JP4464512B2 - 作業車両の変速装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクタ等の作業車両の変速装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トラクタ等の作業車両において、エンジンからの出力を断接するメインクラッチや、主変速装置、副変速装置、及び、PTOクラッチ、PTO変速装置等をミッションケース内に収容することにより変速装置を構成したものが公知である。このような変速装置においては、メインクラッチ等は湿式クラッチが用いられる場合があり、ミッションケース内の作動油により潤滑する構成としていた。また、メインクラッチを介して動力が伝達されるメインシャフトや、その他の軸はミッションケースに一体的に形成された軸受部で支持する構成としていた。また、副変速装置の副変速軸と一体回転するスプラインカラーには、シフトスライダと嵌合させるためのスプラインが形成されており、このスプライン断面形状は、副変速1速ギヤ側、副変速2速ギヤ側共に、段差形状を持たせることで、各変速位置でシフトスライダが確実に係止されるよう構成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来構成においては、メインクラッチの潤滑が充分でない場合があり、また、積極的に潤滑させるために別の作動油供給の回路や機構を設けることはコスト上の問題がある。また、上記従来構成においては、各軸がミッションケースに形成された軸受部により軸支されているため、メンテナンス時には、それぞれの軸を別々に取出す必要があり作業が面倒であった。また、組立て作業も煩雑であった。さらに、スプラインカラーのスプライン断面形状を、両側に段差形状を持たせる構成としている場合、副変速1速の変速位置でトルクの閉じ込みが発生し、シフト切換えが行い難いという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に課題を解決するための手段について説明する。
【0005】
請求項1においては、エンジン出力軸(22)より、メインクラッチ(2)を介して変速装置内のメインシャフト(23)に動力が伝達される構成であって、該エンジン出力軸(22)の外周には、同一軸芯上で回転する第一パイプ軸(23)を設け、該エンジン出力軸(22)と第一パイプ軸(23)との間に、前記メインクラッチ(2)を介装し、該メインクラッチ(2)は湿式多板式のクラッチとし、該エンジン出力軸(22)と一体回転する駆動プレート(2a)と、該第一パイプ軸(23)と一体的に回転するクラッチセンタ(2b)と、クラッチレリーズ(2c)等より構成し、該クラッチレリーズ(2c)を前記第一パイプ軸(23)上で摺動移動させることによりメインクラッチ(2)を断接し、該メインクラッチ(2)を接続状態にした際には、該クラッチセンタ(2b)及びクラッチレリーズ(2c)が駆動プレート(2a)と接続回転し、前記エンジン出力軸(22)の回転駆動力が第一パイプ軸(23)に伝達される構成とし、該第一パイプ軸(23)のメインクラッチ(2)より後方上に、シンクロメッシュ式のリバーサクラッチ(3)を設け、該メインクラッチ(2)をクラッチケース(20)内に収納し、該クラッチケース(20)には、前記第一パイプ軸(23)と、該リバーサクラッチ(3)を構成する第一アイドル軸(33)と第二アイドル軸(35)の各シャフトの軸受部を形成し、該クラッチケース(20)をミッションケース(1)に装着する構成としたものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載の作業車両の変速装置において、該クラッチレリーズ(2c)の外周部をクラッチセンタ(2b)側へ延設させ、パワーステアリング機構のドレン油を、エンジン出力軸(22)内の油路(22r)より、吐出油路(22a・22b・22c)を介して、メインクラッチ(2)とリバーサクラッチ(3)の内側から供給し、強制潤滑する構成としたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を添付の図面を用いて説明する。
