JP2009174601A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

流体封入式防振装置 Download PDF

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Abstract

【課題】可動弁体の位置を保持するためにコイルへの通電状態を維持する必要のない流体封入式防振装置を提供する。
【解決手段】モータ84の回転駆動力を可動弁体116の往復駆動力として伝達させるカム機構90、118を備える。モータコイル86aに対して第一回転角スイッチ201と第一制御スイッチ221を直列接続し、これらのスイッチに対して第二回転角スイッチ202と第二制御スイッチ223を並列接続する。第一回転角スイッチ201は第一の角度範囲θ1にONし、第二回転角スイッチ202は第三の角度範囲θ3にONする。第一制御スイッチ221と第二制御スイッチ223は、同一の制御信号を入力し、相互に反転したON/OFF状態とする。第一の角度範囲θ1は、少なくとも第三の角度範囲θ3以外の角度である第四の角度範囲θ4を含み、第三の角度範囲θ3は、少なくとも第一の角度範囲θ1以外の角度である第二の角度範囲θ2を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、防振連結すべき部材間に介装されて、それらの部材を相互に防振連結する防振装置であって、内部に封入された流体の流動作用に基づく防振効果を利用する流体封入式防振装置に係り、流体が封入された受圧室と平衡室とを相互に連通摺る流体流路を連通状態と遮断状態とに切り替え可能とされた流体封入式防振装置に関するものである。
従来の流体封入式防振装置としては、例えば、特開2004−150546号公報(特許文献1)などに、受圧室と平衡室とを相互に連通摺る流体流路を、空気圧や電磁力によって駆動する可動弁体で連通状態と遮断状態とを切り替えることによって、防振特性を切替制御することが可能とされたものがある。この可動弁体の駆動は、ソレノイドコイルにより生じる磁界の作用により行っている。
特開2004−150546号公報
この場合、可動弁体を一方の状態に保持するために、ソレノイドコイルへの通電状態を維持し続ける必要がある。しかしながら、ソレノイドコイルへの通電状態を連続的に維持しようとすると、消費電力量が大きくなると共に、ソレノイドコイルの発熱量が大きくなることにより耐久性が低下するおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、可動弁体の位置を保持するためにコイルへの通電状態を維持する必要のない流体封入式防振装置を提供することを目的とする。
本発明の流体封入式防振装置は、
第一の取付部材と第二の取付部材を連結する本体ゴム弾性体と、
前記本体ゴム弾性体の壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された受圧室と、
可撓性膜で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された平衡室と、
前記受圧室と前記平衡室とを相互に連通した流体流路と、
往復作動によって前記流体流路を連通状態と遮断状態とに切り替える可動弁体と、
モータコイルに電流が供給された場合に回転駆動するモータと、
前記モータから前記可動弁体への駆動力の伝達経路上に設けられ、前記モータの回転駆動力を前記可動弁体の往復駆動力として伝達させるカム機構と、
ON/OFF信号からなる制御信号を出力する制御信号出力部と、
前記モータコイルに直列接続され、前記モータの回転角度が第一の角度範囲の場合にONとなり、前記モータの回転角度が前記第一の角度範囲以外である第二の角度範囲の場合にOFFとなる第一回転角スイッチと、
前記第一回転角スイッチに直列接続され、前記制御信号がON信号の時にONとなり、前記制御信号がOFF信号の時にOFFとなる第一制御スイッチと、
前記モータコイルに直列接続され、前記第一回転角スイッチおよび前記第一制御スイッチに対して並列接続され、前記モータの回転角度が第三の角度範囲の場合にONとなり、前記モータの回転角度が前記第三の角度範囲以外である第四の角度範囲の場合にOFFとなる第二回転角スイッチと、
前記第二回転角スイッチに直列接続され、前記第一回転角スイッチおよび前記第一制御スイッチに対して並列接続され、前記制御信号がOFF信号の時にONとなり、前記制御信号がON信号の時にOFFとなる第二制御スイッチと、
を備え、
前記第一の角度範囲は、少なくとも前記第四の角度範囲を含み、
前記第三の角度範囲は、少なくとも前記第二の角度範囲を含むことを特徴とする。
つまり、本発明の流体封入式防振装置は、モータの回転駆動力を可動弁体の往復駆動力として伝達させるカム機構を用いていることが特徴的である。つまり、モータは、カム機構を回転駆動するために用いられている。そして、このモータが回転駆動することで、可動弁体の往復方向の位置が変更され、モータが回転を停止することで、可動弁体の往復方向の位置が決定される。このように、本発明の流体封入式防振装置によれば、可動弁体の位置を保持するために、モータに電流を供給し続ける必要がない。従って、従来のソレノイドコイルのように可動弁体の位置を保持するために通電状態を維持するものに比べて、消費電力量が小さくなり、モータコイルの発熱量は小さい。
ここで、本発明の流体封入式防振装置は、第一回転角スイッチ、第二回転角スイッチ、第一制御スイッチ、および、第二制御スイッチを備えていることも特徴的な点である。これらのスイッチを備えることで、カム機構を利用して、可動弁体の往復方向の位置決めが可能となる。以下に、これらのスイッチにより、可動弁体の往復方向の位置決めができることについて説明する。
本発明によれば、第一回転角スイッチおよび第一制御スイッチがONの場合、もしくは、第二回転角スイッチおよび第二制御スイッチがONの場合に、モータコイルに電流が供給され、モータが回転する。つまり、第一回転角スイッチおよび第一制御スイッチの一方がONで他方がOFFであって、且つ、第二回転角スイッチおよび第二制御スイッチの一方がONで他方がOFFの場合には、モータコイルに電流が供給されないため、モータは回転しない。
ここで、第一回転角スイッチがON状態を初期状態として、制御信号がON/OFFと切り替わる場合に、モータの回転停止動作について詳しく説明する。
第一回転角スイッチがONの状態で、制御信号がONとなると、第一制御スイッチがOFFからONに変更されることで、モータが回転し始める。この状態が継続してモータが所定角度回転することにより、第一回転角スイッチがOFFへ変更される。つまり、第一制御スイッチがONであっても、第一回転角スイッチがOFFとなる。
ここで、第一回転角スイッチは、OFFであるため、モータの回転角度は、第二の角度範囲に位置している。そして、第二回転角スイッチがONする第三の角度範囲は、少なくとも第二の角度範囲を含む角度範囲である。つまり、第一回転角スイッチがOFFの状態では、モータの回転角度は、第三の角度範囲に位置していることにもなる。従って、第一回転角スイッチがOFFの状態では、第二回転角スイッチはONとなる。
ここで、制御信号はONの状態を継続している。従って、第二制御スイッチはOFFである。つまり、このとき、第二制御スイッチはONであるが、第二回転角スイッチはOFFとなる。従って、第一回転角スイッチがOFFへ変更されるとき、第一制御スイッチがONであり、第二制御スイッチがOFFであり、第二回転角スイッチがONであるため、モータは回転を停止する。従って、モータは、第一回転角スイッチがOFFとなる回転角度において、位置決めされる。
続いて、制御信号がOFFへ変更される。そうすると、第二制御スイッチがONに変更される。このとき、第二回転角スイッチがONであるため、モータが再び回転し始める。この状態が継続してモータが所定角度回転することにより、第二回転角スイッチがOFFへ変更される。つまり、第二制御スイッチがONであっても、第二回転角スイッチがOFFとなる。
ここで、第二回転角スイッチは、OFFであるため、モータの回転角度は、第四の角度範囲に位置している。そして、第一回転角スイッチがONする第一の角度範囲は、少なくとも第四の角度範囲を含む角度範囲である。つまり、第二回転角スイッチがOFFの状態では、モータの回転角度は、第一の角度範囲に位置していることにもなる。従って、第二回転角スイッチがOFFの状態では、第一回転角スイッチはONとなる。
