JPH1076863A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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JPH1076863A
JPH1076863A JP23544096A JP23544096A JPH1076863A JP H1076863 A JPH1076863 A JP H1076863A JP 23544096 A JP23544096 A JP 23544096A JP 23544096 A JP23544096 A JP 23544096A JP H1076863 A JPH1076863 A JP H1076863A
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JP
Japan
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case
differential
intermediate case
clutch
actuator
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JP23544096A
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English (en)
Inventor
Noboru Higano
昇 日向野
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デフケースの周辺を簡素化し、デフキャリヤ
の設計を容易にする。 【解決手段】 アウターケース5とインナーケース9と
の間に中間ケース7を配置したデフケース3と、中間ケ
ース7とインナーケース9との間に設けられた噛み合い
クラッチ17と、インナーケース9の回転を車輪側に分
配する差動機構23と、アウターケース5の外部に配置
され、押圧部材59を介して中間ケース7を噛み合いク
ラッチ17の連結解除位置に移動させるアクチュエータ
49と、アクチュエータ49の作動が停止すると、噛み
合いクラッチ17の連結位置まで中間ケース7を移動さ
せるシフトスプリング19とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、四輪駆動車にお
いて、二輪駆動時に切り離される車輪側に用いられるデ
ファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特公平5−54574号公報に図3のよ
うなデファレンシャル装置201が記載されている。
【0003】このデファレンシャル装置201のデフケ
ース203は、デフキャリヤ205の内部に配置されて
おり、アウターケース207とインナーケース209と
に分割されている。アウターケース207はエンジンに
よって回転駆動され、インナーケース209はアウター
ケース207の内部に相対回転自在に配置されている。
インナーケース209の内部には差動機構211が配置
されており、インナーケース209の回転を車輪側に分
配する。
【0004】インナーケース209のハブ部213の外
周にはハブスリーブ215がスプライン連結されてお
り、ハブスリーブ215とアウターケース207との間
にはドッグクラッチ217が設けられている。デフキャ
リヤ205にはアクチュエータ219が固定されてお
り、シフトフォーク221を介してハブスリーブ215
を移動操作し、ドッグクラッチ217を連結し、又、連
結を解除する。
【0005】このデファレンシャル装置201は四輪駆
動車に用いられ、ドッグクラッチ217が連結される
と、アウターケース207とインナーケース209とが
連結されて車両は四輪駆動状態になり、ドッグクラッチ
217の連結が解除されると、アウターケース207と
インナーケース209とが切り離されて車両は二輪駆動
状態になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このデファレ
ンシャル装置201では、ハブスリーブ215がアウタ
ーケース207の外部に配置されているから、ハブ部2
13の周辺で構造が複雑であり、デフキャリヤ205の
設計がそれだけ難しい。
【0007】又、ハブスリーブ215をハブ部213の
外周に配置したことによってデファレンシャル装置20
1が軸方向に長くなるから、デフキャリヤ205は、互