【0008】
図1は本発明に係る変速装置(前端側)の第一断面図、図2は本発明に係る変速装置の第二断面図である。
【0009】
図3は本発明に係る変速装置(後端側)の第三断面図、図4はシンクロメッシュ式リバーサクラッチの断面図、図5はメインクラッチの要部拡大断面図である。
【0010】
図6はスプラインカラーのスプライン断面形状を示す図、図7は逆転ギヤが嵌装されるアイドル軸にPTOのシフトフォークを支持した実施例図である。
【0011】
まず、図1、図2、及び図3を用いて変速装置の全体概略構成について説明する。変速装置は全体をミッションケース1に収容される構成としており、図1に示す第一断面図は変速装置の前端側を示す。(以下の説明において図1乃至図3の左側を変速装置の前方とする。)図2は図1で示した第一断面図の後部側に続く第二断面図を示し、図3は図2で示した第二断面図の後部側に続く第三断面図、即ち、変速装置の後端側を示す断面図である。
【0012】
第一断面図では、変速装置に設けられたメインクラッチ2、リバーサクラッチ3等を示しており、第二断面図では、変速装置に設けられた主変速装置4、クリープ変速装置5、副変速装置6、前輪増速クラッチ7等を示している。また、第三断面図では、PTO駆動伝達部8を示している。このように構成された変速装置において、エンジン(図示せぬ)からの出力がメインクラッチ2で断接され、リバーサクラッチ3において正逆回転(前後進)の切換えが行われた後、主変速装置4、クリープ変速装置5、副変速装置6で変速され、変速後のエンジン出力がリアアクスルケース10内へ伝達され後輪を駆動する。また、副変速された後のエンジン出力が前輪増速クラッチ7を介してフロントアクスルケース(図示せぬ)内へ伝達され、前輪を駆動(4WD)や、前輪増速駆動を行うよう構成している。また、エンジン出力は変速装置内を後部側に伝達され、ミッションケース1の後端に設けられたPTO軸84より外部に取出される。
【0013】
次に、本発明に係る変速装置の詳細な構成について説明する。図1に示すように、図示せぬエンジンの回転出力がエンジン出力軸22より、ミッションケース1内に入力される。エンジン出力軸22の外周には、該エンジン出力軸22と同一軸芯上で回転するメインシャフトである第一パイプ軸23が設けられ、該エンジン出力軸22と第一パイプ軸23間には、メインクラッチ2が設けられている。メインクラッチ2は湿式多板式のクラッチであり、エンジン出力軸22と一体回転する駆動プレート2aと、第一パイプ軸23と一体的に回転するクラッチセンタ2bとクラッチレリーズ2c等より構成されており、該クラッチレリーズ2cを第一パイプ軸23上で摺動移動させることによりメインクラッチ2が断接される。そしてメインクラッチ2を接続状態にした際には、該クラッチセンタ2b及びクラッチレリーズ2cが駆動プレート2aと接続回転し、エンジン出力軸22の回転駆動力が第一パイプ軸23に伝達される。
【0014】
また、第一パイプ軸23上には、前記メインクラッチ2の後方にリバーサクラッチ3が設けられている。図4に示すように、リバーサクラッチ3はシンクロメッシュ式のクラッチであり、シンクロナイザスリーブ3bを移動させることにより、シンクロナイザリング3c・3cを、後進ギヤ31若しくは前進ギヤ32側に徐々に押し付ける。そして、シンクロナイザリング3cが何れかのギヤに嵌合することで、第一パイプ軸23上で一体回転するシンクロナイザハブ3aの回転出力が、後進ギヤ31若しくは前進ギヤ32に択一的に伝達される。
【0015】
また、図1に示すように第一パイプ軸23とは略平行に第一アイドル軸33及び第二アイドル軸35が設けられており、該第一アイドル軸33と一体回転する逆転ギヤ34が前記後進ギヤ31に噛合している。また、第二アイドル軸35には該第二アイドル軸35と一体回転する2つのギヤ36・37が設けられており、該ギヤ36が逆転ギヤ34に噛合しており、ギヤ37が前記前進ギヤ32に噛合している。このような構成とすることにより、シンクロナイザスリーブ3bを後進ギヤ31側に操作することにより、シンクロナイザハブ3aの回転出力は、後進ギヤ31から、逆転ギヤ34、ギヤ36・37を介して回転方向が逆転された後、前進ギヤ32に伝達される。一方、シンクロナイザスリーブ3bを前進ギヤ32側に操作することにより、第一パイプ軸23の回転出力が同一方向のまま前進ギヤ32に伝達される。
