JP2009176190A - 周辺機器、周辺機器の動作方法、ホスト機器、ホスト機器の動作方法、電子機器システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】USBデバイスは、規格外電流を必要とする主動作部の動作について、ホスト機器が拡張電力モードを許可した場合のみ有効化する。規格外電流を想定していない他のホスト機器に接続された場合については、他のホスト機器は拡張電力モードを許可するという動作は行わないため、USBデバイスは主動作部の動作を有効化しない。このため他のホスト機器から、規格外電流を引くことはなく、他のホスト機器に不具合を起こさせることはない。
【選択図】図7
Description
例えばホスト機器としてパーソナルコンピュータを想定した場合、パーソナルコンピュータとUSB接続される周辺機器(USBデバイス)としては、プリンタ、光ディスクドライブ装置、磁気ディスクドライブ装置、HDD(Hard Disk Drive)、カメラ、固体メモリ装置(いわゆるUSBメモリと呼ばれるフラッシュメモリ装置など)、多様な電子機器が存在する。
またUSB接続の場合、USBケーブルを介して、ホスト側となる機器からUSBデバイスに電力供給を行うことも行われている。
このためホスト側の機器は、規格上は、接続されたUSBデバイスに対して、500mAまでの電力供給を可能とすることが求められる。
このためUSBデバイスでは、USBバスパワーのみにより動作電力を得るようにし、なるべくACアダプターの接続を不要としたい。
なお、500mAという規格は、ホスト側の機器が、最大では500mAまでの供給に対応できるようにすればよいというものである。例えば100mAしか電流供給能力を備えない機器も存在する。
ここで、ホスト側の機器の電流供給能力が高ければ、500mA以上の供給も可能となる。例えば1Aを消費するUSBデバイスに対して、十分なUSBバスパワーを供給することもできる。
USBデバイスは、USB端子を備えた多様なホスト機器に接続可能であり、どのような機器に接続されるかは不定である。例えばパーソナルコンピュータ等であっても、通常は500mAまでの電流供給しかサポートしていないが、USBデバイスが、そのようなパーソナルコンピュータに接続された状態で、例えば1A程度の電流をバスパワーから引いてしまうと、パーソナルコンピュータ側に不具合を生じさせる可能性がある。
また、こような原因により、USBバスの電力供給能力が不足し、当該USBデバイスと同じUSBホスト(またはUSBハブ)に接続されている他のUSBデバイスが正しく動作しなくなることも考えられる。
またホスト機器がバッテリ駆動の場合には、規格外の電流を引き続けることでバッテリの残容量を急速に低下させてしまうことも考えられる。
本発明の周辺機器は、所定のインターフェース規格による伝送路によりホスト機器と接続されて上記ホスト機器と通信可能とされるとともに、上記伝送路を介して上記ホスト機器から電力供給を受けて動作する周辺機器である。そして動作時に、上記インターフェース規格で規定されている上限電流値より高い規格外電流を必要とする主動作部と、上記インターフェース規格で規定されている上限電流値以内である規格内電力モードでの動作により、上記ホスト機器に対して、上記規格外電流の使用を示す情報を送信するとともに、上記ホスト機器から、上記規格外電流を消費する拡張電力モードの許可を受信することに応じて、上記拡張電力モードとして上記主動作部の動作を有効化する処理を行う制御部とを備える。
また上記制御部は、上記拡張電力モードとして上記主動作部の動作を有効化した後において、上記ホスト機器から、上記主動作部の動作に係るコマンドを受信した場合は、該コマンドに応じた動作を上記主動作部に実行させる。
また上記制御部は、上記所定のインターフェース規格による伝送路により接続されているホスト機器(例えば本発明のホスト機器に該当しない他のホスト機器)から、上記規格外電流を許容する拡張電力モードの許可が受信されない場合は、上記規格内電力モードを継続し、上記主動作部の動作を有効化しない。
また上記制御部は、上記規格内電力モードであるときは、上記所定のインターフェース規格による伝送路により接続されているホスト機器から、上記主動作部の動作に係るコマンドを受信した場合は、該コマンドに対して所定のダミー情報の送信を行う。
また上記制御部は、上記所定のインターフェース規格による伝送路により接続されているホスト機器からの装置情報要求に応じて、上記規格外電流に対応できるホスト機器のみが認識できる情報として、上記規格外電流の使用を示す情報を送信する。
また上記所定のインターフェース規格は、USBであるとする。
また上記制御部は、上記ホスト機器から動作休止指示を受信することに応じて、その時点の電力モードの情報をメモリ部に記憶した上で、休止状態とする処理を行う。
この場合、上記制御部は、上記ホスト機器から動作再開指示を受信することに応じて、上記メモリ部に記憶されている電力モードの情報を読み出し、読み出した電力モードの状態に復帰する処理を行う。
本発明のホスト機器は、十分な電流供給能力を有する。つまり規格外の電流供給を行っても問題がないように設計されている。このため、本発明の周辺機器が接続された場合、その本発明の周辺機器に、規格外の電流供給を行っても不具合は生じない。
一方、本発明の周辺機器が、本発明のホスト機器には該当しないホスト機器(以下、「他のホスト機器」という)に接続された場合、規格外電流を引いてしまうと、当該他のホスト機器に不具合を生じさせる可能性がある。
このことを考慮し、本発明の周辺機器は、規格外電流を必要とする主動作部の動作について、本発明のホスト機器が拡張電力モードを許可した場合のみ、有効化する。なお、このため本発明のホスト機器は、このような規格外電流を必要とする本発明の周辺機器の拡張電力モードを想定した機器であると言える。
本発明の周辺機器が、上記他のホスト機器に接続された場合は、他のホスト機器は、本発明の周辺機器の拡張電力モードを想定していないため、本発明の周辺機器に対して、拡張電力モードを許可するという動作は行わない。そもそも拡張電力モードの許可という動作は存在しない。従って、本発明の周辺機器は、拡張電力モードとし、主動作部の動作を有効化しない。このため他のホスト機器から、規格外電流を引くことはなく、他のホスト機器に不具合を起こさせることはない。
また本発明の周辺機器が、本発明のホスト機器に該当しない他のホスト機器に接続された場合は、当該インターフェース規格の伝送路から規格外電流を引くことが行わないため、当該他のホスト機器に不具合を生じさせることはない。
[1.システム構成]
[2.ホスト機器の構成]
[3.USBデバイスの構成]
[4.ホスト機器とUSBデバイスの接続時の動作]
[5.USBデバイスが他のホスト機器に接続された際の動作]
[6.サスペンド/リジューム]
[7.実施の形態の効果及び変形例]
