JP3093526B2 - 4輪駆動車におけるフリーホイル装置 - Google Patents

4輪駆動車におけるフリーホイル装置

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JP3093526B2
JP3093526B2 JP05164114A JP16411493A JP3093526B2 JP 3093526 B2 JP3093526 B2 JP 3093526B2 JP 05164114 A JP05164114 A JP 05164114A JP 16411493 A JP16411493 A JP 16411493A JP 3093526 B2 JP3093526 B2 JP 3093526B2
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芳賢 坂口
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ASANO GEAR CO Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、デフ(差動装置)の
リングギヤ側と、車軸側との互いの連動を断接可能とす
る4輪駆動車におけるフリーホイル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】4輪駆動車には、従来、実開昭55‐6
104号公報で示されるものがある。
【0003】これによれば、エンジンの動力が、デフと
車軸とを介し車輪に伝達されるようになっている。
【0004】上記構成において、前後一方の車輪だけに
動力を伝達し、この車輪のみの2輪駆動をするときに
は、他方の車輪は路面を遊転状に転動するが、この他方
の車輪に連動して上記デフや、このデフに連なる推進軸
が回転すると、その分、無用な動力損失が生じることと
なる。
【0005】そこで、上記動力損失を防止するため、フ
リーホイル装置が設けられている。上記フリーホイル装
置は、その外殻を構成し車体静止側に支持されるケーシ
ングを備え、このケーシングを上記車軸が貫通し、上記
ケーシング内で、上記車軸が上記デフ側の車軸部分と、
車輪側の車軸部分とに分断され、これら各車軸部分はい
ずれも上記ケーシングに回転自在となるよう支承されて
いる。
【0006】また、上記フリーホイル装置には、上記両
車軸部分を互いに係脱自在に係合させてこれらを互いに
連動させる係合子が設けられ、かつ、上記係脱をさせる
ように上記係合子を作動させる駆動シリンダが設けら
、この駆動シリンダは上記ケーシングに支持されてい
る。
【0007】そして、前記したように方の車輪のみの
2輪駆動とするときには、上記駆動シリンダの作動によ
り上記係合子を作動させて、上記デフ側の車軸部分と、
車輪側の車軸部分とを離脱させる。すると、遊転状に転
動する車輪に連動して、デフやこれに連なる推進軸が無
用に回転することは防止され、つまり、2輪駆動におい
て、無用な動力損失が生じることが防止される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来構
成によれば、フリーホイル装置を構成する係合子と、駆
動シリンダとは互いに個別に設けられており、このた
め、各部位への上記係合子と駆動シリンダの組み付けは
個別に行われることとなって、これらの組み付けが煩雑
になっている。
【0009】また、上記従来の構成によれば、フリーホ
イル装置は、デフとは個別に設けられているため、上記
した車体静止側に対し、上記フリーホイル装置のケーシ
ングを支持させる部品が別途に必要となるなど、フリー
ホイル装置の構成部品が多くなって、その構成が複雑に
なるおそれがある。
【0010】一方、上記構成において、係合子が上記デ
フ側の車軸部分と、車輪側の車軸部分とを係合させてい
る場合で、これら両車軸部分のうちの一方から他方に大
きいトルクが与えられている場合には、上記両車軸部分
と係合子との各係合部分の摩擦力が大きくなる。このた
め、この係合を解除させようとするには、上記係合子に
対し、駆動シリンダが大きい作動出力を与えることが求
められる。
【0011】しかし、上記のように、両車軸部分のうち
の一方から他方に大きいトルクが与えられている状態で
は、その分、上記車軸等に大きいねじれが生じているた
め、この状態で、上記両車軸部分の互いの係合を突然解
除させると、上記ねじれが弾性的に元に戻る一瞬におい
て、衝撃や、衝撃音が発生することがある。
【0012】
【発明の目的】この発明は、上記のような事情に注目し
てなされたもので、4輪駆動車において、フリーホイル
