本発明は、光信号を伝送する光伝送モジュール、電子機器、及び光伝送モジュールの製造方法に関するものである。
近年、高速で大容量のデータ通信が可能な光通信網が拡大している。今後、この光通信網は民生機器への搭載が予想されている。そして、データ転送の高速大容量化、ノイズ対策、機器内の基板間をデータ伝送する用途として、現在の電気ケーブルと変わりなく使用することができる電気入出力の光データ伝送ケーブル(光ケーブル)が求められている。この光ケーブルとしては、フレキシブル性を考慮すると、フィルム光導波路を用いることが望ましい。
光導波路とは、屈折率の大きいコアと、該コアの周囲に接して設けられる屈折率の小さいクラッドとにより形成され、コアに入射した光信号を該コアとクラッドとの境界で全反射を繰り返しながら伝搬するものである。また、フィルム光導波路は、コアおよびクラッドが柔軟な高分子材料からなるため柔軟性を有している。
この柔軟性を有するフィルム光導波路を光ケーブルとして用いた光伝送モジュールは、一般的に、以下の部材を備えている。すなわち、光伝送モジュールは、光導波路と光学結合する光電変換素子(受発光素子)と、該光電変換素子に接続される電気配線を有する基板と、電気配線と光電変換素子とを電気接続する電気接続手段とを備えている。なお、受発光素子とは、電気信号を光信号に変換して発信し、光信号を受信して電気信号に変換する機能を有する素子である。従来の光伝送モジュールにおいては、電気配線と光電変換素子とを電気接続する電気接続手段として、ワイヤボンディングが用いられている(例えば特許文献1)。
図18(a)は、この従来の光導波路モジュール201の斜視図であり、図18(b)は、その側面断面図であり、図18(c)は、気密パッケージされた光導波路モジュール201の斜視図である。
これらの図に示すように、サブマウント220上に光導波路フィルム210が実装されており、その端面でのミラー面反射を介して受発光素子230との間で光の伝送が行われる。また、ICパッケージ240には、光導波路フィルム210を載置するためのサブマウント220が形成されている。ICパッケージ240には、電極242が形成されており、電極242は、配線246により受発光素子230の発受光点232に電気接続されている。すなわち、電極242と発受光点232とは、配線246によるワイヤボンディングにより電気接続している。
また、光伝送モジュールの構成の他の一例としては、例えば特許文献2及び3に開示された光伝送モジュールが挙げられる。
特許文献2に開示された光伝送モジュールは、図19に示されるように、フィルム光配線311と光デバイス314とが、バンプ310により接着された構成になっている。
また、特許文献3には、光素子と光導波路との位置を、基板に形成された位置決め用ピンにより決定する技術が開示されている。
特開2005−321560号公報(平成17(2005)年11月17日公開)
特許第3257776号公報(平成13(2001)年12月 7日登録)
特開2006−259682号公報(平成18(2006)年 9月28日公開)
例えば小型・薄型の機器内において光導波路を用いる場合、光伝送モジュールの小型化・低背化が要求されると考えられる。しかしながら、図18に示された従来の光伝送モジュールでは、ワイヤボンディングのためのスペースを確保する必要があるため、低背化に制約が生じる。
すなわち、図18に示されるように、ワイヤボンディングにより配線246と発受光点232とを電気接続する場合、発受光点232の形成面と電極242の形成面とに高低差があるため、配線246はループ構造になる。このため、従来の光伝送モジュールでは、配線246のループ高さ(発受光点232の形成面と配線246のループ構造の頂点との距離)を確保する設計になる。それゆえ、光導波路フィルム210をサブマウント220に実装するに際し、光学結合距離L(発受光点232と光導波路フィルム210との距離)を配線246のループ高さ以下に設定することが困難になり、光伝送モジュールの低背化に制約が生じる。
また、フィルム光導波路を光ケーブルとして用いた光伝送モジュールは、光電変換素子(受発光素子)にて、電気信号を光信号に変換して発信し、光信号を受信して電気信号に変換する。このため、通常の電気配線を用いた信号伝送モジュールと比較して、光伝送モジュールは、光電変換素子での光―電気変換もしくは電気―光変換の際に余分に電力を消費し、消費電力が大きくなる。
さらに、光伝送モジュールでは、光学結合距離が大きくなれば大きいほど、フィルム光導波路から受光素子へ入射する光量を確保するために、発光素子からフィルム光導波路に向けて出射する光の光量を多くする必要があるため、受発光素子に必要な電力(消費電力)が増大する。図18に示された従来の光伝送モジュールでは、光学結合距離Lを配線246のループ高さ以下に設定することが困難であるため、光学結合距離Lを小さくすることによる消費電力の低減にも制約が生じる。
また、配線246のループ構造を避けて、光導波路フィルム210を実装した場合には、ICパッケージ240に配線246のループ配置面積を確保する必要があり、光伝送モジュール全体のサイズが大きくなるという問題がある。
ここで、上記低背化(光学結合距離Lを小さくすること)を実現するための改良構成として、配線246によるワイヤボンディングの代わりに、銀ペーストやはんだといった液状導電性材料により受発光素子230と電極242とを電気接続する構成が考えられる。しかしながら、上記改良構成では、液状導電性材料が拡散し発受光点232に干渉してしまうという問題が生じる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化・低背化を図ると共に、液状導電性材料の発受光点への干渉を防止することができる光伝送モジュール、電子機器、及び光伝送モジュールの製造方法を提供することにある。
本発明の光伝送モジュールは、上記の課題を解決するために、光を伝送する光伝送路と、光伝送路により伝送された光と光学的に結合する受発光面を有し、該受発光面上に、光電変換の機能を有する発受光点、及び電極パッドが形成された光素子と、上記光素子、及び電気配線が搭載された基板と、上記電極パッドと上記電気配線とを電気接続する電気接続部材と、を備えた光伝送モジュールであって、上記基板は、上記電気配線が露出した配線露出面を有し、上記電気接続部材は、上記配線露出面にて露出された電気配線及び上記電極パッドに接触するように配された、液状導電性材料の固化物から構成されており、上記電極パッドと上記発受光点との間に、受発光面に対し突出した凸部が設けられていることを特徴としている。
本発明の光伝送モジュールは、光を伝送する光伝送路と、光伝送路により伝送された光と光学的に結合する受発光面を有し、該受発光面上に、光電変換の機能を有する発受光点、及び電極パッドが形成された光素子とを備えている。つまり、本発明の光伝送モジュールは、光伝送路の一方の端面より出射した光が進行する方向に受光面を有する光素子が配されている一方、発光面を有する光素子から出射した光が進行する方向に光伝送路の他方の端面が配された構成になっている。それゆえ、光伝送路の一方の端面より出射した光、または発光面を有する光素子から出射した光の進行方向において、光素子の受発光面と光伝送路とが離間した構成になっている。そして、この離間距離が、受発光面と光伝送路とを光学結合するために光学結合距離になっている。
従来の光伝送モジュールでは、電気接続部材としてワイヤを用いた構成であったため、電気接続部材は、ワイヤのループ高さだけ電極パッド形成面から突出していた。このため、光学結合距離(発受光点と光伝送路との距離)をワイヤのループ高さ以下に設定することが困難になり、光伝送モジュールの低背化に制約が生じるという問題がある。
これに対し、上記の構成では、上記基板は、上記電気配線が露出した配線露出面を有し、上記電気接続部材は、上記配線露出面にて露出された電気配線及び上記電極パッドに接触するように配された、液状導電性材料の固化物から構成されているので、電気接続部材における電極パッド形成面からの突出距離は、実質的に液状導電性材料の固化物の厚さになる。したがって、上記の構成によれば、従来の構成と比較して、フィルム光導波路と光素子との距離を小さくすることができ、モジュールの低背化を実現することが可能になる。また、従来の光伝送モジュールと比較して、光学結合距離を小さくすることができるので、光電変換素子としての光素子での消費電力を低減させることができる。
さらに、上述のように、上記電気接続部材が、上記配線露出面にて露出された電気配線及び上記電極パッドに接触するように配された、液状導電性材料の固化物から構成されている光伝送モジュールでは、液状導電性材料の固化物からなる電気接続部材を形成するに際し、液状導電性材料が発受光点へ干渉するという課題が残されている。
上記の構成によれば、上記電極パッドと上記発受光点との間に、受発光面に対し突出した凸部が設けられているので、電気接続部材を形成するに際し、液状導電性材料が発受光点へ広がっても、この凸部が液状導電性材料をせき止める役割を果たす。これにより、液状導電性材料の発受光点への干渉を防止することができる。
また、本発明の光伝送モジュールでは、光素子の搭載面から上記配線露出面までの高さが、光素子の搭載面から上記電極パッドの形成面までの高さと同じになっていることが好ましい。
上記の構成によれば、光素子の搭載面から上記配線露出面までの高さが、光素子の搭載面から上記電極パッドの形成面までの高さと同じになっているので、配線露出面と電極パ
ッドの形成面との高低差を解消し、液状導電性材料の固化物による電気接続に断線が生じにくくなる。それゆえ、上記の構成によれば、配線露出面と電極パッドとを断線なく安定に電気接続することができる。
また、本発明の光伝送モジュールでは、上記基板には、上記光伝送路を支持する台座部材が設けられており、上記凸部は、光伝送路における上記台座部材から光素子側に突き出している部分を支持していることが好ましい。
上記の構成によれば、光伝送路と光素子との距離は、台座部材及び凸部との両方により補償されることになる。それゆえ、上記の構成によれば、台座部材のみで光素子と光伝送路との距離を補償している構成と比較して、受発光面と光伝送路との離間距離、すなわち、光学結合距離のばらつきを低減することが可能になる。
さらに、光伝送路と凸部とが接する構造とすることで、受発光面と光伝送路との離間距離が安定し、光学結合距離のばらつきが低減する。
また、本発明の光伝送モジュールでは、上記凸部に、上記光伝送路が、接着剤により接着されていることが好ましい。
上記の構成のように、上記凸部に、上記光伝送路が、接着剤により接着されていることで、上記の光学結合距離のばらつき低減効果をさらに向上させることが可能になる。さらに、光伝送路における台座部材から光素子側に突き出している部分が自重により撓むことを防止することができる。さらに、光伝送モジュールに振動・衝撃が加わったとき、光伝送路の変形を抑制することができる。
また、本発明の光伝送モジュールでは、上記台座部材は、上記基板、及び上記光伝送路に、接着剤により接着されていることが好ましい。
台座部材のみで光素子と光伝送路との距離を補償している構成において、台座部材が、基板及び光伝送路に、接着剤により接着されている場合、接着剤の塗出量、及び荷重のばらつきにより、形成される接着層の厚みもばらついてしまう。上記凸部の高さは、台座部材及び光素子の高さよりも小さくなっている。凸部の加工ばらつきは、光素子及び台座部材に比べて非常に小さい。それゆえ、上記のように接着層の厚みもばらついても、光伝送路と光素子との光学結合距離のばらつきを非常に小さく低減することができる。
また、本発明の光伝送モジュールでは、上記凸部は、受発光面に平行な方向において、上記発受光点の周囲を取り囲むように設けられていることが好ましい。
これにより、光伝送路と凸部との接触面積が増加し、凸部による光伝送路の保持効果が増大する。また、光伝送路と光素子の受発光面との平行性がさらに高くなり、さらなる低消費電力化を実現することができる。
上記凸部は、コの字形状、またはロの字形状になっていてもよい。
特に、上記凸部がロの字形状になっている場合、光伝送路と凸部との接触面積がさらに増加し、凸部による光伝送路の保持効果がさらに増大する。その結果、光伝送モジュールの振動・衝撃等による応力に対して、光伝送路の変形が発生しにくくなり、光学結合の信頼性がさらに向上する。
また、本発明の光伝送モジュールでは、上記光伝送路は、少なくとも一方の端面が斜め
に加工されたフィルム光導波路であって、上記光素子は、受発光面で、上記端面にて反射した光と光学的に結合するようになっていてもよい。
また、本発明の電子機器は、上述の光伝送モジュールを備える電子機器において、上記光伝送モジュールは、上記電気配線と電気的に接続され、外部の配線と電気的に接続するための電気接続手段をさらに備え、上記光伝送路における両端の電気接続手段が、上記電子機器内部における機器基板にそれぞれ接続されていることを特徴としている。
これにより、光伝送モジュールを機器基板間に電気接続するだけで、電子機器内の機器基板間の光データ伝送を行うことができる。また、光伝送モジュールを実装してデータ伝送することができるため、電子機器の小型化を図ることができる。
また、本発明の電子機器では、上記光伝送モジュールにおける、上記受発光素子と上記光伝送路の端面とが、上記電子機器の筐体部に設けられていることが好ましい。
これにより、上記受発光素子と上記光伝送路の端面とを実装するための基板を筐体部に設ける必要がないため、電子機器をさらに小型化することができる。
また、本発明の電子機器では、ヒンジ部を備える電子機器において、上記光伝送モジュールは、上記ヒンジ部に設けられていることが好ましい。
これにより、屈曲部で生じやすいノイズを低減することができるため、ヒンジ付き電子機器内部の機器基板間のデータ伝送を確実に効率良く行うことができる。また、光伝送モジュールは小型で柔軟性を有するため、ヒンジ付き電子機器にヒンジを組み込みんだ後に実装することができるため生産性の高い電子機器を実現することができる。
本発明の光伝送モジュールの製造方法は、上記の課題を解決するために、光を伝送する光伝送路と、光伝送路により伝送された光と光学的に結合する受発光面を有し、該受発光面上に、光電変換の機能を有する発受光点、及び電極パッドが形成された光素子と、上記光素子、及び電気配線が搭載された基板と、上記電極パッドと上記電気配線とを電気接続する電気接続部材とを備えた光伝送モジュールの製造方法であって、上記配線露出面にて露出された電気配線及び上記電極パッドに接触するように、液状導電性材料を塗出する電気接続工程と、上記発受光点と上記電極パッドとの間に、光素子における受発光面に対し突出した凸部を形成する凸部形成工程と、を含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、上記配線露出面にて露出された電気配線及び上記電極パッドに接触するように、液状導電性材料を塗出する電気接続工程を含むので、従来の構成と比較して、フィルム光導波路と光素子との距離を小さくすることができ、モジュールの低背化を実現することが可能になる。また、従来の光伝送モジュールと比較して、光学結合距離を小さくすることができるので、光電変換素子としての光素子での消費電力を低減できる光伝送モジュールを製造することができる。