換性が失われて大幅な設計変更が必要になり、コストが
大きく上昇する。
【0008】更に、凹凸の噛み合い歯を持ったドッグク
ラッチ217がアウターケース207の外部に配置され
ており、ハブスリーブ215とドッグクラッチ217と
がデフケース203と共に回転し、デフキャリヤ205
のオイル溜りを攪拌するから、オイルの大きな回転抵抗
を受けて、エンジンの燃費が悪化する。
【0009】又、デファレンシャル装置201のよう
に、駆動力を断続するクラッチをアクチュエータで連結
するように構成したデファレンシャル装置を搭載した車
両は、アクチュエータが不調になると四輪駆動走行が不
可能になり、悪路などから脱出できなくなる恐れがあ
る。
【0010】そこで、この発明は、四輪駆動車に用いら
れ、駆動力を断続するアクチュエータ操作のクラッチを
備えたデファレンシャル装置であって、デフケースの周
辺構造が簡単で、コンパクトであり、デフキャリヤの設
計が容易であり、あるいは、互換性が高く保たれるデフ
ァレンシャル装置と、アクチュエータが不調でも車両を
四輪駆動走行可能にするデファレンシャル装置の提供を
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のデファレ
ンシャル装置は、エンジンの駆動力によって回転するア
ウターケースと、その内部に配置され、係合部を介して
アウターケースに軸方向移動可能に連結された中間ケー
スと、その内部に相対回転自在に配置されたインナーケ
ースとからなるデフケースと、中間ケースとインナーケ
ースとの間に設けられ中間ケースの軸方向移動によって
係脱する噛み合いクラッチと、インナーケースの回転を
一対の出力側サイドギヤから車輪側に分配する差動機構
と、アウターケースを貫通する押圧部材と、アウターケ
ースの外部に配置され、この押圧部材を介して中間ケー
スを前記噛み合いクラッチの連結方向と連結解除方向の
一方に移動させるアクチュエータと、アクチュエータが
停止すると中間ケースをその反対方向に移動させる付勢
部材とを備えたことを特徴とする。
【0012】すなわち、請求項1のデファレンシャル装
置では、エンジンによって回転駆動されるアウターケー
スと差動機構が配置されたインナーケースとの間に中間
ケースを設け、この中間ケースをアウターケースに連結
すると共に、中間ケースとインナーケースとの間に噛み
合いクラッチを設けて駆動力を断続するように構成し
た。
【0013】このように、従来例のハブスリーブ215
に相当する中間ケースがデフケースの内部に配置されて
いるから、デフケース周辺の構造が簡素になり、デフキ
ャリヤの設計がそれだけ容易になる。
【0014】又、中間ケースをデフケースの内部に配置
したことにより、従来例と異なって、デファレンシャル
装置が軸方向に長くなることがなく、デフキャリヤの互
換性が高く保たれるから、デフキャリヤをデファレンシ
ャル装置の大型化に応じて大幅に設計変更する必要がな
くなり、コストの上昇が避けられる。
【0015】更に、中間ケースと共に噛み合いクラッチ
もデフケースの内部に配置されているから、従来例と異
なって、デファレンシャル装置の回転に伴うオイルの攪
拌抵抗が低減され、エンジンの燃費が大幅に向上する。
【0016】又、アウターケースは駆動力の断続部を有
しないので中間ケースとの係合関係を保つことができる
だけの例えば調質(焼入れ、焼戻し)等の簡素な熱処理
を施せば良く、大型部品であるアウターケースの熱処理
コストが低減できる。
【0017】請求項2記載の発明は、請求項1記載のデ
ファレンシャル装置であって、差動機構が、インナーケ
ースに係合したピニオンシャフトと、ピニオンシャフト
上に回転自在に支承されたピニオンギヤと、ピニオンギ
ヤと噛み合った一対の出力側サイドギヤとを有するベベ
ルギヤ式の差動ギヤ機構であることを特徴とし、請求項
1の構成と同等の効果を得る。
【0018】請求項3記載の発明は、請求項1又は請求
項2記載のデファレンシャル装置であって、中間ケース
が、アクチュエータによって噛み合いクラッチの連結解
除方向に移動操作されると共に、アクチュエータの作動
が停止すると、付勢部材によって噛み合いクラッチの連
結位置まで移動することを特徴とし、請求項1又は請求
項2の構成と同等の効果を得る。
【0019】これに加えて、アクチュエータの作動が停
止すると、中間ケースが付勢部材によって噛み合いクラ
ッチの連結解除位置から連結位置まで押し返されるよう
