JP2009162204A - 斜板式コンプレッサ - Google Patents

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Abstract

【課題】低速運転時のようにロータの回転速度が遅い場合、エアコン稼働時のようにクランク室内の封入オイル量が少ない場合等であっても、軸受部等に十分にオイルを供給できる斜板式コンプレッサを提供する。
【解決手段】斜板24の揺動によって複数のシリンダボア18内を往復移動する複数のピストン19が設けられた斜板式コンプレッサ1において、ハウジング2には、駆動軸10を中心としてクランク室11の内壁よりも外側位置で、且つ、クランク室11の全周に亘ってオイル溜め溝26が設けられていると共に、ロータ20には、ロータ20の外周端より内側の収容位置から外周端より突出する突出位置に移動可能なオイル掻き上げ翼40が設けられ、オイル掻き上げ翼40の突出位置ではオイル溜め溝26内を入り込んだ位置に位置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、斜板の揺動でピストンが往復し、ピストンの往復移動で冷媒が圧縮される斜板式コンプレッサに関する。
この種の従来の斜板式コンプレッサとしては、特許文献1に開示されたものがある。この斜板式コンプレッサ100は、図9に示すように、ハウジング101を有する。ハウジング101は、中央ハウジング部材101aと、中央ハウジング部材101aの一端側に配置されたフロントヘッド101bと、中央ハウジング部材101aの他端側に弁プレート102を介して配置されたリアヘッド101cとが組み付けされることによって主に構成されている。
ハウジング101の中心には駆動軸103が配置されている。駆動軸103の両端側は、ラジアル軸受部104とラジアル軸受部105を介してハウジング101に回転自在に支持されている。
中央ハウジング部材101a内にはシリンダブロック101dが嵌合されている。シリンダブロック101d内には、駆動軸103を中心とする円周上に複数のシリンダボア106が形成されており、この各シリンダボア106内にピストン107がそれぞれ摺動自在に配置されている。フロントヘッド101b内には、複数のシリンダボア106に連通するクランク室108が形成されている。このクランク室108には、駆動軸103の外周に固定されたロータ109と、駆動軸103の外周に固定された斜板110とがそれぞれ設けられている。ロータ109の外周には、オイル掻き上げ翼111が突設されている。斜板110の外周部に一対のシュー112を介して各ピストン107が係合されている。
リアヘッド101c内には、吸入室120と吐出室121がそれぞれ形成されている。
中央ハウジング部材101aとリアヘッド101cの間に介在された弁プレート102は、複数のシリンダボア106と吸入室120及び吐出室121との間を仕切っている。
上記構成において、駆動軸103が回転駆動されると、斜板110が揺動して各ピストン107が往復運動する。各ピストン107の吸入行程では、吸入室120から冷媒がシリンダボア106内に供給され、供給された冷媒がピストン107の圧縮行程で圧縮されて吐出室121に吐出される。吐出された冷媒は、冷凍サイクルを循環して冷房等に供されて再び斜板式コンプレッサ100に戻ってくる。
上記動作過程にあって、ロータ109がクランク室108内を回転すると、オイル掻き上げ翼111がクランク室108内を回転移動し、クランク室108の下部に溜まったオイルを掻き上げる。掻き上げられたオイルは、クランク室108内に飛散され、又、冷媒中にミスト状となって混入されることによってラジアル軸受部104,105、軸シール部等に供給される。ラジアル軸受部104、105等は、このようにクランク室108内の冷媒中に混入されたオイルの供給を受けて潤滑される。
特開2001−73936号公報
しかしながら、前記従来例の斜板式コンプレッサ100では、オイルがクランク室108の底面側の全域に亘って溜まる構成であると共に、オイル掻き上げ翼111は、部品組み付け誤差等を考慮してクランク室108の内周面よりある程度のクリアランスを持って配置される。そのため、低速運転時のようにオイル掻き上げ翼111の回転速度が遅い場合には、オイル掻き上げ翼111によるオイル掻き上げ性能が低下し、ラジアル軸受部104,105等へのオイル供給量が減る恐れがある。又、エアコン稼働時にあっては、斜板式コンプレッサ100内のオイルが冷凍サイクルの熱交換器に一旦持ち出されることから、クランク室108内の滞留オイルの液面が低下するため、オイル掻き上げ翼111によるオイル掻き上げ性能が低下し、ラジアル軸受部104,105等へのオイル供給量が減る恐れがある。
