JP2010024601A - タイヤコード及びそれを用いたタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】コスト的に有利な1浴タイプのディップ液を付着含浸した有機繊維コードを加熱処理してなる、耐熱接着力を向上させたタイヤコードを提供する。
【解決手段】(A)レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂−ゴムラテックスと、(B)ブロックドイソシアネート化合物及び/又はエポキシ化合物と、(C)多価フェノールポリサルファイドを含むディップ液を付着含浸させた有機繊維コードを加熱処理してなるタイヤコードであって、前記ディップ液中の(A)成分、(B)成分及び(C)成分の固形分含有量を、質量基準でそれぞれa、b及びcとした場合、c/(b+c)値が1/100〜50/100であり、かつ(b+c)/a値が5/95〜35/65であることを特徴とするタイヤコードである。
【選択図】なし

Description

本発明はタイヤコード及びそれを用いたタイヤに関する。さらに詳しくは、コスト的に有利な1浴タイプの接着剤(ディップ液)を付着含浸した有機繊維コード、特にポリエステル繊維コードを加熱処理してなる、耐熱接着力を向上させたタイヤコード、及び該タイヤコードを用いたタイヤに関するものである。
有機繊維コードとゴムとの接着を確保するためには、接着剤(ディップ液)として従来、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス(RFL)が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、ポリエステル又はアラミドをベースとする有機繊維コードは、その化学的性質のために、他のコードに比べて接着性が乏しく、したがって、接着性を改善するために、予めブロックドイソシアネート化合物やエポキシ樹脂で前処理して表面を活性化したのち、前記のRFL処理を実施する二浴処理法が行われている。
しかしながら、この2浴処理法の場合、接着力は良好であるものの、工程が煩雑であって、コスト的に不利となる。そこで、前処理で用いるブロックドイソシアネート化合物やエポキシ樹脂をRFLに混合して、1浴処理を行う方法も考えられるが、この場合、耐熱接着力が低下するため、タイヤコードへの適用が限定されるという問題があり、その改善が必要であった。
特開2002−103913号公報
本発明は、このような状況下になされたもので、コスト的に有利な1浴タイプのディップ液を付着含浸した有機繊維コードを加熱処理してなる、耐熱接着力を向上させたタイヤコード、及び該タイヤコードを用いたタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ディップ液として、(A)RFLと、(B)ブロックドイソシアネート化合物及び/又はエポキシ化合物と、(C)多価フェノールポリサルファイドを含み、かつディップ液中の前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分の固形分含有量を、質量基準でそれぞれa、b及びcとした場合、c/(b+c)値及び(b+c)/a値が、それぞれ特定の範囲にあるものを用いることにより、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1](A)レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂−ゴムラテックスと、(B)ブロックドイソシアネート化合物及び/又はエポキシ化合物と、(C)多価フェノールポリサルファイドを含むディップ液を付着含浸させた有機繊維コードを加熱処理してなるタイヤコードであって、前記ディップ液中の(A)成分、(B)成分及び(C)成分の固形分含有量を、質量基準でそれぞれa、b及びcとした場合、c/(b+c)値が1/100〜50/100であり、かつ(b+c)/a値が5/95〜35/65であることを特徴とするタイヤコード、
[2](A)成分が、ゴムラテックスの存在下で、レゾルシンとホルムアルデヒドとを、又はレゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物とホルムアルデヒドとを、レゾール化反応により縮合させたものである上記[1]に記載のタイヤコード、
[3](A)成分におけるゴムラテックスが、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン三元共重合体ラテックスである上記[1]又は[2]に記載のタイヤコード、
[4](B)成分のブロックドイソシアネート化合物が、ジフェニルメタンジイソシアネート又はトリレンジイソシアネートを、フェノール、ε−カプロラクタム又はケトオキシムによりブロック化したものである上記[1]〜[3]のいずれかに記載のタイヤコード、
[5](B)成分のエポキシ化合物が、多価アルコール類とエピクロルヒドリンとの反応生成物、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂及びビスフェノールA型エポキシ樹脂の中から選ばれる少なくとも1種である上記[1]〜[3]のいずれかに記載のタイヤコード、
