JP2009173724A - アダマンタン系共重合樹脂、樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

アダマンタン系共重合樹脂、樹脂組成物及びその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】透明性及び耐光性などの光学特性、長期耐熱性などの耐久性、誘電率などの電気特性に優れた硬化物を与えるアダマンタン系共重合樹脂を提供する。
【解決手段】カチオン重合性官能基を有する(メタ)アクリル系モノマー(A)由来の構成単位、及びアダマンタン構造を有する(メタ)アクリル系モノマー(B)由来の構成単位を含む共重合体で、[モノマー(A)由来の構成単位]/[モノマー(B)由来の構成単位]のモル比が0.1〜20、重量平均分子量が1,000〜10,000であるアダマンタン系共重合樹脂である。
【選択図】なし

Description

本発明は、アダマンタン系共重合樹脂、樹脂組成物及びその用途に関する。詳しくは、透明性及び耐光性などの光学特性、長期耐熱性などの耐久性、誘電率などの電気特性に優れた硬化物を与えるアダマンタン系共重合樹脂、樹脂組成物及びその硬化物からなる電子光学用シール剤や部材などに関するものである。
発光ダイオード(LED)チップを発光素子として備えた半導体装置が広く利用されており、そのような半導体装置には、発光素子の保護などの機能を兼ねた樹脂が封止剤として用いられている。近年では、白色LEDや紫外LEDなどの開発が進んでいることに伴い、封止剤の光学特性、耐久性及び電気特性などの向上が求められている。
LEDチップなどの発光素子を封止する際に用いられる封止剤としては、加工性のし易さや透明であることなどの理由でエポキシ樹脂が利用される場合が多い。代表的なエポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いる場合、耐熱性を有するものの芳香族成分を含有するため、光を吸収し黄色劣化するといった問題があった。それらを解決するために芳香環を水素化した水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いるLED封止剤が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂は光に対する劣化はないものの、発光の際に生じる発熱に耐えうるだけの耐熱性がない。
一方、アダマンタンは、シクロヘキサン環が4個、カゴ形に縮合した構造を有し、対称性が高く、安定な化合物であり、その誘導体は、特異な機能を示すことから、医薬品原料や高機能性工業材料の原料などとして有用であることが知られている。アダマンタン誘導体を含む樹脂は、例えば光学特性や耐熱性などを有することから、光ディスク基板、光ファイバーあるいはレンズなどに用いることが提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。また、アダマンタンエステル類の酸感応性、ドライエッチング耐性、紫外線透過性などを利用して、フォトレジスト用樹脂原料として、使用することが提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、これら樹脂では、光学用電子部材及びレジスト材料としての効果が充分でなく、耐熱性、透明性及び耐光性などの向上が求められている。
さらに、アダマンタンジオール類から誘導されるエポキシ化合物を発光ダイオード用封止剤に用いる提案がされている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、産業上必ずしも簡便な製造法を提供しているとは言い難い。
特開2003−082062号公報 特開平6−305044号公報 特開平9−302077号公報 特開平4−39665号公報 特開2005−146253号公報
本発明は、透明性及び耐光性などの光学特性、長期耐熱性などの耐久性、誘電率などの電気特性に優れた硬化物を与えるアダマンタン系共重合樹脂、それを含む樹脂組成物及びその用途を提供することを課題とするものである。
本発明者らは鋭意検討した結果、カチオン重合性官能基を有する(メタ)アクリル系モノマー由来の構成単位、及びアダマンタン構造を有する(メタ)アクリル系モノマー由来の構成単位を、特定の割合で含むアダマンタン系共重合樹脂を用いることにより上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
1.下記一般式(I)で表わされるカチオン重合性官能基を有する(メタ)アクリル系モノマー(A)由来の構成単位、及び下記一般式(II)又は(III)で表わされるアダマンタン構造を有する(メタ)アクリル系モノマー(B)由来の構成単位を含む共重合体で、[モノマー(A)由来の構成単位]/[モノマー(B)由来の構成単位]のモル比が0.1〜20、重量平均分子量が1,000〜10,000であるアダマンタン系共重合樹脂、
Figure 2009173724
[式中、R1は、水素原子又はメチル基を示し、Xは、下記式(I−1)〜(I−5)のいずれか1種の基を示し、mは1〜5の整数である。
Figure 2009173724
(式中、R2は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)]
Figure 2009173724