ここで、制御信号はOFFの状態を継続している。従って、第一制御スイッチはOFFである。つまり、このとき、第一制御スイッチはONであるが、第一回転角スイッチはOFFとなる。従って、第二回転角スイッチがOFFへ変更されるとき、第二制御スイッチがONであり、第一制御スイッチがOFFであり、第一回転角スイッチがONであるため、モータは回転を停止する。従って、モータは、第二回転角スイッチがOFFとなる回転角度において、位置決めされる。
つまり、制御信号は、ON/OFF信号からなる一つの信号で、モータの回転停止を行うことができる。従って、制御信号の生成が容易となると共に、接続ポート数の増加を防止できる。
また、本発明の流体封入式防振装置において、
前記制御信号がONに変更されてからOFFに変更されるまでの時間は、前記制御信号がONに変更されてから前記第一回転角スイッチがOFFに変更されるまでの時間より長く、
前記制御信号がOFFに変更されてからONに変更されるまでの時間は、前記制御信号がOFFに変更されてから前記第二回転角スイッチがOFFに変更されるまでの時間より長くするとよい。
これにより、確実に、上述した、モータの回転停止動作を実現できる。ここで、制御信号がONに変更されてから第一回転角スイッチがOFFに変更されるまでの時間、および、制御信号がOFFに変更されてから第二回転角スイッチがOFFに変更されるまでの時間は、モータの単位時間当たりの回転速度、第一の角度範囲、第三の角度範囲の関係を調整することで達成できる。
また、本発明の流体封入式防振装置において、
前記モータの回転方向の一方の方向を、第一方向と定義した場合において、
前記第一の角度範囲の前記第一方向端は、前記第三の角度範囲に含まれ、
前記第三の角度範囲の前記第一方向端は、前記第一の角度範囲に含まれるとよい。
つまり、第一の角度範囲と第三の角度範囲は、それぞれの両端において、所定角度範囲重なるように構成されている。これにより、第一回転角スイッチが第一の角度範囲を超えた場合に、第二回転角スイッチが必ず第三の角度範囲に位置する。さらに、第二回転角スイッチが第三の角度範囲を超えた場合に、第一回転角スイッチが必ず第一の角度範囲に位置する。従って、第一回転角スイッチがOFFした後において、第二回転角スイッチが必ずONとなると共に、第二回転角スイッチがOFFした後において、第一回転角スイッチが必ずONとなる。これにより、モータの回転停止動作を確実に実現できる。
また、本発明の流体封入式防振装置において、
前記モータの回転軸側に形成されており、前記モータの回転角度全範囲に形成する全周電極、前記第一の角度範囲に形成された第一電極、および、前記第三の角度範囲に形成された第二電極と、
前記モータの固定子側に取り付けられ、前記モータの回転に伴って前記全周電極、前記第一電極および前記第二電極に当接し得るブラシと、
を備え、
前記第一回転角スイッチは、前記全周電極、前記第一電極、および、前記ブラシにより構成され、
前記第二回転角スイッチは、前記全周電極、前記第二電極、および、前記ブラシにより構成されるようにしてもよい。
このように、第一、第二回転角スイッチを、ブラシを利用した構成とすることで、小型且つ容易な構成とすることができる。
また、本発明の流体封入式防振装置において、前記モータは、一方向の回転駆動力を発生するものを用いるとよい。このように、モータとして一方向の回転駆動力を発生するものを採用した場合にも、上記のモータの回転停止動作を確実に実現できる。しかも、モータが一方向の回転駆動力のみを生じる構造とされることにより、モータの構造を簡易なものとすることができる。
また、本発明の流体封入式防振装置において、前記モータは、DCモータとするとよい。DCモータは、汎用的で非常に安価なモータである。このモータを用いたとしても、上記のモータの回転停止動作を確実に実現できる。従って、非常に安価にできる。さらに、DCモータは、1系統の電流の供給の有無で駆動するため、制御信号として、1つの信号があれば足りる。従って、制御信号を最も少なくできる。
また、本発明の流体封入式防振装置において、
前記流体流路は、第一のオリフィス通路と、前記第一のオリフィス通路よりも高周波数にチューニングされた第二のオリフィス通路とを備え、
前記可動弁体は、前記第二のオリフィス通路を連通状態と遮断状態とに切り替えるようにするとよい。
このように流体流路として、第一、第二のオリフィス通路を備えたダブルオリフィス構造の流体封入式防振装置において、より高周波数域チューニングされた第二のオリフィス通路の連通状態と遮断状態とを、カム機構を利用して往復作動される可動弁体によって切り替えることにより、第一のオリフィス通路がチューニングされた周波数域の振動に対する防振効果と、第二のオリフィス通路がチューニングされた周波数域の振動に対する防振効果とを、両立して何れも効果的に発揮できる。
次に、実施形態の流体封入式防振装置を、自動車用のエンジンマウント10に適用した場合について、図1および図2を参照して説明する。図1は、弁部材116が上端に位置する場合における流体封入式防振装置の構成図である。図2は、弁部材116が下端に位置する場合における流体封入式防振装置の構成図である。なお、以下の説明において、図1および図2の上下方向を軸方向または上下方向と称し、当該軸方向に直角する方向を軸直角方向と称し、図1および図2の上側を単に上側と称し、図1および図2の下側を単に下側と称する。
図1および図2に示すように、エンジンマウント10は、マウント本体11と、ブラケット金具74と、アクチュエータ114と、制御装置92とから構成されている。
マウント本体11は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と、第二の取付部材としての第二の取付金具14と、本体ゴム弾性体16と、シールゴム層28と、ダイヤフラム32と、固定金具38と、仕切部材42とから構成されている。
第一の取付金具12は、鉄やアルミニウム合金等で形成されたブロック状の部材である。この第一の取付金具12の上部は、円形ブロック形状からなり、第一の取付金具12の下部は、上方に行くに従って次第に大径となる円錐形ブロック状からなる。また、第一の取付金具12の上端部には、上方に向かって突出する取付ボルト18が一体的に設けられている。この第一の取付金具12は、取付ボルト18により、自動車のパワーユニット(図示せず)に取り付けられる。
第二の取付金具14は、第一の取付金具12に比べて薄肉大径の略円筒形状からなり、第一の取付金具12と同様に鉄やアルミニウム合金等で形成された高剛性の部材である。また、第二の取付金具14の上端部には、軸直角方向内側に屈曲する内フランジ状の段差部20が設けられている。この段差部20の内周側端部には、上方に向かって次第に拡開するテーパ状部22が一体形成されている。このテーパ状部22の上端部には、軸直角方向外側に広がるフランジ状部24が形成されている。そして、第二の取付金具14のフランジ状部24が設けられた側の開口部側に離隔して、第一の取付部材12が、同軸上に配置される。この第二の取付金具14は、後述するブラケット金具74を介して、自動車のボディ(図示せず)に取り付けられている。
本体ゴム弾性体16は、厚肉の略円錐台形状からなるゴム弾性体で形成されている。本体ゴム弾性体16の大径側(図1の下側)の端部には、端面に開口する半球形状またはすり鉢形状の大径凹所26が形成されている。そして、本体ゴム弾性体16の小径側端部は、第一の取付金具12の下端部が挿し込まれて加硫接着されている。本体ゴム弾性体16の大径側端部外周面は、第二の取付金具14のテーパ状部22を含む第二の取付金具14の上端部分が重ねあわされて加硫接着されている。このようにして、本体ゴム弾性体16は、第一の取付金具12と第二の取付金具14との間に介装され、両者を弾性連結している。さらに、本体ゴム弾性体16は、第二の取付金具14の一方(図1の上側)の開口部を流体密に閉塞している。そして、本実施形態においては、本体ゴム弾性体16は、第一の取付金具12と第二の取付金具14を一体的に備えた一体加硫成形品として形成されている。
シールゴム層28は、本体ゴム弾性体16の大径側端部の外周縁部に、軸方向下方に向かって一体成形された薄肉大径の筒状からなる。このシールゴム層28は、第二の取付金具14の内周面に被着形成され、第二の取付金具14の段差部20よりも下側部分の内周面が、シールゴム層28によって略全面に亘って被覆されている。なお、大径凹所26の開口周縁部において、シールゴム層28よりも内周側には、略軸直角方向に広がる環状の段差面30が形成されている。
