JP2009166088A - 塑性加工方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ディスク面が押圧部材側に膨らんだり、アウター側のフランジ部が変形することなく塑性加工を行うことができる塑性加工方法及びその装置を提供すること。
【解決手段】主軸3にマンドレルMを配設し、このマンドレルMにワークWを外嵌し、絞りローラによってワークWに絞り加工を施す塑性加工方法において、加工用の絞りローラR1による加工の際に、別のローラである絞りローラR2によって加工開始点を押圧支持する。
【選択図】図1
【解決手段】主軸3にマンドレルMを配設し、このマンドレルMにワークWを外嵌し、絞りローラによってワークWに絞り加工を施す塑性加工方法において、加工用の絞りローラR1による加工の際に、別のローラである絞りローラR2によって加工開始点を押圧支持する。
【選択図】図1
Description
本発明は、塑性加工方法及びその装置に関し、特に、絞りローラを用いて塑性加工を行う際のワークのディスク面の膨らみやアウター側のフランジの変形を防止することができるようにした塑性加工方法及びその装置に関するものである。
従来より、スピニングマシンを使用した塑性加工方法として、加工対象物によって種々の方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
このうち、マンドレルを配設した回転する主軸に取り付けたワークに複数工程の絞り加工を施す塑性加工方法が実用化されている。
この塑性加工方法は、例えば、図7〜図8に示すように、縦型のスピニングマシン1を用いて行うようにしている。
このスピニングマシン1は、架体2上に電動機Eによって回転される主軸3を配設し、主軸3には加工するワークWに応じたマンドレルMを取り替え可能に配備し、主軸3の上方にはマンドレルMに取り付けたワークWを上側から押圧して固定するための心押し台10を配設するようにしている。
心押し台10は、ワークWに当接する押圧部材11と、該押圧部材11を上下に移行せしめる油圧シリンダ等の加圧手段12とからなり、加圧手段12の押圧力によって押圧部材11をマンドレルMに付勢するようにしている。
押圧部材11は、ワークWに伴って回転可能となるように加圧手段12の先端にベアリング等の回動部材を介して回転自在に取り付けられている。
架体2上には、図8に示すように、主軸3を囲むように3箇所に3基の工具台4を配設する例を示すが、その数は特に限定されるものではなく、被加工物であるワークWの特性に応じてその数は決定される。
工具台4にはワークWに当接せしめ、所望の形状に成形する絞りローラR1、R2、R3を取り付ける絞り台5をX軸(主軸3の軸心に対して直角方向)、Z軸(主軸3の軸心に対して平行方向)方向に移動可能に配備する。
このうち、マンドレルを配設した回転する主軸に取り付けたワークに複数工程の絞り加工を施す塑性加工方法が実用化されている。
この塑性加工方法は、例えば、図7〜図8に示すように、縦型のスピニングマシン1を用いて行うようにしている。
このスピニングマシン1は、架体2上に電動機Eによって回転される主軸3を配設し、主軸3には加工するワークWに応じたマンドレルMを取り替え可能に配備し、主軸3の上方にはマンドレルMに取り付けたワークWを上側から押圧して固定するための心押し台10を配設するようにしている。
心押し台10は、ワークWに当接する押圧部材11と、該押圧部材11を上下に移行せしめる油圧シリンダ等の加圧手段12とからなり、加圧手段12の押圧力によって押圧部材11をマンドレルMに付勢するようにしている。
押圧部材11は、ワークWに伴って回転可能となるように加圧手段12の先端にベアリング等の回動部材を介して回転自在に取り付けられている。
架体2上には、図8に示すように、主軸3を囲むように3箇所に3基の工具台4を配設する例を示すが、その数は特に限定されるものではなく、被加工物であるワークWの特性に応じてその数は決定される。
工具台4にはワークWに当接せしめ、所望の形状に成形する絞りローラR1、R2、R3を取り付ける絞り台5をX軸(主軸3の軸心に対して直角方向)、Z軸(主軸3の軸心に対して平行方向)方向に移動可能に配備する。
