JP2009180362A - センターデファレンシャル装置の潤滑構造 - Google Patents

センターデファレンシャル装置の潤滑構造 Download PDF

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Abstract

【課題】ピニオンギヤとデフサイドギヤとの噛合部に潤滑油を安定的に供給することができるセンターデファレンシャル装置の潤滑構造を提供すること。
【解決手段】第1出力軸12の軸方向油路39と、該軸方向油路39から径方向に延びる径方向油路40を形成して成るセンターデファレンシャル装置16の潤滑構造において、第1出力軸112の外周面とピニオン軸21の端面との間に径方向油路40に連通する第1油路42を形成し、ピニオン軸21の外周面に軸方向に延びる第2油路43を形成して該第2油路43を第1油路42に連通させるとともに、デフケース20とピニオンギヤ23の小径側端部との間に第3油路44を形成して該第3油路44を第2油路43に連通させ、軸方向油路39から径方向油路40を経て第1油路42に供給される潤滑油を第2油路43を経て第3油路44からピニオンギヤ23とデフサイドギヤ24,25との噛合部に供給する。
【選択図】図3

Description

本発明は、変速機から入力軸に伝達される駆動力を第1出力軸と第2出力軸に分配して前輪と後輪にそれぞれ出力するトランスファ装置に設けられるセンターデファレンシャル装置の潤滑構造に関するものである。
四輪駆動車(4WD車)には、エンジンから変速機を経て入力軸に伝達される駆動力を第1出力軸と第2出力軸に分配して前輪と後輪にそれぞれ出力するトランスファ装置が備えられているが、このトランスファ装置には第1出力軸と第2出力軸の差動を許容するセンターデファレンシャル装置が設けられている。ここで、センターデファレンシャル装置の一例を図5に示す。
図5はトランスファ装置のセンターデファレンシャル装置部分の断面図であり、図示のセンターデファレンシャル装置116は、不図示の入力軸の回転が伝達されるデフケース120を第1出力軸112上に回転可能に配し、該デフケース112に軸線が前記第1出力軸112と直交するピニオン軸121を取り付け、該ピニオン軸121に傘歯状の一対のピニオンギヤ123を回転可能に支持し、該ピニオンギヤ123に噛合する傘歯状の一対のデフサイドギヤ124,125を前記ピニオン軸121を挟んで互いに対向させて前記第1出力軸112上に配設して構成されている。
而して、上記構成を有するセンターデファレンシャル装置116は、一方のデフサイドギヤ124から第1出力軸112を経て後輪に回転を伝達する一方、他方のデフサイドギヤ125から不図示のチェーン伝動機構及び第2出力軸を経て前輪に回転を伝達するとともに、第1出力軸112と第2出力軸の差動を許容するが、以下の潤滑構造によってピニオンギヤ123とデフサイドギヤ124,125との噛合部に潤滑油を供給していた。
即ち、第1出力軸112に軸芯方向に延びる第1軸方向油路139が形成され、該第1軸方向油路139から径方向に延びる第1径方向油路140が第1出力軸112とピニオン軸121に形成され、ピニオン軸121には前記第1径方向油路140を貫通する第2軸方向油路141が形成されている。そして、ピニオン軸121とピニオンギヤ123との間に第2径方向油路142が形成され、該第2径方向油路142がデフケース120とピニオンギヤ123の小径側端部との間に形成された油路143とデフケース120とピニオンギヤ123の大径側端部との間に形成された油路144に連通されている。
而して、上記潤滑構造は、前記第1軸方向油路139を図5の矢印方向に供給された潤滑油は、遠心力によって第1径方向油路140を径方向外方に向かって流れ、第2軸方向油路141から第2径方向油路142を通って油路143からピニオンギヤ123とデフサイドギヤ124,125との噛合部へと流れて該噛合部を潤滑するよう構成されている。
