JP4009336B2 - デファレンシャル装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、四輪駆動車において、二輪駆動時に切り離される車輪側に用いられるデファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の、この種のデファレンシャル装置としては、例えば特開昭56−135320号公報に図2、図3に示すようなものが開示されている。このデファレンシャル装置201は、二輪駆動時に駆動力の伝達を切離す断続機構203を片側の出力端に備えている。
【0003】
この断続機構203は、車軸方向に移動可能にされたカップリングスリーブ205と、デファレンシャル装置201の出力軸207と、その外方への延長上に配置された車軸209と、このカップリングスリーブ205を移動操作し駆動力の伝達を断続する切換装置211とからなっている。したがって、出力軸207と車軸209とは直接には連結されないで配置されている。
【0004】
そして、四輪駆動時には、カップリングスリーブ205に係合したシフトフォーク213が、プッシュプルケーブル215により引っ張られて図3において左方へ移動し、カップリングスリーブ205が出力軸207と車軸209の両者に跨がって位置し、両者間を連結する。二輪駆動時にはカップリングスリーブ205は出力軸207上に移動し、両者205,207は切離される。
【0005】
これにより、二輪駆動時には断続機構203側では車軸209が走行している車輪から空転させられ、断続機構203と反対側では車輪から空転させられる部材はデファレンシャル装置201の内部ギヤまでとなるので、空転による摩耗や騒音が低減され、燃費が向上する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、断続機構203(切換装置211)はデファレンシャル装置201の外部に配置されているから、これの配置によりデファレンシャル装置201を収納するデフキャリア217はその分大きくなり、互換性がなくなる。
【0007】
さらに、出力軸207と車軸209とは分離されると共に、カップリングスリーブ205との連結構造や付随して支持構造等も変更が必要となる。
【0008】
このようにして、駆動力の断続機能を付加するためには、デフキャリア217と出力軸207と車軸209などの専用部材が必要となり、それだけ部品点数が増加し、改造が広範囲に及ぶから、二輪駆動車と四輪駆動車の間の改造は大きなコスト上昇を伴う。
【0009】
そこで、この発明は、駆動力の断続機能を内蔵し、部材の互換性を保つことによって部品点数の増加とコストの上昇とを防止したデファレンシャル装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のデファレンシャル装置は、デフケ−スを介して入力するエンジンの駆動力を一対の出力側サイドギヤから車輪側に分配する差動ギヤ機構と、デフケ−スの内部に配置され、車軸に連結されると共に前記一対のサイドギヤのうちの一方のサイドギヤを支承するスリ−ブと、デフケースの内部に配置され、前記スリ−ブに移動自在に連結されたクラッチ部材と、クラッチ部材と前記一方のサイドギヤとの間に形成され前記スリーブの移動によって車輪側へ伝達される前記エンジンの駆動力を断続するクラッチと、前記クラッチ部材をクラッチの噛み合い解除側に付勢するリタ−ンスプリングと、クラッチ部材をリタ−ンスプリングに抗して噛み合いクラッチの噛み合い側に移動させるアクチュエ−タとを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項1のデファレンシャル装置では、車軸に連結されるスリ−ブをデフケ−スの内部に配置し、このスリ−ブにクラッチ部材を連結し、このクラッチ部材とサイドギヤとの間にクラッチを形成した。
【0012】
クラッチを連結すると、サイドギヤとスリ−ブとが連結され、エンジンの駆動力は差動ギヤ機構を介して車輪側に分配される。又、クラッチの連結を解除すると、スリ−ブ側の車輪が切り離されると共に、クラッチ側サイドギヤが空転状態になることによって、他側の車輪にも駆動力が伝達されず、こうして、駆動力が遮断される。
【0013】
このデファレンシャル装置を四輪駆動車に用い、二輪駆動時にクラッチの連結を解除すると共に、切り離し機構によってこのデファレンシャル装置側の動力伝達系をエンジンから切り離すと、上記のように、このデファレンシャル装置側の車輪に駆動力が伝達されなくなると共に、切り離し機構からこの動力伝達系を介してデファレンシャル装置のデフケ−スまでの連れ回りが防止され、回転抵抗が低減する。
