JP2009161277A - ホイスト制御装置及び揚重設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】防爆が必要な場所において、防爆リミットスイッチ以外に電気機器を使用することなく、複雑な検出手段を用いることなく、複数のホイストのロープに加わる荷重の検出及びその合算を簡単な構成で行い、ロープ相互間のずれを調整して揚重設備を所望の状態に自動制御可能なホイスト制御装置を提供する。
【解決手段】本発明は、二台のホイストの各減速機の出力軸に固定されその回転反力によってロープ繰出し方向へのみ回転動作する第1及び第2のトルクアームと、各トルクアームの回転力を伝達する第1及び第2の油圧機構と、ガイド棒24、25、34、35に沿って移動自在で第1及び第2の入力側シリンダ23A、23Bからの伝達力と所定のばね力に抗して移動する第1及び第2の駆動部材26、36と、各駆動部材26、36の動作でオン/オフが切換可能な第1〜第3のリミットスイッチ31〜33とを備え、各リミットスイッチ31〜33にて得られた結果に基づいて原動機の動作を制御する。
【選択図】 図4
Description
また、荷役物を吊り上げる際に設定値を超える負荷がホイストに加わった場合、吊り上げを中止したり警報を発するなどの安全対策を講じる必要があり、そのためにロープに加わる荷重を検出する装置を備えることも広く知られている。
しかし、従来技術では、複数台(2台)のホイストを同時に運転させる際、各駆動モータの特性の相違に起因してロープ速度にずれが生じて片側のロープがたるんだ場合であっても、このたるみを調整することができないという問題がある。
このようなロープのずれは、例えばロードセルのような検出手段を用いることにより調整することができるが、その場合には、装置構成が複雑になるとともに、コストアップを招くという問題がある。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記複数のホイストが、第1及び第2のホイストを有するとともに、前記複数の駆動機構が、前記第1及び第2のホイストに対応して構成された第1及び第2の駆動部材を有し、さらに、前記複数の機械式センサが、前記第1及び第2の駆動部材の動作によってオン/オフが切り換えられるように構成された第1〜第3の機械式センサを有し、前記第1〜第3の機械式センサのうちのいずれかが、前記第1及び第2の駆動部材のうちのいずれかに固定されるとともに、当該駆動部材に固定された前記機械式センサが、当該他の駆動部材の動作によってオン/オフが切り換えられるように構成されているものである。
請求項3記載の発明は、原動機によって駆動され減速機によって減速駆動される巻取ドラムを有する複数のホイストを備え、前記巻取ドラムにそれぞれ巻回されたロープで荷役物を吊り上げる揚重設備であって、請求項1又は2のいずれか1項記載のホイスト制御装置を備えた揚重設備である。
図1は、本発明に係る揚重設備の実施の形態の全体を示す概略構成図、図2は、同揚重設備に適用されるホイストの内部構成を示す断面図である。
また、図3(a)(b)は、荷役物の吊り下げ状態を示す説明図、図4は、本発明に係るホイスト制御装置の実施の形態を示す概略構成図である。
この揚重設備1は、形鋼から構成されるレール2に沿って走行する台車部3を有し、この台車部3にフレーム4が固定され吊り下げられている。このフレーム4には複数のホイスト5(本実施の形態の場合は二台のホイスト5A、5B)がレール2を挟む位置において互いに平行に保持されている。
この減速機7は遊星歯車式のもので、取付部材9を介してドラム8内に固定されるとともに、その出力軸7bとトルクアーム10(10A、10B:動力伝達部材)がキイ結合により固着され、さらにこのトルクアーム10の本体部10aが、フレーム4の正面側壁4aに軸受11によって回転可能に支持されている。
そして、各ワイヤーロープ15A、15Bの先端部は三角プレート16の両端部に連結され、この三角プレート16の下端部に取り付けたフック17に荷役物40を引っ掛けるようになっている(図3(a)(b)参照)。
ここで、第1及び第2の出力側シリンダ21A、21Bは、それぞれのピストンロッド21a、21bがトルクアーム10A、10Bの先端部に回動自在に連結されている。そして、荷役物40の吊り上げ時にトルクアーム10A、10Bに発生するロープ繰出方向の回転力が各シリンダ21A、21Bのピストンロッド21a、21bに伝達されるように構成されている。
