JP2009256632A - デカリン誘導体、それを含む樹脂組成物、それを用いた光半導体用封止剤、光学電子部材、レジスト材料、及びデカリン誘導体の製造方法 - Google Patents

デカリン誘導体、それを含む樹脂組成物、それを用いた光半導体用封止剤、光学電子部材、レジスト材料、及びデカリン誘導体の製造方法 Download PDF

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克樹 伊藤
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義崇 上野山
Hideki Yamane
秀樹 山根
Hidetoshi Ono
英俊 大野
Nobuaki Matsumoto
信昭 松本
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Abstract

【課題】光半導体用封止剤や光学電子部材など好適な新規化合物及びそれを含む樹脂組成物、該組成物を用いた半導体用封止剤、光学電子部材、レジスト材料、及び前記化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)で表されるデカリン誘導体
Figure 2009256632

[式中、Yは水素原子、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、炭素数1〜10の炭化水素基、水酸基、カルボキシル基、及び2つのYが一緒になって形成された=Oから選ばれる基を表わし、Yが複数ある場合、複数のYは同一であっても異なっていても良い。ただし、9又は10位の場合にはYは水素原子を表わす。Zは、特定の酸素含有複素環を含む基である。]、それを含む樹脂組成物、その樹脂組成物を用いた半導体用封止剤、光学電子部材、レジスト材料、及びデカリン誘導体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、デカリン誘導体、それを含む樹脂組成物、それを用いた光半導体用封止剤、光学電子部材、レジスト材料、及びデカリン誘導体の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、光半導体用封止剤、光学電子部材(光導波路、光通信用レンズ及び光学フィルムなど)及びこれらの接着剤として好適な、透明性、耐光性などの光学特性、長期耐熱性、誘電率など電気特性に優れた硬化物を与える新規なデカリン誘導体、およびそれを含む樹脂組成物、その樹脂組成物を用いた光半導体用封止剤、光学電子部材、レジスト材料、及びデカリン誘導体の製造方法に関するものである。
発光ダイオード(LED)チップを発光素子として備えた光半導体装置が各種ディスプレイ装置、表示用機器などに広く利用されている。この半導体装置の例としては、例えばGaN、GaAlN、InGaN、及びInAlGaN等の窒化ガリウム系化合物半導体を用いた可視光発光デバイスや高温動作電子デバイスがあり、最近では青色発光ダイオード、紫外発光ダイオードの分野で開発が進んでいる。
LEDチップを発光素子として備える光半導体装置は、リードフレームの発光面側にLEDチップを搭載して、LEDチップとリードフレームとをワイヤボンディングにより電気的に接続して、さらに、発光素子の保護及びレンズ機能を兼ねた樹脂により封止されている。
近年、新たな光源として白色LEDが注目されており、今後、照明用途を中心に大きく市場が広がると言われている。白色LEDはGaNのベアチップにYAG蛍光体を塗布し、GaNの青色発光と蛍光体の黄色発光を混色して白色を発光させるタイプと、赤・緑・青の3チップを1パッケージ化して白色発光させるタイプが実用化されている。また、近年、色合いの改良から、紫外LEDチップを光源にして、複数の蛍光体材料を組み合わせる方法も開発されている。さらに、照明用途等にLEDを用いるためには、その耐久性を改良することが求められている。
LEDチップ等の発光素子を封止する際に用いられる封止材料としては、加工性のし易さや透明であることなどの理由で、エポキシ樹脂が利用される場合が多い。代表的なエポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂を青色、紫外、それらを組み合わせる白色など短波長のLED封止に用いる場合、耐熱性を有するものの芳香族成分を含有するため、光を吸収し、黄色劣化するといった問題があった。それらを解決するために芳香環を水素化したビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いるLED封止剤が提案されている(特許文献1)。この水素化されたビスフェノールA型エポキシ樹脂は光に対する劣化はないものの、発光の際に生じる発熱に耐えうるだけの耐熱性がない。
近年、液晶や有機ELなどを用いたフラットパネルディスプレイの高精細化、高視野角化、高画質化、LEDなどの発光ダイオード(光半導体)を用いた光源の高輝度・短波長化、白色化、さらに電子回路の高周波数化や光を用いた回路・通信など、光学・電子部品の高性能化・改良検討が進められている。
その改良手法として、液晶材料や有機EL用の発光材料などの基本材料の研究開発がされているが、それらの材料と共に使用されるコーティング剤、封止剤あるいは接着剤などの樹脂の高性能化も検討されている。光学・電子部品のコーティング材料や封止材料用、接着剤用の樹脂として、種々の熱硬化樹脂や光硬化樹脂、あるいは熱可塑性樹脂が適用されている。それらは樹脂単独での耐熱性や透明性、溶解性、密着性などの特性に応じて適用されている。