【0014】
このように、二輪駆動時には切り離し側動力伝達系の回転が停止するから、上記のように、振動が軽減して乗り心地が向上すると共に、この動力伝達系各部の摩耗が軽減して耐久性が向上する。更に、回転抵抗の低減分だけエンジンの負担が軽減し、燃費が向上する。
【0015】
又、スリ−ブをデフケ−スの内部に配置し、このスリ−ブ側のクラッチ部材とサイドギヤとの間にクラッチを形成したことによって、駆動力の断続機能をデフケ−スに内蔵させたから、従来例と異なって、デフキャリヤが互換性を失わず、通常のデフキャリヤをそのまま使用できる。
【0016】
更に、従来例と異なって車軸が分断されないから、車軸も共用可能であると共に、車軸の支持構造も簡単ですむ。
【0017】
このように、駆動力の断続機能を付加するために、デフキャリヤや車軸などに専用部材を用意する必要がないから、二輪駆動車と四輪駆動車との間で多くの部材が共用可能になり、部品点数を増やさず、低コストに二輪駆動車と四輪駆動車相互の改造が行える。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のデファレンシャル装置であって、アクチュエ−タが、デフケ−スに設けられた開口に貫入する押圧部材を介してクラッチ部材を移動操作することを特徴とし、請求項1の構成と同等の効果を得る。
【0019】
又、デフケ−スに設けられたオイルを取り入れ用の開口を利用し、この開口に貫入した押圧部材を介してクラッチ部材を押圧するように構成したから、それだけ実施コストが低減する。
【0020】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のデファレンシャル装置であって、スリ−ブが、軸支部を介してデフケ−スに回転自在に支承されたことを特徴とし、請求項1又は請求項2の構成と同等の効果を得る。
【0021】
これに加えて、スリ−ブがサイドギヤを支承するように構成したことにより、スリ−ブとサイドギヤの支承構造がコンパクトになる。
【0022】
従って、デファレンシャル装置を殆ど大型化させずに、スリ−ブとクラッチによる駆動力の断続機能を内蔵することが可能になり、上記のような、二輪駆動車と四輪駆動車相互の改造が、更に容易になる。
【0023】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のデファレンシャル装置であって、差動ギヤ機構が、デフケ−スに形成された収容孔に摺動回転自在に収容されたピニオンギヤと、ピニオンギヤを介して連結された一対の出力側サイドギヤとを有し、クラッチ側のサイドギヤにフランジ部が設けられ、このフランジ部とスリ−ブとの間にサイドギヤより大径のクラッチが設けられていることを特徴とし、請求項1乃至請求項3の構成と同等の効果を得る。
【0024】
これに加えて、サイドギヤにフランジ部を設け、このフランジ部とスリ−ブとの間にクラッチを設けたことによって、クラッチをサイドギヤより大径にすることができる。
【0025】
従って、小径のクラッチに較べて、より大きいトルクの伝達が可能になると共に、耐久性が増す。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1によって本発明の一実施形態を説明する。図1はこの実施形態のデファレンシャル装置1を示しており、このデファレンシャル装置1は請求項1、2、3、4の特徴を備えている。なお、左右の方向は図1での左右の方向であり、符号を与えていない部材等は図示されていない。
【0027】
このデファレンシャル装置1は、四輪駆動車に用いられており、二輪駆動時に切り離される車輪側に配置されている。
【0028】
デファレンシャル装置1のデフケ−ス3は、デフケ−ス本体5の右側にカバ−部材7をボルト9で固定し、左側にリング11をボルトで固定して構成されている。デフケ−ス3はデフキャリヤの内部に配置されており、ベアリングを介して左右のボス部13、15をデフキャリヤに支承されている。又、デフキャリヤの内部にはオイル溜りが形成されている。
【0029】
デフケ−ス3にはリングギヤがボルトで固定されている。このリングギヤは動力伝達系の出力ギヤと噛み合っており、デフケ−ス3はエンジンの駆動力によって回転駆動される。
【0030】
又、この動力伝達系には、二輪駆動時にエンジンからの切り離しを行う2−4切り換え機構が配置されている。
【0031】