に構成したから、故障モードがよく、このデファレンシ
ャル装置を四輪駆動車に用いて、アクチュエータが不調
になった場合でも、車両は四輪駆動走行が可能であり、
悪路などから脱出することができる。
【0020】請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求
項3のいずれか一項に記載のデファレンシャル装置であ
って、噛み合いクラッチが、中間ケースの内周と、イン
ナーケースの外周にそれぞれ設けられた軸方向の噛み合
い歯からなることを特徴とし、請求項1乃至請求項3の
構成と同等の効果を得る。
【0021】これに加えて、噛み合いクラッチを、例え
ば、スプラインやセレーションのように、歯幅を軸方向
にした噛み合い歯で構成したから、一方の噛み合い歯を
軸方向に移動し、元の箇所に空隙を設ければ、噛み合い
位置が噛み合い解除位置になり、噛み合い解除位置が噛
み合い位置になる。
【0022】このように、一方の噛み合い歯の位置を変
えるという僅かな変更によって、アクチュエータが停止
すると噛み合いクラッチが噛み合う請求項3のデファレ
ンシャル装置と、アクチュエータが噛み合いクラッチを
噛み合わせるデファレンシャル装置との相互の変更が、
極めて低コストで可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1と図2によって本発明の一実
施形態を説明する。図1はこの実施形態のデファレンシ
ャル装置1を示しており、このデファレンシャル装置1
は請求項1、2、3、4の特徴を備えている。なお、左
右の方向は図1での左右の方向であり、符号を与えてい
ない部材等は図示されていない。
【0024】このデファレンシャル装置1は、四輪駆動
車に用いられており、二輪駆動時に切り離される車輪側
に配置されている。
【0025】デファレンシャル装置1のデフケース3
は、図2のように、アウターケース5と、その内部に配
置された中間ケース7と、その内部に配置されたインナ
ーケース9とから構成されている。
【0026】中間ケース7はスプライン部11(係合
部)によってアウターケース5の内周に軸方向移動自在
に連結されており、インナーケース9は中間ケース7の
内周で回転自在に支承されている。
【0027】デフケース3はデフキャリヤの内部に配置
されており、アウターケース5の左右のボス部13、1
5はベアリングを介してデフキャリヤに支承されてい
る。デフキャリヤの内部にはオイル溜りが設けられてい
る。
【0028】アウターケース5にはリングギヤがボルト
で固定されており、このリングギヤはエンジンの駆動力
を伝達する動力伝達系の出力ギヤと噛み合っている。こ
うして、アウターケース5はエンジンの駆動力により回
転駆動される。
【0029】この動力伝達系には、二輪駆動時にエンジ
ンからの切り離しを行う2−4切り換え機構が配置され
ている。
【0030】図1のように、中間ケース7とインナーケ
ース9との間には噛み合いクラッチ17が設けられてい
る。この噛み合いクラッチ17は中間ケース7の内周と
インナーケース9の外周にそれぞれ設けられた軸方向の
噛み合い歯からなっており、中間ケース7の軸方向移動
によって係脱する。
【0031】中間ケース7が図1の位置に移動すると、
噛み合いクラッチ17が噛み合って中間ケース7(アウ
ターケース5)とインナーケース9とが連結され、中間
ケース7が図1の位置から左方に移動すると、噛み合い
クラッチ17の噛み合いが解除されて中間ケース7(ア
ウターケース5)とインナーケース9とが切り離され
る。
【0032】中間ケース7の左端とアウターケース5と
の間には、中間ケース7を図1の噛み合いクラッチ17
の連結位置に移動させるシフトスプリング19(付勢部
材)が配置されている。中間ケース7の右端は、このよ
うに噛み合いクラッチ17の連結位置で、アウターケー
ス5に突き当たっている。
【0033】図2のように、インナーケース9には貫通
孔21が2個設けられており、これらの貫通孔21には
ベベルギヤ式差動ギヤ機構23(差動機構)のピニオン
シャフト25が係合し、スプリングピン27で固定され
ている。ピニオンシャフト25上にはピニオンギヤ29
が回転自在に支承されており、ピニオンギヤ29には左
右から出力側のサイドギヤ31、33が噛み合ってい
る。又、インナーケース9の内周にはピニオンギヤ29
の遠心力と噛み合い反力とを受ける球面ワッシャ部35
が形成されている。
