JP2009170353A - 電線及び導電体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、放熱性の向上した電線及び導電体を提供する。
【解決手段】電線12と、電線12を収容する鞘管11と、を備える導電体10であって、電線12は、線心13と、線心13の外周を被覆する絶縁層14と、絶縁層14の外周を包囲して、複数本の金属細線16をメッシュ状に編み込んで形成された編組線15と、編組線15を構成する金属細線16の隙間55に含浸されると共に空気よりも熱伝導率が高い合成樹脂材33と、を備えてなり、鞘管11には、鞘管11の内周面を電線12側に押圧して電線12と密着させるための嵌合部29及び嵌合受け部32が設けられている。
【選択図】図5

Description

本発明は、電線及びこの電線を鞘管に収容してなる導電体に関する。
従来より、導電体としては、特許文献1に記載のものが知られている。この導電体は、複数の電線と、この電線の外周を包囲する編組線と、電線及び編組線を包囲するコルゲートチューブとを備えてなる。上記の導電体は、例えば電気自動車に搭載されて、インバータやモータなどの機器間を電気的に接続する。
上記の導電体においては、通電時に電線から発生する熱は、電線から編組線、コルゲートチューブへと伝達されて、コルゲートチューブから導電体の外部に放散される。
特開2004−172476公報
上記の編組線は、複数本の金属細線をメッシュ状に編み込んで形成されている。これにより隣り合う金属細線同士の間には、隙間が形成され、また、メッシュの編み目が形成されている。これらの隙間や編み目が伸縮することにより、編組線は柔軟に変形可能になっている。この結果、電線が屈曲された形態で配索されても、その配索経路に追従できるという利点がある。
しかしながら、上記の隙間や編み目には空気層が存在することになる。すると、電線から発生した熱がこの空気層にこもり、電線が高温になることが懸念される。
電線の温度上昇値に上限が定められている場合、電線の線心の直径を大きくすることにより通電時の発熱量を低減させることが考えられる。しかし導電体全体が大型化するため、この手法は採用できない。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、放熱性の向上した電線及び導電体を提供することを目的とする。
本発明は、電線であって、線心と、前記線心の外周を被覆する絶縁層と、前記絶縁層の外周を包囲して、複数本の金属細線をメッシュ状に編み込んで形成された編組線と、前記編組線を構成する前記金属細線の隙間に含浸されると共に空気よりも熱伝導率が高い合成樹脂材と、を備える。
本発明によれば、通電時に線心から発生した熱は、絶縁層に伝達され、その後、編組線に伝達される。編組線を構成する金属細線の隙間には、空気よりも熱伝導率が高い合成樹脂材が充填されているので、金属細線の隙間に熱がこもることが抑制される。これにより、合成樹脂材が存在しないものと比較すると、電線の放熱性を向上させることができる。
また、本発明は、電線と、前記電線を収容する鞘管と、を備える導電体であって、前記電線は、線心と、前記線心の外周を被覆する絶縁層と、前記絶縁層の外周を包囲して、複数本の金属細線をメッシュ状に編み込んで形成された編組線と、前記編組線を構成する前記金属細線の隙間に含浸されると共に空気よりも熱伝導率が高い合成樹脂材と、を備えてなり、前記鞘管には、前記鞘管の内周面を前記電線側に押圧して前記電線と密着させるための押圧手段が設けられている。
本発明によれば、通電時に線心から発生した熱は、絶縁層に伝達され、その後、編組線に伝達される。編組線を構成する金属細線の隙間には、空気よりも熱伝導率が高い合成樹脂材が充填されているので、金属細線の隙間に熱がこもることが抑制される。
さらに、鞘管の内周面は、電線と密着しているので、電線と鞘管との間に熱がこもることを抑制できる。この結果、導電体の放熱性を向上させることができる。
本発明の実施態様としては、以下の構成が好ましい。
前記編組線の外周面の少なくとも一部は、前記合成樹脂材から露出していてもよい。
