JPH11210863A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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JPH11210863A
JPH11210863A JP893698A JP893698A JPH11210863A JP H11210863 A JPH11210863 A JP H11210863A JP 893698 A JP893698 A JP 893698A JP 893698 A JP893698 A JP 893698A JP H11210863 A JPH11210863 A JP H11210863A
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JP
Japan
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clutch
differential
moving operation
operation force
case
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Application number
JP893698A
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English (en)
Inventor
Kenji Hiraishi
賢司 平石
Masaaki Fushiki
正明 伏木
Makoto Tezuka
誠 手塚
Tomoyuki Nakada
友幸 仲田
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication date
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • Motor Power Transmission Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン側からの切り離し機能と差動ロック
機能とを備える。 【解決手段】 エンジンの駆動力によって回転駆動され
るデフケ−ス3と、デフケ−ス3と相対回転可能に配置
された回転ケ−ス5と、回転ケ−ス5の回転を車輪側に
分配する差動機構7と、デフケ−ス3側と回転ケ−ス5
側との間に設けられた動力断続用クラッチ13と、差動
機構7の差動回転をロックする差動ロック用クラッチ1
5と、これらのクラッチ13、15を断続操作する操作
手段17とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エンジン側から
の切り離し機構と差動のロック機構の両方を備えたデフ
ァレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特公平5−54574号公報に図8のよ
うなデファレンシャル装置201が記載されている。
又、特開平3−129151号公報に図9のようなデフ
ァレンシャル装置203が記載されている。
【0003】デファレンシャル装置201は、外側のデ
フケ−ス205の内部にベアリング207、207を介
して内側のデフケ−ス209が支承されており、内側の
デフケ−ス209に差動機構211が連結されている。
【0004】デフケ−ス209の左のハブ213はデフ
ケ−ス205の外部に突き出しており、その外周にはス
リ−ブ215が移動自在に連結されている。このスリ−
ブ215とデフケ−ス205の端部との間には噛み合い
クラッチ217が設けられており、この噛み合いクラッ
チ217はアクチュエ−タ219がシフトフォ−ク22
1を介してスリ−ブ215を移動させることによって断
続操作される。
【0005】デファレンシャル装置201は、四輪駆動
車(4WD車)の前輪側又は後輪側に用いられ、噛み合
いクラッチ217を連結させると、車両は4WD状態に
なり、エンジンの駆動力はデフケ−ス209に伝達さ
れ、差動機構211から各車輪側に配分される。
【0006】又、噛み合いクラッチ217の連結を解除
すると、デフケ−ス209から車輪までエンジン側から
切り離されて、車両は2WD状態になる。
【0007】又、図9のデファレンシャル装置203で
は、エンジンの回転はデフケ−ス223からプレッシャ
リング225、225と、カム227とを介して差動機
構229のピニオンシャフト231に伝達され、ピニオ
ンギヤ233から出力側サイドギヤ235、237を介
して車輪側に配分される。
【0008】又、このときカム227のスラスト力によ
りプレッシャリング225、225を介して多板クラッ
チ239、239が締結され、デフケ−ス223と各サ
イドギヤ235、237との間で差動機構229の差動
が制限される。
【0009】又、デファレンシャル装置203には、サ
イドギヤ237側の受圧部材241とデフケ−ス223
側のリング243との間に噛み合いクラッチ245が設
けられており、アクチュエ−タ247はリング243を
受圧部材241側に移動操作して噛み合いクラッチ24
5を噛み合わせ、差動機構229の差動をロックさせ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】デファレンシャル装置
201で車両を4WD状態にすると、周知のように、エ
ンジンの駆動力が4輪に分散されて悪路などでの走破性
と脱出性が向上し、2WD状態ではデフケ−ス209以
下を切り離しただけエンジンの負荷が軽減し、燃費が向
上する。
【0011】又、デファレンシャル装置203の差動を
ロックすると、悪路などで一側車輪の空転が防止されて
車両のスタックが防止され、脱出性と走破性とが大きく
向上する。
【0012】このように、デファレンシャル装置201
のような切り離し機能と、デファレンシャル装置203
のような差動ロック機能は、上記のように、それぞれ有
用であるから、これらの機能を両方備えるとデファレン
シャル装置は商品性が極めて高くなる。
【0013】しかし、従来、このようなデファレンシャ
ル装置はない。
【0014】そこで、この発明は、エンジン側からの切
り離し機能と、差動ロック機能の両機能を備えたデファ
レンシャル装置の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1のデファレンシ
ャル装置は、エンジンの駆動力によって回転駆動される
デフケ−スと、デフケ−スと相対回転可能に配置された
回転ケ−スと、回転ケ−スの回転を車輪側に分配する差
動機構と、デフケ−ス側と回転ケ−ス側との間に設けら
れた動力断続用クラッチと、差動機構の差動回転をロッ
クする差動ロック用クラッチと、これらのクラッチを断
続操作する操作手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】このように、本発明のデファレンシャル装
置では、デフケ−ス側と回転ケ−ス(差動機構)側との
間に設けた動力断続用クラッチによって、エンジン側と
差動機構との連結(4WD状態)と切り離し(2WD状
態)とが行えると共に、差動ロック用クラッチによって
差動回転のロックとロック解除とが行えるから、上記の
ように、車両の性能を大きく向上させる。
【0017】又、本発明のデファレンシャル装置は、こ
のように切り離し機能と差動ロック機能の両方を備えた
ことによって商品性が極めて高い。
【0018】請求項2の発明は、請求項1記載のデファ
レンシャル装置であって、回転ケ−スとの間で動力断続
用クラッチを形成する第1のクラッチ部材と、差動機構
の差動部材との間で差動ロック用クラッチを形成する第
2のクラッチ部材と、これらの間に配置され、第2のク
ラッチ部材を差動ロック用クラッチの連結解除方向に付
勢するスプリングとを備え、第1と第2のクラッチ部材
は各クラッチの噛み合い方向に相対移動可能に連結され
ると共に、第2のクラッチ部材はデフケ−スに移動自在
に連結されており、操作手段は、第2のクラッチ部材を
介して前記スプリングと第1のクラッチ部材に第1の移
動操作力及びこれと同方向でそれより大きい第2の移動
操作力を与え、第1の移動操作力が与えられると、スプ
リングを介して第1のクラッチ部材が押圧されて移動し
動力断続用クラッチが連結し、第2の移動操作力が与え
られると、スプリングが撓んで差動ロック用クラッチが