[6](C)成分の多価フェノールポリサルファイドが、一般式(1)
Figure 2010024601
(式中、xは1〜8の整数、yは2又は3、nは0〜15の整数である。)
で表される化合物である上記[1]〜[5]のいずれかに記載のタイヤコード、
[7]有機繊維コードが、ポリエステル繊維コードである上記[1]〜[6]のいずれかに記載のタイヤコード、
[8]ディップ液を付着含浸させた有機繊維コードの加熱処理温度が、230〜255℃である上記[1]〜[7]のいずれかに記載のタイヤコード、及び
[9]上記[1]〜[8]のいずれかに記載のタイヤコードを用いてなるタイヤ、
を提供するものである。
本発明によれば、コスト的に有利な1浴タイプのディップ液を付着含浸した有機繊維コード、特にポリエステル繊維コードを加熱処理してなる、耐熱接着力を向上させたタイヤコード、及び該タイヤコードを用いたタイヤを提供することができる。
まず、本発明のタイヤコードについて説明する。
本発明のタイヤコードは、(A)レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂−ゴムラテックスと、(B)ブロックドイソシアネート化合物及び/又はエポキシ化合物と、(C)多価フェノールポリサルファイドを含むディップ液を付着含浸させた有機繊維コードを加熱処理してなるタイヤコードであって、前記ディップ液中の(A)成分、(B)成分及び(C)成分の固形分含有量を、質量基準で、それぞれa、b及びcとした場合、c/(b+c)値及び(b+c)/a値が、それぞれ以下に示す範囲にあることを特徴とする。
[(A)成分]
本発明のタイヤコードに用いるディップ液は、(A)成分としてレゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂−ゴムラテックスを含有する。
当該(A)成分のレゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂−ゴムラテックスは、例えばゴムラテックスの存在下で、レゾルシンとホルムアルデヒドとを、又はレゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物とホルムアルデヒドとを、レゾール化反応によって縮合させることにより、得ることができる。このレゾール化反応は、通常pH8.0以上、好ましくは8.5〜10.0の範囲で実施される。ここで、前記レゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物とは、ホルムアルデヒド由来の構成単位とレゾルシン由来の構成単位とを含有し、ホルムアルデヒド由来の構成単位が化学量論的に不足する状態を指す。即ちこれにより樹脂は低分子量でかつ可溶性となる。
また、前記ゴムラテックスとしては、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス及び/又はビニルピリジン−スチレン−ブタジエン三元共重合体ラテックスなどを用いることができるが、特にビニルピリジン−スチレン−ブタジエン三元共重合体ラテックスが好ましく、ビニルピリジン由来の構成単位、スチレン由来の構成単位及びブタジエン由来の構成単位の質量比が、10:10:80〜20:50:30であることが望ましい。
このビニルピリジン−スチレン−ブタジエン三元共重合体ラテックスは市販品として入手することが可能であり、例えば、日本A&L社製、商品名「PYRATEX」、固形分41質量%のものが挙げられる。
本発明においては、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン三元共重合体ラテックスを単独で用いてもよいし、本発明の効果が損なわれない範囲で、他のゴムラテックス1種以上を適宜併用することができる。
他のゴムラテックスとしては、例えばビニルピリジン−スチレン−ブタジエン系共重合体をカルボキシ基等で変性した変性ラテックス、スチレン−ブタジエンラテックス及びその変性ラテックス、天然ゴムラテックス、アクリル酸エステル共重合体系ラテックス、ブチルゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックスの他、被着ゴムに配合されるゴム成分と同種のゴム成分を水又は有機溶媒に分散させて調製したラテックス等を用いることができる。
上記ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン三元共重合体は、ビニルピリジン系化合物と、スチレン系化合物と、ブタジエン化合物とを三元共重合させたものである。ここで、ビニルピリジン系化合物は、ビニルピリジンと、該ビニルピリジン中の水素原子が置換基で置換された置換ビニルピリジンとを包含する。該ビニルピリジン系化合物としては、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジン等が挙げられ、これらの中でも、2−ビニルピリジンが好ましい。これらビニルピリジン系化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記スチレン系化合物は、スチレンと、該スチレン中の水素原子が置換基で置換された置換スチレンとを包含する。該スチレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン等が挙げられ、これらの中でも、スチレンが好ましい。これらスチレン系化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記ブタジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン等が挙げられ、これらの中でも、1,3−ブタジエンが好ましい。これらブタジエン化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[(B)成分]