また、ディスプレイ分野では、小型、高精細、省エネに優れる有機ELが近年、商品化が進んでおり、トップエミッション型などの方式が採用されている。それにともない、有機EL素子の封止樹脂としても、従来のステンレスなどの封止基板とガラス基板を接着する機能やガスバリア性などの機能のほかに、封止樹脂自体での透明性や耐光性、耐熱性、機械強度などがより求められている(非特許文献1)。
さらに、電子回路より高速処理が可能となる光導波路などを用いた光回路も検討されている。これらの用途で使用されている封止樹脂、接着用樹脂やフィルム、あるいはレンズ用の樹脂として、従来、使用されているビスフェノールA型のエポキシ樹脂などを使った場合、電子回路では誘電率が高かったり、耐熱性が不足したり、光導波路やLED封止では透明性の低下や樹脂の劣化による黄変などに問題がある。
特開2003−082062号公報
「マテリアルステージ」、2003年3月号52−64頁
本発明は、光半導体用封止剤、光学電子部材(光導波路、光通信用レンズ及び光学フィルムなど)及びこれらの接着剤として好適な、透明性、耐光性などの光学特性、長期耐熱性、誘電率など電気特性に優れた硬化物を与える新規な化合物、およびそれを含む樹脂組成物、その樹脂組成物を用いた半導体用封止剤、光学電子部材、レジスト材料、及び前記化合物の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するデカリン誘導体により、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、以下を要旨とするものである。
1. 下記一般式(I)で表されるデカリン誘導体。
Figure 2009256632
[式中、Yは水素原子、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、炭素数1〜10の炭化水素基、水酸基、カルボキシル基、及び2つのYが一緒になって形成された=Oから選ばれる基を表わし、Yが複数ある場合、複数のYは同一であっても異なっていても良い。ただし、9又は10位の場合には、Yは水素原子を表わす。Zは、下記一般式(II)または(III)であり、
Figure 2009256632
Rは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表わす。nは0〜4の整数、pは2〜4の整数、qは0〜14の整数、p+q=16である。]
2.下記一般式(IV)で表されるデカリン誘導体と、下記一般式(V)または(VI)で表される環状エーテル基含有化合物を反応させることを特徴とする一般式(I)で表されるデカリン誘導体の製造方法。
Figure 2009256632
[式中、Yは水素原子、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、炭素数1〜10の炭化水素基、水酸基、カルボキシル基、及び2つのYが一緒になって形成された=Oから選ばれる基を表わし、Yが複数ある場合、複数のYは同一であっても異なっていても良い。ただし、9又は10位の場合には、Yは水素原子を表わす。nは0〜4の整数、pは2〜4の整数、qは0〜14の整数、p+q=16である。]
Figure 2009256632
(式中Xはハロゲン原子、メシル基、又はトシル基を表し、Rは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)
3.一般式(I)で表されるデカリン誘導体と、エポキシ樹脂硬化剤および硬化促進剤とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
4.上記3に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする光半導体用封止剤。
5.上記3に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする光学電子部材。
6.上記3に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とするレジスト材料。
本発明は、光半導体用封止剤、光学電子部材(光導波路、光通信用レンズ及び光学フィルムなど)及びこれらの接着剤として好適な、透明性、耐光性などの光学特性、長期耐熱性、誘電率など電気特性に優れた硬化物を与えるデカリン誘導体およびそれを含む樹脂組成物、その樹脂組成物を用いた半導体用封止剤、光学電子部材、レジスト材料、及びデカリン誘導体の製造方法を提供することができる。
本発明の実施例3に係る化合物の1H−NMRチャートを示す図である。 本発明の実施例3に係る化合物の13C−NMRチャートを示す図である。 本発明の実施例3に係る化合物の19F−NMRチャートを示す図である。 本発明の実施例3に係る化合物の保持時間2.0〜40.0分のMSチャートを示す図である。 本発明の実施例3に係る化合物の、図4中で番号が付された保持時間におけるMSチャートを示す図である。 本発明の実施例3に係る化合物の、図4中で番号が付された保持時間におけるMSチャートを示す図である。 本発明の実施例3に係る化合物の、図4中で番号が付された保持時間におけるMSチャートを示す図である。
本発明のデカリン誘導体は、カルボキシル基を有するデカリン誘導体と、エピクロロヒドリンやオキセタン化合物などの環状エーテル基含有化合物を反応させて合成される。