図1は実施の形態の電子機器システムを示す。この場合、USBデバイス1と、ホスト機器100が、それぞれ本発明の周辺機器と本発明のホスト機器の実施の形態としての例であり、図1ではこれらがUSBケーブル50により接続された状態を示している。
実施の形態では、このUSBデバイス1は、具体的には光ディスクドライブであるとして説明する。例えばCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))などの可搬性記録媒体に対して記録又は再生を行う機器であるとする。
実施の形態の説明では、このホスト機器100としてパーソナルコンピュータを想定する。
またホスト機器100は、USBデバイス1への電力供給に関して、USB規格で規定されている上限電流値を越える規格外電流(例えば1A)を流すことが可能に設計されている。換言すれば、USBケーブル50を介してUSBデバイス1から1A程度の電流が引かれても、ホスト機器100は特に不具合を起こさないように設計されている。
従って、図1のシステムとして、USBデバイス1が、光ディスクに対しての記録/再生動作のために1A程度の消費電流を使用するとしても、USBバスパワーのみによる電流供給で正常に動作できるものである。
このため、本例のUSBデバイス1は、例えば1AというUSB規格外電流を必要とする記録再生動作については、本例のホスト機器100が拡張電力モードを許可した場合のみ、有効化する。
本例のUSBデバイス1が、本例のホスト機器100以外の他のホスト機器(本発明に該当しないホスト機器)に接続された場合は、他のホスト機器は、USBデバイス1の拡張電力モードを想定していないため、USBデバイス1に対して、拡張電力モードを許可するという動作は行わない。
この場合USBデバイス1は規格内電力モードとしての動作を行う。規格内電力モードとは、例えば500mAモード、100mAモードなど、USBバスパワーとしての規格内の電力モードである。実際は、この規格内電力モードでは、光ディスクに対する記録/再生動作は行わない。このため、当該他のホスト機器から、規格外電流を引くことはなく、当該他のホスト機器に不具合を起こさせることはない。
図2はホスト機器100の構成例を示している。ホスト機器100は、例えば一般的な構成のパーソナルコンピュータとされる。
ホスト機器100は図示するように、CPU(Central Processing Unit)101、メモリ部102、ネットワークインターフェース部103、ディスプレイコントローラ104、入力機器インターフェース部105、HDDインターフェース部106、キーボード107、マウス108、HDD109、表示装置110、バス111、USBインターフェース部112などを有する。
バス111上の各機器にはそれぞれ固有のメモリアドレス又はI/Oアドレスが付与されており、CPU101はこれらアドレスによって機器アクセスが可能となっている。バス111の一例はPCI(Peripheral Component Interconnect)バスである。
このメモリ部102には、CPU101において実行されるプログラムコードやホスト機器100に固有の識別情報その他の情報を格納したり、通信データのバッファ領域や実行中の作業データのワーク領域に用いられる。
即ちホスト機器100のユーザの操作入力がキーボード107及びマウス108を用いて行われ、その操作入力情報が、入力機器インターフェース部105を介してCPU101に供給される。
HDD109は、周知の通り記憶担体としての磁気ディスクを固定的に搭載した外部記憶装置であり、記憶容量やデータ転送速度などの点で他の外部記憶装置よりも優れている。ソフトウェアプログラムを実行可能な状態でHDD109上に置くことをプログラムのシステムへの「インストール」と呼ぶ。通常、HDD109には、CPU101が実行すべきオペレーティングシステムのプログラムコードや、アプリケーションプログラム、デバイスドライバなどが不揮発的に格納されている。
HDD109に格納されている各種プログラムは、ホスト機器100の起動時やユーザ層に応じたアプリケーションプログラムの起動時などに、メモリ部102に展開される。CPU101はメモリ部102に展開されたプログラムに基づいた処理を行う。
本例のUSBデバイス1に対しては、CPU101は、このUSBインターフェース部112を介した通信を行う。
本例の場合、特にUSBインターフェース部112を介して接続されたUSBデバイス1との通信動作として、後述する動作が、上記ソフトウエア構造に基づくCPU101の動作として実行されることになる。
特徴的な動作をいえば、CPU101は、USBデバイス1から、規格外電流の使用を示す情報を受信することに応じて、USBデバイス1に、規格外電流を消費する拡張電力モードの許可(拡張電力モードの指示)を送信する動作を行う。
このホスト機器100は、規格外電流の消費に対応できる十分な電流供給能力を有する。つまり規格外の電流供給を行っても問題がないように設計されている。このため、USBデバイス1に、規格外電流を消費する拡張電力モードの許可を行い、実際にUSBデバイス1に規格外の電流供給を行っても不具合は生じない。
図3でUSBデバイス1の構成例を示す。
本例のUSBデバイス1は、具体的には光ディスクドライブとしている。このUSBデバイス1は、デバイスコントローラ2,ディスクドライブ部3、USB端子部4、パワースイッチ5,EEP−ROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)6、ディスクセンサ7を備える。
このディスクドライブ部3は、その動作時に、USB規格で規定されている上限電流値(500mA)より高い規格外電流(例えば1A)を必要とする主動作部となる。
デバイスコントローラ2の特徴的な動作としては、USB規格で規定されている上限電流値以内である規格内電力モード(例えば500mAモードもしくは100mAモード)での動作により、ホスト機器100に対して、規格外電流(例えば1A)の使用を示す情報を送信する。またホスト機器100から、規格外電流を消費する拡張電力モードの許可を受信することに応じて、規格内電力モードから拡張電力モードに切り換えて、ディスクドライブ部3の動作を有効化する処理を行う。有効化とはディスクドライブ部3で記録再生動作が実行可能な状態にすることであり、例えばディスクドライブ部3の電源をオンするという意味である。
デバイスコントローラ2とディスクドライブ部3は、例えばATAPI(AT attachment Packet Interface)で接続され、コマンドや記録再生データの受け渡しが行われる。
EEP−ROM6は、例えばデバイスコントローラ2の動作プログラムや、各種データの格納に用いられる。
データラインD+、D−によってデータ通信が行われる。デバイスコントローラ2はデータラインD+、D−により、ホスト機器100との間での信号の送受信を行う。
電源電圧及びグランドライン(VBUS、GND)により、いわゆるUSBバスパワーが供給される。