【0016】
このように本発明の変速装置においては、メインクラッチ2を介してエンジン出力が入力される第一パイプ軸(メインシャフト)23に、シンクロメッシュ式のリバーサクラッチ3を設ける構成としたので、前後進切換時のショックを緩和することが可能となり、また、変速装置をコンパクトな構成とすることが可能となった。
【0017】
また、前記エンジン出力軸22の軸内部には、軸方向に油路22rが形成されており、該油路22rはエンジン出力軸22の後端近くまで延設している。そして、図示せぬパワーステアリング機構のドレン油が、図4に示す該油路22rの後端部分に設けられた油路24を介して油路22r内に流入するように構成している。(この作動油の流路を矢視Aで示す。)一方、エンジン出力軸22には、図4及び図5に示すように油路22rから分岐する3つの油路22a・22b・22cが形成されており、該油路22a・22b・22cにより、油路22rと軸外部とが連通している。このような構成において、パワースステアリング機構のドレン油が、油路22r→油路22aを介して前記メインクラッチ2に供給され、メインクラッチ2を強制潤滑する構成とし、また、ドレン油が油路22r→油路22b・23cを介して前記リバーサクラッチ3に供給され、リバーサクラッチ3を強制潤滑する構成としている。このように本発明においては、パワーステアリング機構のドレン油により、前記メインクラッチ2及びリバーサクラッチ3を強制潤滑する構成としたので、各部の潤滑を効率かつ確実に行うことが可能な構成となった。また、既存設備であるパワーステアリング機構の油圧回路から作動油を供給する構成としているので、新たな構成部品等を必要とせず、低コストでクラッチの潤滑を確実に行える構成となった。
【0018】
上述したようにパワーステアリング機構のドレン油によりメインクラッチ2は潤滑される構成としているが、メインクラッチ2が接続状態となっている際には、前記クラッチレリーズ2cとクラッチセンタ2b間の間隔が広くなっているため、この隙間空間2dより、潤滑油をミッションケース内に逃してしまうという問題がある。そこで、本発明においては図5に示すように、クラッチレリーズ2cの外周部を屈曲させてクラッチセンタ2b側に延設させる構成としている。このような構成としたことで、メインクラッチ2の内部に作動油が充分滞留し、クラッチセンタ2b側に効率良く潤滑油を供給することが可能となり、メインクラッチ2の潤滑が充分に行われ信頼性と耐久性の向上が図れた。
【0019】
図1に示すようにミッションケース1内において、メインクラッチ2はクラッチケース20に覆われており、該クラッチケース20の前部側をクラッチカバー21で被装することで、メインクラッチ2を収容する構成としている。そして、本発明においては、該クラッチケース20に軸受部を設け、前記第一パイプ軸(メインシャフト)23、及び第一・第二アイドル軸33・35を軸支する構成とし(尚、図1は展開図のため第一アイドル軸33の位置がずれているが、実際には、クラッチケース20で軸受けされている。)、このように構成されたクラッチケース20をミッションケース1にボルト等により装着固定する構成としている。
【0020】
このような構成とすることで、クラッチケース20を取り外すことで、メインシャフト22や、アイドル軸等の各シャフトを一体的に取り外すことが可能な構成となり、メンテナンス性に優れた構成となった。また、組立て時には、クラッチケース20、メインクラッチ2、第一パイプ軸23を一体として扱えるので、組付けが容易な構成となった。
【0021】
前記エンジン出力軸22の後端は、連結軸42に連結されており、該連結軸42の外周には第二パイプ軸43が設けられている。そして、前記前進ギヤ32の後端が、該第二パイプ軸43の前端部分にスプライン嵌合しており、前記リバーサクラッチ3の操作により正逆転(前後進)されて前進ギヤ32に伝達された回転出力が第二パイプ軸43に伝達される。尚、連結軸42はエンジン出力軸22と一体回転する。