【0034】各サイドギヤ31、33は車輪側の車軸に
それぞれスプライン連結されている。各サイドギヤ3
1、33とアウターケース5との間にはそれぞれスラス
トワッシャ37、37が配置され、サイドギヤ31、3
3の噛み合いスラスト力を受けている。
【0035】アウターケース5には、デフキャリヤのオ
イル溜りからオイルが流出入する開口39、41が周方
向等間隔に4個設けられている。又、ボス部13、15
の内周にはアウターケース5の回転によってこのオイル
を導入する螺旋状の油路43、45が形成され、更に、
アウターケース5の内周には油路43、45からのオイ
ルを遠心力で外側に移動させる油路47、47が設けら
れている。
【0036】これらの開口39、41や油路43、45
から流入したオイルは差動ギヤ機構23の各ギヤの噛み
合い部や摺動部などを潤滑し、更に、アウターケース5
と中間ケース7のスプライン部11や、中間ケース7と
インナーケース9との摺動部などを潤滑する。又、これ
らの摺動部には遠心力によって各油路47からオイルが
与えられ、充分に潤滑される。
【0037】図1のように、アウターケース5の右側ボ
ス部15の周囲には、リング状のアクチュエータ49が
配置されており、支持部材を介してデフキャリヤに支持
されている。
【0038】このアクチュエータ49では、基板51に
ダイヤフラム53を気密に固定して圧力室55が形成さ
れており、ダイヤフラム53には押圧部材57がビス止
めされている。
【0039】一方、押圧部材57の左側にはリング状の
押圧部材59が配置されている。この押圧部材59には
4本の腕61が形成されており、アウターケース5の開
口41を貫通し、中間ケース7の右端と対向している。
【0040】アクチュエータ49は正圧で作動するアク
チュエータであり、その圧力室55には、エンジン駆動
のエアポンプからエアホース63を介して正圧が送られ
る。
【0041】エアポンプが作動しアクチュエータ49の
圧力室55に正圧が送られると、ダイヤフラム53が左
方に撓み、シフトスプリング19を撓めながら押圧部材
59を介して中間ケース7を左方に移動操作し、噛み合
いクラッチ17の噛み合いを解除する。噛み合いが解除
されると、上記のように、インナーケース9がアウター
ケース5側から切り離され、車両は二輪駆動状態にな
る。
【0042】又、エアポンプの作動が停止し圧力室55
へのエア圧供給が停止すると、シフトスプリング19の
付勢力によって中間ケース7が右方へ戻り、図1のよう
に、噛み合いクラッチ17が噛み合う。噛み合いクラッ
チ17によってアウターケース5側とインナーケース9
とが連結されると、車両は四輪駆動状態になる。
【0043】噛み合いクラッチ17と上記の2−4切り
換え機構は二輪駆動状態から四輪駆動状態への切り換え
に当たって同時に連結操作され、四輪駆動状態から二輪
駆動状態への切り換えに当たって同時に連結解除操作さ
れる。
【0044】エンジンの駆動力は、噛み合いクラッチ1
7を介してインナーケース9を回転駆動し、この回転は
ピニオンシャフト25からピニオンギヤ29を介してサ
イドギヤ31、33に分配され、車軸を介して左右の車
輪に伝達される。又、例えば悪路走行中に、各車輪間に
駆動抵抗差が生じると各ピニオンギヤ29の自転によっ
てエンジンの駆動力は左右各側に差動分配される。
【0045】又、噛み合いクラッチ17の連結が解除さ
れると、インナーケース9から車輪までがフリー回転状
態になると共に、2−4切り換え機構からアウターケー
ス5(中間ケース7)までの動力伝達系はエンジンの駆
動力と車輪の回転力の両方から切り離されて回転が停止
する。
【0046】このように、二輪駆動状態では、切り離し
車輪側の動力伝達系の連れ回りが防止されるから、振動
が低減して乗り心地が向上すると共に、この動力伝達系
各部の磨耗が軽減して耐久性が向上し、更に、回転抵抗
の低減分だけエンジンの負担が軽くなり、燃費が向上す
る。
【0047】こうして、デファレンシャル装置1が構成
されている。
【0048】上記のように、デファレンシャル装置1
は、アウターケース5とインナーケース9との間に中間
ケース7を設け、中間ケース7とインナーケース9との
間に噛み合いクラッチ17を設けて駆動力を断続するよ
うに構成されており、従来例のハブスリーブ215に相
当する中間ケース7がデフケース3の内部に配置されて
いる。
【0049】このように、デフケース3周辺の構造が簡
素になったから、デフキャリヤの設計がそれだけ容易で
