JP2009161872A - 有機繊維コード用接着剤組成物、及びその接着剤組成物を用いたゴム製品の製造方法 - Google Patents

有機繊維コード用接着剤組成物、及びその接着剤組成物を用いたゴム製品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機繊維コードとゴムとの接着性を維持し、遊離のホルムアルデヒドの使用を避け作業環境を改善した、有機繊維コード用接着剤組成物を提供すること。
【解決手段】(A)レゾルシン、(B)ホルムアルデヒドと反応して熱硬化性樹脂を与える化合物とホルムアルデヒドとの初期縮合物、(C)ラテックス及び(D)イソシアネート誘導体を含んでなることを特徴とする有機繊維コード用接着剤組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機繊維コード用接着剤組成物に関し、さらに詳しくは、有機繊維とゴムとの接着性を維持し、作業環境を改善した、有機繊維コード用接着剤組成物、その接着剤組成物を用いたタイヤなどのゴム製品の製造方法に関するものである。
有機繊維コードとゴムとの接着を確保するためには、接着剤(ディップ液)として従来、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス(RFL)が使用されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、残存する遊離のホルムアルデヒドの蒸散による作業環境の悪化等の問題があり、作業現場での使用を極力避ける必要性がでてきている。
遊離のレゾルシン及びホルムアルデヒドの使用をさけるために、レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物、ゴムラテックス及びメラミン・ホルムアルデヒド樹脂の混合物よりなる接着剤が開発されている(例えば、特許文献2参照)。この接着剤を用いれば作業環境の悪化を改善することは可能であるが、ポリエステルまたはアラミドをベースとする有機繊維はその化学的性質のためにゴムへの接着性が乏しく、接着を確保するためには例えばブロックドイソシアネートまたはエポキシ樹脂等による前処理が必要とされるなど二浴処理を行うため使用される有機繊維が限定される問題があった。
特開2002−103913号公報 特開2004−11090号公報
本発明は、このような状況下で、有機繊維コードとゴムとの接着性を維持し、遊離のホルムアルデヒドの使用を避け作業環境を改善した、有機繊維コード用接着剤組成物、その接着剤組成物を用いたゴム製品の製造方法、その製造方法で得られたタイヤを提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、レゾルシン、特定のホルムアルデヒドと反応して熱硬化性樹脂を与える化合物とホルムアルデヒドとの初期縮合物、特定のゴムラテックスに対して、特定のイソシアネート誘導体を含有する有機繊維コード用接着剤組成物が、その目的を達成し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明は、
(1) (A)レゾルシン、(B)ホルムアルデヒドと反応して熱硬化性樹脂を与える化合物とホルムアルデヒドとの初期縮合物、(C)ラテックス及び(D)イソシアネート誘導体を含んでなることを特徴とする有機繊維コード用接着剤組成物、
(2) 前記(B)成分のホルムアルデヒドと反応して熱硬化性樹脂を与える化合物がメラミン又は尿素である上記(1)の有機繊維コード用接着剤組成物、
(3) 前記(B)成分のホルムアルデヒドと反応して熱硬化性樹脂を与える化合物、メラミンである上記2の有機繊維コード用接着剤組成物、
(4) (B)成分と(A)成分との固形分換算配合割合が、質量比で1:0.3〜1:30である上記(1)〜(3)いずれかの有機繊維コード用接着剤組成物、
(5) (A)成分、(B)成分及び(C)成分の総質量(ずれも固形分)中の、それぞれの固形分配合割合が(A)成分1〜50質量%、(B)成分1〜50質量%及び(C)成分30〜98質量%である上記(1)〜(4)のいずれかの有機繊維コード用接着剤組成物、
(6) (A)成分、(B)成分及び(C)成分の総質量(ずれも固形分)100質量部に対して、(D)成分のイソシアネート誘導体を1〜50質量部含む上記(1)〜(5)いずれかの有機繊維コード用接着剤組成物、
(7) 前記(D)成分のイソシアネート誘導体が、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)又はトリレンジイソシアネート(TDI)をフェノール、εカプロラクタム及びケトオキシムによりブロックしたブロックドイソシアネートの中から選択される少なくとも1種である上記(1)〜(6)の有機繊維コード用接着剤組成物、
(8) (B)成分におけるホルムアルデヒド由来の構成単位とメラミン由来の構成単位の相互のモル比が1.5:1.0〜6.0:1.0である上記(7)の有機繊維コード用接着剤組成物、