ダイヤフラム32は、第二の取付金具14の他方(図1の下側)の開口部分に設けられている。ダイヤフラム32は、薄肉大径の略円板形状からなるゴム膜である。このダイヤフラム32の外周部分には、軸方向に十分な弛みを有している。また、ダイヤフラム32の中央部分には、外周部分に比べて厚肉の円板形状からなる中央当接部34を有する。さらに、ダイヤフラム32の外周縁部には、円環形状の固着部36が一体形成されている。
固定金具38は、鉄等で形成された高剛性の部材であって、大径の略円環形状からなり、ダイヤフラム32の固着部36に埋設状態で加硫接着されている。ここで、ダイヤフラム32は、固定金具38を一体的に備えた一体加硫成形品として形成している。
そして、ダイヤフラム32の一体加硫成形品は、第一の取付金具12と第二の取付金具14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に取り付けられる。すなわち、第二の取付金具14の本体ゴム弾性体16とは反対側(図1の下側)の開口部からダイヤフラム32を挿し入れた後に、第二の取付金具14に対して縮径加工を施すことにより、固定金具38を第二の取付金具14の開口部分に嵌着固定させる。これにより、ダイヤフラム32が第二の取付金具14の他方(図1の下側)の開口部分を流体密に覆蓋するように取り付けられる。
ダイヤフラム32を第二の取付金具14に組み付けた状態では、第二の取付金具14の内周側において、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム32の軸方向対向面の間には、外部から隔離された非圧縮性流体が封入された流体封入領域40が形成されている。なお、流体封入領域40に封入される非圧縮性流体は、特に限定されるものではないが、例えば、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油やそれらの混合液を好適に採用する。また、後述する流体の流動作用に基づく防振効果を有効に得るために、粘土が0.1Pa以下の低粘性流体を採用することが望ましい。
仕切部材42は、流体封入領域40に収容配置されており、第二の取付金具14により支持されている。仕切部材42は、仕切部材本体44と蓋板金具46とから構成される。
仕切部材本体44は、厚肉の略円板形状からなり、硬質の合成樹脂やアルミニウム合金等の金属により形成されている。また、仕切部材本体44の径方向中央部分には、下方に向かって開口する円形の中央凹所48が形成されている。さらに、仕切部材本体44の径方向中央部分には、上方に向かって突出する小径の中央突起49が一体形成されている。
また、仕切部材本体44の外周縁部には、第一の周溝50が形成されている。第一の周溝50は、仕切部材本体44の外周面に開口しており、仕切部材本体44の外周縁部を周方向に一周弱の所定長さで連続して延びている。さらに、仕切部材本体44の径方向中間部分には、凹溝52が形成されている。この凹溝52は、仕切部材本体44の上端面に開口しており、中央凹所48と第一の周溝の径方向間を周方向に一周弱の所定長さで連続して延びている。なお、この凹溝52は、一方の端部が軸直角方向に延びる連通路54を通じて中央凹所48に連通されている。
蓋板金具46は、略円板形状の金属製の部材からなる。本実施形態の蓋板金具46は、外周部分が段差を介して中央部分よりも軸方向上方に位置している。さらに、蓋板金具46の中央部分には、円形の貫通孔56が形成されている。この貫通孔56は、仕切部材本体44の中央突起49に対応する小径の孔からなる。
そして、仕切部材本体44の上端面に対して蓋板金具46が重ね合わされ、仕切部材本体44の中央突起49が蓋板金具46の貫通孔56に嵌め入れられる。このようにして、仕切部材本体44と蓋板金具46とが固定されて、仕切部材42が構成される。
この仕切部材42において、仕切部材本体44と蓋板金具46とは、径方向中央部分で相互に密着されており、外周部分で軸方向に所定距離を隔てて位置している。そして、仕切部材本体44と蓋板金具46が相互に離隔した外周部分には、仕切部材本体44と蓋板金具46の対向面間を周方向に延びる第二の周溝58が形成されている。この第二の周溝58は、周方向に一周弱の所定長さで連続的に延びている。なお、第二の周溝58の周方向の両端部の間には、仕切部材本体44と一体形成された隔壁(図示せず)が設けられており、第二の周溝58を周方向で一周弱の長さに仕切っている。
また、仕切部材本体44と蓋板金具46とを組み付けた状態において、第一の周溝50の一方の端部と第二の周溝58の一方の端部が、接続窓60を通じて相互に接続されている。この接続窓60は、第一の周溝50の一方の端部において、仕切部材本体44の上端面に開口するように形成されている。これにより、第一の周溝50と第二の周溝58によって周方向に二周弱の所定長さで延びる螺旋状の周溝62が形成されている。
このように仕切部材本体44と蓋板金具46で構成された仕切部材42は、流体封入領域40内に収容配置されている。すなわち、ダイヤフラム32を第二の取付金具14に取り付ける前に、仕切部材42が、第二の取付金具14に対して本体ゴム弾性体16を加硫接着された側と反対側の開口部(図1の下側)から嵌め入れられる。その後、ダイヤフラム32が同じ開口部から第二の取付金具14に嵌め入れられる。この状態で、第二の取付金具14の八方絞り等の縮径加工が施されることにより、仕切部材42とダイヤフラム32が第二の取付金具14に対して嵌着固定される。
このように、仕切部材42とダイヤフラム32を配置した状態において、仕切部材42の外周部分が本体ゴム弾性体16の段差面30に圧接されると共に、仕切部材42の下端面の外周部分が固着部36を介して固定金具38に圧接されて、それぞれ流体密にシールされている。さらに、仕切部材42の外周面が、シールゴム層28を介して第二の取付金具14に対して流体密に重ね合わされている。これらにより、流体封入領域40が仕切部材42を挟んで軸方向で上下に二分されている。仕切部材42を挟んだ一方の側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されており、本体ゴム弾性体16の弾性変形によって圧力変動が惹起される受圧室64が形成されている。一方、仕切部材42を挟んだ他方の側には、壁部の一部がダイヤフラム32で構成されており、ダイヤフラム32の弾性変形によって容積変形が許容される平衡室66が形成されている。なお、受圧室64と平衡室66には、流体封入領域40に封入された非圧縮性流体がそれぞれ封入されている。
また、仕切部材42の外周縁部に形成された周溝62の外周側開口部が、第二の取付金具14によって流体密に閉塞されている。また、周溝62の一方の端部が蓋板金具46に形成された連通窓(図示せず)を通じて受圧室64に連通されている。周溝62の他方の端部が仕切部材本体44に形成された連通窓68を通じて平衡室66に連通されている。つまり、周方向に所定の長さで延びて、受圧室64と平衡室66を相互に連通する流体流路としての第一のオリフィス70が、仕切部材42の周溝62を利用して形成されている。
本実施形態においては、第一のオリフィス通路70を通じて流動される流体の共振周波数が、当該流体の共振作用に基づいてエンジンシェイク等に相当する10Hz前後の低周波数域の振動に対して有効な防振効果(高減衰効果)が発揮されるようにチューニングされている。
さらに、仕切部材42に形成された凹溝52の開口部が蓋板金具46によって覆蓋されており、凹溝52の一方の端部が、蓋板金具46に形成された連通窓(図示せず)を通じて受圧室64に連通されている。そして、この凹溝52の他方の端部が、中央凹所48を通じて平衡室66に連通されている。これにより、周方向に所定の長さで延びて、受圧室64と平衡室66を相互に連通する流体流路としての第二のオリフィス通路72が、仕切部材42の凹溝52と中央凹所48を利用して形成されている。
本実施形態においては、第二のオリフィス通路72を通じて流動される流体の共振周波数が、当該流体の共振作用に基づいてアイドリング振動等に相当する20〜40Hz前後の中乃至高周波数域の振動に対して有効な防振効果(低動ばね効果)が発揮されるようにチューニングされている。
なお、オリフィス通路70、72のチューニングは、例えば、受圧室64や平衡室66の各壁ばね剛性、すなわちそれら各室64、66を単位容積だけ変化させるのに必要な圧力変化量に対応する本体ゴム弾性体16やダイヤフラム32等の各弾性変形量に基づく特性値を考慮しつつ、オリフィス通路70、72の通路長さと通路断面積を調節することによって行うことが可能である。一般に、オリフィス通路70、72を通じて伝達される圧力変動の位相が変化して略共振状態となる周波数を、当該オリフィス通路70、72のチューニング周波数として把握できる。