本発明で採用されるカルボキシル基を含有するデカリン誘導体としては、具体的には、デカリン原料として、デカヒドロナフタレン−1,2−ジイルジカルボン酸、デカヒドロナフタレン−1,3−ジイルジカルボン酸、デカヒドロナフタレン−1,4−ジイルジカルボン酸、デカヒドロナフタレン−1,5−ジイルジカルボン酸、デカヒドロナフタレン−1,6−ジイルジカルボン酸、デカヒドロナフタレン−1,7−ジイルジカルボン酸、デカヒドロナフタレン−1,8−ジイルジカルボン酸、デカヒドロナフタレン−2,3−ジイルジカルボン酸、デカヒドロナフタレン−2,4−ジイルジカルボン酸、デカヒドロナフタレン−2,5−ジイルジカルボン酸、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイルジカルボン酸、デカヒドロナフタレン−2,7−ジイルジカルボン酸、デカヒドロナフタレン−2,8−ジイルジカルボン酸などが挙げられる。
一方、上記のカルボキシル基を有するデカリン誘導体と反応させる環状エーテル基含有化合物としては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、3−クロロメチル−3−メチルオキセタン、3−クロロメチル−3−エチルオキセタン、3−メチルスルホニルオキシメチル−3−メチルオキセタン、3−p−トルエンスルホニルオキシメチル−3−メチルオキセタン等を挙げることができる。
本発明においては、上記のデカリン誘導体と環状エーテル基含有化合物を塩基性物質存在下に反応させればよい。
このような塩基性触媒としては、ナトリウムアミド、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン,1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸化銀、ナトリウムメトキシド、カリウム t−ブトキシドなどが挙げられる。これらを単独または組み合わせて使用してもよい。
デカリン誘導体と環状エーテル基含有化合物を塩基性物質存在下に反応させる場合の反応温度は、0〜200℃程度、望ましくは20〜150℃程度とする。この温度が0℃未満の場合は、反応速度が低下し、反応時間が長くなる。一方、この温度が200℃を超える場合は、着色が激しくなる。
反応時の圧力は、絶対圧力で0.01〜10MPa程度、望ましくは常圧〜1MPa程度とする。この圧力が10MPaを越える場合は、安全上、問題があり、そのために特別な装置が必要となり、実用上好ましくない。
反応時間は、1分〜24時間程度、望ましくは1時間〜10時間とする。
カルボキシル基を有するデカリン誘導体は、溶媒を使用しなくても使用してもよい。溶媒を使用する場合、デカリン誘導体の溶解度が0.5質量%以上、望ましくは5質量%以上の溶媒を用いる。溶媒量はデカリン誘導体の濃度が0.5質量%以上、望ましくは5質量%以上となる量とする。このような溶媒として、具体的には、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMAc(ジメチルアセトアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらを単独または組み合わせて使用してもよい。この時、デカリン誘導体は懸濁状態でもよいが、溶解していることが望ましい。
なお、通常、デカリン化合物は2量体以上のオリゴマー成分が含まれるため、上記の反応においても2量体以上のエポキシ基を含有するデカリン誘導体オリゴマーが生成する。
これらオリゴマーが混在していても何ら問題はないが、必要に応じて、蒸留、晶析、カラム分離などが可能であり、生成物の性状と不純物の種類により精製方法を選択できる。
上記において、反応条件によっては環状エーテル基(特にエポキシ基)が開環してしまい、環状エーテル基の生成が不十分な場合がある。そのような場合には、アルカリによる閉環反応によりエポキシ含量を改善することができる。この閉環反応を行うには、前記で得られた開環したデカリン誘導体を含む溶液に塩基触媒を存在させる。前記塩基触媒の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。
前記塩基触媒の添加量は、上記で合成したエポキシ基含有デカリン誘導体に対して、0.1〜20質量%程度、好ましくは1〜10質量%とする。この量が0.1質量%より少ないと、反応時間が長くなり、逆に20質量%を超えると、それに見合う効果が得られなくなる。
反応温度としては、20〜200℃程度、好ましくは30〜150℃程度とする。また、圧力は、絶対圧力で0.01〜10MPa程度、望ましくは常圧〜1MPa程度とする。この圧力が10MPaを越える場合は、安全上、問題があり、特別な装置が必要となって、実用上好ましくない。反応時間は、1分〜24時間程度、好ましくは30分〜10時間程度とする。1回の反応で閉環が十分でない場合には、再度塩基触媒を用いて閉環反応を行えば良い。
こうして、得られた閉環したデカリン誘導体を精製する方法としては、蒸留、晶析、およびカラム分離などが可能であり、生成物の性状と不純物の種類により精製方法を選択できる。
本発明は、以上の方法で生成したデカリン誘導体を含む樹脂組成物を提供する。
前記樹脂組成物における樹脂としては、上記のエポキシ基含有デカリン誘導体のみでも良いが、機械強度や溶解性、作業性などの最適化のために、上記以外のエポキシ樹脂と混合しても良い。
