JP2009161780A - 繊維強化成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】乳酸系樹脂を主成分とする生分解性樹脂(A)と、アラミド繊維及び/又はLCP繊維(B)と、加水分解防止剤(C)とを含有し、A:B=60:40〜99:1(質量比)、かつ、(A+B):C=100:0.1〜100:5.0(質量比)である繊維強化成形体を用いる。
【選択図】なし
Description
ところが、乳酸系樹脂は、特許文献1〜2に開示されるように、包装材や日用品のような消費材としての実用化例は多数あるが、家電部品や自動車部品のような耐久材として高度な要求特性が求められる分野には、使用実績はほとんどない。この1つの理由としては、家電部品や自動車部品として使用する場合には、この用途で広く使われているABS樹脂やフィラー充填PP樹脂と比べて、乳酸系樹脂は耐熱性、強度、剛性、耐久性が乏しいからである。
さらにまた、これらの各特許文献は、生分解性を大きな特徴として挙げているが、家電部品や自動車部品としては、実質的に非生分解性のものが求められている。
この発明における生分解性樹脂とは、乳酸系樹脂を主成分とする樹脂である。この乳酸系樹脂とは、構造単位がL−乳酸であるポリL−乳酸、構造単位がD−乳酸であるポリD−乳酸、構造単位がL−乳酸及びD−乳酸である、ポリDL−乳酸やこれらの混合体をいい、さらには、α−ヒドロキシカルボン酸やジオール/ジカルボン酸との共重合体であってもよい。
さらにまた、分子量増大を目的として少量の鎖延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物などを使用できる。
−(N=C=N−R−)n− (1)
(上記式(1)において、nは1以上の整数を示す。Rはその他の有機系結合単位を示す。これらのカルボジイミド化合物は、Rの部分が、脂肪族、脂環族、芳香族のいずれかでもよい。)
通常nは1〜50の間で適宜決められる。
結晶化促進剤の配合量としては、上記繊維強化成形体100重量部に対し、0.1〜5質量部配合することがより好ましい。かかる範囲を下回ると結晶化促進効果が得られず、上回る場合には、衝撃強度、成形加工性、耐加水分解性等が低下する傾向にあり、好ましくない。
(2)ポリエチレングリコール及び/又はその脂肪酸エステル。
(3)高級アルコール・多価アルコール・アルキルフェノールのポリエチレングリコール付加物、又はポリプロピレングリコール付加物。
JISK−7191に基づいてL120mm×W11mm×t3mmの試験片を作成し、東洋精器社製S−3Mを用いて荷重たわみ温度(HDT)の測定を行った。測定は、フラットワイズ方向、試験片に加える曲げ応力45.1N/cm2の条件で行った。
JISK−7171に基づいてL80mm×W10mm×t4mmの試験片を作成し、インテスコ社製精密万能材料試験機MODEL2010を用いて曲げ強さ、及び、曲げ弾性率の測定を行った。
東ソー(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィーHLC−8120GPCに、(株)島津製作所製クロマトカラムShim−PackシリーズのGPC−800CPを装着し、溶媒クロロホルム、溶液濃度0.2wt/vol重量%、溶液注入量200μl、溶媒流速1.0ml/分、溶媒温度40℃で測定を行い、ポリスチレン換算で、乳酸系樹脂の重量平均分子量を算出した。用いた標準ポリスチレンの重量平均分子量は、2000000、670000、110000、35000、10000、4000、600である。
家庭用コンポスター(静岡製機(株)製 商品名:エコロンポEC−25D)に、園芸用の腐葉土10Kgと、ドッグ・フード(日本ペットフード(株)製 商品名:ビタワン)5kgを混合して入れ、さらに水500mlを加え、厚み200mmの埋土とした。試験サンプルを埋土の底面から50mmの高さに配置して埋設した。内部を58℃に保ち、毎日200mlの水を追加して、10週間テストを行った。テストの前後の重量平均分子量を測定し、下記の式から重量平均分子量保持率を算出し、下記の基準で評価した。
重量平均分子量保持率=(コンポスト試験後の重量平均分子量)/(コンポスト試験前の重量平均分子量)×100(%)
耐生分解性:○…重量平均分子量保持率:90〜100%
△…重量平均分子量保持率:60〜 89%
×…重量平均分子量保持率: 0〜 59%