このようにして構成されたマウント本体11は、ブラケット金具74に組み付けられている。ブラケット金具74は、鉄等で形成された高剛性の部材からなり、マウント本体11が嵌め入れられる嵌着部76を有している。嵌着部76は、全体として有底円筒形状からなり、上端部にフランジ部78を有している。また、嵌着部76の外周面には、環状の脚部80が溶接等によって固定されている。この脚部80には、周上の複数箇所においてボルト孔(図示せず)が貫通形成されており、このボルト孔に挿通される固定用ボルトによって脚部80が車両ボディに螺着固定される。
そして、マウント本体11がブラケット金具74の嵌着部76に対して上側開口部から嵌め入れられて、第二の取付金具14が嵌着部76に圧入固定されることにより、マウント本体11がブラケット金具74に嵌着固定されている。ここで、第二の取付金具1の上端に設けられたフランジ状部24が、嵌着部76の上端に設けられたフランジ部78に対して上方から当接されることにより、第二の取付金具14と嵌着部76が相対的に位置決めされるようになっている。
このブラケット金具74には、アクチュエータ114が配置されている。アクチュエータ114は、マウント本体11の下方に配置されて、嵌着部76の底壁部上に載置されている。そして、アクチュエータ114が嵌着部76に載置された状態で、マウント本体11がブラケット金具74に対して組み付けられることにより、エンジンマウント10が構成される。
このアクチュエータ114は、モータ84と、ブラシ部200と、ピン90と、支持部材94と、弁部材116とから構成されている。
モータ84は、一方向のみに回転駆動力を発生するDCモータからなる。従って、汎用的で非常に安価となる。固定子85と、モータコイル86aが巻回され且つ固定子に対して回転可能な回転軸86を有している。モータコイル86aには、固定子85に固定されたブラシ部200を介して、電流が供給される。そして、モータコイル86aに電流が供給されることによって、回転軸86に固定子85に対して回転駆動する。なお、ブラシ部200については、後述する。
この回転軸86の先端側には、径方向に貫通する小径の円形孔が形成されている。この回転軸の円形孔に、小径の円形ロッド形状からなるピン90が挿通されている。このピン90は、回転軸86の径方向に延びており、その両端部分が回転軸86の外周面よりも径方向外側に突出している。
このモータ84は、支持部材94に取り付けられている。支持部材94は、厚肉の円環形状を有しており、硬質の合成樹脂で形成されている。さらに、支持部材94の上端外周側には、外周側に向かって広がり、且つ、外周縁部が上方に向かって突出する当接部96が形成されている。
さらに、支持部材94の内周縁部には、保持筒部98が形成されている。保持筒部98は、略円筒形状からなり、支持部材94の内周縁部から上方に向かって延び出している。また、保持筒部98は、その径方向一方向において対向する部分に内周側および上端面に開口する一対の係合切欠部100、100が形成されている。それぞれの係合切欠部100は、軸方向に所定の長さで延びる溝状とされており、周方向両側面が相互に平行に広がっている。
そして、モータ84の回転軸86が支持部材94の中央孔の中心線上で延びるように、モータ84が支持部材94の中央孔に嵌め入れられて固定されている。これにより、保持筒部98の内周側に離隔して回転軸86が位置することになる。
また、回転軸86の先端部分には、可動弁体としての弁部材116が設けられている。弁部材116は、逆向き(下側に開口する向き)の略有底円筒形状からなり、硬質の合成樹脂で形成されている。さらに、弁部材116の上端部、すなわち、弁部材116の底部は、筒状部分より外周側に向かって広がる押圧フランジ部104が一体形成されている。この押圧フランジ部104は、外周縁部が縦断面(軸方向断面)において、略半球形状をなすように面取りされている。
さらに、弁部材116の下端部には、径方向一方向で対向する部分から外周側に向かって突出する一対の係合突起106、106が形成されている。係合突起106は、略ブロック状の突起であって、周方向の両端面が相互に平行となっている。また、係合突起106の周方向での幅寸法が、保持筒部98に形成された係合切欠部100の周方向での幅寸法と略等しくされていると共に、係合突起106の軸方向寸法が係合切欠部100の軸方向寸法よりも十分に小さくなっている。
さらに、弁部材116の筒状部分の下端面には、カム溝118が形成されている。カム溝118は、径方向一方向で対向する一対の上端保持部120と、それら上端保持部120の対向方向に対して直交する径方向一方向で対向して、上端保持部120よりも軸方向下方に位置する下端保持部122を有している。上端保持部10および下端保持部122は、何れも軸直角方向で広がる平面であって、周方向に所定の長さで延びている。
また、周方向で隣り合う上端保持部10と下端保持部122は、傾斜案内部124によって相互に接続されており、それら上端保持部120と下端保持部122と傾斜案内部によって、全周に亘って延びるカム面118が構成されている。なお、上端保持部120および下端保持部122と傾斜案内部124が、接続部分に折れ線を有しないように滑らかに接続されており、傾斜案内部124が軸直角方向に対して傾斜すると共に僅かに湾曲して広がっている。
このカム溝118を周方向に展開した図を図3に示す。図3に示すように、径方向で対向する位置(周方向で180°ずれた位置)において、カム溝118が軸方向で同じ高さに位置している。つまり、図3において、0°と記載された部分において上端保持部120が形成されている場合には、周方向で180°ずれた部分においても上端保持部120が形成されている。また、図3において、90°と270°と記載された部分においては、下端保持部122が形成されている。
このようなカム溝118を有する弁部材116は、回転軸86に対して取り付けられている。すなわち、回転軸86に対して軸方向上方から弁部材116が被せられており、回転軸86に対して直交して延びるピン90がカム面118に対して下方から当接している。これにより、弁部材116がピン90により支承されている。このように、回転軸86と弁部材116の連結部分において、ピン90とカム溝118で構成されたカム機構が設けられている。なお、カム溝118の径方向で対向する部分が軸方向の同じ高さに形成されているため、径方向で両側に向かって突出するピン90がカム溝118に対して挿し入れられることにより、弁部材116が回転軸86に対して傾斜することなく同軸上に位置することができる。
つまり、カム機構は、モータ84から弁部材116への駆動力の伝達経路上に設けられ、モータ84の回転駆動力を弁部材116の往復駆動力として伝達させる。そして、モータ84の回転軸86の回転位置(回転角度)によって、弁部材116の往復方向位置が決定される。詳細には後述するが、モータ84の回転軸86は、90°毎に停止することができる構成となっている。具体的には、ピン90が図3の0°、90°、180°、270°にそれぞれに位置する回転軸86の回転角度にて、停止することができるようになっている。従って、モータ84の駆動により、ピン90は、上端保持部120に当接する位置と、下端保持部122に当接する位置とで停止することができる。ここで、ピン90が上端保持部120に当接する位置では、弁部材116が下端に位置している。一方、ピン90が下端保持部122に当接する位置では、弁部材116が上端に位置している。つまり、モータ84の駆動により、弁部材116が上端と下端とに往復作動させられる。
ここで、エンジンマウント10において、アクチュエータ114は、マウント本体11の下方に位置しており、弁部材116がダイヤフラム32の中央当接部34に対して、軸方向で所定距離を隔てて、あるいは、重ね合わされた当接状態で下方に位置している。
つまり、アクチュエータ114は、ダイヤフラム32を挟んで仕切部材42と反対側に位置しており、アクチュエータ114の弁部材116がダイヤフラム32の中央当接部34を挟んで第二のオリフィス通路72の平衡室66側の開口部である中央凹所48に対して対向するように位置している。
そして、図1および図2に示すように、弁部材116は、軸方向に往復作動することにより、ダイヤフラム32の中央当接部34に対して当接あるいは離隔して、中央当接部34が弁部材116の軸方向での往復作動に応じて上下に変位する。これにより、ダイヤフラム32の中央当接部34は、弁部材116によって、仕切部材42の中央凹所48に対して相対的に接近する状態と離隔する状態とに変更されるようになっている。