連結されることを特徴とし、請求項1の構成と同等の効
果を得る。
【0019】これに加えて、第1と第2のクラッチ部材
を相対移動可能に連結し、これらの間にスプリングを配
置したことにより、操作手段は、第2のクラッチ部材を
第1の移動操作力及びこれと同方向でそれより大きい第
2の移動操作力で押圧するだけで、動力の連結と切り離
し、及び、差動のロックとロック解除とを行うことが可
能である。
【0020】こうして、第1の移動操作力を与える機能
と第2の移動操作力を与える機能とによって操作手段を
ユニット化することが可能になり、それだけ、操作手段
とデファレンシャル装置とを小型、軽量、低コストに構
成することができる。
【0021】又、クラッチ部材を第1と第2の移動操作
力で同方向に押圧する操作手段は、圧力源に正圧と負圧
の両圧力源を用いる必要がないから、それだけ、構成簡
単、軽量、低コストである。
【0022】請求項3の発明は、請求項1記載のデファ
レンシャル装置であって、回転ケ−スとの間で動力断続
用クラッチを形成する第1のクラッチ部材と、差動機構
の差動部材との間で差動ロック用クラッチを形成する第
2のクラッチ部材と、スプリングとを備え、第1と第2
のクラッチ部材は一体に形成されてデフケ−スに相対回
転不能に連結されると共に、動力断続用クラッチと差動
ロック用クラッチの両方が連結される位置と、動力断続
用クラッチだけが連結される位置と、両クラッチの連結
が解除される位置とに移動可能であり、前記スプリング
はクラッチ部材を動力断続用クラッチだけが連結される
位置に保持し、操作手段は、この位置のクラッチ部材に
第1の移動操作力及びこれと反対方向の第2の移動操作
力を与え、第1の移動操作力が与えられると、両クラッ
チが連結される位置にクラッチ部材が移動し、第2の移
動操作力が与えられると、スプリングが撓み両クラッチ
の連結が解除される位置にクラッチ部材が移動すること
を特徴とし、請求項1の構成と同等の効果を得る。
【0023】これに加えて、第1と第2のクラッチ部材
を一体化したことにより、クラッチ部材を2部材で構成
したものに較べて、部品点数が減り、構造が簡単にな
り、低コストになる。
【0024】又、スプリングによって動力断続用クラッ
チだけが連結される位置にクラッチ部材が移動するよう
に構成したことにより、操作手段の作動を停止するだけ
でデファレンシャル装置がエンジン側に連結され、車両
が4WD状態になる。
【0025】このように、車両が4WD状態のときに操
作手段を休止させることができるから、圧力源のエネル
ギ−消費(エンジン燃費)が大きく低減されると共に、
アクチュエ−タや配管系などに故障や圧力洩れが生じて
も、車両を4WD状態に保つことができる。
【0026】又、操作手段の休止時間を長くできるか
ら、例えば、操作手段に空気式アクチュエ−タを用いた
場合、内部や配管に水分が溜まることが防止され、それ
だけ故障が減少して耐久性が向上する。
【0027】又、第1と第2のクラッチ部材を一体に形
成したから、操作手段は、このクラッチ部材を移動操作
することによって、動力の連結と切り離し、及び、差動
のロックとロック解除とを行うことが可能になる。
【0028】こうして、第1の移動操作力を与える機能
と第2の移動操作力を与える機能とで操作手段をユニッ
ト化することが可能になり、それだけ、操作手段とデフ
ァレンシャル装置とを小型、軽量、低コストに構成する
ことができる。
【0029】請求項4の発明は、請求項1記載のデファ
レンシャル装置であって、回転ケ−スとの間で動力断続
用クラッチを形成する第1のクラッチ部材と、差動機構
の差動部材との間で差動ロック用クラッチを形成する第
2のクラッチ部材と、スプリングとを備え、第1と第2
のクラッチ部材は一体に形成されてデフケ−スに相対回
転不能に連結されると共に、動力断続用クラッチと差動
ロック用クラッチの両方が連結される位置と、動力断続
用クラッチだけが連結される位置と、両クラッチの連結
が解除される位置とに移動可能であり、前記スプリング
はクラッチ部材を両クラッチの連結が解除される位置に
保持し、操作手段は、この位置のクラッチ部材に第1の
移動操作力及びこれと同方向でそれより大きい第2の移
動操作力を与え、第1の移動操作力が与えられると、動
力断続用クラッチだけが連結される位置にクラッチ部材
が移動し、第2の移動操作力が与えられると、両クラッ
チが連結される位置にクラッチ部材が移動することを特
徴とし、請求項1の構成と同等の効果を得る。
【0030】これに加えて、請求項3の構成と同様に、
第1と第2のクラッチ部材を一体にしたことにより、部
品点数が減り、構造が簡単になり、低コストになる。
【0031】又、請求項3の構成と同様に、第1と第2
のクラッチ部材を一体にしたことにより、操作手段のユ
ニット化が可能になり、操作手段とデファレンシャル装
置とを小型、軽量、低コストに構成できる。
【0032】又、スプリングによってクラッチ部材を両
クラッチの連結が解除される位置に保持するように構成
したことにより、操作手段の作動を停止すると、デファ
レンシャル装置がエンジン側から切り離されて、車両は
2WD状態になる。
【0033】このように、4WD車で最も走行時間が長
い2WD状態のときに操作手段を休止させることができ
るから、圧力源のエネルギ−消費が大きく低減される。
【0034】又、操作手段の休止時間を長くできるか
ら、空気式アクチュエ−タを用いた場合でも、内部や配
管に水分が溜まることが防止され、それだけ故障が少な
くなって耐久性が向上する。
【0035】請求項5の発明は、請求項1記載のデファ
レンシャル装置であって、差動機構が、回転ケ−スに連
結されたピニオンシャフトと、ピニオンシャフト上に回
転自在に支承されたピニオンギヤと、ピニオンギヤと噛
み合った一対の出力側サイドギヤと、回転ケ−スとピニ
オンシャフトとを移動可能に貫通してピニオンシャフト
を廻り止めするロックピンとを有するベベルギヤ式の差
動機構であり、デフケ−スに移動自在に連結されたクラ
ッチ部材と、リタ−ンスプリングとを有し、動力断続用
クラッチが、回転ケ−スとクラッチ部材との間に設けら
れ、差動ロック用クラッチが、ロックピンの一側端部と
一方のサイドギヤとの間に設けられ、リタ−ンスプリン
グは、ロックピンを差動ロック用クラッチの連結が解除
される位置に付勢し、操作手段は、クラッチ部材に第1
の移動操作力及びこれと同方向でそれより大きい第2の
移動操作力を与え、第1の移動操作力が与えられると、
クラッチ部材が移動して動力断続用クラッチが連結さ
れ、第2の移動操作力が与えられると、動力断続用クラ
ッチが連結された状態で、クラッチ部材を介してロック
ピンが押圧され、差動ロック用クラッチが連結されるこ
とを特徴とし、請求項1の構成と同等の効果を得る。
【0036】これに加えて、ベベルギヤ式差動機構のピ
ニオンシャフトを回転ケ−スに廻り止めするロックピン
をクラッチ部材に利用したことにより、部品点数が減
り、構造が簡単になり、低コストになる。
【0037】又、ロックピンをクラッチ部材に利用した
ことによって、専用のクラッチ部材を配置するためのス
ペ−スが狭くてすむから、それだけ、デファレンシャル
装置を小型にすることができる。
【0038】又、ロックピンをクラッチ部材に利用した
ことによってピニオンギヤ背面のスペ−スが有効に利用
されるから、デファレンシャル装置を更に小型にするこ
とができる。
【0039】又、クラッチ部材とロックピンとを第1の
移動操作力及び第2の移動操作力で同方向に押圧するこ
とにより、両クラッチを操作できるこの構成は、第1の
移動操作力を与える機能と第2の移動操作力を与える機
能とで操作手段のユニット化が可能であり、それだけ、
操作手段とデファレンシャル装置とを小型、軽量、低コ
ストに構成することができる。
【0040】請求項6の発明は、請求項2又は請求項4
又は請求項5記載のデファレンシャル装置であって、ク
ラッチ部材に第1の移動操作力及びこれと同方向でそれ
より大きい第2の移動操作力を与える操作手段が、1個
のアクチュエ−タと、大小の圧力を持った2個の圧力源
と、各圧力源の圧力を各別にアクチュエ−タに与える切
り換え手段とからなることを特徴とし、請求項2又は請
求項4又は請求項5の構成と同等の効果を得る。
【0041】これに加えて、上記のように、クラッチ部
材を第1と第2の移動操作力で同方向に押圧する操作手
段は、圧力源に正圧と負圧の両圧力源を用いる必要がな
いから、構成簡単、軽量、低コストである。