L体:D体=99:1であるカーギル・ダウ社製乳酸系樹脂:NatureWorks4031D(重量平均分子量20万)(A)と、帝人テクノプロダクツ社製アラミド繊維:テクノーラチョップドファイバーT−320(平均直径12μm、平均長さ3mm)(B)と、ラインケミー社製カルボジイミド化合物:スタバクゾールI(ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド)(C)と、結晶化促進剤として、日本タルク社製タルク:ミクロエースL(D)とを、A:B=80:20(重量%)、(A+B):C:D=100:2:3(質量部)になるように調合し、ヘンシェルミキサーでブレンドし、熱風オーブン中で70℃で5時間乾燥させた後、三菱重工業(株)製40mmφ小型同方向二軸押出機を用いて、180℃でコンパウンドし、ペレット形状にした。
1)温度条件:シリンダー温度(195℃) 金型温度(20℃)
2)射出条件:射出圧力(115MPa) 保持圧力(55MPa)
3)計量条件:スクリュー回転数(65rpm) 背圧(15MPa)
乳酸系樹脂(A)と、アラミド繊維(B)と、カルボジイミド化合物(C)と、結晶化促進剤(D)を、A:B=100:0(重量%)、(A+B):C:D=100:2:3(質量部)と変更する以外は、実施例1と同様の方法で、板材を得た。評価結果を表1に示す。
乳酸系樹脂(A)と、アラミド繊維(B)と、カルボジイミド化合物(C)と、結晶化促進剤(D)を、A:B=50:50(重量%)、(A+B):C:D=100:2:3(質量部)と変更するのみで、コンパウンドを実施しようとしたが、ヘンシェルミキサーでも均一に分散できず、また、2軸押出機のフィードが安定せず、コンパウンド不能であった。
ヒドロキシ安息香酸を主成分とするLCP原料である住化スーパーE6000(ニート)を、シリコープラ工業社製30mmφ単軸押出機を用いて、紡糸温度390℃、引き取り速度300m/minで溶融紡糸し、ボビンに巻き取った。紡糸口金は、孔径0.07mm、孔長0.14mm、孔数300のものを用い、得られた繊維の平均直径は17μmであった。
次に、L体:D体=99:1であるカーギル・ダウ社製乳酸系樹脂:NatureWorks4031D(重量平均分子量20万)(A)と、ラインケミー社製カルボジイミド化合物:スタバクゾールP(ポリ(ジプロピルフェニル)カルボジイミド)(C)と、結晶化促進剤として、日本タルク社製タルク:ミクロエースL1(D)を、A:C:D=100:3:3(質量部)になるように調合し、ヘンシェルミキサーでブレンドし、熱風オーブン中で70℃で5時間乾燥させた後、引き抜き成形用クロスヘッドダイを連結したシリコープラ工業社製30mmφ単軸押出機にフィードする一方で、先に得られたLCP繊維のマルチフィラメント5組をそれぞれのボビンから巻き出し、クロスヘッドダイのホールに通して、樹脂温180℃でLCP繊維マルチフィラメントに樹脂被覆・含浸を行い、水槽で冷却した後、ペレットカッターを通した。得られたペレット原料の平均直径は1.5mm、平均長さは3mmであった。また、ペレット中の乳酸系樹脂(A)に対するLCP繊維(B)の割合は、A:B=80:20(重量%)であった。したがって、(A+B):C:D=100:2.5:2.5となる。
このペレット原料を用い、実施例1と同様の方法で射出成形を行い評価を行った。結果を表1示す。
L体:D体=99:1であるカーギル・ダウ社製乳酸系樹脂:NatureWorks4031D(重量平均分子量20万)(A)と、結晶化促進剤として、日本タルク社製タルク:ミクロエースL1(D)を、A:D=100:3(質量部)とする以外は、実施例2と同様の方法で、板材を得た。したがって、A:B=80:20(重量%)、(A+B):C:D=100:0:2.5となる。評価結果を表1に示す。
Claims (4)
- 乳酸系樹脂を主成分とする生分解性樹脂(A)と、アラミド繊維及び/又はLCP繊維(B)と、加水分解防止剤(C)とを含有し、
A:B=60:40〜99:1(質量比)、かつ、(A+B):C=100:0.1〜100:5.0(質量比)であり、
上記アラミド繊維及び/又はLCP繊維(B)の直径は1〜40μmである繊維強化成形体。 - 上記加水分解防止剤(C)が、カルボジイミド化合物である請求項1に記載の繊維強化成形体。
- 自動車部品又は家電部品として使用される、請求項1又は2に記載の繊維強化成形体。
- 乳酸系樹脂を主成分とする生分解性樹脂(A)と、アラミド繊維及び/又はLCP繊維(B)と、加水分解防止剤(C)とを、A:B=60:40〜99:1(質量比)、かつ、(A+B):C=100:0.1〜100:5.0(質量比)の割合で混合、乾燥した後にペレット化し、
次いで、成形した後、結晶化処理を行うことにより、乳酸系樹脂を主成分とする生分解性樹脂を用いた成形体に耐生分解性を付与する方法。
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