特開2004−203111号公報 特開平6−341515号公報
ところで、アクスル軸上に設けられるセンターデファレンシャル装置の車速200km/hに対応する回転速度が1500rpm〜2000rpmであるのに対して、トランスファ装置に設けられる図5に示すセンターデファレンシャル装置116の車速200km/hに対応する回転速度は5400rpm〜7700rpmとなり、アクスル軸上に設けられるセンターデファレンシャル装置の回転速度の4倍弱となる。
而して、潤滑油に作用する遠心力は回転速度の2乗に比例するため、トランスファ装置に設けられる図5に示すセンターデファレンシャル装置116を潤滑する潤滑油に作用する遠心力は、アクスル軸上に設けられるセンターデファレンシャル装置を潤滑する潤滑油に作用する遠心力の16倍弱と非常に大きくなる。
従って、図5に示すセンターデファレンシャル装置116の潤滑構造では、第2径方向油路142において大きな遠心力を受ける潤滑油は径方向内方へは流れず、その大部分は油路144側へ流れ、油路143からピニオンギヤ123とデフサイドギヤ124,125との噛合部へと潤滑油が供給されず、該噛合部の潤滑が十分なされないという問題が発生する。特に、第2径方向油路142の図示a部分(第2軸方向油路141よりも径方向内方の部分)には潤滑油が流れないため、この部分にスラッジが溜ってピニオンギヤ123が摩耗し易いという問題があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、簡単な構成でピニオンギヤとデフサイドギヤとの噛合部に潤滑油を供給して該噛合部を十分潤滑することができるセンターデファレンシャル装置の潤滑構造を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、変速機から入力軸に伝達される駆動力を第1出力軸と第2出力軸に分配して前輪と後輪にそれぞれ出力するトランスファ装置に設けられ、
前記入力軸の回転が伝達されるデフケースを前記第1出力軸上に回転可能に配し、該デフケースに軸線が前記第1出力軸と直交するピニオン軸を取り付け、該ピニオン軸に傘歯状のピニオンギヤを回転可能に支持し、該ピニオンギヤに噛合する傘歯状のデフサイドギヤを前記ピニオン軸を挟んで互いに対向させて前記第1出力軸上に配設して構成され、前記各デフサイドギヤから前記第1出力軸と前記第2出力軸に回転を伝達するとともに、前記第1出力軸と前記第2出力軸の差動を許容するセンターデファレンシャル装置の潤滑構造であって、
前記第1出力軸の軸芯方向に延びる軸方向油路と、該軸方向油路から径方向に延びる径方向油路とを形成し、これらの軸方向油路と径方向油路を介して前記ピニオンギヤと前記デフサイドギヤとの噛合部に潤滑油を供給するセンターデファレンシャル装置の潤滑構造において、
前記第1出力軸の外周面とこれに対向する前記ピニオン軸の端面との間に前記径方向油路に連通する第1油路を形成し、前記ピニオン軸の外周面に軸方向に延びる第2油路を形成して該第2油路を前記第1油路に連通させるとともに、前記デフケースと前記ピニオンギヤの小径側端部との間に第3油路を形成して該第3油路を前記第2油路に連通させ、前記軸方向油路から前記径方向油路を経て前記第1油路に供給される潤滑油を前記第2油路を経て前記第3油路から前記ピニオンギヤと前記デフサイドギヤとの噛合部に供給するようにしたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ピニオン軸を横断面が円形の丸軸で構成し、その横断面の一部を平坦とすることによって前記第2油路を形成したことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記第1出力軸の外周面に環状溝を形成し、該環状溝に前記径方向油路を開口させたことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、ピニオンギヤとデフサイドギヤとの噛合部には、遠心力の作用方向である径方向外方に沿って順次配された径方向油路、第1油路、第2油路及び第3油路を経て潤滑油が供給されるため、油路の経路を変更するだけの簡単な構成でピニオンギヤとデフサイドギヤとの噛合部が潤滑油によって十分潤滑される。