(9) (C)成分のゴムラテックスが、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエン系共重合体を含むラテックスである上記(1)〜(8)いずれかの有機繊維コード用接着剤組成物、
(10) (C)成分のビニルピリジン由来の構成単位、スチレン由来の構成単位及びブタジエン由来の構成単位の質量比が、10:10:80〜20:50:80である上記(9)の有機繊維コード用接着剤組成物、
(11)有機繊維コードを構成する繊維がポリエステルである上記(1)〜(10)いずれかの有機繊維コード用接着剤組成物、
(12) 上記(1)〜(11)いずれかの有機繊維コード用接着剤組成物を有機繊維に含浸付着せしめた後加熱処理を行い、その後該有機繊維を未加硫ゴムに埋設し、ついで該未加硫ゴムを加硫して有機繊維とゴムとを一体化することを特徴とするゴム製品の製造方法、
(13) 加熱処理を230〜255℃の温度で行う上記(12)のゴム製品の製造方法、及び
(14) ゴム製品がタイヤである上記(12)又は(13)のゴム製品の製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、有機繊維コードとゴムとの接着性を維持し、遊離のホルムアルデヒドの使用を避け作業環境を改善した、有機繊維コード用接着剤組成物、その接着剤組成物を用いたタイヤなどのゴム製品の製造方法を提供することができる。
又、従来ポリエステルとゴムとの接着を得るためには2浴処理が必要であったが、1浴処理でその目的を達成することが可能となった。
本発明の有機繊維コード用接着剤組成物は、(A)レゾルシン、(B)ホルムアルデヒドと反応して熱硬化性樹脂を与える化合物とホルムアルデヒドとの初期縮合物、(C)ゴムラテックス及び(D)イソシアネート誘導体を含んでなることを特徴とする。
上記のように、遊離のホルムアルデヒドの使用を避けることによってその蒸散に由来する作業環境の悪化を改善し、(B)成分のホルムアルデヒドと反応して熱硬化性樹脂を与える化合物とホルムアルデヒドとの初期縮合物、好ましくは、メラミンとホルムアルデヒドとの初期縮合物を含むことによってゴムとの接着性を維持改善することができる。
尚、本発明における固形分換算とは、水などの媒体を除いた物質の量を示す。
[接着剤組成物]
本発明の接着剤組成物は、(A)レゾルシン、(B)ホルムアルデヒドと反応して熱硬化性樹脂を与える化合物とホルムアルデヒドとの初期縮合物、(C)ラテックス及び(D)イソシアネート誘導体を含んでなることが必要である。
また、接着剤組成物は実質的に遊離のホルムアルデヒドを含有していないことが好ましい。接着剤組成物中の遊離ホルムアルデヒドの含有割合は、ホルムアルデヒドの場合、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下である。
<(A)レゾルシン>
(A)成分は必須成分としてレゾルシンを用いるが、レゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を併用することが可能である。レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物は、ホルムアルデヒド由来の構成単位とレゾルシン由来の構成単位とを含有し、ホルムアルデヒド由来の構成単位が化学量論的に不足する状態を維持することが重要である。即ちこれにより樹脂を低分子量で可溶性に維持することができる。
この初期縮合物を用いることによって、(A)成分のレゾルシンの量が減少する。接着剤組成物中の(A)成分のレゾルシンの含有割合は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
<(B)ホルムアルデヒドと反応して熱硬化性樹脂を与える化合物とホルムアルデヒドとの初期縮合物>
(B)成分のホルムアルデヒドと反応して熱硬化性樹脂を与える化合物としては、メラミン、尿素、フェノールなどが挙げられる。中でもメラミンが好ましい。熱硬化性樹脂を構成する化合物をメラミンにすることによってゴムとの優れた接着性を得ることができる。いずれも重縮合によって熱硬化性樹脂であるメラミン樹脂、尿素樹脂及びフェノール樹脂が得られる。以下(B)成分に関しては「メラミン・ホルムアルデヒド初期縮合物」として説明する。
メラミン・ホルムアルデヒド初期縮合物は好ましい分子量が150〜1000の縮合物であり、(B)成分中のホルムアルデヒドおよびメラミン由来の構成単位のモル比は、好ましくは1.5:1.0〜6.0:1.0、より好ましくは2.0:1.0〜4.0:1.0である。このような(B)成分は市販品として入手することが可能であり、例えば、Ineos Meramines社製、商品名「Madurit」が挙げられる。この(B)成分は、(A)成分のレゾルシンの架橋剤として用いられる。