装置を構成する係合子と駆動シリンダの組み付けが容易
にできるようにし、かつ、フリーホイル装置の構成が簡
単になるようにすることを目的とする。
【0013】また、走行中において、上記フリーホイル
装置により、デフ側の車軸部分と、車輪側の車軸部分と
の互いの係合を解除させるとき、衝撃や、衝撃音が発生
しないようにすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明は、次の如くである。
【0015】請求項1の発明は、デフキャリアにデフ
ケースその軸心9回りに回転自在に支承し、このデ
フケースに取り付けられエンジンからの動力を入力し
て上記デフケース7を回転させるリングギヤ14を設
け、同上デフケース内に支承された左右デフサイドギ
12,12にそれぞれ車軸13を連結し、上記リング
ギヤ14側と車軸13側とを係脱自在に係合させてこれ
らを互いに連動させる係合子24を設け、同上リングギ
ヤ14側と車軸13側とを係脱させるよう上記係合子
を作動させる駆動シリンダ26を設け、この駆動シリ
ンダ26が、シリンダチューブ27と、このシリンダチ
ューブ27内にその軸方向で往復作動自在に嵌入される
ピストン32とを備え、このピストン32に上記係合子
24を連動連結させた4輪駆動車におけるフリーホイル
装置において、
【0016】上記係合子24と駆動シリンダ26のピス
トン32とを互いに連結してこれら係合子24と駆動シ
リンダ26とを一体的なユニット(24,26)とし、
このユニット(24,26)における上記シリンダチュ
ーブ27を上記デフキャリア2の外方からこのデフキャ
リア2に着脱自在に固着し、
【0017】上記駆動シリンダ26をその軸心に沿った
視線でみて、上記シリンダチューブ27とピストン32
とがその内部に貫通孔を有する環形状となるよう上記シ
リンダチューブ27とピストン32とを形成し、上記貫
通孔を通し、上記車軸13を上記デフサイドギヤ12に
取り付けた点にある。
【0018】請求項2の発明は、請求項1の発明に加え
て、上記ピストン32の往復作動のうち、作動出力が小
さい方の作動により上記係合子24を介し上記リングギ
14側と車軸13側とを離脱させるようにした点にあ
る。
【0019】
【作 用】上記構成による作用は次の如くである
【0020】合子24と駆動シリンダ26の組み付け
に際しては、これらを予め組み付けてユニット(24,
26)とし、このユニットをデフキャリア2に組み付け
ればよい。
【0021】また、上記の場合、ユニットは、デフキャ
リア2の外方からこのデフキャリア2に固着させるよう
になっている。
【0022】このため、上記ユニットをデフキャリア2
の内部に取り付けることに比べ、上記ユニットの組み付
け作業時、この作業がデフキャリア2に邪魔されること
は抑制される。
【0023】しかも、上記ユニットは、上記デフキャリ
ア2に固着されて、車体静止側に支持されることから、
この車体静止側に上記ユニットを支持させるための部品
に上記デフキャリア2が利用されている。
【0024】また、上記駆動シリンダ26をその軸心に
沿った視線でみて、上記シリンダチューブ27とピスト
ン32とがその内部に貫通孔を有する環形状となるよう
上記シリンダチューブ27とピストン32とを形成し、
上記貫通孔を通し、上記車軸13を上記デフサイドギヤ
12に取り付けてある。
【0025】このため、上記駆動シリンダ26の全体が
上記車軸13の外側方に配設されることに比べて、これ
ら車軸13と駆動シリンダ26との組み合せ体(13,
26)の外形がコンパクトとなる。
【0026】しかも、上記駆動シリンダ26は上記車軸
13を内嵌させる環形状をなすため、これらの組み合せ
体(13,26)をコンパクトに保ったままで、上記駆
動シ リンダ26の横断面積を大きくでき、つまり、この
駆動シリンダ26の作動用の流体と対向する受圧面積を
大きくできる。
【0027】また、上記構成において、請求項2は、
記ピストン32の往復作動のうち、作動出力が小さい方
の作動により、上記係合子24を介し上記リングギヤ1
4側と車軸13側とを離脱させるようにしてある。
【0028】即ち、リングギヤ14側と車軸13側とを
離脱させようとして、係合子24を作動させる(図1中
左方)駆動シリンダ26の作動出力は、係合させようと
して、同上係合子24を作動させる(図1中右方)駆動
シリンダ26の作動出力に比べて小さくされている。
【0029】このため、係合子24によって係合させら
れているリングギヤ14側と車軸13側のうちの一方か
ら他方に大きいトルクが与えられていて、これらの各係