上記の構成によれば、さらに上記発受光点と上記電極パッドとの間に、光素子における受発光面に対し突出した凸部を形成する凸部形成工程を含むので、電気接続部材を形成するに際し、液状導電性材料が発受光点へ広がっても、この凸部が液状導電性材料をせき止める役割を果たし、液状導電性材料の発受光点への干渉を防止することができる。
本発明の光伝送モジュールの製造方法では、上記電気接続工程の前に、上記基板に、上記電気配線が露出した配線露出面を、光素子の搭載面から上記配線露出面までの高さが、光素子の搭載面から上記電極パッドの形成面までの高さと同じになるように形成する工程
を含むことが好ましい。
これにより、配線露出面と電極パッドとを断線なく安定に電気接続することができる。
本発明の光伝送モジュールの製造方法では、上記凸部に、光伝送路を接着剤により実装する光伝送路実装工程を含むことが好ましい。
上記の構成によれば、光伝送路の凸部への載置に、接着剤が用いられることになる。これにより、光学結合距離のばらつき低減効果をさらに向上させることが可能になる。
本発明の光伝送モジュールは、以上のように、上記基板は、上記電気配線が露出した配線露出面を有し、上記電気接続部材は、上記配線露出面にて露出された電気配線及び上記電極パッドに接触するように配された、液状導電性材料の固化物から構成されており、上記電極パッドと上記発受光点との間に、受発光面に対し突出した凸部が設けられている構成である。
また、本発明の光伝送モジュールの製造方法は、以上のように、上記配線露出面にて露出された電気配線及び上記電極パッドに接触するように、液状導電性材料を塗出する電気接続工程と、上記発受光点と上記電極パッドとの間に、光素子における受発光面に対し突出した凸部を形成する凸部形成工程と、を含む構成である。
それゆえ、小型化・低背化を図ると共に、液状導電性材料の発受光点への干渉を防止することができる。
また、本発明の電子機器は、以上のように、上記光伝送モジュールは、上記電気配線と電気的に接続され、外部の配線と電気的に接続するための電気接続手段をさらに備え、上記光伝送路における両端の電気接続手段が、上記電子機器内部における異なる機器基板にそれぞれ接続されている構成である。
これにより、電子機器内の機器基板間の光データ伝送を行うことができる。また、光伝送モジュールを実装してデータ伝送することができるため、電子機器の小型化を図ることができる。
(実施の形態1)
本発明の一実施形態について、図面を用いて以下に説明する。
図1は、本実施形態における光伝送モジュール1の概略構成を示す側面図である。なお、本実施形態は、後述する実施の形態2で示す本発明に係る光伝送モジュール1の前提となる構成を示すものである。なお、以下、光伝送路がフィルム光導波路である場合について説明するが、本発明に適用可能な光伝送路は、光を伝送する機能を有する部材であればよく、例えば、光ファイバ、光学フィルタ、カバーガラス等の部材であってもよい。
光伝送モジュール1は、フィルム光導波路(光伝送路)2と、受発光素子(光素子)3と、高さ部材補償部材(台座部材)4と、電気配線5と、基板6とを備えている。
フィルム光導波路2は、屈折率の大きいコア部2aと、該コア部2aの周囲に接して設けられる屈折率の小さいクラッド部2bとにより形成され、コア部2aに入射した光信号を該コア部2aとクラッド部2bとの境界で全反射を繰り返しながら伝搬するものである
。コア部2aおよびクラッド部2bは、柔軟性を有する高分子材料からなるものであるため、フィルム光導波路2は柔軟性を有している。フィルム光導波路2の両端部は、45度の傾斜面を有し、この傾斜面において光信号を反射する光路変換ミラー部2cになっている。なお、光路変換ミラー部2cの傾斜面の角度は45度に限定されるものではなく、入射される光信号をフィルム光導波路2内部へ反射させることができればよく、適宜変更可能である。なお、図1においては、フィルム光導波路2の端部付近において、光導波路2の長手方向(光軸方向)をX軸方向、コア部2a、およびクラッド部2bの積層方向をY軸方向とする。また、このY軸方向は、基板6におけるフィルム光導波路2の搭載面の法線方向とも一致する。そして、図1においては、X軸方向及びY軸方向に対し垂直な方向をZ軸方向としている。
受発光素子3は、電気信号を光信号に、光信号を電気信号にそれぞれ変換するものである。また、受発光素子3は、面受発光型の素子であり、基板7に搭載される搭載面とは反対側の面に光信号を発信および受信する活性部としての発受光点3aが形成されている。そして、この発受光点3aが形成された面(受発光面)に、電気配線5に電気接続される電極パッド3bが形成されている。
高さ補償部材4は、フィルム光導波路2を搭載すると共に、フィルム光導波路2と受発光素子3との間の距離を一定に保つための保持部材である。なお、高さ補償部材4の高さは、フィルム光導波路2と受発光素子3との光結合効率が最適になるように予め設定されている。
電気配線5は、受発光素子3と後述の駆動回路等の電子回路とを接続して、電気信号の伝達を行うものである。具体的には、例えば、フレキシブルプリント基板(FPC)、同軸ケーブル、リードフレーム等が挙げられる。
電気接続部5aは、電気配線5を介して受発光素子3と外部の電子回路とを電気的に接続するためのものである。
基板6は、上述の、フィルム光導波路2、受発光素子3、高さ補償部材4、電気配線5、および電気接続部5aを実装するためのものである。この基板6の一部の表面は、電気配線5が露出した露出面(配線露出面)になっている。
光伝送モジュール1では、露出している電気配線5と電極パッド3bとを電気接続するために、電気接続部材8が設けられている。この電気接続部材8は、受発光素子3の側壁をつたって電気配線5に接続している。つまり、電気接続部材8は、はんだ、銀ペースト等の液状導電性材料の固化物から構成され、露出された電気配線5、及び電極パッド3bに接触するように配されている。電気接続部材8は、受発光素子3の電極パッド3bに液状導電性材料を塗布し固化した結果、形成された部材である。
従来の光伝送モジュールでは、電気接続部材としてワイヤを用いた構成であったため、電気接続部材は、ワイヤのループ高さだけ電極パッド形成面から突出していた。これに対し、光伝送モジュール1では、電気接続部材8における電極パッド3b形成面からの突出距離が、実質的に液状導電性材料の固化物の厚さになる。したがって、光伝送モジュール1では、従来の構成と比較して、フィルム光導波路2と受発光素子3との距離を小さくすることができ、モジュールの低背化を実現することが可能になる。また、従来の光伝送モジュールと比較して、光学結合距離LおよびLのバラつきを小さくすることができる。このため、光電変換素子としての受発光素子3での消費電力を低減させることができる。
図2は、本実施形態の光伝送モジュール1の変形例を示す断面図である。図2に示され
るように、電気配線5が露出した露出面(配線露出面)が受発光素子3における電極パッド3b形成面と同じ高さになっていてもよい。
具体的には、電気配線5が、基板6上に形成された電気配線部7に搭載されている。そして、電気配線部7は、電気配線5が露出した露出面7a・7bを有する。電気配線部7の上面としての露出面7aは、受発光素子3における電極パッド3b形成面と同じ高さDになっている。一方、露出面7bは、電気配線部7における受発光素子3と対向する側面に配されている。ここでいう高さDとは、基板6における受発光素子3の搭載面から、電極パッド3b形成面または露出面7aまでの距離を意味している。ここでいう「同じ高さ」とは、実使用上の光伝送モジュールの設計範囲内で高さが同じであることを意味している。すなわち、測定限界内で高さが同じになっていることを意味している。この電気配線部7は、基板6における受発光素子3の搭載面に対し突出した構造であればよく、例えば角型チップ抵抗器であってもよい。
露出面7aにて露出している電気配線5と電極パッド3bとを電気接続するために、電気接続部材8が設けられている。この電気接続部材8は、非導電性ペーストにより構成される絶縁部10の上に設けられている。また、電気接続部材8は、露出面7aにて露出された電気配線5、及び電極パッド3bに接触するように配されている。つまり、電気接続部材8は、受発光素子3と電気配線部7との間隙に液状導電性材料を注入し固化した結果、形成された部材である。
液状導電性材料により電気配線と受発光素子の電極パッドとの電気接続を行った場合、従来の光伝送モジュールのように電極パッドと電気配線とに高低差があると、途中で断線せずに電気接続部を形成することが困難である。このため、光伝送モジュールの信頼性に問題が生じる。一方、図2に示された光伝送モジュール1では、Y軸方向における電気配線5と電極パッド3bとの高低差が0になっているので、途中で断線することなく、安定な電気接続を実現することができる。
(実施の形態2)
本発明の別の実施形態について、図面を用いて以下に説明する。なお、本実施形態において、実施の形態1と同様の機能を有する部材には同じ部材番号を付している。
実施の形態1のように、受発光素子3の電極パッド3bと電気配線5とを電気接続する電気接続部8として液状導電性材料を用いる場合、以下の課題が残されている。
すなわち、液状導電性材料の固化物からなる電気接続部8を形成するに際し、液状導電性材料が発受光点3aへ干渉するという課題が残されている。基板6に受発光素子3を実装するに際し、約±10μm〜±50μmの実装ズレが生じる。このため、現実問題として、受発光素子3と電気配線部7との間には、クリアランス(間隙)が必要になる。そして、Y軸方向における電気配線5と電極パッド3bとの高低差を0にしても、電気接続部8を形成するために、このクリアランスを埋める程度の液状導電性材料が必要になる。それゆえ、受発光素子3の電極パッド3bと電気配線5とを電気接続するために液状導電性材料を塗布しても、この液状導電性材料が発受光点3aにまで到達し、干渉する。
上記の課題を解決するために、受発光素子3における発受光点3aと電極パッド3bとの距離を長くするという方策が考えられる。しかしながら、実施の形態1の光伝送モジュール1に上記の方策を採用した場合、受発光素子3の寸法が大きくなってしまい、光伝送モジュールの小型化・低背化を図ることができない。また、光伝送モジュール1における受発光素子3は、ウエハからダイジングやクリーピングにより切り出されることにより製造される。受発光素子3の寸法が大きくなると、ウエハ当たりのチップ取り数が減少する
。このため、受発光素子3の製造にかかるコストが高くなってしまう。
本実施形態の光伝送モジュール1は、上述の液状導電性材料の発受光点3aへの干渉を防止するとともに、受発光素子の製造にかかるコストも高くなく、モジュールの小型化・低背化を可能にする構成になっている。図3(a)は、本実施形態の光伝送モジュール1の概略構成を示す平面図であり、図3(b)はその側面断面図である。同図に示すように、光伝送モジュール1は、フィルム光導波路2、受発光素子3、高さ補償部材4、電気配線5、および基板6を備えた構成となっている。そして、基板6の電気配線部7は、電気配線5が露出した露出面7aを有し、この露出面7aは、受発光素子3の電極パッド3b形成面と同じ高さDになっている。そして、受発光素子3と電気配線部7との間に、非導電性ペーストにより構成される絶縁部10が形成されている。この絶縁部10は、受発光素子3と電気配線部7との間を電気的に絶縁するために設けられている。
本実施形態では、図3(b)に示されるように、受発光素子3における発受光点3aと電極パッド3bとの間に、受発光面に対し突出した凸部9が設けられている。この構成によれば、電気接続部8を形成するに際し、液状導電性材料が発受光点3aへ広がっても、この凸部9が液状導電性材料をせき止める役割を果たす。これにより、液状導電性材料の発受光点3aへの干渉を防止することができる。
凸部9のX軸方向における長さは、発受光点3aと電極パッド3bとの距離よりも短ければよい。また、凸部9のZ軸方向における長さ(幅)は、発受光点3aと電極パッド3bとを接続する電気配線3cの幅よりも大きければよい。具体的な光伝送モジュールの寸法を考慮すると、凸部9のZ軸方向における長さは、10μm〜100μmである。また、凸部9のY軸方向における長さ(高さ)は、20〜50μmであることが望ましい。
また、凸部9は、フィルム光導波路2における高さ補償部材4から受発光素子3側に突き出している部分を支持している。すなわち、光伝送モジュール1は、Y軸方向を上下方向としたとき、凸部9の上面が、フィルム光導波路2における光路変換ミラー部2c下面と接触した構成になっている。これにより、フィルム光導波路2が、高さ補償部材4及び凸部9により支持され、フィルム光導波路2の端部のY軸方向の保持効果が向上する。
ここで、光伝送モジュール1の製造方法について、図4(a)〜図4(e)に基づいて説明する。図4(a)〜図4(e)はそれぞれ、光伝送モジュール1の製造方法の各工程を示した断面図である。
まず、図4(a)に示されるように、基板6に電気配線部7を形成する。電気配線部7において、電気配線5が露出した露出面7a・7bは、リードフレームを用いた樹脂の一体成型、めっきによる貫通配線の形成、あるいはスパッタ法によるプロセスにより形成可能である。
次に、図4(b)に示されるように、基板6に高さ補償部材4を接着剤により接着する(台座部材載置工程)。基板6と高さ補償部材4とを接着する方法は、従来公知の方法であれば特に限定されない。例えば、基板6の上面に接着シートを置き、該接着シートを、予め基板6の上面における高さ補償部材4を搭載する面にパターニングする。そして、マウンタを用いて、パターニングされた面に高さ補償部材4を実装後、オーブンにより加熱することで、基板6と高さ補償部材4とを接着することができる。また、他の例として、ディスペンサを用いて、基板6の上面における高さ補償部材4を搭載する面に接着剤を塗布する。そして、接着剤を塗布した面に、マウンタを用いて、パターニングされた面に高さ補償部材4を実装後、オーブンにより加熱することで、基板6と高さ補償部材4とを接着することができる。
次に、図4(c)に示されるように、基板6に受発光素子3を実装し、受発光素子3における発受光点3aと電極パッド3bとの間に凸部9を形成する(凸部形成工程)。受発光素子3を基板6へ実装するために用いる接着剤は、銀ペーストである。基板6の受発光素子3を実装する面に、ディスペンス法やスタンプ法により、銀ペーストを塗出する。そして、銀ペーストが塗出された面に、受発光素子3を実装し、オーブン等でベークする。