【0042】請求項7の発明は、請求項2又は請求項4
又は請求項5記載のデファレンシャル装置であって、ク
ラッチ部材に第1の移動操作力及びこれと同方向でそれ
より大きい第2の移動操作力を与える操作手段が、1個
のアクチュエ−タと、1個の圧力源と、圧力源の圧力を
大小に調整してアクチュエ−タに与える圧力調整手段と
からなることを特徴とし、請求項2又は請求項4又は請
求項5の構成と同等の効果を得る。
【0043】これに加えて、圧力源の圧力を大小に調整
してアクチュエ−タに与える圧力調整手段を用いたこと
により、圧力源を一個で構成することが可能になり、そ
れだけ操作手段の構造が簡単になって信頼性が向上し、
低コストになる。
【0044】請求項8の発明は、請求項2又は請求項4
又は請求項5記載のデファレンシャル装置であって、ク
ラッチ部材に第1の移動操作力及びこれと同方向でそれ
より大きい第2の移動操作力を与える操作手段が、直列
に配置された2個のアクチュエ−タと、1個の圧力源
と、両アクチュエ−タの一方又は両方に圧力源の圧力を
与える圧力配分手段とからなることを特徴とし、請求項
2又は請求項4又は請求項5の構成と同等の効果を得
る。
【0045】これに加えて、2個のアクチュエ−タを直
列に配置し、クラッチ部材を第1と第2の移動操作力で
同方向に押圧する操作手段は、圧力源に正圧と負圧の両
圧力源を用いる必要がない上に、アクチュエ−タの直列
配置によって、構成が更に簡単になり、小型軽量、低コ
ストになる。
【0046】請求項9の発明は、請求項3記載のデファ
レンシャル装置であって、クラッチ部材に第1の移動操
作力及びこれと反対方向の第2の移動操作力を与える操
作手段が、1個のアクチュエ−タと、正圧と負圧の圧力
源と、各圧力源の圧力を各別にアクチュエ−タに与える
切り換え手段とからなることを特徴とし、請求項3の構
成と同等の効果を得る。
【0047】これに加えて、負圧の圧力源を用いる構成
は、負圧の圧力源にエンジンのインテ−クマニホ−ルド
に生じる負圧を利用することが可能であり、こうすれ
ば、バキュ−ムポンプのようなエンジン駆動の負圧源が
不要になり、それだけ、燃費の低下が軽減され、低コス
トで実施可能になる。
【0048】請求項10の発明は、請求項3記載のデフ
ァレンシャル装置であって、クラッチ部材に第1の移動
操作力及びこれと反対方向の第2の移動操作力を与える
操作手段が、互いに反対方向に直列配置された2個のア
クチュエ−タと、1個の圧力源と、圧力源の圧力を各別
に各アクチュエ−タに与える切り換え手段とからなるこ
とを特徴とし、請求項3の構成と同等の効果を得る。
【0049】互いに反対方向に直列配置された2個のア
クチュエ−タは、例えば、同一のケ−スの両側にダイヤ
フラムを配置するか、あるいは、容器状のケ−スの中央
にダイヤフラムを配置し、ダイヤフラムの両側にアクチ
ュエ−タを形成することによって構成される。
【0050】このように、2個のアクチュエ−タを互い
に反対方向に配置したことにより、第1の第2の移動操
作力の方向が反対であっても、1個の圧力源(正圧又は
負圧)で構成することが可能になり、それだけ操作手段
の構造が簡単になり、低コストになり、信頼性が向上す
る。
【0051】請求項11の発明は、請求項1乃至請求項
10のいずれか一項に記載のデファレンシャル装置であ
って、回転ケ−スが、軸方向に側壁のないリング状の部
材であることを特徴とし、請求項1乃至請求項10のい
ずれかと同等の効果を得る。
【0052】これに加えて、内側のデフケ−ス209が
側壁249を有する図8の従来例と異なって、回転ケ−
スを軸方向に側壁のないリング状にしたことにより、回
転ケ−スの径方向内側で、差動ロック用クラッチのクラ
ッチ部材と差動機構のサイドギヤとを噛み合わせること
が可能になり、差動ロック用クラッチをデファレンシャ
ル装置に内蔵させることが容易になる。
【0053】又、回転ケ−スをリング状にしたことによ
り、回転ケ−スの端部とクラッチ部材とを噛み合わせて
動力断続用クラッチを構成することが可能になり、動力
断続用クラッチをデファレンシャル装置に内蔵させるこ
とが容易になる。
【0054】
【発明の実施の形態】図1によって本発明の第1実施形
態を説明する。この実施形態は請求項1、2、6、11
の特徴を備えており、図1はこの実施形態のデファレン
シャル装置1を示している。なお、左右の方向は図1で
の左右の方向であり、符号を与えていない部材等は図示
されていない。
【0055】デファレンシャル装置1は四輪駆動車(4
WD車)の前輪の車軸上に配置されている。
【0056】図1のように、デファレンシャル装置1
は、デフケ−ス3、回転ケ−ス5、差動機構7、カムリ
ング9(第1のクラッチ部材)、カムリング11(第2
のクラッチ部材)、噛み合いクラッチ13(動力断続用
クラッチ)、噛み合いクラッチ15(差動ロック用クラ
ッチ)、操作手段17などから構成されている。
【0057】操作手段17は、皿ばね19(スプリン
グ)、リタ−ンスプリング21、アクチュエ−タ23、
エアポンプ25、27(圧力源)、切り換えバルブ29
(切り換え手段)、コントロ−ラなどから構成されてい
る。
【0058】デフケ−ス3はケ−シング本体31の左側
にカバ−33をボルトで固定して構成されている。デフ
ケ−ス3にはリングギヤが固定されており、このリング
ギヤはエンジンの駆動力を伝達する動力伝達系の出力ギ
ヤと噛み合っている。こうして、デフケ−ス3はエンジ
ンの駆動力によって回転駆動される。
【0059】デファレンシャル装置1はデフキャリヤの
内部に配置されており、デフケ−ス3のボス部35、3
7はベアリングを介してデフキャリヤに支承されてい
る。デフキャリヤにはオイル溜りが設けられており、デ
ファレンシャル装置1は、静止状態でその下部がオイル
溜りに浸され、回転するとオイル溜りからオイルを撥ね
上げる。
【0060】回転ケ−ス5はデフケ−ス3の内周に摺動
回転自在に配置されている。
【0061】差動機構7はベベルギヤ式の差動機構であ
り、ピニオンシャフト39と、ピニオンシャフト39上
に回転自在に支承されたピニオンギヤ41と、ピニオン
ギヤ41と噛み合った左右の出力側サイドギヤ43、4
5とから構成されている。
【0062】ピニオンシャフト39の外側端部は回転ケ
−ス5の係合孔46に固定されており、その外周には螺
旋状のオイル溝47が設けられ、ピニオンギヤ41との
摺動部にオイルを与えて潤滑している。又、回転ケ−ス
5の内周にはピニオンギヤ41の噛み合い反力を受ける
球面ワッシャ部49が形成されている。
【0063】各サイドギヤ43、45のボス部51、5
3はデフケ−ス3の支承部55、57によって回転自在
に支承されている。又、各サイドギヤ43、45はボス
部51、53にスプライン連結された車軸を介して左右
の前輪側に連結されている。
【0064】又、各サイドギヤ43、45とデフケ−ス
3との間にはスラストワッシャ59、60がそれぞれ配
置され各サイドギヤ43、45の噛み合いスラスト力を
受けている。
【0065】カムリング9、11はスプラインなどによ
って軸方向に相対移動可能に連結されている。カムリン
グ11には右方に多数の突き出し部61が設けられてお
り、これらの突き出し部61がデフケ−ス3の開口63
を外部へ貫通することにより、カムリング9、11はデ
フケ−ス3に対して軸方向移動自在に連結されている。
【0066】噛み合いクラッチ13は回転ケ−ス5とカ
ムリング9との間に設けられており、噛み合いクラッチ
15は右のサイドギヤ45(差動部材)とカムリング1
1との間に設けられている。
【0067】皿ばね19はカムリング9、11の間に配
置されてこれらを連結すると共に、これらの間隔を広げ
るように働き、カムリング9が噛み合いクラッチ13の
噛み合い位置にあるとき、カムリング11を噛み合いク
ラッチ15の噛み合い解除位置側に付勢する。
【0068】カムリング11にはリテ−ナ65が加締め
て固定されており、リタ−ンスプリング21はこのリテ
−ナ65とデフケ−ス3側のリテ−ナ67との間に配置
され、カムリング9、11を噛み合いクラッチ13、1
5の噛み合い解除方向(右方向)に付勢している。
【0069】アクチュエ−タ23はリング状であり、デ
フケ−ス3の右ボス部37の周囲に配置されている。ア
クチュエ−タ23の圧力室69はダイヤフラム71とケ
−ス73との間に形成されており、ダイヤフラム71に
は押圧部材75が固定されている。又、ケ−ス73は、