デフケ−ス3の内部には、それぞれヘリカルギヤで構成された出力側のサイドギヤ17、19が配置されており、右サイドギヤ19の右側にはスリ−ブ21が配置されている。左サイドギヤ17の中空のボス部23はデフケ−ス3の支承部25によって回転自在に支承されており、右サイドギヤ19は支承部27、29によって左サイドギヤ17とスリ−ブ21とに回転自在に支承され、スリ−ブ21は支承部31によってデフケ−ス3に回転自在に支承されている。
【0032】
サイドギヤ17のボス部23は左の車軸にスプライン連結され、スリ−ブ21は右の車軸にスプライン連結されている。
【0033】
サイドギヤ17とデフケ−ス3との間、各サイドギヤ17、19の間、スリ−ブ21とデフケ−ス3との間には、それぞれスラストワッシャ33、35、37が配置されている。
【0034】
デフケ−ス3には長短の収容孔39、41が周方向等間隔に複数組形成されている。これらの収容孔39、41にはそれぞれヘリカルギヤで構成された長短のピニオンギヤ43、45が摺動回転自在に収容されている。
【0035】
長いピニオンギヤ43は、第1と第2のギヤ部47、49とこれらを連結する小径の軸部51とからなり、第1ギヤ部47はサイドギヤ19と噛み合っている。又、短いピニオンギヤ45は互いの間に軸部を持たない第1と第2のギヤ部53、54からなり、第1ギヤ部53はサイドギヤ17と噛み合っている。又、各ギヤ43、45の第2ギヤ部49、54はサイドギヤ17、19の軸方向左側で互いに噛み合っている。
【0036】
こうして、差動ギヤ機構55が構成されている。
【0037】
右サイドギヤ19にはフランジ部材57が固定されている。又、スリ−ブ21の外周にはスプライン歯59が設けられており、このスプライン歯59にはクラッチ部材61とリテ−ナ63とが軸方向移動自在に噛み合っている。フランジ部材57とクラッチ部材61にはそれぞれ噛み合い歯65、67が形成され、ドッグクラッチ69(クラッチ)を構成している。
【0038】
ドッグクラッチ69が連結されると、右サイドギヤ19は車輪側に連結される。
【0039】
このとき、デフケ−ス3を回転させるエンジンの駆動力は、ピニオンギヤ43、45を介してサイドギヤ17から左側の車輪に伝達されると共に、矢印のように、サイドギヤ19からドッグクラッチ69とスリ−ブ21とを介して右側の車輪に伝達される。又、悪路走行中などに、車輪間に駆動抵抗差が生じると各ピニオンギヤ43、45の自転によってエンジンの駆動力は左右の車輪に差動分配される。
【0040】
トルクの伝達中、各ピニオンギヤ43、45の歯先はサイドギヤ19、17との噛み合い反力により収容孔39、41の壁面に押し付けられて摩擦抵抗が発生する。又、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によって各ピニオンギヤ43、45とデフケ−ス3及びリング11との間で摩擦抵抗が発生すると共に、スラストワッシャ33を介してサイドギヤ17とデフケ−ス3との間で、又、スラストワッシャ35を介してサイドギヤ17、19の間で、更に、スラストワッシャ37を介してスリ−ブ21とデフケ−ス3との間で、それぞれ摩擦抵抗が発生する。
【0041】
これらの摩擦抵抗により、トルク感応型の差動制限機能が得られる。
【0042】
又、ドッグクラッチ69の連結が解除されると、スリ−ブ21から右車輪までが切り離されてフリ−回転状態になると共に、サイドギヤ19が空転状態になることによって、サイドギヤ17側の車輪にも駆動力が伝達されず、こうして、駆動力が遮断される。
【0043】
クラッチ部材61とリテ−ナ63(サイドギヤ19のフランジ部材57)との間には、クラッチ部材61をドッグクラッチ69の連結解除方向に付勢するリタ−ンスプリング71が配置されている。なお、ドッグクラッチ69の連結が解除されたとき、スリ−ブ21側とサイドギヤ19側の摺動は、リテ−ナ63とフランジ部材57との間で行われ、リタ−ンスプリング71に摺動による負荷は掛からない。
【0044】
デフケ−ス3の右側ボス部15の周囲には、リング状のエアアクチュエ−タ73(アクチュエ−タ)が配置されており、支持部材を介してデフキャリヤに支持されている。
【0045】
このエアアクチュエ−タ73では、基板75にダイヤフラム77が気密に固定されており、これらの間に圧力室79が形成されている。ダイヤフラム77には押圧部材81がビス止めされており、押圧部材81の左側には押圧リング83(押圧部材)が配置されている。
【0046】
デフケ−ス3には周方向等間隔に複数個の開口85が設けられており、各開口85には押圧リング83の脚87が貫入し、クラッチ部材61と対向している。