また、図4(c)の工程(凸部形成工程)においては、予め凸部9を形成した受発光素子3を基板6に実装してもよい。この場合、複数の凸部9が形成された受発光素子3を一括して製造することができる。光伝送モジュール1における受発光素子3は、ウエハからダイジングやクリーピングにより切り出されることにより製造される(複数の受発光素子3が形成されているウエハを分割し、複数の受発光素子3を一括して製造する)。ウエハの状態で各受発光素子3に凸部9を形成した後に、ウエハから切り出すことで、複数の凸部9が形成された受発光素子3を一括して製造することができる。
ウエハの状態で各受発光素子3に凸部9を形成する方法としては、レジストを用いたフォリリソグラフィ法によるパターンニングが挙げられる。フォリリソグラフィ法により、凸部9を形成する場合、ウエハにレジストを塗布後、ウエハの各受発光素子3における凸部9の形成位置が残るように露光・パターニングすることで、凸部9を形成してもよい。この場合、形成される凸部9は、レジストからなる。また、ウエハにレジストを塗布し、ウエハの各受発光素子3における凸部9の形成位置を除去するように露光・パターニングした後、めっき処理を施し、レジストを除去することで、凸部9を形成してもよい。この場合、形成される凸部9は、めっき処理で用いた金属からなる。
図4(c)の工程後、図4(d)に示されるように、銀ペーストやはんだ等の液状導電性材料を用いて、受発光素子3における電極パッド3bと露出面7aにて露出した電気配線5とを電気接続する(電気接続工程)。ディスペンサを用いて液状導電性材料を受発光素子3と電気配線部7との間隙に塗出し、電極パッド3b及び電気配線5に接触させる。このとき、凸部9により、液状導電性材料の発受光点3aへの干渉を防止することができる。液状導電性材料が銀ペーストである場合、塗出後、オーブンでベークすることで加熱する。また、液状導電性材料がはんだである場合、リフローにより接着する。
図4(d)の工程後、図4(e)に示されるように、基板6にフィルム光導波路2を実装する(フィルム光導波路実装工程)。このとき、フィルム光導波路2実装のために、高さ補償部材4及び凸部9におけるフィルム光導波路2と接触する面に接着剤が塗出される。凸部9に接着剤を塗出するとき、ディスペンサを用いる。高さ補償部材4及び凸部9に接着剤を塗出後、フィルム光導波路2をマウンタを用いて実装する。基板6におけるフィルム光導波路2の実装位置は、X−Z平面においてフィルム光導波路2の光路変換ミラー部2cが凸部9に重複する位置である。高さ補償部材4及び凸部9に塗出される接着剤としては、接着後のフィルム光導波路2への熱の影響をなくすために、UV硬化樹脂を用いることが好ましい。
このように、光伝送モジュール1では、高さ補償部材4及び凸部9とフィルム光導波路2とが接着剤により固定されている。さらに、フィルム光導波路2は、受発光素子3の発受光点3a近傍に配された凸部9に固定されている。それゆえ、フィルム光導波路2における高さ補償部材4から受発光素子3側に突き出している部分が自重により撓むことを防止することができる。さらに、光伝送モジュール1に振動・衝撃が加わったとき、フィルム光導波路2の変形を抑制することができる。
なお、光伝送モジュール1の製造方法では、図4(b)に示されるように、基板6に高
さ補償部材4を接着剤により接着していた(台座部材載置工程)。しかしながら、この台座部材載置工程においては、予め樹脂成型を用いて、高さ補償部材4と基板6とを一体化して製造してもよい。
なお、本実施形態の光伝送モジュール1の製造方法において、図4(c)に示す工程の代わりに、基板6に受発光素子3を実装する工程(すなわち、受発光素子3の受発光面に凸部9を形成する工程を除く)を実行し、図4(d)・(e)に示す工程を行うことで、上記実施の形態1の光伝送モジュール1が完成することはいうまでもない。
本発明者は、光学結合距離Lのばらつき低減効果について、本発明の光伝送モジュール1、特許文献1に開示の構成を備えた光伝送モジュール(以下、従来例1の光伝送モジュールと記す)、及び特許文献2に開示された構成を備えた光伝送モジュール(以下、従来例2の光伝送モジュールと記す)を比較・検討した。比較した結果を表1、及び図5に示す。表1は、従来例1、従来例2、及び本発明の光伝送モジュールにおける光学結合距離Lのばらつきを比較した結果を示す表である。図5は、従来例1、従来例2、及び本発明の光伝送モジュールにおける、光学結合距離Lの設定値(Typ値)及びばらつきを示すグラフである。
表1に示されるように、本発明の光伝送モジュール1における光学結合距離Lのばらつきは、従来例1及び2の光伝送モジュールよりも小さく抑えられている。また、図5に示されるように、本発明の光伝送モジュール1では、従来例1及び2の光伝送モジュールと比較して、光学結合距離Lの設定値を小さくすることが可能である。以下、従来例1及び2の光伝送モジュールの問題点、及び光伝送モジュール1における光学結合距離Lのばら
つき低減効果について、考察する。
まず、図18に示す従来例1の光伝送モジュールでは、受発光素子230、及びサブマウント220をICパッケージ240に実装するための接着剤、サブマウント220と光導波路フィルム210とを接着するための接着剤が必要になる。従来例1の光伝送モジュールでは、光導波路フィルム210をICパッケージ240に実装するに際し、受発光素子230、及びサブマウント220の高さに加え、上記の接着剤により形成される接着層の厚さを考慮して、光学結合距離Lを設定する必要がある。従来例1では、光学結合距離Lのばらつきは、受発光素子230、及びサブマウント220の加工公差、及び上記接着剤により形成される接着層の厚さばらつきに起因する。一般に、接着剤による接着処理は、ディスペンサを用いて、接着剤を受発光素子230及びサブマウント220に塗出し光導波路フィルム210を実装した後、荷重を加えることにより行われる。接着剤の塗出量、及び荷重のばらつきにより、接着層の厚みもばらついてしまう。各光伝送モジュールの製造に際し、接着剤の塗出量、及び荷重を厳密に制御することは困難である。したがって、従来例1の光伝送モジュールでは、光学結合距離Lのばらつきが大きくなる。また、光学結合距離Lのばらつきが大きければ、このばらつきを無視する程度に光学結合距離Lの設定値を大きくせざるを得ない。また、従来例1では、光学結合距離Lの設定値及びばらつきを小さくするため、サブマウント220の加工精度を高くする必要があり、サブマウント220の加工コストが増大してしまう。
また、図19に示す従来例2の光伝送モジュールでは、フィルム光配線311と光デバイス314とは、バンプ310を介して接着されている。このため、バンプ310の大きさを設定することで光学結合距離Lを小さくすることが可能である。しかしながら、このバンプ310は、バンプ310を構成するはんだ材料が溶解することによりサイズが変化する。はんだ材料溶解に伴うバンプ310のサイズ変化により、光学結合距離Lのばらつきが発生してしまう。また、一般に、標準的なはんだバンプ310の高さは、50μm±15μmである。それゆえ、従来例2の光伝送モジュールにおいて、光学結合距離Lは、設定値50μm,ばらつき15μmに設定するのが限界である。
また、光学素子を含むウエハにはんだバンプ310を形成する場合、ウエハ上にはんだバンプ310を形成するだけで、加工工程数が増加してしまう。具体的には、はんだバンプ310を形成するために、ウエハ上にシード層を形成する工程、シード層上にフォトレジストを塗布し、フォトレジストをパターニングする工程、フォトレジストパターンに基づいてはんだめっきを行う工程、フォトレジストを剥離し、シード層をエッチングする工程I、リフローしバンプを形成する工程IIが必要になる。このため、光デバイス314のコストが増大するという問題がある。さらには、上記工程Iから上記工程IIへ移行するに際し、光デバイス314は、リフローによる高温に曝される。また、工程IIにてバンプ310を形成した後、フィルム光配線311を実装するときにも、光デバイス314は、リフローによる高温に曝される。それゆえ、この高温に対し、フィルム光配線311及び光デバイス314は、260℃以上の耐熱性が要求される。
一方、本発明の光伝送モジュール1においては、フィルム光導波路2におけるY方向の高さ位置は、実質的に受発光素子3における凸部9のみにより設定される。凸部9は、図3(b)に示されるように、高さ補償部材4及び受発光素子3に比べ(Y軸方向における)厚さが小さい。このため、凸部9を加工し受発光素子3に形成するに際し、凸部9の加工ばらつきは、受発光素子3及び高さ補償部材4に比べて非常に小さい。それゆえ、フィルム光導波路2と受発光素子3との光学結合距離Lのばらつきを非常に小さく低減することができる。また、上述の光伝送モジュール1の製造方法にて説明したように、フィルム光導波路2と凸部9とを接着剤を用いて接着する場合、フィルム光導波路2との接着処理を、凸部9の面で行うことができるので、フィルム光導波路2と受発光素子3の受発光面
との平行性が高くなる。したがって、光伝送モジュール1によれば、信頼性が高い光学結合を実現することができる。光伝送モジュール1の製造に際し、接着剤として、UV硬化型、または自然硬化型の樹脂を用いることが可能である。上記の接着剤は、従来例2の光伝送モジュールにおけるはんだバンプと比較して、低温でフィルム光導波路2と受発光素子3とを接合することができる。したがって、光伝送モジュール1では、フィルム光導波路2に耐熱性などの制約が不要になる。
(変形例1)
本実施形態の光伝送モジュール1の構成において、図3(a)及び図3(b)に示す構成の変形例について説明する。図6は、この変形例1としての光伝送モジュール1の断面図を示している。図3(a)及び図3(b)に示す光伝送モジュール1では、受発光素子3における、凸部9よりも高さ補償部材4側の部分が露出した構成であった。
これに対し、変形例1の光伝送モジュール1は、受発光素子3における発受光点3aが、封止剤11により封止されている。これにより、受発光素子3の受発光面へのゴミ、埃の付着を防止することができ、信頼性の高い光伝送モジュール1を実現することができる。
なお、封止剤11の受発光素子3への封止方法は、上述した図4(c)の工程、または図4(d)の工程後に、ディスペンサにより、受発光素子3の受発光面に封止剤11を塗出する(ポッティング封止)。そして、封止剤11をオーブンによりベークすることで、受発光素子3の受発光面が封止剤11により封止される。また、封止剤11は、UV硬化樹脂から構成されていてもよい。この場合、上記オーブンによるベークに代えて、封止剤11をUV硬化する。
また、封止剤11の材料は、受発光素子3にて受発光する光を透過することができる透明樹脂であることが好ましい。封止剤11の材料としては、例えば、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、またはアクリル樹脂が挙げられる。
なお、封止剤11は、少なくとも受発光素子3の受発光面を覆うように形成されていれば、そのサイズ、位置は限定されない。例えば、封止剤11は、受発光素子3の受発光面に加え、受発光素子3側面、基板6、及び高さ補償部材4に付着して形成されていてもよい。
(変形例2)
本実施形態の光伝送モジュール1の構成において、図3(a)及び図3(b)に示す構成の他の変形例について説明する。図7は、この変形例2としての光伝送モジュール1の断面図を示している。図3(a)及び図3(b)に示す光伝送モジュール1では、電気配線部7が、受発光素子3における高さ補償部材4と反対側に設けられた構成であった。つまり、高さ補償部材4と電気配線部7との間に、受発光素子3が配されていた。
これに対し、変形例2の光伝送モジュール1では、受発光素子3における高さ補償部材4側に電気配線部7が設けられている。つまり、受発光素子3と高さ補償部材4との間に電気配線部7が配されている。さらに換言すると、X軸方向において、高さ補償部材4と発受光点3aとの間に凸部9が位置するように、高さ補償部材4に対して受発光素子3が配置されている。これにより、光路変換ミラー部2cのX軸方向における突出量(凸部9からの突出量)を、発受光点3aと凸部9との間隔により決定することができる。そして、X軸方向において、フィルム光導波路2における光路変換ミラー部2cの高さ補償部材4側端部に凸部9が接触するように、凸部9と発受光点3aとの間隔を設定することができる。これにより、フィルム光導波路2における光路変換ミラー部2cの垂れ量を少なく
することができる。そして、光学結合距離Lのばらつきを低減することができ、さらなる低消費電力化を実現することができる。
なお、変形例2の光伝送モジュール1においては、上記変形例1と同様に、受発光素子3における発受光点3aが、封止剤11により封止されていてもよい。この場合、形成される封止剤11の層の厚さは、数μm〜30μmであることが好ましい。
(変形例3)
本実施形態の光伝送モジュール1の構成において、図3(a)及び図3(b)に示す構成のさらに他の変形例について説明する。図8(a)及び図8(b)はそれぞれ、この変形例3としての光伝送モジュール1の上面図、及び断面図を示している。
図8(a)に示されるように、変形例3の光伝送モジュール1では、Y軸方向から見て、凸部9は、発受光点3aを取り囲むようにコの字状に形成されている。これにより、フィルム光導波路2と凸部9との接触面積が増加し、凸部9によるフィルム光導波路2の保持効果が増大する。また、フィルム光導波路2と受発光素子3の受発光面との平行性がさらに高くなり、さらなる低消費電力化を実現することができる。
また、凸部9の形状は、受発光素子3の発受光点3aを取り囲むように形成されていれば、コの字形状に限定されない。例えば、凸部9の形状が、ロの字形状であってもよい。この場合、フィルム光導波路2と凸部9との接触面積がさらに増加し、凸部9によるフィルム光導波路2の保持効果がさらに増大する。その結果、光伝送モジュール1の振動・衝撃等による応力に対して、フィルム光導波路2の変形が発生しにくくなり、光学結合の信頼性がさらに向上する。
(変形例4)
本実施形態の光伝送モジュール1の構成において、図3(a)及び図3(b)に示す構成のさらに他の変形例について説明する。図9(a)及び図9(b)はそれぞれ、この変形例4としての光伝送モジュール1の上面図、及び断面図を示している。