そこで、本発明は、低速運転時のようにロータの回転速度が遅い場合、エアコン稼働時にあってクランク室内の封入オイル量が少ない場合等であっても、軸受部等に十分にオイルを供給できる斜板式コンプレッサを提供することを目的とする。
上記目的を達成する請求項1の発明は、ハウジング内に複数のシリンダボアとこれに連通するクランク室とが設けられ、前記ハウジングには駆動軸が回転自在に設けられ、前記駆動軸に固定されたロータが設けられ、前記ロータの回転によって揺動する斜板が設けられ、前記斜板の揺動によって複数の前記シリンダボア内を往復移動する複数のピストンが設けられた斜板式コンプレッサにおいて、
前記ハウジングには、前記駆動軸を中心として前記クランク室の内壁よりも外側位置で、且つ、前記クランク室の全周に亘ってオイル溜め溝が設けられていると共に、前記ロータには、前記ロータの外周端より内側の収容位置から外周端より突出する突出位置に移動可能なオイル掻き上げ翼が設けられ、前記オイル掻き上げ翼の突出位置では前記オイル溜め溝内に入り込んだ位置に位置することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の斜板式コンプレッサであって、前記オイル掻き上げ翼は、遠心力によって前記ロータの外周端より突出することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載の斜板式コンプレッサであって、前記オイル掻き上げ翼は、前記ロータの複数箇所に設けられたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の斜板式コンプレッサであって、前記オイル掻き上げ翼は、突出位置では、前記ロータの外周端より突出した位置に配置され、前記ロータの半径方向に対して傾斜した折り曲げプレート部を有することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の斜板式コンプレッサであって、前記オイル溜め溝のロータ挿入側の側壁面はテーパ面であり、テーパ面によって前記クランク室の内壁に連続されていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の斜板式コンプレッサであって、前記オイル溜め溝のロータ反挿入側の側壁面は、テーパ面であることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、クランク室内のオイルは、クランク室の底面全域ではなく、クランク室の底面よりも低いオイル溜め溝に溜まるため、クランク室内の封入オイル量が少ない状況であっても滞留オイルは十分に高い液面高さとなる。そして、オイル掻き上げ翼はオイル溜め溝内を回転するため、低速回転時でも効率良くオイルを掻き上げることができる。以上より、低速運転時のようにロータの回転速度が遅い場合、エアコン稼働時にあってクランク室内の封入オイル量が少ない場合等であっても、オイル掻き上げ翼が効率良くオイルを掻き上げるため、軸受部等に十分にオイルを供給できる。
また、ロータ等をハウジング内に組み付けする際には、オイル掻き上げ翼を収容位置に位置させた状態で組み付けを行うことができるため、組み付け性が低下しない。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、斜板式コンプレッサを駆動すれば、オイル掻き上げ翼が自動的に突出位置に位置するため、オイル掻き上げ翼を突出させるための特別な操作が必要ない。
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の発明の効果に加え、ロータの一回転につき複数回にわたってオイル掻き上げ翼がオイルを掻き上げるため、オイルの掻き上げ性能が向上する。
請求項4の発明によれば、請求項1〜請求項3の発明の効果に加え、折り曲げプレート部がオイル溜め溝内のオイルを掬い上げるようにして掻き上げるため、オイルの掻き上げ性能が向上する。
請求項5の発明によれば、請求項1〜請求項4の発明の効果に加え、掻き上げられたオイルがテーパ面に衝突すると、テーパ面によってオイルが種々の方向に飛散し易く、均等なオイル供給に寄与する。又、ロータをクランク室から取り出す際に、オイル掻き上げ翼が突出位置に位置する場合にはオイル掻き上げ翼がテーパ面に干渉するが、テーパ面からの反力を受けてオイル掻き上げ翼が徐々に収容位置に戻るため、ロータをクランク室から取り出すことができる。