つまり、図2に示すように、弁部材116が往復作動方向で下端に位置する場合には、弁部材116がダイヤフラム32の中央当接部34に対して下方に離隔して、中央当接部34が仕切部材42の下方に離隔して位置することで、中央凹所48が平衡室66に開口する。
一方、図1に示すように、弁部材116が往復作動方向で上端に位置する場合には、中央当接部34が弁部材116によって押圧されて、仕切部材42の下面に押し付けられることにより、中央凹所48の開口部が中央当接部34を介して弁部材116で閉塞されるようになっている。
このように、弁部材116の往復作動を制御することによって、第二のオリフィス通路72の平衡室66側の開口部である中央凹所48の開口部を、連通状態(図2の状態)と閉塞状態(図1の状態)に切り替えることができる。つまり、第二のオリフィス通路72の連通状態と遮断状態が切り替えられるようになっている。従って、走行状態にエンジンシェイク等の低周波数域の振動に対して防振効果を発揮させるためには、弁部材116を上端に位置させて、第二のオリフィス通路72を遮断状態とする。一方、アイドリング状態にアイドリング振動等の中乃至高周波数域の振動に対して防振効果を発揮させるためには、弁部材116を下端に位置させて、第二のオリフィス通路72を連通状態とする。
次に、制御装置92およびブラシ部200について図4〜図6を参照して説明する。図4は、制御装置92を示す回路図である。図5は、ブラシ部200を構成する電極203〜206と、ブラシ207とに関し、回転軸86の周方向に展開した図である。図6は、制御装置92およびブラシ部200の動作を示すタイミングチャートである。
図4に示すように、制御装置92は、エンジンを制御するエンジンECU210と、モータ84の駆動回路220とから構成されている。エンジンECU210は、例えば、車速センサ、スロットルバルブの開度等に基づいて、エンジン(図示せず)を制御するECUである。このエンジンECU210は、エンジン等の各種情報に基づいて、エンジンがアイドリング振動を発生するアイドリング状態であるか、エンジンシェイクを発生する走行状態であるかを判定することができる。そして、本実施形態において、本発明の制御信号出力部としてのエンジンECU210のマイクロコンピュータは、エンジンシェイクを発生するか否かのマイコン信号を発生する。つまり、マイコン信号は、走行状態である場合にON信号となり、走行状態でない場合、すなわちアイドリング状態の場合にOFF信号となる。ここでは、このマイコン信号は、ON信号とOFF信号とからなる矩形波信号とする。なお、ON信号とは、例えば、5V電圧等の0Vでない電圧であり、OFF信号とは0V電圧である。
そして、エンジンECU210のマイクロコンピュータから出力されるマイコン信号は、エンジンECU210が内蔵するnpn形トランジスタTrのベースに接続されている。そして、このnpn形トランジスタTrのエミッタは接地されており、コレクタは、駆動回路220およびイグニッションスイッチ240を介してバッテリ230に接続されている。
従って、エンジンECU210としての出力信号、すなわちnpn形トランジスタTrのコレクタ電圧であるECU制御信号は、マイコン信号がON信号のときにOFF信号となり、マイコン信号がOFF信号のときにON信号となる。具体的には、コレクタ電圧は、マイコン信号がON信号のときに、0Vとなる。一方、コレクタ電圧は、マイコン信号がOFF信号のときに、バッテリ230から印加されるバッテリ電圧がかけられることになる。つまり、ECU制御信号は、アイドリング状態の場合に0Vでない所定の電圧からなるON信号となり、走行状態の場合に0VからなるOFF信号となる。
ブラシ部200は、第一回転角スイッチ201と、第二回転角スイッチ202とを形成する。第一回転角スイッチ201の一方の電極203は、モータコイル86aの第一端86a1に接続されており、他方の電極204は、駆動回路220のNチャネルMOSFET221のドレイン側に接続されている。第二回転角スイッチ202の一方の電極205は、モータコイル86aの第一端86a1に接続されており、他方の電極206は、駆動回路220のPチャネルMOSFET223のソース側に接続されている。
つまり、第一回転角スイッチ201は、モータコイル86aに直列に接続されている。この第一回転角スイッチ201は、モータ84の回転軸86の回転角度が第一の角度範囲θ1の場合にONとなり、当該回転角度が第一の角度範囲θ1以外である第二の角度範囲θ2の場合にOFFとなるスイッチである。また、第二回転角スイッチ202は、モータコイル86aに直列に接続され、且つ、第一回転角スイッチ201に並列接続されており、モータ84の回転軸86の回転角度が第三の角度範囲θ3の場合にONとなり、当該回転角度が第三の角度範囲θ3以外である第四の角度範囲θ4の場合にOFFとなるスイッチである。第一〜第四の角度範囲θ1〜θ4については、図5に示す。
ここで、ブラシ部200を構成する各電極203〜206と、これら電極を電気的接続と断続を行うブラシ207について、図5を用いて説明する。図5における回転軸86aの回転角度は、図3における回転軸86の回転角度に一致する。
ブラシ部200は、全周電極と、第一電極と、第二電極と、ブラシ207とから構成される。全周電極は、モータ84の回転軸86側に形成されており、モータ84の回転角度全範囲に形成する電極であって、第一回転角スイッチ201の一方の電極203と第二回転角スイッチ201の一方の電極205とを構成する。この全周電極203、205は、円環状に形成されている。
第一電極は、モータ84の回転軸86側に形成されており、モータ84の回転角度が第一の角度範囲θ1に形成され電極であって、第一回転角スイッチ201の他方の電極204を構成する。第一電極204は、全周電極203、205より回転中心側に形成されており、全周電極203、205より径の小さな円弧状の電極である。第一電極204が形成される第一の角度範囲θ1は、図5における80°〜180°の範囲、および、260°〜360°の範囲である。つまり、第二の角度範囲θ2は、図5における0°〜80°の範囲、および、180°〜260°の範囲である。
第二電極は、モータ84の回転軸86側に形成されており、モータ84の回転角度が第三の角度範囲θ3に形成され電極であって、第二回転角スイッチ202の他方の電極206を構成する。第二電極206は、第一電極204より回転中心側に形成されており、第一電極204より径の小さな円弧状の電極である。第二電極206が形成される第三の角度範囲θ3は、図5における−10°(350°)〜90°の範囲、および、170°〜270°の範囲である。つまり、第四の角度範囲θ4は、図5における90°〜170°の範囲、および、270°〜350°の範囲である。
つまり、第一の角度範囲θ1は、少なくとも第四の角度範囲θ4を含む角度範囲である。第三の角度範囲θ3は、少なくとも第二の角度範囲θ2を含む角度範囲である。さらに、モータ84の回転方向の一方の方向を第一方向(図5における左から右側)と定義した場合において、第一の角度範囲θ1の第一方向端、すなわち、図5における第一の角度範囲θ1の右端は、第三の角度範囲θ3に含まれる。また、第三の角度範囲θ3の第一方向端、すなわち、図5における第三角度範囲θ3の右端は、第一の角度範囲θ1に含まれる。
ブラシ207は、図5において破線にて示しており、モータ84の固定子85側に取り付けられ、モータ84の回転に伴って回転する。そして、このブラシ207の径方向外方端の位置は、全周電極203、205が形成されている径よりも大きく、ブラシ207の径方向内方端の位置は、第二電極206が形成されている径よりも小さい。つまり、ブラシ207は、全周電極203、205に常に当接しており、第一電極204および第二電極206に当接し得る。
駆動回路220は、第一のダイオードD1と、第二のダイオードD2と、第三のダイオードD3と、第一の抵抗R1と、第二の抵抗R2と、第一制御スイッチとしてのNチャネルMOSFET221と、第一のフライホイールダイオード222と、第二制御スイッチとしてのPチャネルMOSFET223と、第二のフライホイールダイオード224と、コンデンサCとから構成される。