[式中、R1は、前記と同じであり、R3は、メチル基、水酸基、トリフルオロメチル基又は2つのR3が一緒になって形成された=Oを示し、R4は、メチル基、水酸基又は2つのR4が一緒になって形成された=Oを示す。nは0〜6の整数、pは0〜9の整数、tは6〜15の整数であり、かつp+t=15である。複数のR3及びR4は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。
Yは、式Cq2qr2r(qは0〜4の整数、rは0又は1である。)で表わされる基を示し、Zは、単結合、下記式(III−1)又は(III−2)で表わされる結合を示す。
Figure 2009173724
(式中、sは1〜4の整数である。)]
2.上記1に記載のアダマンタン系共重合樹脂を含む樹脂組成物、
3.上記2に記載の樹脂組成物を用いてなる光半導体用封止剤又は光半導体用シール剤、
4.上記2に記載の樹脂組成物を用いてなる光学用電子部材、
5.上記2に記載の樹脂組成物を用いてなる光学用接着剤又は光学用シール剤、及び
6.上記2に記載の樹脂組成物を用いてなるレジスト材料、
を提供するものである。
本発明のアダマンタン系共重合樹脂は、アダマンタン構造を含有しているため、光半導体用封止剤、光学用電子部材、光学用接着剤、及びレジスト材料として好適な、透明性及び耐光性などの光学特性、長期耐熱性などの耐久性、誘電率などの電気特性に優れた硬化物を与えることができる。
本発明のアダマンタン系共重合樹脂は、カチオン重合性官能基を有した(メタ)アクリル系モノマー(A)とアダマンタン構造を有する(メタ)アクリル系モノマー(B)との共重合体である。
[(メタ)アクリル系モノマー(A)]
本発明において用いられる(メタ)アクリル系モノマー(A)は、下記一般式(I)で表わされるカチオン重合性官能基を有する化合物である。本発明のアダマンタン系共重合樹脂は、モノマー(A)由来の構成単位を含むことにより、成形性及び透明性に優れた硬化物を与えることができる。
Figure 2009173724
式中、R1は、水素原子又はメチル基を示し、Xは、下記式(I−1)〜(I−5)のいずれか1種の基を示し、mは1〜5の整数である。
Figure 2009173724
式中、R2は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。該アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
一般式(I)で表わされるモノマー(A)は、ラジカル重合性を示す(メタ)アクリル基により、アダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート系モノマー(B)とのラジカル重合反応が可能となっており、これによって一つの分子中にエポキシ基、オキセタン基又はビニルエーテル基などのカチオン重合性である官能基とアダマンタン構造とを有する共重合体を与えることができる。なお、共重合体中のカチオン重合性官能基により、耐熱性及び耐光性などに優れた硬化物を与えることができる。
エポキシ基(I−1)及びオキセタン基(I−2)を含有するモノマー(A)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、(3−メチルオキセタン−3−イル)メチル−2−(メタ)アクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル−2−(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ビニルエーテル基(I−3)を含有するモノマー(A)としては、例えば、ビニル−2−メチル(メタ)アクリレート、2−(ビニルオキシ)エチル−2−メチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
2−オキソ−1,3−ジオキソラン基(I−4)を含有するモノマー(A)としては、例えば、(2−オキソ−1,3−ジオキソラニル)メチル(メタ)アクリレート、(2−オキソ−1,3−ジオキソラニル)エチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
3,4−エポキシシクロヘキシル基(I−5)を含有するモノマー(A)としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの中では、反応性の観点からグリシジル(メタ)アクリレート、3−エチルオキセタン−3−イル)メチル−2−(メタ)アクリレートが好ましい。
また、上記一般式(I)で表わされるモノマー(A)は、同一又は異なるものを組み合わせて使用してもよい。
[(メタ)アクリレート系モノマー(B)]
本発明において用いられる(メタ)アクリレート系モノマー(B)は、下記一般式(II)又は(III)で表わされるアダマンタン構造を有する化合物である。本発明のアダマンタン系共重合樹脂は、モノマー(B)由来の構成単位を含むことにより、光学特性及び耐熱性に優れた硬化物を与えることができる。
Figure 2009173724
式中、R1は、前記と同じであり、R3は、メチル基、水酸基、トリフルオロメチル基又は2つのR3が一緒になって形成された=Oを示す。R3が複数ある場合、互いに同一でも異なっていてもよい。
4は、メチル基、水酸基又は2つのR4が一緒になって形成された=Oを示す。R4が複数ある場合、互いに同一でも異なっていてもよい。