このフレーム22には、直線状に延びる一対の取付部22a、22bが平行に対向配置されており、各取付部22a、22bに、それぞれ油圧シリンダからなる第1及び第2の入力側シリンダ23A、23Bが取り付けられている。
また、第2の入力側シリンダ23Bは、そのピストンロッド23bがフレーム22の内側に位置するように他方の取付部22bに取り付けられている。
また、第1及び第2の入力側シリンダ23A、23Bは、それぞれのピストンロッド23a、23bが、取付部22a、22bの延びる方向に対して直交する方向(例えば、図中矢印P1又P2は方向)に動作するように取付方向が定められている。
これら第1及び第2のガイド棒24、25は、それぞれ直線状に形成されている。そして、第1及び第2のガイド棒24、25には、平板状の第1の駆動部材26が、第1及び第2のガイド棒24、25に沿って摺動可能な状態で装着されている。
また、第1の駆動部材26の、第1の入力側シリンダ23Aのピストンロッド23a固定側と反対側の領域には、各ガイド棒24、25の周囲に例えば同一の圧縮コイルばね27が装着されている。
第1の駆動部材26は、第1及び第2のガイド棒24、25より幅広に形成されており、第1のガイド棒24側に若干はみ出す部分を有している。そして、第1の駆動部材26のはみ出した部分の第1の入力側シリンダ23A側の部位には、第1の駆動部材26の移動方向、すなわち、第1及び第2のガイド棒24、25の延びる方向に対して例えば鋭角に傾斜させたテーパ状の係止駆動部28が形成されている。
さらに、第1の駆動部材26上には、第1のリミットスイッチ31が配設されている。
なお、この第1のリミットスイッチ31及び後述する第2及び第3のリミットスイッチ32、33は、それぞれ動作ピン31a、32a、33aが傾いている状態がオンとなるものである。
本実施の形態では、第2のリミットスイッチ32の動作ピン32aが、第1の駆動部材26の移動によってその係止駆動部28と当接し又はその当接が解除されることにより、第2のリミットスイッチ32のオン/オフが行われるように構成されている。
これら第3及び第4のガイド棒34、35は、それぞれ直線状に形成されている。そして、第3及び第4のガイド棒34、35には、平板状の第2の駆動部材36が、第3及び第4のガイド棒34、35に沿って摺動可能な状態で装着されている。
そして、第2の入力側シリンダ23Bを動作させて第2の駆動部材36を矢印P2方向に移動させることにより、圧縮コイルばね37が圧縮され、その反力が第2の駆動部材36に対して与えられるように構成されている。
そして、第2の駆動部材36のはみ出した部分のうち、第4のガイド棒35側の第2の入力側シリンダ23B側の部位には、第2の駆動部材36の移動方向、すなわち、第3及び第4のガイド棒34、35の延びる方向に対して例えば鋭角に傾斜させたテーパ状の第1の係止駆動部38が形成されている。
そして、第3のリミットスイッチ33の動作ピン33aが、第2の駆動部材36の第1の係止駆動部38と当接し又はその当接が解除されることにより、第3のリミットスイッチ33のオン/オフが行われるように構成されている。
そして、上述した第1のリミットスイッチ31の動作ピン31aが、第2の駆動部材36の第2の係止駆動部39と当接し又はその当接が解除されることにより、第1のリミットスイッチ31のオン/オフが行われるように構成されている。
ここで、図4は、第1及び第2のホイスト5A、5Bのワイヤーロープ15A、15Bに荷重が作用していない状態を示すもの、図5は、第1及び第2のホイスト5A、5Bが正常に動作している状態を示すものである。
さらに、この状態では、第1のリミットスイッチ31の動作ピン31aと第2の駆動部材36の第2の係止駆動部39は当接していないため、第1のリミットスイッチ31は、オフ状態となっている。
そして、ホイスト制御装置20の第1及び第2の入力側シリンダ23A、23Bに圧力が発生すると、第1の駆動部材26が押圧されて矢印P1方向へ移動するとともに、第2の駆動部材36が押圧されて矢印P2方向へ移動する。
そして、これらの距離a、bの和に相当するばね圧縮量が吊り荷重に相当している。図3(a)から図3(b)、図3(b)から図3(a)への変化に対し、吊り荷重が一定の場合において、a+b=一定となるように設定されている。
この場合においては、第1の入力側シリンダ23Aの圧力が高くなるため、第1の駆動部材26が矢印P1方向へ移動して圧縮コイルばね27が圧縮され、その結果、第2のリミットスイッチ32が解除(OFF)される。
