JP2009167251A - ハネムーン型接着剤組成物、実装基板の接着方法および実装基板組み立て体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、分子内に2個以上のメルカプト基を有するチオール化合物とを含有するA液と、アミン化合物を含有するB液とからなるハネムーン型接着剤組成物、当該ハネムーン型接着剤組成物を用いる実装基板の接着方法、および実装基板のパッド部と前記実装基板の上に実装された機能素子のバンプとを当該ハネムーン型接着剤組成物で電気的に接続した実装基板組み立て体。
【選択図】なし
Description
ハネムーン型接着剤は、主剤と硬化剤とを具備し、主剤を第1の被着体に塗布し、硬化剤を第2の被着体に塗布し、第1の被着体と第2の被着体とを塗布面で貼り合わせることによって、主剤と硬化剤とを接触させ硬化させて第1の被着体と第2の被着体とを接着させる接着剤であり、事前に主剤と硬化剤とを混合させずに使用するものである。
また、半導体チップと基板とを二液型のエポキシ系接着剤で接着させる方法が、例えば、特許文献2(実施例1)において提案されている。
また、本願発明者は、特許文献2のように従来のエポキシ系の組成物をハネムーン型接着剤組成物として用いる場合、室温硬化後において硬化物全体が均一な硬化状態とならず硬化不良が発生することを見出した。
そこで、本発明は、接着性、耐水性、室温硬化性に優れるハネムーン型接着剤組成物を提供することを目的とする。
(1) 分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、分子内に2個以上のメルカプト基を有するチオール化合物とを含有するA液と、
アミン化合物を含有するB液とからなるハネムーン型接着剤組成物。
(2) 前記メルカプト基が、前記エポキシ基に対して0.1〜0.6当量である上記(1)に記載のハネムーン型接着剤組成物。
(3) 前記チオール化合物が、メルカプト基含有シラン化合物の縮合物である上記(1)または(2)に記載のハネムーン型接着剤組成物。
(4) 前記アミン化合物が、第三級アミンである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のハネムーン型接着剤組成物。
(5) 前記B液が、さらに、イミダゾール化合物を含有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載のハネムーン型接着剤組成物。
(6) 前記A液が、さらに、フェノール化合物を含有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載のハネムーン型接着剤組成物。
(7) 前記A液および/または前記B液が、さらに、ベンゾオキサジン化合物を含有する上記(1)〜(6)のいずれかに記載のハネムーン型接着剤組成物。
(8) 機能素子と実装基板とを上記(1)〜(7)のいずれかに記載のハネムーン型接着剤組成物を用いて接着させる実装基板の接着方法。
(9) 前記エポキシ樹脂と前記チオール化合物とを混合する混合工程と、
前記A液を前記実装基板に塗布し、前記B液を前記機能素子に塗布する塗布工程と、
前記実装基板の塗布面と前記機能素子の塗布面とが接するように前記実装基板と前記機能素子とを重ね合わせて、前記A液と前記B液とを室温で硬化させて積層体とする室温硬化工程と、
前記積層体を加熱して実装基板組み立て体とする加熱硬化工程とを具備する上記(8)に記載の実装基板の接着方法。
(10) 実装基板のパッド部と前記実装基板の上に実装された機能素子のバンプとを上記(1)〜(7)のいずれかに記載のハネムーン型接着剤組成物で電気的に接続した実装基板組み立て体。
本発明の実装基板の接着方法は接着性、室温硬化性に優れており、本発明の実装基板の接着方法によれば導通性、耐水性に優れる実装基板組み立て体を得ることができる。
本発明の実装基板組み立て体は、導通性、耐水性に優れる。
本発明のハネムーン型接着剤組成物は、
分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、分子内に2個以上のメルカプト基を有するチオール化合物とを含有するA液と、
アミン化合物を含有するB液とからなる組成物である。
以下これを「本発明の組成物」ということがある。
本発明の組成物に使用されるエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のオキシラン環(エポキシ基)を有する化合物であれば特に限定されない。