前記の混合できるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂(ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールGジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールヘキサフルオロアセトンジグリシジルエーテル、ビスフェノールCジグリシジルエーテル等)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルー3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレートなどの脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、ヒダントインエポキシ樹脂等の含窒素環エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、低吸水率硬化体タイプであるビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロ環型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル等の多官能エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂等の含フッ素エポキシ樹脂、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
上記エポキシ樹脂は、常温で固形でも液状でもよいが、一般に、使用するエポキシ樹脂の平均エポキシ当量は、100〜2000のものが好ましい。エポキシ当量が100より小さい場合には、エポキシ樹脂組成物の硬化体が脆くなる場合がある。また、エポキシ当量が2000を超える場合には、その硬化体のガラス転移温度(Tg)が低くなる場合がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、カチオン重合開始剤や、酸無水物、アミンなどの硬化剤を用いた反応により硬化させることが可能である。
カチオン重合開始剤としては、熱あるいは紫外線によりエポキシ基と反応するものであれば何でもよいが、例えば、p−メトキシベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート等の芳香族ジアゾニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等の芳香族スルホニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等の芳香族ヨードニウム塩、芳香族ヨードシル塩、芳香族スルホキソニウム塩、メタロセン化合物、などが挙げられる。中でも、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等の芳香族スルホニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等の芳香族ヨードニウム塩が最適である。カチオン重合開始剤の含有率は、上記エポキシ樹脂に対して0.01〜5.0質量%程度であることが好ましく、より好ましくは、0.1〜3.0質量%程度である。開始剤の含有率を上記範囲とすることにより、良好な重合及び光学特性など物性を発現できる。
本発明における樹脂組成物には、エポキシ樹脂硬化剤をさらに含んでも良い。このような硬化剤としては、目的に応じて酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤などを使用することができる。
このうち、酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。中でも、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸が最適である。
酸無水物を用いる場合、その硬化を促進する目的で硬化促進剤を配合してもよい。このような硬化促進剤の例としては、3級アミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン化合物類またはこれらの塩、オクチル酸亜鉛、オクチル酸スズ等の金属石鹸類が挙げられる。
フェノール系硬化剤としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、トリアジン変性フェノールノボラック樹脂などが挙げられる。アミン系硬化剤としては、例えばジシアンジアミドや、m‐フェニレンジアミン、4,4’‐ジアミノジフェニルメタン、4,4’‐ジアミノジフェニルスルホン、m‐キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミンなどが挙げられる。
アミン系硬化剤としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、p−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキサンジシアンジアミド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1−(o−トリル)ビグアニド、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジシクロヘキシル等が挙げられる。
これらの硬化剤は1種を使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
これらの硬化剤の中では、硬化樹脂の透明性などの物性の点から、光半導体用封止剤には酸無水物系硬化剤が好適であり、中でも、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸が最適である。