ある。
【0050】又、中間ケース7をデフケース3の内部に
配置したことにより、従来例と異なって、デファレンシ
ャル装置1が軸方向に長くなることがなく、デフキャリ
ヤの互換性が高く保たれるから、デフキャリヤをデファ
レンシャル装置1の大型化に応じて大幅に設計変更する
必要がなくなり、コストの上昇が避けられる。
【0051】更に、中間ケース7と共に噛み合いクラッ
チ17もデフケース3の内部に配置されているから、従
来例と異なって、デファレンシャル装置の回転に伴うオ
イルの攪拌抵抗が低減され、エンジンの燃費が大幅に向
上する。
【0052】又、アウターケース5は駆動力の断続部を
有しないので中間ケース7との係合関係を保つことがで
きるだけの例えば調質(焼入れ、焼戻し)等の簡素な熱
処理を施せば良く、大型部品であるアウターケース5の
熱処理コストが低減できる。
【0053】又、アクチュエータ49の作動が停止する
とシフトスプリング19によって噛み合いクラッチ17
が連結されるように構成したから、故障モードがよく、
デファレンシャル装置1を四輪駆動車に用いて、例えア
クチュエータ49が不調になっても、車両は四輪駆動走
行が可能である。
【0054】従って、このデファレンシャル装置1と他
側のデファレンシャル装置の一方が空転しても、車両は
他方の駆動力によって走行可能であるから、悪路などか
ら脱出することができる。
【0055】これに加えて、噛み合いクラッチ17を、
中間ケース7の内周とインナーケース9の外周に設けら
れた噛み合い歯(歯幅が軸方向の)で構成したから、一
方の噛み合い歯を軸方向に移動し、元の箇所に空隙を設
ければ、噛み合い位置が噛み合い解除位置になり、噛み
合い解除位置が噛み合い位置になる。
【0056】このように、噛み合い歯の位置を変えると
いう僅かな変更によって、アクチュエータで噛み合いク
ラッチを噛み合わせるデファレンシャル装置と、アクチ
ュエータ49が停止すると噛み合いクラッチ17が噛み
合うデファレンシャル装置1との相互の変更が、極めて
低コストで可能になる。
【0057】なお、本発明において、アクチュエータ
は、実施形態のようなエアで作動するアクチュエータに
限らず、例えば、油圧アクチュエータでもよく、あるい
は、電動モータなどでもよい。
【0058】又、噛み合いクラッチはドグクラッチのよ
うに軸方向に移動し連結又は解除するタイプでも良い。
【0059】又、この発明のデファレンシャル装置は、
フロントデフ(エンジンの駆動力を左右の前輪に分配す
るデファレンシャル装置)とリヤデフ(エンジンの駆動
力を左右の後輪に分配するデファレンシャル装置)のい
ずれにも用いることができる。
【0060】
【発明の効果】請求項1記載のデファレンシャル装置
は、アウターケースとインナーケースとの間に設けた中
間ケースとインナーケースとの間に噛み合いクラッチを
設けて駆動力を断続するように構成することにより、従
来例のハブスリーブ215に相当する中間ケースをデフ
ケースの内部に配置したから、デフケース周辺の構造が
簡素になり、デフキャリヤの設計がそれだけ容易にな
る。
【0061】又、中間ケースをデフケースの内部に配置
したことにより、従来例と異なって、デファレンシャル
装置が軸方向に長くなることがなく、デフキャリヤの互
換性が保たれるから、デフキャリヤの大幅な設計変更が
必要なくなり、コストの上昇が避けられる。
【0062】更に、中間ケースと噛み合いクラッチとが
デフケースの内部に配置されているから、従来例と異な
って、デファレンシャル装置の回転に伴うオイルの攪拌
抵抗が低減され、エンジンの燃費が大幅に向上する。
【0063】又、アウターケースは駆動力の断続部を有
しないので中間ケースとの係合関係を保つことができる
だけの例えば調質(焼入れ、焼戻し)等の簡素な熱処理
を施せば良く、大型部品であるアウターケースの熱処理
コストが低減できる。
【0064】請求項2記載の発明は、請求項1の構成と
同等の効果を得る。
【0065】請求項3記載の発明は、請求項1又は請求
項2の構成と同等の効果を得ると共に、アクチュエータ
の作動が停止すると、付勢部材によって噛み合いクラッ
チが連結されるように構成したから、アクチュエータが
不調になっても、車両は四輪駆動走行が可能であり、悪
路などから脱出することができる。
【0066】請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求