合部の摩擦力が大きい間は、上記駆動シリンダ26の作
動出力が上記摩擦力に負ける傾向となって、上記係合の
解除が待機させられることとなる。
【0030】そして、自動車の走行状態の変化により、
上記トルクが小さくなって上記摩擦力が上記駆動シリン
ダ26の作動出力よりも小さくなれば、この駆動シリン
ダ26によって作動させられた上記係合子24が上記係
合を解除させる。
【0031】よって、リングギヤ14側と車軸13側と
の係合の解除は、これらのうちの一方から他方に与える
トルクが小さくなったときに始めて行われる。
【0032】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面により説明す
る。
【0033】(実施例1)
【0034】図1は実施例1を示している。
【0035】図において、符号1は4輪駆動の自動車に
搭載されるフロントデフで、図中矢印Frは自動車の前
方を示している。また、下記する左右とは上記前方に向
っての方向(図1に向っての方向)をいうものとする。
【0036】上記デフ1は車体静止側に支持されるデフ
キャリア2を有している。このデフキャリア2は鋳造製
のデフキャリア本体3と、このデフキャリア本体3の前
面に形成された開口4を開閉自在に閉じるデフキャリア
カバー5とで構成されている。
【0037】上記デフキャリア2内にはデフケース7が
収容されている。このデフケース7は、左右軸受8,8
を介して上記デフキャリア2に対し支承され、左右に延
びる横向き軸心9回りに回転自在とされている。上記デ
フケース7にはデフピニオン軸10、デフピニオン1
1、およびデフサイドギヤ12が支承され、各デフサイ
ドギヤ12はこれに対応する左右車輪にそれぞれ車軸1
3を介し連結されている。これら車軸13は、上記各
デフサイドギヤ12側の端部を構成してこれら各デフサ
イドギヤ12に直接的に連結されるデフサイド軸12a
を備え、これら各デフサイド軸12aはデフキャリア本
体3の左右側壁に形成された円形の開口3aを貫通して
いる。また、上記軸心9上で、上記車軸13に車軸管1
3aが外嵌されている。
【0038】上記軸心9上で、デフケース7にリングギ
ヤ14が取り付けられている。また、上記デフキャリア
本体3内の後部には前後一対の軸受15によりドライブ
ギヤ16がその軸心回りに回転自在に支承され、このド
ライブギヤ16は上記リングギヤ14に噛合している。
【0039】そして、エンジンからの動力がトランスフ
ァ、および上記ドライブギヤ16を介してリングギヤ1
4に伝えられると、このリングギヤ14とデフケース7
とが上記軸心9回りに一体的に回転し、これにより、上
記左右デフサイド軸12a,12a、および車軸13,
13を介し、左右各車輪に互いに等しい駆動トルクが与
えられて、自動車が前後4輪にて前進走行可能となる。
【0040】上記構成において、リングギヤ14側と車
軸13側とを係脱自在に係合させるフリーホイル装置1
9が設けられている。以下、これにつき説明する。
【0041】上記デフケース7は、前記軸受8,8によ
りデフキャリア2に直接的に支承されるアウタケース2
0と、このアウタケース20内に収容されこのアウタケ
ース20に上記軸心9回りに回転自在に支承されるイン
ナケース21とで構成され、このインナケース21内に
前記デフピニオン軸10、デフピニオン11、およびデ
フサイドギヤ12が支承されている。
【0042】上記アウタケース20とインナケース21
の各右側壁は上記軸心9上で二重管式に右側方に延出
し、上記アウタケース20の延出部の外周面に第1スプ
ライン20aが形成されている。一方、上記インナケー
ス21の延出部の外周面に第2スプライン21aが形成
され、この第2スプライン21aにはリング22がスプ
ライン嵌合して固着され、このリング22の外周面に第
3スプライン22aが形成されている。
【0043】上記第1スプライン20aと第3スプライ
ン22aとは同形同大であり、上記軸心9上でこれら第
1スプライン20aと第3スプライン22aとに係合子
24がスプライン嵌合している。図中実線は、上記係合
子24がリングギヤ14側たる第1スプライン20a
と、車軸13側たる第3スプライン22aとを係合させ
た状態を示している。
【0044】上記係合子24を、図中仮想線で示すよう
に左方に移動させれば、この係合子24は第1スプライ
ン20aにだけスプライン嵌合して、上記第1スプライ
ン20aと第3スプライン22aとは離脱させられる。
つまり、これにより、リングギヤ14側と車軸13側と
の係合が解除させられて、互いに離脱させられる。
【0045】上記第1スプライン20aと第3スプライ