また、本発明に係るエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、従来から用いられている硬化促進剤、劣化防止剤、変性剤、シランカップリング剤、脱泡剤、無機粉末、溶剤、レベリング剤、離型剤、染料、顔料などの、公知の各種の添加剤を適宜配合してもよい。
上記硬化促進剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、トリス(2,4,6−ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン類、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート等のリン化合物、4級アンモニウム塩、有機金属塩類、およびこれらの誘導体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、あるいは、併用してもよい。これら硬化促進剤の中では、3級アミン類、イミダゾール類、リン化合物を用いることが好ましい。
硬化促進剤の含有率は、上記エポキシ樹脂に対して、0.01〜8.0質量%であることが好ましく、より好ましくは、0.1〜3.0質量%である。硬化促進剤の含有率を上記範囲とすることにより、充分な硬化促進効果を得られ、また、得られる硬化物に変色が見られない。
本発明のエポキシ樹脂は耐熱性や透明性に優れるが、それらの特性を保持するために劣化防止剤を添加しても良い。このような劣化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物、リン系化合物などの劣化防止剤が挙げられる。
このうち、フェノール系化合物としては、イルガノクス1010(Irganox1010、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商標)、イルガノクス1076(Irganox1076、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商標)、イルガノクス1330(Irganox1330、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商標)、イルガノクス3114(Irganox3114、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商標)、イルガノクス3125(Irganox3125、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商標)、イルガノクス3790(Irganox3790、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商標)、BHT、シアノクス1790(Cyanox1790、サイアナミド社、商標)、スミライザーGA−80(SumilizerGA−80、住友化学社、商標)などの市販品を挙げることができる。
アミン系化合物としては、イルガスタブFS042(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商標)、GENOX EP(クロンプトン社、商標、化合物名;ジアルキル−N−メチルアミンオキサイド)など、さらにはヒンダードアミン系である旭電化社製のADK STAB LA−52、LA−57、LA−62、LA−63、LA−67、LA−68、LA−77、LA−82、LA−87、LA−94、CSC社製のTinuvin123、144、440、662、Chimassorb2020、119、944、Hoechst 社製のHostavin N30、Cytec社製のCyasorb UV−3346、UV−3526、GLC社製のUval299、Clariant社製のSanduvorPR−31等を挙げることができる。
有機硫黄系化合物としては、DSTP(ヨシトミ)(吉富社、商標)、DLTP(ヨシトミ)(吉富社、商標)、DLTOIB(吉富社、商標)、DMTP(ヨシトミ)(吉富社、商標)、Seenox412S(シプロ化成社、商標)、Cyanox1212(サイアナミド社、商標)などの市販品を挙げることができる。
リン系化合物としては、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリデシル、亜リン酸ノニルジフェニル、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド等のリン系酸化防止剤等を挙げることができる。
変性剤としては、例えば、グリコール類、シリコーン類、アルコール類などの、従来から公知の変性剤が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、従来から公知のシランカップリング剤が挙げられる。
脱泡剤としては、例えば、シリコーン系などの、従来から公知の脱泡剤が挙げられる。
無機粉末としては、用途に応じて粒径が数nm〜10μmのものが使用でき、例えば、ガラス粉末、シリカ粉末、チタニア、酸化亜鉛、アルミナなどの公知の無機粉末が挙げられる。
溶剤としては、エポキシ樹脂が粉末の場合や、コーティングの希釈溶剤として、トルエンやキシレンなどの芳香族系溶剤やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤などが使用可能である。
レベリング剤の例としては、BYK−331(BYKケミカル社製)、BYK−333(BYKケミカル社製)、BYK−337(BYKケミカル社製)、BYK−340(BYKケミカル社製)などがあげられる。
着色成分を含有する場合、グラフィックや、文字、写真などを表示する材料、カラーレジストとして用いることができる。この着色成分としては、従来、染料や顔料が広く使用されているが、特に耐候性の面から顔料を用いる場合が多い。
顔料成分としては、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無彩色の顔料または有彩色の有機顔料が使用できる。
有機顔料の例としては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの溶性アゾ顔料、アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系有機顔料、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系有機顔料、ペリレンレッド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系有機顔料、イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系有機顔料、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジなどのピランスロン系有機顔料、チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、キノフタロンエローなどのキノフタロン系有機顔料、イソインドリンエローなどのイソインドリン系有機顔料、その他の顔料として、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記のエポキシ樹脂成分及び硬化剤や、カチオン重合開始剤と各種添加剤を混合し、成型する金型(樹脂金型)への注入、あるいはコーティングにより所望の形状にした後に、加熱硬化する。硬化温度としては、50〜200℃程度、好ましくは100〜180℃程度である。50℃以上とすることにより硬化不良となることがなく、200℃以下とすることにより着色などを生じることが無くなる。硬化時間は、使用するエポキシ樹脂、硬化剤、促進剤や開始剤の種類によって異なるが、0.5〜6時間程度が好ましい。
紫外線を使用して硬化する場合、紫外線の照射光量は、通常500〜5000mJ/cm2程度、好ましくは1000〜4000mJ/cm2程度である。紫外線照射後に後加熱を、通常70〜200℃で0.5〜12時間程度行うことが好ましい。
成形方法としては射出成形、ブロー成形、プレス成形等、特に限定されるものではない。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られた樹脂は、耐熱性や透明性に優れており、全光線透過率が70%以上である。また、加工性に優れ、ガラス転移温度が高く、優れた耐久性(耐熱性および耐光性)を有し、誘電率など電気特性にも優れた硬化物が得られる。
このため、本発明のエポキシ樹脂組成物は、光半導体用封止剤、光学電子部材、およびレジスト材料として有用である。具体的には、フラットパネルディスプレイ(有機EL素子など)、半導体素子/集積回路(IC他)、個別半導体(ダイオード、トランジスタ、サーミスタなど)、LED(LEDランプ、チップLED、光通信用レンズ、受光素子、光半導体用レンズ)、センサー(温度センサー、光センサー、磁気センサー)、受動部品(高周波デバイス、抵抗器、コンデンサなど)、機構部品(コネクター、スイッチ、リレーなど)、光回路(光導波路)用の樹脂(封止剤、接着剤)、自動車部品(回路系、制御系、センサー類、ランプシールなど)、接着剤(光学部品、光学ディスク、ピックアップレンズ)などに用いられ、表面コーティング用として光学用フィルムなどにも用いられる。
また、本発明の樹脂組成物に用いる化合物は、デカリン骨格を有するエポキシ化合物であり、耐熱性、接着性に優れており、且つエッチング耐性も備えていることから、半導体用封止剤の他に、半導体用反射防止膜など半導体形成材料としても有用である。
LEDなどの光半導体用封止剤としての構成は、砲弾型あるいはサーフェスマウント(SMT)型などの素子に適用でき、金属やポリアミド上に形成されたGaNなどの半導体と良好に密着し、さらにYAGなどの蛍光色素を分散しても使用できる。さらに、砲弾型LEDの表面コート剤、SMT型LEDのレンズなどにも使用可能である。
有機EL用に適用する際の構成は、一般的なガラスや透明樹脂などの透光性基板上に、陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極が順次設けられた構成の有機EL素子に適用可能である。有機EL素子の封止材として、金属缶や金属シートあるいはSiNなどのコーティングされた樹脂フィルムをEL素子にカバーする際の接着剤、あるいは本発明のエポキシ樹脂にガスバリアー性を付与するために無機フィラーなどを分散することで、直接、EL素子を封止することも可能である。表示方式として、現在、主流のボトムエミッション型にも適用可能であるが、今後、光の取出し効率などの点で期待されるトップエミッション型に適用することで、本発明のエポキシ樹脂組成物の透明性や耐熱性の効果を活かせる。
光回路に使用する際の構成は、シングルモードやマルチモード用の熱光学スイッチやアレイ導波路型格子、合分波器、波長可変フィルター、あるいは光ファイバーのコア材料やクラッド材料にも適用できる。また、導波路に光を集光するμレンズアレイやMEMS型光スイッチのミラーにも適用できる。また、光電変換素子の色素バインダーなどにも適用可能である。