架橋剤成分の(B)メラミン・ホルムアルデヒド初期縮合物と接着剤成分である(A)レゾルシンの固形分換算配合割合は、質量比で1:0.3〜1:30であることが好ましく、1:10〜1:20であることがより好ましい。(B)成分と(A)成分の固形分換算配合割合を上記範囲にすることによって充分な架橋が得られ、優れた接着強度を得ることができる。
<(C)ラテックス>
本発明の有機繊維用接着剤組成物における(C)成分としては、ラテックスが用いられる。このラテックスは通常ゴムラテックスである。ゴムラテックスとしては、特に、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスが好ましく、ビニルピリジン由来の構成単位、スチレン由来の構成単位及びブタジエン由来の構成単位の質量比が、10:10:80〜20:50:30であることが望ましい。
このビニルピリジン・スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスは市販品として入手することが可能であり、例えば、日本A&L社製、商品名「PYRATEX」、固形分41質量%のものが挙げられる。
当該接着剤組成物においては、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを単独で用いてもよいし、本発明の効果が損なわれない範囲で他のゴムラテックを1種以上を適宜もちいることができる。
他のゴムラテックスとしては、例えばビニルピリジン・スチレン・ブタジエン系共重合体をカルボキシル基などで変性したゴムラテックス、スチレン・ブタジエンラテックス及びその変性ラテックス、天然ゴムラテックス、アクリル酸エステル共重合体系ラテックス、ブチルゴムラテックス、クロロプレンラテックスの他、被覆ゴムに配合されるゴム成分と同種のゴム成分を水又は有機溶媒に分散させて調製したラテックスなどを用いることができる。
上記ビニルピリジン・スチレン・ブタジエン系共重合体は、ビニルピリジン系化合物と、スチレンと、ブタジエン系化合物とを三元共重合させたものである。ここでビニルピリジン系化合物は、ビニルピリジンと、該ビニルピリジン中の水素原子が置換基で置換された置換ビニルピリジンとを包含する。該ビニルピリジン系化合物としては、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジンなどが挙げられ、この中でも、2−ビニルピリジンが好ましい。これらのビニルピリジン系化合物は1種単独使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記スチレン系化合物は、スチレンと、該スチレン中の水素原子が置換基で置換された置換スチレンを包含する。該スチレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレンなどが挙げられ、これらの中でもスチレンが好ましい。
これらのスチレン系化合物は1種単独使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記ブタジエン系化合物としては、1,3ブタジエン、2−メチル1,3ブタジエン、などが挙げられ、これらの中でも1,3ブタジエンが好ましい。これらのブタジエン系化合物は1種単独使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分の配合割合は、得られる接着剤組成物の性能の観点から、固形分換算で、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量に基づき、(A)成分1〜50質量%、(B)成分1〜50質量%及び(C)成分30〜98質量%であることが好ましく、(A)成分20〜40質量%、(B)成分20〜40質量%及び(C)成分50〜60質量%であることがより好ましい。
<(D)イソシアネート誘導体>
本発明の有機繊維コード用接着剤組成物には必須成分として(D)成分としてイソシアネート誘導体が用いられる。
通常、(D)成分はイソシアネートの遊離イソシアネート基を熱解離ブロック剤で封鎖したブロックドイソシアネートが使用される。このブロックドイソシアネートは、常温では水とは反応しないが、過熱することによりブロック剤が解離して、活発なイソシアネート基が再生される。
通常、ポリエステルまたはアラミドをベースとする繊維はその化学的性質のためにゴムへの接着性が乏しく、一般にいわゆる二浴含浸処理がおこなわれる。第一の含浸処理段階は水に分散させた状態で少量の接着促進材、例えばブロックドイソシアネートまたはエポキシ樹脂を繊維表面に塗布するために使用される。次に第二の含浸処理段階でレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス(RFL)で含浸処理される。
本発明においては、ポリエステル繊維に対して、(A)成分,(B)成分、(C)成分の各成分と(D)成分のイソシアネート誘導体と組み合わせることによって一浴処理を可能にした。
ブロックドイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)又はトリレンジイソシアネート(TDI)をフェノールなどの有機ポリイソシアネート化合物をブロック剤でブロックしたものが好ましく用いられる。上記ブロック剤としては、例えば、フェノール、チオフェノール、クロルフェノール、クレゾール、レゾルシン,p−sec−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−sec−アミノフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノールなどのフェノール類;イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの第2級、第3級のアルコール;ジフェニルアミンなどの芳香族第2級アミン類;フタル酸イミド類;δ−バレロラクタムなどのラクタム類;ε−カプロラクタム類;マロン酸ジアルキルエステル、アセチルアセトン、アセと酢酸アルキルエステル等の活性メチレン化合物;アセトキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム類:3−ヒドロキシピリジンなどの塩基性窒素化合物などが挙げられる。
本発明においては、(D)成分のイソシアネート誘導体によりポリエステル表面に、水素結合能を導入し、さらに、(A)成分のレゾルシンと(B)成分のメラミン・ホルムアルデヒド初期縮合物を組み合わせることにコード表面に接着剤がより拡散し、熱処理することによって熱硬化し、同時に配合する(C)成分のラテックスが被覆ゴムと共加硫することによってコードと被覆ゴムを効果的に接着させることができる。
さらに、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総質量(ずれも固形分換算)100質量部に対して、(D)成分のイソシアネート誘導体を1〜50質量部含むことが好ましい。より好ましくは20〜40質量部である。
(D)成分の量を上記範囲にすることによって本発明の効果をより良好に奏することができる。
[有機繊維コード]
本発明の接着剤組成物が適用される有機繊維コードについては特に制限はなく、木綿、レーヨン、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−6,6)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、アラミド(m−フェニレンイソフタルアミド、p−フェニレンテレフタルアミド)等のコードを挙げることができる。これらのコードはゴム製品の補強材として本発明の接着剤組成物にて処理される。
通常、二浴処理を行うポリエステルコードに本発明の接着剤組成物を一浴処理にて適用することによって優れた接着強度を得ることができることから、本発明の接着剤組成物は、特にタイヤ用補強材として用いられるポリエステルコードに好適に適用することができる。
[ゴム製品の製造方法]
本発明の接着剤組成物を有機繊維に含浸付着せしめた後、230〜255℃加熱処理を行い、その後該有機繊維を未加硫ゴムに埋設し、ついで該未加硫ゴムを加硫して有機繊維とゴムとを一体化することによってゴム製品を得ることができる。
上記付着量(乾燥後の含浸処理済みコードの質量を基準として接着剤による増加質量)は3〜7%が好ましい。
本発明ゴム製品の製造方法は、硫黄架橋可能なゴム加硫体と有機繊維コードとの複合体を用いたものであれば特に制限はなく、タイヤ、コンベアベルト、ホース等のゴムゴム製品に好適に用いることができる。特にタイヤでは前記複合体としてベルト材、カーカス材、プライ材、キャッププライ材、レイヤー材等として使用される。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、接着力の測定及び評価法は下記の方法に基づいて行った。
従来例:RFL接着剤組成物(ディップ液)
レゾルシン22.5gおよび9mlの39質量%濃度ホルマリン、200gのビニルピリジンラテックス(固形分濃度41質量%)、6mlの25質量%濃度のアンモニア水溶液、255mlの水を混合することによって製造、熟成(熟成温度20℃)させたのち、こうして作製された浴をコードのディップ処理に使用した。
尚、ポリエステルコードは、前記RFL接着剤組成物によりディップ処理される前に水性分散物の状態でエポキシ樹脂を含有している前処理液でディップ処理されたものを用いた。
*使用コード:ポリエステル1670dtex/2、より数40×40/10cm
*熱処理温度245℃×90秒
*熱処理コードテンション:9.8N/本
続いて上記条件にて工場の熱処理機を用いてタイヤ用コードを作製した。
<接着力試験>
試験すべき各タイヤ用コードと、表1に示す配合組成の接着試験用のコーテイングゴム組成物を用い、以下に示す方法に従って、特定形状を有するサンプルを作成した。
このサンプルについてJISK 6256:1999のaに準拠して接着力を測定した。
実施例1〜3、比較例1
第1表に示す配合組成に基づいて接着剤組成物(ディップ液)を作製し、