ン22aとを係脱させるよう上記係合子24を左右に作
動させる空気圧式の駆動シリンダ26が設けられてい
る。
【0046】上記駆動シリンダ26はシリンダチューブ
27を有している。このシリンダチューブ27のチュー
ブ本体28は円筒形をなし、その左側部がデフキャリア
本体3に形成された右側の開口3aに嵌入されている。
また、同上チューブ本体28の右側には環状のチューブ
カバー29が設けられ、これらチューブ本体28とチュ
ーブカバー29とは図示しないボルトによって互いに連
結されると共に、ボルト30によってデフキャリア本体
3に共締め状に固着されている。
【0047】上記シリンダチューブ27とチューブ本体
28との間にシリンダ孔31が形成され、このシリンダ
孔31にピストン32が軸心9に沿って往復摺動自在に
嵌入されている。上記シリンダ孔31は上記ピストン3
2によって左室31aと右室31bとに仕切られてい
る。
【0048】上記ピストン32には円筒状のピストンロ
ッド33が突設され、このピストンロッド33はピスト
ン32から左側方に向って突出し、その突出端側内面に
前記係合子24が嵌入されている。この係合子24は、
スナップリング34によってピストンロッド33に対し
その軸方向に係止されて、上記ピストン32に連動連結
されると共に、上記ピストンロッド33に対し、上記軸
心9回りに回転自在とされている。
【0049】その他、35は回り止めピンで、この回り
止めピン35はピストン32が軸心9回りに回転するこ
とを防止する。
【0050】上記構成において、係合子24と、駆動シ
リンダ26のピストンロッド33を介しピストン32
互いに連結されて、これら係合子24と駆動シリンダ
26 とは体的なユニット(24,26)とされてお
り、予め組み立てられたこのユニットにおけるシリンダ
チューブ27が上記デフキャリア2デフキャリア本体
の外方から、このデフキャリア本体3に対し、ボルト
30により着脱自在に固着されて組み付けられている。
【0051】上記駆動シリンダ26をその軸心に沿った
視線でみたとき、上記シリンダチューブ27とピストン
32とがその内部に貫通孔を有する環形状となるよう、
上記シリンダチューブ27とピストン32とが形成され
ている。
【0052】上記ユニットを組み付けるときには、上記
デフサイドギヤ12に対する車軸13の取り付けの前
に、まず、上記ユニットをデフキャリア本体3に組み付
け、その後、上記貫通孔を通しデフサイドギヤ12に対
車軸13を取り付け、次に車軸管13aを上記駆動
シリンダ26のチューブカバー29に組み付ける。
【0053】上記駆動シリンダ26は制御弁を介しエン
ジンの吸気側に連結されている。そして、4輪駆動のと
きには、上記制御弁を介し上記右室31bに上記吸気側
の負圧が与えられ、一方、左室31aが大気開放され
る。すると、図中実線で示すようにピストン32が右方
に移動し、これに伴い係合子24も右方に移動して、第
1スプライン20aと第3スプライン22aとを係合さ
せる。この場合には、ドライブギヤ16の動力は上記デ
フ1、および各車軸13,13を介し、前車輪に伝えら
れる。
【0054】後車輪のみの2輪駆動とするときには、同
上制御弁を介し、上記左室31aに吸気側の負圧が与え
られ、一方、右室31bが大気開放される。すると、図
中仮想線で示すようにピストン32が左方に移動し、こ
れに伴い係合子24も左方に移動して第1スプライン2
0aと第3スプライン22aとの係合が解除され、つま
り、リングギヤ14側と車軸13側とが離脱させられ
る。
【0055】よって、上記2輪駆動で、前車輪が路面を
遊転状に転動するとき、この前車輪にリングギヤ14側
である第1スプライン20aからトランスファ側に至る
アウタケース20やリングギヤ14が連動して回転する
ことが防止され、無用な動力損失の発生が防止される。
【0056】上記の場合、左室31aの断面積は、これ
にピストンロッド33が入り込んでいる分、右室31b
の断面積に比べて小さくなっている。
【0057】このため、リングギヤ14側と車軸13側
とを離脱させるように、係合子24を作動させる(図1
中左方)駆動シリンダ26の作動出力は、係合させよう
とするように、同上係合子24を作動させる(図1中右
方)駆動シリンダ26の作動出力に比べて小さくなる。
【0058】よって、係合子24によって係合させられ
ているリングギヤ14側と車軸13側のうちの一方から
他方に大きいトルクが与えられていて、これらの各係合
部の摩擦力が大きい間は、上記駆動シリンダ26の作動
出力が上記摩擦力に負ける傾向となって、上記係合の解
除が待機させられることとなる。