光学用フィルムとして用いる際の構成は、液晶用のフィルム基板、有機EL用フィルム基板などのディスプレイ用として、あるいは光拡散フィルム、反射防止フィルム、蛍光色素などを分散することによる色変換フィルムなどに適用可能である。
以下に、さらに実施例および比較例を掲げて、本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されない。
以下の実施例および比較例において得られた成形品等の評価方法は次の通りである。
(1)ガラス転移温度
示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製,DSC−7)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下50℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた熱流束曲線に観測される不連続点をガラス転移温度Tgとした。
(2)光線透過率
試料として肉厚3mmの試験片を用いてJIS K7105に準拠して測定した。測定装置は(株)島津製作所製分光光度計UV−3100Sを用い、測定波長は400nmで行った。
(3)耐光性試験
(株)東洋精機製作所製サンテストCPS+を用いて、試料を60℃で500時間光照射し、照射前後の400nmの光線透過率を測定し、変化が20%未満の場合を「○」、20%以上の場合を「×」とした。
(4)長期耐熱性試験
140℃の恒温槽に試料を100時間置き、サンシャインテスターを用い、試験前後の400nmの光線透過率を測定し、変化が20%未満の場合を「○」、20%以上の場合を「×」とした。
(5)ゲルタイム測定
JIS C 6521に準拠して、150℃でのゲル化時間の測定を行なった。
実施例1
[デカヒドロナフタレン−1,5−ジイルジカルボン酸ジグリシジルエステルの合成]
ディーンスターク付還流冷却管、攪拌機、温度計、窒素導入管を備え付けた1L丸底フラスコにデカヒドロナフタレン−1,5−ジイルジカルボン酸90g(0.40mol)、エピクロロヒドリン147g(1.59mol)、テトラエチルアンモニウムブロミド9g、トルエン270g、50質量%水酸化ナトリウム水溶液95.5gを加えた。これを130℃のオイルバスに入れ、少量の窒素を流し攪拌させ、還流により流出してくる水を除去しながら5時間反応させた。その後、反応液を室温まで冷却し酢酸エチル250mLを加えた。有機層を水層が中性になるまで水洗し、有機層を濃縮し、黄色粘性液体を得た。
この黄色粘性液体をトルエン368gに溶解させ、25質量%水酸化ナトリウム水溶液22.1gを加えて2時間攪拌、加熱還流させた。その後、室温まで冷却し、水層がアルカリ性から中性になるまで水洗を行い、さらに1回水洗した。有機層を濃縮し、下記式(VII)で表される液体の目的物を得た(収率:68%、エポキシ当量191)。
Figure 2009256632
スペクトルデータは以下の通りである。なお、測定は、核磁気共鳴スペクトル(溶媒:CDCl3)日本電子株式会社製 JNM−ECA500を使用した。
1H−NMR(500MHz):1.27−1.32(6H)、1.52−1.6(8H)、2.3(2H、b)、2.64(2H、j) 、2.84(2H、j) 、3.20(2H、i) 、3.90(2H、h) 、4.39(2H、h) 、13C−NMR(125MHz):174.6(g)、67.2( h)、49.3(i)、44.1(j)、42(f)、41.3(b)、35.4 (a)、31.7(e)、28.8(d)、23.9(c)
実施例2
実施例1で得られたデカヒドロナフタレン−1,5−ジイルジカルボン酸ジグリシジルエステル5g及び酸無水物としてメチルヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化(株)製、MH700)4.40g、硬化促進剤として1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7のオクチル酸塩(サンアプロ社製、SA102)0.1g、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)0.03gを室温で混合し、脱泡後、110℃で2時間、その後150℃で3時間加熱し、硬化樹脂(膜厚3mmシート)を製造した。得られた樹脂硬化物のガラス転移温度、光線透過率を上記の方法で測定し、さらに耐光性試験及び長期耐熱性試験を上記のとおり行った。評価結果を第1表に示す。
比較例1
実施例2において、デカヒドロナフタレン−1,5−ジイルジカルボン酸ジグリシジルエステルに替えて、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート828)5g、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸を4.40gにした以外は、実施例1と同様の方法で硬化樹脂を製造し、同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
比較例2
実施例2において、デカヒドロナフタレン−1,5−ジイルジカルボン酸ジグリシジルエステルに替えて、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコートYX8000)5g、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸を4.01gにした以外は、実施例1と同様の方法で硬化樹脂を製造し、同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 2009256632
