、0.6mmであるので、PDA400の幅H1とスリット幅H3の下限との比率は、1:1となる。
したがって、PDA400の幅H1とスリット幅H3との比率は、2:1から1:3の範囲がよく、より好ましいPDA400の幅H1とスリット幅H3との比率は、1:1から1:3の範囲がよい。
また、上述したように画像処理を好適に行うためには、センサー出力が約1000以上あるほうが好ましいので、スリット幅H3の下限は、0.6mmとなる。また、PDA400の幅H1は、0.6mmであるので、PDA400の幅H1とスリット幅H3の下限との比率は、1:1となる。
したがって、PDA400の幅H1とスリット幅H3との比率は、2:1から1:3の範囲がよく、より好ましいPDA400の幅H1とスリット幅H3との比率は、1:1から1:3の範囲がよい。
最後に、図9は、横軸にスリット幅(mm)を示し、縦軸に出力減衰比(%)を示したものである。
図9においては、シンチレータ300の厚みA2が0.3mmである場合を曲線A03で示し、シンチレータ300の厚みA2が0.5mmである場合を曲線A05で示す。なお、曲線A03および曲線A05は、それぞれの条件において、スリット幅H3を、0.6mm,0.9mm,1.2mm,1.5mm,1.8mm,2.4mmに変化させた点から推定した多項式近似曲線である。
図9に示すように、曲線A05よりも曲線A03の方が、出力減衰比が大きく示されており、シンチレータ300の厚みA2が0.3mmの場合は、厚みA2が0.5mmの場合と比較して、出力減衰比(%)が高く維持されている。
以上の図6から図9に示すように、PDA400の幅H1が0.6mmである場合、シンチレータ300の厚みA2は、0.3mmであることが好ましく、スリット部材500のスリット幅H3は、0.6mmから1.8mm以内であることが好ましいことがわかる。
次に、図10乃至図14を用いて従来のX線検査装置900および本発明に係るX線検査装置100の相違点について説明する。図10および図11は、従来のX線検査装置900を説明するための模式図であり、図12および図13は、本発明に係るX線検査装置100を説明するための模式図である。
図10および図11に示す従来のX線検査装置900においては、X線照射装置200からX線S1が照射され、微小異物610を有する物品600が矢印L1の方向に搬送される。この場合、物品600内の微小異物610は、X線S1を透過させないので、シンチレータ300のシンチレータ素子310cにX線S1が照射されず、シンチレータ素子310cのみで可視光線への光変換が行われない。
しかしながら、シンチレータ素子310a,310b,310d,310eは、全方位に可視光線を発光させるので、図11に示すように、PDA400に斜め方向の可視光線KSD(回り込み)が入光される。よって、物品600内の微小異物610が極めて小さい場合、PDA400の電気出力信号において差が現れず、物品600内の微小異物610が認識されない場合がある。すなわち、可視光線KSDが微小異物610の変化を消去してしまうからである。ここで、可視光線KSDは、シンチレータ素子310a,310bによる斜め45度下方向の可視光線、および、シンチレータ素子310d,310eによる斜め45度下方向の可視光線が合算されたものである。
一方、図12および図13に示す本発明に係るX線検査装置100においては、X線照射装置200からX線S1が照射されるが、スリット部材500によりX線S1よりも幅の狭いX線S2がシンチレータ300に照射される。そして、物品600が矢印L1の方向に搬送される。
この場合、物品600内の微小異物610およびスリット部材500は、X線S1を透過させないので、シンチレータ300のシンチレータ素子310a,310c,310eにX線S1およびX線S2が照射されない。その結果、シンチレータ素子310a,310eからシンチレータ素子310c側への可視光線の回り込みの影響を大きく低減することができる。
この場合、物品600内の微小異物610およびスリット部材500は、X線S1を透過させないので、シンチレータ300のシンチレータ素子310a,310c,310eにX線S1およびX線S2が照射されない。その結果、シンチレータ素子310a,310eからシンチレータ素子310c側への可視光線の回り込みの影響を大きく低減することができる。
その結果、図11に示すように、PDA400に斜め方向の可視光線KSDが入光されず、図13に示すように、PDA400にほぼ直線下方向の可視光線KSEが入光される。すなわち、シンチレータ素子310a,310eは、光変換を行わず、可視光線KSEは、シンチレータ素子310bのみによる下方への可視光線と、斜め45度下方向の可視光線、および、シンチレータ素子310dのみによる下方への可視光線と、斜め45度下方向の可視光線とが合算されたものである。したがって、物品600内の微小異物610が極めて小さい場合でも、PDA400において可視光線の差が現れるため、物品600内の微小異物610を確実に検出することができる。