項3の構成と同等の効果を得ると共に、噛み合い歯の位
置を変えるだけで、アクチュエータが停止すると噛み合
いクラッチが連結する請求項3のデファレンシャル装置
と、アクチュエータで噛み合いクラッチを連結させるデ
ファレンシャル装置との相互の変更が、極めて低コスト
で可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図であり、図2
のAーA断面図に相当する。
【図2】図1のB−B断面図である。
【図3】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 デファレンシャル装置 3 デフケース 5 アウターケース 7 中間ケース 9 インナーケース 11 スプライン部(係合部) 17 噛み合いクラッチ 19 シフトスプリング(付勢部材) 23 べべルギヤ式差動ギヤ機構(差動機構) 25 ピニオンシャフト 29 ピニオンギヤ 31、33 出力側サイドギヤ 49 アクチュエータ 59 押圧部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力によって回転するアウ
    ターケースと、その内部に配置され、係合部を介してア
    ウターケースに軸方向移動可能に連結された中間ケース
    と、その内部に相対回転自在に配置されたインナーケー
    スとからなるデフケースと、中間ケースとインナーケー
    スとの間に設けられ中間ケースの軸方向移動によって係
    脱する噛み合いクラッチと、インナーケースの回転を一
    対の出力側サイドギヤから車輪側に分配する差動機構
    と、アウターケースを貫通する押圧部材と、アウターケ
    ースの外部に配置され、この押圧部材を介して中間ケー
    スを前記噛み合いクラッチの連結方向と連結解除方向の
    一方に移動させるアクチュエータと、アクチュエータが
    停止すると中間ケースをその反対方向に移動させる付勢
    部材とを備えたことを特徴とするデファレンシャル装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明であって、差動機構
    が、インナーケースに係合したピニオンシャフトと、ピ
    ニオンシャフト上に回転自在に支承されたピニオンギヤ
    と、ピニオンギヤと噛み合った一対の出力側サイドギヤ
    とを有するベベルギヤ式の差動ギヤ機構であることを特
    徴とするデファレンシャル装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の発明であっ
    て、中間ケースが、アクチュエータによって噛み合いク
    ラッチの連結解除方向に移動操作されると共に、アクチ
    ュエータの作動が停止すると、付勢部材によって噛み合
    いクラッチの連結位置まで移動することを特徴とするデ
    ファレンシャル装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に
    記載の発明であって、噛み合いクラッチが、中間ケース
    の内周と、インナーケースの外周にそれぞれ設けられた
    軸方向の噛み合い歯からなることを特徴とするデファレ
    ンシャル装置。
JP23544096A 1996-09-05 1996-09-05 デファレンシャル装置 Pending JPH1076863A (ja)

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JP23544096A JPH1076863A (ja) 1996-09-05 1996-09-05 デファレンシャル装置

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JPH1076863A true JPH1076863A (ja) 1998-03-24

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017187135A (ja) * 2016-04-07 2017-10-12 株式会社ジェイテクト 差動装置
CN113606311A (zh) * 2021-08-03 2021-11-05 上海汽车变速器有限公司 差速器总成、混合动力总成以及汽车

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