請求項6の発明によれば、請求項1〜請求項5の発明の効果に加え、掻き上げられたオイルがテーパ面に衝突すると、テーパ面によってオイルが種々の方向に飛散し易く、均等なオイル供給に寄与する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図6は本発明の第1の実施の形態を示し、図1は組み立て直後の斜板式コンプレッサの全体断面図、図2は駆動後の斜板式コンプレッサの全体断面図、図3(a)はメインハウジング部材のオイル溜め溝付近の断面図、図3(b)は変形例のオイル溜め溝付近の断面図、図4はオイル掻き上げ翼の取付け構造の分解斜視図、図5(a)はロータのオイル掻き上げ翼を取り付ける箇所の斜視図、図5(b)はオイル掻き上げ翼の斜視図、図6(a)は収容位置に位置するオイル掻き上げ翼とオイル溜め溝の位置関係を示す図、図6(b)は突出位置に位置するオイル掻き上げ翼とオイル溜め溝の位置関係を示す図である。
図1及び図2に示すように、斜板式コンプレッサ1は、ハウジング2を有する。このハウジング2は、有底筒状のメインハウジング部材2aと、メインハウジング部材2aの開放端に弁プレート3を介して配置された閉塞ヘッド2bとから構成されている。メインハウジング部材2aと閉塞ヘッド2bは、互いの突き合わせ面の周囲に外側に突出した締結用突起部4,5を有し、この双方の締結用突起部4,5間が締結ボルト6を介して固定されている。
メインハウジング部材2a内にはシリンダブロック2cが嵌合されている。このシリンダブロック2cは弁プレート3を貫通する締結ボルト7によって閉塞ヘッド2bに固定されている。
駆動軸10は、クランク室11を貫通するよう配置されている。駆動軸10は、一対のラジアル軸受部12,13によってメインハウジング部材2aとシリンダブロック2cに回転自在に支持されている。駆動軸10は、スラスト軸受部8,14によってスラスト方向が支持されている。又、駆動軸10の一端側は、メインハウジング部材2aより外に突出し、この突出した箇所にエンジンの回転を受けるプーリ15が固定されている。駆動軸10は、このように一端側に固定されたプーリ15より駆動力を受けて回転するよう構成されている。駆動軸10の一端側は、軸シール部16によってメインハウジング部材2aとの間の隙間がシールされている。メインハウジング部材2aには、クランク室11からのオイルを軸シール部16に供給するためのオイル通路17が形成されている。
シリンダブロック2cには複数のシリンダボア18が形成されている。複数のシリンダボア18は、駆動軸10を中心とする円周上に等間隔に形成されている。各シリンダボア18には、ピストン19がそれぞれ摺動自在に配置されている。
メインハウジング部材2aには、複数のシリンダボア18に連通するクランク室11が形成されている。クランク室11には、駆動軸10の外周に固定されたロータ20と、駆動軸10の外周に軸方向に移動自在に配置されたスリーブ21と、スリーブ21の外周側に配置され、ロータ20と共に回転するよう連結されたジャーナル23と、ジャーナル23の外周に固定された斜板24と、この斜板24の外周部に一対のシュー25を介して係合された各ピストン19の後端側がそれぞれ配置されている。
ロータ20は、メインハウジング部材2aに軸受部8,14を介して回転自在に支持されている。ロータ20とジャーナル23は、ロータ20に形成されたガイド溝22aと、ジャーナル23に固定され、ガイド溝22aに挿入された連結ピン22bとによって連結されている。スリーブ21の外周面は略円弧状に形成されており、ジャーナル23がスムーズに傾斜角度を可変するよう案内する。スリーブ21の一端には、バネS1が配置され、このバネS1のバネ力の均衡によって、運転停止後に斜板24が初期駆動位置に戻される。
駆動軸10が回転すると、ロータ20及びジャーナル23によって斜板24に回転が伝達され、各ピストン19がシリンダボア18内を往復移動する。又、斜板24の傾斜角度によって各ピストン19のストロークが可変され、冷媒の吐出容量が可変される。斜板24の傾斜角度が調整されるメカニズムについては、作用の箇所で説明する。
又、このように駆動部品が収容されたクランク室11には、所定量のオイルが封入されている。