具体的には、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型のようなビスフェニル基を有するエポキシ化合物、ポリアルキレングリコール型、アルキレングリコール型のエポキシ化合物、ナフタレン環を有するエポキシ化合物、フルオレン基を有するエポキシ化合物等の二官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、三官能型、テトラフェニロールエタン型のような多官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ダイマー酸のような合成脂肪酸のグリシジルエステル型エポキシ樹脂;N,N,N′,N′−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリンのようなグリシジルアミノ基を有する芳香族エポキシ樹脂;トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環を有するエポキシ化合物(例えば、ジシクロペンタジエンとm−クレゾールのようなクレゾール類またはフェノール類を重合させた後、エピクロルヒドリンを反応させる製造方法によって得られうるエポキシ化合物)が挙げられる。
エポキシ樹脂はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
2官能のエポキシ樹脂は、オキシラン環(エポキシ基)を2個有する化合物であれば特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。
3官能以上のエポキシ樹脂は、オキシラン環(エポキシ基)を3個以上有する化合物であれば特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。
本発明の組成物に使用されるチオール化合物は、分子内に2個以上のメルカプト基(−SH)を有する化合物であれば特に制限されない。チオール化合物は、アミン化合物の存在下で活性化し室温でエポキシ樹脂と反応し硬化することができる。チオール化合物としては、例えば、従来公知のものが挙げられる。
メルカプト基は、例えば、チオール化合物の末端、骨格内に結合することができる。
チオール化合物は、メルカプト基の他に、例えば、カルボニル基、尿素基(カルバミド基)、イソシアネート基のような官能基;エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合のような結合を有することができる。
チオール化合物としては、メルカプト基を2個有するジチオール化合物、メルカプト基を3個以上有する3官能以上のチオール化合物が挙げられる。
ケイ素原子は加水分解性シリル基(加水分解性を有するシリル基)、またはシラノール基を形成することが好ましい。
加水分解性シリル基は加水分解後シラノール基となるものであれば特に制限されない。加水分解性シリル基としては、ケイ素原子に例えばアルコキシ基、フェノキシ基が1〜3個結合しているものが挙げられる。アルコキシ基としては例えば、メトキシ基、エトキシ基が挙げられる。
ケイ素原子に結合しているアルコキシ基、フェノキシ基が1〜2個である場合、ケイ素原子に結合する残りの基は特に制限されない。例えば、メチル基、エチル基が挙げられる。
メルカプト基含有シラン化合物の縮合物の製造は、特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
チオール化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の組成物に使用されるアミン化合物は、窒素原子を有する化合物であり、メルカプト基を活性化させることができるものであれば特に制限されない。
ポリアミン化合物としては例えば、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、潜在性硬化剤、特殊アミンが挙げられる。
芳香族ポリアミン、特殊アミンが好ましい態様として挙げられる。
なかでも、ケチミン化合物が好ましい態様の1つとして挙げられる。
ケチミン化合物は特に制限されない。例えば、メチルイソブチルケトン(MIBK)とプロピレンジアミンとから得られるもの;メチルイソプロピルケトン(MIPK)および/またはメチル−t−ブチルケトン(MTBK)とジェファーミンEDR148とから得られるもの;MIPKおよび/またはMTBKと1,3BACとから得られるもの;MIPKおよび/またはMTBKとノルボルナンジアミン(NBDA)とから得られるもの;MIPKおよび/またはMTBKとm−キシリレンジアミン(MXDA)とから得られるもの;MIPKおよび/またはMTBKとポリアミドアミンとから得られるもの;ジエチルケトンとMXDAとから得られるものが挙げられる。
アミン化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、アミン化合物が液状の場合、液状のアミン化合物がチオール化合物と塩を形成することがある。このような場合、アミン化合物として、チオール化合物と塩を形成するアミン化合物とチオール化合物と塩を形成しないアミン化合物とを併用することができる。チオール化合物と塩を形成するアミン化合物は硬化阻害を起こさない程度の量で使用することができる。
本発明の組成物に用いられるイミダゾール化合物は、エポキシ樹脂の重合触媒として使用することができる。