ここで、図14を用いて、本発明による効果について説明を行う。図14は、本発明に係る効果を説明するための説明図である。縦軸はPDA400からの電気信号出力を示し、横軸は時間経過を示す。
図14に示すように、従来のX線検査装置900を用いた場合、回り込みが発生し、可視光線KSDが生じるので、物品600内の微小異物610は、領域AR9でのみ現れる。
一方、本発明に係るX線検査装置100を用いた場合、回り込みを防止することができ、可視光線KSEにより、物品600内の微小異物610は、領域AR1で現れる。このように、領域AR1は、領域AR9と比較して、数倍の大きさで現れるので、微小異物610を確実に検出することができる。
以上のように、本発明に係るX線検査装置100においては、スリット部材500によりX線S1の照射が、最終的にPDA400に入光させるために最低限必要なシンチレータ300およびPDA400に対してのみ入光される。したがって、微小異物を検出する場合、スリット部材500により微小異物の下側方の近傍に位置するシンチレータ300にX線S1を与えないので、可視光線の回り込みを防止することができる。
さらに、スリット部材500のスリット幅H3が、シンチレータ300の幅H2より小さく、フォトダイオードアレイ400の幅H1よりも大きく設けられる。したがって、スリット部材500のスリットを通過したX線S2を、シンチレータ300で確実に光変換し、フォトダイオードアレイ400で電気信号に変換することができる。
また、シンチレータ300をフォトダイオードアレイ400の幅H1に合わせて製造する必要がないため、X線検査装置100の製造コストを低減することができる。
また、シンチレータ300をフォトダイオードアレイ400の幅H1に合わせて製造する必要がないため、X線検査装置100の製造コストを低減することができる。
また、スリット部材500のスリットが矢印L1の物品の搬送方向と交差する方向に設けられているので、スリット部材500を通過する物品600内の微小異物610の陰影を明確にすることができる。その結果、簡易な構造で、物品600内の微小異物610の検出を確実に行うことができる。
さらに、X線照射装置200と物品600との間に障害物がないため、X線の強度が弱められることなく、スリット部材500を介してPDA400に入射される。その結果、X線強度を適度に調整し、効率の良いX線検査を実施することができる。
本実施の形態においては、物品600が被対象物に相当し、X線S1,S2がX線に相当し、X線照射装置200がX線照射装置に相当し、シンチレータ300が、シンチレータに相当し、フォトダイオードアレイ400がフォトダイオードアレイに相当し、スリット部材500がスリット部材に相当し、スリット幅H3がスリット幅に相当し、シンチレータ300の幅H2がシンチレータの幅に相当し、フォトダイオードアレイ400の幅H1がフォトダイオードアレイの受光幅に相当し、矢印L1が搬送の方向に相当し、照射幅調整機構510が照射幅調整機構に相当し、X線検査装置100がX線検査装置に相当する。
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
100 X線照射装置
300 シンチレータ
400 フォトダイオードアレイ
500 スリット部材
300 シンチレータ
400 フォトダイオードアレイ
500 スリット部材
Claims (4)
- 被対象物を搬送して前記被対象物内の異物を検出するX線検査装置であって、
前記被対象物にX線を照射するX線照射装置と、
前記被対象物の搬送方向と交差する方向に延在して配設され、前記X線照射装置により照射されたX線を可視光線に光変換するシンチレータと、
前記搬送方向と交差する方向に延在して設けられたスリットを有し、前記スリットを通過したX線だけが前記シンチレータに入るように、X線の照射方向において前記シンチレータの上流側に配設されたスリット部材と、
前記シンチレータの配設方向に沿って配設され、前記シンチレータにより光変換された可視光線を検出して電気信号に変換するフォトダイオードアレイと、を含み、
前記スリット部材のスリット幅は、前記搬送方向において前記シンチレータの幅より小さく、前記搬送方向において前記フォトダイオードアレイの受光幅の1/2以上であることを特徴とするX線検査装置。 - 前記スリットを通して前記シンチレータに照射する照射幅を調整する照射幅調整機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のX線検査装置。
- 前記フォトダイオードアレイの受光幅と前記スリット部材のスリット幅との比率が、1:1から1:3の範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のX線検査装置。
- 前記シンチレータの厚みと、前記スリット部材のスリット幅との比率が、1:1から1:6の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3記載のX線検査装置。
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