第一のダイオードD1は、アノードをイグニッションスイッチ240を介してバッテリ230に接続し、カソードをモータコイル86aの第二端86a2に接続している。この第一のダイオードD1は、モータコイル86aへの逆流防止用である。第二のダイオードD2は、アノードを第一回転角スイッチ201の他方の電極204に接続し、カソードをNチャネルMOSFET221のドレインに接続している。第三のダイオードD3は、アノードを第二回転角スイッチ202の他方の電極206に接続し、カソードをPチャネルMOSFET223のソースに接続している。
第一の抵抗R1は、一端を第一のダイオードD1のアノード側に接続し、他端をエンジンECU210からの出力信号線、すなわち、npn形トランジスタTrのコレクタ側に接続している。第二の抵抗R2は、一端を接地し、他端をPチャネルMOSFET223のドレインに接続している。コンデンサCは、一端を第一の抵抗R1の他端側に接続し、他端を接地している。
NチャネルMOSFET221は、ドレインを第二のダイオードD2を介して第一回転角スイッチ201の他方の電極204に接続し、ソースを接地し、ゲートをエンジンECU210の出力信号線に接続している。つまり、NチャネルMOSFET221は、第一回転角スイッチ201に直列接続され、第二回転角スイッチ202に並列接続されている。このNチャネルMOSFET221に並列にフライホイールダイオード222が接続されている。
PチャネルMOSFET223は、ソースを第三のダイオードD3を介して第二回転角スイッチ202の他方の電極206に接続し、ドレインを第二の抵抗R2を介して接地し、ゲートをエンジンECU210の出力信号線に接続している。つまり、NチャネルMOSFET221は、第二回転角スイッチ201に直列接続され、第二回転角スイッチ202およびNチャネルMOSFET223に並列接続されている。このPチャネルMOSFET223に並列にフライホイールダイオード224が接続されている。
つまり、エンジンECU210から出力されるECU制御信号がON信号の場合には、NチャネルMOSFET221のドレイン−ソース間に電流が流れ、PチャネルMOSFET223のソース−ドレイン間に電流が流れない。一方、エンジンECU210から出力されるECU制御信号がOFF信号の場合には、NチャネルMOSFET221のドレイン−ソース間に電流が流れず、PチャネルMOSFET223のソース−ドレイン間に電流が流れる。このように、NチャネルMOSFET221とPチャネルMOSFET223とは、同一信号を入力し、相互に反転したON/OFF状態とする。
次に、エンジンECU210、駆動回路220、ブラシ部200、および、モータ84の動作について、図5のブラシ部200の展開図と、図6のタイミングチャートとを参照して説明する。
図5において、ブラシ207がAに位置する場合、すなわち、第一回転角スイッチ201がON状態で、且つ、第二回転角スイッチ202がOFF状態を初期状態とする。また、図6においては、Aの位置を初期状態とする。なお、図5と図6におけるA〜Eは、それぞれ対応している。つまり、図5においてAの位置にある場合には、図6においてAの位置にあることを意味する。ここで、図5におけるAの位置とは、モータ84の回転軸86が90°付近であるため、弁部材116は、図1に示すような上端に位置する。つまり、第二のオリフィス通路72が遮断状態となる。
(A)Aの時点とは、走行状態からアイドリング状態に変更された状態である。従って、図6の第一段目に示すように、マイコン信号は、OFF信号となる。そうすると、ECU制御信号は、図6の第二段目に示すように、ON信号となる。そのため、図6の第三、第四段目に示すように、NチャネルMOSFET221がONとなり、PチャネルMOSFET223がOFFとなる。このとき、図5に示すように、ブラシ207は全周電極203、205と第一電極204とを接続する状態にある。つまり、第一回転角スイッチ201がONとなっている。
そうすると、直列接続されている第一回転角スイッチ201とNチャネルMOSFET221がONとなり、モータコイル86aに電流を供給する状態となる。つまり、図4の第一回転角スイッチ201とNチャネルMOSFET221との間の電流値I1は、図6の第五段目に示すように、正の値となる。
その結果、モータ84の回転軸86が回転し始める。ここで、ブラシ207は、モータ84の回転軸86の回転に伴って回転する。従って、ブラシ207は、図5において、回転角度が大きくなる方向、図の右側へ移動する。
(B)そうすると、ブラシ207は、図5におけるBの位置へ移動する。Bの時点においては、Aの状態と同様に、第一回転角スイッチ201とNチャネルMOSFET221がONであるため、モータコイル86aに電流が供給されている。
(C)そして、第一電極204が形成されている範囲、すなわち、第一の角度範囲θ1の右端に達するまで、モータ84の回転軸86がさらに回転する。そうすると、図5のCの位置へ移動する。つまり、図5のCの位置とは、第一の角度範囲θ1を超えた位置である。つまり、ブラシ207が第一電極204から外れた位置となり、第一回転角スイッチ201がOFFとなる。
ここで、図6に示すように、Cの位置において、ECU制御信号はON信号であるため、NチャネルMOSFET221はONである。しかし、第一回転角スイッチ201がOFFであるため、モータコイル86aの第一端86a1から接地までの経路のうち、第一回転角スイッチ201を通過する経路は遮断されている。つまり、図4の第一回転角スイッチ201とNチャネルMOSFET221との間の電流値I1は、図6の第五段目に示すように、零となる。
一方、Cの位置において、ブラシ207は、第二電極206に当接している。つまり、第二回転角スイッチ202がONとなる。しかし、ECU制御信号がON信号の場合、図6の第四段目に示すように、PチャネルMOSFET223はOFFとなる。従って、モータコイル86aの第一端86a1から接地までの経路のうち、第二回転角スイッチ202を通過する経路も遮断されている。つまり、図4の第二回転角スイッチ202とPチャネルMOSFET223との間の電流値I2は、図6の第六段目に示すように、零となる。
従って、Cに位置した瞬間、モータコイル86aへの電流の供給は遮断され、モータ84の回転軸86の回転が停止し、位置決めされる。そして、図6において、Cの状態は、マイコン信号がOFF信号、すなわち、アイドリング状態の間継続する。
ここで、図5におけるCの位置とは、モータ84の回転軸86が180°付近であるため、弁部材116は、図2に示すような下端に位置する。つまり、第二のオリフィス通路72が連通状態となる。従って、アイドリング状態となると、その直後に僅かな期間(図6のAからCに達するまでの間)、モータコイル86aに電流を供給することで、第二のオリフィス通路72を遮断状態から連通状態へ切り替えられる。そして、その後は、アイドリング状態を継続する間、モータコイル86aへ電流を供給することなく、第二のオリフィス通路72を連通状態に維持できる。
なお、モータ84の回転軸86の回転速度は、非常に早い。従って、ECU制御信号がONに変更されてからOFFに変更されるまでの時間は、ECU制御信号がONに変更されてから第一回転角スイッチ201がOFFに変更されるまでの時間より、十分に長い。そのため、モータ84の回転軸86が回転している途中で、ECU制御信号がONからOFFに変更されることはない。従って、上記のように確実に動作する。
続いて、図6において、アイドリング状態が解消されて、走行状態となった場合には、マイコン信号がON信号となる。そうすると、ECU制御信号がOFF信号となる。従って、NチャネルMOSFET221はOFFし、PチャネルMOSFET223はONする。
ここで、Cの位置においては、図5に示すように、ブラシ207は第二電極206に当接している。従って、第二回転角スイッチ202がONである。なお、図6のCの付近において、第一電極204と第二電極206とが重なっている角度範囲が存在する。これにより、ブラシ207が第一電極204から外れたときには、ブラシ207は必ず第二電極206に当接することになる。
そうすると、直列接続されている第二回転角スイッチ202とPチャネルMOSFET223がONとなり、モータコイル86aに電流を供給する状態となる。つまり、図4の第二回転角スイッチ202とPチャネルMOSFET222との間の電流値I2は、図6の第五段目に示すように、正の値となる。
その結果、モータ84の回転軸86が回転し始める。ここで、ブラシ207は、モータ84の回転軸86の回転に伴って回転する。従って、ブラシ207は、図5において、回転角度が大きくなる方向、図の右側へ移動する。
