JP4598288B2 - トランスファ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、4輪駆動モードと2輪駆動モードの切り換え機能を備えたトランスファ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は従来のトランスファ装置201を示している。
【0003】
このトランスファ装置201は、入力軸203、トランスファドライブシャフト205、Hi−Low切り換え機構207、ベベルギア式のセンターデフ209、2−4切り換え機構211、前輪側動力伝達系の一部を構成するチェーン伝動機構213などから構成されている。
【0004】
入力軸203はトランスミッションの出力軸に連結されており、エンジンの駆動力を受けて回転する。
【0005】
トランスファドライブシャフト205は入力軸203と同軸に配置されている。
【0006】
Hi−Low切り換え機構207は、トランスファドライブシャフト205とカウンターシャフト215との間に設けられた減速ギヤ組217、Hi−Low切り換えスリーブ219、変速機レバー221などから構成されている。
【0007】
Hi−Low切り換えスリーブ219は、変速機レバー221によってシフト操作され、入力軸203をトランスファドライブシャフト205に固定されたギア223に直接連結させるHiポジション(直結:高速)と、入力軸203を減速ギヤ組217に連結させるLowポジション(低速)にシフトされる。
【0008】
Hi−Low切り換えスリーブ219がHiポジションにシフトされると、入力軸203の回転は、減速ギヤ組217をバイパスして、トランスファドライブシャフト205に等速で伝達される。
【0009】
また、Hi−Low切り換えスリーブ219がLowポジションにシフトされると、入力軸203の回転は減速ギヤ組217で減速されてからトランスファドライブシャフト205に伝達される。
【0010】
センターデフ209は、トランスファドライブシャフト205に連結されたピニオンシャフト225、ピニオンシャフト225に支承されたピニオンギア227、ピニオンギア227とそれぞれ噛み合った前後のサイドギア229,231からなり、トランスファドライブシャフト205を介してピニオンシャフト225に入力する回転をピニオンギア227からサイドギア229,231に配分する。
【0011】
前輪側のサイドギア229はフリー回転状態にされており、後輪側のサイドギア231は動力伝達系233を介して後輪側に連結されている。
【0012】
また、ピニオンシャフト225に連結されたデフケース235と後輪側サイドギア231との間には、粘性流体の剪断抵抗により回転差に応じて差動を制限するカップリング237が配置されている。
【0013】
2−4切り換え機構211は、前輪側サイドギア227、チェーン伝動機構213の駆動側スプロケット239、トランスファドライブシャフト205に連結されたクラッチギア241、2−4切り換えスリーブ243、トランスファレバー245、ダブルコーンのシンクロ機構247などから構成されている。
【0014】
2−4切り換えスリーブ243は、トランスファレバー245によってシフト操作され、クラッチギア241とサイドギア227とを連結する2WDポジションと、サイドギア227とスプロケット239とを連結する4WDポジションと、サイドギア227とスプロケット239とクラッチギア241とを連結する4WDのデフロックポジションとにシフトされる。
【0015】
シンクロ機構247は、2−4切り換えスリーブ243のシフトに伴って、2−4切り換えスリーブ243と上記の各連結部材とを同期回転させる。
【0016】
2−4切り換えスリーブ243が2WDポジションにシフトされると、サイドギア227とスプロケット239との連結が解除されて前輪側が切り離されると共に、クラッチギア241(トランスファドライブシャフト205)とサイドギア227とを連結してサイドギア227の空転を防止することによって、車両は後輪駆動の2輪駆動状態になる。
【0017】
また、2−4切り換えスリーブ243が4WDポジションにシフトされると、サイドギア227に配分された回転がチェーン伝動機構213から動力伝達系249を介して前輪側に伝達され、車両は4輪駆動状態になる。
【0018】
また、2−4切り換えスリーブ243が4WDのデフロックポジションにシフトされると、上記の4輪駆動状態でさらにクラッチギア241とサイドギア227が連結されてセンターデフ209の差動回転がロックされる。
【0019】