変形例4の光伝送モジュール1は、フィルム光導波路2が高さ補償部材4の上面から受発光素子3側に突き出している部分(以降、突き出し部分と称する)の下側面において、フィルム光導波路2の光伝送方向に平行な2つの側面の一方の側面近傍の領域が、高さ補償部材4によって支持されている構成となっている。言い換えれば、高さ補償部材4における受発光素子3側の壁面の形状がL字型となっており、フィルム光導波路2の突き出し部分の下側面を2辺で支える構造となっている。さらに換言すると、変形例4の光伝送モジュール1は、高さ補償部材4がフィルム光導波路2のZ軸方向(幅方向)の2つの端部のうち一方の端部を支持した、いわゆる片持ち支持構造になっている。
この構成によれば、フィルム光導波路2における突き出し部分の突き出し方向に対する一方の横側が高さ補償部材4によって支えられることになるので、重力、衝撃、振動などによる突き出し部分の撓みを抑制することができる。これにより、フィルム光導波路2と受発光素子3との間の光結合の信頼性を向上させることができる。
次に、基板間配線を実現する光伝送モジュール1の具体例について説明する。図10はフィルム光導波路としての光配線と電気配線基板とを用いた光伝送モジュール全体を示し、図10(a)は側面断面図であり、図10(b)は図10(a)のAA’線断面図であり、図10(c)は上面図である。
同図に示される構成では、1枚の基板6としての電気配線基板6’に、1本のフィルム
光導波路2が設けられるとともに、このフィルム光導波路2の2つの端部それぞれに対応して、受発光素子3および高さ補償部材4が設けられている。
フィルム光導波路2は、高さ補償部材4上に接着剤で固定されている。また、高さ補償部材4は、フィルム光導波路2における幅方向の一端を保持する片持ち構造になっている。そして、高さ補償部材4は、図10(c)に示されるように、受発光素子3の周囲を取り囲むように形成されている。これにより、受発光素子3の信頼性確保のために封止剤を注入し封止樹脂部を形成するに際し、この封止剤を高さ補償部材4によりせき止めることができる。それゆえ、受発光素子3を封止する封止樹脂部の厚み・広がり量をコントロールすることができ、信頼性が高く、かつ小型化した光伝送モジュールの作製が可能になる。また、受発光素子3を取り囲む高さ捕縄部材4上には、蓋部材10が設けられている。換言すると、この蓋部材10は、高さ捕縄部材4内壁により形成された開口部を閉塞するように設けられている。
受発光素子3は、凸部9と発受光点3aと電極パッド3bとを同一面上に有している。凸部9は、発受光点3aと電極パッド3bとの間に配されている。光伝送モジュール1においては、凸部9とフィルム光導波路2とは接着していることが好ましい。また、フィルム光導波路2と受発光素子3における発受光点3aとは、光学的に結合している。
なお、図3(a)・(b)に示された構成と同様に、受発光素子3の電極パッド3bと電位配線5とは、電気接続部材8により電気的に接続している。凸部9の役割は、図3(a)・(b)に示された構成と同様であるので、ここでは説明を省略する。
電気配線基板6’における受発光素子3と反対側の面には、電気接続部5aとしてのコネクタ5a’が設けられている。コネクタ5a’と電気配線基板6’の電気配線とは、はんだ等の材料により、電気的に接続されている。このように電気配線基板6’を挟んで、受発光素子3及びコネクタ5a’が配された構成になっているので、光伝送モジュールの小型化が可能になる。また、電気配線基板6’としては、両面電気配線を有するFPC、またはガラエポ基板等が挙げられる。なお、電気配線基板6’がFPCのようなフレキシブル基板である場合、光伝送モジュール全体の剛性を高めるために、コネクタ5a’と電気配線基板6’との間に、エポキシ樹脂のような樹脂材料が充填されていてもよい。
図11は、基板間を基板6およびフィルム光導波路2によって接続する光伝送モジュール1の概略構成を示す側面断面図である。図10(a)〜(c)に示す構成は、高さ補償部材4が受発光素子3を取り囲む構成であった。しかしながら、光伝送モジュール1はこの構成に限定されず、フィルム光導波路2が高さ補償部材4により支持される構成であればよい。例えば図11に示される構成が挙げられる。図11では、高さ補償部材4は、フィルム光導波路2における、受発光素子3よりもX方向内側部分を支持している。そして、凸部9は、フィルム光導波路2における高さ補償部材4から受発光素子3側に突き出している部分を支持している。
また、図10(a)〜(c)及び図11に示す構成では、1枚の基板6上に、高さ補償部材4、および受発光素子3を備えるユニットが2つ設けられているが、図12(a)および図12(b)に示すように、このユニットをそれぞれ別の基板6上に設けた構成としてもよい。この構成の場合、外部配線基板31Aと配線基板31Bとを接続する部材はフィルム光導波路2のみとなる。よって、例えば配線基板31Aと配線基板31Bとが同一平面上にない場合などにも、フィルム光導波路2のフレキシビリティを利用することによって両者を接続する経路の自由度を高めることが可能となる。また、高さ補償部材4の外側側面に電気接続部5a…が設けられている。また、外部の配線基板31Aおよび31Bは、それぞれ接続保持部材32Aおよび32B、ならびに電気接続部33Aおよび33B
を備えている。これらの外部の配線基板31Aおよび31Bがそれぞれ光伝送モジュール1に接続されることによって、外部の配線基板31Aと配線基板31Bとを光伝送によって信号接続することが可能となる。
なお、図11に示す構成において、基板6をフレキシブル基板によって構成することによって、配線基板31Aと配線基板31Bとの接続経路の自由度を高めることが可能である。ただし、基板6とフィルム光導波路2とが2つの配線基板31Aと配線基板31Bとの間に設けられている場合、基板6とフィルム光導波路2とが物理的に干渉しあうことによって経路の自由度が制限されることが考えられるが、フィルム光導波路2のみで接続する場合には、このような干渉がないので、経路の自由度をより高めることが可能である。
また、電気接続部5aが、基板7の面に平行な方向に突き出した形状で設けられた構成としてもよい。この構成を図13(a)および図13(b)に示す。このような構成によれば、外部の配線基板31Aおよび31Bと光伝送モジュール1とを、互いの基板面に平行な方向に両者を近づけることによって両者が電気的に接続され、逆の方向に遠ざけることによって両者の接続を解除することが可能となる。
また、図13に示す構成において、電気接続部5aは、基板6における受発光素子3と反対側の面に設けられた電気コネクタであってもよい。この構成を図14(a)及び図14(b)に示す。このような構成によれば、外部の配線基板31Aおよび31Bに対し、光伝送モジュール1を基板面に垂直な方向に両者を近づけることによって両者が電気的に接続され、逆の方向に遠ざけることによって両者の接続を解除することが可能となる。また、図14(a)及び図14(b)に示す構成において、高さ補償部材4が受発光素子3を取り囲む側壁を有していてもよい。この構成では、高さ補償部材4の側壁により形成される開口部内に、受発光素子3が配置されることになる。そして、高さ補償部材4の上記側壁により形成される開口部に封止樹脂が注入されていてもよい。
(応用例)
本実施形態の光伝送モジュール1は、例えば以下のような応用例に適用することが可能である。
まず、第一の応用例として、折り畳み式携帯電話,折り畳み式PHS(Personal Handyphone System),折り畳み式PDA(Personal Digital Assistant),折り畳み式ノートパソコン等の折り畳み式の電子機器におけるヒンジ部に用いることができる。
図15(a)〜図15(c)は、光導波路10を折り畳み式携帯電話40に適用した例を示している。すなわち、図15(a)は光導波路10を内蔵した折り畳み式携帯電話40の外観を示す斜視図である。
図15(b)は、図15(a)に示した折り畳み式携帯電話40における、光導波路10が適用されている部分のブロック図である。この図に示すように、折り畳み式携帯電話40における本体40a側に設けられた制御部41と、本体の一端にヒンジ部を軸として回転可能に備えられる蓋(駆動部)40b側に設けられた外部メモリ42,カメラ部(デジタルカメラ)43,表示部(液晶ディスプレイ表示)44とが、それぞれ光伝送路4によって接続されている。
図15(c)は、図15(a)におけるヒンジ部(破線で囲んだ部分)の透視平面図である。この図に示すように、光伝送路4は、ヒンジ部における支持棒に巻きつけて屈曲させることによって、本体側に設けられた制御部と、蓋側に設けられた外部メモリ42,カメラ部43,表示部44とをそれぞれ接続している。
光導波路10を、これらの折り畳み式電子機器に適用することにより、限られた空間で高速、大容量の通信を実現できる。したがって、例えば、折り畳み式液晶表示装置などの、高速、大容量のデータ通信が必要であって、小型化が求められる機器に特に好適である。
第2の応用例として、光導波路10は、印刷装置(電子機器)におけるプリンタヘッドやハードディスク記録再生装置における読み取り部など、駆動部を有する装置に適用できる。
図16(a)〜図16(c)は、光導波路10を印刷装置50に適用した例を示している。図16(a)は、印刷装置50の外観を示す斜視図である。この図に示すように、印刷装置50は、用紙52の幅方向に移動しながら用紙52に対して印刷を行うプリンタヘッド51を備えており、このプリンタヘッド51に光導波路10の一端が接続されている。
図16(b)は、印刷装置50における、光導波路10が適用されている部分のブロック図である。この図に示すように、光導波路10の一端部はプリンタヘッド51に接続されており、他端部は印刷装置50における本体側基板に接続されている。なお、この本体側基板には、印刷装置50の各部の動作を制御する制御手段などが備えられる。
図16(c)および図16(d)は、印刷装置50においてプリンタヘッド51が移動(駆動)した場合の、光導波路10の湾曲状態を示す斜視図である。この図に示すように、光導波路10をプリンタヘッド51のような駆動部に適用する場合、プリンタヘッド51の駆動によって光伝送路4の湾曲状態が変化するとともに、光導波路10の各位置が繰り返し湾曲される。
したがって、本実施形態にかかる光伝送モジュール1は、これらの駆動部に好適である。また、光伝送モジュール1をこれらの駆動部に適用することにより、駆動部を用いた高速、大容量通信を実現できる。
図17は、光導波路10をハードディスク記録再生装置60に適用した例を示している。
この図に示すように、ハードディスク記録再生装置60は、ディスク(ハードディスク)61、ヘッド(読み取り、書き込み用ヘッド)62、基板導入部63、駆動部(駆動モータ)64、光導波路10を備えている。
駆動部64は、ヘッド62をディスク61の半径方向に沿って駆動させるものである。ヘッド62は、ディスク61上に記録された情報を読み取り、また、ディスク61上に情報を書き込むものである。なお、ヘッド62は、光導波路10を介して基板導入部63に接続されており、ディスク61から読み取った情報を光信号として基板導入部63に伝搬させ、また、基板導入部63から伝搬された、ディスク61に書き込む情報の光信号を受け取る。
このように、光導波路10をハードディスク記録再生装置60におけるヘッド62のような駆動部に適用することにより、高速、大容量通信を実現できる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせ
て得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る光伝送モジュールは、各種機器間の光通信路にも適用可能であるとともに、小型、薄型の民生機器内に搭載される機器内配線としてのフレキシブルな光配線にも適用可能である。
本発明の実施の一形態における光伝送モジュールの概略構成を示す側面図である。
本発明の実施の一形態における光伝送モジュールの変形例を示す断面図である。
(a)は、本発明の実施の他の形態の光伝送モジュールの概略構成を示す平面図であり、(b)はその側面断面図である。
(a)〜(e)はそれぞれ、図3(a)及び図3(b)に示された光伝送モジュールの製造方法の各工程を示した断面図である。
従来例1(特許文献1)、従来例2(特許文献2)、及び本発明の光伝送モジュールにおける、光学結合距離の設定値及びばらつきを示すグラフである。
変形例1としての光伝送モジュールの概略構成を示す断面図である。
変形例2としての光伝送モジュールの概略構成を示す断面図である。
(a)及び(b)はそれぞれ、変形例3としての光伝送モジュールの概略構成を示す上面図、及び断面図である。
(a)及び(b)はそれぞれ、変形例4としての光伝送モジュールの概略構成を示す上面図、及び断面図である。
フィルム光導波路としての光配線と電気配線基板とを用いた光伝送モジュール全体を示し、(a)は側面断面図であり、(b)は(a)のAA’線断面図であり、(c)は上面図である。
基板間を基板およびフィルム光導波路によって接続する光伝送モジュールの概略構成を示す側面断面図である
(a)は、高さ補償部材、受発光素子および電気配線を備える2つのユニットをそれぞれ別の基板上に設けた光伝送モジュールの概略構成を示す平面図であり、(b)は、その側面断面図である。
(a)は、電気接続部が、基板の面に平行な方向に突き出した形状で設けられた光伝送モジュールの概略構成を示す平面図であり、(b)は、その側面断面図である。
(a)は、電気コネクタとしての電気接続部が、基板における受発光素子と反対側の面に設けられた光伝送モジュールの概略構成を示す平面図であり、(b)は、その側面断面図である。
(a)は、本実施形態に係る光伝送路を備えた折り畳み式携帯電話の外観を示す斜視図であり、(b)は、(a)に示した折り畳み式携帯電話における、上記光伝送路が適用されている部分のブロック図であり、(c)は、(a)に示した折り畳み式携帯電話における、ヒンジ部の透視平面図である。
(a)は、本実施形態に係る光伝送路を備えた印刷装置の外観を示す斜視図であり、(b)は、(a)に示した印刷装置の主要部を示すブロック図であり、(c)および(d)は、印刷装置においてプリンタヘッドが移動(駆動)した場合の、光伝送路の湾曲状態を示す斜視図である。
本実施形態に係る光伝送路を備えたハードディスク記録再生装置の外観を示す斜視図である。
(a)は、特許文献1に開示された従来の光導波路モジュールの斜視図であり、(b)は、その側面断面図であり、(c)は、気密パッケージされた従来の光導波路モジュールの斜視図である。
特許文献2に開示された従来の光伝送モジュールの側面断面図である。
符号の説明
1 光伝送モジュール
2 フィルム光導波路(光伝送路)
3 受発光素子(光素子)
3a 発受光点
3b 電極パッド
4 高さ補償部材
5 電気配線
5a 電気接続部
6 基板
7 電気配線部
7a 露出面(配線露出面)
8 電気接続部材
9 凸部
本発明は、光信号を伝送する光伝送モジュール、電子機器、及び光伝送モジュールの製造方法に関するものである。