デバイスコントローラ2は、USBバスパワーを動作電力として用いる。デバイスコントローラ2は、特に規格外電流を消費するものではなく、例えば100mAモードでも動作可能である。つまり、デバイスコントローラ2は、例えばホスト機器100などとUSB接続された状態では、USBバスパワーを利用して動作を実行できる。
パワースイッチ5は、USBバスパワーのディスクドライブ部3に対する供給/遮断を切り換えるスイッチ回路である。
このパワースイッチ5によるディスクドライブ部3への電力供給は、デバイスコントローラ2によってオン/オフ制御される。
本例のUSBデバイス1では、このように内部的にディスクドライブ部3の電源オン/オフが制御可能である。つまりUSBデバイス1が動作している際に、デバイスコントローラ2によってディスクドライブ部3の有効化(電源オン)/非有効化(電源オフ)を行うことができる。
デバイスコントローラ2は、ディスクドライブ部3の電源がオンのときは、ATAPIで定義されるコマンドによって光ディスクの有無を検出できるが、電源がオフのときはそれができない。本例では、ディスクセンサ7によって、ディスクドライブ部3の電源がオフのときでも光ディスクの装填の有無を検出することが可能になる。このディスクセンサ7は、例えばディスクドライブ部3の電源がオフのときに光ディスクが挿入されたことを検出するためなどの目的で使用する。
以上のようなホスト機器100とUSBデバイス1の接続時の動作を説明する。
図4はホスト機器100の処理を示している。これはCPU101が、アプリケーションプログラム、OS、デバイスドライバとしてのソフトウエアに基づいて実行する処理である。
また、図5,図6は、USBデバイス1の処理であり、これはデバイスコントローラ2が、ホスト機器100からのコマンド発行に対応する処理として示している。
図7はホスト機器とUSBデバイスが接続された時の処理の流れを示している。
まずステップF101でCPU101は、USBインターフェース部112を介して外部機器が接続されたことを検知したら、USB接続確立のための初期処理を開始する。
ステップF102でCPU101はゲットデスクリプタ(Get Descriptor)コマンドを発行し、接続された機器からの応答を確認する。
USB接続のホスト機器側は、まずゲットデスクリプタ(何種類かのデスクリプタが存在するが、ここでは詳細は省略する)により、接続された周辺機器に対して、どのような機器であるかを尋ねる。これに対して周辺機器側は、自身のUSB機能に関する各種の情報(デスクリプタ)を返信してくる。この応答を確認することで、ホスト機器側は、接続された周辺機器の種別を確認する。そしてセットコンフィギュレーションを実行する。即ち周辺機器に関するデバイス設定(アドレス設定)を行ってUSB通信を許可する。
図4のステップF102も、このようなUSB接続における基本的なコンフィギュレーションについての処理を示している。
バスパワーデバイスでない場合、つまりUSBバスパワーとしての電力供給が不要な機器である場合は、ステップF111に進み、セットコンフィギュレーション(Set Configuration)を実行し、当該USB接続された周辺機器を使用可能とする。これによって初期処理を終了する。以降、今回の接続機器に対して、通常のUSB接続機器としての処理を行う。
ゲットデスクリプタに対する接続機器からの応答には、その機器の使用最大電流の情報が含まれている。
もし、その使用最大電流が100mA以下であった場合は、ステップF111に進み、セットコンフィギュレーションを実行して、当該接続された周辺機器を使用可能として初期処理を終える。以降、今回の接続機器に対して、通常のUSB接続機器としての処理を行う。
なお、後述するが本例のUSBデバイス1は、ゲットデスクリプタに対する応答の際には、その使用最大電流=500mAという情報を含むデータを返信するようにしている。このため、コンフィギュレーション処理の際に、ステップF110で規格外電流使用機器としてのエラー処理対象とはならない。
この場合、使用最大電流が500mA以下と通知してくる周辺機器には、本例のUSBデバイス1が含まれる。このため本例のホスト機器100は、ステップF106以降の処理を行う。
まず、ステップF102で得たデータの内容から、接続された周辺機器のデバイスクラスを確認し、それが本例のUSBデバイス1に該当するデバイスクラスであるか否かを確認する。本例のUSBデバイス1はUSBマスストレージクラス機器であるとすると、今回接続された機器がUSBマスストレージクラス機器であるか否かを確認することになる。
もし対象デバイスでなければ(例えばUSBマスストレージクラス機器でなければ)、ステップF106から初期処理を終了し、以降、通常のUSB接続機器としての処理を行う。
接続された機器は、このデバイス情報取得コマンドに対して返信してくるが、これによってCPU101は、接続された機器が具体的にどのような機器(例えばDVDドライブ、CD−ROMドライブ、フレキシブルディスクドライブ、フラッシュメモリ機器などの別)かを確認できる。
ここで本例のUSBデバイス1の場合、このデバイス情報取得コマンドに対する返信データにおいて、特に本例のホスト機器100との間で決められた特定の情報として、1A電流使用機器であることを通知してくる。本発明に該当しない他のホスト機器の場合は、その情報を認識しない。
つまり本例のホスト機器100であれば、接続された機器が、規格外の電流を使用する本例のUSBデバイス1であることを認識できる。
なお、電力モードの切換が必要となるのは、USBデバイス1が、この時点まで、初期動作として規格内電力モード(例えば500mAモード)で動作しているためである。USBデバイス1を光ディスクドライブとして通常に機能させるには、USBデバイス1側に拡張電力モードを指示する必要がある。
このためCPU101は、ステップF109で、電力モード設定コマンドを発行し、USBデバイス1に対して電力モードを拡張電力モードに切り換えるように指示する。
そしてCPU101は、USBデバイス1で拡張電力モードとされたことを確認して、初期処理を終える。
この場合、USBデバイス1は、USBバスパワーにより動作電力を得る状態で、最大1Aを消費するディスクドライブ部3が機能できるようになる。
なお、以下では、本発明に該当しないホスト機器については、引き続き「他のホスト機器」という用語を用いるが、実施の形態となる本例のホスト機器100と他のホスト機器の両方を包括的に示す場合には、「ホスト機器100等」と記載することとする。
デバイスコントローラ2は、ステップF201としてコマンド受信有無を判断しており、ホスト機器100等からコマンドを受信した時点で、ステップF202以降に進む。
なお、本例のUSBデバイス1では、規格内電力モードとして100mAモード、500mAモードを用意し、また規格外の1A電流を使用するモードとして拡張電力モードを用意している。従って電力モード確認コマンドに対して返信する現在の電力モード情報とは、100mAモード、500mAモード、拡張電力モードのいずれかを示す情報となる。