変速機レバー221とトランスファレバー245の操作は連動しており、上記のような高速状態、低速状態、2輪駆動状態、4輪駆動状態、4輪駆動のデフロック状態の内から有用な組み合わせを選択する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、トランスファ装置201は、上記のように、センターデフ209と2−4切り換え機構211とが分散して設けられているから、それぞれに1セットずつの構成部材が必要である。
【0021】
従って、それだけ構造が複雑で、部品点数が多く、重量が嵩むと共に、組み付けが面倒であり、コスト高となってしまう。
【0022】
また、トランスファ装置201は、センターデフ209と2−4切り換え機構211が軸方向に分散して配置されていことにより、それだけ軸方向に大型になっており、広い配置スペースが必要である上に、上記のように重量が嵩むので車載性が悪く、周辺レイアウトに影響を与えてしまうという問題もあった。
【0023】
また、センターデフ209と2−4切り換え機構211が軸方向に分散していると、車体の前後方向のバランスが取りずらいという問題も有している。
【0024】
そこで、この発明は、構造簡単で、部品点数が少なく、軽量で、低コストであると共に、車載性に優れたトランスファ装置の提供を目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
請求項1のトランスファ装置は、原動機の駆動力によって回転するアウターケースと、その内部に相対回転自在に配置されたインナーケースと、インナーケースの回転を一対のサイドギアから車輪側に配分する差動機構と、アウターケースの回転をいずれか一方のサイドギアにだけ伝達する2輪駆動モード及びアウターケースの回転をインナーケースに伝達する4輪駆動モードの切り換えが可能な2−4切り換えクラッチとを備えたことを特徴としている。
【0026】
例えば、アウターケースと一体に回転するクラッチリングを設け、このクラッチリングと一方のサイドギアとを相対移動可能に連結しておき、さらに、このクラッチリングとインナーケースとの間に噛み合いクラッチを設ければ、本発明での2−4切り換えクラッチが構成される。
【0027】
この2−4切り換えクラッチを噛み合わせると(4輪駆動モード)、エンジンの駆動力はアウターケースから2−4切り換えクラッチ(クラッチリング)を介してインナーケースに伝達され、差動機構(センターデフ)から前輪側と後輪側に配分されて、車両は4輪駆動状態になる。
【0028】
このとき、クラッチリングと一方のサイドギアとの連結を維持しておけば、センターデフの差動回転がロックされ、これらの連結を解除すれば、センターデフの差動回転はフリーになる。
【0029】
また、2−4切り換えクラッチの噛み合いを解除すると(2輪駆動モード)、インナーケースが切り離されて他方のサイドギア側車輪に対する駆動力が遮断されると共に、一方のサイドギア側車輪には、アウターケースとクラッチリングとこのサイドギアとを介して駆動力が伝達され、車両は2輪駆動状態になる。
【0030】
また、2輪駆動状態でサイドギアの空転によるトルクの抜けが生じないから、2WDポジションにおいてクラッチギア241とサイドギア227とを連結する必要がある従来例と異なって、サイドギアの空転を防止する機構が不要である。
【0031】
また、上記のように、本発明のトランスファ装置は、差動機構(センターデフ)に2−4切り換えクラッチが組み込まれているから、センターデフ209と2−4切り換え機構211が軸方向に分散配置されている従来例と異なって、構造が簡単で、部品点数が極めて少なく、軽量で、組み付けが容易であり、低コストに構成されている。
【0032】
また、差動機構と2−4切り換えクラッチとをユニット化したことによって軸方向にコンパクトになり、狭いスペースに配置できるから、上記のように軽量であることと相俟って、車載性が大幅に向上することができる。
【0033】
また、差動機構と2−4切り換えクラッチの重量が1個所に集中するから、これらが軸方向に分散している従来例と較べて、車体の前後方向のバランスが取り易い。
【0034】
また、上記のように、2輪駆動状態でサイドギアの空転を防止する機構が不要であるから、構造がさらに簡単になり、低コストに実施できる。
【0035】
請求項2の発明は、請求項1に記載されたトランスファ装置であって、2−4切り換えクラッチが噛み合いクラッチであり、その噛み合いに先立って噛み合い歯を互いに同期回転させるシンクロ機構を設けたことを特徴としており、請求項1の構成と同等の作用・効果を得ることができる。
【0036】
また、車両の走行中でも、シンクロ機構によって2−4切り換えが可能であり、操作性を向上することができる。
【0037】