(D)そうすると、ブラシ207は、図5におけるDの位置へ移動する。Dの時点においても、第二回転角スイッチ202とPチャネルMOSFET223がONであるため、モータコイル86aに電流が供給されている。
(E)そして、第二電極206が形成されている範囲、すなわち、第三の角度範囲θ3の右端に達するまで、モータ84の回転軸86がさらに回転する。そうすると、図5のEの位置へ移動する。つまり、図5のEの位置とは、第三の角度範囲θ3を超えた位置である。つまり、ブラシ207が第二電極206から外れた位置となり、第二回転角スイッチ202がOFFとなる。
ここで、図6に示すように、Eの位置において、ECU制御信号はOFF信号であるため、PチャネルMOSFET223はONである。しかし、第二回転角スイッチ202がOFFであるため、モータコイル86aの第一端86a1から接地までの経路のうち、第二回転角スイッチ202を通過する経路は遮断されている。つまり、図4の第二回転角スイッチ202とPチャネルMOSFET223との間の電流値I2は、図6の第五段目に示すように、零となる。
一方、Eの位置において、ブラシ207は、第一電極204に当接している。つまり、第一回転角スイッチ201がONとなる。しかし、ECU制御信号がOFF信号の場合、図6の第四段目に示すように、NチャネルMOSFET221はOFFとなる。従って、モータコイル86aの第一端86a1から接地までの経路のうち、第一回転角スイッチ201を通過する経路も遮断されている。つまり、図4の第一回転角スイッチ201とNチャネルMOSFET221との間の電流値I1は、図6の第六段目に示すように、零となる。
従って、Eに位置した瞬間、モータコイル86aへの電流の供給は遮断され、モータ84の回転軸86の回転が停止し、位置決めされる。そして、図6において、Eの状態は、マイコン信号がON信号、すなわち、走行状態の間継続する。
ここで、図5におけるEの位置とは、モータ84の回転軸86が270°付近であるため、弁部材116は、図1に示すような上端に位置する。つまり、第二のオリフィス通路72が遮断状態となる。従って、走行状態となると、その直後に僅かな期間(図6のCの最終位置からEに達するまでの間)、モータコイル86aに電流を供給することで、第二のオリフィス通路72を連通状態から遮断状態へ切り替えられる。そして、その後は、走行状態を継続する間、モータコイル86aへ電流を供給することなく、第二のオリフィス通路72を遮断状態に維持できる。
なお、モータ84の回転軸86の回転速度は、非常に早い。従って、ECU制御信号がOFFに変更されてからONに変更されるまでの時間は、ECU制御信号がOFFに変更されてから第二回転角スイッチ202がOFFに変更されるまでの時間より、十分に長い。そのため、モータ84の回転軸86が回転している途中で、ECU制御信号がOFFからONに変更されることはない。従って、上記のように確実に動作する。
そして、上記のような切替動作を繰り返す。つまり、アイドリング状態から走行状態に変更された場合には、変更された直後にモータコイル86aに電流を供給することのみで、第二のオリフィス通路72が連通状態から遮断状態へ切り替えられる。一方、走行状態からアイドリング状態に変更された場合には、変更された直後にモータコイル86aに電流を供給することのみで、第二のオリフィス通路72が遮断状態から連通状態へ切り替えられる。
以上説明したように、カム機構を採用することと、上記スイッチ構成を採用することで、モータ84の回転軸86の回転位置を維持するために、モータコイル86aに電流の供給を継続する必要がない。従って、消費電力量を少なくでき、モータコイル86aの発熱量を小さくできる。従って、モータの耐久性を向上できる。
さらに、ECU制御信号は、ON/OFF信号からなる一つの信号で、モータ84の回転停止を行うことができる。従って、ECU制御信号の生成が容易となると共に、駆動回路220の接続ポート数の増加を防止できる。
<変形態様1>
上記実施形態の制御装置92の変形態様1について説明する。変形態様1である制御装置392について、図7を参照して説明する。図7は、制御装置393を示す回路図である。本変形態様1の制御装置393において、上記実施形態の制御装置92と同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、制御装置393は、エンジンを制御するエンジンECU310と、モータ84の駆動回路320とから構成されている。エンジンECU310は、例えば、車速センサ、スロットルバルブの開度等に基づいて、エンジン(図示せず)を制御するECUである。このエンジンECU310は、エンジン等の各種情報に基づいて、エンジンがアイドリング振動を発生するアイドリング状態であるか、エンジンシェイクを発生する走行状態であるかを判定することができる。そして、本変形態様1において、本発明の制御信号出力部としてのエンジンECU310のマイクロコンピュータは、エンジンシェイクを発生するか否かのマイコン信号を発生する。つまり、マイコン信号は、走行状態である場合にON信号となり、走行状態でない場合、すなわちアイドリング状態の場合にOFF信号となる。ここでは、このマイコン信号は、ON信号とOFF信号とからなる矩形波信号とする。なお、ON信号とは、例えば、5V電圧等の0Vでない電圧であり、OFF信号とは0V電圧である。
そして、エンジンECU310のマイクロコンピュータから出力されるマイコン信号は、エンジンECU310が内蔵するnpn形トランジスタTrのベースに接続されている。そして、このnpn形トランジスタTrのエミッタは接地されており、コレクタは、抵抗R21およびイグニッションスイッチ240を介してバッテリ230に接続されている。さらに、このnpn形トランジスタTrのコレクタは、駆動回路320へも接続されている。
従って、エンジンECU310としての出力信号、すなわちnpn形トランジスタTrのコレクタ電圧であるECU制御信号は、マイコン信号がON信号のときにOFF信号となり、マイコン信号がOFF信号のときにON信号となる。具体的には、コレクタ電圧は、マイコン信号がON信号のときに、0Vとなる。一方、コレクタ電圧は、マイコン信号がOFF信号のときに、バッテリ230から印加されるバッテリ電圧がかけられることになる。つまり、ECU制御信号は、アイドリング状態の場合に0Vでない所定の電圧からなるON信号となり、走行状態の場合に0VからなるOFF信号となる。
駆動回路320は、第一のダイオードD1と、第二のダイオードD2と、第三のダイオードD3と、第二の抵抗R2と、第三の抵抗R22と、第一制御スイッチとしてのNチャネルMOSFET221と、第一のフライホイールダイオード222と、第二制御スイッチとしてのPチャネルMOSFET223と、第二のフライホイールダイオード224と、コンデンサCとから構成される。
第三の抵抗R23は、一端をNチャネルMOSFET221のゲートおよびPチャネルMOSFET223のゲートに接続し、他端をエンジンECU310からの出力信号線、すなわち、npn形トランジスタTrのコレクタ側に接続している。さらに、第三の抵抗R23の他端は、コンデンサCの一端に接続されている。
つまり、NチャネルMOSFET221のゲートは、第三の抵抗R3を介して、エンジンECU310の出力信号線に接続している。また、PチャネルMOSFET223のゲートも、第三の抵抗R3を介して、エンジンECU310の出力信号線に接続している。
このような制御装置393の構成においても、上記実施形態と同様の動作をし、同様の効果を奏する。
<変形態様2>
上記実施形態の制御装置92の変形態様2について説明する。変形態様2である制御装置492について、図8を参照して説明する。図8は、制御装置493を示す回路図である。本変形態様2の制御装置493において、上記実施形態の制御装置92または上記変形態様1の制御装置393と同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、制御装置493は、エンジンを制御するエンジンECU410と、モータ84の駆動回路320とから構成されている。エンジンECU410は、例えば、車速センサ、スロットルバルブの開度等に基づいて、エンジン(図示せず)を制御するECUである。このエンジンECU410は、エンジン等の各種情報に基づいて、エンジンがアイドリング振動を発生するアイドリング状態であるか、エンジンシェイクを発生する走行状態であるかを判定することができる。そして、本変形態様2において、本発明の制御信号出力部としてのエンジンECU410のマイクロコンピュータは、エンジンシェイクを発生するか否かのマイコン信号を発生する。つまり、マイコン信号は、走行状態である場合にON信号となり、走行状態でない場合、すなわちアイドリング状態の場合にOFF信号となる。ここでは、このマイコン信号は、ON信号とOFF信号とからなる矩形波信号とする。なお、ON信号とは、例えば、5V電圧等の0Vでない電圧であり、OFF信号とは0V電圧である。