近年、高速で大容量のデータ通信が可能な光通信網が拡大している。今後、この光通信網は民生機器への搭載が予想されている。そして、データ転送の高速大容量化、ノイズ対策、機器内の基板間をデータ伝送する用途として、現在の電気ケーブルと変わりなく使用することができる電気入出力の光データ伝送ケーブル(光ケーブル)が求められている。この光ケーブルとしては、フレキシブル性を考慮すると、フィルム光導波路を用いることが望ましい。
光導波路とは、屈折率の大きいコアと、該コアの周囲に接して設けられる屈折率の小さいクラッドとにより形成され、コアに入射した光信号を該コアとクラッドとの境界で全反射を繰り返しながら伝搬するものである。また、フィルム光導波路は、コアおよびクラッドが柔軟な高分子材料からなるため柔軟性を有している。
この柔軟性を有するフィルム光導波路を光ケーブルとして用いた光伝送モジュールは、一般的に、以下の部材を備えている。すなわち、光伝送モジュールは、光導波路と光学結合する光電変換素子(受発光素子)と、該光電変換素子に接続される電気配線を有する基板と、電気配線と光電変換素子とを電気接続する電気接続手段とを備えている。なお、受発光素子とは、電気信号を光信号に変換して発信し、光信号を受信して電気信号に変換する機能を有する素子である。従来の光伝送モジュールにおいては、電気配線と光電変換素子とを電気接続する電気接続手段として、ワイヤボンディングが用いられている(例えば特許文献1)。
図18(a)は、この従来の光導波路モジュール201の斜視図であり、図18(b)は、その側面断面図であり、図18(c)は、気密パッケージされた光導波路モジュール201の斜視図である。
これらの図に示すように、サブマウント220上に光導波路フィルム210が実装されており、その端面でのミラー面反射を介して受発光素子230との間で光の伝送が行われる。また、ICパッケージ240には、光導波路フィルム210を載置するためのサブマウント220が形成されている。ICパッケージ240には、電極242が形成されており、電極242は、配線246により受発光素子230の発受光点232に電気接続されている。すなわち、電極242と発受光点232とは、配線246によるワイヤボンディングにより電気接続している。
また、光伝送モジュールの構成の他の一例としては、例えば特許文献2及び3に開示された光伝送モジュールが挙げられる。
特許文献2に開示された光伝送モジュールは、図19に示されるように、フィルム光配線311と光デバイス314とが、バンプ310により接着された構成になっている。
また、特許文献3には、光素子と光導波路との位置を、基板に形成された位置決め用ピンにより決定する技術が開示されている。
特開2005−321560号公報(平成17(2005)年11月17日公開)
特許第3257776号公報(平成13(2001)年12月 7日登録)
特開2006−259682号公報(平成18(2006)年 9月28日公開)
例えば小型・薄型の機器内において光導波路を用いる場合、光伝送モジュールの小型化・低背化が要求されると考えられる。しかしながら、図18に示された従来の光伝送モジュールでは、ワイヤボンディングのためのスペースを確保する必要があるため、低背化に制約が生じる。
すなわち、図18に示されるように、ワイヤボンディングにより配線246と発受光点232とを電気接続する場合、発受光点232の形成面と電極242の形成面とに高低差があるため、配線246はループ構造になる。このため、従来の光伝送モジュールでは、配線246のループ高さ(発受光点232の形成面と配線246のループ構造の頂点との距離)を確保する設計になる。それゆえ、光導波路フィルム210をサブマウント220に実装するに際し、光学結合距離L(発受光点232と光導波路フィルム210との距離)を配線246のループ高さ以下に設定することが困難になり、光伝送モジュールの低背化に制約が生じる。
また、フィルム光導波路を光ケーブルとして用いた光伝送モジュールは、光電変換素子(受発光素子)にて、電気信号を光信号に変換して発信し、光信号を受信して電気信号に変換する。このため、通常の電気配線を用いた信号伝送モジュールと比較して、光伝送モジュールは、光電変換素子での光―電気変換もしくは電気―光変換の際に余分に電力を消費し、消費電力が大きくなる。
さらに、光伝送モジュールでは、光学結合距離が大きくなれば大きいほど、フィルム光導波路から受光素子へ入射する光量を確保するために、発光素子からフィルム光導波路に向けて出射する光の光量を多くする必要があるため、受発光素子に必要な電力(消費電力)が増大する。図18に示された従来の光伝送モジュールでは、光学結合距離Lを配線246のループ高さ以下に設定することが困難であるため、光学結合距離Lを小さくすることによる消費電力の低減にも制約が生じる。
また、配線246のループ構造を避けて、光導波路フィルム210を実装した場合には、ICパッケージ240に配線246のループ配置面積を確保する必要があり、光伝送モジュール全体のサイズが大きくなるという問題がある。
ここで、上記低背化(光学結合距離Lを小さくすること)を実現するための改良構成として、配線246によるワイヤボンディングの代わりに、銀ペーストやはんだといった液状導電性材料により受発光素子230と電極242とを電気接続する構成が考えられる。しかしながら、上記改良構成では、液状導電性材料が拡散し発受光点232に干渉してしまうという問題が生じる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化・低背化を図ると共に、液状導電性材料の発受光点への干渉を防止することができる光伝送モジュール、電子機器、及び光伝送モジュールの製造方法を提供することにある。
本発明の光伝送モジュールは、上記の課題を解決するために、光を伝送する光伝送路と、光伝送路により伝送された光と光学的に結合する受発光面を有し、該受発光面上に、光電変換の機能を有する発受光点、及び電極パッドが形成された光素子と、上記光素子、及び電気配線が搭載された基板と、上記電極パッドと上記電気配線とを電気接続する電気接続部材と、を備えた光伝送モジュールであって、上記基板は、上記電気配線が露出した配線露出面を有し、上記電気接続部材は、上記配線露出面にて露出された電気配線及び上記電極パッドに接触するように配された、液状導電性材料の固化物から構成されており、上記電極パッドと上記発受光点との間に、受発光面に対し突出した凸部が設けられていることを特徴としている。
本発明の光伝送モジュールは、光を伝送する光伝送路と、光伝送路により伝送された光と光学的に結合する受発光面を有し、該受発光面上に、光電変換の機能を有する発受光点、及び電極パッドが形成された光素子とを備えている。つまり、本発明の光伝送モジュールは、光伝送路の一方の端面より出射した光が進行する方向に受光面を有する光素子が配されている一方、発光面を有する光素子から出射した光が進行する方向に光伝送路の他方の端面が配された構成になっている。それゆえ、光伝送路の一方の端面より出射した光、または発光面を有する光素子から出射した光の進行方向において、光素子の受発光面と光伝送路とが離間した構成になっている。そして、この離間距離が、受発光面と光伝送路とを光学結合するために光学結合距離になっている。
従来の光伝送モジュールでは、電気接続部材としてワイヤを用いた構成であったため、電気接続部材は、ワイヤのループ高さだけ電極パッド形成面から突出していた。このため、光学結合距離(発受光点と光伝送路との距離)をワイヤのループ高さ以下に設定することが困難になり、光伝送モジュールの低背化に制約が生じるという問題がある。
これに対し、上記の構成では、上記基板は、上記電気配線が露出した配線露出面を有し、上記電気接続部材は、上記配線露出面にて露出された電気配線及び上記電極パッドに接触するように配された、液状導電性材料の固化物から構成されているので、電気接続部材における電極パッド形成面からの突出距離は、実質的に液状導電性材料の固化物の厚さになる。したがって、上記の構成によれば、従来の構成と比較して、フィルム光導波路と光素子との距離を小さくすることができ、モジュールの低背化を実現することが可能になる。また、従来の光伝送モジュールと比較して、光学結合距離を小さくすることができるので、光電変換素子としての光素子での消費電力を低減させることができる。
さらに、上述のように、上記電気接続部材が、上記配線露出面にて露出された電気配線及び上記電極パッドに接触するように配された、液状導電性材料の固化物から構成されている光伝送モジュールでは、液状導電性材料の固化物からなる電気接続部材を形成するに際し、液状導電性材料が発受光点へ干渉するという課題が残されている。
上記の構成によれば、上記電極パッドと上記発受光点との間に、受発光面に対し突出した凸部が設けられているので、電気接続部材を形成するに際し、液状導電性材料が発受光点へ広がっても、この凸部が液状導電性材料をせき止める役割を果たす。これにより、液状導電性材料の発受光点への干渉を防止することができる。
また、本発明の光伝送モジュールでは、光素子の搭載面から上記配線露出面までの高さが、光素子の搭載面から上記電極パッドの形成面までの高さと同じになっていることが好ましい。
上記の構成によれば、光素子の搭載面から上記配線露出面までの高さが、光素子の搭載面から上記電極パッドの形成面までの高さと同じになっているので、配線露出面と電極パッドの形成面との高低差を解消し、液状導電性材料の固化物による電気接続に断線が生じにくくなる。それゆえ、上記の構成によれば、配線露出面と電極パッドとを断線なく安定に電気接続することができる。
また、本発明の光伝送モジュールでは、上記基板には、上記光伝送路を支持する台座部材が設けられており、上記凸部は、光伝送路における上記台座部材から光素子側に突き出している部分を支持していることが好ましい。
上記の構成によれば、光伝送路と光素子との距離は、台座部材及び凸部との両方により補償されることになる。それゆえ、上記の構成によれば、台座部材のみで光素子と光伝送路との距離を補償している構成と比較して、受発光面と光伝送路との離間距離、すなわち、光学結合距離のばらつきを低減することが可能になる。
さらに、光伝送路と凸部とが接する構造とすることで、受発光面と光伝送路との離間距離が安定し、光学結合距離のばらつきが低減する。
また、本発明の光伝送モジュールでは、上記凸部に、上記光伝送路が、接着剤により接着されていることが好ましい。
上記の構成のように、上記凸部に、上記光伝送路が、接着剤により接着されていることで、上記の光学結合距離のばらつき低減効果をさらに向上させることが可能になる。さらに、光伝送路における台座部材から光素子側に突き出している部分が自重により撓むことを防止することができる。さらに、光伝送モジュールに振動・衝撃が加わったとき、光伝送路の変形を抑制することができる。
また、本発明の光伝送モジュールでは、上記台座部材は、上記基板、及び上記光伝送路に、接着剤により接着されていることが好ましい。
台座部材のみで光素子と光伝送路との距離を補償している構成において、台座部材が、基板及び光伝送路に、接着剤により接着されている場合、接着剤の塗出量、及び荷重のばらつきにより、形成される接着層の厚みもばらついてしまう。上記凸部の高さは、台座部材及び光素子の高さよりも小さくなっている。凸部の加工ばらつきは、光素子及び台座部材に比べて非常に小さい。それゆえ、上記のように接着層の厚みもばらついても、光伝送路と光素子との光学結合距離のばらつきを非常に小さく低減することができる。
また、本発明の光伝送モジュールでは、上記凸部は、受発光面に平行な方向において、上記発受光点の周囲を取り囲むように設けられていることが好ましい。
これにより、光伝送路と凸部との接触面積が増加し、凸部による光伝送路の保持効果が増大する。また、光伝送路と光素子の受発光面との平行性がさらに高くなり、さらなる低消費電力化を実現することができる。
上記凸部は、コの字形状、またはロの字形状になっていてもよい。
特に、上記凸部がロの字形状になっている場合、光伝送路と凸部との接触面積がさらに増加し、凸部による光伝送路の保持効果がさらに増大する。その結果、光伝送モジュールの振動・衝撃等による応力に対して、光伝送路の変形が発生しにくくなり、光学結合の信頼性がさらに向上する。
また、本発明の光伝送モジュールでは、上記光伝送路は、少なくとも一方の端面が斜めに加工されたフィルム光導波路であって、上記光素子は、受発光面で、上記端面にて反射した光と光学的に結合するようになっていてもよい。
また、本発明の電子機器は、上述の光伝送モジュールを備える電子機器において、上記光伝送モジュールは、上記電気配線と電気的に接続され、外部の配線と電気的に接続するための電気接続手段をさらに備え、上記光伝送路における両端の電気接続手段が、上記電子機器内部における機器基板にそれぞれ接続されていることを特徴としている。
これにより、光伝送モジュールを機器基板間に電気接続するだけで、電子機器内の機器基板間の光データ伝送を行うことができる。また、光伝送モジュールを実装してデータ伝送することができるため、電子機器の小型化を図ることができる。
また、本発明の電子機器では、上記光伝送モジュールにおける、上記光素子と上記光伝送路の端面とが、上記電子機器の筐体部に設けられていることが好ましい。
これにより、上記光素子と上記光伝送路の端面とを実装するための基板を筐体部に設ける必要がないため、電子機器をさらに小型化することができる。
また、本発明の電子機器では、ヒンジ部を備える電子機器において、上記光伝送モジュールは、上記ヒンジ部に設けられていることが好ましい。
これにより、屈曲部で生じやすいノイズを低減することができるため、ヒンジ付き電子機器内部の機器基板間のデータ伝送を確実に効率良く行うことができる。また、光伝送モジュールは小型で柔軟性を有するため、ヒンジ付き電子機器にヒンジを組み込みんだ後に実装することができるため生産性の高い電子機器を実現することができる。
本発明の光伝送モジュールの製造方法は、上記の課題を解決するために、光を伝送する光伝送路と、光伝送路により伝送された光と光学的に結合する受発光面を有し、該受発光面上に、光電変換の機能を有する発受光点、及び電極パッドが形成された光素子と、上記光素子、及び電気配線が搭載された基板と、上記電極パッドと上記電気配線とを電気接続する電気接続部材とを備えた光伝送モジュールの製造方法であって、上記電気配線及び上記電極パッドに接触するように、液状導電性材料を塗出する電気接続工程と、上記発受光点と上記電極パッドとの間に、光素子における受発光面に対し突出した凸部を形成する凸部形成工程と、を含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、上記電気配線及び上記電極パッドに接触するように、液状導電性材料を塗出する電気接続工程を含むので、従来の構成と比較して、フィルム光導波路と光素子との距離を小さくすることができ、モジュールの低背化を実現することが可能になる。また、従来の光伝送モジュールと比較して、光学結合距離を小さくすることができるので、光電変換素子としての光素子での消費電力を低減できる光伝送モジュールを製造することができる。