また、シンクロ機構を2−4切り換えクラッチ(噛み合いクラッチ)に組み込んだから、センターデフ209と2−4切り換え機構211に加えてシンクロ機構247が軸方向に分散配置されている従来例と較べて、軸方向にさらにコンパクトになり、車載性を向上することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
図1と図2によってトランスファ装置1(本発明の一実施形態)の説明をする。
【0039】
トランスファ装置1は請求項1の特徴を備えている。また、前後の方向はトランスファ装置1を用いた4輪駆動車の前後の方向であり、各図の左方はこの車両の前方に相当する。なお、符号を与えていない部材等は図示されていない。
【0040】
トランスファ装置1は、図1と図2に示すように、アウターケース3、インナーケース5、ベベルギア式の差動機構7、前輪側動力伝達系の一部を構成するチェーン伝動機構9、クラッチリング11、噛み合い部13、噛み合いクラッチ15(2−4切り換えクラッチ)、アクチュエータ、コントローラなどから構成されている。
【0041】
トランスファ装置1はトランスファケースの内部に配置されており、アウターケース3の前後のボス部17,19はボールベアリング21,23を介してトランスファケースに支承されている。また、トランスファケースの内部にはオイル溜りが形成されている。
【0042】
インナーケース5は、その外周をアウターケース3の内周によって回転自在に支承されている。
【0043】
トランスファ装置1は、図3の従来例と同様に、副変速機であるHi−Low切り換え機構が前段に配置されており、エンジン(原動機)の駆動力は、トランスミッションからこのHi−Low切り換え機構に入力し、高速(Hi)または低速(Low)の2段階に変速され、トランスファドライブシャフト25(図2)を回転させる。
【0044】
図2のように、トランスファドライブシャフト25にはギア27が固定されており、図1のように、アウターケース3のボス部17にはギア29がスプライン連結されている。トランスファドライブシャフト25の回転はギア27,29を介してアウターケース3に伝達され、これを回転させる。
【0045】
差動機構7は、複数本のピニオンシャフト31、これと同数のピニオンギア33、出力側サイドギア35,37などから構成されている。
【0046】
各ピニオンシャフト31は、インナーケース5に設けられた貫通孔39に端部を係合し、スプリングピンで固定されている。ピニオンギア33はピニオンシャフト31上に回転自在に支承されており、サイドギア35,37はそれぞれ前後から各ピニオンギア33と噛み合っている。
【0047】
また、インナーケース5には、各ピニオンギア33の遠心力及びサイドギア35,37との噛み合いによって生じた噛み合い反力を受ける球面ワッシャ部41が形成されている。
【0048】
サイドギア35はボス部17に形成された支承部43によって支承されている。また、サイドギア35には前輪側の車軸45がスプライン連結されており、この車軸45はニードルベアリング47によってボス部17に支承されている。
【0049】
また、図2のように、チェーン伝動機構9は一対のスプロケット49,51とこれらを連結するサレントチェーン53から構成されており、スプロケット49は車軸45にスプライン連結され、スプロケット51は前輪側のカウンターシャフト55にスプライン連結されている。
【0050】
サイドギア35はこのような前輪側動力伝達系とフロントデフ(エンジンの駆動力を左右の前輪に配分するデファレンシャル装置)とを介して左右の前輪側に連結されている。
【0051】
また、サイドギア37はボス部19に形成された支承部57によって支承されており、後輪側の車軸59がスプライン連結されている。
【0052】
サイドギア37はこのような後輪側動力伝達系とリヤデフ(エンジンの駆動力を左右の後輪に配分するデファレンシャル装置)とを介して左右の後輪側に連結されている。
【0053】
また、サイドギア35,37とアウターケース3との間にはそれぞれスラストワッシャ61,63が配置され、サイドギア35,37の噛み合い反力を受けている。
【0054】
図1のように、クラッチリング11は、リング部65と、リング部65上に周方向等間隔に形成された連結部67からなり、リング部65はアウターケース3の内部に、インナーケース5の後端側と対向して配置されている。
【0055】
また、クラッチリング11は各連結部67をアウターケース3に形成された貫通孔69に貫通させて、アウターケース3と軸方向移動自在に連結されている。
【0056】
噛み合い部13は、サイドギア37の外周とクラッチリング11の内周との間に設けられている。