そして、エンジンECU410のマイクロコンピュータから出力されるマイコン信号は、エンジンECU410が内蔵するnpn形トランジスタTrのベースに接続されている。そして、このnpn形トランジスタTrのエミッタは抵抗R31を介して接地されており、コレクタは、イグニッションスイッチ240を介してバッテリ230に接続されている。さらに、このnpn形トランジスタTrのエミッタは、駆動回路320へも接続されている。
従って、エンジンECU410としての出力信号、すなわちnpn形トランジスタTrのエミッタ電圧であるECU制御信号は、マイコン信号がON信号のときにON信号となり、マイコン信号がOFF信号のときにOFF信号となる。具体的には、エミッタ電圧は、マイコン信号がON信号のときに、バッテリ230から印加されるバッテリ電圧がかけられることになる。一方、エミッタ電圧は、マイコン信号がOFF信号のときに、0Vとなる。つまり、ECU制御信号は、アイドリング状態の場合に0VからなるOFF信号となり、走行状態の場合に0Vでない所定の電圧からなるON信号となる。
この場合、上記実施形態および変形態様1と比べると、マイコン信号のON/OFFとECU制御信号のON/OFFとの関係が逆になっている点で異なる。そのため、NチャネルMOSFET221およびPチャネルMOSFET223のON/OFFについても、逆となる。しかし、モータ84の動作は、実質的に同一となる。従って、このような制御装置493の構成においても、上記実施形態と同様の動作をし、同様の効果を奏する。
<その他>
なお、上記実施形態において、第一制御スイッチとしてNチャネルMOSFET221を用い、第二制御スイッチとしてPチャネルMOSFET223を用いた。しかし、これに限られるものではなく、第一制御スイッチおよび第二制御スイッチは、同一のECU制御信号を入力し、相互に反転したON/OFF状態とできるスイッチであればよい。例えば、NチャネルMOSFETのみによっても構成することも可能である。もちろん、MOSFETに限られるものではない。他のスイッチ機能を備えるものであれば、適用可能である。
弁部材116が上端に位置する場合における流体封入式防振装置の構成図である。 弁部材116が下端に位置する場合における流体封入式防振装置の構成図である。 カム溝118を周方向に展開した図である。 制御装置92を示す回路図である。 ブラシ部200を構成する電極203〜206と、ブラシ207とに関し、回転軸86の周方向に展開した図である。 制御装置92およびブラシ部200の動作を示すタイミングチャートである。 制御装置392を示す回路図である。 制御装置492を示す回路図である。
符号の説明
10:エンジンマウント(流体封入式防振装置)
11:マウント本体、 12:第一の取付金具、 14:第二の取付金具
16:本体ゴム弾性体、 28:シールゴム層、 32:ダイヤフラム
38:固定金具、 42:仕切部材
74:ブラケット金具、
114:アクチュエータ、 84:モータ、 86:回転軸、 86a:モータコイル
200:ブラシ部、 90:ピン、 94:支持部材、 116:弁部材(可動弁体)
92、392、492:制御装置
201:第一回転角スイッチ、202:第二回転角スイッチ
203、205:全周電極、 204:第一電極、 206:第二電極
207:ブラシ
210:エンジンECU(制御信号出力部)
220:駆動回路
221:NチャネルMOSFET(第一制御スイッチ)
223:NチャネルMOSFET(第二制御スイッチ)

Claims (7)

  1. 第一の取付部材と第二の取付部材を連結する本体ゴム弾性体と、
    前記本体ゴム弾性体の壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された受圧室と、
    可撓性膜で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された平衡室と、
    前記受圧室と前記平衡室とを相互に連通した流体流路と、
    往復作動によって前記流体流路を連通状態と遮断状態とに切り替える可動弁体と、
    モータコイルに電流が供給された場合に回転駆動するモータと、
    前記モータから前記可動弁体への駆動力の伝達経路上に設けられ、前記モータの回転駆動力を前記可動弁体の往復駆動力として伝達させるカム機構と、
    ON/OFF信号からなる制御信号を出力する制御信号出力部と、
    前記モータコイルに直列接続され、前記モータの回転角度が第一の角度範囲の場合にONとなり、前記モータの回転角度が前記第一の角度範囲以外である第二の角度範囲の場合にOFFとなる第一回転角スイッチと、
    前記第一回転角スイッチに直列接続され、前記制御信号がON信号の時にONとなり、前記制御信号がOFF信号の時にOFFとなる第一制御スイッチと、
    前記モータコイルに直列接続され、前記第一回転角スイッチおよび前記第一制御スイッチに対して並列接続され、前記モータの回転角度が第三の角度範囲の場合にONとなり、前記モータの回転角度が前記第三の角度範囲以外である第四の角度範囲の場合にOFFとなる第二回転角スイッチと、
    前記第二回転角スイッチに直列接続され、前記第一回転角スイッチおよび前記第一制御スイッチに対して並列接続され、前記制御信号がOFF信号の時にONとなり、前記制御信号がON信号の時にOFFとなる第二制御スイッチと、
    を備え、
    前記第一の角度範囲は、少なくとも前記第四の角度範囲を含み、
    前記第三の角度範囲は、少なくとも前記第二の角度範囲を含むことを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記制御信号がONに変更されてからOFFに変更されるまでの時間は、前記制御信号がONに変更されてから前記第一回転角スイッチがOFFに変更されるまでの時間より長く、
    前記制御信号がOFFに変更されてからONに変更されるまでの時間は、前記制御信号がOFFに変更されてから前記第二回転角スイッチがOFFに変更されるまでの時間より長い請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記モータの回転方向の一方の方向を、第一方向と定義した場合において、
    前記第一の角度範囲の前記第一方向端は、前記第三の角度範囲に含まれ、
    前記第三の角度範囲の前記第一方向端は、前記第一の角度範囲に含まれる請求項1または2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記モータの回転軸側に形成されており、前記モータの回転角度全範囲に形成する全周電極、前記第一の角度範囲に形成された第一電極、および、前記第三の角度範囲に形成された第二電極と、
    前記モータの固定子側に取り付けられ、前記モータの回転に伴って前記全周電極、前記第一電極および前記第二電極に当接し得るブラシと、
    を備え、
    前記第一回転角スイッチは、前記全周電極、前記第一電極、および、前記ブラシにより構成され、
    前記第二回転角スイッチは、前記全周電極、前記第二電極、および、前記ブラシにより構成される請求項1〜3の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記モータは、一方向の回転駆動力を発生する請求項1〜4の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  6. 前記モータは、DCモータである請求項1〜5の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  7. 前記流体流路は、第一のオリフィス通路と、前記第一のオリフィス通路よりも高周波数にチューニングされた第二のオリフィス通路とを備え、
    前記可動弁体は、前記第二のオリフィス通路を連通状態と遮断状態とに切り替える請求項1〜6の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
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