上記の構成によれば、さらに上記発受光点と上記電極パッドとの間に、光素子における受発光面に対し突出した凸部を形成する凸部形成工程を含むので、電気接続部材を形成するに際し、液状導電性材料が発受光点へ広がっても、この凸部が液状導電性材料をせき止める役割を果たし、液状導電性材料の発受光点への干渉を防止することができる。
本発明の光伝送モジュールの製造方法では、上記電気接続工程の前に、上記基板に、上記電気配線が露出した配線露出面を、光素子の搭載面から上記配線露出面までの高さが、光素子の搭載面から上記電極パッドの形成面までの高さと同じになるように形成する工程を含むことが好ましい。
また、本発明の光伝送モジュールの製造方法は、上述の光伝送モジュールを製造するための光伝送モジュールの製造方法であって、上記電気配線及び上記電極パッドに接触するように、液状導電性材料を塗出する電気接続工程と、上記発受光点と上記電極パッドとの間に、光素子における受発光面に対し突出した凸部を形成する凸部形成工程と、を含み、上記電気接続工程の前に、上記基板に、上記電気配線が露出した配線露出面を、光素子の搭載面から上記配線露出面までの高さが、光素子の搭載面から上記電極パッドの形成面までの高さと同じになるように形成する工程を含むことを特徴としている。
これにより、配線露出面と電極パッドとを断線なく安定に電気接続することができる。
本発明の光伝送モジュールの製造方法では、上記凸部に、光伝送路を接着剤により実装する光伝送路実装工程を含むことが好ましい。
上記の構成によれば、光伝送路の凸部への載置に、接着剤が用いられることになる。これにより、光学結合距離のばらつき低減効果をさらに向上させることが可能になる。
本発明の光伝送モジュールは、以上のように、上記基板は、上記電気配線が露出した配線露出面を有し、上記電気接続部材は、上記配線露出面にて露出された電気配線及び上記電極パッドに接触するように配された、液状導電性材料の固化物から構成されており、上記電極パッドと上記発受光点との間に、受発光面に対し突出した凸部が設けられている構成である。
また、本発明の光伝送モジュールの製造方法は、以上のように、上記電気配線及び上記電極パッドに接触するように、液状導電性材料を塗出する電気接続工程と、上記発受光点と上記電極パッドとの間に、光素子における受発光面に対し突出した凸部を形成する凸部形成工程と、を含む構成である。
それゆえ、小型化・低背化を図ると共に、液状導電性材料の発受光点への干渉を防止することができる。
また、本発明の電子機器は、以上のように、上記光伝送モジュールは、上記電気配線と電気的に接続され、外部の配線と電気的に接続するための電気接続手段をさらに備え、上記光伝送路における両端の電気接続手段が、上記電子機器内部における異なる機器基板にそれぞれ接続されている構成である。
これにより、電子機器内の機器基板間の光データ伝送を行うことができる。また、光伝送モジュールを実装してデータ伝送することができるため、電子機器の小型化を図ることができる。
(実施の形態1)
本発明の一実施形態について、図面を用いて以下に説明する。
図1は、本実施形態における光伝送モジュール1の概略構成を示す側面図である。なお、本実施形態は、後述する実施の形態2で示す本発明に係る光伝送モジュール1の前提となる構成を示すものである。なお、以下、光伝送路がフィルム光導波路である場合について説明するが、本発明に適用可能な光伝送路は、光を伝送する機能を有する部材であればよく、例えば、光ファイバ、光学フィルタ、カバーガラス等の部材であってもよい。
光伝送モジュール1は、フィルム光導波路(光伝送路)2と、受発光素子(光素子)3と、高さ部材補償部材(台座部材)4と、電気配線5と、基板6とを備えている。
フィルム光導波路2は、屈折率の大きいコア部2aと、該コア部2aの周囲に接して設けられる屈折率の小さいクラッド部2bとにより形成され、コア部2aに入射した光信号を該コア部2aとクラッド部2bとの境界で全反射を繰り返しながら伝搬するものである。コア部2aおよびクラッド部2bは、柔軟性を有する高分子材料からなるものであるため、フィルム光導波路2は柔軟性を有している。フィルム光導波路2の両端部は、45度の傾斜面を有し、この傾斜面において光信号を反射する光路変換ミラー部2cになっている。なお、光路変換ミラー部2cの傾斜面の角度は45度に限定されるものではなく、入射される光信号をフィルム光導波路2内部へ反射させることができればよく、適宜変更可能である。なお、図1においては、フィルム光導波路2の端部付近において、光導波路2の長手方向(光軸方向)をX軸方向、コア部2a、およびクラッド部2bの積層方向をY軸方向とする。また、このY軸方向は、基板6におけるフィルム光導波路2の搭載面の法線方向とも一致する。そして、図1においては、X軸方向及びY軸方向に対し垂直な方向をZ軸方向としている。
受発光素子3は、電気信号を光信号に、光信号を電気信号にそれぞれ変換するものである。また、受発光素子3は、面受発光型の素子であり、基板7に搭載される搭載面とは反対側の面に光信号を発信および受信する活性部としての発受光点3aが形成されている。そして、この発受光点3aが形成された面(受発光面)に、電気配線5に電気接続される電極パッド3bが形成されている。
高さ補償部材4は、フィルム光導波路2を搭載すると共に、フィルム光導波路2と受発光素子3との間の距離を一定に保つための保持部材である。なお、高さ補償部材4の高さは、フィルム光導波路2と受発光素子3との光結合効率が最適になるように予め設定されている。
電気配線5は、受発光素子3と後述の駆動回路等の電子回路とを接続して、電気信号の伝達を行うものである。具体的には、例えば、フレキシブルプリント基板(FPC)、同軸ケーブル、リードフレーム等が挙げられる。
電気接続部5aは、電気配線5を介して受発光素子3と外部の電子回路とを電気的に接続するためのものである。
基板6は、上述の、フィルム光導波路2、受発光素子3、高さ補償部材4、電気配線5、および電気接続部5aを実装するためのものである。この基板6の一部の表面は、電気配線5が露出した露出面(配線露出面)になっている。
光伝送モジュール1では、露出している電気配線5と電極パッド3bとを電気接続するために、電気接続部材8が設けられている。この電気接続部材8は、受発光素子3の側壁をつたって電気配線5に接続している。つまり、電気接続部材8は、はんだ、銀ペースト等の液状導電性材料の固化物から構成され、露出された電気配線5、及び電極パッド3bに接触するように配されている。電気接続部材8は、受発光素子3の電極パッド3bに液状導電性材料を塗布し固化した結果、形成された部材である。
従来の光伝送モジュールでは、電気接続部材としてワイヤを用いた構成であったため、電気接続部材は、ワイヤのループ高さだけ電極パッド形成面から突出していた。これに対し、光伝送モジュール1では、電気接続部材8における電極パッド3b形成面からの突出距離が、実質的に液状導電性材料の固化物の厚さになる。したがって、光伝送モジュール1では、従来の構成と比較して、フィルム光導波路2と受発光素子3との距離を小さくすることができ、モジュールの低背化を実現することが可能になる。また、従来の光伝送モジュールと比較して、光学結合距離LおよびLのバラつきを小さくすることができる。このため、光電変換素子としての受発光素子3での消費電力を低減させることができる。
図2は、本実施形態の光伝送モジュール1の変形例を示す断面図である。図2に示されるように、電気配線5が露出した露出面(配線露出面)が受発光素子3における電極パッド3b形成面と同じ高さになっていてもよい。
具体的には、電気配線5が、基板6上に形成された電気配線部7に搭載されている。そして、電気配線部7は、電気配線5が露出した露出面7a・7bを有する。電気配線部7の上面としての露出面7aは、受発光素子3における電極パッド3b形成面と同じ高さDになっている。一方、露出面7bは、電気配線部7における受発光素子3と対向する側面に配されている。ここでいう高さDとは、基板6における受発光素子3の搭載面から、電極パッド3b形成面または露出面7aまでの距離を意味している。ここでいう「同じ高さ」とは、実使用上の光伝送モジュールの設計範囲内で高さが同じであることを意味している。すなわち、測定限界内で高さが同じになっていることを意味している。この電気配線部7は、基板6における受発光素子3の搭載面に対し突出した構造であればよく、例えば角型チップ抵抗器であってもよい。
露出面7aにて露出している電気配線5と電極パッド3bとを電気接続するために、電気接続部材8が設けられている。この電気接続部材8は、非導電性ペーストにより構成される絶縁部10の上に設けられている。また、電気接続部材8は、露出面7aにて露出された電気配線5、及び電極パッド3bに接触するように配されている。つまり、電気接続部材8は、受発光素子3と電気配線部7との間隙に液状導電性材料を注入し固化した結果、形成された部材である。
液状導電性材料により電気配線と受発光素子の電極パッドとの電気接続を行った場合、従来の光伝送モジュールのように電極パッドと電気配線とに高低差があると、途中で断線せずに電気接続部を形成することが困難である。このため、光伝送モジュールの信頼性に問題が生じる。一方、図2に示された光伝送モジュール1では、Y軸方向における電気配線5と電極パッド3bとの高低差が0になっているので、途中で断線することなく、安定な電気接続を実現することができる。
(実施の形態2)
本発明の別の実施形態について、図面を用いて以下に説明する。なお、本実施形態において、実施の形態1と同様の機能を有する部材には同じ部材番号を付している。
実施の形態1のように、受発光素子3の電極パッド3bと電気配線5とを電気接続する電気接続部8として液状導電性材料を用いる場合、以下の課題が残されている。
すなわち、液状導電性材料の固化物からなる電気接続部8を形成するに際し、液状導電性材料が発受光点3aへ干渉するという課題が残されている。基板6に受発光素子3を実装するに際し、約±10μm〜±50μmの実装ズレが生じる。このため、現実問題として、受発光素子3と電気配線部7との間には、クリアランス(間隙)が必要になる。そして、Y軸方向における電気配線5と電極パッド3bとの高低差を0にしても、電気接続部8を形成するために、このクリアランスを埋める程度の液状導電性材料が必要になる。それゆえ、受発光素子3の電極パッド3bと電気配線5とを電気接続するために液状導電性材料を塗布しても、この液状導電性材料が発受光点3aにまで到達し、干渉する。
上記の課題を解決するために、受発光素子3における発受光点3aと電極パッド3bとの距離を長くするという方策が考えられる。しかしながら、実施の形態1の光伝送モジュール1に上記の方策を採用した場合、受発光素子3の寸法が大きくなってしまい、光伝送モジュールの小型化・低背化を図ることができない。また、光伝送モジュール1における受発光素子3は、ウエハからダイジングやクリーピングにより切り出されることにより製造される。受発光素子3の寸法が大きくなると、ウエハ当たりのチップ取り数が減少する。このため、受発光素子3の製造にかかるコストが高くなってしまう。
本実施形態の光伝送モジュール1は、上述の液状導電性材料の発受光点3aへの干渉を防止するとともに、受発光素子の製造にかかるコストも高くなく、モジュールの小型化・低背化を可能にする構成になっている。図3(a)は、本実施形態の光伝送モジュール1の概略構成を示す平面図であり、図3(b)はその側面断面図である。同図に示すように、光伝送モジュール1は、フィルム光導波路2、受発光素子3、高さ補償部材4、電気配線5、および基板6を備えた構成となっている。そして、基板6の電気配線部7は、電気配線5が露出した露出面7aを有し、この露出面7aは、受発光素子3の電極パッド3b形成面と同じ高さDになっている。そして、受発光素子3と電気配線部7との間に、非導電性ペーストにより構成される絶縁部10が形成されている。この絶縁部10は、受発光素子3と電気配線部7との間を電気的に絶縁するために設けられている。
本実施形態では、図3(b)に示されるように、受発光素子3における発受光点3aと電極パッド3bとの間に、受発光面に対し突出した凸部9が設けられている。この構成によれば、電気接続部8を形成するに際し、液状導電性材料が発受光点3aへ広がっても、この凸部9が液状導電性材料をせき止める役割を果たす。これにより、液状導電性材料の発受光点3aへの干渉を防止することができる。
凸部9のX軸方向における長さは、発受光点3aと電極パッド3bとの距離よりも短ければよい。また、凸部9のZ軸方向における長さ(幅)は、発受光点3aと電極パッド3bとを接続する電気配線3cの幅よりも大きければよい。具体的な光伝送モジュールの寸法を考慮すると、凸部9のZ軸方向における長さは、10μm〜100μmである。また、凸部9のY軸方向における長さ(高さ)は、20〜50μmであることが望ましい。
また、凸部9は、フィルム光導波路2における高さ補償部材4から受発光素子3側に突き出している部分を支持している。すなわち、光伝送モジュール1は、Y軸方向を上下方向としたとき、凸部9の上面が、フィルム光導波路2における光路変換ミラー部2c下面と接触した構成になっている。これにより、フィルム光導波路2が、高さ補償部材4及び凸部9により支持され、フィルム光導波路2の端部のY軸方向の保持効果が向上する。
ここで、光伝送モジュール1の製造方法について、図4(a)〜図4(e)に基づいて説明する。図4(a)〜図4(e)はそれぞれ、光伝送モジュール1の製造方法の各工程を示した断面図である。
まず、図4(a)に示されるように、基板6に電気配線部7を形成する。電気配線部7において、電気配線5が露出した露出面7a・7bは、リードフレームを用いた樹脂の一体成型、めっきによる貫通配線の形成、あるいはスパッタ法によるプロセスにより形成可能である。
次に、図4(b)に示されるように、基板6に高さ補償部材4を接着剤により接着する(台座部材載置工程)。基板6と高さ補償部材4とを接着する方法は、従来公知の方法であれば特に限定されない。例えば、基板6の上面に接着シートを置き、該接着シートを、予め基板6の上面における高さ補償部材4を搭載する面にパターニングする。そして、マウンタを用いて、パターニングされた面に高さ補償部材4を実装後、オーブンにより加熱することで、基板6と高さ補償部材4とを接着することができる。また、他の例として、ディスペンサを用いて、基板6の上面における高さ補償部材4を搭載する面に接着剤を塗布する。そして、接着剤を塗布した面に、マウンタを用いて、パターニングされた面に高さ補償部材4を実装後、オーブンにより加熱することで、基板6と高さ補償部材4とを接着することができる。