イミダゾール化合物は、イミダゾール環を有する化合物であれば特に限定されない。例えば、N−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2′−メチルイミダゾール(1′))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2′−ウンデシルイミダゾール(1′))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2′−エチル,4−メチルイミダゾール(1′))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2′−メチルイミダゾール(1′))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾール等の各種イミダゾール類、および、これらのイミダゾール類とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸、蓚酸等の多価カルボン酸との塩類が挙げられる。
イミダゾール化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
イミダゾール化合物は、貯蔵安定性に優れるという観点から、B液に加えるのが好ましい。
フェノール化合物としては、1分子中に2個以上のフェノール性ヒドロキシ基を有するものであれば特に制限はなく、例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂などのアラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、シクロペンタジエン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、多環芳香環変性フェノール樹脂、トリフェノールメタン型フェノール樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、チオジフェノール、ナフタレンジオールなどが挙げられる。また、フェノール樹脂はアリル化物として用いることができる。
フェノール化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の組成物がさらに含有することができるベンゾオキサジン化合物としては、例えば、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
そして、式(1)において、2個のベンゾオキサジン環の窒素原子が互いにベンゾオキサジン化合物の中心方向[式(1)における、2個のフェニレン基を結合するメチレン基のある方向]に向き合うように、ベンゾオキサジン環が配置されている。同じことをベンゾオキサジン環のベンゼン環について言うと、式(1)において、ベンゾオキサジン環のベンゼン環が2つともベンゾオキサジン化合物の外側に位置するように、ベンゾオキサジン環が配置されている。
また、炭化水素基は置換基を有することができる。
炭素原子数1〜10の炭化水素基が有することができる置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基のようなアルコキシ基;ビニル基、アリル基、ブテニル基のようなアルケニル基;フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基のようなアリール基;メチル基、エチル基、ブチル基、t-ブチル基のようなアルキル基;エーテル結合、エステル結合が挙げられる。
nはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、ガラス転移温度が高くなり、接着性により優れるという観点から、0、1、2であるのが好ましく、0であるのがより好ましい。
ベンゾオキサジン化合物はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
エポキシ樹脂の量がエポキシ樹脂およびベンゾオキサジン化合物の合計量の90質量%未満である場合、ベンゾオキサジン化合物は10質量%を超える量となる。
また、エポキシ樹脂とベンゾオキサジン化合物との量は、ガラス転移温度がより高くなり、接着性により優れるという観点から、エポキシ樹脂に対するベンゾオキサジン化合物の比(ベンゾオキサジン化合物/エポキシ樹脂)が、質量比で、10超/90未満〜80/20であるのが好ましく、20/80〜80/20であるのがより好ましい。
官能基としては、例えば、アミノ基、イミノ基、ウレイド基、メルカプト基、酸無水物基等が挙げられる。