本発明のタイヤコードに用いるディップ液は、(B)成分として、ブロックドイソシアネート化合物及び/又はエポキシ化合物を含有する。
前記ブロックドイソシアネート化合物は、イソシアネート化合物の遊離イソシアネート基を、熱解離ブロック剤で封鎖したものであり、常温では水と反応しないが、加熱することによりブロック剤が解離し、活性なイソシアネート基が再生される。
ブロックドイソシアネート化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)やトリレンジイソシアネート(TDI)などの有機ポリイソシアネート化合物を、ブロック剤でブロックしたものが、好ましく用いられる。上記ブロック剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、クロルフェノール、クレゾール、レゾルシノール、p−sec−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−sec−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール等のフェノール類;イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール等の第2級又は第3級のアルコール;ジフェニルアミン等の芳香族第2級アミン類;フタル酸イミド類;δ−バレロラクタム等のラクタム類;ε−カプロラクタム等のカプロラクタム類;マロン酸ジアルキルエステル、アセチルアセトン、アセト酢酸アルキルエステル等の活性メチレン化合物;アセトキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等のケトオキシム類;3−ヒドロキシピリジン等の塩基性窒素化合物及び酸性亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。
ブロック剤としてはフェノール、ε−カプロラクタム及びケトオキシムが好適である。
前記エポキシ化合物としては、ジエチレングリコール・ジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール・ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール・ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコール・ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオール・ジグリシジルエーテル、グリセロール・ポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン・ポリグリシジルエーテル、ポリグリセロール・ポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトール・ポリグリシジルエーテル、ジグリセロール・ポリグリシジルエーテル、ソルビトール・ポリグリシジルエーテル等の多価アルコール類とエピクロルヒドリンとの反応生成物;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明においては、当該(B)成分として、前記ブロック化イソシアネート化合物のみを1種以上用いてもよいし、前記エポキシ化合物のみを1種以上用いてもよく、あるいはブロック化イソシアネート化合物1種以上と、エポキシ化合物1種以上とを併用してもよいが、エポキシ化合物は安定性に劣り、タイヤコードが硬くなりやすいため、単独では使用しにくい。
[(C)成分]
本発明のタイヤコードに用いるディップ液は、(C)成分として、多価フェノールポリサルファイドを含有する。
この多価フェノールポリサルファイドとしては、一般式(1)
Figure 2010024601
(式中、xは1〜8の整数、yは2又は3、nは0〜15の整数である。)
で表される化合物を用いることができる。
当該多価フェノールポリサルファイドは、一般式(1)におけるyが2であるレゾルシンがSxで連結された化合物であって、連結個数4以上の化合物の含有量が30質量%以下であるものが好ましい。該化合物の含有量が30質量%以下であれば、ポリエステル繊維に対する拡散性が良好となる。
当該多価フェノールポリサルファイドは、例えば反応に不活性なトルエンなどの溶媒中において、レゾルシン100質量部に対して、塩化硫黄30〜70質量部を、好ましくは80℃以下の温度で反応させることにより、製造することができる。