閉塞ヘッド2bには、冷媒ガスの吸入室30と吐出室31とが形成されている。吸入室30は、吸入ポート(図示せず)を介して冷凍サイクルのエバポレータの出口側に接続されている。吐出室31は、吐出ポート(図示せず)を介して冷凍サイクルの凝縮器の入口側に接続されている。又、吸入室30と吐出室31は、各シリンダボア18に弁プレート3を介して仕切られている。双方の室を仕切る弁プレート3の箇所には、吸入弁付きの吸入孔(図示せず)と吐出弁付きの吐出孔(図示せず)がそれぞれ形成されている。
クランク室11と吸入室30との間には、常時連通する抽気通路(図示せず)が形成されている。クランク室11と吐出室31との間には、給気通路(図示せず)が形成されている。給気通路(図示せず)には圧力制御弁32が配置されている。圧力制御弁32の開度を制御することによってクランク室11の圧力を調整できるよう構成されている。
また、メインハウジング部材2aには、駆動軸10を中心としてクランク室11の内壁よりも外側位置で、且つ、クランク室11の全周に亘ってオイル溜め溝26が設けられている。オイル溜め溝26は、図3(a)に示すように、駆動軸10の中心を中心として最大径の周面であるフラット面26aと、このフラット面26aのロータ挿入側の端より徐々に駆動軸10の中心に近づくように傾斜するストレート状の第1テーパ面26bと、フラット面26aのロータ反挿入側の端より円弧状に形成された第2テーパ面26cとから構成されている。第1テーパ面26bは、クランク室11の内周面に連続している。第1テーパ面26bとクランク室11の内周面との角度Aは、20度から70度の間に設定されている。第2テーパ面26cは、メインハウジング部材2aの有底部の内面に連続している。斜板式コンプレッサ1の設置状態にあってクランク室11内のオイルは、クランク室11の底面に流れ落ちる等して溜まるが、クランク室11の底面よりもオイル溜め溝26の底面が低いため、クランク室11のオイルはオイル溜め溝26に先ず溜まり、オイル溜め溝26よりオーバーフローした分のみがクランク室11の底面に溜まることになる。
ロータ20には、オイル掻き上げ翼40が固定プレート41とビス42によって取り付けられている。次に、オイル掻き上げ翼40の取り付け構造を詳しく説明する。図4〜図6に詳しく示すように、ロータ20の外周部の一箇所には、掻き上げ翼収容溝20aとこれに連続する固定用溝20bが形成されている。掻き上げ翼収容溝20aの外周端部には、飛び出し防止突部20cが突設されている。掻き上げ翼収容溝20aの底面には、飛び出し防止突部20cを貫通するように掻き上げ翼案内溝20dが形成されている。掻き上げ翼案内溝20dは、ラジアル方向に向かって延び、ロータ20の外周端に開口されている。固定用溝20bの底面には、ネジ孔20eが形成されている。
オイル掻き上げ翼40は、ベースプレート部40aと、このベースプレート部40aの後端より垂設された飛び出し防止壁40bと、ベースプレート部40aの一側端より垂設された掻き上げプレート部40cとを備えている。オイル掻き上げ翼40は、軽量化を図る場合にはアルミ系材料や合成樹脂系材料で形成される。オイル掻き上げ翼40は、そのベースプレート部40aが飛び出し防止突部20cの上面に当接し、掻き上げプレート部40cの一部が掻き上げ翼案内溝20dに挿入された状態で掻き上げ翼収容溝20a内に配置されている。
固定プレート41は、オイル掻き上げ翼40の上面を覆うようにして掻き上げ翼収容溝20aと固定用溝20bに配置されている。固定プレート41は、その上より挿入されたビス42がネジ孔20eに螺入されることによって固定されている。
オイル掻き上げ翼40は、掻き上げプレート部40cが掻き上げ翼案内溝20dに案内されることによって、ロータ20及び固定プレート41の摺動抵抗に抗して、図6(a)の収容位置と図6(b)の突出位置との間をラジアル方向に移動できる。図6(a)の収容位置では、掻き上げプレート部40cの全体がロータ20の外周端より内周側に位置する。図6(b)の突出位置では、掻き上げプレート部40cがロータ20の外周端より突出する。この突出した掻き上げプレート部40cの先端は、オイル溜め溝26内に図2のd寸法だけ入り込んでいる。このd寸法は、オイル掻き上げ量と駆動軸10の回転抵抗等を考慮して適宜決定される。図6(b)の突出位置では、オイル掻き上げ翼40の飛び出し防止壁40bは、飛び出し防止突部20cに突き当たり、これより外側に飛び出すことができない。
又、オイル掻き上げ翼40は、ロータ20をメインハウジング部材2a内に組み付けする際には、図6の(a)の収容位置として組み付けを行う。
上記構成において、駆動軸10が回転すると、この回転力により斜板24が回転し、複数のピストン19がシリンダボア18内を往復動する。そして、ピストン19の吸入行程(上死点から下死点に移動する行程)では、シリンダボア18内の減圧によって吸入孔(図示せず)が開口する。これによって、冷媒ガスが吸入室30よりシリンダボア18に供給される。