例えばホスト機器100が電力モード設定コマンドにより拡張電力モードを指定してきた場合は、拡張電力モードに切り換えるとともに、パワースイッチ5をオンとしてディスクドライブ部3を電源オンとし、起動する。
またホスト機器100が電力モード設定コマンドにより500mAモードを指定してきた場合は、500mAモードに切り換えると共に、それまで拡張電力モードであってディスクドライブ部3が起動されていたなら、パワースイッチ5をオフとしてディスクドライブ部3を電源オフ状態とする。
なお、実際には後述するサスペンドコマンドやリジュームコマンドなど、ディスクドライブ部3の記録再生動作に係るものではない他のコマンドもあるが、説明の簡略化のため、図5では省略している。つまり、ここでは、コマンドはデバイス情報取得コマンド、電力モード確認コマンド、電力モード設定コマンド、或いは記録再生コマンドのいずれかであると、仮定して説明しているが、実際には、サスペンドコマンドやリジュームコマンドなどが受信された場合は、デバイスコントローラ2が、それらのコマンドに対応する処理を行うと考えればよい。また、ディスクドライブ部3に対する記録再生以外のコマンドが受信された場合は、記録再生コマンドの場合と同様に処理を行うと考えればよい。
ディスクドライブ部3が電源オン状態であれば、デバイスコントローラ2はステップF205からF213に進み、主動作部(ディスクドライブ部3)に対してコマンドを受け渡し、ディスクドライブ部3にコマンドに対応する処理を実行させる。即ち記録又は再生動作を実行させる。
現在、拡張電力モードであって、何らかの事情でディスクドライブ部3が電源オフである場合は、ステップF212でパワースイッチ5を制御してディスクドライブ部3を電源オン状態とする。そしてステップF213で、リードコマンド又はライトコマンドに応じた処理をディスクドライブ部3に実行させる。
なお、先に、電力モード設定コマンドで拡張電力モードが指示された際に、ステップF210でディスクドライブ部3の電源オン制御も行うとしたが、ステップF210では電源オン制御を行わなくても良い。その場合、最初にリードコマンド又はライトコマンド等を受信した時点で、ステップF212でディスクドライブ部3の電源オン制御が行われるためである。
しかしながら、他のホスト機器であっても、本例のUSBデバイス1を、正常なUSBディスクドライブ機器と認識するため、リードコマンド又はライトコマンドを発行することがある。
その場合、デバイスコントローラ2の処理はステップF205からF206に進み、このときに規格内電力モード(100mAモード又は500mAモード)であるため、ディスクドライブ部3を起動できないと判断する。そしてこの場合、ステップF211に進んでダミーモード処理を行う
ここでは、ダミーモード処理とは、当該他のホスト機器に対して、ディスクドライブ部3にはディスクが装填されていないと見せかける処理とする。
つまりリードコマンド/ライトコマンドに対して「NO MEDIUM ERROR(メディア未装填)」を返す処理とする。
なお本例の場合、ダミーモードとは、電力モードが規格内電力モード(100mAモード又は500mAモード)の場合のことと考えてよい。
デバイスコントローラ2は、デバイス情報取得コマンドを受信して上記図5のステップF208に進んだ場合、図6の処理を実行する。
まずステップF221として、現在の電力モードを確認する。
現在の電力モードが100mAモード又は500mAモードの場合、ステップF225としてダミーモード用のデバイス情報データを、接続されているホスト機器100等に対して返信する。
また、他のホスト機器に接続されている場合、当該他のホスト機器からは拡張電力モードへの切換を指示する電力モード設定コマンドは発行されないため、常に100mAモード又は500mAモードである。従って、他のホスト機器からデバイス情報取得コマンドが発行された場合は、常にダミーモード用のデバイス情報データを返信することになる。
図8(a)のダミーモード用のデバイス情報データとは、ディスクドライブ部3の電源がオフのときの応答であり、デバイスコントローラ2が、ディスクドライブ部3に代わって応答する情報である。
図8(b)のデバイス情報データは、デバイスコントローラ2が、ホスト機器100から受けたデバイス情報取得コマンドをそのまま ディスクドライブ部3に対して送り、ディスクドライブ部3の応答データの一部(ベンダースペシフィック)を変更してホスト機器100に返す情報となる。
ダミー用のデバイス情報データでは、これらの情報として所定の値が設定される。
また図8(b)に示す通常のデバイス情報データとしては、これらのデータ内容が主動作部(ディスクドライブ部3)についての値として返信される。
本例のUSBデバイス1(デバイスコントローラ2)は、この領域に、最大1A電流を使用する機器であることを示す情報を付加して、ホスト機器100等に返信することになる。
先に図4のステップF107でのデバイス情報取得コマンドに対して、本例のUSBデバイス1は、本例のホスト機器100との間で決められた特定の情報として、1A電流使用機器であることを通知してくると述べたが、それは、このようにデバイス情報データのベンダースペシフィックの領域を用いることで実現できる。
他のホスト機器の場合、この領域に記録された「最大1A電流を使用する機器であることを示す情報」は有効なデータとして認識できない。
ホスト機器100(CPU101)の処理を(h1)〜(h10)で示し、またUSBデバイス1(デバイスコントローラ2)の処理を(d1)〜(d7)として示している。
各処理の説明において、上記図4,図5,図6の対応部分をステップ番号で付記する。
起動時には、デバイスコントローラ2は、電力モードを100mAモードとする。
(h1)ホスト機器100のCPU101は、USBデバイス1側のデバイスコントローラ2の起動に伴って、何らかのUSBデバイスが接続されたことを検出し、初期処理を開始する(F101)。
(d2)USBデバイス1はゲットデスクリプタに応じて、ホスト機器100に対してデータの通知を行う。このとき、返信するデータにおいて、自己の使用最大電流=500mAであるとホスト機器100に通知する。
(h3)ホスト機器100は、ゲットデスクリプタに対するデータを受信し、その内容を確認する(F102)。このときに受信したデータの内容から、接続された機器(USBデバイス1)が適正なUSB接続機器であること、さらにはUSBマスストレージクラスの機器であって、500mAを使用する機器であると認識できる。
(h4)そしてホスト機器100は、このように相手方の機器が適正なUSB接続機器であり、最大使用電流が規格内であって問題ないことを確認できたらセットコンフィギュレーションを実行する(F102→F103→F104→F105)。即ちデバイス設定をおこない、USBデバイス1をUSB接続された外部機器として認識し、通信を許可する。
(d3)USBデバイス1から見れば、ホスト機器100から適正なUSB接続機器として認識され、また、最大500mAまで使用可能となる。この場合、デバイスコントローラ2は電力モードを500mAモードとする。