nは0〜6の整数であり、pは0〜9の整数であり、tは6〜15の整数である。ただし、式(III)の場合、p+t=15である。
Yは、式Cq2qr2r(qは0〜4の整数、rは0又は1である。)で表わされる基を示す。
Zは、単結合、下記式(III−1)又は(III−2)で表わされる結合を示す。
Figure 2009173724
式中、sは1〜4の整数である。
一般式(II)で表わされるモノマー(B)としては、例えば、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチルメチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチルエチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチルプロピル(メタ)アクリレート、1−アダマンチルブチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチルペンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチルヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−アダマンチル−1−(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中では、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチルメチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチルエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
一般式(III)で表わされるモノマー(B)としては、1−ペルフルオロアダマンチル(メタ)アクリレート、1−ペルフルオロアダマンチルメチル(メタ)アクリレート、1−ペルフルオロアダマンチルエチル(メタ)アクリレート、1−ペルフルオロアダマンチルプロピル(メタ)アクリレート、1−ペルフルオロアダマンチルブチル(メタ)アクリレート、1−ペルフルオロアダマンチルペンチル(メタ)アクリレート、1−ペルフルオロアダマンチルヘキシル(メタ)アクリレート、1−ペルフルオロトリフルオロメチル(メタ)アクリレート、2−[(ペルフルオロアダマンチル)オキシ]カルボニルメチルメタクリレート、2−[(ペルフルオロアダマンチル)オキシ]カルボニルエチルメタクリレート、2−(1−ペルフルオロアダマンチルオキシ)エチルアクリレートなどが挙げられる。これらの中では、1−ペルフルオロアダマンチル(メタ)アクリレート、1−ペルフルオロアダマンチルメチル(メタ)アクリレート、1−ペルフルオロアダマンチルメチル(メタ)アクリレート、2−[(ペルフルオロアダマンチル)オキシ]カルボニルメチルメタクリレート、2−(1−ペルフルオロアダマンチルオキシ)エチルアクリレートが好ましい。
また、上記一般式(II)又は(III)で表わされるモノマー(B)は、同一又は異なるものを組み合わせて使用してもよい。
[樹脂の製造]
(重合開始剤)
モノマー(A)とモノマー(B)との共重合反応は、ラジカル重合によって行われる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤などを使用することができる。
アゾ系開始剤としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−メチルブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1'−アゾビス−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート、4,4'−アゾビス−4−シアノ吉草酸、2,2'−アゾビス−(2−アミジノプロペン)2塩酸塩、2−tert−ブチルアゾ−2−シアノプロパン、2,2'−アゾビス−(2−メチル−プロピオンアミド)2水和物、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロペン]、2,2'−アゾビス(2,2,4−トリメチルペンタン)などが挙げられる。
過酸化物開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;ジイソブチリルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノールパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トルイルベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキセンなどのジアルキルパーオキサイド類;1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチル)シクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール類;(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカルボネートなどが挙げられる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、モノマー(A)、モノマー(B)及びラジカル重合開始剤の合計100質量部に対して、通常、0.01〜50質量部であり、好ましくは0.01〜30質量部である。上記範囲とすることにより、反応時間及び収率などが良好なものとなり、また目的とする重量平均分子量が得られ、さらに光学特性などの物性を発現できる。