上記構成において、被加工物であるワークWをマンドレルMに外嵌し、心押し台10の押圧部材11によって押圧固定する。
そして、絞りローラR1から絞りローラR3までを回転するワークWの側面に押し当てて、マンドレルMに倣って塑性加工を施すようにしている。
この場合の加工手順は、例えば、図9(a)に示すように、絞りローラR1が移動軌跡L1を移動する第1工程としての荒加工を行い、次いで、絞りローラR2が移動軌跡L2を移動する第2工程としての本加工を行い、最後に絞りローラR3が移動軌跡L3を移動する第3工程としての仕上げ加工を行い、図9(b)に示すように、最終製品Wzを得るようにしている。
そして、絞りローラR1から絞りローラR3までを回転するワークWの側面に押し当てて、マンドレルMに倣って塑性加工を施すようにしている。
この場合の加工手順は、例えば、図9(a)に示すように、絞りローラR1が移動軌跡L1を移動する第1工程としての荒加工を行い、次いで、絞りローラR2が移動軌跡L2を移動する第2工程としての本加工を行い、最後に絞りローラR3が移動軌跡L3を移動する第3工程としての仕上げ加工を行い、図9(b)に示すように、最終製品Wzを得るようにしている。
ところで、上記従来の塑性加工方法では、絞りローラRによる成形方向(図例下側)に働く押圧力がマンドレルMとワークWとが当接するMc点を基点とするモーメント力を生じさせ、ディスク面Dが押圧部材11側に捻られ、図10に示すように、ディスク面Dが加工前の状態よりも押圧部材11側に寸法A(1〜3mm程度)だけ膨らむことがある。
また、同様の理由から、アウター側のフランジ部Faが外側に倒れるように変形して、成形前のアウター側のフランジの周囲位置の基準線Fよりも下がる場合や、これに加えて、前記捻れによる不具合が発生することがある。
また、同様の理由から、アウター側のフランジ部Faが外側に倒れるように変形して、成形前のアウター側のフランジの周囲位置の基準線Fよりも下がる場合や、これに加えて、前記捻れによる不具合が発生することがある。
このような問題に対処するために、図11に示すように、押圧部材11’を、ディスク面Dの略全面に当接するように、ディスク面Dの形状に沿った形状とする方法がある。
しかし、ワークWの形状誤差によって、ディスク面Dの形状と押圧部材11’の押圧面との形状を完全に一致させることは困難であり、ディスク面Dと押圧部材11’の押圧面との間に隙間が生じることから、変形の抑制は不十分である。
また、ディスク面Dは、成形品がアルミホイルの場合には製品の最終形状であり、押圧部材11’とディスク面Dとが当接している個所で、成形加工中のスリップ等によってディスク面Dに傷が付く場合があり、ディスク面Dに傷が付くと製品の意匠面において問題が発生し、製品価値を失うという問題が生じることとなる。
また、通常、3工程で行っている加工工程を増やすことによって絞りローラRによる押圧力を低く抑えて対処することもできるが、加工時間が長くなり最終製品のコストアップになるという問題があった。
しかし、ワークWの形状誤差によって、ディスク面Dの形状と押圧部材11’の押圧面との形状を完全に一致させることは困難であり、ディスク面Dと押圧部材11’の押圧面との間に隙間が生じることから、変形の抑制は不十分である。
また、ディスク面Dは、成形品がアルミホイルの場合には製品の最終形状であり、押圧部材11’とディスク面Dとが当接している個所で、成形加工中のスリップ等によってディスク面Dに傷が付く場合があり、ディスク面Dに傷が付くと製品の意匠面において問題が発生し、製品価値を失うという問題が生じることとなる。
また、通常、3工程で行っている加工工程を増やすことによって絞りローラRによる押圧力を低く抑えて対処することもできるが、加工時間が長くなり最終製品のコストアップになるという問題があった。
本発明は、上記従来の塑性加工方法及びその装置の有する問題点に鑑み、ディスク面が押圧部材側に膨らんだり、アウター側のフランジ部が変形することなく塑性加工を行うことができる塑性加工方法及びその装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本第1発明の塑性加工方法は、主軸にマンドレルを配設し、該マンドレルにワークを外嵌し、絞りローラによってワークに絞り加工を施す塑性加工方法において、加工用の絞りローラによる加工の際に、別のローラによってワークの加工開始点を押圧支持するようにしたこと特徴とする。