【0022】
図2に示すように、第二パイプ軸43には径の異なる4つのギヤ43a・b・c・dが設けられている。また、該第二パイプ軸43と略平行に主変速軸44が設けられており、該主変速軸44に遊嵌された主変1速ギヤ44a、主変2速ギヤ44b、主変3速ギヤ44c、主変4速ギヤ44dが、それぞれ前記ギヤ43a・b・c・dに噛合して異なる回転数で回転している。そして、主変速軸44には、シフトスライダ45・46等よりなる主変速装置4が設けられており、図示せぬシフトフォークを操作して、該シフトスライダ45・46を摺動移動させることにより、主変速ギヤ44a・44b・44c・44dのうち何れかのギヤの回転出力が主変速軸44に伝達されるよう構成している。
【0023】
また、主変速軸44の後端にはギヤ47が相対回転不能に設けられており、該ギヤ47がクリープ入力ギヤ52に噛合している。クリープ入力ギヤ52は、主変速軸44に略平行に設けられたクリープ軸51に相対回転不能に設けられており、該クリープ軸51の後端には、クリープ出力ギヤ53が刻設されている。また、前記主変速軸44の後端には、相対回転自在にクリープ出力軸54が連結されており、該クリープ出力軸54には相対回転不能且つ、該クリープ出力軸54の軸方向に摺動自在にスライドギヤ55が設けられている。
【0024】
以上の構成において、スライドギヤ55を前方側(図2に示す左側)にスライドさせ、前記主変速軸44後端のギヤ47に嵌合させた場合には、主変速軸44の回転出力が直接クリープ出力軸54に伝達される。一方、スライドギヤ55を後方側(図2に示す右側)にスライドさせた場合には、該スライドギヤ55がクリープ出力ギヤ53と噛合することとなる。これにより、主変速軸44の回転出力は、ギヤ47、クリープ入力軸52、クリープ出力軸53、スライドギヤ55を介して減速された後、クリープ出力軸54に伝達されるのである。
【0025】
クリープ出力軸54の後端には、伝達軸61が連結され、クリープ出力軸54の回転出力が、そのまま伝達軸61に伝達される。伝達軸61には、径の異なる3つのギヤ61a・61b・61cが設けられ、該伝達軸61と一体回転している。また、伝達軸61には略平行に副変速軸62が設けられており、該副変速軸62に遊嵌された副変1速ギヤ62a、副変2速ギヤ62b、副変3速ギヤ62cが、それぞれギヤ61a・61b・61cに噛合して、異なる回転数で回転している。また、該副変速軸62にはシフトスライダ63・64等からなる副変速装置6が設けられており、図示せぬシフトフォークを操作して該シフトスライダ63・64を摺動移動させることにより、副変速ギヤ62a・62b・62cのうち何れかのギヤの回転出力が副変速軸62に伝達されるのである。
【0026】
ここで、上記副変速装置6の詳細な構成について説明する。図2及び図6に示すように、前記副変速1速ギヤ62aと副変速2速ギヤ62bの間には、副変速軸62に相対回転不能にスプラインカラー68が設けられている。スプラインカラー68は、円筒形状の部材で副変速軸62の外周上に挿嵌され、該スプラインカラー68の外周面には、スプライン68aが刻設されている。そして、該スプラインカラー68の外周にはシフトスライダ63が設けられ、該シフトスライダ63内周のスプライン63aと、スプラインカラー68外周のスプライン68aが嵌合し、シフトスライダ63がスプラインカラー68上で相対回転不能、軸方向摺動自在に支持される構成となっている。
【0027】
このような構成において、副変速装置6における1速及び2速の切換え操作は、該スプラインカラー68に嵌合されているシフトスライダ63を、副変速軸62の軸方向にスライド移動させることで、該シフトスライダ63が副変速1・2速ギヤ62a・62bの何れかのギヤに嵌合することで変速されるが、この時、各変速位置でシフトスライダ63が係止され、確実に変速位置を維持するように構成する必要がある。
【0028】