ここで、制御手段50からの命令によって第1のホイスト5Aの原動機6Aを停止させ、第2のホイスト5Bの原動機6Bのみを巻上運転させる。その後、図示しないタイマーを用いて第2のホイスト5Bを所定量(例えば90mm程度)移動(巻上げ)し、第3のリミットスイッチ33のオン状態が解除されるように、この巻上動作を所定回数続ける(例えば、3回)。
そして、第3のリミットスイッチ33が解除(OFF)された後は、図6(b)に示すように、正常運転状態として、制御手段50からの命令によって、第1及び第2のホイスト5A、5B共に巻上運転を行うように制御する。
上述したように、正常な状態では、ワイヤーロープ15A、15Bが均等にドラム8に巻回され、三角プレート16を水平を保持した状態で巻き上げられる。
その結果、図7(b)に示すように、第1のリミットスイッチ31の動作ピン31aが第2の駆動部材36の第1の係止駆動部38と当接して第1のリミットスイッチ31がオン状態になる。
この状態となった場合には、制御手段50からの命令によって、第1及び第2のホイスト5A、5Bを共に停止させるとともに、警報ブザー(図示せず)を鳴らすように制御する。
なお、この状態を解除するには、図示しないセレクタースイッチを手動に切り換えてから巻下げを行う。
例えば、第1のワイヤーロープ15Aが何かに引っ掛かるなどして過負荷状態となった場合には、図7(a)に示す正常状態から、ホイスト制御装置20の第1の入力側シリンダ23Aにおける圧力が大きくなり、第1の駆動部材26が押圧されて矢印P1方向へ移動する。
その結果、図8に示すように、第3のリミットスイッチ33の動作ピン33aが第2の駆動部材36の第1の係止駆動部38と当接して第3のリミットスイッチ33がオン状態になる。
その後は、制御手段50からの命令によって、第1及び第2のホイスト5A、5Bの運転を共に停止するように制御する。
例えば、本発明に用いる駆動機構は、上記実施の形態のものには限られず、駆動部材の大きさ・形状・係止駆動部の位置や、ガイド棒の大きさ・形状は、適宜変更することができる。さらに、圧縮コイルばねのみならず、引張コイルばねを用いることも可能である。
ただし、装置の小型・簡素化の観点からは、上記実施の形態の構成を採用することが好ましい。
ただし、巻上時巻下時には、動作させるホイスト及びその運転方向が上記実施の形態の場合と逆になるものである。
ただし、本発明は、二台の電気式の原動機を用いた場合にロープ速度のずれに起因して生ずる片側のロープのたるみ等に対して最も有効となるものである。
Claims (3)
- 原動機によって駆動され減速機によって減速駆動される巻取ドラムを有する複数のホイストを備え、前記巻取ドラムにそれぞれ巻回されたロープで荷役物を吊り上げる揚重設備に適用可能なホイスト制御装置であって、
前記複数のホイストにそれぞれ設けられ、前記減速機の出力軸に固定され当該減速機の回転反力によってロープ繰出し方向へのみ回転動作するように構成された複数の動力伝達部材と、
前記複数の動力伝達部材の回転力を油圧シリンダを介して伝達する複数の油圧機構と、
所定のガイド機構に沿って移動自在に構成され、前記油圧機構からの伝達力がそれぞれ与えられるとともに、所定のばね力に抗して移動する駆動部材を有する複数の駆動機構と、
前記複数の駆動機構の動作によってオン/オフが切り換えられるように構成された複数の機械式センサとを備え、
前記複数の機械式センサにて得られた結果に基づいて前記原動機の動作を同期制御するように構成されたホイスト制御装置。 - 前記複数のホイストが、第1及び第2のホイストを有するとともに、前記複数の駆動機構が、前記第1及び第2のホイストに対応して構成された第1及び第2の駆動部材を有し、さらに、前記複数の機械式センサが、前記第1及び第2の駆動部材の動作によってオン/オフが切り換えられるように構成された第1〜第3の機械式センサを有し、
前記第1〜第3の機械式センサのうちのいずれかが、前記第1及び第2の駆動部材のうちのいずれかに固定されるとともに、当該駆動部材に固定された前記機械式センサが、当該他の駆動部材の動作によってオン/オフが切り換えられるように構成されている請求項1記載のホイスト制御装置。 - 原動機によって駆動され減速機によって減速駆動される巻取ドラムを有する複数のホイストを備え、前記巻取ドラムにそれぞれ巻回されたロープで荷役物を吊り上げる揚重設備であって、
請求項1又は2のいずれか1項記載のホイスト制御装置を備えた揚重設備。
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