ピストン19の圧縮行程(下死点から上死点に移動する行程)では、吸入孔(図示せず)が閉口し、ピストン19によってシリンダボア18内の冷媒ガスが断熱圧縮される。この圧縮された高温高圧の冷媒ガスが吐出孔(図示せず)より吐出室31に排出される。吐出室31に吐出された高温高圧の冷媒は、吐出ポート(図示せず)より斜板式コンプレッサ1外に吐出される。吐出された冷媒は、冷凍サイクルを循環して冷房等に供されて再び斜板式コンプレッサ1に戻ってくる。
このような斜板式コンプレッサ1の駆動時にあって、冷凍サイクルの熱負荷が大きくなると、圧力制御弁32によって給気通路(図示せず)を介してクランク室11に送られる冷媒量が減らされ、クランク室11の圧力が低圧側に調整される。すると、各ピストン19の背圧であるクランク室圧及びバネS1のバネ力による反時計方向モーメントと、各ピストン19の前面圧による時計方向モーメントのバランスがくずれ、斜板24とジャーナル23の一体部材に対し連結ピン22bを中心として斜板24の傾斜角度を大きくする方向の時計方向モーメントが大きくなり、双方のモーメントがバランスする位置まで図1のa矢印方向に回転する。この回転によって斜板24の傾斜角度が大きくなる。斜板24の傾斜角度が大きくなると、各ピストン19の往復ストロークが大きくなり、冷媒の吐出容量が大きくなって、冷房能力等が大きくなる。
又、冷凍サイクルの熱負荷が小さくなると、圧力制御弁32によって給気通路(図示せず)を介してクランク室11に送られる冷媒量が増やされ、クランク室11の圧力が高圧側に調整される。すると、各ピストン19の背圧であるクランク室圧及びバネS1のバネ力による反時計方向モーメントと、各ピストン19の前面圧による時計方向モーメントのバランスがくずれ、斜板24とジャーナル23の一体部材に対し連結ピン22bを中心として斜板24の傾斜角度を小さくする方向の反時計方向モーメントが大きくなり、双方のモーメントがバランスする位置まで図1のb矢印方向に回転する。この回転によって斜板24の傾斜角度が小さくなる。斜板24の傾斜角度が小さくなると、各ピストン19の往復ストロークが小さくなり、冷媒の吐出容量が小さくなって、冷房能力等が小さくなる。斜板式コンプレッサ1は、このような運転によって省動力化が図られる。
上記した斜板式コンプレッサ1の駆動過程では、ロータ20に取り付けられたオイル掻き上げ翼40は、図2に示すように、遠心力によって自動的に突出位置に変位する。突出位置に位置するオイル掻き上げ翼40の先端側は、クランク室11よりも外周側に位置するオイル溜め溝26内を回転する。一方、クランク室11内のオイルは、図2に示すように、クランク室11の底面よりも低いオイル溜め溝26の下部に溜まるため、クランク室11内の封入オイル量が少ない状況であっても滞留オイルは十分に高い液面高さとなる。そして、上記したようにオイル掻き上げ翼40はオイル溜め溝26内を回転するため、低速回転時でも効率良くオイルを掻き上げることができる。以上より、低速運転時のようにロータ20の回転速度が遅い場合、エアコン稼働時にあってクランク室11内の封入オイル量が少ない場合等であっても、オイル掻き上げ翼40が効率良くオイルを掻き上げるため、軸受部等に十分にオイルを供給できる。
また、ロータ20をメインハウジング部材2a内に組み付けする際には、オイル掻き上げ翼40を収容位置として組み付けできるため、組み付け性が低下しない。
この第1の実施の形態では、オイル掻き上げ翼40は、遠心力によってロータ20の外周端より突出する位置に変移するよう構成されている。従って、斜板式コンプレッサ1を駆動すれば、オイル掻き上げ翼40が自動的に突出位置に位置するため、オイル掻き上げ翼40を突出させるための特別な操作が必要ない。
この第1の実施の形態では、オイル溜め溝26のロータ挿入側の側壁面は第1テーパ面26bであり、第1テーパ面26bによってクランク室11の内壁に連続されている。従って、掻き上げられたオイルが上方に位置する第1テーパ面26bに衝突すると、第1テーパ面26bによってオイルが種々の方向に飛散し易く、均等なオイル供給に寄与する。又、ロータ20をクランク室11から取り出す際に、オイル掻き上げ翼40が突出位置に位置する場合にはオイル掻き上げ翼40が第1テーパ面26bに干渉するが、第1テーパ面26bからの反力を受けてオイル掻き上げ翼40が徐々に収容位置に戻るため、ロータ20をクランク室11から容易に取り出すことができる。