*使用コード:ポリエステル1670dtex/2、より数40×40/10cm
*熱処理温度245℃×90秒
*熱処理時コードテンション:9.8N/本
続いて上記条件にて工場の熱処理機を用いて従来例同様にタイヤ用コードを作製した。従来品同様接着力を測定し従来品を100とて指数で表した。指数の大きい方が接着力が高いことを示す。測定結果を第2表に示す。
尚、接着試験用のコーテイングゴムの配合組成を第1表に示す。
Figure 2009161872
*1.カーボンブラック:GPF、旭カーボン社製
*2.促進剤NS:N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
Figure 2009161872
注]
*3.メラミン・ホルムアルデヒド初期縮合物:Ineos Meramines社製、商品名「Madurit」を50質量%水溶液として使用
*4.イソシアネート誘導体:第一工業社製、商品名「エラストロン BN777l1」
*5.ビニルピリジン・スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス:日本A&L社製、商品名「PYRATEX」、固形分41質量%
*6.スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス:JSR社製、商品名「2108」、固形分40質量%
接着試験用のコーテイングゴムの配合組成を第1表に示す。
本発明は、有機繊維とゴムとの接着性を維持し、遊離のホルムアルデヒドの使用を避け作業環境を改善した、有機繊維コード用接着剤組成物、その接着剤組成物を用いたゴム製品の製造方法、その製造方法で得られたタイヤを提供することができる。

Claims (14)

  1. (A)レゾルシン、(B)ホルムアルデヒドと反応して熱硬化性樹脂を与える化合物とホルムアルデヒドとの初期縮合物、(C)ラテックス及び(D)イソシアネート誘導体を含んでなることを特徴とする有機繊維コード用接着剤組成物。
  2. 前記(B)成分のホルムアルデヒドと反応して熱硬化性樹脂を与える化合物がメラミン又は尿素である請求項1に記載の有機繊維コード用接着剤組成物。
  3. 前記(B)成分のホルムアルデヒドと反応して熱硬化性樹脂を与える化合物が、メラミンである請求項2に記載の有機繊維コード用接着剤組成物。
  4. (B)成分と(A)成分との固形分換算配合割合が、質量比で1:0.3〜1:30である請求項1〜3のいずれかに記載の有機繊維コード用接着剤組成物。
  5. (A)成分、(B)成分及び(C)成分の総質量(ずれも固形分)中の、それぞれの固形分配合割合が(A)成分1〜50質量%、(B)成分1〜50質量%及び(C)成分30〜98質量%である請求項1〜4のいずれかに記載の有機繊維コード用接着剤組成物。
  6. (A)成分、(B)成分及び(C)成分の総質量(ずれも固形分)100質量部に対して、(D)成分のイソシアネート誘導体を1〜50質量部含む請求項1〜5のいずれかに記載の有機繊維コード用接着剤組成物。
  7. 前記(D)成分のイソシアネート誘導体が、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)又はトリレンジイソシアネート(TDI)をフェノール、εカプロラクタム又はケトオキシムによりブロックしたブロックドイソシアネートの中から選択される少なくとも1種である請求項1〜6のいずれかに記載の有機繊維コード用接着剤組成物。
  8. (B)成分におけるホルムアルデヒド由来の構成単位とメラミン由来の構成単位の相互のモル比が1.5:1.0〜6.0:1.0である請求項7に記載の有機繊維コード用接着剤組成物。
  9. (C)成分のゴムラテックスが、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエン系共重合体を含むラテックスである請求項1〜8のいずれかに記載の有機繊維コード用接着剤組成物。
  10. (C)成分のビニルピリジン由来の構成単位、スチレン由来の構成単位及びブタジエン由来の構成単位の質量比が、10:10:80〜20:50:30である請求項8に記載の有機繊維コード用接着剤組成物。
  11. 有機繊維コードを構成する繊維がポリエステルである請求項1〜10のいずれかに記載の有機繊維コード用接着剤組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の有機繊維コード用接着剤組成物を有機繊維に含浸付着せしめた後加熱処理を行い、その後該有機繊維を未加硫ゴムに埋設し、ついで該未加硫ゴムを加硫して有機繊維とゴムとを一体化することを特徴とするゴム製品の製造方法。
  13. 加熱処理を230〜255℃の温度で行う請求項12に記載のゴム製品の製造方法。
  14. ゴム製品がタイヤである請求項12又は13に記載のゴム製品の製造方法。
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