(溶媒)
モノマー(A)とモノマー(B)との共重合反応は、無溶媒でもよいが、必要に応じて溶媒を使用することができる。溶媒は、モノマー(A)及び(B)の合計濃度が、通常、0.5質量%以上、好ましくは5質量%以上となる量を使用する。このとき、モノマーが懸濁状態でもよいが、溶解していることが好ましい。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどのアルキルアルコール類;メチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;エクソンアロマティックナフサNo.2(米国エクソン社製)などの芳香族炭化水素を含有する混合炭化水素類;n−ペンタン、n−ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;アイソパーC、アイソパーE、エクソールDSP100/140、エクソールD30(いずれも米国エクソン社製)、IPソルベント1016(出光興産社製)などの脂肪族炭化水素を含有する混合炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸エチルなどのエステル類などが挙げられる。これら溶媒は、単独又は組み合わせて使用することができる。
(反応条件)
反応温度としては、通常、0〜200℃であり、好ましくは20〜150℃である。温度が低すぎる場合、反応速度が低下し、温度が高すぎる場合、着色が激しくなる。
反応圧力としては、通常、絶対圧力で0.01〜10MPaであり、好ましくは常圧〜1MPaである。圧力が高すぎる場合、安全上、問題があり特別な装置が必要となり好ましくない。
反応時間としては、重合開始剤の種類や量、反応温度などに左右され、一概に決めることはできないが、通常、1分〜24時間であり、好ましくは1〜10時間である。
反応の際には、必要に応じ、連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤とは、分子量を制御するために用いられるものであり、例えば、ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、チオグリコール酸エステル、メルカプトエタノール、α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。
上記重合反応により製造されたモノマー(A)とモノマー(B)との共重合体である本発明のアダマンタン系共重合樹脂は、モノマー(B)由来の構成単位に対するモノマー(A)由来の構成単位のモル比[モノマー(A)由来の構成単位]/[モノマー(B)由来の構成単位]が0.1〜20であり、好ましくは0.5〜15であり、より好ましくは0.5〜8である。0.1未満であると、硬化剤との相溶性が悪化し、20を超えると硬度や耐熱性が不充分となる傾向がある。
モノマー(A)とモノマー(B)とからなるアダマンタン系共重合樹脂の重量平均分子量は、1,000〜10,000であり、好ましくは1,000〜6,000であり、より好ましくは1,000〜4,000である。1,000未満であると、硬度や耐熱性が不充分となる傾向があり、10,000を超えると硬化剤との相溶性が悪化する。なお、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法で測定したポリスチレン換算の値である。
[樹脂組成物]
上記重合反応により製造されたアダマンタン系共重合樹脂のみを硬化させて硬化物としてもよいが、機械強度や溶解性、作業性などの最適化のために、上記アダマンタン系共重合樹脂と公知のエポキシ樹脂などとを混合した樹脂組成物も使用して硬化物とすることができる。
混合使用できる公知のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂(具体的には、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールGジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールヘキサフルオロアセトンジグリシジルエーテル、ビスフェノールCジグリシジルエーテルなど);フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレートなどの脂環式エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、ヒダントインエポキシ樹脂などの含窒素複素環エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;脂肪族系エポキシ樹脂;低吸水率硬化体タイプの主流であるビフェニル型エポキシ樹脂;ジシクロ環型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂;トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルなどの多官能エポキシ樹脂;ビスフェノールAF型エポキシ樹脂などの含フッ素エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは単独又は組み合わせて使用してもよい。