加水分解性ケイ素含有基は、上述の加水分解性シリル基と同様である。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、ビストリメトキシシリルプロピルアミン、ビストリエトキシシリルプロピルアミン、ビスメトキシジメトキシシリルプロピルアミン、ビスエトキシジエトキシシリルプロピルアミン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、3,3−ジメチル−4−アミノブチルトリメトキシシラン、3,3−ジメチル−4−アミノブチルメチルジメトキシシラン等のアミノシラン化合物;(N−シクロヘキシルアミノメチル)メチルジエトキシシラン、(N−シクロヘキシルアミノメチル)トリエトキシシラン、(N−フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、(N−フェニルアミノメチル)トリメチルオキシシラン、下記式(1)で表される化合物、下記式(2)で表されるN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、下記式(3)で表される化合物等のイミノシラン化合物;
なかでも、硬化性、硬化後の物性に優れるという観点から、式(2)で表されるN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。
シランカップリング剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、アミン系以外のシランカップリング剤は、A液に入れることができる。
老化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系の化合物が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料が挙げられる。
接着付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート、臭素原子および/またはリン原子含有化合物、アンモニウムポリホスフェート、ジエチルビスヒドロキシエチルアミノエチルホスフェート、ネオペンチルブロマイドーポリエーテル、臭素化ポリエーテルが挙げられる。
脱水剤としては、例えば、アシロキシシリル基含有ポリシロキサンが挙げられる。
例えば、エポキシ樹脂とチオール化合物とフェノール化合物と必要に応じて使用することができる添加剤とを含有するA液と、アミン化合物とベンゾオキサジン化合物と必要に応じて使用することができるイミダゾール化合物、添加剤とを含有するB液とを、別々に、あらかじめ減圧下または窒素ガス存在下において、混合ミキサー等のかくはん装置を用いて十分に混練して調製することができる。
なお、ベンゾオキサジン化合物は、A液および/またはB液に用いることができる。
本発明の組成物を室温で硬化させる際の温度は、硬化時間の観点から、10〜40℃であるのが好ましく、20〜30℃であるのがより好ましい。
本発明の組成物を加熱して硬化させる際の温度は、硬化時間の観点から、80〜180℃であるのが好ましく、120〜180℃であるのがより好ましい。
本発明の組成物を適用できる被着体は、特に制限されず、例えば、配線回路基板やプリント配線基板等の実装基板、各種電子部品等の機能素子、金属、プラスチック、ガラス、塗板が挙げられる。
本発明の実装基板の接着方法は、
機能素子と実装基板とを本発明のハネムーン型接着剤組成物を用いて接着させる接着方法である。
以下これを「本発明の接着方法」ということがある。
機能素子としては、例えば、IC、LSIのような集積回路チップが挙げられる。
一方、実装基板としては、例えば、配線回路基板、プリント配線板等が挙げられる。
本発明の接着方法は、熱に弱い部材を含む、電子部品及び/又は実装基板の接着に使用する場合、特に好ましい効果を奏することができる。
ハネムーン型接着剤組成物はA液およびB液を備えるが、A液およびB液のいずれか一方を機能素子に適用し、残りを実装基板に適用するかは特に制限されない。A液を機能素子に、かつB液を実装基板に適用することができる。また、B液を機能素子に、かつA液を実装基板に適用することができる。
エポキシ樹脂とチオール化合物とを混合する混合工程と、
A液を実装基板に塗布し、B液を機能素子に塗布する塗布工程と、
実装基板の塗布面と機能素子の塗布面とが接するように実装基板と機能素子とを重ね合わせて、A液とB液とを室温で硬化させて積層体とする室温硬化工程と、
積層体を加熱して実装基板組み立て体とする加熱硬化工程とを具備する実装基板の接着方法が挙げられる。
以下、当該接着方法を「本発明の接着方法A」ということがある。
混合工程は、エポキシ樹脂とチオール化合物とを混合して混合物とする工程である。
混合工程において、エポキシ樹脂およびチオール化合物の他に添加剤を加えて混合することができる。
A液の調製については、硬化物全体が均一に硬化でき部分的な硬化不良を発生させず組成物の硬化性がより優れるという観点から、エポキシ樹脂とチオール化合物とを十分に混合して均一にすることが好ましい。
混合工程は、例えば、ハネムーン型接着剤組成物のA液の調製の段階、ハネムーン型接着剤組成物の使用直前に行うことができる。
図1は、本発明の接着方法Aを説明するための、実装基板と機能素子との要部断面の一例を模式的に表す断面図である。