次に、図4(c)に示されるように、基板6に受発光素子3を実装し、受発光素子3における発受光点3aと電極パッド3bとの間に凸部9を形成する(凸部形成工程)。受発光素子3を基板6へ実装するために用いる接着剤は、銀ペーストである。基板6の受発光素子3を実装する面に、ディスペンス法やスタンプ法により、銀ペーストを塗出する。そして、銀ペーストが塗出された面に、受発光素子3を実装し、オーブン等でベークする。
また、図4(c)の工程(凸部形成工程)においては、予め凸部9を形成した受発光素子3を基板6に実装してもよい。この場合、複数の凸部9が形成された受発光素子3を一括して製造することができる。光伝送モジュール1における受発光素子3は、ウエハからダイジングやクリーピングにより切り出されることにより製造される(複数の受発光素子3が形成されているウエハを分割し、複数の受発光素子3を一括して製造する)。ウエハの状態で各受発光素子3に凸部9を形成した後に、ウエハから切り出すことで、複数の凸部9が形成された受発光素子3を一括して製造することができる。
ウエハの状態で各受発光素子3に凸部9を形成する方法としては、レジストを用いたフォリリソグラフィ法によるパターンニングが挙げられる。フォリリソグラフィ法により、凸部9を形成する場合、ウエハにレジストを塗布後、ウエハの各受発光素子3における凸部9の形成位置が残るように露光・パターニングすることで、凸部9を形成してもよい。この場合、形成される凸部9は、レジストからなる。また、ウエハにレジストを塗布し、ウエハの各受発光素子3における凸部9の形成位置を除去するように露光・パターニングした後、めっき処理を施し、レジストを除去することで、凸部9を形成してもよい。この場合、形成される凸部9は、めっき処理で用いた金属からなる。
図4(c)の工程後、図4(d)に示されるように、銀ペーストやはんだ等の液状導電性材料を用いて、受発光素子3における電極パッド3bと露出面7aにて露出した電気配線5とを電気接続する(電気接続工程)。ディスペンサを用いて液状導電性材料を受発光素子3と電気配線部7との間隙に塗出し、電極パッド3b及び電気配線5に接触させる。このとき、凸部9により、液状導電性材料の発受光点3aへの干渉を防止することができる。液状導電性材料が銀ペーストである場合、塗出後、オーブンでベークすることで加熱する。また、液状導電性材料がはんだである場合、リフローにより接着する。
図4(d)の工程後、図4(e)に示されるように、基板6にフィルム光導波路2を実装する(フィルム光導波路実装工程)。このとき、フィルム光導波路2実装のために、高さ補償部材4及び凸部9におけるフィルム光導波路2と接触する面に接着剤が塗出される。凸部9に接着剤を塗出するとき、ディスペンサを用いる。高さ補償部材4及び凸部9に接着剤を塗出後、フィルム光導波路2を、マウンタを用いて実装する。基板6におけるフィルム光導波路2の実装位置は、X−Z平面においてフィルム光導波路2の光路変換ミラー部2cが凸部9に重複する位置である。高さ補償部材4及び凸部9に塗出される接着剤としては、接着後のフィルム光導波路2への熱の影響をなくすために、UV硬化樹脂を用いることが好ましい。
このように、光伝送モジュール1では、高さ補償部材4及び凸部9とフィルム光導波路2とが接着剤により固定されている。さらに、フィルム光導波路2は、受発光素子3の発受光点3a近傍に配された凸部9に固定されている。それゆえ、フィルム光導波路2における高さ補償部材4から受発光素子3側に突き出している部分が自重により撓むことを防止することができる。さらに、光伝送モジュール1に振動・衝撃が加わったとき、フィルム光導波路2の変形を抑制することができる。
なお、光伝送モジュール1の製造方法では、図4(b)に示されるように、基板6に高さ補償部材4を接着剤により接着していた(台座部材載置工程)。しかしながら、この台座部材載置工程においては、予め樹脂成型を用いて、高さ補償部材4と基板6とを一体化して製造してもよい。
なお、本実施形態の光伝送モジュール1の製造方法において、図4(c)に示す工程の代わりに、基板6に受発光素子3を実装する工程(すなわち、受発光素子3の受発光面に凸部9を形成する工程を除く)を実行し、図4(d)・(e)に示す工程を行うことで、上記実施の形態1の光伝送モジュール1が完成することはいうまでもない。
本発明者は、光学結合距離Lのばらつき低減効果について、本発明の光伝送モジュール1、特許文献1に開示の構成を備えた光伝送モジュール(以下、従来例1の光伝送モジュールと記す)、及び特許文献2に開示された構成を備えた光伝送モジュール(以下、従来例2の光伝送モジュールと記す)を比較・検討した。比較した結果を表1、及び図5に示す。表1は、従来例1、従来例2、及び本発明の光伝送モジュールにおける光学結合距離Lのばらつきを比較した結果を示す表である。図5は、従来例1、従来例2、及び本発明の光伝送モジュールにおける、光学結合距離Lの設定値(Typ値)及びばらつきを示すグラフである。
表1に示されるように、本発明の光伝送モジュール1における光学結合距離Lのばらつきは、従来例1及び2の光伝送モジュールよりも小さく抑えられている。また、図5に示されるように、本発明の光伝送モジュール1では、従来例1及び2の光伝送モジュールと比較して、光学結合距離Lの設定値を小さくすることが可能である。以下、従来例1及び2の光伝送モジュールの問題点、及び光伝送モジュール1における光学結合距離Lのばらつき低減効果について、考察する。
まず、図18に示す従来例1の光伝送モジュールでは、受発光素子230、及びサブマウント220をICパッケージ240に実装するための接着剤、サブマウント220と光導波路フィルム210とを接着するための接着剤が必要になる。従来例1の光伝送モジュールでは、光導波路フィルム210をICパッケージ240に実装するに際し、受発光素子230、及びサブマウント220の高さに加え、上記の接着剤により形成される接着層の厚さを考慮して、光学結合距離Lを設定する必要がある。従来例1では、光学結合距離Lのばらつきは、受発光素子230、及びサブマウント220の加工公差、及び上記接着剤により形成される接着層の厚さばらつきに起因する。一般に、接着剤による接着処理は、ディスペンサを用いて、接着剤を受発光素子230及びサブマウント220に塗出し光導波路フィルム210を実装した後、荷重を加えることにより行われる。接着剤の塗出量、及び荷重のばらつきにより、接着層の厚みもばらついてしまう。各光伝送モジュールの製造に際し、接着剤の塗出量、及び荷重を厳密に制御することは困難である。したがって、従来例1の光伝送モジュールでは、光学結合距離Lのばらつきが大きくなる。また、光学結合距離Lのばらつきが大きければ、このばらつきを無視する程度に光学結合距離Lの設定値を大きくせざるを得ない。また、従来例1では、光学結合距離Lの設定値及びばらつきを小さくするため、サブマウント220の加工精度を高くする必要があり、サブマウント220の加工コストが増大してしまう。
また、図19に示す従来例2の光伝送モジュールでは、フィルム光配線311と光デバイス314とは、バンプ310を介して接着されている。このため、バンプ310の大きさを設定することで光学結合距離Lを小さくすることが可能である。しかしながら、このバンプ310は、バンプ310を構成するはんだ材料が溶解することによりサイズが変化する。はんだ材料溶解に伴うバンプ310のサイズ変化により、光学結合距離Lのばらつきが発生してしまう。また、一般に、標準的なはんだバンプ310の高さは、50μm±15μmである。それゆえ、従来例2の光伝送モジュールにおいて、光学結合距離Lは、設定値50μm,ばらつき15μmに設定するのが限界である。
また、光学素子を含むウエハにはんだバンプ310を形成する場合、ウエハ上にはんだバンプ310を形成するだけで、加工工程数が増加してしまう。具体的には、はんだバンプ310を形成するために、ウエハ上にシード層を形成する工程、シード層上にフォトレジストを塗布し、フォトレジストをパターニングする工程、フォトレジストパターンに基づいてはんだめっきを行う工程、フォトレジストを剥離し、シード層をエッチングする工程I、リフローしバンプを形成する工程IIが必要になる。このため、光デバイス314のコストが増大するという問題がある。さらには、上記工程Iから上記工程IIへ移行するに際し、光デバイス314は、リフローによる高温に曝される。また、工程IIにてバンプ310を形成した後、フィルム光配線311を実装するときにも、光デバイス314は、リフローによる高温に曝される。それゆえ、この高温に対し、フィルム光配線311及び光デバイス314は、260℃以上の耐熱性が要求される。
一方、本発明の光伝送モジュール1においては、フィルム光導波路2におけるY方向の高さ位置は、実質的に受発光素子3における凸部9のみにより設定される。凸部9は、図3(b)に示されるように、高さ補償部材4及び受発光素子3に比べ(Y軸方向における)厚さが小さい。このため、凸部9を加工し受発光素子3に形成するに際し、凸部9の加工ばらつきは、受発光素子3及び高さ補償部材4に比べて非常に小さい。それゆえ、フィルム光導波路2と受発光素子3との光学結合距離Lのばらつきを非常に小さく低減することができる。また、上述の光伝送モジュール1の製造方法にて説明したように、フィルム光導波路2と凸部9とを接着剤を用いて接着する場合、フィルム光導波路2との接着処理を、凸部9の面で行うことができるので、フィルム光導波路2と受発光素子3の受発光面との平行性が高くなる。したがって、光伝送モジュール1によれば、信頼性が高い光学結合を実現することができる。光伝送モジュール1の製造に際し、接着剤として、UV硬化型、または自然硬化型の樹脂を用いることが可能である。上記の接着剤は、従来例2の光伝送モジュールにおけるはんだバンプと比較して、低温でフィルム光導波路2と受発光素子3とを接合することができる。したがって、光伝送モジュール1では、フィルム光導波路2に耐熱性などの制約が不要になる。
(変形例1)
本実施形態の光伝送モジュール1の構成において、図3(a)及び図3(b)に示す構成の変形例について説明する。図6は、この変形例1としての光伝送モジュール1の断面図を示している。図3(a)及び図3(b)に示す光伝送モジュール1では、受発光素子3における、凸部9よりも高さ補償部材4側の部分が露出した構成であった。
これに対し、変形例1の光伝送モジュール1は、受発光素子3における発受光点3aが、封止剤11により封止されている。これにより、受発光素子3の受発光面へのゴミ、埃の付着を防止することができ、信頼性の高い光伝送モジュール1を実現することができる。
なお、封止剤11の受発光素子3への封止方法は、上述した図4(c)の工程、または図4(d)の工程後に、ディスペンサにより、受発光素子3の受発光面に封止剤11を塗出する(ポッティング封止)。そして、封止剤11をオーブンによりベークすることで、受発光素子3の受発光面が封止剤11により封止される。また、封止剤11は、UV硬化樹脂から構成されていてもよい。この場合、上記オーブンによるベークに代えて、封止剤11をUV硬化する。
また、封止剤11の材料は、受発光素子3にて受発光する光を透過することができる透明樹脂であることが好ましい。封止剤11の材料としては、例えば、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、またはアクリル樹脂が挙げられる。
なお、封止剤11は、少なくとも受発光素子3の受発光面を覆うように形成されていれば、そのサイズ、位置は限定されない。例えば、封止剤11は、受発光素子3の受発光面に加え、受発光素子3側面、基板6、及び高さ補償部材4に付着して形成されていてもよい。
(変形例2)
本実施形態の光伝送モジュール1の構成において、図3(a)及び図3(b)に示す構成の他の変形例について説明する。図7は、この変形例2としての光伝送モジュール1の断面図を示している。図3(a)及び図3(b)に示す光伝送モジュール1では、電気配線部7が、受発光素子3における高さ補償部材4と反対側に設けられた構成であった。つまり、高さ補償部材4と電気配線部7との間に、受発光素子3が配されていた。
これに対し、変形例2の光伝送モジュール1では、受発光素子3における高さ補償部材4側に電気配線部7が設けられている。つまり、受発光素子3と高さ補償部材4との間に電気配線部7が配されている。さらに換言すると、X軸方向において、高さ補償部材4と発受光点3aとの間に凸部9が位置するように、高さ補償部材4に対して受発光素子3が配置されている。これにより、光路変換ミラー部2cのX軸方向における突出量(凸部9からの突出量)を、発受光点3aと凸部9との間隔により決定することができる。そして、X軸方向において、フィルム光導波路2における光路変換ミラー部2cの高さ補償部材4側端部に凸部9が接触するように、凸部9と発受光点3aとの間隔を設定することができる。これにより、フィルム光導波路2における光路変換ミラー部2cの垂れ量を少なくすることができる。そして、光学結合距離Lのばらつきを低減することができ、さらなる低消費電力化を実現することができる。
なお、変形例2の光伝送モジュール1においては、上記変形例1と同様に、受発光素子3における発受光点3aが、封止剤11により封止されていてもよい。この場合、形成される封止剤11の層の厚さは、数μm〜30μmであることが好ましい。
(変形例3)
本実施形態の光伝送モジュール1の構成において、図3(a)及び図3(b)に示す構成のさらに他の変形例について説明する。図8(a)及び図8(b)はそれぞれ、この変形例3としての光伝送モジュール1の上面図、及び断面図を示している。
図8(a)に示されるように、変形例3の光伝送モジュール1では、Y軸方向から見て、凸部9は、発受光点3aを取り囲むようにコの字状に形成されている。これにより、フィルム光導波路2と凸部9との接触面積が増加し、凸部9によるフィルム光導波路2の保持効果が増大する。また、フィルム光導波路2と受発光素子3の受発光面との平行性がさらに高くなり、さらなる低消費電力化を実現することができる。
また、凸部9の形状は、受発光素子3の発受光点3aを取り囲むように形成されていれば、コの字形状に限定されない。例えば、凸部9の形状が、ロの字形状であってもよい。この場合、フィルム光導波路2と凸部9との接触面積がさらに増加し、凸部9によるフィルム光導波路2の保持効果がさらに増大する。その結果、光伝送モジュール1の振動・衝撃等による応力に対して、フィルム光導波路2の変形が発生しにくくなり、光学結合の信頼性がさらに向上する。
(変形例4)
本実施形態の光伝送モジュール1の構成において、図3(a)及び図3(b)に示す構成のさらに他の変形例について説明する。図9(a)及び図9(b)はそれぞれ、この変形例4としての光伝送モジュール1の上面図、及び断面図を示している。