又、ピニオンギヤ内周とピニオン軸外周の間に形成された第2油路を潤滑油が遠心力によって径方向外方へ流れるため、第2油路からピニオンギヤのデフケースとに対向するスラスト面にも潤滑油を供給することができるとともに、第2油路にスラッジが溜ることがなく、スラッジによるピニオンギヤの摩耗が防がれる。特に、潤滑油の温度が低くて粘度が高い場合であっても、ピニオンギヤの内周全面に潤滑油が供給されるため、スラッジがピニオンギヤの摺動面を直接傷付けて摩耗させることがない。
請求項2記載の発明によれば、ピニオン軸を横断面が円形の丸軸で構成し、その横断面の一部を平坦とすることによって第2油路を形成したため、従来のようにピニオン軸の内部に複雑な油路を形成する必要がなく、ピニオン軸の製造コストを低く抑えることができる。
請求項3記載の発明によれば、第1出力軸の外周面に環状溝を形成し、この環状溝に径方向油路を開口させたため、ピニオン軸が第1出力軸上のどの位置にあっても、ピニオンギヤとデフサイドギヤとの噛合部に潤滑油を安定的に供給することができる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は四輪駆動車のトランスファ装置の断面図、図2は同トランスファ装置のセンターデファレンシャル装置部分の拡大断面図、図3は図2のA部拡大詳細図、図4(a)はピニオン軸の側面図、図4(b)は同ピニオン軸の端面図である。
図1に示すトランスファ装置1は、不図示の四輪駆動車の前部に縦置き状態で配置されたエンジンの回転を変速する変速機に連結されており、トランスファケース2内には中空の入力軸3がボールベアリング4,5によって回転可能に支持されて収容されている。この入力軸3の前端(図1の左端)は、不図示の変速機の出力軸に連結されており、後端(図1の右端)には第1ギヤ6が一体に形成されている。
又、トランスファケース2内には、カウンタ軸7が入力軸3と平行に配されており、該カウンタ軸7の軸方向両端(前端と後端)はボールベアリング8とニードルベアリング9によって回転可能に支持され、これには大小異径の第1カウンタギヤ10と第2カウンタギヤ11が一体に形成されており、第1カウンタギヤ10は前記第1ギヤ6に噛合している。
更に、トランスファケース2内には、後輪に回転動力を伝達するための第1出力軸(リヤ出力軸)12が前記入力軸3と同軸に配されており、この第1出力軸12の前端部は入力軸3の後端部内に挿入され、ニードルベアリング13によって入力軸3に回転可能に支持されている。又、第1出力軸12の中間部と後部はボールベアリング14,15によってトランスファケース2に回転可能に支持されている。尚、第1出力軸12は、不図示の後輪側プロペラシャフトに連結されている。
そして、上記第1出力軸12上には、前輪と後輪にエンジン出力を分配するセンターデファレンシャル装置16、低速用の第2ギヤ17、二輪駆動(2WD)と四輪駆動(4WD)を切り替えるための四駆切替クラッチ18、駆動スプロケット19が前方から順次配されている。
ここで、上記センターデファレンシャル装置16は、図2に詳細に示すように、デフケース20を前記第1出力軸12上に回転可能に配し、該デフケース20に軸線が第1出力軸12と直交する一対のピニオン軸21をピン22によって取り付け、各ピニオン軸21に傘歯状のピニオンギヤ23をそれぞれ回転可能に支持し、該ピニオンギヤ23に噛合する傘歯状の前後一対の第1デフサイドギヤ24と第2デフサイドギヤ25をピニオン軸21を挟んで互いに対向させて第1出力軸12上に配設して構成され、前記各デフサイドギヤ24,25から前記第1出力軸12と後述の第2出力軸35に回転を伝達するとともに、第1出力軸12と第2出力軸35の差動を許容するものである。