この場合において、加工用の絞りローラによって、ワークの加工開始点を所定量押し潰した後、加工を開始することができる。
また、同じ目的を達成するため本第2発明の塑性加工方法は、主軸にマンドレルを配設し、該マンドレルにワークを外嵌し、絞りローラによってワークに絞り加工を施す塑性加工方法において、加工用の絞りローラによって、ワークの加工開始点をワークの厚みの15〜30%押し潰した後、加工を開始することを特徴とする。
また、上記第1発明の塑性加工方法に使用する本発明の塑性加工装置は、主軸に配設したマンドレルと、該マンドレルに外嵌したワークに絞り加工を施す絞りローラとを備えた塑性加工装置において、加工用の絞りローラによる加工の際に、ワークの加工開始点を押圧支持する別のローラを備えたこと特徴とする。
本第1発明の塑性加工方法及びその装置によれば、加工用の絞りローラによる加工の際に、別のローラによってワークの加工開始点を押圧支持するようにしたから、加工用の絞りローラによるワークへの成形加工力によって生じる、ディスク面及びアウター側のフランジ部の方向に働く力を塑性加工を施す加工用の絞りローラとは別のローラによって拘束することができ、ディスク面及びアウター側のフランジ部の変形を抑制し、ディスク面が押圧部材側に膨らんだり、アウター側のフランジ部が変形することを防止することができる塑性加工方法を提供することができる。
この場合において、加工用の絞りローラによって、ワークの加工開始点を所定量押し潰した後、加工を開始することにより、加工用の絞りローラによるワークへの成形加工力によって生じる、ディスク面及びアウター側のフランジ部の方向に働く力を加工用の絞りローラとは絞りローラによって拘束することができるとともに、加工用の絞りローラによってワークの加工開始点の素材を押し潰し、ワークとマンドレルが密着によってディスク面の方向に働く力を抑制することができる。
また、第2発明の塑性加工方法によれば、加工用の絞りローラによって、ワークの加工開始点をワークの厚みの15〜30%押し潰した後、加工を開始するようにしたから、ワークの加工開始点の素材がマンドレル側へ押し潰され塑性化することで、ワークとマンドレルとが密着し、接触部分での摩擦力が向上し、加工用の絞りローラによるワークへの成形加工力のうち、ディスク面及びアウター側のフランジ部の方向に働く力を抑制することができる。
以下、本発明の塑性加工方法及びその装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図2に、本発明の塑性加工方法及びその装置の第1実施例を示す。
この塑性加工方法に使用するスピニングマシン1において、従来と同様の構成については、同じ符号を記すことによりその説明を省略する場合がある。
この塑性加工方法に使用するスピニングマシン1において、従来と同様の構成については、同じ符号を記すことによりその説明を省略する場合がある。
この塑性加工方法は、種々の塑性加工を行うためのスピニングマシンに適用することができるが、ここでは従来例と同様に、マンドレルMを配設した主軸3に取り付けたワークWに、複数工程の絞り加工を施す場合を例に説明する。
絞りローラR1、R2、R3は、従来例と同様に、絞りローラR1を用いて第1工程としての荒加工を行い、次いで、絞りローラR2を用いて第2工程としての本加工を行い、最後に絞りローラR3を用いて第3工程としての仕上げ加工を行うようにするもので、絞りローラR3を配備することなく、絞りローラR1で本加工を、絞りローラR2で仕上げ加工を行うように構成しても構わない。
この実施例では、ワークWの加工開始点を押圧支持する別のローラとして、加工用の絞りローラ以外の絞りローラを使用する例を示し、図1(a)に示す、第1工程に使用する加工用の絞りローラが絞りローラR1のときには、図8に示すように、絞りローラR1と対向する位置にある絞りローラR2によってワークWの加工開始点を押圧支持し、絞りローラR1が移動軌跡L1を移動する第1工程としての荒加工を行い、第1成形品Waを成形するようにしている。
この場合、絞りローラR2による押圧個所は、絞りローラR1が加工を開始する個所と同一周上(図1(a)における周上K)であればよい。