(d4)USBデバイス1のデバイスコントローラ2は、デバイス情報取得コマンドに応じて、デバイス情報の返信を行う(F201→F202→F208)。この場合、電力モードは500mAモードとしているため、デバイスコントローラ2は、図8(a)に示したダミーモード用のデバイス情報データを返信する(F221→F225)。このとき、デバイス情報データ内には、そのベンダースペシフィック領域において、最大1A電流を使用する機器であることが記述される。
なお、もし接続されているのが本例のUSBデバイス1ではない何らかの他のUSBマスストレージクラス機器であれば、このベンダースペシフィック領域には規格外電流を使用する機器であることを示す情報は記述されていない。その場合は初期処理を終了する(F108→初期処理終了)。
ところがUSBデバイス1による、上記(d4)の処理で返信されるデバイス情報データには、ベンダースペシフィック領域に規格外電流を使用する機器であることを示す情報が記述されている。この記述を認識したら、ホスト機器100は、ホスト機器側電源の状態を確認し、このデバイスが要求する規格外電流(1A)を供給できるか否かを確認する。
図9(a)に電力モード設定コマンドの例を示す。図のようにオペレーションコード(OP Code)により電力モード設定コマンドであることを示すとともに、データタイプ、パワーモードを指定するコマンドとする。
データタイプとして、パワーモードで指定する値の種類を示す。例えば現在の電力モードを設定する(設定後すぐに有効)ものであるのか、或いはUSB接続直後の初期電力モードを設定する(次回USB接続時に有効)ものであるのかなどの指定である。
そしてパワーモードとして、例えば100mAモード、500mAモード、拡張電力モードのいずれかを指定する。
この処理(h7)の場合は、この電力モード設定コマンドにより、現在の電力モードとして、拡張電力モードを指示することになる。
この時点から、USBデバイス1は拡張電力モードとして、ディスクドライブ部3の動作が可能となる。
図9(b)に電力モード確認コマンドの例を示す。図のようにオペレーションコード(OP Code)により電力モード確認コマンドであることを示すとともに、データタイプを指定するコマンドとする。
データタイプとして、現在の電力モードの確認を求めるのか、或いはUSB接続直後の初期電力モードの確認を求めるのかを記述する。
この場合は、現在の電力モードの確認を求めることになる。
この場合は、現在の電力モードとして、「拡張電力モード」であることを示す情報を記述して返信することになる。
(h9)ホスト機器100は、電力モード情報の返信により、USBデバイス1が拡張電力モードとなったことを確認して初期処理を終える。
(d7)USBデバイス1は、リードコマンド/ライトコマンドに応じて、ディスクドライブ部3の動作が行われ、データの再生や記録を実行する(F213)。
以上は、本例のUSBデバイス1が本例のホスト機器100に接続された場合の動作であるが、本例のUSBデバイス1が、本発明に該当しない「他のホスト機器」に接続された場合は図10のようになる。
他のホスト機器の処理を(nh1)〜(nh5)で示し、またUSBデバイス1(デバイスコントローラ2)の処理を(d1)〜(d3)(d10)として示している。
起動時には、デバイスコントローラ2は、電力モードを100mAモードとする。
(nh1)他のホスト機器は、USBデバイス1側のデバイスコントローラ2の起動に伴って、何らかのUSBデバイスが接続されたことを検出し、初期処理を開始する。
(d2)USBデバイス1はゲットデスクリプタに応じて、他のホスト機器に対してデータの通知を行う。このとき、返信するデータにおいて、自己の使用最大電流=500mAであると、他のホスト機器に通知する。
(nh3)他のホスト機器は、ゲットデスクリプタに対するデータを受信し、その内容を確認する。このときに受信したデータの内容から、接続された機器(USBデバイス1)が適正なUSB接続機器であること、さらにはUSBマスストレージクラスの機器であって、500mAを使用する機器であると認識できる。
(nh4)そして他のホスト機器は、このように相手方の機器が適正なUSB接続機器であり、最大使用電流が規格内であって問題ないことを確認できたらセットコンフィギュレーションを実行する。即ちデバイス設定をおこない、USBデバイス1をUSB接続された外部機器として認識して通信を許可する。この時点で初期処理が終了する。
(d3)USBデバイス1から見れば、他のホスト機器から適正なUSB接続機器として認識され、また、最大500mAまで使用可能となる。この場合、デバイスコントローラ2は電力モードを500mAモードとする。
(d10)500mAモードで動作し、ディスクドライブ部3を電源オフとしているUSBデバイス1は、リードコマンド/ライトコマンドに応じては、図5のステップF211としてダミーモード処理を行うことになる。
上述したようにダミーモードでは、基本的に「No Medium error」を返す。
メディア無しの返信を行うことで、当該他のホスト機器側では、通常にエラー処理を行うのみとなり、不具合を生じることはない。また通常、ホスト機器のOSは、メディアが無いと分かったデバイスに対してリードコマンド、ライトコマンドを発行しないため、「No Medium error」を返すことによって、以降、大部分の処理において不測のエラーを避けられる。
つまり、本例のUSBデバイス1が、他のホスト機器に接続された場合は、実際には光ディスクドライブとしては使用できないが、当該他のホスト機器から規格外電流を引いてしまって不具合を生じさせるということはない。
次に、サスペンド及びリジュームの動作について説明する。
省電力の観点から、不要時にはUSBデバイス1をサスペンド(休止)状態としておくことが好ましい。また、必要に応じて休止状態から復帰(リジューム)できることが適切である。その場合の本例の動作について説明していく。
なお一般に、USB接続機器のサスペンドとは、USBバス接続機器の全体をサスペンドさせる状態をいう。例えばホスト機器100等としてのパーソナルコンピュータが、接続されている全てのUSB機器をサスペンドさせる場合である。
特定のUSB機器のみをサスペンドさせる場合は、セレクティブサスペンドとよばれるが、本例のUSBデバイス1を対象としてのセレクティブサスペンドについては後述する。
そしてサスペンドトリガの発生に応じてステップF302でUSBバスのサスペンド処理を行う。
即ちサスペンド状態に移行する際には、そのときの電力モードとして、例えば拡張電力モード、500mAモード、100mAモードのいずれであるか、を示す情報を記憶するようにしている。
ホスト機器100等のCPUは、リジュームトリガの発生をステップF310で監視し、リジュームトリガに応じてステップF311でUSBバスをリジュームする。