当該多価フェノールポリサルファイドは、ポリエステルに対する親和性が高いために、ポリエステル繊維中に拡散しやすい。したがって、後述のように、前記(B)成分に対して、所定の割合で配合することによって、耐熱接着力を向上させることができる。また、前記(B)成分の量が比較的に少なくても、耐熱接着力を確保しやすい。
本発明においては、ディップ液中の前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分の固形分含有量を、質量基準でそれぞれa、b及びcとした場合、c/(b+c)値が1/100〜50/100であることを要する。
c/(b+c)値が1/100未満では、耐熱接着力の向上効果が十分に発揮されず、一方50/100を超えると、タイヤコードの耐疲労性が悪化する。好ましいc/(b+c)値は5/100〜40/100である。
また、(b+c)/a値が5/95〜35/65であることを要する。この(b+c)/a値が5/95未満では十分な接着力が得られず、一方35/65を超えるとタイヤコードの耐疲労性が悪化すると共に、経済的にも不利となる。好ましい(b+c)/a値は10/90〜30/70である。
当該ディップ液の固形分濃度は特に制限はないが、通常10〜25質量%程度であり、好ましくは15〜20質量%である。
本発明で用いるディップ液は、(A)成分のRFLにホルムアルデヒドが残留していても、残留していなくても本発明の効果を奏する。
[有機繊維コード]
当該ディップ液が適用される有機繊維コードについては特に制限はなく、木綿、レーヨン、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−6,6)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、アラミド(m−フェニレンイソフタルアミド、p−フェニレンテレフタルアミド)等のコードを挙げることができる。これらのコードはタイヤコードとして当該ディップ液にて処理される。
通常、二浴処理を行うポリエステルコードに当該ディップ液を1浴処理にて適用することによって優れた耐熱接着力を得ることができることから、当該ディップ液は、タイヤコードとして用いられるポリエステル繊維コードに好適に適用することができる。
[タイヤコード]
本発明のタイヤコードは、前述した有機繊維コードに当該ディップ液を付着含浸させて、加熱処理することにより得ることができる。この際の加熱処理温度としては、該有機繊維コードに、接着性を効果的に付与する観点から、230〜255℃が好ましく、235〜250℃がより好ましい。
また、該有機繊維コードに対する接着剤の付着量(乾燥後の含浸処理済コードの質量を基準として、接着剤による増加質量)は2.0〜6.0質量%であることが好ましい。
[タイヤ]
本発明はまた、前述した本発明のタイヤコードを用いてなるタイヤをも提供する。
本発明のタイヤは、前述のようにして得られたタイヤコードを未加硫ゴムに埋設し、次いで該未加硫ゴムを加硫処理してタイヤコードで補強されたゴム加硫体を、タイヤ部材に用いたものである。未加硫ゴムは、適用されるタイヤ部材に応じて、適宜選定される。タイヤ部材としては、ベルト材、カーカス材、プライ材、キャッププライ材、レイヤー材などを挙げることができる。
なお、各例で得られたタイヤコードについて、以下に示す性能試験を行った。
<接着力試験>
(1)初期接着力
試験用タイヤコードを、第1表に示す未加硫配合ゴム組成物に埋め込み、150℃で30分間、2MPaの加圧下で加硫を行い、JIS K6301に準拠し、評価用サンプルを作製して接着力を測定し、初期接着力とした。
(2)耐熱接着力
上記(1)の初期接着力評価用サンプルを、オーブン中で180℃にて60分間保持後、JIS K6301に準拠して接着力を測定し、耐熱接着力とした。
<疲労性試験>
(3)耐疲労性
ディップ処理して得られたポリエステルコードを打ち込み数50(本/5cm)で用い、その上下から第1表に示すゴム組成物からなるコーティングゴムをトッピングしてコード−ゴム複合体(カーカス)を作製し、下記の方法で高温接着性保持率を測定し、更に耐疲労性を評価した。耐疲労性は、JIS L1017に準拠して評価し、従来例を100として指数表示した。指数値が大きいほど、コード−ゴム複合体の耐疲労性が高く、良好であることを示す。なお、従来例は、ポリエステルコートとして、水性分散物の状態でエポキシ樹脂を含有している前処理液でディップ処理されたポリエステルコードを製造例1で得られたRFLにより実施例と同様にディップ処理したものを用いた。
Figure 2010024601
[注]
*1,カーボンブラック:GPF、旭カーボン社製
*2,加硫促進剤NS:N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
製造例1 RFLの調製
水酸化ナトリウムと、レゾルシンと、ホルムアルデヒドと、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン三元共重合体ラテックス[日本A&L社製、商品名「PYRATEX」]の固形分とを、それぞれ質量比0.3:11:6:100の割合で含む20質量%水溶液を調製し、20℃で24時間熟成することにより、RFLを調製した。