上記の構成によれば、編組線に伝達された熱は、合成樹脂材から露出した部分から、直接に電線の外部に放散される。これにより、電線の放熱性を向上させることができる。さらに、編組線に伝達された熱は、合成樹脂材から露出した部分から、直接に鞘管の内周面に熱を伝達できる。これにより、導電体の放熱性を向上させることができる。
本発明によれば、電線及び導電体の放熱性を向上させることができる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図8を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る導電体10は、鞘管11の内部に、3本の電線12を収容してなる。この導電体10は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両(図示せず)に搭載されて、インバータ装置(図示せず)やモータ(図示せず)などの機器間を電気的に接続する。
電線12は、金属製(例えばアルミニウム若しくはアルミニウム合金、又は銅若しくは銅合金など)の線心13の外周を合成樹脂製(例えばポリプロピレン、ポリエチレン等)の絶縁層14で被覆し、この絶縁層14の外周を、編組線15で包囲してなる。詳細には図示しないが、線心13は、複数本の細線を螺旋状に撚り合わせた撚り線、又は棒状の単芯線からなる。電線12の断面形状については、図2に示すように線心13と絶縁層14の双方が円形状とされる。本実施形態では、3本の電線は同一の径寸法のものが用いられている。なお、同一の径寸法とは、線心13の径寸法及び電線12の径寸法が同一であることをいう。
図1に示すように、編組線15は、絶縁層14の外周面に巻回されてなり、全体として筒状をなしている。この編組線15は、図4に示すように、複数の金属細線16をメッシュ状に編みこんでなる。また、編組線15には、隣り合う金属細線16同士の隙間17や、メッシュの編み目18が形成されている。これらの隙間17や、編み目18が伸縮することにより、編組線15は、径方向における伸縮及び長さ方向における伸縮が可能となっている。
図1に示すように、鞘管11には、電線12の軸線方向(図1における左手前側から右奥側へ向かう方向)に延びて、3つの収容部19が設けられている。各収容部19は、電線12の延びる方向と交差する方向(図1における右手前側から左奥方に向かう方向)に間隔を空けて並んで設けられている。各収容部19内には、3本の電線12が、個別に収容されている(図3参照)。これにより、各電線12は、鞘管11内に、電線12の軸線方向と交差する方向に間隔を空けて並んで収容される。
図2及び図3に示すように、鞘管11は、図2の上側に位置する第1板材20と、下側に位置する第2板材21とを合体させて形成されている。第1板材20及び第2板材21は合成樹脂製である。合成樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、PET、PBT、ナイロン等の、比較的剛性を有する材料を用いることができる。第1板材20及び第2板材21は、公知の手法(例えば押出成形)により形成される。
第1板材20には、図2における左右方向に並んで3つの第1溝部22が、上方に引っ込んで形成されている。第1溝部22の断面形状は略半円形状をなしている。
また、第2板材21には、図2における左右方向に並んで3つの第2溝部23が下方に引っ込んで形成されている。第2溝部23の断面形状は略半円形状をなしている。
上記の第1板材20及び第2板材21は、同じ形状をなしている。第1溝部22及び第2溝部23は、第1板材20と第2板材21とを合体させた状態で、それぞれ対向する位置に形成されている。図3に示すように、第1板材20と第2板材21とを組合せた状態で、対向する溝部22,23同士により、断面形状が円形をなす空間が形成される。この空間内に電線12が収容されるようになっており、この空間が、電線12を収容する収容部19とされる。収容部19の内周面の半径は、絶縁層14の外周面の半径と、編組線15の厚さ寸法とを足したものよりも僅かに小さい寸法に設定されている。