USBデバイス1のデバイスコントローラ2は、USBバスがリジュームされたら、ステップF410からF411に進み、サスペンドから復帰するとともに、サスペンド時にEEP−ROM6(もしくはデバイスコントローラ2の内部メモリなど)に記憶した電力モードの情報を読み出す。そしてステップF412で、サスペンド前の電力モード状態に復帰する。このとき必要に応じてパワースイッチ5によってディスクドライブ部3の電源をオンにする。
例えば省電力の観点からは、ディスクドライブ部3に光ディスクが装填されていない場合は、休止状態とするとよい。
そこで拡張電力モードによりディスクドライブ部3が動作している際に、光ディスクが排出(イジェクト)されたら、セレクティブサスペンドを行うようにすることが考えられる。
ホスト機器100のCPU101は、ユーザ操作、或いはアプリケーションプログラムやOSの要求などによりイジェクトトリガが発生したら、ステップF320からF321に進み、USBデバイス1に対してイジェクトコマンドを発行する。
USBデバイス1のデバイスコントローラ2は、イジェクトコマンドを受信したらステップF420からF421に進み、当該イジェクトコマンドをディスクドライブ部3に受け渡して、ディスクドライブ部3においてメディアの排出動作を実行させる。
そしてデバイスコントローラ2は、メディア排出が完了したことを確認したら、ステップF422で、ホスト機器100に対してイジェクト完了通知を送信する。
ホスト機器100のCPU101は、イジェクトコマンド発行後、ステップF322でイジェクト完了を待機する。そしてイジェクト完了通知を受信したら、ステップF323に進み、USBデバイス1に対してセレクティブサスペンドのコマンドを発行する。
USBデバイス1のデバイスコントローラ2は、セレクティブサスペンドのコマンドを受信したら、ステップF423からF424に進み、現在の電力モード状態を確認してEEP−ROM6(もしくはデバイスコントローラ2の内部メモリなど)に記憶する。そして記憶を行った後に、ステップF425でサスペンド状態(休止状態)に移行する。
なお、この場合は、ホスト機器100側のUSBバス全体がサスペンドされるわけではなく、USBデバイス1が単独で休止状態に入るものである。
USBデバイス1のデバイスコントローラ2は、サスペンド期間において、ステップF430でディスク挿入を監視している。即ちディスクセンサ7の検出情報を確認している。
ディスク挿入が検出されたら、ステップF430からF431に進み、デバイスコントローラ2はサスペンド状態から復帰する。
そしてステップF432でデバイスコントローラ2は、ホスト機器100に対してリモートウェイクアップを発行する。
ホスト機器100ではCPU101は、リモートウェイクアップを受信したら、ステップF330からF331に進み、当該USBバスをリジュームする。即ちUSBデバイス1がサスペンドから復帰したことを認識し、有効なデバイスとする。
USBデバイス1のデバイスコントローラ2は、ホスト機器100によってリジュームがなされたら、ステップF433からF434に進み、サスペンド時にEEP−ROM6(もしくはデバイスコントローラ2の内部メモリなど)に記憶した電力モードの情報を読み出す。そしてステップF435で、サスペンド前の電力モード状態に復帰する。
本例のホスト機器100とUSBデバイス1の間で、上述のように初期処理が行われることで、USBデバイス1が拡張電力モードとして正常動作が可能となるが、その時点で光ディスクが挿入されていないのであればサスペンドしてもよい。図15はこのような場合のセレクティブサスペンド処理を示している。
USBデバイス1のデバイスコントローラ2は、ディスク有無確認コマンドを受信したら、ステップF440として、その時点でのディスクセンサ7の検出情報もしくはディスクドライブ部3との通信により、光ディスクの装填の有無を確認する。
そしてステップF441で、結果、即ちディスクドライブ部3に光ディスクが装填されているか否かを示す情報をホスト機器100に送信する。
USBデバイス1側では、このディスク有無確認コマンドが発行される毎に、デバイスコントローラ2においてステップF440,F441の処理が行われ、ホスト機器100側に、光ディスク装填有無の結果を返信することになる。
CPU101は、ステップF345で初期処理終了後一定時間経過したか否かをチェックしている。
そして一定時間経過前に、ディスク装填が確認された場合は、ステップF344から、この図15に示す処理を抜ける。つまり、USBデバイス1を接続して初期処理終了後において、一定時間内にユーザが光ディスクを挿入した場合は、セレクティブサスペンド処理は行われないことになる。
そこで本例の場合、ホスト機器100はステップF345で一定時間を待機するものとする。これは、ユーザが、USBデバイス1を接続した後に、光ディスクを挿入するという作業を想定した待機時間である。例えば待機時間は、30秒から1分程度でも良いし、5分程度としてもよい。
セレクティブサスペンドのコマンドが発行された場合、USBデバイス1のデバイスコントローラ2は、ステップF450の処理を実行する。即ち現在の電力モード状態を確認してEEP−ROM6(もしくはデバイスコントローラ2の内部メモリなど)に記憶する。そして記憶を行った後に、ステップF451でサスペンド状態(休止状態)に移行する。
なお、サスペンド状態になった後において、ユーザが光ディスクを挿入した場合は上記図14のリジューム動作でサスペンド状態から復帰する。
以上、実施の形態について説明してきたが、実施の形態のUSBデバイス1及びホスト機器100は、以下の特徴を持つ。
USBデバイス1は、主動作部であるディスクドライブ部3の動作に、USB規格外の電流を使用する。
USBデバイス1は、規格内電力モード(100mAモード、500mAモード)と、例えば最大1A電流の拡張電力モードを設定できる。そしてホスト機器100との間で取り決めた専用コマンドにて電力モードの設定が可能である。
USBデバイス1においては、デバイスコントローラ2がホスト機器から設定された電力モードに応じて、主動作部であるディスクドライブ部3の電源を管理する。
ホスト機器100は、USBデバイス1との間で取り決めたデバイス情報取得コマンド(例えば Inquiryコマンド)の応答にて、規格外電流を使用し、電力モード設定機能を持つデバイスかどうかの確認が可能である。
ホスト機器100は、USBデバイス1との間で取り決めたデバイス情報確認コマンドの応答にて、USBデバイス1の電力モード設定状態の確認が可能である。
USBデバイス1は、100mAモード、500mAモードでディスクドライブ部3が動作できない状態(電源オフなど)のときには、ディスクドライブ部3に代わってデバイスコントローラ2が、ホスト機器100からのコマンドに対応するダミーモードを持つ。
またUSBデバイス1が、本発明に該当しない「他のホスト機器」に接続された場合は、USBバスパワーから規格外電流を引くことを行わないため、当該他のホスト機器に不具合を生じさせることはない。つまり他のホスト機器に接続された場合は、規格に準拠した電流しか消費せず、安全を確保できる。