【0047】
エアアクチュエ−タ73の圧力室79にエア圧が送られると、ダイヤフラム77が左方に撓み、押圧リング83の脚87を介してクラッチ61を左方に移動させ、ドッグクラッチ69を噛み合わせる。又、圧力室79へのエア圧供給を停止すると、リタ−ンスプリング71の付勢力によってクラッチ部材61が右方へ戻り、ドッグクラッチ69の噛み合いが解除される。
【0048】
上記の2−4切り換え機構とドッグクラッチ69とは同時に連結操作され、又同時に連結解除操作される。
【0049】
2−4切り換え機構とドッグクラッチ69とが連結されると、上記のように、差動ギヤ機構55がエンジンの駆動力を車輪に分配し、車両は四輪駆動状態になる。
【0050】
又、2−4切り換え機構とドッグクラッチ69とを連結解除すると、車両は二輪駆動状態になると共に、2−4切り換え機構からデフケ−ス3までの動力伝達系は、エンジンの駆動力と車輪の回転力の両方から切り離され、回転が停止する。
【0051】
このように、二輪駆動状態で切り離し側動力伝達系の回転が停止するから、振動が軽減して乗り心地が向上し、この動力伝達系各部の摩耗が軽減されて耐久性が向上し、更に、回転抵抗の低減分だけエンジンの負担が軽減し、燃費が向上する。
【0052】
デファレンシャル装置1が回転すると、デフキャリヤのオイル溜りのオイルが開口85及び収容孔39、41の左端側に設けられた開口89、91からデフケ−ス3に流出入し、流入したオイルは、スリ−ブ21のスプライン歯59、ドッグクラッチ69、サイドギヤ19のフランジ部材57とリテ−ナ63との摺動面などを潤滑し、更に、差動ギヤ機構55の収容孔39、41や各ギヤを潤滑する。
【0053】
こうして、デファレンシャル装置1が構成されている。
【0054】
上記のように、デファレンシャル装置1では、スリ−ブ21をデフケ−ス3の内部に配置し、スリ−ブ21側のクラッチ部材61とサイドギヤ19のフランジ部材57との間にドッグクラッチ69を形成したことにより、駆動力の断続機能をデフケ−ス3の内部に設けたから、従来例と異なって、デフキャリヤが互換性を失わず、通常のデフキャリヤをそのまま使用できる。
【0055】
又、従来例と異なって、車軸が分断されないから、車軸も互換性を失わないと共に、車軸の支承構造(ベアリング)も簡単ですむ。
【0056】
このように、デファレンシャル装置1を用いれば、駆動力の断続機能を付加するために、デフキャリヤや車軸などに専用部材を用意する必要がないから、二輪駆動車と四輪駆動車との間で多くの部材が共用可能になり、部品点数を増やさず、低コストで二輪駆動車と四輪駆動車相互の改造が行える。
【0057】
又、デフケ−ス3に設けられたオイル取り入れ用の開口85を利用し、この開口85に押圧リング83の脚87を貫入させてクラッチ部材61を移動操作するように構成しているから、それだけ低コストで実施できる。
【0058】
更に、デフケ−ス3が支承部31でスリ−ブ21を支承し、スリ−ブ21が支承部29でサイドギヤ19を支承するように構成したことにより、スリ−ブ21の支承構造がコンパクトになっている。
【0059】
従って、デファレンシャル装置1を殆ど大型化させずに、ドッグクラッチ69による駆動力の断続機能を内蔵することができ、上記のような、二輪駆動車と四輪駆動車相互の改造が、更に容易になる。
【0060】
これに加えて、サイドギヤ19にフランジ部材57を固定し、このフランジ部材57とスリ−ブ21との間にドッグクラッチ69を設けたことによって、ドッグクラッチ69がサイドギヤ19より大径になり、小径のドッグクラッチに較べて、より大きいトルクの伝達が可能になり、耐久性が増している。
【0061】
なお、この発明において、差動ギヤ機構は、上記実施形態のようなものに限らず、例えば、ベベルギヤ式の差動ギヤ機構でもよい。
【0062】
又、アクチュエ−タも、上記実施形態のようなエアアクチュエ−タに限らず、例えば、油圧アクチュエ−タ、電動モ−タなどでもよい。
【0063】
この発明のデファレンシャル装置は、フロントデフ(エンジンの駆動力を左右の前輪に分配するデファレンシャル装置)とリヤデフ(エンジンの駆動力を左右の後輪に分配するデファレンシャル装置)のいずれにも用いることができる。
【0064】
【発明の効果】
請求項1記載のデファレンシャル装置は、車輪側に連結されるスリ−ブをデフケ−スの内部に配置し、このスリ−ブ側のクラッチ部材とサイドギヤとの間に車輪側へ伝達する駆動力を断続するクラッチを形成し、このクラッチを連結するとエンジンの駆動力は差動ギヤ機構を介して車輪側に分配され、クラッチの連結を解除すると、スリ−ブ側の車輪が切り離され、クラッチ側サイドギヤが空転状態になることによって、他側の車輪にも駆動力が伝達されず、駆動力が遮断される。