第1板材20及び第2板材21には、図2における左右両端部に、電線12の軸線方向(紙面を貫通する方向)に延びる1対の側縁部24,24が形成されている。
第1板材20のうち、図2における左側に位置する側縁部24には、下方に垂下してロック部25が形成されている。ロック部25は、その肉厚方向(図2における左右方向)に弾性撓み変形可能に形成されている。
また、第2板材21のうち、図2における左側に位置する側縁部24には、上方に突出してロック受け部26が形成されている。ロック受け部26は、その肉厚方向(図2における左右方向)に弾性撓み変形可能に形成されている。ロック受け部26は、上述したロック部25と弾性的に係合可能になっている。
一方、第2板材21のうち、図2における右側に位置する側縁部24には、上方に突出してロック部25が形成されており、また、第1板材20のうち図2における右側に位置する側縁部24には、下方に垂下してロック受け部26が形成されている。ロック部25及びロック受け部26の構成については上記と同様なので、重複する説明を省略する。
上述したロック部25及びロック受け部26が弾性的に係合することにより、第1板材20と第2板材21とが一体に組み付けられるようになっている。
第1板材20には、隣り合う第1溝部22同士の間に、2つの第1中間部27が形成されている。また、第2板材21には、隣り合う第2溝部23同士の間に、2つの第2中間部28が形成されている。
第1板材20には、図2における右側に位置する第1中間部27に、下方に垂下して嵌合部29(押圧手段に相当)が形成されている。嵌合部29は、第1中間部27に連続して下方に垂下する軸部30と、軸部30の下端に形成されて図2における左右方向について幅広に形成され幅広部31とを備える。
第2板材21には、図2における右側に位置する第2中間部28に、下方に陥没して嵌合受け部32(押圧手段に相当)が形成されている。この嵌合受け部32の下端部は、嵌合受け部32の上部に比べて図2における左右方向に幅広に形成されており、上述した嵌合部29の幅広部31が嵌合可能になっている。
一方、第2板材21のうち図2における左側に位置する第2中間部28には、上方に突出して嵌合部29が形成されている。また、第1板材20のうち図2における左側に位置する第1中間部27には、上方に陥没して嵌合受け部32が形成されている。嵌合部29および嵌合受け部32の構成については上記と同様なので、重複する説明を省略する。
図3に示すように、第1板材20と第2板材21とが組合された状態において、嵌合部29の幅広部31と嵌合受け部32とが嵌合するようになっている。すると、幅広部31が嵌合受け部32に係止することにより、第1板材20と第2板材21とが上下方向に離間する方向に変位することが規制される。これにより、収容部19の内周が、電線12の外周に向かって押圧されるようになっている。この結果、収容部19の内周と編組線15とが密着すると共に、編組線15と絶縁層14の外周とが密着する。
図4及び図5に示すように、編組線15を構成する金属細線16の間には、隙間55が形成されている。図5に示すように、本実施形態においては、この隙間55に、空気よりも熱伝導率の高い合成樹脂材33が含浸されている。合成樹脂材33は金属細線16と密着している。図5に示すように、本実施系形態においては、編組線15の内周面及び外周面は、合成樹脂材33により覆われている。なお、金属細線16の隙間55とは、隣り合う金属細線16同士の間に形成された隙間17、及び/又はメッシュの編み目18を含む。合成樹脂材33は、隣り合う金属細線16同士の間に形成された隙間17及びメッシュの編み目18の少なくとも一方、又は双方に含浸されている。合成樹脂材33としては、ウレタン系樹脂、シリコングリス、等を用いることができる。
続いて、本実施形態に係る導電体10の製造工程の一例について、図6を参照して説明する。まず線心13の外周を絶縁層14で被覆し、この絶縁層14の外周に、金属細線16を編みつけながら巻回して、編組線15を形成する。
図6に示すように、線心13、絶縁層14、及び編組線15の図6における両端部を、例えば合成樹脂からなるマスキング材34を被覆することによりマスキングする。