また他のホスト機器に対しては、正常にUSB接続が確立された状態となること、及びリードコマンド、ライトコマンドが発行された際には、ダミーモードとして「No Medium error」を返すことによって、他のホスト機器やその周辺デバイスに対して不測の不具合を生じさせることを避けられる。
なお、他のホスト機器に接続された場合、USBデバイス1自体は光ディスクドライブとして機能しないことになるが、そもそも非対応のホスト機器なので不測の事態を防げればよく、周辺デバイスとしての機能は制限しても構わない。
まず図11のようなサスペンド処理により、ホスト側とともにサスペンド状態に入ることができる。そしてこのとき、電力モード状態を記憶しておくことで、リジューム時に、元の電力モード状態に復帰できる。
また、光ディスクの排出、或いは未装填に応じてセレクティブサスペンドを行うことで、適切に省電力化を図ると共に、その場合も電力モード状態を記憶しておくことで、リジューム時に、元の電力モード状態に復帰できる。
ところで、サスペンド状態の場合、ホスト機器100はUSBデバイス1との通信を行えない状態になる。例えばディスク排出によってサスペンド状態となった後、ホスト機器100との間の通信を復帰する手段がないと、使用できない状態のままとなり、例えばメディアを挿入しても、それを使用できる状態にならないおそれがある。その場合に、一旦USB接続を外して再度接続すれば使用可能になるが、それではユーザにとって不便である。
そこで上記実施の形態では図14に示したように、光ディスクが挿入されたときに USBデバイス1がリモートウェイクアップを発行することで、USBバスをサスペンド状態から復帰させ、ホスト機器100との間の通信を復帰するようにしている。これによって、上記の不都合は解消される。
なお、ここではディスク挿入を例にしたが、それ以外のアクション(例えばユーザによるボタン操作など)によってリモートウェイクアップを発行してサスペンド状態から復帰することも当然可能である。
電力モード設定コマンドにより、USB接続直後の初期の電力モードの指示があった場合、USBデバイス1のデバイスコントローラ2は、その初期電力モードの設定をEEP−ROM6などの不揮発性メモリに記憶する。そしてUSB接続時には、その記憶された電力モードの状態で起動するようにする。
このように、USB接続直後の電力モードを、拡張電力モードも含めて希望するモードに設定できる手法が用意されることで、例えば動作試験もしくは緊急処置などの目的に対応できる。
例えばUSBデバイス1が要求する電力を供給できるホスト機器であることが分かっており、かつ電力モード制御プログラムなどの組み込みが難しい状況のホスト機器において、試験もしくは緊急処置などの目的で、USBデバイス1をUSB接続した直後に拡張電力モードで使用できるようにしたい場合などに有効である。
また、USBデバイス1が要求する電力を供給できるホスト機器において、BIOSがUSBデバイス1の拡張電力モードをオンにする機能がないときに、OSを入れ換えるなどの理由で光ディスクからシステムを起動したいような場合に、USBデバイス1をUSB接続した直後に拡張電力モードで使用できるようにしておくと光ディスクを利用できることになる。
そこで変形例として、例えば500mAモードを用いない例が考えられる。即ち500mAモードを使用せず、100mAモードから拡張電力モードに切り替えるようにしてもよい。
デバイスコントローラ2は起動時に100mAモードとした後は、ホスト機器100から電力モード設定コマンドで拡張電力モードが指示されるまで、100mAモードを継続する。
その場合、図7の処理(d2)において、ホスト機器100に通知する使用最大電流を100mAとする。そして100mA使用機器としてセットコンフィギュレーションが実行されることに応じ、処理(d3)以降も100mAモードを継続する。
ホスト機器100側の処理としては、図4のステップF104の判断を変形すればよい。即ちx≦100mAであればステップF105に進み、100mA<x≦500mAであれば、ステップF111に進むようにすればよい。
例えば次に示すような3つの拡張モードを定義し、ホスト機器側が必要に応じて使い分ける事ができるようにする。
・100mAモード:最大100mA消費:100mA以下で可能な機能のみ使用可能
・500mAモード:最大500mA消費:500mA以下で可能な機能のみ使用可能
・拡張電力モード1:最大700mA消費:必要最小限の機能/性能のみ使用可能
・拡張電力モード2:最大1A消費:拡張電力モード1より性能/機能の面で優れる
・拡張電力モード3:最大1.2A消費:全ての機能/性能を使用可能
・100mAモード:最大100mA消費:100mA以下で可能な機能のみ使用可能
・500mAモード1:最大300mA消費:300mA以下で可能な機能のみ使用可能
・500mAモード2:最大500mA消費:500mA以下で可能な機能のみ使用可能
・拡張電力モード1:最大700mA消費:必要最小限の機能/性能のみ使用可能
・拡張電力モード2:最大1A消費:拡張電力モード1より性能/機能の面で優れる
・拡張電力モード3:最大1.2A消費:全ての機能/性能を使用可能
例えばホスト機器が外部電源で動作しているときは最大の電力モードで動作しても良いが、バッテリ駆動のときは機能/性能が多少制限されても良いので消費電力を抑えたいような場合や、バッテリ残量がある基準を下回ったときなどに、電力モードを切り換えることなどができる。
また動作状況として、消費電力重視、性能重視、多機能重視などの別に応じて電力モードを切り換えることもできる。
なお、このように電力モードを細分化した場合も、ホスト機器100は、図9(a)のような電力モード設定コマンドで、USBデバイス1の電力モード設定を行えばよい。即ち、図9(a)のパワーモードとして、例えば100mAモード、500mAモード1、500mAモード2、拡張電力モード1,拡張電力モード2,拡張電力モード3のいずれかを指定できるようにパラメータを決めればよい。
例えば光ディスクドライブの他に、磁気ディスクドライブ、USBメモリデバイス、HDD、表示装置、キーボードその他の入力装置、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、プリンタ装置、送信装置、受信装置、通信装置、携帯電話機、情報処理装置(パーソナルコンピュータらPDA(Personal Digital Assistant))、家電機器などを、USBデバイス1に相当する本発明の周辺機器として適用可能である。
なお実施の形態では規格外電流の使用を示すデバイス情報の例としてInquiryコマンドの応答を示したが、使用するインターフェースの規格で許される手段であれば他の手法でも構わない。例えばUSBではUSBホストの要求に従いスタンダードデバイスデスクリプタ(Standard Device Descriptor)と呼ばれるデータをUSBデバイスからホストに返信するが、このデータに含まれるベンダーID(Vendor ID)とプロダクトID(Product ID)を当デバイス固有の値にしておき、ホストが規格外電流を使用するデバイスのベンダーIDとプロダクトIDを記憶しておくことで判断することができる。もちろんこれらの例に関わらず、規格外電流の使用を示すデバイス情報としてはシステムにとって都合の良い手法を選択すればよい。