上記第1デフサイドギヤ24は、第1出力軸12の外周にスプライン嵌合によって結着されており、前記第2デフサイドギヤ25は、ニードルベアリング26を介して第1出力軸12に自由回転可能に支持されている。尚、センターデファレンシャル装置16の外周には、高低速切替クラッチ27が設けられており、この高低速切替クラッチ27は、前後にスライドして前記第1ギヤ6の端部に結着されたクラッチギヤ28又はデフケース20の外周に選択的に噛合するシフトスリーブ29を備えている。
又、前記低速用の第2ギヤ17は、前記第2デフサイドギヤ25の外周にニードルベアリング30を介して自由回転可能に支持されており、カウンタ軸7に一体に形成された前記第2カウンタギヤ11に噛合している。
更に、前記四駆切替クラッチ18は、前後にスライドして前記第2デフサイドギヤ25の後端部外周に結着されたクラッチハブ31、第1出力軸12の外周に結合されたロックスリーブ32又は前記駆動スプロケット19に選択的に噛合するシフトスリーブ33を備えている。ここで、図1に示すように、駆動スプロケット19は、ロックスリーブ32の外周にニードルベアリング34を介して自由回転可能に支持されている。
他方、図1に示すように、トランスファケース2内には、前輪に回転動力を伝達するための第2出力軸(フロント出力軸)35が前記第1出力軸12及びカウンタ軸7と平行に配されており、この第2出力軸35は一対のボールベアリング36によってトランスファケース2に回転可能に支持されている。そして、第2出力軸35には従動スプロケット37が一体に形成されており、この従動スプロケット37と第1出力軸12上に配された前記駆動スプロケット19には無端状のチェーン38が巻装されている。
次に、以上のように構成されたトランスファ装置1の作用について説明する。
不図示のエンジンの回転は不図示の変速機によって変速されてトランスファ装置1の入力軸3に伝達されるが、高低速切替クラッチ27のシフトスリーブ29が図1及び図2に示すように高速側に切り替えられてクラッチギヤ28とデフケース20に噛合しているときには、入力軸3の回転は第1ギヤ6とシフトスリーブ29を経てセンターデファレンシャル装置16に伝達される。そして、センターデファレンシャル装置16に伝達された回転は、デフケース20、ピニオン軸21及びピニオンギヤ23を経て第1デフサイドギヤ24と第2デフサイドギヤ25に伝達され、更に第1デフサイドギヤ24から第1出力軸12に伝達され、該第1出力軸12から不図示の後輪側プロペラシャフトに伝達されて不図示の後輪が回転駆動される。
ところで、四輪駆動(4WD)が選択されて四駆切替クラッチ18のシフトスリーブ33が図1及び図2に示すようにクラッチハブ31と駆動スプロケット19に噛合しているときには、前記第2デフサイドギヤ25の回転は、クラッチハブ31とシフトスリーブ33を経て駆動スプロケット19へと伝達され、該駆動スプロケット19が回転駆動される。そして、駆動スプロケット19の回転は、チェーン38と従動スプロケット37を経て第2出力軸35に伝達され、該第2出力軸35から不図示の前輪側プロペラシャフトに伝達されて不図示の前輪が回転駆動される。この際、第1出力軸12と第2出力軸35とは異なる回転(差動)可能である。又、シフトスリーブ33をクラッチハブ31とロックスリーブ32と駆動スプロケット19とに噛み合わせた場合、四輪駆動で第1出力軸12と第2出力軸3の差動を禁止することができる。
他方、二輪駆動(2WD)が選択されて四駆切替クラッチ18のシフトスリーブ33がクラッチハブ31とロックスリーブ32に噛合しているときには、前記第2デフサイドギヤ25の回転は、クラッチハブ31とシフトスリーブ33及びロックスリーブ32を経て第1出力軸12へと伝達される。従って、第1出力軸12には第1デフサイドギヤ24と第2デフサイドギヤ25の回転が伝達され、該第1出力軸12のみが回転駆動され、その回転が不図示の後輪側プロペラシャフトに伝達されて不図示の後輪のみが回転駆動される。