続いて、編組線15の外周のうち、図7における左端寄りの位置に、略円筒形状をなすパッキン35を外嵌する。パッキン35の内径は、編組線15の外径と同じか、やや大きく設定されている。パッキン35の内周面のうち、図7における右端縁は、右方に向かうに従って拡径するテーパ面36が形成されている。パッキン35の外周のうち、図7における右端縁には、パッキン35から溢れた合成樹脂材33を、パッキン35の下方に配した受け皿37に流下させるための案内部38が形成されている。
パッキン35を編組線15の外周に外嵌した後、図7におけるパッキン35のやや右方の位置に、溶融した合成樹脂材33を、編組線15の上に流下する。次いで、パッキン35を図7における右方に移動させる。すると、パッキン35の内周面と、編組線15の外周面との間に合成樹脂材33が充填され、パッキン35の内周面により、編組線15を構成する金属細線16の隙間55に、合成樹脂材33が擦り込まれる。このようにして、金属細線16の隙間55に合成樹脂材33が含浸される。パッキン35から溢れた合成樹脂材33は、パッキン35の下方に配した受け皿37によって受けられる。
その後、溶融した合成樹脂材33を流下させる位置を図7における右方(図7における矢線方向)に移動させつつ、パッキン35及び受け皿37も右方に移動させる。合成樹脂材33を編組線15の右端部にまで流下させ、次いで、パッキン35を編組線15の右端部にまで移動させた後、パッキン35を編組線15から外す。その後、合成樹脂材33を冷却、固化する。これにより、編組線15を構成する金属細線16の隙間55に、合成樹脂材33が含浸される。その後、マスキング材34を剥離する。これにより電線12が完成する。
その後、第2板材21の3つの第2溝部23内に、それぞれ、電線12を載置する。次いで、第2板材21の上方から、第1板材20を重ね合わせる。第1板材20を上方から第2板材21に向けて押圧することにより、ロック部25と、ロック受け部26とが弾性的に係合し、第1板材20と第2板材21とが一体に組み付けられる。
さらに、嵌合部29と、嵌合受け部32とが嵌合することにより、第1板材20と第2板材21とが互いに上下方向に押圧される。これにより、収容部19の内周面は、電線12に向けた押圧され、電線12の外周面と密着する。これにより導電体10が完成する。
なお、電線12の端末においては、合成樹脂材33を剥離することにより、編組線15の端末処理を行うことができる。
次に、本実施形態の作用、効果について説明する。線心13に通電することにより線心13から発生した熱は、絶縁層14に伝達される。絶縁層14に伝達された熱は、編組線15の内周面を覆う合成樹脂層に伝達される。合成樹脂層に伝達された熱は、編組線15に伝達されると共に、合成樹脂層の外周面に伝導される。合成樹脂層の外周面に伝導された熱は、合成樹脂層の外周面と密着する鞘管11の内周面に伝達される。鞘管11に伝達された熱は、鞘管11の外周面から導電体10の外部に放散される。
本実施形態においては、編組線15を構成する金属細線16の隙間55には空気よりも熱伝導率の高い合成樹脂材33が含浸されている。これにより、合成樹脂材33が存在しない場合に比べて、導電体10の内部で熱がこもることを抑制できるから、電線12及び導電体10の放熱性を向上させることができる。
図8に、本実施形態に係る導電体10と、合成樹脂材33が存在しない導電体10との放熱性について比較した実験結果を示す。
本実施形態に係る導電体10、及び合成樹脂材33が存在しない導電体10においては、線心13は銅合金製であって、直径は2.6mmとした。線心13には、線心13の温度が飽和状態になるまで(2800〜4500秒間)60Aの電流を継続して流し、通電前の状態からの温度の上昇値を測定した。温度測定点は、絶縁層14の外周面と編組線15の外周面である。また、実験は無風状態で行った。
本実施形態に係る導電体10においては、図中、太い実線で示した絶縁層14の外周面の温度(52.6℃)と、図中、細い実線で示した編組線15の外周面の温度(49.3℃)との間の温度差は、3.3℃であった。