そして、本発明においては、図6に示すようにスプライン68aの断面形状を、副変速1速ギヤ62a側をテーパ形状とし、副変速2速ギヤ62b側を段差形状としている。このような構成とすることで、副変速1速及び2速のギヤ抜けを防止できる構成でありながら、副変速1速の変速位置から副変速2速の変速位置への切換えがテーパ形状のスプライン68aを通過すればよいので、比較的切換え抵抗が小さく、副変速1速の変速位置の状態でトルクの閉じ込みを防止することができるので、副変速1速の変速位置からシフト切換えが行い難いといった問題を解消して、操作性に優れた構造となった。なお、本発明に係る上記スプライン68aの形状は、本実施例においては、副変速装置6において説明したが、同様に主変速装置において適用することも可能であり、同様の効果を奏するものである。
【0029】
このようにして、主変速装置4、クリープ変速装置5、副変速装置6を介して変速されたエンジン出力が副変速軸62後端に設けられたベベルギヤ67より、リアアクスルケース10へ入力され、後輪を駆動する。
【0030】
前記副変速軸62の前端には、前輪出力ギヤ65・66が設けられている。また、副変速軸62とは略平行に前輪伝達軸71が設けられており、該前輪伝達軸71に遊嵌されたギヤ72・73が、それぞれ前輪出力ギヤ65・66に噛合し、異なる回転数で回転している。そして、該前輪伝達軸71には、油圧式の前輪増速クラッチ7が設けられており、該前輪増速クラッチ7の操作により、ギヤ72・73のうち何れか一方の回転出力が前輪伝達軸71に伝達される。そして、ギヤ65・ギヤ72を介して動力が伝達された場合には、前輪伝達軸71の回転出力が図示せぬ軸、ギヤ等を介してフロントアクスルケース内に取込まれ、前輪増速走行を可能とする。
【0031】
また、前記エンジン出力軸22に連結された連結軸42は、ミッションケース1内を後方に延設しており、該連結軸42はPTOクラッチ80を介してPTO伝達軸81に連結している。PTO伝達軸81は図3に示すように、径の異なる3つのギヤ81a・81b・81cが相対回転不能に設けられている。
【0032】
また、該PTO伝達軸81と略平行にPTO変速軸82が設けられ、該PTO変速軸82に遊嵌されたPTO1速ギヤ82a、PTO2速ギヤ82b、PTO3速ギヤ82cが、それぞれギヤ81a・81b・81cに噛合して異なる回転数で回転している。そして、該PTO変速軸82にはシフトスライダ86等より構成されるPTO変速装置87が設けられており、該シフトスライダ86を摺動移動させることにより、PTO変速ギヤ82a・82b・82cのうち何れかのギヤの回転出力がPTO変速軸82に伝達される。
【0033】
PTO変速軸82の後端には、ギヤ82dが設けられ、該ギヤ82dがPTO変速軸82と略平行に設けられた伝達軸83のギヤ83dに噛合している。また、ギヤ83dが伝達軸83と略平行に設けられたPTO軸84のギヤ84dに噛合している。以上の構成により、エンジン出力がPTO変速装置87において3段階に変速された後、PTO軸84より外部に取出され、作業車両に取付けられる各種作業機の駆動を行う。
【0034】
次に、上記PTO伝達駆動部8の構成に、PTOアイドラ軸を付加した実施例(PTO逆回転を可能とした実施例)について説明する。図7に示すように、本実施例のPTO伝達軸81には略平行にPTOアイドラ軸88が設けられている。PTOアイドラ軸88の前端部には逆転ギヤ88aが設けられており、該逆転ギヤ88aがPTO伝達軸81上のギヤ81rに噛合している。
【0035】
また、該PTO伝達軸81と略平行にPTO変速軸82が設けられ、該PTO変速軸82に遊嵌されたPTO1速ギヤ82a、PTO2速ギヤ82bがそれぞれギヤ81a・81bに、PTO逆転ギヤ82rが逆転ギヤ88aに噛合して異なる回転数、回転方向で回転している。そして、該PTO変速軸82にはシフトスライダ86等より構成されるPTO変速装置87が設けられており、該シフトスライダ86を1速又は2速側にスライド操作させた場合には、PTO変速ギヤ82a・82bのうち何れかのギヤの回転出力がPTO変速軸82に伝達される。また、シフトスライダ86をPTO逆転ギヤ82r側にスライド操作させた場合には、PTO伝達軸81の回転出力は、ギヤ81r、逆転ギヤ88a、PTO逆転ギヤ82rを介して回転方向を逆転させた後、PTO変速軸82に伝達する構成としている。