アクチュエ−タ23が回転しないように、連結部材77
を介してデフキャリヤ側に固定されている。
【0070】各エアポンプ25、27はエンジンの駆動
力によって回転駆動される。エアポンプ25の圧力はリ
タ−ンスプリング21の付勢力より大きく、エアポンプ
27の圧力は皿ばね19の付勢力とリタ−ンスプリング
21の付勢力の和より大きい。
【0071】エアポンプ25、27は切り換えバルブ2
9とエアホ−ス79とを介してアクチュエ−タ23の圧
力室69に接続されている。
【0072】コントロ−ラは、エアポンプ25、27の
一方を作動させ他方を停止させて一方の圧力を圧力室6
9に送り、あるいは、両エアポンプ25、27を停止さ
せて圧力を遮断する。
【0073】圧力室69にエアポンプ25の圧力を送る
と、リタ−ンスプリング21が撓み、カムリング11と
皿ばね19とを介してカムリング9が押圧され、噛み合
いクラッチ13が噛み合って、デフケ−ス3と回転ケ−
ス5とが連結される。
【0074】このとき、上記のようにエアポンプ25の
圧力より大きい皿ばね19の付勢力によって、カムリン
グ11は噛み合いクラッチ15の噛み合い位置まで移動
せず、噛み合いクラッチ15は噛み合い解除状態に保た
れる。
【0075】又、圧力室69にエアポンプ27の圧力を
送ると、上記のように、皿ばね19とリタ−ンスプリン
グ21の各付勢力の和より大きいエアポンプ27の圧力
によって、噛み合いクラッチ13を噛み合い状態に保持
しながら、皿ばね19が撓みカムリング11が押圧され
て噛み合いクラッチ15が噛み合い、サイドギヤ45と
デフケ−ス3とが連結される。
【0076】又、エアポンプ25、27を停止し圧力室
69への圧力供給を停止すると、皿ばね19とリタ−ン
スプリング21によって、図1のように、両噛み合いク
ラッチ13、15の噛み合いが解除される。
【0077】噛み合いクラッチ13によってデフケ−ス
3と回転ケ−ス5とが連結されると、デフケ−ス3を回
転させるエンジンの駆動力は、回転ケ−ス5から差動機
構7に伝達され、ピニオンギヤ41からサイドギヤ4
3、45を介して左右の前輪に分配されると共に、悪路
走行中などに、前輪間に駆動抵抗差が生じるとエンジン
の駆動力はピニオンギヤ41の自転によって左右各側に
差動分配される。
【0078】又、車両が4WD状態になってエンジンの
駆動力が4輪に分散され、4輪のグリップ力によって悪
路などでの走破性と脱出性とが向上する。
【0079】更に、噛み合いクラッチ15によってサイ
ドギヤ45とデフケ−ス3とが連結されると差動機構7
の差動がロックされ、例えば、悪路などで一側車輪の空
転が防止されて車両のスタックが防止され、脱出性と走
破性とが大きく向上する。
【0080】又、両噛み合いクラッチ13、15の噛み
合いが解除されると、車両は2WD状態になり、回転ケ
−ス5以下を切り離し、各車輪の差動をフリ−にしただ
けエンジンの負荷が低減し、燃費が向上する。
【0081】デフケ−ス3には、ケ−シング本体31の
開口63の他に、カバ−33に開口81が設けられてお
り、ボス部35、37の内周に螺旋状のオイル溝83、
85が設けられている。
【0082】デフケ−ス3の回転時と静止時とを問わ
ず、オイル溜りのオイルはこれらの開口63、81とオ
イル溝83、85とからデフケ−ス3に流出入し、流入
したオイルは、差動機構7の各ギヤの噛み合い部、デフ
ケ−ス3と回転ケ−ス5及びクラッチ部材9、11との
摺動部、噛み合いクラッチ13、15などに供給され、
これらを潤滑し、耐久性を向上させている。
【0083】こうして、デファレンシャル装置1が構成
されている。
【0084】上記のように、このデファレンシャル装置
1は、動力断続用の噛み合いクラッチ13によって車両
を4WD状態と2WD状態とに切り換えることができる
と共に、差動ロック用の噛み合いクラッチ15によって
差動機構7の差動をロックすることができ、車両の性能
を大きく向上させる。
【0085】このように切り離し機能と差動ロック機能
の両方を備えたことにより、デファレンシャル装置1は
商品性が極めて高い。
【0086】又、クラッチ部材9、11を相対移動可能
に連結し、これらの間に皿ばね19を配置したことによ
り、操作手段17は、カムリング11をエアポンプ2
5、27の圧力で同方向に押圧するだけで、噛み合いク
ラッチ13、15の連結と連結解除とを行うことが可能
になる。
【0087】こうして、噛み合いクラッチ13を操作す
る機能と、噛み合いクラッチ15を操作する機能とで操
作手段17をユニット化することが可能になり、それだ
け、操作手段17とデファレンシャル装置1とを小型、
軽量、低コストに構成できる。
【0088】又、カムリング9、11を同方向に押圧す
る操作手段17は、圧力源に正圧と負圧の両圧力源を用
いる必要がないから、構成簡単、軽量、低コストであ
る。
【0089】又、内側のデフケ−ス209が側壁249
を有する図8の従来例と異なり、回転ケ−ス5を軸方向
に側壁のないリング状にしたことによって、回転ケ−ス
5の径方向内側でカムリング11とサイドギヤ45とを
噛み合わせることが可能になり、差動ロック用噛み合い
クラッチ15の内蔵が容易になる。
【0090】更に、回転ケ−ス5をリング状にしたこと
により、回転ケ−ス5の端部とクラッチ部材9とを噛み
合わせることが可能になり、動力断続用噛み合いクラッ
チ13の内蔵も容易になる。
【0091】次に、図2によって本発明の第2実施形態
を説明する。この実施形態は請求項1、3、9、11の
特徴を備えており、図2はこの実施形態のデファレンシ
ャル装置87を示している。又、左右の方向は図2での
左右の方向であり、符号を与えていない部材等は図示さ
れていない。
【0092】なお、図2と第2実施形態の説明の中で、
第1実施形態の部材と同機能の部材には同一の符号を与
えて引用すると共に、これら同機能部材の重複説明は省
く。
【0093】図2のように、デファレンシャル装置87
は、デフケ−ス3、回転ケ−ス5、差動機構7、カムリ
ング89(クラッチ部材)、噛み合いクラッチ91(動
力断続用クラッチ)、噛み合いクラッチ93(差動ロッ
ク用クラッチ)、操作手段95などから構成されてい
る。
【0094】操作手段95は、皿ばね97(スプリン
グ)、リタ−ンスプリング99、アクチュエ−タ23、
エアポンプ101(正圧の圧力源)、バキュ−ムポンプ
103(負圧の圧力源)、切り換えバルブ105(切り
換え手段)、コントロ−ラなどから構成されている。
【0095】カムリング89は一体に形成されている。
カムリング89には右方に多数の突き出し部90が設け
られており、これらの突き出し部90がデフケ−ス3の
開口63を外部へ貫通することにより、カムリング89
はデフケ−ス3に対して軸方向移動自在に連結されてい
る。
【0096】噛み合いクラッチ91は回転ケ−ス5とカ
ムリング89との間に設けられており、噛み合いクラッ
チ93は右のサイドギヤ45とカムリング89との間に
設けられている。噛み合いクラッチ91の噛み合い高さ
(歯丈の高さ)は噛み合いクラッチ93の噛み合い高さ
より高くされており、カムリング89を移動させると、
噛み合いクラッチ91の噛み合いを保ちながら、噛み合
いクラッチ93の噛み合いが断続する。
【0097】リタ−ンスプリング99はリテ−ナ65、
67の間に配置されており、リテ−ナ65はカムリング
89に加締めて固定されている。リタ−ンスプリング9
9はカムリング89を噛み合いクラッチ91、93の噛
み合い解除方向(右方向)に付勢している。
【0098】皿ばね97はカムリング89とデフケ−ス
3との間に配置されており、その付勢力はリタ−ンスプ
リング99の付勢力より大きい。下記のように、他に力
が作用しないとき、皿ばね97はリタ−ンスプリング9
9の付勢力に抗して、カムリング89を噛み合いクラッ
チ91の噛み合い位置に移動させる。
【0099】エアポンプ101とバキュ−ムポンプ10
3はエンジンによって駆動される。エアポンプ101の
圧力はリタ−ンスプリング99の付勢力より大きく、バ
キュ−ムポンプ103の圧力は皿ばね97の付勢力とリ
タ−ンスプリング21の付勢力の差より大きい。
【0100】エアポンプ101とバキュ−ムポンプ10
3は切り換えバルブ105とエアホ−ス106とを介し
てアクチュエ−タ23の圧力室69に接続されている。
【0101】コントロ−ラはエアポンプ101とバキュ
−ムポンプ103の一方を作動させ他方を停止させて一