これに対し、合成樹脂材33が存在しない導電体10においては、図中、鎖線で示した絶縁層14の外周面の温度(63.5℃)と、図中、一点鎖線で示した編組線15の外周面の温度(57.8℃)との間の温度差は、5.7℃であった。
上記の結果から、本実施形態に係る導電体10においては、絶縁層14の外周面に伝達された熱は、速やかに合成樹脂材33に伝達され、その後、合成樹脂材33の内部を熱伝導して、合成樹脂材33の外周面に伝導されるため、絶縁層14の外周面と編組線15の外周面との温度の差が3.3℃と小さい値になったと考えられる。これに対し、合成樹脂材33が存在しない導電体10においては、絶縁層14の外周面に伝達された熱は、編組線15を構成する隣り合う金属細線16同士の隙間17や、メッシュの編み目18に存在する空気層にこもってしまう。このため、絶縁層14の外周面と編組線15の外周面との温度の差が5.7℃にもなったと考えられる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図9ないし図11参照して説明する。本実施形態においては、電線12の製造方法が実施形態1と異なる。上記以外の構成については実施形態と略同様であるので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
以下に、導電体10の製造工程の一例を説明する。本実施形態においては、図10に示すように、編組線15の外周のうち、図10における左端寄りの位置に、略円筒形状をなす金型39を外嵌する。金型39の内径は、編組線15の外径と同じか、やや大きく設定されている。金型39の内周面のうち、図10における右端縁は、右方に向かうに従って拡径するテーパ面40が形成されている。
図10における金型39の上部及び下部には、図10における左右方向の中央付近の位置に、液体状の合成樹脂を金型39内に導入するための一対の充填口41が、それぞれ上方及び下方に突出して形成されている。
図9に示すように、充填口41は、図9における上下方向に対称な位置に形成されている。
図11に示すように、金型39の内周面と、充填口41の下端部との間には、図11における左方に向かうに従って、縮径方向に傾斜した傾斜面42が形成されている。この傾斜面42により、溶融状態の合成樹脂が、金型39内を流れやすくなっている。
金型39を編組線15の外周に外嵌した後、金型39の充填口41から、液体状の合成樹脂を金型39内に導入する。次いで、金型39を図10における右方に移動させる。すると、液体状の合成樹脂は、充填口41から金型39の内部に導入され、傾斜面42に沿って流れる。すると、金型39の内周面と、編組線15の外周面との間に合成樹脂材33が充填され、金型39の内周面により、編組線15を構成する金属細線16の隙間55に、合成樹脂材33が擦り込まれる。このようにして、金属細線16の隙間55に合成樹脂材33が含浸される。
その後、金型39を編組線15の右端部にまで移動させた後、金型39を編組線15から外す。その後、合成樹脂材33を放置、固化する。これにより、編組線15を構成する金属細線16の隙間55に、合成樹脂材33が含浸される。その後、マスキング材34を剥離する。これにより電線12が完成する。
本実施形態によれば、合成樹脂材33を溢れさせることなく、金属細線16の隙間55に充填させることができるから、合成樹脂材33の使用量を減少させることができる。この結果、製造コストを減少させることができる。
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図12及び図13を参照して説明する。本実施形態にに係る導電体54おいては、図12に示すように、鞘管43には、電線12の軸線方向(図12における左手前側から右奥側へ向かう方向)に延びて、3つの収容部44が設けられている。各収容部44は、電線12の延びる方向と交差する方向(図12における右手前側から左奥方に向かう方向)に間隔を空けて並んで設けられている。各収容部44内には、3本の電線12が、個別に収容されている。これにより、各電線12は、鞘管43内に、電線12の軸線方向と交差する方向に間隔を空けて並んで収容される。