また実施の形態のUSBデバイス1は、基本的にACアダプタなどの外部電源は不要であるが、他のホスト機器に接続しても使用できるようにするため、必要に応じて外部電源を接続できるようにすることも可能である。例えば、外部電源が接続されているときは、インターフェースからの電源を使用せず外部電源のみで動作し、主動作部の電源は常時オンにしておけばよい。
Claims (13)
- 所定のインターフェース規格による伝送路によりホスト機器と接続されて上記ホスト機器と通信可能とされるとともに、上記伝送路を介して上記ホスト機器から電力供給を受けて動作する周辺機器であって、
動作時に、上記インターフェース規格で規定されている上限電流値より高い規格外電流を必要とする主動作部と、
上記インターフェース規格で規定されている上限電流値以内である規格内電力モードでの動作により、上記ホスト機器に対して、上記規格外電流の使用を示す情報を送信するとともに、上記ホスト機器から、上記規格外電流を消費する拡張電力モードの許可を受信することに応じて、上記拡張電力モードとして上記主動作部の動作を有効化する処理を行う制御部と、
を備えたことを特徴とする周辺機器。 - 上記制御部は、上記拡張電力モードとして上記主動作部の動作を有効化した後において、上記ホスト機器から、上記主動作部の動作に係るコマンドを受信した場合は、該コマンドに応じた動作を上記主動作部に実行させることを特徴とする請求項1に記載の周辺機器。
- 上記制御部は、上記所定のインターフェース規格による伝送路により接続されているホスト機器から、上記規格外電流を許容する拡張電力モードの許可が受信されない場合は、上記規格内電力モードを継続し、上記主動作部の動作を有効化しないことを特徴とする請求項2に記載の周辺機器。
- 上記制御部は、上記規格内電力モードであるときは、上記所定のインターフェース規格による伝送路により接続されているホスト機器から、上記主動作部の動作に係るコマンドを受信した場合は、該コマンドに対して所定のダミー情報の送信を行うことを特徴とする請求項3に記載の周辺機器。
- 上記制御部は、上記有効化する処理として、上記主動作部に対して上記伝送路からの電力供給を開始させる処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の周辺機器。
- 上記制御部は、上記所定のインターフェース規格による伝送路により接続されているホスト機器からの装置情報要求に応じて、上記規格外電流に対応できるホスト機器のみが認識できる情報として、上記規格外電流の使用を示す情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の周辺機器。
- 上記所定のインターフェース規格は、USBであることを特徴とする請求項1に記載の周辺機器。
- 上記制御部は、上記ホスト機器から動作休止指示を受信することに応じて、その時点の電力モードの情報をメモリ部に記憶した上で、休止状態とする処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の周辺機器。
- 上記制御部は、上記ホスト機器から動作再開指示を受信することに応じて、上記メモリ部に記憶されている電力モードの情報を読み出し、読み出した電力モードの状態に復帰する処理を行うことを特徴とする請求項8に記載の周辺機器。
- 所定のインターフェース規格による伝送路によりホスト機器と接続されて上記ホスト機器と通信可能とされるとともに、上記伝送路を介して上記ホスト機器から電力供給を受けて動作する周辺機器であって、
動作時に、上記インターフェース規格で規定されている上限電流値より高い規格外電流を必要とする主動作部と、
上記ホスト機器との通信及び上記主動作部の動作制御を行う制御部と、
を備えた周辺機器の動作方法として、
上記制御部が、上記インターフェース規格で規定されている上限電流値以内である規格内電力モードで動作して、上記ホスト機器に対し、上記規格外電流の使用を示す情報を送信するステップと、
上記制御部が、上記ホスト機器から、上記規格外電流を許容する拡張電力モードの許可を受信することに応じて、電力モードを上記拡張電力モードとし、上記主動作部の動作を有効化するステップと、
を備えたことを特徴とする周辺機器の動作方法。 - 所定のインターフェース規格による伝送路により周辺機器と接続されて上記周辺機器と通信可能とされるとともに、上記伝送路を介して上記周辺機器に電力を供給するホスト機器であって、
上記周辺機器への電力供給に関して、上記インターフェース規格で規定されている上限電流値を越える規格外電流を流すことが可能とされているとともに、
上記周辺機器から、上記規格外電流の使用を示す情報を受信することに応じて、上記周辺機器に、上記規格外電流を消費する拡張電力モードの許可を送信する制御部を備えることを特徴とするホスト機器。 - 所定のインターフェース規格による伝送路により周辺機器と接続されて上記周辺機器と通信可能とされるとともに、上記伝送路を介して上記周辺機器に電力を供給するホスト機器であって、上記周辺機器への電力供給に関して、上記インターフェース規格で規定されている上限電流値を越える規格外電流を流すことが可能とされているホスト機器の動作方法として、
上記周辺機器から、上記規格外電流の使用を示す情報を受信するステップと、
上記受信に応じて、上記周辺機器に、上記規格外電流を消費する拡張電力モードの許可を送信するステップと、
を備えることを特徴とするホスト機器の動作方法。 - 周辺機器とホスト機器が所定のインターフェース規格による伝送路により接続されて通信可能とされるとともに、上記周辺機器は、上記伝送路を介して上記ホスト機器から電力供給を受けて動作するようにされる電子機器システムにおいて、
上記周辺機器は、
動作時に、上記インターフェース規格で規定されている上限電流値より高い規格外電流を必要とする主動作部と、
上記インターフェース規格で規定されている上限電流値以内である規格内電力モードでの動作により、上記ホスト機器に対して、上記規格外電流の使用を示す情報を送信するとともに、上記ホスト機器から、上記規格外電流を消費する拡張電力モードの許可を受信することに応じて、上記拡張電力モードとして上記主動作部の動作を有効化する処理を行う制御部とを備え、
上記ホスト機器は、
上記インターフェース規格で規定されている上限電流値を越える規格外電流を上記伝送路に流すことが可能とされているとともに、
上記周辺機器から、上記規格外電流の使用を示す情報を受信することに応じて、上記周辺機器に、上記規格外電流を消費する拡張電力モードの許可を送信する制御部を備えることを特徴とする電子機器システム。
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