方の圧力を圧力室69に送り、あるいは、両ポンプ10
1、103を停止させて圧力を遮断する。
【0102】図2に示したように、エアポンプ101を
停止し、バキュ−ムポンプ103を作動させて負圧を圧
力室69に送ると、皿ばね97が撓んでカムリング89
が位置P1に移動し、噛み合いクラッチ91、93の両
方が噛み合い解除される。
【0103】又、エアポンプ101とバキュ−ムポンプ
103の両方を停止し、圧力室69への圧力供給を停止
すると、リタ−ンスプリング21より大きい皿ばね97
の付勢力によって、カムリング89は中立位置P2に移
動し、噛み合いクラッチ91だけが噛み合うと共に、カ
ムリング89はリタ−ンスプリング21によってこの位
置に保持される。
【0104】又、バキュ−ムポンプ103を停止し、エ
アポンプ101を作動させて正圧を圧力室69に送る
と、リタ−ンスプリング99が更に撓んでカムリング8
9が位置P3に移動し、噛み合いクラッチ91、93の
両方が噛み合う。
【0105】噛み合いクラッチ91によってデフケ−ス
3と回転ケ−ス5とが連結されると、デフケ−ス3を回
転させるエンジンの駆動力は、回転ケ−ス5から差動機
構7を介して左右の車輪に分配されると共に、悪路走行
中などに、車輪間に駆動抵抗差が生じるとエンジンの駆
動力はピニオンギヤ41の自転によって左右各側に差動
分配される。
【0106】又、車両が4WD状態になり、4輪のグリ
ップ力によって悪路などでの走破性と脱出性とが向上す
る。
【0107】更に、噛み合いクラッチ93によってサイ
ドギヤ45とデフケ−ス3とが連結されると、差動機構
7の差動がロックされ、例えば、悪路などで一側車輪の
空転が防止され、車両のスタックが防止されて脱出性と
走破性とが大きく向上する。
【0108】又、噛み合いクラッチ91、93の噛み合
いが解除されると、車両は2WD状態になり、回転ケ−
ス5以下を切り離し、各車輪の差動をフリ−にしただけ
エンジンの負荷が低減し、燃費が向上する。
【0109】こうして、デファレンシャル装置87が構
成されている。
【0110】上記のように、このデファレンシャル装置
87は、動力断続用の噛み合いクラッチ91によって車
両を4WD状態と2WD状態とに切り換えることができ
ると共に、差動ロック用の噛み合いクラッチ93によっ
て差動をロックすることができ、車両の性能を大きく向
上させる。
【0111】このように切り離し機能と差動ロック機能
の両方を備えたことにより、デファレンシャル装置87
は商品性が極めて高い。
【0112】又、クラッチ部材89を一体化したことに
より、クラッチ部材を2部材で構成したものに較べて、
部品点数が減り、構造が簡単になり、低コストになる。
【0113】又、皿ばね97によってクラッチ部材89
を動力断続用噛み合いクラッチ91だけが連結される位
置に移動するように構成したことにより、操作手段95
を停止するだけで、デファレンシャル装置87がエンジ
ン側に連結され、車両は4WD状態になる。
【0114】このように、車両が4WD状態のときは、
操作手段95を休止させることができるから、エアポン
プ101とバキュ−ムポンプ103を駆動するエンジン
の燃費が大きく低減されると共に、アクチュエ−タ23
や配管系などに故障や圧力洩れが生じても、車両を4W
D状態に保つことができる。
【0115】又、操作手段95の休止時間を長くできる
から、空気式アクチュエ−タ23の内部や配管に水分が
溜まることが防止され、それだけ故障が少なくなって耐
久性が向上する。
【0116】又、負圧の圧力源を用いる構成は、負圧源
にエンジンのインテ−クマニホ−ルドに生じる負圧を利
用することが可能であり、こうすれば、バキュ−ムポン
プ103のようなエンジン駆動の負圧源が不要になり、
それだけ、燃費の低下が軽減され、低コストで実施可能
になる。
【0117】又、クラッチ部材89を一体に形成したか
ら、操作手段95は、このクラッチ部材89を反対方向
に移動操作することにより、連結と切り離し、及び、差
動ロックとロック解除とを行うことが可能になる。
【0118】従って、噛み合いクラッチ91を操作する
機能と噛み合いクラッチ93を操作する機能とで操作手
段95をユニット化することが可能になり、それだけ、
操作手段95とデファレンシャル装置87とを小型、軽
量、低コストに構成することができる。
【0119】又、回転ケ−ス5をリング状にしたことに
より、第1実施形態と同等の効果を得る。
【0120】次に、図3乃至図5によって本発明の第3
実施形態を説明する。この実施形態は請求項1、5、
6、11の特徴を備えている。又、左右の方向は各図で
の左右の方向であり、符号を与えていない部材等は図示
されていない。
【0121】なお、図3乃至図5と第3実施形態の説明
の中で、第1、2実施形態の部材と同機能の部材には同
一の符号を与えて引用すると共に、これら同機能部材の
重複説明は省く。
【0122】図3と図5のように、この実施形態のデフ
ァレンシャル装置107は、デフケ−ス3、回転ケ−ス
5、差動機構7、ロックピン109(クラッチ部材)、
カムリング111(クラッチ部材)、噛み合いクラッチ
113(動力断続用クラッチ)、噛み合いクラッチ11
5(差動ロック用クラッチ)、操作手段、コントロ−ラ
などから構成されている。
【0123】ロックピン109は、回転ケ−ス5と差動
機構7のピニオンシャフト39とを移動可能に貫通して
ピニオンシャフト39を廻り止めしている。
【0124】操作手段は、第1のリタ−ンスプリング、
第2のリタ−ンスプリング117、アクチュエ−タ2
3、エアポンプ25、27、切り換えバルブ29などか
ら構成されている。
【0125】噛み合いクラッチ113は、回転ケ−ス5
の爪119とカムリング111の爪121とから構成さ
れており、噛み合いクラッチ115は、ロックピン10
9の左端部123とこの左端部123が係合する左サイ
ドギヤ43(差動部材)の係合孔125とから構成され
ている。
【0126】カムリング111には右方に多数の突き出
し部126が設けられており、これらの突き出し部12
6がデフケ−ス3の開口63を外部へ貫通することによ
り、カムリング111はデフケ−ス3に軸方向移動自在
に連結されている。
【0127】又、カムリング111は第1のリタ−ンス
プリングによって噛み合いクラッチ113の連結解除方
向(右方向)に付勢されている。
【0128】第2のリタ−ンスプリング117は回転ケ
−ス5側の止め輪127とロックピン109との間に配
置されており、図3のように、ロックピン109を噛み
合いクラッチ115の連結解除位置側に付勢している。
【0129】エアポンプ25の圧力(図4の矢印)は第
1のリタ−ンスプリングの付勢力より大きく、エアポン
プ27の圧力(図4の矢印)は第1のリタ−ンスプリン
グと第2のリタ−ンスプリング117の付勢力の和より
大きい。
【0130】アクチュエ−タ23の圧力室69にエアポ
ンプ25の圧力を送ると、第1のリタ−ンスプリングが
撓んでカムリング111が左方に移動し、図4のよう
に、噛み合いクラッチ113が噛み合ってデフケ−ス3
と回転ケ−ス5とが連結される。
【0131】このとき、第2のリタ−ンスプリング11
7によってロックピン109は噛み合いクラッチ115
の連結解除位置に保持される。
【0132】又、圧力室69にエアポンプ27の圧力を
送ると、噛み合いクラッチ113を噛み合い状態に保持
しながら、図5のように、カムリング111を介してロ
ックピン109が左方に押圧され、リタ−ンスプリング
117が撓んで噛み合いクラッチ115が噛み合い、サ
イドギヤ43と回転ケ−ス5とが連結される。
【0133】又、エアポンプ25、27を停止し圧力室
69への圧力供給を停止すると、各リタ−ンスプリング
によって、図3のように、両噛み合いクラッチ113、
115の噛み合いが解除される。
【0134】噛み合いクラッチ113によってデフケ−
ス3と回転ケ−ス5とが連結されると、エンジンの駆動
力は差動機構7を介して左右の車輪に分配されると共
に、悪路走行中などに、車輪間に駆動抵抗差が生じると
エンジンの駆動力は左右各側に差動分配される。
【0135】又、車両が4WD状態になり、4輪のグリ
ップ力によって悪路などでの走破性と脱出性とが向上す
る。
【0136】更に、噛み合いクラッチ115によってサ
イドギヤ43と回転ケ−ス5が連結され差動機構7の差
動がロックされると、例えば、悪路などで一側車輪の空
転が防止されて車両のスタックが防止され、脱出性と走