鞘管43は、1枚の合成樹脂製の板材45を折り曲げて形成してなる。板材45は、公知の手法(例えば押出成形)により形成される。図2に示すように、板材45には、6つの溝部46が並んで形成されている。図13に示すように、各溝部46は板材45の板面に対して陥没して形成されており、その断面形状は半円形状をなしている。
板材45には、図13における左端部に、板材45を折り曲げるための折り曲げ部47が形成されている。
図13に示すように、各溝部46は、板材45を折り曲げ部47で折り曲げた状態で、互いに対向する位置に形成されている。互いに対向する溝部46の間には、断面形状が円形をなす空間が形成される。この空間内に電線12が収容されるようになっており、この空間が、上述した収容部44とされる。溝部46の内周面の半径は、電線12の絶縁層14の外周面の半径と、編組線15の厚さ寸法とを足したものよりも僅かに小さい寸法に設定されている。
鞘管43には、各収容部44の図13における左右方向両側に、互いに対向する対向壁部48が形成されている。対向壁部48同士は、上下方向から互いに当接している。
対向壁部48には、図13に示すように、収容部44の延びる方向に沿って、且つ間隔を空けて並んだ複数の挿通孔49が、対向壁部48を貫通して形成されている。図13に示すように、挿通孔49は、板材45を折り曲げ部47で折り曲げた状態において、上側に位置する対向壁部48に形成された挿通孔49と、下側に位置する対向壁部48に形成された挿通孔49とが対応する位置に形成されている。これにより、板材45を折り曲げ部47で折り曲げた状態では、各挿通孔49は、図13における上下に連通するようになっている。この挿通孔49内には、合成樹脂製のピン50(押圧部材に相当する)が上下方向に挿通されている。後に詳述するが、このピン50により、収容部44の内周が、電線12の外周に向かって押圧されるようになっている。
図13に示すように、ピン50は、図13における上下方向に延びる軸部51と、軸部51の上端に位置して、軸部51よりも径大であって扁平形状をなす扁平部52とを備えてなる。軸部51には、その下端部寄りの位置から、左斜め上方及び右斜め上方に向かって延びる一対の抜け止め片53が設けられている。抜け止め片53は弾性変形可能になっている。
図13に示すように、ピン50が挿通孔49に上方から挿通された状態では、対向壁部48同士は、ピン50の扁平部52の下面と、抜け止め片53の上端との間に挟まれて、抜け止め片53の弾発力により上下方向に押圧された状態で固定される。これにより、図13における上側に位置する溝部46は、下方に向かって押圧され、電線12の外周の上半分に対して押し付けられる。一方、図13における下側に位置する溝部46は、上方に向かって押圧され、電線12の外周の下半部に対して押し付けられる。これにより、溝部46により構成される収容部44の内周は、電線12の外周に向かって押し付けられるようになっている。これにより、収容部44の内周と電線12の外周との間に編組線15が挟み付けられることになり、この結果、収容部44の内周と電線12の外周とが密着する。
上記以外の構成については実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
<実施形態4>
次に、本発明の実施形態4を図14を参照して説明する。図14に示すように、本実施形態においては、編組線15の外周面の少なくとも一部は、合成樹脂材33から露出している。
上記以外の構成については実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態によれば、編組線15に伝達された熱は、合成樹脂材33から露出した部分から、直接に鞘管11の内周面に熱を伝達できる。これにより、電線12及び導電体10の放熱性を向上させることができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)本実施形態においては、編組線15は、絶縁層14が形成された線心13を個別に包囲する構成とされたが、これに限られず、絶縁層14が形成された複数の線心13を、一括して包囲する構成としてもよい。
(2)本実施形態においては、鞘管11は合成樹脂製であったが、これに限られず、金属製であってもよい。