[硬化物]
本発明のアダマンタン系共重合樹脂を含む樹脂組成物は、カチオン重合開始剤、あるいは酸無水物系、フェノール系及びアミン系などの硬化剤を使用することにより硬化させることができる。
カチオン重合開始剤としては、例えば、p−メトキシベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェートなどの芳香族ジアゾニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートなどの芳香族スルホニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェートなどの芳香族ヨードニウム塩、芳香族ヨードシル塩、芳香族スルホキソニウム塩、メタロセン化合物などが挙げられる。
カチオン重合開始剤の使用量は、樹脂組成物に対して、通常、0.01〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%である。上記範囲とすることにより、良好な重合及び光学特性などの物性を発現できる。
酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸などが挙げられる。また、酸無水物を用いる場合、その硬化を促進する目的で硬化促進剤を配合してもよい。この硬化促進剤の例としては、3級アミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン化合物類又はこれらの塩、オクチル酸亜鉛、オクチル酸スズなどの金属石鹸類が挙げられる。
フェノール系硬化剤としては、例えば、フェノール/ノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、トリアジン変性フェノールノボラック樹脂などが挙げられる。
アミン系硬化剤としては、例えば、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン、ジシアンジアミドなどが挙げられる。
これらの硬化剤は、単独又は組み合わせて使用してもよい。
硬化剤の使用量は、樹脂組成物に対して、通常、0.01〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%である。
また、樹脂組成物には、従来から使用されている、例えば、硬化促進剤、劣化防止剤、変性剤、脱泡剤、無機粉末、溶剤、レベリング剤、離型剤、染料、顔料などの公知添加剤を適宜配合してもよい。
硬化促進剤としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、トリス(2,4,6−ジメチルアミノメチル)フェノールなどの3級アミン類;2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類;トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエートなどのリン化合物;4級アンモニウム塩、有機金属塩類、及びこれらの誘導体などが挙げられる。これら硬化促進剤は、単独又は組み合わせて使用してもよい。
硬化促進剤の配合は、上記樹脂組成物100質量部に対して、通常、0.01〜8.0質量部であり、好ましくは0.1〜3.0質量部である。硬化促進剤の含有率を上記範囲とすることにより、充分な硬化促進効果を得られ、また得られる硬化物に変色が見られない。
劣化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物、リン系化合物などの公知の劣化防止剤が挙げられる。劣化防止剤を添加すると、硬化物の耐熱性や透明性などの特性を保持することができる。
フェノール系化合物としては、イルガノクス1010(Irganox1010、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商標)、イルガノクス1076(Irganox1076、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商標)、イルガノクス1330(Irganox1330、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商標)、イルガノクス3114(Irganox3114、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商標)、イルガノクス3125(Irganox3125、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商標)、イルガノクス3790(Irganox3790、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商標)、BHT、シアノクス1790(Cyanox1790、サイアナミド社、商標)及びスミライザーGA−80(SumilizerGA−80、住友化学社製、商標)などの市販品を挙げることができる。