【0057】
噛み合いクラッチ15は、インナーケース5とクラッチリング11(リング部65)の対向端部にそれぞれ形成された噛み合い歯71,73から構成されている。
【0058】
クラッチリング11には操作部材75が連結されており、アクチュエータは操作部材75を介してクラッチリング11を、噛み合いクラッチ15の噛み合い位置と、図1に示す噛み合い解除位置との間でシフト操作する。
【0059】
また、噛み合い部13は、クラッチリング11が噛み合い位置にシフトされると連結が解除され、噛み合い解除位置にシフトされると、図1のように、連結される。
【0060】
噛み合いクラッチ15が噛み合うと、エンジンの駆動力はアウターケース3からクラッチリング11と噛み合いクラッチ15とを介してインナーケース5に伝達され、差動機構7から上記の各動力伝達系を介して前輪側と後輪側とに配分され、車両は4輪駆動状態になる。
【0061】
このとき、噛み合い部13では、上記のように、クラッチリング11とサイドギア37との連結が解除されるから、差動機構7の差動回転はフリーになる。
【0062】
車両が4輪駆動状態になると、悪路の走破性や脱出性、車体の安定性などが向上する。
【0063】
また、悪路走行中などに、前輪と後輪の間に駆動抵抗差が生じると各ピニオンギア33の自転によってエンジンの駆動力は前後各側に差動配分される。
【0064】
トルクの伝達中、噛み合い反力によって各ピニオンギア33は球面ワッシャ部41に押圧され、サイドギア35,37は噛み合い反力によりスラストワッシャ61,63を介してアウターケース3に押圧され、これらの押圧部で摩擦抵抗が発生する。
【0065】
この摩擦抵抗によってトルク感応型の差動制限機能が得られるから、大きなトルクが掛かる発進時や加速時に発進性と加速性が向上すると共に、車体が安定し、また、前後輪が空転しない範囲で悪路の走破性が向上する。
【0066】
なお、噛み合い部13を軸方向に延長し、噛み合いクラッチ15が噛み合った状態でも噛み合い部13の連結が維持されるようにすれば、差動機構7の差動回転がロックされるから悪路の走破性や脱出性が大きく向上する。
【0067】
また、噛み合いクラッチ15の噛み合いを解除すると、インナーケース5から前輪側までが切り離されると共に、後輪側にはサイドギア37を介して駆動力が伝達されるから、車両は後輪駆動の2輪駆動状態になり、前輪側の抵抗が減ることにより旋回性とエンジンの燃費を向上することができる。
【0068】
また、従来例と異なって、2輪駆動状態でサイドギア35,37の空転によるトルクの抜けが生じないから、これらの空転を防止する機構は不要である。
【0069】
また、左右の前輪とその車軸との間にそれぞれハブクラッチを配置し、これらのハブクラッチを噛み合いクラッチ15の噛み合い解除と同期して連結を解除すれば、インナーケース5から左右の前車軸までの動力伝達系が、エンジンの駆動力と前輪の連れ回り回転力の両方から切り離されて回転が停止するから、振動の軽減によって乗り心地が向上し、動力伝達系各部の磨耗が軽減されて耐久性が向上し、回転抵抗の低減分だけエンジンの負担が軽減し、燃費をさらに向上することができる。
【0070】
なお、本実施形態ではこれらのハブクラッチは噛み合いクラッチ15の噛み合いと同期して連結させる。
【0071】
コントローラは、Hi−Low切り換え機構の切り換えと、噛み合いクラッチ15の断続とを行い、上記のような高速状態、低速状態、2輪駆動状態、4輪駆動状態(あるいは、4輪駆動の差動回転ロック状態)の内から有用な組み合わせ選択する。
【0072】
アウターケース3には上記の貫通孔69の他に、ボス部17,19の内周に螺旋状のオイル溝が形成されている。
【0073】
アウターケース3の下半部はトランスファケースのオイル溜りに浸されており、回転に伴ってこのオイルが貫通孔69と螺旋状オイル溝からアウターケース3に流出入し、差動機構7の各ギアの噛み合い部、ピニオンシャフト31の外周とピニオンギア33との摺動部、スラストワッシャ61,63、各球面ワッシャ部41、サイドギア35,37の支承部43,57、噛み合い部13、噛み合いクラッチ15などを充分に潤滑・冷却する。
【0074】
こうして、トランスファ装置1が構成されている。
【0075】
トランスファ装置1は、上記のように、差動機構7に噛み合いクラッチ15(2−4切り換え機能)を組み込んだから、センターデフ209と2−4切り換え機構211が軸方向に分散配置されている従来例と異なって、構造が簡単であり、部品点数が極めて少なく、軽量で、組み付けが容易であり、低コストに構成されている。
【0076】