【0036】
そして、本発明においては前記シフトスライダ86をスライド操作するためのシフトフォーク89をPTOアイドル軸88上で支持する構成としている。このように、PTO変速装置87の構成部品であるシフトフォーク89を支持する軸と、PTOの逆転機構の構成部品であるPTOアイドル軸88とを兼用する構成としたことで、PTO駆動伝達部8の構成をコンパクトにすることが可能となり、変速装置全体のコンパクト化が可能となった。
【0037】
また、変速軸と一体的に回転するスプラインカラーの一側方に変速1速ギヤを配置し、他側方に変速2速ギヤを配置し、該スプラインカラーのスプラインと何れかの変速ギヤとをシフトスライダを介して嵌合させることにより変速する構成であって、該スプラインカラーのスプライン断面形状は、一側方側をテーパー形状とし、他側方側を段差形状としたので、変速1速及び2速のギヤ抜けを防止できる構成でありながら、変速1速の変速位置から変速2速の変速位置への切換えがテーパ形状のスプラインを通過すればよいので、比較的切換え抵抗が小さく、変速1速の変速位置の状態でトルクの閉じ込みを防止することができ、変速1速位置からシフト切換えが行い難いといった問題を解消して、操作性に優れた構造となった。
【0038】
また、PTO軸への入力回転を逆転するためのPTOアイドル軸に、PTO変速装置のシフトフォークを支持する構成としたので、PTO変速装置の構成部品であるシフトフォークを支持する軸と、PTOの逆転機構の構成部品であるPTOアイドル軸とを兼用する構成となり、変速装置のコンパクト化が可能となった。
【0039】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、以下のような効果を奏するものである。
請求項1記載の如く、エンジン出力軸(22)より、メインクラッチ(2)を介して変速装置内のメインシャフト(23)に動力が伝達される構成であって、該エンジン出力軸(22)の外周には、同一軸芯上で回転する第一パイプ軸(23)を設け、該エンジン出力軸(22)と第一パイプ軸(23)との間に、前記メインクラッチ(2)を介装し、該メインクラッチ(2)は湿式多板式のクラッチとし、該エンジン出力軸(22)と一体回転する駆動プレート(2a)と、該第一パイプ軸(23)と一体的に回転するクラッチセンタ(2b)と、クラッチレリーズ(2c)等より構成し、該クラッチレリーズ(2c)を前記第一パイプ軸(23)上で摺動移動させることによりメインクラッチ(2)を断接し、該メインクラッチ(2)を接続状態にした際には、該クラッチセンタ(2b)及びクラッチレリーズ(2c)が駆動プレート(2a)と接続回転し、前記エンジン出力軸(22)の回転駆動力が第一パイプ軸(23)に伝達される構成とし、該第一パイプ軸(23)のメインクラッチ(2)より後方上に、シンクロメッシュ式のリバーサクラッチ(3)を設け、該メインクラッチ(2)をクラッチケース(20)内に収納し、該クラッチケース(20)には、前記第一パイプ軸(23)と、該リバーサクラッチ(3)を構成する第一アイドル軸(33)と第二アイドル軸(35)の各シャフトの軸受部を形成し、該クラッチケース(20)をミッションケース(1)に装着する構成としたので、前後進切換時のショックを緩和することが可能となり、また、変速装置をコンパクトな構成とすることが可能となった。
【0040】
また、メインクラッチを収納するクラッチケースに、メインシャフトやアイドル軸等の各シャフトの軸受部を形成し、該クラッチケースをミッションケースに装着する構成としたので、クラッチケースを取り外すことで、メインシャフトや、アイドル軸等の各シャフトを一体的に取り外すことが可能な構成となり、メンテナンス性に優れた構成となった。また、組立て時には、クラッチケース、メインクラッチ、第一パイプ軸を一体として扱えるので、組付けが容易な構成となった。
【0041】