【0059】そして、自動車の走行状態の変化により、
上記トルクが小さくなって上記摩擦力が上記駆動シリン
ダ26の作動出力よりも小さくなれば、この駆動シリン
ダ26によって作動させられた上記係合子24が上記係
合を解除させる。
【0060】この結果、リングギヤ14側と車軸13側
との係合の解除は、これらのうちの一方から他方に与え
るトルクが小さくなったときに始めて行われるため、こ
の際の車軸13等のねじれも小さいことから、上記係合
の解除でこのねじれが弾性的に元に戻ることにより、衝
撃や、衝撃音が発生するということは防止される。
【0061】なお、以上は図示の例によるが、駆動シリ
ンダ26の作動は、負圧によらずに正圧によってもよ
い。
【0062】(実施例2)
【0063】図2は、実施例2を示している。
【0064】これによれば、図中仮想線で示すように、
ピストン32が左方に移動したとき、これに伴い係合子
24も左方に移動して、第1スプライン20aと第3ス
プライン22aとが係合させられる。
【0065】一方、図中実線で示すように、ピストン3
2が右方に移動したとき、これに伴い、係合子24も右
方に移動して、第1スプライン20aと第3スプライン
22aとの係合が解除される。
【0066】他の構成や作用は、前記実施例1と同様で
ある。よって、共通の構成には図面に共通の符号を付し
てその説明を省略する。
【0067】(実施例3)
【0068】図3は、実施例3を示している。
【0069】これによれば、実施例1で示したアウタケ
ース20とインナケース21とが一体成形されている。
【0070】右側のデフサイド軸12aの右端に第1ス
プライン20aが形成され、これに対応する車軸13の
左端に第3スプライン22aが形成されている。
【0071】他の構成や作用は、前記実施例1と同様で
ある。よって、共通の構成には図面に共通の符号を付し
てその説明を省略する。
【0072】
【発明の効果】この発明による効果は、次の如くであ
る。
【0073】請求項1の発明は、デフキャリアにデフケ
ースをその軸心回りに回転自在に支承し、このデフケー
スに取り付けられエンジンからの動力を入力して上記デ
フケース7を回転させるリングギヤを設け、同上デフケ
ース内に支承された左右デフサイドギヤにそれぞれ車軸
を連結し、上記リングギヤ側と車軸側とを係脱自在に係
合させてこれらを互いに連動させる係合子を設け、同上
リングギヤ側と車軸側とを係脱させるよう上記係合子を
作動させる駆動シリンダを設け、この駆動シリンダが、
シリンダチューブと、このシリンダチューブ内にその軸
方向で往復作動自在に嵌入されるピストンとを備え、こ
のピストンに上記係合子を連動連結させた4輪駆動車に
おけるフリーホイル装置において、
【0074】上記係合子と駆動シリンダのピストンとを
互いに連結してこれら係合子と駆動シリンダとを一体的
なユニットとし、このユニットにおける上記シリンダチ
ューブを上記デフキャリアの外方からこのデフキャリア
に着脱自在に固着してある。
【0075】このため、係合子と駆動シリンダの組み付
けに際しては、これらを予め組み付けてユニットとし、
このユニットをデフキャリアに組み付ければよい。よっ
て、従来、係合子と駆動シリンダとを個別に設けて、こ
れらを各部位に個々に組み付けていたことに比べて、本
発明によれば、上記組み付け作業が容易にできることと
なる。
【0076】また、上記の場合、ユニットは、デフキャ
リアの外方からこのデフキャリアに固着させるようにな
っている。
【0077】このため、上記ユニットをデフキャリアの
内部に取り付けることに比べ、上記ユニットの組み付け
作業時、この作業がデフキャリアに邪魔されることは抑
制され、よって、上記組み付け作業は更に容易にでき
る。
【0078】また、上記ユニットのうち、特に、駆動シ
リンダに対する保守、点検作業が上記デフキャリアに邪
魔されずにできて有益である。
【0079】しかも、上記ユニットは、上記デフキャリ
アに固着されて、車体静止側に支持されることから、こ
の車体静止側に上記ユニットを支持させるための部品に
上記デフキャリアが利用されたのであり、その分、上記
フリーホイル装置の構成が簡単になる。
【0080】また、上記駆動シリンダをその軸心に沿っ
た視線でみて、上記シリンダチューブとピストンとがそ
の内部に貫通孔を有する環形状となるよう上記シリンダ
チューブとピストンとを形成し、上記貫通孔を通し、上
記車軸を上記デフサイドギヤに取り付けてある。
【0081】このため、上記駆動シリンダの全体が上記
車軸の外側方に配設されることに比べて、これら車軸と
駆動シリンダとの組み合せ体の外形がコンパクトとな