破性とが大きく向上する。
【0137】又、両噛み合いクラッチ113、115の
噛み合いが解除されると、車両は2WD状態になり、回
転ケ−ス5以下を切り離し、各車輪の差動をフリ−にし
ただけエンジンの負荷が低減し、燃費が向上する。
【0138】こうして、デファレンシャル装置107が
構成されている。
【0139】上記のように、このデファレンシャル装置
107は、動力断続用の噛み合いクラッチ113によっ
て車両を4WD状態と2WD状態とに切り換えることが
できると共に、差動ロック用の噛み合いクラッチ115
によって差動機構7の差動をロックすることができ、車
両の性能を大きく向上させる。
【0140】このように切り離し機能と差動ロック機能
の両方を備えたことにより、デファレンシャル装置10
7は商品性が極めて高い。
【0141】又、ピニオンシャフト39を廻り止めする
ロックピン109をクラッチ部材に利用したことによ
り、部品点数が減り、構造が簡単になり、低コストにな
る。
【0142】又、ロックピン109をクラッチ部材に利
用したことによって、専用のクラッチ部材を配置するた
めのスペ−スが狭くてすむから、それだけ、デファレン
シャル装置107を小型にすることができる。
【0143】又、ロックピン109をクラッチ部材に利
用したことによってピニオンギヤ41背面のスペ−スが
有効に利用されるから、デファレンシャル装置107を
更に小型にすることができる。
【0144】又、カムリング111を押圧することによ
って両方の噛み合いクラッチ113、115を操作する
ことができるから、噛み合いクラッチ113の操作機能
と噛み合いクラッチ115の操作機能とで操作手段のユ
ニット化が可能になり、操作手段とデファレンシャル装
置107とを小型、軽量、低コストに構成することがで
きる。
【0145】又、回転ケ−ス5をリング状にしたことに
よって、第1、2実施形態と同等の効果を得る。
【0146】次に、図6と図7によって本発明の第4実
施形態を説明する。この実施形態は請求項1、4、8、
11の特徴を備えている。又、左右の方向は各図での左
右の方向であり、符号を与えていない部材等は図示され
ていない。
【0147】なお、図6と図7及び第4実施形態の説明
の中で、第1、2、3実施形態の部材と同機能の部材に
は同一の符号を与えて引用すると共に、これら同機能部
材の重複説明は省く。
【0148】図6と図7のように、この実施形態のデフ
ァレンシャル装置129は、デフケ−ス3、回転ケ−ス
5、差動機構7、カムリング131(クラッチ部材)、
噛み合いクラッチ133(動力断続用クラッチ)、噛み
合いクラッチ135(差動ロック用クラッチ)、操作手
段137などから構成されている。
【0149】カムリング131には右方に多数の突き出
し部139が設けられており、これらの突き出し部13
9がデフケ−ス3の開口63を外部へ貫通することによ
り、カムリング131はデフケ−ス3に軸方向移動自在
に連結されている。
【0150】噛み合いクラッチ133は回転ケ−ス5と
カムリング131との間に設けられており、噛み合いク
ラッチ135は右サイドギヤ45とカムリング131と
の間に設けられている。回転ケ−ス5とデフケ−ス3と
の間にはスラストワッシャ141が配置され、これらが
直接摺動しないようにされている。
【0151】操作手段137は、リタ−ンスプリング1
43、直列に配置されたアクチュエ−タ145、14
7、エアポンプ149(圧力源)、バルブ151(圧力
配分手段)、コントロ−ラなどから構成されている。
【0152】リタ−ンスプリング143はリテ−ナ6
5、67の間に配置されており、リテ−ナ65はカムリ
ング131に加締めて固定されている。
【0153】カムリング131はリタ−ンスプリング1
43によって各噛み合いクラッチ133、135の連結
解除方向(右方向)に付勢されている。
【0154】アクチュエ−タ145、147は、それぞ
れのケ−ス153、155とダイヤフラム157、15
9との間に圧力室161、163が形成されている。こ
れらのアクチュエ−タ145、147は、アクチュエ−
タ145のケ−ス153をアクチュエ−タ147のダイ
ヤフラム159側に加締めることによって直列に配置さ
れており、アクチュエ−タ145の押圧部材165はリ
テ−ナ65に対向している。
【0155】又、ケ−ス155は、アクチュエ−タ14
5、147が回転しないように、連結部材167を介し
てデフキャリヤ側に固定されている。
【0156】エアポンプ149はエンジンによって駆動
される。エアポンプ149の圧力は充分に大きく、アク
チュエ−タ145、147を両方駆動することができ
る。
【0157】アクチュエ−タ145、147はバルブ1
51を介してエアポンプ149に接続されている。
【0158】コントロ−ラは、エアポンプ149を作動
させた状態で、バルブ151を切り換え操作し、アクチ
ュエ−タ145だけに圧力を送り、あるいは、アクチュ
エ−タ145、147の両方に圧力を送り、あるいは、
エアポンプ149を停止させて両アクチュエ−タ14
5、147の作動を停止する。
【0159】図6の上半部に示したように、両アクチュ
エ−タ145、147の作動を停止すると、リタ−ンス
プリング143によってカムリング131が右方に移動
し、各噛み合いクラッチ133、135の連結が解除さ
れる。
【0160】又、図7に示したように、この状態からア
クチュエ−タ145だけに圧力を送ると、リタ−ンスプ
リング143が撓んでカムリング131が左方に移動
し、噛み合いクラッチ133が噛み合って、デフケ−ス
3と回転ケ−ス5とが連結される。
【0161】又、図6の下半部に示したように、この状
態からアクチュエ−タ147にも圧力を送ると、カムリ
ング131が更に左方に移動して噛み合いクラッチ13
5も噛み合い、サイドギヤ45とデフケ−ス3とが連結
される。
【0162】噛み合いクラッチ133によってデフケ−
ス3と回転ケ−ス5とが連結されると、エンジンの駆動
力は差動機構7を介して左右の車輪に分配されると共
に、悪路走行中などに、車輪間に駆動抵抗差が生じると
エンジンの駆動力は左右の車輪に差動分配される。
【0163】又、車両が4WD状態になり、4輪のグリ
ップ力によって悪路などでの走破性と脱出性とが向上す
る。
【0164】更に、噛み合いクラッチ135によって差
動がロックされると、例えば、悪路などで一側車輪の空
転が防止されて車両のスタックが防止され、脱出性と走
破性とが大きく向上する。
【0165】又、両噛み合いクラッチ133、135の
噛み合いが解除されると、車両は2WD状態になり、回
転ケ−ス5以下を切り離し、各車輪の差動をフリ−にし
ただけエンジンの負荷が低減し、燃費が向上する。
【0166】こうして、デファレンシャル装置129が
構成されている。
【0167】上記のように、このデファレンシャル装置
129は、動力断続用の噛み合いクラッチ133によっ
て車両を4WD状態と2WD状態とに切り換えることが
できると共に、差動ロック用の噛み合いクラッチ135
によって差動機構7の差動をロックすることができ、車
両の性能を大きく向上させる。
【0168】このように切り離し機能と差動ロック機能
の両方を備えたことにより、デファレンシャル装置12
9は商品性が極めて高い。
【0169】又、クラッチ部材133を一体化したこと
により、クラッチ部材を2部材で構成したものに較べ
て、部品点数が減り、構造が簡単になり、低コストにな
る。
【0170】又、カムリング131を同方向に押圧する
操作手段137は、圧力源に正圧と負圧の両圧力源を用
いる必要がないから、構成簡単、小型軽量、低コストで
ある。
【0171】又、2個のアクチュエ−タ145、147
を直列に配置して操作手段137をユニット化したこと
により、操作手段137とデファレンシャル装置129
とが更に小型、軽量、低コストになる。
【0172】又、回転ケ−ス5をリング状にしたことに
より、第1、2、3実施形態と同等の効果を得る。
【0173】なお、本発明のデファレンシャル装置にお
いて、動力断続用クラッチと差動ロック用クラッチは、
各実施形態のような軸方向噛み合い型のクラッチに限ら
ず、例えば、スプラインを用いたスリ−ブクラッチでも
よい。
【0174】又、操作手段は、各実施形態と異なって、
ユニット化せずに、別体のクラッチ部材をそれぞれの独
立した操作手段で操作するように構成してもよい。
【0175】又、差動機構は、ベベルギヤ式のものに限