図2および図3は、本発明の接着方法Aを説明するための、実装基板と機能素子との接着の一例を模式的に表す概略図である。
塗布工程において、A液を実装基板に塗布する方法、B液を機能素子に塗布する方法は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
図2(b)において、A剤(図示せず。)を実装基板3(例えば、配線回路基板)上の所定領域31(A剤塗布面)に塗布する。
室温硬化の時間は、30〜300分であるのが好ましい。
したがって、従来のように接着剤組成物を硬化させるために高温加熱するによって、実装基板を変形させることがなく、実装基板組み立て体の導通性を優れたものとすることができる。
また、ハネムーン型接着剤組成物を加熱硬化させる前に予め室温で硬化させ実装基板と機能素子とを強固に接着することによって、加熱硬化工程において実装基板が熱によって変形するのを防ぐことができ、実装基板組み立て体の導通性を優れたものとすることができる。
図1(b)において、A液51AとB液52Aとが接触した後、ハネムーン型接着剤組成物5は室温で硬化して硬化物5となる。
次いで、図3(a)において、加圧台6a及び加圧部6bにより、機能素子1を5〜7kg/cm2の圧力で実装基板3に矢印で示す方向に室温で加圧する。
加熱硬化工程において、加熱して硬化させる際の温度は上記と同義である。
加熱硬化の時間は、30〜360分であるのが好ましい。
加熱の方向は特に制限されない。実装基板もしくは機能素子のいずれか一方から、または実装基板および機能素子の両方向から、加熱することができる。
本発明の実装基板組み立て体は、
実装基板のパッド部と前記実装基板の上に実装された機能素子のバンプとを本発明のハネムーン型接着剤組成物で電気的に接続したものである。
図4は、本発明の実装基板組み立て体の一例の断面を模式的に示す断面図である。
図4において、本発明の実装基板組み立て体400は、実装基板3のパッド部4と実装基板3の上に実装された機能素子1のバンプ2とをハネムーン型接着剤組成物5で電気的に接続したものである。
本発明の実装基板組み立て体に使用される、実装基板および機能素子は上記と同義である。
本発明の実装基板組み立て体は本発明の組成物を使用するものであればその製造について特に制限されない。例えば、本発明の接着方法によって製造することができる。
得られた組成物について以下の評価を行った。結果を第1表、第2表に示す。
(1)室温硬化時間
2枚のPETフィルム(縦1cm、横1cm)を準備し、そのうちの1枚にA液0.1gを塗布し、残りの1枚にB液を必要量塗布し、PETフィルムの塗布面を対向させて重ね合わせ、2枚のPETフィルムを貼り合せ、23℃の条件下で硬化するまでの時間を測定した。
2つの被着体(縦10mm、横50mm、厚さ1.6mmのガラスエポキシ)を準備し、そのうちの1枚にA液0.1gを塗布し、残りの1枚にB液を必要量塗布し、被着体の塗布面を対向させて重ね合わせ、2つの被着体を貼り合せ、23℃の条件下で3時間置いた後、170℃で1時間加熱処理を行い、2つの被着体が接着剤を介して積層したサンプルを得た。得られたサンプルを接着強度用サンプルとした。
接着強度用サンプルを引張試験機に取り付け、引張速度1mm/分の条件下で引張試験を行い、接着強度を測定した。
接着強度用サンプルをプレッシャークッカー試験機(温度121℃、湿度100%)に入れ、24時間後にプレッシャークッカー試験機から取出し、23℃の条件下で1時間置いた。1時間経過後、得られたサンプルの強度を引張試験(引張速度1mm/分)にて求めた。
耐水性の評価基準は、上記(2)接着強度の評価結果に対する耐水試験後の接着強度の強度保持率が、70%以上であるものを○、60%以上70%未満の場合を△、60%未満の場合を×とした。
得られた組成物を使用して実装基板組み立て体を作製し導通試験を行った。
A液をガラスエポキシからなる配線回路基板上の所定領域に塗布した。
B液を1cm2□の集積回路チップ(約300ピンのバンプを有する)の所定面に塗布した。
導通性の評価基準としては、通電する場合を○、通電しない場合を×とした。
常温で組成物が十分に硬化している場合、加熱時のストレスからの基板の反りが抑制され、導通不良(バンプ破断)を防ぐことができる。
(1)組成物の成分および量
第1表、第2表に示す各成分を同表に示す量(単位;質量部)で使用した。
なお、チオール化合物1〜3の量は、エポキシ樹脂1または2のエポキシ基に対するメルカプト基の当量として記載した。
また、フェノール化合物の量は、エポキシ樹脂1または2のエポキシ基に対するヒドロキシ基の当量として記載した。
また、フィラー1の量は、A液中に占めるフィラー1の重量%として記載した。
フィラー2の量は、B液中に占めるフィラー2の重量%として記載した。
(2)組成物の製造方法
A液は、第1表、第2表に示す、エポキシ樹脂とチオール化合物とを脱泡撹拌器を用いて1分間当りの回転数2,000回、2分間撹拌して混合し、ここに第1表、第2表に示す、A液の他の成分を加えてさらに撹拌して均一なものとした。