なお、絞りローラR3によってワークWの加工開始点を押圧支持するようにしたり、絞りローラR2及び絞りローラR3の両方でワークWの加工開始点を押圧支持したり、絞りローラR1、R2、R3とは別のローラ(図示省略)で押圧支持することもできる。
この場合、絞りローラR2による押圧個所は、絞りローラR1が加工を開始する個所と同一周上(図1(a)における周上K)であればよい。
なお、絞りローラR3によってワークWの加工開始点を押圧支持するようにしたり、絞りローラR2及び絞りローラR3の両方でワークWの加工開始点を押圧支持したり、絞りローラR1、R2、R3とは別のローラ(図示省略)で押圧支持することもできる。
次いで、図1(b)に示すように、ワークWの加工開始点を押圧支持した状態の絞りローラR2を用いて、絞りローラR2が移動軌跡L2を移動する第2工程としての本加工を行い、第2成形品Wbを成形するようにしている。
この場合、絞りローラR1及び/又は絞りローラR3でワークWの加工開始点を押圧支持したり、絞りローラR1、R3とは別のローラ(図示省略)で押圧支持することもできる。
この場合、絞りローラR1及び/又は絞りローラR3でワークWの加工開始点を押圧支持したり、絞りローラR1、R3とは別のローラ(図示省略)で押圧支持することもできる。
そして、最後に、図2(a)に示すように、第3ローラである絞りローラR3を用いて、絞りローラR3が移動軌跡L3を移動する第3工程としての仕上げ加工を行い、図2(b)に示すように、最終製品Wzを得るようにしている。
この場合、絞りローラR1及び/又は絞りローラR2でワークWの加工開始点を押圧支持したり、絞りローラR1、R2とは別のローラ(図示省略)で押圧支持することもできる。
この場合、絞りローラR1及び/又は絞りローラR2でワークWの加工開始点を押圧支持したり、絞りローラR1、R2とは別のローラ(図示省略)で押圧支持することもできる。
このように、特に、第1工程において、加工用の絞りローラである絞りローラR1とは別のローラ、具体的には、絞りローラR2及び/又は絞りローラR3でワークWの加工開始点を押圧支持することによって、絞りローラR1によるワークWへの成形加工力のうち、ディスク面D及びアウター側のフランジ部Faの方向に働く力を絞りローラR1以外の絞りローラR2及び/又は絞りローラR3によって拘束することができ、ディスク面Dが押圧部材11側に膨らんだり、アウター側のフランジ部Faが変形することを防止することができる。
図3〜図4に、本発明の塑性加工方法及びその装置の第2実施例を示す。
この実施例の塑性加工方法に使用するスピニングマシン1の構成は、第1実施例と同様である。
この実施例の塑性加工方法に使用するスピニングマシン1の構成は、第1実施例と同様である。
この実施例の塑性加工方法及びその装置では、図3(a)に示すように、第1工程に使用する絞りローラR1によって、加工開始点のワークWを所定量押し潰すとともに、第1工程に使用する加工用の絞りローラである絞りローラR1による加工の際に、別のローラによってワークWの加工開始点を押圧支持し、絞りローラR1が移動軌跡L1を移動する第1工程としての荒加工を行い、第1成形品Waを成形するようにしている。
この実施例では、第1実施例と同様に、ワークWの加工開始点を押圧支持する別のローラとして、加工用の絞りローラ以外の絞りローラを使用する例を示し、第1工程に使用する加工用の絞りローラが絞りローラR1のときには、絞りローラR2を使用する例を示すが、絞りローラR3によってワークWの加工開始点を押圧支持するようにしたり、絞りローラR2及び絞りローラR3の両方でワークWの加工開始点を押圧支持したり、絞りローラR2、R3とは別の押圧用のローラで押圧支持することもできる。
また、第1実施例と同様、絞りローラR2による押圧個所は、絞りローラR1が加工を開始する個所と同一周上(図3(a)における周上K)であればよい。
この実施例では、第1実施例と同様に、ワークWの加工開始点を押圧支持する別のローラとして、加工用の絞りローラ以外の絞りローラを使用する例を示し、第1工程に使用する加工用の絞りローラが絞りローラR1のときには、絞りローラR2を使用する例を示すが、絞りローラR3によってワークWの加工開始点を押圧支持するようにしたり、絞りローラR2及び絞りローラR3の両方でワークWの加工開始点を押圧支持したり、絞りローラR2、R3とは別の押圧用のローラで押圧支持することもできる。