又、高低速切替クラッチ27のシフトスリーブ29が低速側に切り替えられてデフケース20と第2ギヤ17に噛合しているときには、入力軸3の回転は第1ギヤ6と第1カウンタギヤ10を経て減速されてカウンタ軸7に伝達され、このカウンタ軸7の回転は第2カウンタギヤ11と第2ギヤ17を経て減速されてセンターデファレンシャル装置16に伝達される。そして、センターデファレンシャル装置16に伝達された回転は、デフケース20、ピニオン軸21及びピニオンギヤ23を経て第1デフサイドギヤ24と第2デフサイドギヤ25に伝達され、以後は前記と同様の経路を経て第1出力軸12と第2出力軸35(四輪駆動(4WD)が選択された場合)又は第1出力軸12のみ(二輪駆動(2WD)が選択された場合)に伝達されて前後輪(四輪)又は後輪(二輪)が選択的に回転駆動される。尚、高低速切替クラッチ27のシフトスリーブ29がクラッチギヤ28と第2ギヤ17の何れにも噛合しないニュートラル状態においては、入力軸3の回転は第1出力軸12及び第2出力軸35の何れにも伝達されない。
次に、本発明に係るセンターデファレンシャル装置16の潤滑構造を図3に基づいて説明する。
前記第1出力軸12の軸中心には軸芯方向に延びる軸方向油路39が形成されており、又、第1出力軸12のピニオン軸21が結着された部位には、前記軸方向油路39から径方向に延びる径方向油路40が形成されている。そして、第1出力軸12の外周面には環状溝41が全周に亘って形成されており、この環状溝41に前記径方向油路40が開口している。
又、第1出力軸12の外周面とこれに対向するピニオン軸21の端面との間には前記径方向油路40に連通する第1油路42が軸方向に形成されており、前記ピニオン軸21の外周面の相対向する部位には、ピニオンギヤ23の内周面との間にピニオン軸21の軸方向(径方向)に延びる第2油路43が形成され、この第2油路43は前記第1油路42に連通している。ここで、図4に示すように、ピニオン軸21は横断面が円形の丸軸で構成されており、その横断面の一部(相対向する2箇所)を平坦面21aとすることによって前記第2油路43が形成されている。尚、図4(a)に示すように、ピニオン軸21の軸方向端部には、前記ピン22(図2及び図3参照)が挿通するためのピン孔21bが貫設されている。
更に、デフケース20とピニオンギヤ23の小径側端部との間には第3油路44が形成されており、この第3油路44は前記第2油路43に連通している。
而して、以上のように構成された潤滑構造において、不図示のオイルポンプから第1出力軸12の軸方向油路39に供給された潤滑油は、図3に矢印にて示すように、遠心力の作用方向である径方向外方に沿って順次配された径方向油路40、第1油路42、第2油路43及び第3油路44を経てピニオンギヤ23とデフサイドギヤ24,25との噛合部に供給される。このため、本実施の形態に係る潤滑構造によれば、図5に示した従来の潤滑構造に対して油路の経路を変更するだけの簡単な構成でピニオンギヤ23とデフサイドギヤ24,25との噛合部に潤滑油を供給して該噛合部を十分潤滑することができる。
又、ピニオンギヤ23の内周とピニオン軸21の外周の間に形成された第2油路43を潤滑油が遠心力によって径方向外方へ流れるため、該第2油路43からピニオンギヤ23のデフケース20に対向するスラスト面にも潤滑油を供給することができるとともに、第2油路43にスラッジが溜ることがなく、スラッジによるピニオンギヤ23の摩耗が防がれる。特に、潤滑油の温度が低くて粘度が高い場合であっても、ピニオンギヤ23の内周全面に潤滑油が供給されるため、スラッジがピニオンギヤ23の摺動面を直接傷付けて摩耗させることがない。
更に、本実施の形態では、図4に示すように、ピニオン軸21を横断面が円形の丸軸で構成し、その横断面の一部を平坦面21aとすることによって第2油路43を形成したため、図5に示す従来の潤滑構造のようにピニオン軸21の内部に複雑な油路を形成する必要がなく、ピニオン軸21の製造コストを低く抑えることができる。