この第1の実施の形態では、オイル溜め溝26のロータ反挿入側の側壁面は、第2テーパ面26cである。従って、掻き上げられたオイルが上方に位置する第2テーパ面26cに衝突すると、第2テーパ面26cによってオイルが種々の方向に飛散し易く、均等なオイル供給に寄与する。
図9に示す従来例では、中央ハウジング部材101a、フロントヘッド101b及びリアヘッド101cがクランク室108内を貫通する貫通ボルトによって固定されている。従って、オイル掻き上げ翼111は貫通ボルト122に接触しないようにオイル掻き上げ翼111を配置する必要があり、本発明に係る可動式のオイル掻き上げ翼を設けることができない。これに対し、第1の実施の形態では、ハウジング2は、メインハウジング部材2aと閉塞ヘッド2bの二部材から構成したので、従来例のように貫通ボルトをクランク室11に貫通させることなくメインハウジング部材2aと閉塞ヘッド2b間を固定できる。そして、クランク室11の外周側にオイル溜め溝26を設けることができると共に、オイル溜め溝26に入り込む可動式のオイル掻き上げ翼40も設けることができるものである。
(オイル溜め溝の変形例)
図3(b)は、オイル溜め溝26Aの変形例の断面図を示す。図3(b)に示すように、変形例のオイル溜め溝26Aは、ストレートな第1テーパ面26bと、この第1テーパ面26bに連続し、大きな円弧状の第2テーパ面26dとから構成しても良い。このように構成しても、前記第1の実施の形態のものと同様の作用・効果が得られる。
(第2の実施の形態)
図7は、第2の実施の形態にかかるロータの一部斜視図を示す。図7において、この第2の実施の形態では、ロータ20の外周部には、周方向に間隔を置いて2箇所にオイル掻き上げ翼40が取り付けられている。取り付け構造は、前記第1の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。図面の同一箇所には明確化のため同一符号を付す。
他の構成は、前記第1の実施の形態と同一であるため、重複説明を回避する。
この第2の実施の形態では、オイル掻き上げ翼40は、ロータ20の2箇所に設けられている。従って、ロータ20の一回転につき2回にわたってオイル掻き上げ翼40がオイルを掻き上げるため、オイルの掻き上げ性能が向上する。
オイル掻き上げ翼40は、ロータ20の3箇所以上に設けても良い。
(第3の実施の形態)
図8(a)は第3の実施の形態にかかるロータの掻き上げ翼の取り付け箇所の斜視図である。図8(a)に示すように、オイル掻き上げ翼40Aは、前記第1の実施の形態のものと比較するに、掻き上げプレート部40cの他に、その先端に折り曲げプレート部40dを有する。折り曲げプレート部40dは、掻き上げプレート部40cに直角に設けられている。又、ロータ20には、折り曲げプレート部40dを収容するための収容溝20fが形成されている。
他の構成は、前記第1の実施の形態と同一であるため、重複説明を回避する。
この第3の実施の形態では、折り曲げプレート部40dがオイル溜め溝内のオイルを掬い上げるようにして掻き上げるため、オイルの掻き上げ性能が向上する。
(第4の実施の形態)
図8(b)は第4の実施の形態にかかるロータの掻き上げ翼の取り付け箇所の斜視図である。図8(b)に示すように、オイル掻き上げ翼40Bは、前記第1の実施の形態のものと異なり、ベースプレート部を有さずに、飛び出し防止壁40bが掻き上げプレート部40cに固定されている。又、掻き上げプレート部40cの他に、前記第3の実施の形態と同様に、その先端に折り曲げプレート部40dが設けられているが、折り曲げプレート部40dは掻き上げプレート部40cに90度未満の角度で設けられている。又、ロータ20には、折り曲げプレート部40dを収容するための収容溝20fが形成されている。
他の構成は、前記第1の実施の形態と同一であるため、重複説明を回避する。
この第4の実施の形態では、折り曲げプレート部40dがオイル溜め溝内のオイルを掬い上げるようにして掻き上げるため、第3の実施の形態のものと同様に、オイルの掻き上げ性能が良い。第4の実施の形態のオイル掻き上げ翼40Bと、前記第3の実施の形態のオイル掻き上げ翼40Aを比較するに、第3の実施の形態の方が掻き上げ性能では優るが、第4の実施の形態の方は掻き上げオイル抵抗が少なく、駆動軸の回転抵抗が大きく増大することがない。