アミン系化合物としては、イルガスタブFS042(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商標)、GENOX EP(クロンプトン社製、商標、化合物名;ジアルキル−N−メチルアミンオキサイド)など、さらにはヒンダードアミン系である旭電化社製のADK STAB LA−52、LA−57、LA−62、LA−63、LA−67、LA−68、LA−77、LA−82、LA−87、LA−94、CSC社製のTinuvin123、144、440、662、Chimassorb2020、119、944、Hoechst社製のHostavin N30、Cytec社製のCyasorb UV−3346、UV−3526、GLC社製のUval299及びClariant社製のSanduvor PR−31などを挙げることができる。
有機硫黄系化合物としては、DSTP(ヨシトミ)(吉富社製、商標)、DLTP(ヨシトミ)(吉富社製、商標)、DLTOIB(吉富社製、商標)、DMTP(ヨシトミ)(吉富社製、商標)、Seenox 412S(シプロ化成社製、商標)及びCyanox 1212(サイアナミド社製、商標)などの市販品を挙げることができる。
変性剤としては、例えば、グリコール類、シリコーン類及びアルコール類などの公知の変性剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、例えば、シラン系、チタネート系などの公知のシランカップリング剤が挙げられる。脱泡剤としては、例えば、シリコーン系などの公知の脱泡剤が挙げられる。無機粉末としては、用途に応じて粒径が数nm〜10μmのものが使用でき、例えば、ガラス粉末、シリカ粉末、チタニア、酸化亜鉛及びアルミナなどの公知の無機粉末が挙げられる。溶剤としては、樹脂成分が粉末の場合や、コーティングの希釈溶剤として、トルエンやキシレンなどの芳香族系溶剤やMEK(メチルエチルケトン)、MIBK(メチルイソブチルケトン)及びシクロヘキサノンなどのケトン系溶剤などが使用可能である。
本発明のアダマンタン系共重合樹脂を含む樹脂組成物と、必要に応じて配合されるその他の樹脂、硬化剤、及び各種添加剤を混合し、成型する金型(樹脂金型)への注入、あるいはコーティングにより所望の形状にした後に、硬化させることにより硬化物とすることができる。硬化法としては、特に制限はないが、通常、加熱硬化法又は紫外線照射による硬化法が挙げられる。
加熱硬化法としては、硬化温度が、通常、50〜200℃程度、好ましくは100〜180℃である。50℃以上とすることにより硬化不良となることがなく、200℃以下とすることにより着色などを生じることが無くなる。硬化時間は、使用するエポキシ樹脂、硬化剤、促進剤や開始剤によって異なるが、通常、0.5〜6時間が好ましい。
紫外線照射による硬化法としては、紫外線を、光量が、通常、500〜5000mJ/cm2程度、好ましくは1000〜4000mJ/cm2になるように照射する。紫外線照射後に後加熱を行ってもよく、70〜200℃で0.5〜12時間行うことが好ましい。
成形方法としては射出成形、ブロー成形、プレス成形など、特に限定されるものではない。
本発明のアダマンタン系共重合樹脂を含む樹脂組成物を硬化して得られた硬化物は、アダマンタン構造を有する樹脂を含むため、透明性などに優れており、光線透過率が70%以上となるものである。また、後の実施例に示すように、溶解温度が低いので加工性に優れ、ガラス転移温度が高く、優れた耐熱性及び耐光性などを有し、誘電率など電気特性にも優れた硬化物が得られる。
このように本発明のアダマンタン系共重合樹脂を含む樹脂組成物を硬化して得られた硬化物は、優れた特性を有するので、光半導体(LEDなど)用及び光学用の樹脂(封止剤、接着剤、シール剤)、フラットパネルディスプレイ(有機EL素子など)、光導波路、光通信用レンズ及び光学用フィルムなどの光学電子部材、レジスト材料などに好適に用いることができる。
すなわち、本発明のアダマンタン系共重合樹脂は、光半導体素子/集積回路(IC他)、個別半導体(ダイオード、トランジスタ、サーミスタなど)として、LED(LEDランプ、チップLED、受光素子、光半導体用レンズ)、センサー(温度センサー、光センサー、磁気センサー)、受動部品(高周波デバイス、抵抗器、コンデンサなど)、機構部品(コネクター、スイッチ、リレーなど)、自動車部品(回路系、制御系、センサー類、ランプシールなど)、接着剤(光学部品、光学ディスク、ピックアップレンズ)などに用いられ、表面コーティング用として光学用フィルム、フォトレジスト及びカラーレジストなどのレジスト材料などに用いられる。
したがって、本発明は、アダマンタン系共重合樹脂を用いてなる光半導体用封止剤又はシール剤、光学用電子部材、光学用接着剤又はシール剤、レジスト材料をも提供する。
光半導体(LEDなど)用封止剤としての構成は、砲弾型あるいはサーフェスマウント(SMT)型などに素子に適用でき、金属やポリアミド上に形成されたGaNなどの半導体と良好に密着し、さらにYAGなどの蛍光色素を分散しても使用できる。さらに、砲弾型LEDの表面コート剤、SMT型LEDのレンズなどにも使用可能である。
有機EL用に適用する際の構成は、一般的なガラスや透明樹脂などの透光性基板上に、陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極が順次設けられた構成の有機EL素子に適用可能である。有機EL素子の封止材として、金属缶や金属シートあるいはSiNなどのコーティングされた樹脂フィルムをEL素子にカバーする際の接着剤、あるいは本発明のエポキシ樹脂にガスバリアー性を付与するために無機フィラーなどを分散することで、直接、EL素子を封止することも可能である。表示方式として、現在、主流のボトムエミッション型にも適用可能であるが、今後、光の取出し効率などの点で期待されるトップエミッション型に適用することで、本発明のエポキシ樹脂組成物の透明性や耐熱性の効果を活かせる。