【0065】
二輪駆動時にこのデファレンシャル装置のクラッチを連結解除し、更に、このデファレンシャル装置側の動力伝達系をエンジンから切り離すと、この動力伝達系の回転が停止し、振動が軽減して乗り心地が向上すると共に、動力伝達系各部の摩耗が軽減して耐久性が向上する。更に、回転抵抗の低減分だけエンジンの負担が軽減し、燃費が向上する。
【0066】
又、クラッチをデフケ−スの内部に設けたから、従来例と異なって、デフキャリヤと車軸とが互換性を失わず、通常のデフキャリヤと車軸とをそのまま使用でき、車軸の支承構造も簡単ですむ。
【0067】
従って、このデファレンシャル装置を用いれば、二輪駆動車と四輪駆動車との間で多くの部材が共用可能になり、部品点数を増やさず、低コストで二輪駆動車と四輪駆動車相互の改造が行える。
【0068】
請求項2記載の発明は、請求項1の構成と同等の効果を得ると共に、デフケ−スに設けられたオイル取り入れ用の開口を利用し、この開口に貫入した押圧部材を介してクラッチ部材を押圧するように構成したことによって、実施コストが低減する。
【0069】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2の構成と同等の効果を得ると共に、デフケ−スがスリ−ブを支承し、スリ−ブがサイドギヤを支承するように構成し、スリ−ブとサイドギヤの支承構造をコンパクトにしたことによって、デファレンシャル装置を殆ど大型化させずにクラッチを内蔵させることが可能になり、上記のような、二輪駆動車と四輪駆動車相互の改造が、更に容易になる。
【0070】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3の構成と同等の効果を得ると共に、クラッチをサイドギヤのフランジ部とスリ−ブとの間に設けたことによって、クラッチが大径になり、小径のクラッチに較べて、より大きいトルク伝達が可能になり、耐久性が増す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図2】従来例の断面図である。
【図3】 従来例の要部断面図である。
【符号の説明】
1 デファレンシャル装置
3 デフケ−ス
17、19 サイドギヤ
21 スリ−ブ
29 スリ−ブがサイドギヤを支承する支承部
31 デフケ−スがスリ−ブを支承する支承部
39、41 収容孔
43、45 ピニオンギヤ
55 差動ギヤ機構
57 フランジ部材(フランジ部)
61 クラッチ部材
69 ドッグクラッチ(クラッチ)
71 リタ−ンスプリング
73 エアアクチュエ−タ(アクチュエ−タ)
83 押圧リング(押圧部材)
85 デフケ−スの開口
Claims (4)
- デフケ−スを介して入力するエンジンの駆動力を一対の出力側サイドギヤから車輪側に分配する差動ギヤ機構と、デフケ−スの内部に配置され、車軸に連結されると共に前記一対のサイドギヤのうちの一方のサイドギヤを支承するスリ−ブと、デフケースの内部に配置され、前記スリ−ブに移動自在に連結されたクラッチ部材と、クラッチ部材と前記一方のサイドギヤとの間に形成され前記クラッチ部材の移動によって車輪側へ伝達される前記エンジンの駆動力を断続するクラッチと、前記クラッチ部材をクラッチの噛み合い解除側に付勢するリタ−ンスプリングと、クラッチ部材をリタ−ンスプリングに抗して噛み合いクラッチの噛み合い側に移動させるアクチュエ−タとを備えたことを特徴とするデファレンシャル装置。
- 請求項1記載の発明であって、アクチュエ−タが、デフケ−スに設けられた開口に貫入する押圧部材を介してクラッチ部材を移動操作することを特徴とするデファレンシャル装置。
- 請求項1又は請求項2記載の発明であって、スリ−ブが、軸支部を介してデフケ−スに回転自在に支承されたことを特徴とするデファレンシャル装置。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発明であって、差動ギヤ機構が、デフケ−スに形成された収容孔に摺動回転自在に収容されたピニオンギヤと、ピニオンギヤを介して連結された一対の出力側サイドギヤとを有し、クラッチ側のサイドギヤにフランジ部が設けられ、このフランジ部とスリ−ブとの間にサイドギヤより大径のクラッチが設けられていることを特徴とするデファレンシャル装置。
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