製造例2 レゾルシンポリサルファイドの製造
トルエン500質量部にレゾルシン110質量部を溶解し、これに塩化硫黄35質量部を加え、25℃にて3時間反応させることにより、レゾルシンポリサルファイドを製造した。
このレゾルシンポリサルファイドは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法による分析により、4量体以上の含有量は27.5質量%であった。
実施例1〜4及び比較例1、2
表2に示す各成分を表2に示す割合で含有する6種のディップ液を調製した。
次いで、ポリエステルコード(ポリエステル繊維1670dTex/2、撚り数40×40/10cm)を、上記各ディップ液によりディップ処理したのち、温度245℃、コードテンション9.8N/本の条件で、工場の熱処理機を用いて熱処理を行い、6種類のタイヤコードを作製した。
各タイヤコードについての性能評価結果を第2表に示す。
Figure 2010024601
[注]
1)RFL:製造例1で調製したもの
2)ブロックドイソシアネート化合物:第一工業製薬社製、商品名「BN69」
3)エポキシ化合物:長瀬ケムテックス社製、商品名「EX−313」
4)レゾルシンポリサルファイド:製造例2で得られたもの
第2表から分かるように、本発明のタイヤコードは、レゾルシンポリサルファイドを含んでいないディッピング液を使用した比較例2のタイヤコードに比べて、耐熱接着力が向上している。また耐疲労性は、比較例2と同等又は比較例2よりも優れている。
比較例1は、(b1+b2+c)/aが40/60と高く、本発明の規定範囲を超えており、そのタイヤコードは、耐疲労性が著しく低下している。
本発明のタイヤコードは、コスト的に有利な1浴タイプの接着剤(ディップ液)を付着含浸した有機繊維コード、特にポリエステル繊維コードを加熱処理してなる、耐熱接着力を向上させたタイヤコードであって、ベルト材、カーカス材、プライ材、キャッププライ材、レイヤー材などのタイヤ部材に好適に用いられる。

Claims (9)

  1. (A)レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂−ゴムラテックスと、(B)ブロックドイソシアネート化合物及び/又はエポキシ化合物と、(C)多価フェノールポリサルファイドを含むディップ液を付着含浸させた有機繊維コードを加熱処理してなるタイヤコードであって、前記ディップ液中の(A)成分、(B)成分及び(C)成分の固形分含有量を、質量基準でそれぞれa、b及びcとした場合、c/(b+c)値が1/100〜50/100であり、かつ(b+c)/a値が5/95〜35/65であることを特徴とするタイヤコード。
  2. (A)成分が、ゴムラテックスの存在下で、レゾルシンとホルムアルデヒドとを、又はレゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物とホルムアルデヒドとを、レゾール化反応により縮合させたものである請求項1に記載のタイヤコード。
  3. (A)成分におけるゴムラテックスが、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン三元共重合体ラテックスである請求項1又は2に記載のタイヤコード。
  4. (B)成分のブロックドイソシアネート化合物が、ジフェニルメタンジイソシアネート又はトリレンジイソシアネートを、フェノール、ε−カプロラクタム又はケトオキシムによりブロック化したものである請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤコード。
  5. (B)成分のエポキシ化合物が、多価アルコール類とエピクロルヒドリンとの反応生成物、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂及びビスフェノールA型エポキシ樹脂の中から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤコード。
  6. (C)成分の多価フェノールポリサルファイドが、一般式(1)
    Figure 2010024601
    (式中、xは1〜8の整数、yは2又は3、nは0〜15の整数である。)
    で表される化合物である請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤコード。
  7. 有機繊維コードが、ポリエステル繊維コードである請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤコード。
  8. ディップ液を付着含浸させた有機繊維コードの加熱処理温度が、230〜255℃である請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤコード。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のタイヤコードを用いてなるタイヤ。
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