また、第1実施例と同様、絞りローラR2による押圧個所は、絞りローラR1が加工を開始する個所と同一周上(図3(a)における周上K)であればよい。
絞りローラR1による加工開始点でのワークWの押し潰し部分CAの押し潰し量CBは、後述する第3実施例の場合と同様、図5(b)に示すように、素材の厚みの15〜30%、例えば、押し潰し部分CAの素材の厚みが10mm程度の場合は、1.5〜3mm程度とすることが好ましい。
この押し潰しによって、図5(b)に示す、素材の塑性域Pが塑性化し、従来例で説明した、マンドレルMとワークWとが当接するMc点が、マンドレルMとワークWとの接触範囲Cとなって密着するとともに、接触範囲Cにおいて摩擦力が向上する。
これによって、絞りローラR1によるワークWへの成形加工力が、マンドレルMとワークWとが当接する点を基点として発生するモーメント力とはならず、ディスク面Dの膨らみ及びアウター側のフランジ部Faの変形を抑制することができる。
この押し潰しによって、図5(b)に示す、素材の塑性域Pが塑性化し、従来例で説明した、マンドレルMとワークWとが当接するMc点が、マンドレルMとワークWとの接触範囲Cとなって密着するとともに、接触範囲Cにおいて摩擦力が向上する。
これによって、絞りローラR1によるワークWへの成形加工力が、マンドレルMとワークWとが当接する点を基点として発生するモーメント力とはならず、ディスク面Dの膨らみ及びアウター側のフランジ部Faの変形を抑制することができる。
以下、第1実施例と同様に、絞りローラR1が移動軌跡L1を移動する第1工程としての荒加工を行い、第1成形品Waを成形し(図3(b)参照)、絞りローラR2が移動軌跡L2を移動する第2工程としての本加工を行い、第2成形品Wbを成形し(図4(a)参照)、絞りローラR3が移動軌跡L3を移動する第3工程としての仕上げ加工を行い、図4(b)に示すように、最終製品Wzを得る。
これにより、特に、第1工程において、絞りローラR1によってワークWの加工開始点の素材がマンドレルM側へ押し潰され塑性化することで、ワークWとマンドレルMとが密着し、接触部分での摩擦力が向上するとともに、絞りローラR1とは別のローラ、具体的には、絞りローラR2及び/又は絞りローラR3でワークWの加工開始点を押圧支持することによって、絞りローラR1によるワークWへの成形加工力のうち、ディスク面D及びアウター側のフランジ部Faの方向に働く力を別の絞りローラR2(R3)によって拘束することができ、ディスク面Dが押圧部材11側に膨らんだり、アウター側のフランジ部Faが変形することを防止することができる。
図5〜図6に、本発明の塑性加工方法の第3実施例を示す。
この実施例の塑性加工方法に使用するスピニングマシン1の構成は、第1実施例と同様である。
この実施例の塑性加工方法に使用するスピニングマシン1の構成は、第1実施例と同様である。
この実施例の塑性加工方法では、図5(a)に示すように、第1工程に使用する絞りローラR1によって、ワークWの加工開始点をワークWの厚みの15〜30%押し潰した後、加工を開始するようにしている。
絞りローラR1による加工開始点でのワークWの押し潰し部分CAの押し潰し量CBは、図5(b)に示すように、素材の厚みの15〜30%、例えば、押し潰し部分CAの素材の厚みが10mm程度の場合は、1.5〜3mm程度とすることが好ましい。
この押し潰しによって、図5(b)に示す、素材の塑性域Pが塑性化し、従来例で説明した、マンドレルMとワークWとが当接するMc点が、マンドレルMとワークWとの接触範囲Cとなって密着するとともに、接触範囲Cにおいて摩擦力が向上する。
これによって、絞りローラR1によるワークWへの成形加工力が、マンドレルMとワークWとが当接する点を基点として発生するモーメント力とはならず、ディスク面Dの膨らみ及びアウター側のフランジ部Faの変形を抑制することができる。
この押し潰しによって、図5(b)に示す、素材の塑性域Pが塑性化し、従来例で説明した、マンドレルMとワークWとが当接するMc点が、マンドレルMとワークWとの接触範囲Cとなって密着するとともに、接触範囲Cにおいて摩擦力が向上する。