(3)本実施形態においては、1つの鞘管11には径寸法が同一である3本の電線12が収容される構成としたが、これに限られず、鞘管11には、1本の電線12が収容される構成としてもよい。また、径寸法が同一である電線12が、鞘管11に2本、又は4本以上収容される構成としてもよい。
また、線心13を構成する金属種、線心13の径寸法、絶縁層14の材質、絶縁層14の厚さ寸法、編組線15を構成する金属種、編組線15の厚さ寸法等が異なる複数の電線12が鞘管11に収容される構成としてもよい。
(4)本実施形態においては、線心13、絶縁層14、及び編組線15の両端部を、マスキング材34により被覆した後、合成樹脂材33を編組線15に含浸させる構成としたが、線心13の両端縁まで、絶縁層14及び編組線15が被覆された状態で、合成樹脂材33を編組線15に含浸させる場合には、マスキング材34を省略できる。この場合には、合成樹脂材33を必要な長さだけ剥離した後、公知の手法により通常のシールド電線における端末処理を実行すればよい。
また、例えば、絶縁層14の外周に編組線15が編みこまれたものをロールに巻回しておき、このものをロールから連続的に送り出して、編組線15に合成樹脂材33を連続的に含浸させて電線12を作成し、電線12をロールに巻回して保管してもよい。この場合、電線12をロールから必要な長さだけ送り出して、所定の長さに切断し、切断された電線12の両端部における合成樹脂材33を所定長さだけ剥離し、その後、公知の手法により通常のシールド電線の端末処理を実行してもよい。
(5)本実施形態においては、電線12の断面形状については、線心13と絶縁層14の双方が円形状としたが、これに限られず、電線12の断面形状は、線心13と絶縁層14の双方が矩形状をなす、いわゆる平角電線であってもよい。この場合、鞘管11の収容部19の断面形状は、電線12の断面形状に倣って、矩形状に形成される。
実施形態1に係る導電体を示す全体斜視図 第1板材と、第2板材とを組み付ける前の状態を示す断面図 図1におけるA−A線断面図 編組線の構造を示す要部拡大模式図 合成樹脂材が含浸された状態をしめす要部拡大断面図 電線の端部にマスキングを行った状態を示す側面図 合成樹脂材を金属細線同士の隙間に含浸させる工程を示す側面図 本実施形態に係る導電体と、合成樹脂材が存在しない導電体との放熱性について比較したグラフ 実施形態2に係る導電体を製造するための金型39を示す正面図 合成樹脂材を金属細線同士の隙間に含浸させる工程を示す要部拡大側断面図 合成樹脂材を金属細線同士の隙間に含浸させる工程を示す要部拡大側断面図 実施形態3に係る導電体を示す全体斜視図 図12におけるB−B線断面図 実施形態4に係る導電体を示す要部拡大側断面図
符号の説明
10,54…導電体
11,43…鞘管
12…電線
13…線心
14…絶縁層
15…編組線
16…金属細線
29…嵌合部(押圧手段)
32…嵌合受け部(押圧手段)
33…合成樹脂材
50…ピン(押圧手段)
55…金属細線の隙間

Claims (4)

  1. 線心と、前記線心の外周を被覆する絶縁層と、前記絶縁層の外周を包囲して、複数本の金属細線をメッシュ状に編み込んで形成された編組線と、前記編組線を構成する前記金属細線の隙間に含浸されると共に空気よりも熱伝導率が高い合成樹脂材と、を備えた電線。
  2. 前記編組線の外周面の少なくとも一部は、前記合成樹脂材から露出している請求項1に記載の電線。
  3. 電線と、前記電線を収容する鞘管と、を備える導電体であって、前記電線は、線心と、前記線心の外周を被覆する絶縁層と、前記絶縁層の外周を包囲して、複数本の金属細線をメッシュ状に編み込んで形成された編組線と、前記編組線を構成する前記金属細線の隙間に含浸されると共に空気よりも熱伝導率が高い合成樹脂材と、を備えてなり、前記鞘管には、前記鞘管の内周面を前記電線側に押圧して前記電線と密着させるための押圧手段が設けられている導電体。
  4. 前記編組線の外周面の少なくとも一部は、前記合成樹脂材から露出している請求項3に記載の導電体。
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