請求項2記載の如く、請求項1記載の作業車両の変速装置において、該クラッチレリーズ(2c)の外周部をクラッチセンタ(2b)側へ延設させ、パワーステアリング機構のドレン油を、エンジン出力軸(22)内の油路(22r)より、吐出油路(22a・22b・22c)を介して、メインクラッチ(2)とリバーサクラッチ(3)の内側から供給し、強制潤滑する構成としたので、各部の潤滑を効率かつ確実に行うことが可能な構成となった。また、既存設備であるパワーステアリング機構の油圧回路から作動油を供給する構成としているので、新たな構成部品等を必要とせず、低コストでクラッチの潤滑を確実に行える構成となった。
【0042】
また、クラッチレリーズを出力軸上で摺動移動させることにより、入力軸から出力軸への伝達を入切するクラッチであって、該クラッチレリーズの外周部をクラッチセンタ側へ延設させる構成としたので、クラッチの内部に作動油が充分滞留し、クラッチセンタ側に効率良く潤滑油を供給することが可能となり、クラッチの潤滑が充分に行われ信頼性と耐久性の向上が図れた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る変速装置の第一断面図である。
【図2】 本発明に係る変速装置の第二断面図である。
【図3】 本発明に係る変速装置の第三断面図である。
【図4】 シンクロメッシュ式リバーサクラッチの断面図である。
【図5】 メインクラッチの要部拡大断面図である。
【図6】 スプラインカラーのスプライン断面形状を示す図である。
【図7】 逆転ギヤが嵌装されるアイドル軸にPTOのシフトフォークを支持した実施例図である。
【符号の説明】
1 ミッションケース
2 メインクラッチ
3 リバーサクラッチ
4 主変速装置
6 副変速装置
8 PTO駆動伝達部
20 クラッチケース
21 クラッチカバー
22 エンジン出力軸
22r 油路
22a・b・c 油路
23 第一パイプ軸(メインシャフト)
24 油路
33 第一アイドル軸(33)
35 第二アイドル軸(35)
62a 副変速1速ギヤ
62b 副変速2速ギヤ
63 シフトスライダ
68 スプラインカラー
68a スプライン
88 PTOアイドル軸

Claims (2)

  1. エンジン出力軸(22)より、メインクラッチ(2)を介して変速装置内のメインシャフト(23)に動力が伝達される構成であって、該エンジン出力軸(22)の外周には、同一軸芯上で回転する第一パイプ軸(23)を設け、該エンジン出力軸(22)と第一パイプ軸(23)との間に、前記メインクラッチ(2)を介装し、該メインクラッチ(2)は湿式多板式のクラッチとし、該エンジン出力軸(22)と一体回転する駆動プレート(2a)と、該第一パイプ軸(23)と一体的に回転するクラッチセンタ(2b)と、クラッチレリーズ(2c)等より構成し、該クラッチレリーズ(2c)を前記第一パイプ軸(23)上で摺動移動させることによりメインクラッチ(2)を断接し、該メインクラッチ(2)を接続状態にした際には、該クラッチセンタ(2b)及びクラッチレリーズ(2c)が駆動プレート(2a)と接続回転し、前記エンジン出力軸(22)の回転駆動力が第一パイプ軸(23)に伝達される構成とし、該第一パイプ軸(23)のメインクラッチ(2)より後方上に、シンクロメッシュ式のリバーサクラッチ(3)を設け、該メインクラッチ(2)をクラッチケース(20)内に収納し、該クラッチケース(20)には、前記第一パイプ軸(23)と、該リバーサクラッチ(3)を構成する第一アイドル軸(33)と第二アイドル軸(35)の各シャフトの軸受部を形成し、該クラッチケース(20)をミッションケース(1)に装着する構成としたことを特徴とする作業車両の変速装置。
  2. 請求項1記載の作業車両の変速装置において、該クラッチレリーズ(2c)の外周部をクラッチセンタ(2b)側へ延設させ、パワーステアリング機構のドレン油を、エンジン出力軸(22)内の油路(22r)より、吐出油路(22a・22b・22c)を介して、メインクラッチ(2)とリバーサクラッチ(3)の内側から供給し、強制潤滑する構成としたことを特徴とする作業車両の変速装置。
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