本発明の第1の実施の形態を示し、組み立て直後の斜板式コンプレッサの全体断面図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、駆動後の斜板式コンプレッサの全体断面図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、(a)はメインハウジング部材のオイル溜め溝付近の断面図、(b)は変形例のオイル溜め溝付近の断面図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、オイル掻き上げ翼の取付け構造の分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、(a)はロータのオイル掻き上げ翼を取り付ける箇所の斜視図、(b)はオイル掻き上げ翼の斜視図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、(a)は収容位置に位置するオイル掻き上げ翼とオイル溜め溝の位置関係を示す図、(b)は突出位置に位置するオイル掻き上げ翼とオイル溜め溝の位置関係を示す図である。 本発明の第2の実施の形態を示し、ロータの一部斜視図である。 (a)は第3の実施の形態にかかるロータの掻き上げ翼の取り付け箇所の斜視図、(b)は第4の実施の形態にかかるロータの掻き上げ翼の取り付け箇所の斜視図である。 従来例の斜板式コンプレッサの全体断面図である。
符号の説明
1 斜板式コンプレッサ
2 ハウジング
10 駆動軸
11 クランク室
18 シリンダボア
19 ピストン
20 ロータ
24 斜板
26 オイル溜め溝
26b 第1テーパ面(テーパ面)
26c 第2テーパ面(テーパ面)
40 オイル掻き上げ翼
40d 折り曲げプレート部

Claims (6)

  1. ハウジング(2)内に複数のシリンダボア(18)とこれに連通するクランク室(11)とが設けられ、前記ハウジング(2)には駆動軸(10)が回転自在に設けられ、前記駆動軸(10)に固定されたロータ(20)が設けられ、前記ロータ(20)の回転によって揺動する斜板(24)が設けられ、前記斜板(24)の揺動によって複数の前記シリンダボア(18)内を往復移動する複数のピストン(19)が設けられた斜板式コンプレッサ(1)において、
    前記ハウジング(2)には、前記駆動軸(10)を中心として前記クランク室(11)の内壁よりも外側位置で、且つ、前記クランク室(11)の全周に亘ってオイル溜め溝(26)が設けられていると共に、前記ロータ(20)には、前記ロータ(20)の外周端より内側の収容位置から外周端より突出する突出位置に移動可能なオイル掻き上げ翼(40),(40A),(4OB)が設けられ、前記オイル掻き上げ翼(40),(40A),(4OB)の突出位置では前記オイル溜め溝(26)内に入り込んだ位置に位置することを特徴とする斜板式コンプレッサ(1)。
  2. 請求項1記載の斜板式コンプレッサ(1)であって、
    前記オイル掻き上げ翼(40),(40A),(4OB)は、遠心力によって前記ロータ(20)の外周端より突出することを特徴とする斜板式コンプレッサ(1)。
  3. 請求項1又は請求項2記載の斜板式コンプレッサ(1)であって、
    前記オイル掻き上げ翼(40)は、前記ロータ(20)の複数箇所に設けられたことを特徴とする斜板式コンプレッサ(1)。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の斜板式コンプレッサ(1)であって、
    前記オイル掻き上げ翼(40A),(4OB)は、突出位置では、前記ロータ(20)の外周端より突出した位置に配置され、前記ロータ(20)の半径方向に対して傾斜した折り曲げプレート部(40d)を有することを特徴とする斜板式コンプレッサ(1)。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の斜板式コンプレッサ(1)であって、
    前記オイル溜め溝(26)のロータ挿入側の側壁面はテーパ面(26b)であり、テーパ面(26b)によって前記クランク室(11)の内壁に連続されていることを特徴とする斜板式コンプレッサ(1)。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の斜板式コンプレッサ(1)であって、
    前記オイル溜め溝(26)のロータ反挿入側の側壁面は、テーパ面(26c),(26d)であることを特徴とする斜板式コンプレッサ(1)。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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