らず、他の形式の差動機構でもよい。
【0176】又、本発明のデファレンシャル装置は、フ
ロントデフ(エンジンの駆動力を左右の前輪に分配する
デファレンシャル装置)と、リヤデフ(エンジンの駆動
力を左右の後輪に分配するデファレンシャル装置)と、
センタ−デフ(エンジンの駆動力を前輪側と後輪側に分
配するデファレンシャル装置)のいずれにも用いること
ができる。
【0177】
【発明の効果】請求項1のデファレンシャル装置は、デ
フケ−ス側と回転ケ−ス(差動機構)側との間に設けた
動力断続用クラッチによってエンジン側と差動機構との
連結(4WD状態)と切り離し(2WD状態)とが行え
ると共に、差動ロック用クラッチによって差動回転のロ
ックとロック解除とが行えるから、車両の性能が大きく
向上する。
【0178】このように動力断続機能と差動ロック機能
とを両方備えた本発明のデファレンシャル装置は商品性
が極めて高い。
【0179】請求項2の発明は、請求項1の構成と同等
の効果を得ると共に、第1と第2のクラッチ部材を相対
移動可能に連結し、これらの間にスプリングを配置した
ことにより、第1の移動操作力を与える機能と第2の移
動操作力を与える機能とで操作手段をユニット化するこ
とが可能になり、操作手段とデファレンシャル装置とを
小型、軽量、低コストに構成できる。
【0180】又、クラッチ部材を第1と第2の移動操作
力で同方向に押圧する操作手段は、圧力源に正圧と負圧
の両圧力源を用いる必要がないから、構成簡単、軽量、
低コストである。
【0181】請求項3の発明は、請求項1の構成と同等
の効果を得ると共に、第1と第2のクラッチ部材を一体
化したことにより、クラッチ部材を2部材で構成したも
のに較べて、部品点数が減少し、構造が簡単になり、低
コストになる。
【0182】又、スプリングによって動力断続用クラッ
チだけが連結される位置にクラッチ部材が移動するよう
に構成したことにより、操作手段の作動を停止すると、
車両は4WD状態になるから、車両が4WD状態のとき
は操作手段を休止させることができ、圧力源のエネルギ
−消費(燃費)が大きく低減されると共に、アクチュエ
−タや配管系などに故障や圧力洩れが生じても、車両を
4WD状態に保つことができる。
【0183】又、このように操作手段の休止時間を長く
できるから、空気式アクチュエ−タを用いた場合でも、
内部や配管に水分が溜まることが防止され、それだけ故
障が減少し耐久性が向上する。
【0184】又、第1と第2のクラッチ部材を一体に形
成したことにより、第1の移動操作力を与える機能と第
2の移動操作力を与える機能とで操作手段をユニット化
することが可能になり、操作手段とデファレンシャル装
置とを小型、軽量、低コストに構成できる。
【0185】請求項4の発明は、請求項1の構成と同等
の効果を得ると共に、請求項3の構成と同様に、第1と
第2のクラッチ部材を一体化したことにより、部品点数
が減少し、構造が簡単になり、低コストになる。
【0186】又、操作手段の作動を停止すると、スプリ
ングによってデファレンシャル装置がエンジン側から切
り離され、車両が2WD状態になるように構成したか
ら、4WD車で最も走行時間の長い2WD状態のとき操
作手段を休止させることができ、圧力源のエネルギ−消
費が大きく低減されると共に、空気式アクチュエ−タを
用いた場合でも、内部や配管に水分が溜まることが防止
され、故障が減って耐久性が向上する。
【0187】請求項5の発明は、請求項1の構成と同等
の効果を得ると共に、ピニオンシャフトを回転ケ−スに
廻り止めするロックピンをクラッチ部材に利用したこと
により、部品点数が減り、構造が簡単になり、低コスト
になる。
【0188】又、ロックピンをクラッチ部材に利用した
ことによって、専用のクラッチ部材を配置するためのス
ペ−スが狭くてすみ、それだけ、デファレンシャル装置
を小型にできる。
【0189】又、ロックピンをクラッチ部材に利用した
ことによってピニオンギヤ背面のスペ−スを有効に利用
したから、デファレンシャル装置を更に小型にできる。
【0190】又、クラッチ部材を同方向に押圧すること
によって両クラッチを操作できるこの構成は、第1の移
動操作力を与える機能と第2の移動操作力を与える機能
とで操作手段をユニット化することが可能であり、操作
手段とデファレンシャル装置とを小型、軽量、低コスト
に構成できる。
【0191】請求項6の発明は、請求項2又は請求項4
又は請求項5の構成と同等の効果を得ると共に、クラッ
チ部材を第1と第2の移動操作力で同方向に押圧する操
作手段は、圧力源に正圧と負圧の両圧力源を用いる必要
がなく、構成簡単、小型軽量、低コストである。
【0192】請求項7の発明は、請求項2又は請求項4
又は請求項5の構成と同等の効果を得ると共に、圧力源
の圧力を大小に調整してアクチュエ−タに与える圧力調
整手段を用いたことにより、圧力源を1個で構成するこ
とが可能になり、それだけ構造が簡単になって信頼性が
向上し、低コストになる。
【0193】請求項8の発明は、請求項2又は請求項4
又は請求項5の構成と同等の効果を得ると共に、2個の
アクチュエ−タを直列配置しクラッチ部材を第1と第2
の移動操作力で同方向に押圧する操作手段は、圧力源に
正圧と負圧の両圧力源を用いる必要がない上に、アクチ
ュエ−タの直列配置によって更に構成が簡単になり、小
型軽量、低コストになる。
【0194】請求項9の発明は、請求項3の構成と同等
の効果を得ると共に、負圧の圧力源を用いるこの構成
は、負圧の圧力源にエンジンのインテ−クマニホ−ルド
に生じる負圧を利用すれば、バキュ−ムポンプのような
エンジン駆動の負圧源が不要になり、それだけ、燃費の
低下が防止され、低コストで実施可能になる。
【0195】請求項10の発明は、請求項3の構成と同
等の効果を得ると共に、2個のアクチュエ−タを互いに
反対方向に配置したことにより、1個の圧力源(正圧又
は負圧)でクラッチ部材を反対方向に押圧することが可
能になり、それだけ操作手段の構造が簡単になって信頼
性が向上し、低コストになる。
【0196】請求項11の発明は、請求項1乃至請求項
10のいずれかと同等の効果を得ると共に、回転ケ−ス
を軸方向に側壁のないリング状にしたことにより、差動
ロック用クラッチのクラッチ部材と差動機構のサイドギ
ヤとを、回転ケ−スの径方向内側で噛み合わせることが
可能になり、差動ロック用クラッチをデファレンシャル
装置に内蔵させることが容易になる。
【0197】又、回転ケ−スをリング状にしたことによ
り、回転ケ−スの端部とクラッチ部材とを噛み合わせて
動力断続用クラッチを構成することが可能になり、動力
断続用クラッチをデファレンシャル装置に内蔵させるこ
とが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態を示す断面図であり、エ
ンジン側から切り離した状態(2WD状態)を示す。
【図4】第3実施形態の断面図であり、エンジン側に連
結した状態(4WD状態)を示す。
【図5】第3実施形態の断面図であり、差動をロックし
た状態を示す。
【図6】本発明の第4実施形態を示す断面図である。
【図7】第4実施形態の要部断面図であり、エンジン側
に連結した状態(4WD状態)を示す。
【図8】従来例の断面図である。
【図9】他の従来例の断面図である。
【符号の説明】
1、87、107、129 デファレンシャル装置 3 デフケ−ス 5 回転ケ−ス 7 差動機構 9 カムリング(第1のクラッチ部材) 11 カムリング(第2のクラッチ部材) 13、91、113、133 噛み合いクラッチ(動力
断続用クラッチ) 15、93、115、135 噛み合いクラッチ(差動
ロック用クラッチ) 17、95、137 操作手段 19、97 皿ばね(スプリング) 23 アクチュエ−タ 25、149 エアポンプ(圧力源) 27 エアポンプ25より圧力の大きいエアポンプ(圧
力源) 29、105 切り換えバルブ(切り換え手段) 39 ピニオンシャフト 43、45 出力側サイドギヤ(差動部材) 89、131 一体のカムリング(クラッチ部材) 101 エアポンプ(正圧の圧力源) 103 バキュ−ムポンプ(負圧の圧力源) 109 ピニオンシャフトのロックピン(クラッチ部
材) 111 カムリング(クラッチ部材) 117、143 リタ−ンスプリング(スプリング) 145、147 直列配置されたアクチュエ−タ 151 バルブ(圧力配分手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仲田 友幸 栃木県栃木市大宮町2388番地 栃木富士産 業株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力によって回転駆動され