これによって、絞りローラR1によるワークWへの成形加工力が、マンドレルMとワークWとが当接する点を基点として発生するモーメント力とはならず、ディスク面Dの膨らみ及びアウター側のフランジ部Faの変形を抑制することができる。
以下、図6(a)に示すように、絞りローラR1が移動軌跡L1を移動する第1工程としての荒加工を行い、第1成形品Waを成形し、絞りローラR2が移動軌跡L2を移動する第2工程としての本加工を行い、第2成形品Wbを成形し、絞りローラR3が移動軌跡L3を移動する第3工程としての仕上げ加工を行い、図6(b)に示すように、最終製品Wzを得る。
これにより、特に、第1工程において、絞りローラR1によってワークWの加工開始点の素材がマンドレルM側へ押し潰され塑性化することで、ワークWとマンドレルMとが密着し、接触部分での摩擦力が向上し、第1工程の絞りローラR1によるワークWへの成形加工力のうち、ディスク面及びアウター側のフランジ部Faの方向に働く力を抑制することができる。
以上、本発明の塑性加工方法及びその装置について、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、特に縦型のスピニングマシンの塑性加工方法に限定することなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明の塑性加工方法及びその装置は、ディスク面が押圧部材側に膨らんだり、アウター側のフランジ部が変形することがないという特性を有していることから、ディスク面の意匠性が高いワークを塑性加工する塑性加工方法及びその装置に好適に用いることができる。
1 スピニングマシン
3 主軸
M マンドレル
W ワーク
R1 絞りローラ
R2 絞りローラ
R3 絞りローラ
3 主軸
M マンドレル
W ワーク
R1 絞りローラ
R2 絞りローラ
R3 絞りローラ
Claims (4)
- 主軸にマンドレルを配設し、該マンドレルにワークを外嵌し、絞りローラによってワークに絞り加工を施す塑性加工方法において、加工用の絞りローラによる加工の際に、別のローラによってワークの加工開始点を押圧支持するようにしたこと特徴とする塑性加工方法。
- 加工用の絞りローラによって、ワークの加工開始点を所定量押し潰した後、加工を開始するようにしたことを特徴とする請求項1記載の塑性加工方法。
- 主軸にマンドレルを配設し、該マンドレルにワークを外嵌し、絞りローラによってワークに絞り加工を施す塑性加工方法において、加工用の絞りローラによって、ワークの加工開始点をワークの厚みの15〜30%押し潰した後、加工を開始することを特徴とする塑性加工方法。
- 主軸に配設したマンドレルと、該マンドレルに外嵌したワークに絞り加工を施す絞りローラとを備えた塑性加工装置において、加工用の絞りローラによる加工の際に、ワークの加工開始点を押圧支持する別のローラを備えたこと特徴とする塑性加工装置。
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CN102666046A (zh) * | 2009-10-23 | 2012-09-12 | 弗莱克斯电子有限责任公司 | 旋转式高速低压缩热塑成型方法及设备 |
KR101420611B1 (ko) | 2012-04-13 | 2014-07-21 | 주식회사 대유신소재 | 플로우 포밍 성형기 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN102666046B (zh) * | 2009-10-23 | 2016-08-03 | 弗莱克斯电子有限责任公司 | 旋转式高速低压缩热塑成型方法及设备 |
CN102581103A (zh) * | 2011-09-29 | 2012-07-18 | 中信戴卡轮毂制造股份有限公司 | 改进的铝车轮旋压加工方法 |
KR101420611B1 (ko) | 2012-04-13 | 2014-07-21 | 주식회사 대유신소재 | 플로우 포밍 성형기 |
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