り、これは、通常、限られた狭い空間しか有しない車両
にとって好ましい。
【0082】しかも、上記駆動シリンダは上記車軸を内
嵌させる環形状をなすため、これらの組み合せ体をコン
パクトに保ったままで、上記駆動シリンダの横断面積を
大きくでき、つまり、この駆動シリンダの作動用の流体
と対向する受圧面積を大きくできて、ピストンへの作動
力を十分に確保できる。
【0083】また、上記構成において、請求項2の発明
は、上記ピストンの往復作動のうち、作動出力が小さい
方の作動により、上記係合子を介し上記リングギヤ側と
車軸側とを離脱させるようにしてある。
【0084】即ち、リングギヤ側と車軸側とを離脱させ
ようとして、係合子を作動させる駆動シリンダの作動出
力は、係合させようとして、同上係合子を作動させる駆
動シリンダの作動出力に比べて小さくされている。
【0085】このため、係合子によって係合させられて
いるリングギヤ側と車軸側のうちの一方から他方に大き
いトルクが与えられていて、これらの各係合部の摩擦力
が大きい間は、上記駆動シリンダの作動出力が上記摩擦
力に負ける傾向となって、上記係合の解除が待機させら
れることとなる。
【0086】そして、自動車の走行状態の変化により、
上記トルクが小さくなって上記摩擦力が上記駆動シリン
ダの作動出力よりも小さくなれば、この駆動シリンダに
よって作動させられた係合子が上記係合を解除させる。
【0087】よって、リングギヤ側と車軸側との係合の
解除は、これらのうちの一方から他方に与えるトルクが
小さくなったときに始めて行われるため、この際の車軸
のねじれも小さいことから、上記係合の解除でこのねじ
れが弾性的に元に戻ることにより、衝撃や、衝撃音が発
生するということは防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で、全体平面断面図である。
【図2】実施例2で、部分平面断面図である。
【図3】実施例3で、全体平面断面図である。
【符号の説明】
1 デフ 2 デフキャリア 7 デフケース 8 軸受 9 軸心 12 デフサイドギヤ 13 車軸 14 リングギヤ 19 フリーホイル装置 20a 第1スプライン(リングギヤ側) 22a 第3スプライン(車軸側) 24 係合子 26 駆動シリンダ 27 シリンダチューブ 31a 左室 31b 右室 32 ピストン 33 ピストンロッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭60−96127(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 17/00 - 17/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デフキャリアにデフケースをその軸心回
    りに回転自在に支承し、このデフケースに取り付けられ
    エンジンからの動力を入力して上記デフケースを回転
    させるリングギヤを設け、同上デフケース内に支承され
    た左右デフサイドギヤにそれぞれ車軸を連結し、上記リ
    ングギヤ側と車軸側とを係脱自在に係合させてこれらを
    互いに連動させる係合子を設け、同上リングギヤ側と車
    軸側とを係脱させるよう上記係合子を作動させる駆動シ
    リンダを設け、この駆動シリンダが、シリンダチューブ
    と、このシリンダチューブ内にその軸方向で往復作動自
    在に嵌入されるピストンとを備え、このピストンに上記
    係合子を連動連結させた4輪駆動車におけるフリーホイ
    ル装置において、 上記係合子と駆動シリンダのピストンとを互いに連結し
    これら係合子と駆動シリンダとを体的なユニットと
    し、このユニットにおける上記シリンダチューブを上記
    デフキャリアの外方からこのデフキャリアに着脱自在
    固着し、 上記駆動シリンダをその軸心に沿った視線でみて、上記
    シリンダチューブとピストンとがその内部に貫通孔を有
    する環形状となるよう上記シリンダチューブとピストン
    とを形成し、上記貫通孔を通し、上記車軸を上記デフサ
    イドギヤに取り付け た4輪駆動車におけるフリーホイル
    装置。
  2. 【請求項2】 記ピストンの往復作動のうち、作動出
    力が小さい方の作動により上記係合子を介し上記リング
    ギヤ側と車軸側とを離脱させるようにした請求項1に記
    載の4輪駆動車におけるフリーホイル装置。
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