光回路に使用する際の構成は、シングルモードやマルチモード用の熱光学スイッチやアレイ導波路型格子、合分波器、波長可変フィルター、あるいは光ファイバーのコア材料やクラッド材料にも適用できる。また、導波路に光を集光するマイクロレンズアレイやMEMS型光スイッチのミラーにも適用できる。また、光電変換素子の色素バインダーなどにも適用可能である。
光学用フィルムとして用いる際の構成は、液晶用のフィルム基板、有機EL用フィルム基板などのディスプレイ用として、あるいは光拡散フィルム、反射防止フィルム、蛍光色素などを分散することによる色変換フィルムなどに適用可能である。
例えば、カラーレジストについては、液晶表示向けのカラーフィルタを構成するRGB及びブラックマトリックスなどのレジストの主成分もしくは添加剤として適応可能である。
本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
[アダマンタン系共重合樹脂の製造]
実施例1
還流冷却管、攪拌機、温度計、窒素導入管を備え付けた500mL丸底フラスコに、1−アダマンチルメタクリレート2.06g(モノマー(B))、グリシジルメタクリレート10.65g(モノマー(A))、アゾビスイソブチロニトリル5.04g、トルエン300mLを加えた。これを70℃のオイルバスにて2時間反応させた。その後、反応液を室温まで冷却し、有機層を濃縮し、白色粉体を得た。この白色粉体を粉体量に対して2倍量のトルエンに溶解させ、粉体量に対して4倍量のヘキサンに加え再沈処理を行った。その後、沈殿物を取り出し、乾燥させ目的物の共重合樹脂(白色粉体、収率78%)を得た。
実施例2
モノマー(B)として、1−アダマンチルメタクリレートの代わりに1−アダマンチルメチルメタクリレート2.2gを用いたこと以外は実施例1と同様に行い、目的物の共重合樹脂(白色粉体、収率73%)を得た。
実施例3
モノマー(B)として、1−アダマンチルメタクリレートの代わりに1−アダマンチルエチルメタクリレート2.36gを用いたこと以外は実施例1と同様に行い、目的物の共重合樹脂(白色粉体、収率79%)を得た。
実施例4
モノマー(B)として、1−アダマンチルメタクリレートの代わりに1−ペルフルオロアダマンチルメチルメタクリレート4.69gを用いたこと以外は実施例1と同様に行い、目的物の共重合樹脂(白色粉体、収率80%)を得た。
実施例5
還流冷却管、攪拌機、温度計、窒素導入管を備え付けた500mL丸底フラスコに1−アダマンチルメチルメタクリレート3.3g(モノマー(B))、グリシジルメタクリレート9.98g(モノマー(A))、アゾビスイソブチロニトリル5.04g、トルエン300mLを加えた。これを70℃のオイルバスにて2時間反応させた。その後、反応液を室温まで冷却し、有機層を濃縮し、白色粉体を得た。この白色粉体を粉体量に対して2倍量のトルエンに溶解させ、粉体量に対して4倍量のヘキサンに加え再沈処理を行った。その後、沈殿物を取り出し、乾燥させ目的物の共重合樹脂(白色粉体、収率67%)を得た。
実施例6
還流冷却管、攪拌機、温度計、窒素導入管を備え付けた500mL丸底フラスコに1−アダマンチルメチルメタクリレート6.58g(モノマー(B))、グリシジルメタクリレート7.97g(モノマー(A))、アゾビスイソブチロニトリル5.04g、トルエン300mLを加えた。これを70℃のオイルバスにて2時間反応させた。その後、反応液を室温まで冷却し、有機層を濃縮し、白色粉体を得た。この白色粉体を粉体量に対して2倍量のトルエンに溶解させ、粉体量に対して4倍量のヘキサンに加え再沈処理を行った。その後、沈殿物を取り出し、乾燥させ目的物の共重合樹脂(白色粉体、収率72%)を得た。
比較例1
市販のビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート828)を下記の硬化物とするために用いる樹脂とした。
比較例2
市販の水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコートYX8000)を下記の硬化物とするために用いる樹脂とした。
比較例3
還流冷却管、攪拌機、温度計、窒素導入管を備え付けた500mL丸底フラスコにグリシジルメタクリレート11.98g、アゾビスイソブチロニトリル5.04g、トルエン300mLを加えた。これを70℃のオイルバスにて2時間反応させた。その後、反応液を室温まで冷却し、有機層を濃縮し、白色粉体を得た。この白色粉体を粉体量に対して2倍量のトルエンに溶解させ、粉体量に対して4倍量のヘキサンに加え再沈処理を行った。その後、沈殿物を取り出し、乾燥させ樹脂(白色粉体、収率70%)を得た。
上記実施例1〜6で得られた共重合樹脂のモノマー(B)由来の構成単位に対するモノマー(A)由来の構成単位のモル比[(A)/(B)]、並びに実施例1〜6及び比較例3で得られた共重合樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、平均エポキシ当量を表に示す。