表1より、実施例2の樹脂組成物は、Tgが高く、全光線透過率も高い。また、耐光性試験も、長期間耐熱性試験も良好な結果を示している。一方、エポキシ樹脂として、従来のエポキシ樹脂を使用した比較例1の場合には、Tgが実施例2に比べて低く、また耐光性試験も劣る。比較例2の場合には、ゲルタイムは良好であるものの、Tgの低下が激しく、長期間耐熱性試験も良くない結果となっている。
実施例3
[2,2’−(パーフルオロナフタレン−2,7−ジイル)ビス(メチレン)ビス(オキシ)ビス(メチレン)ジオキシランの合成]
ディーンスターク付還流冷却管、攪拌機、温度計、窒素導入管を備え付けた50mL丸底フラスコに(パーフルオロナフタレン−2,7−ジイル)ジメタノール2.5g(5mmol)、エピクロロヒドリン3.8g(41mmol)、メタノール6mLを加え、40℃に加熱した。水酸化ナトリウム1.2gを3回に分け、20分かけて加え4時間攪拌を行なった。その後、反応液を室温まで冷却し、2N−HCl水溶液を加え中和を行なった。トルエン50mLで3回抽出を行い、集めた有機層を水洗3回、飽和食塩水1回の洗浄を行なった。有機層を濃縮し、黄色粘性液体を得た。
下記式(VIII)で表されるジグリシジル体をモノグリシジル体12%含有する混合物として得た(純度:71%、収率:68%)。
Figure 2009256632
式(VIII)化合物の核磁気共鳴分析(溶媒:CDCl3、19F−NMRの測定には内部標準としてBTFを用い、−64ppmとした。日本電子株式会社製 JNM−ECA500を使用)、およびガスクロマトグラフ−質量分析(GC−MS):EI(株式会社島津製作所製 GCMS−QP2010を使用)を行い、それぞれスペクトルデータを得た。
実施例3で得られた化合物(VIII)の1H−NMRチャートを図1に、13C−NMRチャートを図2に、19F−NMRチャートを図3に、保持時間2.0〜40.0分のMSチャートを図4に、および図4中で番号が付された保持時間におけるMSチャートを図5〜図7に、それぞれ示す。
本発明のデカリン誘導体を含有する樹脂組成物は透明性、耐光性など光学特性や、耐熱性及び誘電率などの電気特性に優れる硬化物を与え、光半導体用封止剤、光学電子部材(例えば光導波路、光通信用レンズ、および光学フィルムなど)およびこれらの接着剤やレジスト材料に好適に用いることができる。
また、本発明の化合物はデカリン骨格を有するエポキシ化合物やオキセタン化合物であり、耐熱性、接着性に優れており且つエッチング耐性も備えていることから、半導体用封止剤、半導体用反射防止膜など、半導体形成材料としても有用である。

Claims (6)

  1. 下記一般式(I)で表されるデカリン誘導体。
    Figure 2009256632
    (式中、Yは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、水酸基、カルボキシル基、及び2つのYが一緒になって形成された=Oから選ばれる基を表わし、Yが複数ある場合、複数のYは同一であっても異なっていても良い。ただし、9又は10位の場合には、Yは水素原子を表わす。Zは、下記一般式(II)または(III)であり、
    Figure 2009256632
    Rは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表わす。nは0〜4の整数、pは2〜4の整数、qは0〜14の整数、p+q=16である。)
  2. 下記一般式(IV)で表されるデカリン誘導体と、下記一般式(V)または(VI)で表される環状エーテル基含有化合物を反応させることを特徴とする一般式(I)で表されるデカリン誘導体の製造方法。
    Figure 2009256632
    (式中、Yは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、水酸基、カルボキシル基、及び2つのYが一緒になって形成された=Oから選ばれる基を表わし、Yが複数ある場合、複数のYは同一であっても異なっていても良い。ただし、9又は10位の場合には、Yは水素原子を表わす。nは0〜4の整数、pは2〜4の整数、qは0〜14の整数、p+q=16である。)
    Figure 2009256632
    (式中Xはハロゲン原子、メシル基、又はトシル基を表し、Rは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)
  3. 前記一般式(I)で表されるデカリン誘導体と、エポキシ樹脂硬化剤および硬化促進剤とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
  4. 請求項3に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする光半導体用封止剤。
  5. 請求項3に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする光学電子部材。
  6. 請求項3に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とするレジスト材料。
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