また、差動機構7と噛み合いクラッチ15とをアウターケース3の内部でユニット化したことによって軸方向にコンパクトになり、狭いスペースに配置することができるから、上記のように軽量であることと相俟って、車載性が大幅に向上することができる。
【0077】
また、差動機構7と噛み合いクラッチ15の重量が1個所に集中するから、これらが軸方向に分散している従来例と較べて、車体の前後方向のバランスが取り易い。
【0078】
また、上記のように2輪駆動状態でサイドギア35,37の空転を防止する機構が不要であるから、2WDポジションではクラッチギア241とサイドギア227とを連結する機構が必要な従来例と異なって、構造がさらに簡単であり、低コストとすることができる。
【0079】
なお、請求項2の構成のように、噛み合いクラッチ15において、インナーケース5(噛み合い歯71)とクラッチリング11(噛み合い歯73)との間に、噛み合いに先立ってこれらを同期回転させるシンクロ機構を設ければ、車両の走行中でも2−4切り換えが可能になり、操作性を向上することができる。
【0080】
また、このようにシンクロ機構を噛み合いクラッチ15に組み込めば、センターデフ209と2−4切り換え機構211に加えてシンクロ機構247が軸方向に分散配置されている従来例と較べて、軸方向にさらにコンパクトになり、車載性を向上することができる。
【0081】
また、シンクロ機構は、クラッチリング11のシフトに応じて連結が断続する噛み合い部13に設けてもよい。
【0082】
なお、ここでは、差動機構にベベルギア式の差動機構を用いた例を示したが、本発明の差動機構はこれに限らない。
【0083】
例えば、プラネタリーギア式の差動機構、回転ケースの収容孔に摺動自在に収容されたピニオンギアによって一対の出力側サイドギアを連結した差動機構、ウォームギアを用いた差動機構などでも実施可能である。
【0084】
また、2−4切り換えクラッチを操作するアクチュエータは、例えば、空気式や油圧式のような流体圧アクチュエータ、電磁式アクチュエータ、電動モータを用いた電動アクチュエータなど、何れの動力を用いたどのようなアクチュエータでもよいことはもちろんである。
【0085】
また、レバーなどにより2−4切り換えクラッチを手動で操作するように構成してもよい。
【0086】
【発明の効果】
請求項1のトランスファ装置は、差動機構に2−4切り換えクラッチが組み込まれているから、従来例と異なって、構造が簡単で、部品点数が極めて少なく、軽量であり、組み付けが容易で、低コストとすることができる。
【0087】
また、差動機構と2−4切り換えクラッチとをユニット化したことによって軸方向にコンパクトになり、狭いスペースに配置できるから、軽量であることと相俟って車載性を大幅に向上することができる。
【0088】
また、差動機構と2−4切り換えクラッチの重量が1個所に集中するから、車体の前後方向のバランスが取り易い。
【0089】
また、2輪駆動時にサイドギアの空転を防止する機構が不要であるから、構造がさらに簡単になり、低コストとすることができる。
【0090】
請求項2のトランスファ装置は、請求項1の構成と同等の効果を得ることができる。
【0091】
また、車両の走行中でもシンクロ機構によって2−4切り換えが可能であり、操作性を向上することができる。
【0092】
また、シンクロ機構を噛み合いクラッチに組み込んだから軸方向にさらにコンパクトになり、車載性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の実施形態を含む動力伝達系のスケルトン機構図である。
【図3】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 トランスファ装置
3 アウターケース
5 インナーケース
7 ベベルギア式差動機構
15 噛み合いクラッチ(2−4切り換えクラッチ)
35,37 出力側サイドギア
Claims (2)
- 原動機の駆動力によって回転するアウターケースと、その内部に相対回転自在に配置されたインナーケースと、インナーケースの回転を一対のサイドギアから車輪側に配分する差動機構と、アウターケースの回転をいずれか一方のサイドギアにだけ伝達する2輪駆動モード及びアウターケースの回転をインナーケースに伝達する4輪駆動モードの切り換えが可能な2−4切り換えクラッチとを備えたことを特徴とするトランスファ装置。
- 請求項1に記載された発明であって、2−4切り換えクラッチが噛み合いクラッチであり、その噛み合いに先立って噛み合い歯を互いに同期回転させるシンクロ機構を設けたことを特徴とするトランスファ装置。
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