又、本実施の形態では、第1出力軸12の外周面に環状溝41を全周に亘って形成し、この環状溝41に径方向油路40を開口させたため、ピニオン軸21が第1出力軸12上のどの位置にあっても、ピニオンギヤ23とデフサイドギヤ24,25との噛合部に潤滑油を安定的に供給することができる。
四輪駆動車のトランスファ装置の断面図である。 本発明に係る潤滑構造を示すトランスファ装置のセンターデファレンシャル装置部分の拡大断面図である。 図2のA部拡大詳細図である。 (a)はセンターデファレンシャル装置のピニオン軸の側面図、(b)は同ピニオン軸の端面図である。 従来の潤滑構造を示すトランスファ装置のセンターデファレンシャル装置部分の断面図である。
符号の説明
1 トランスファ装置
2 トランスファケース
3 入力軸
4,5 ボールベアリング
6 第1ギヤ
7 カウンタ軸
8 ボールベアリング
9 ニードルベアリング
10 第1カウンタギヤ
11 第2カウンタギヤ
12 第1出力軸
13 ニードルベアリング
14,15 ボールベアリング
16 センターデファレンシャル装置
17 第2ギヤ
18 四駆切替クラッチ
19 駆動スプロケット
20 デフケース
21 ピニオン軸
21a ピニオン軸の平坦面
21b ピニオン軸のピン孔
23 ピニオンギヤ
24 第1デフサイドギヤ
25 第2デフサイドギヤ
26 ニードルベアリング
27 高低速切替クラッチ
28 クラッチギヤ
29 シフトスリーブ
30 ニードルベアリング
31 クラッチハブ
32 ロックスリーブ
33 シフトスリーブ
34 ニードルベアリング
35 第2出力軸
36 ボールベアリング
37 従動スプロケット
38 チェーン
39 軸方向油路
40 径方向油路
41 環状溝
42 第1油路
43 第2油路
44 第3油路

Claims (3)

  1. 変速機から入力軸に伝達される駆動力を第1出力軸と第2出力軸に分配して前輪と後輪にそれぞれ出力するトランスファ装置に設けられ、
    前記入力軸の回転が伝達されるデフケースを前記第1出力軸上に回転可能に配し、該デフケースに軸線が前記第1出力軸と直交するピニオン軸を取り付け、該ピニオン軸に傘歯状のピニオンギヤを回転可能に支持し、該ピニオンギヤに噛合する傘歯状のデフサイドギヤを前記ピニオン軸を挟んで互いに対向させて前記第1出力軸上に配設して構成され、前記各デフサイドギヤから前記第1出力軸と前記第2出力軸に回転を伝達するとともに、前記第1出力軸と前記第2出力軸の差動を許容するセンターデファレンシャル装置の潤滑構造であって、
    前記第1出力軸の軸芯方向に延びる軸方向油路と、該軸方向油路から径方向に延びる径方向油路とを形成し、これらの軸方向油路と径方向油路を介して前記ピニオンギヤと前記デフサイドギヤとの噛合部に潤滑油を供給するセンターデファレンシャル装置の潤滑構造において、
    前記第1出力軸の外周面とこれに対向する前記ピニオン軸の端面との間に前記径方向油路に連通する第1油路を形成し、前記ピニオン軸の外周面に軸方向に延びる第2油路を形成して該第2油路を前記第1油路に連通させるとともに、前記デフケースと前記ピニオンギヤの小径側端部との間に第3油路を形成して該第3油路を前記第2油路に連通させ、前記軸方向油路から前記径方向油路を経て前記第1油路に供給される潤滑油を前記第2油路を経て前記第3油路から前記ピニオンギヤと前記デフサイドギヤとの噛合部に供給するようにしたことを特徴とするセンターデファレンシャル装置の潤滑構造。
  2. 前記ピニオン軸を横断面が円形の丸軸で構成し、その横断面の一部を平坦とすることによって前記第2油路を形成したことを特徴とする請求項1記載のセンターデファレンシャル装置の潤滑構造。
  3. 前記第1出力軸の外周面に環状溝を形成し、該環状溝に前記径方向油路を開口させたことを特徴とする請求項1又は2記載のセンターデファレンシャル装置の潤滑構造。
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