    るデフケ−スと、デフケ−スと相対回転可能に配置され
    た回転ケ−スと、回転ケ−スの回転を車輪側に分配する
    差動機構と、デフケ−ス側と回転ケ−ス側との間に設け
    られた動力断続用クラッチと、差動機構の差動回転をロ
    ックする差動ロック用クラッチと、これらのクラッチを
    断続操作する操作手段とを備えたことを特徴とするデフ
    ァレンシャル装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明であって、回転ケ−
    スとの間で動力断続用クラッチを形成する第1のクラッ
    チ部材と、差動機構の差動部材との間で差動ロック用ク
    ラッチを形成する第2のクラッチ部材と、これらの間に
    配置され、第2のクラッチ部材を差動ロック用クラッチ
    の連結解除方向に付勢するスプリングとを備え、第1と
    第2のクラッチ部材は各クラッチの噛み合い方向に相対
    移動可能に連結されると共に、第2のクラッチ部材はデ
    フケ−スに移動自在に連結されており、操作手段は、第
    2のクラッチ部材を介して前記スプリングと第1のクラ
    ッチ部材に第1の移動操作力及びこれと同方向でそれよ
    り大きい第2の移動操作力を与え、第1の移動操作力が
    与えられると、スプリングを介して第1のクラッチ部材
    が押圧されて移動し動力断続用クラッチが連結し、第2
    の移動操作力が与えられると、スプリングが撓んで差動
    ロック用クラッチが連結されることを特徴とするデファ
    レンシャル装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の発明であって、回転ケ−
    スとの間で動力断続用クラッチを形成する第1のクラッ
    チ部材と、差動機構の差動部材との間で差動ロック用ク
    ラッチを形成する第2のクラッチ部材と、スプリングと
    を備え、第1と第2のクラッチ部材は一体に形成されて
    デフケ−スに相対回転不能に連結されると共に、動力断
    続用クラッチと差動ロック用クラッチの両方が連結され
    る位置と、動力断続用クラッチだけが連結される位置
    と、両クラッチの連結が解除される位置とに移動可能で
    あり、前記スプリングはクラッチ部材を動力断続用クラ
    ッチだけが連結される位置に保持し、操作手段は、この
    位置のクラッチ部材に第1の移動操作力及びこれと反対
    方向の第2の移動操作力を与え、第1の移動操作力が与
    えられると、両クラッチが連結される位置にクラッチ部
    材が移動し、第2の移動操作力が与えられると、スプリ
    ングが撓み両クラッチの連結が解除される位置にクラッ
    チ部材が移動することを特徴とするデファレンシャル装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の発明であって、回転ケ−
    スとの間で動力断続用クラッチを形成する第1のクラッ
    チ部材と、差動機構の差動部材との間で差動ロック用ク
    ラッチを形成する第2のクラッチ部材と、スプリングと
    を備え、第1と第2のクラッチ部材は一体に形成されて
    デフケ−スに相対回転不能に連結されると共に、動力断
    続用クラッチと差動ロック用クラッチの両方が連結され
    る位置と、動力断続用クラッチだけが連結される位置
    と、両クラッチの連結が解除される位置とに移動可能で
    あり、前記スプリングはクラッチ部材を両クラッチの連
    結が解除される位置に保持し、操作手段は、この位置の
    クラッチ部材に第1の移動操作力及びこれと同方向でそ
    れより大きい第2の移動操作力を与え、第1の移動操作
    力が与えられると、動力断続用クラッチだけが連結され
    る位置にクラッチ部材が移動し、第2の移動操作力が与
    えられると、両クラッチが連結される位置にクラッチ部
    材が移動することを特徴とするデファレンシャル装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の発明であって、差動機構
    が、回転ケ−スに連結されたピニオンシャフトと、ピニ
    オンシャフト上に回転自在に支承されたピニオンギヤ
    と、ピニオンギヤと噛み合った一対の出力側サイドギヤ
    と、回転ケ−スとピニオンシャフトとを移動可能に貫通
    してピニオンシャフトを廻り止めするロックピンとを有
    するベベルギヤ式の差動機構であり、デフケ−スに移動
    自在に連結されたクラッチ部材と、リタ−ンスプリング
    とを有し、動力断続用クラッチが、回転ケ−スとクラッ
    チ部材との間に設けられ、差動ロック用クラッチが、ロ
    ックピンの一側端部と一方のサイドギヤとの間に設けら
    れ、リタ−ンスプリングは、ロックピンを差動ロック用
    クラッチの連結が解除される位置に付勢し、操作手段
    は、クラッチ部材に第1の移動操作力及びこれと同方向
    でそれより大きい第2の移動操作力を与え、第1の移動
    操作力が与えられると、クラッチ部材が移動して動力断
    続用クラッチが連結され、第2の移動操作力が与えられ
    ると、動力断続用クラッチが連結された状態で、クラッ
    チ部材を介してロックピンが押圧され、差動ロック用ク
    ラッチが連結されることを特徴とするデファレンシャル
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項2又は請求項4又は請求項5記載
    の発明であって、クラッチ部材に第1の移動操作力及び
    これと同方向でそれより大きい第2の移動操作力を与え
    る操作手段が、1個のアクチュエ−タと、大小の圧力を
    持った2個の圧力源と、各圧力源の圧力を各別にアクチ
    ュエ−タに与える切り換え手段とからなることを特徴と
    するデファレンシャル装置。
  7. 【請求項7】 請求項2又は請求項4又は請求項5記載
    の発明であって、クラッチ部材に第1の移動操作力及び
    これと同方向でそれより大きい第2の移動操作力を与え
    る操作手段が、1個のアクチュエ−タと、1個の圧力源
    と、圧力源の圧力を大小に調整してアクチュエ−タに与
    える圧力調整手段とからなることを特徴とするデファレ
    ンシャル装置。
  8. 【請求項8】 請求項2又は請求項4又は請求項5記載
    の発明であって、クラッチ部材に第1の移動操作力及び
    これと同方向でそれより大きい第2の移動操作力を与え
    る操作手段が、直列に配置された2個のアクチュエ−タ
    と、1個の圧力源と、両アクチュエ−タの一方又は両方
    に圧力源の圧力を与える圧力配分手段とからなることを
    特徴とするデファレンシャル装置。
  9. 【請求項9】 請求項3記載の発明であって、クラッチ
    部材に第1の移動操作力及びこれと反対方向の第2の移
    動操作力を与える操作手段が、1個のアクチュエ−タ
    と、正圧と負圧の圧力源と、各圧力源の圧力を各別にア
    クチュエ−タに与える切り換え手段とからなることを特
    徴とするデファレンシャル装置。
  10. 【請求項10】 請求項3記載の発明であって、クラッ
    チ部材に第1の移動操作力及びこれと反対方向の第2の
    移動操作力を与える操作手段が、互いに反対方向に直列
    配置された2個のアクチュエ−タと、1個の圧力源と、
    圧力源の圧力を各別に各アクチュエ−タに与える切り換
    え手段とからなることを特徴とするデファレンシャル装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項10のいずれか一
    項に記載の発明であって、回転ケ−スが、軸方向に側壁
    のないリング状の部材であることを特徴とするデファレ
    ンシャル装置。
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