B液は、第1表、第2表に示す成分を脱泡撹拌器を用いて撹拌して均一なものとした。
・エポキシ樹脂1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EP−4100E、旭電化社製)
・エポキシ樹脂2:トリグリシジル−pアミノフェノール(MY−0510、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)
・ベンゾオキサジン化合物:下記式(4)で表される化合物(商品名ベンゾオキサジン P−d、四国化成工業社製)
・チオール化合物1:ジメルカプトエチルサルファイド
・チオール化合物2:ジペンタエリスリトールヘキサ−3−メルカプトプロピオネート(DPMP、堺化学社製)
・チオール化合物3:メルカプト基含有シラン化合物の縮合物。3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM−803、信越化学工業社製)196gを水18g、ジブチル錫−ジラウレート0.5gの存在下、窒素雰囲気中室温で15時間撹拌し、反応終了後に脱溶媒することによってメルカプト基含有シラン化合物の縮合物を得た。得られた縮合物をチオール化合物3とする。
・フェノール化合物:商品名MEH−8000H、明和化成社製
・シランカップリング剤1:2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(KBM−303、信越化学工業社製)
・シランカップリング剤2:N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−573、信越化学工業社製)
・フィラー1:シリカフィラー(UF−103A、トクヤマ社製)
・フィラー2:アエロジル(RY−202S、日本アエロジル社製)
・アミン化合物1:特殊アミン(U−cat41、サンアプロケミカル社製)
・アミン化合物2:2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP−30、精工化学社製)
・重合触媒:N−メチルイミダゾール
・アミン化合物3:ケチミン(HOK−01、大都産業社製)
・過酸化物:ナイパーBMT−M(日本油脂社製)
これに対して、実施例1〜16の組成物は、室温硬化性、耐水性に優れ、接着強度が高く接着性に優れる。
また、実施例1〜16の接着方法は接着性、室温硬化性に優れており、実施例1〜16の接着方法によれば導通性、耐水性に優れる実装基板組み立て体を得ることができる。
実施例1〜16の実装基板組み立て体は、導通性、耐水性に優れる。
2 バンプ
3 実装基板
4 電極
5 ハネムーン型接着剤組成物、硬化物
51A A液
52B B液
6a 加圧台
6b 加圧部
10 積層体、実装基板組み立て体
11B B剤塗布面
31A A剤塗布面
53A A剤
54B B剤
400 実装基板組み立て体
Claims (10)
- 分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、分子内に2個以上のメルカプト基を有するチオール化合物とを含有するA液と、
アミン化合物を含有するB液とからなるハネムーン型接着剤組成物。 - 前記メルカプト基が、前記エポキシ基に対して0.1〜0.6当量である請求項1に記載のハネムーン型接着剤組成物。
- 前記チオール化合物が、メルカプト基含有シラン化合物の縮合物である請求項1または2に記載のハネムーン型接着剤組成物。
- 前記アミン化合物が、第三級アミンである請求項1〜3のいずれかに記載のハネムーン型接着剤組成物。
- 前記B液が、さらに、イミダゾール化合物を含有する請求項1〜4のいずれかに記載のハネムーン型接着剤組成物。
- 前記A液が、さらに、フェノール化合物を含有する請求項1〜5のいずれかに記載のハネムーン型接着剤組成物。
- 前記A液および/または前記B液が、さらに、ベンゾオキサジン化合物を含有する請求項1〜6のいずれかに記載のハネムーン型接着剤組成物。
- 機能素子と実装基板とを請求項1〜7のいずれかに記載のハネムーン型接着剤組成物を用いて接着させる実装基板の接着方法。
- 前記エポキシ樹脂と前記チオール化合物とを混合する混合工程と、
前記A液を前記実装基板に塗布し、前記B液を前記機能素子に塗布する塗布工程と、
前記実装基板の塗布面と前記機能素子の塗布面とが接するように前記実装基板と前記機能素子とを重ね合わせて、前記A液と前記B液とを室温で硬化させて積層体とする室温硬化工程と、
前記積層体を加熱して実装基板組み立て体とする加熱硬化工程とを具備する請求項8に記載の実装基板の接着方法。 - 実装基板のパッド部と前記実装基板の上に実装された機能素子のバンプとを請求項1〜7のいずれかに記載のハネムーン型接着剤組成物で電気的に接続した実装基板組み立て体。
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