なお、平均エポキシ当量は、JIS K 7236に準拠して測定した。この値が小さい程、多くのエポキシ基を含むことを意味する。また、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、次の条件の下、GPC法により求め、ポリスチレン基準の換算値で示した。
GPC測定装置
測定器 :東ソー HLC−8220 GPC
カラム :東ソー G4000H&G2000H
測定条件
溶媒 :テトラヒドロフラン
測定温度 :40℃
流速 :1.0ml/分
試料濃度 :0.4質量%
[硬化物の製造]
実施例1〜6及び比較例1〜3で得られたそれぞれの樹脂、酸無水物としてメチルヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化社製、MH700)、硬化促進剤として1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンのオクチル酸塩(サンアプロ社製、SA102)、及び酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)を表で示した配合量(g)で混合し、脱泡後、110℃で2時間、その後150℃で3時間加熱し、硬化物(膜厚3mmシート)を製造した。
[物性評価]
実施例1〜6及び比較例1〜3の樹脂を用いて得られた硬化物のガラス転移温度、全光線透過率を以下のように測定し、耐光性試験、長期耐熱性試験、ゲル化測定を以下のように行った。評価結果を表に示す。
(1)ガラス転移温度(℃)
示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、DSC−7)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下50℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた熱流束曲線に観測される不連続点をガラス転移温度とした。
(2)全光線透過率(%)
上記試料を用いてJIS K 7105に準拠して測定した。測定装置は島津製作所社製分光光度計UV−3100Sを用い、測定波長は400nmで行った。
(3)耐光性試験
東洋精機製作所社製サンテストCPS+を用いて、試料を60℃で500時間光照射し、照射前後の400nmの光線透過率を測定し、変化が20%未満の場合を「○」、20%以上低下した場合を「×」とした。
(4)長期耐熱性試験
140℃の恒温槽に試料を100時間置き、サンシャインテスターを用い、試験前後の400nmの光線透過率を測定し、変化が20%未満の場合を「○」、20%以上低下した場合を「×」とした。
(5)ゲル化測定
JIS C 6521に準拠して、150℃でのゲル化時間の測定を行ない、比較例1のゲル化時間を1として、ゲル化時間を倍数で表した。
Figure 2009173724
本発明のアダマンタン系共重合樹脂は、透明性及び耐光性などの光学特性、長期耐熱性などの耐久性、誘電率などの電気特性に優れた硬化物を与えるので、光半導体用封止剤及びシール剤、光導波路、光通信用レンズ及び光学フィルムなどの光学電子部材、光学用接着剤及びシール剤、並びにレジスト材料に好適である。

Claims (6)

  1. 下記一般式(I)で表わされるカチオン重合性官能基を有する(メタ)アクリル系モノマー(A)由来の構成単位、及び下記一般式(II)又は(III)で表わされるアダマンタン構造を有する(メタ)アクリル系モノマー(B)由来の構成単位を含む共重合体で、[モノマー(A)由来の構成単位]/[モノマー(B)由来の構成単位]のモル比が0.1〜20、重量平均分子量が1,000〜10,000であるアダマンタン系共重合樹脂。
    Figure 2009173724
    [式中、R1は、水素原子又はメチル基を示し、Xは、下記式(I−1)〜(I−5)のいずれか1種の基を示し、mは1〜5の整数である。
    Figure 2009173724
    (式中、R2は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)]
    Figure 2009173724
    [式中、R1は、前記と同じであり、R3は、メチル基、水酸基、トリフルオロメチル基又は2つのR3が一緒になって形成された=Oを示し、R4は、メチル基、水酸基又は2つのR4が一緒になって形成された=Oを示す。nは0〜6の整数、pは0〜9の整数、tは6〜15の整数であり、かつp+t=15である。複数のR3及びR4は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。
    Yは、式Cq2qr2r(qは0〜4の整数、rは0又は1である。)で表わされる基を示し、Zは、単結合、下記式(III−1)又は(III−2)で表わされる結合を示す。
    Figure 2009173724
    (式中、sは1〜4の整数である。)]
  2. 請求項1に記載のアダマンタン系共重合樹脂を含む樹脂組成物。
  3. 請求項2に記載の樹脂組成物を用いてなる光半導体用封止剤又は光半導体用シール剤。
  4. 請求項2に記載の樹脂組成物を用いてなる光学用電子部材。
  5. 請求項2に記載の樹脂組成物を用いてなる光学用接着剤又は光学用シール剤。
  6. 請求項2に記載の樹脂組成物を用いてなるレジスト材料。
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