変形例4の光伝送モジュール1は、フィルム光導波路2が高さ補償部材4の上面から受発光素子3側に突き出している部分(以降、突き出し部分と称する)の下側面において、フィルム光導波路2の光伝送方向に平行な2つの側面の一方の側面近傍の領域が、高さ補償部材4によって支持されている構成となっている。言い換えれば、高さ補償部材4における受発光素子3側の壁面の形状がL字型となっており、フィルム光導波路2の突き出し部分の下側面を2辺で支える構造となっている。さらに換言すると、変形例4の光伝送モジュール1は、高さ補償部材4がフィルム光導波路2のZ軸方向(幅方向)の2つの端部のうち一方の端部を支持した、いわゆる片持ち支持構造になっている。
この構成によれば、フィルム光導波路2における突き出し部分の突き出し方向に対する一方の横側が高さ補償部材4によって支えられることになるので、重力、衝撃、振動などによる突き出し部分の撓みを抑制することができる。これにより、フィルム光導波路2と受発光素子3との間の光結合の信頼性を向上させることができる。
次に、基板間配線を実現する光伝送モジュール1の具体例について説明する。図10はフィルム光導波路としての光配線と電気配線基板とを用いた光伝送モジュール全体を示し、図10(a)は側面断面図であり、図10(b)は図10(a)のAA’線断面図であり、図10(c)は上面図である。
同図に示される構成では、1枚の基板6としての電気配線基板6’に、1本のフィルム光導波路2が設けられるとともに、このフィルム光導波路2の2つの端部それぞれに対応して、受発光素子3および高さ補償部材4が設けられている。
フィルム光導波路2は、高さ補償部材4上に接着剤で固定されている。また、高さ補償部材4は、フィルム光導波路2における幅方向の一端を保持する片持ち構造になっている。そして、高さ補償部材4は、図10(c)に示されるように、受発光素子3の周囲を取り囲むように形成されている。これにより、受発光素子3の信頼性確保のために封止剤を注入し封止樹脂部を形成するに際し、この封止剤を高さ補償部材4によりせき止めることができる。それゆえ、受発光素子3を封止する封止樹脂部の厚み・広がり量をコントロールすることができ、信頼性が高く、かつ小型化した光伝送モジュールの作製が可能になる。また、受発光素子3を取り囲む高さ捕縄部材4上には、蓋部材10が設けられている。換言すると、この蓋部材10は、高さ捕縄部材4内壁により形成された開口部を閉塞するように設けられている。
受発光素子3は、凸部9と発受光点3aと電極パッド3bとを同一面上に有している。凸部9は、発受光点3aと電極パッド3bとの間に配されている。光伝送モジュール1においては、凸部9とフィルム光導波路2とは接着していることが好ましい。また、フィルム光導波路2と受発光素子3における発受光点3aとは、光学的に結合している。
なお、図3(a)・(b)に示された構成と同様に、受発光素子3の電極パッド3bと電位配線5とは、電気接続部材8により電気的に接続している。凸部9の役割は、図3(a)・(b)に示された構成と同様であるので、ここでは説明を省略する。
電気配線基板6’における受発光素子3と反対側の面には、電気接続部5aとしてのコネクタ5a’が設けられている。コネクタ5a’と電気配線基板6’の電気配線とは、はんだ等の材料により、電気的に接続されている。このように電気配線基板6’を挟んで、受発光素子3及びコネクタ5a’が配された構成になっているので、光伝送モジュールの小型化が可能になる。また、電気配線基板6’としては、両面電気配線を有するFPC、またはガラエポ基板等が挙げられる。なお、電気配線基板6’がFPCのようなフレキシブル基板である場合、光伝送モジュール全体の剛性を高めるために、コネクタ5a’と電気配線基板6’との間に、エポキシ樹脂のような樹脂材料が充填されていてもよい。
図11は、基板間を基板6およびフィルム光導波路2によって接続する光伝送モジュール1の概略構成を示す側面断面図である。図10(a)〜(c)に示す構成は、高さ補償部材4が受発光素子3を取り囲む構成であった。しかしながら、光伝送モジュール1はこの構成に限定されず、フィルム光導波路2が高さ補償部材4により支持される構成であればよい。例えば図11に示される構成が挙げられる。図11では、高さ補償部材4は、フィルム光導波路2における、受発光素子3よりもX方向内側部分を支持している。そして、凸部9は、フィルム光導波路2における高さ補償部材4から受発光素子3側に突き出している部分を支持している。
また、図10(a)〜(c)及び図11に示す構成では、1枚の基板6上に、高さ補償部材4、および受発光素子3を備えるユニットが2つ設けられているが、図12(a)および図12(b)に示すように、このユニットをそれぞれ別の基板6上に設けた構成としてもよい。この構成の場合、外部配線基板31Aと配線基板31Bとを接続する部材はフィルム光導波路2のみとなる。よって、例えば配線基板31Aと配線基板31Bとが同一平面上にない場合などにも、フィルム光導波路2のフレキシビリティを利用することによって両者を接続する経路の自由度を高めることが可能となる。また、高さ補償部材4の外側側面に電気接続部5a…が設けられている。また、外部の配線基板31Aおよび31Bは、それぞれ接続保持部材32Aおよび32B、ならびに電気接続部33Aおよび33Bを備えている。これらの外部の配線基板31Aおよび31Bがそれぞれ光伝送モジュール1に接続されることによって、外部の配線基板31Aと配線基板31Bとを光伝送によって信号接続することが可能となる。
なお、図11に示す構成において、基板6をフレキシブル基板によって構成することによって、配線基板31Aと配線基板31Bとの接続経路の自由度を高めることが可能である。ただし、基板6とフィルム光導波路2とが2つの配線基板31Aと配線基板31Bとの間に設けられている場合、基板6とフィルム光導波路2とが物理的に干渉しあうことによって経路の自由度が制限されることが考えられるが、フィルム光導波路2のみで接続する場合には、このような干渉がないので、経路の自由度をより高めることが可能である。
また、電気接続部5aが、基板7の面に平行な方向に突き出した形状で設けられた構成としてもよい。この構成を図13(a)および図13(b)に示す。このような構成によれば、外部の配線基板31Aおよび31Bと光伝送モジュール1とを、互いの基板面に平行な方向に両者を近づけることによって両者が電気的に接続され、逆の方向に遠ざけることによって両者の接続を解除することが可能となる。
また、図13に示す構成において、電気接続部5aは、基板6における受発光素子3と反対側の面に設けられた電気コネクタであってもよい。この構成を図14(a)及び図14(b)に示す。このような構成によれば、外部の配線基板31Aおよび31Bに対し、光伝送モジュール1を基板面に垂直な方向に両者を近づけることによって両者が電気的に接続され、逆の方向に遠ざけることによって両者の接続を解除することが可能となる。また、図14(a)及び図14(b)に示す構成において、高さ補償部材4が受発光素子3を取り囲む側壁を有していてもよい。この構成では、高さ補償部材4の側壁により形成される開口部内に、受発光素子3が配置されることになる。そして、高さ補償部材4の上記側壁により形成される開口部に封止樹脂が注入されていてもよい。
(応用例)
本実施形態の光伝送モジュール1は、例えば以下のような応用例に適用することが可能である。
まず、第一の応用例として、折り畳み式携帯電話,折り畳み式PHS(Personal Handyphone System),折り畳み式PDA(Personal Digital Assistant),折り畳み式ノートパソコン等の折り畳み式の電子機器におけるヒンジ部に用いることができる。
図15(a)〜図15(c)は、光導波路10を折り畳み式携帯電話40に適用した例を示している。すなわち、図15(a)は光導波路10を内蔵した折り畳み式携帯電話40の外観を示す斜視図である。
図15(b)は、図15(a)に示した折り畳み式携帯電話40における、光導波路10が適用されている部分のブロック図である。この図に示すように、折り畳み式携帯電話40における本体40a側に設けられた制御部41と、本体の一端にヒンジ部を軸として回転可能に備えられる蓋(駆動部)40b側に設けられた外部メモリ42,カメラ部(デジタルカメラ)43,表示部(液晶ディスプレイ表示)44とが、それぞれ光伝送路4によって接続されている。
図15(c)は、図15(a)におけるヒンジ部(破線で囲んだ部分)の透視平面図である。この図に示すように、光伝送路4は、ヒンジ部における支持棒に巻きつけて屈曲させることによって、本体側に設けられた制御部と、蓋側に設けられた外部メモリ42,カメラ部43,表示部44とをそれぞれ接続している。
光導波路10を、これらの折り畳み式電子機器に適用することにより、限られた空間で高速、大容量の通信を実現できる。したがって、例えば、折り畳み式液晶表示装置などの、高速、大容量のデータ通信が必要であって、小型化が求められる機器に特に好適である。
第2の応用例として、光導波路10は、印刷装置(電子機器)におけるプリンタヘッドやハードディスク記録再生装置における読み取り部など、駆動部を有する装置に適用できる。
図16(a)〜図16(c)は、光導波路10を印刷装置50に適用した例を示している。図16(a)は、印刷装置50の外観を示す斜視図である。この図に示すように、印刷装置50は、用紙52の幅方向に移動しながら用紙52に対して印刷を行うプリンタヘッド51を備えており、このプリンタヘッド51に光導波路10の一端が接続されている。
図16(b)は、印刷装置50における、光導波路10が適用されている部分のブロック図である。この図に示すように、光導波路10の一端部はプリンタヘッド51に接続されており、他端部は印刷装置50における本体側基板に接続されている。なお、この本体側基板には、印刷装置50の各部の動作を制御する制御手段などが備えられる。
図16(c)および図16(d)は、印刷装置50においてプリンタヘッド51が移動(駆動)した場合の、光導波路10の湾曲状態を示す斜視図である。この図に示すように、光導波路10をプリンタヘッド51のような駆動部に適用する場合、プリンタヘッド51の駆動によって光伝送路4の湾曲状態が変化するとともに、光導波路10の各位置が繰り返し湾曲される。
したがって、本実施形態にかかる光伝送モジュール1は、これらの駆動部に好適である。また、光伝送モジュール1をこれらの駆動部に適用することにより、駆動部を用いた高速、大容量通信を実現できる。
図17は、光導波路10をハードディスク記録再生装置60に適用した例を示している。
この図に示すように、ハードディスク記録再生装置60は、ディスク(ハードディスク)61、ヘッド(読み取り、書き込み用ヘッド)62、基板導入部63、駆動部(駆動モータ)64、光導波路10を備えている。
駆動部64は、ヘッド62をディスク61の半径方向に沿って駆動させるものである。ヘッド62は、ディスク61上に記録された情報を読み取り、また、ディスク61上に情報を書き込むものである。なお、ヘッド62は、光導波路10を介して基板導入部63に接続されており、ディスク61から読み取った情報を光信号として基板導入部63に伝搬させ、また、基板導入部63から伝搬された、ディスク61に書き込む情報の光信号を受け取る。
このように、光導波路10をハードディスク記録再生装置60におけるヘッド62のような駆動部に適用することにより、高速、大容量通信を実現できる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る光伝送モジュールは、各種機器間の光通信路にも適用可能であるとともに、小型、薄型の民生機器内に搭載される機器内配線としてのフレキシブルな光配線にも適用可能である。
本発明の実施の一形態における光伝送モジュールの概略構成を示す側面図である。
本発明の実施の一形態における光伝送モジュールの変形例を示す断面図である。
(a)は、本発明の実施の他の形態の光伝送モジュールの概略構成を示す平面図であり、(b)はその側面断面図である。
(a)〜(e)はそれぞれ、図3(a)及び図3(b)に示された光伝送モジュールの製造方法の各工程を示した断面図である。
従来例1(特許文献1)、従来例2(特許文献2)、及び本発明の光伝送モジュールにおける、光学結合距離の設定値及びばらつきを示すグラフである。
変形例1としての光伝送モジュールの概略構成を示す断面図である。
変形例2としての光伝送モジュールの概略構成を示す断面図である。
(a)及び(b)はそれぞれ、変形例3としての光伝送モジュールの概略構成を示す上面図、及び断面図である。
(a)及び(b)はそれぞれ、変形例4としての光伝送モジュールの概略構成を示す上面図、及び断面図である。
フィルム光導波路としての光配線と電気配線基板とを用いた光伝送モジュール全体を示し、(a)は側面断面図であり、(b)は(a)のAA’線断面図であり、(c)は上面図である。
基板間を基板およびフィルム光導波路によって接続する光伝送モジュールの概略構成を示す側面断面図である
(a)は、高さ補償部材、受発光素子および電気配線を備える2つのユニットをそれぞれ別の基板上に設けた光伝送モジュールの概略構成を示す平面図であり、(b)は、その側面断面図である。
(a)は、電気接続部が、基板の面に平行な方向に突き出した形状で設けられた光伝送モジュールの概略構成を示す平面図であり、(b)は、その側面断面図である。
(a)は、電気コネクタとしての電気接続部が、基板における受発光素子と反対側の面に設けられた光伝送モジュールの概略構成を示す平面図であり、(b)は、その側面断面図である。
(a)は、本実施形態に係る光伝送路を備えた折り畳み式携帯電話の外観を示す斜視図であり、(b)は、(a)に示した折り畳み式携帯電話における、上記光伝送路が適用されている部分のブロック図であり、(c)は、(a)に示した折り畳み式携帯電話における、ヒンジ部の透視平面図である。
(a)は、本実施形態に係る光伝送路を備えた印刷装置の外観を示す斜視図であり、(b)は、(a)に示した印刷装置の主要部を示すブロック図であり、(c)および(d)は、印刷装置においてプリンタヘッドが移動(駆動)した場合の、光伝送路の湾曲状態を示す斜視図である。
本実施形態に係る光伝送路を備えたハードディスク記録再生装置の外観を示す斜視図である。
(a)は、特許文献1に開示された従来の光導波路モジュールの斜視図であり、(b)は、その側面断面図であり、(c)は、気密パッケージされた従来の光導波路モジュールの斜視図である。
特許文献2に開示された従来の光伝送モジュールの側面断面図である。
符号の説明
1 光伝送モジュール
2 フィルム光導波路(光伝送路)
3 受発光素子(光素子)
3a 発受光点
3b 電極パッド
4 高さ補償部材
5 電気配線
5a 電気接続部
6 基板
7 電気配線部
7a 露出面(配線露出面)
8 電気接続部材
9 凸部