JP2009156773A - 測量機及び測量補正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
測量機の回動部の回転による回転軸のブレ、測距光軸のズレを正確に検出し、補正の精度を向上させ、測定精度の向上を図る。
【解決手段】
回転自在な回動部3,4と、該回動部を支持する支持部6,3と該支持部と、前記回動部のいずれか一方に設けられた反射鏡部と、前記支持部と前記回動部のいずれか他方に設けられ、検出光を射出し、前記反射鏡部で反射された前記検出光を受光して前記支持部に対する前記反射鏡部の反射面の相対的な傾斜を検出する傾斜センサ15,24と、該傾斜センサからの信号に基づき前記回動部の回転ブレを演算する制御部26とを具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回動部を有する測量機、例えば追尾機能を有し、測距光学系が回動部に収納されている様な測量機、及び該測量機についての測量補正方法に関するものである。
追尾機能を有する測量機は、反射ミラー等の測定対象物を追尾して測定点の測量を行うものであり、測量機側に測量作業者がいなくても、測量が可能となっている。
斯かる測量機では、測距光学系の光軸(測距光軸)が常に測定対象物に向く様に、水平方向に回転し、又鉛直(高低)方向に回転可能な構造となっており、前記測距光軸の水平角、高低角が角度検出器によって検出され、測定対象物迄の距離測定が行われると共に測定対象物の水平角、高低角が測定される様になっている。
一般的に、回動部が回転可能である為には、回転軸と軸受部には間隙が必要であり、又製作誤差による偏心、回転ガタ等があり、回転時に測距光軸のズレを生ずる。該測距光軸のズレは、水平角、高低角の誤差として現れるので、測定精度を向上させる為には、前記測距光軸のズレの影響を除去する必要がある。
又、回動部に起因する誤差の他に、角度検出器自体が誤差を有する場合があり、高精度の測定を行うには、前記角度検出器の誤差を補正する必要がある。
尚、回転時の前記測距光軸のズレを補正することができる測量機として、特許文献1に示されるものがある。
特許文献1は、水平回転するエンコーダ板(角度検出用のパターンが形成された円板)を反射鏡とし、前記エンコーダ板に第1検出光を照射し、前記エンコーダ板からの反射第1検出光を受光器で受光し、又自由液面に第2検出光を照射し、自由液面からの反射第2検出光を同一の前記受光器で受光し、該受光器での受光位置のズレにより、自由液面に対するエンコーダ板の傾斜、即ち測距光軸のズレを検出し、検出結果に基づき測定値を補正することを開示している。
特許文献1では、エンコーダ板が回転軸に対して垂直に取付けられていること、前記エンコーダ板自体、或は反射面にうねり等が存在しないことを前提としている。ところが、実際には、取付け誤差により前記エンコーダ板が回転軸に対して垂直でないこと、前記反射面にうねり等が存在すること等があり、前記受光器での受光位置のズレが正確に測距光軸のズレを反映しない場合がある。この場合、高精度の補正が得られない。
特開2003−185436号公報
特開2007−127628号公報
本発明は斯かる実情に鑑み、測量機の回動部の回転による回転軸のブレ、測距光軸のズレを正確に検出し、補正の精度を向上させ、測定精度の向上を図るものである。
本発明は、回転自在な回動部と、該回動部を支持する支持部と、該支持部と前記回動部のいずれか一方に設けられた反射鏡部と、前記支持部と前記回動部のいずれか他方に設けられ、検出光を射出し、前記反射鏡部で反射された前記検出光を受光して前記支持部に対する前記反射鏡部の反射面の相対的な傾斜を検出する傾斜センサと、該傾斜センサからの信号に基づき前記回動部の回転ブレを演算する制御部とを具備する測量機に係るものである。
本発明は、前記制御部は予め測定した前記反射鏡部の前記反射面のうねりのデータが格納された記憶部を有し、前記制御部は前記傾斜センサからの信号より前記反射面のうねりを除去して前記回動部の回転ブレを演算する測量機に係り、又前記回動部と支持部間の相対回転角を検出するエンコーダが設けられ、前記制御部は、演算で得られた前記回転ブレに基づき前記エンコーダで測定された角度を補正する測量機に係り、又前記回動部は、鉛直軸と該鉛直軸を中心に回転する水平回動部と、水平軸と該水平軸を中心に回転する鉛直回動部とを具備し、前記傾斜センサは、前記水平回動部の回転ブレを検出する水平傾斜センサと前記鉛直回動部の回転ブレを検出する鉛直傾斜センサから構成された測量機に係り、又前記回動部は、測距部を収納する鏡筒部であり、前記制御部は、演算で得られた前記回転ブレと前記測距部で測距した測距値に基づき水平距離と垂直距離の少なくとも1つを補正する演算を行う測量機に係り、又前記反射鏡部は、前記回動部の回転中心線上に設けられた測量機に係り、又前記反射鏡部はリング状に形成され、前記回動部の回転中心線と同心に設けられた測量機に係り、又前記反射鏡部は、エンコーダのエンコーダ板にリング状に形成された測量機に係るものである。
又本発明は、回転自在な回動部と、該回動部に収納された測距部と、前記回動部の角度を検出する角度検出器と、前記回動部を支持する支持部と、該支持部と前記回動部のいずれか一方に設けられた反射鏡部と、前記支持部と前記回動部のいずれか他方に設けられ、検出光を射出し、前記反射鏡部で反射された前記検出光を受光して前記支持部に対する前記反射鏡部の反射面の相対的な傾斜を検出する傾斜センサとを具備する測量機に於いて、前記反射鏡部単体で前記反射面のうねりを測定する工程と、前記傾斜センサを前記支持部に取付けた状態で前記反射鏡部の前記反射面の傾斜を検出する工程と、該反射面の傾斜から該反射面のうねりを除去して回転ブレを演算する工程と、前記うねりと前記回転ブレに基づき測定された前記回動部の回転角、或は更に該回転角の値と前記測距部で得られた測距結果から演算される3次元座標の少なくとも一方を補正する測量補正方法に係るものである。
本発明によれば、回転自在な回動部と、該回動部を支持する支持部と、該支持部と前記回動部のいずれか一方に設けられた反射鏡部と、前記支持部と前記回動部のいずれか他方に設けられ、検出光を射出し、前記反射鏡部で反射された前記検出光を受光して前記支持部に対する前記反射鏡部の反射面の相対的な傾斜を検出する傾斜センサと、該傾斜センサからの信号に基づき前記回動部の回転ブレを演算する制御部とを具備するので、測量機の設置状態に拘らず、前記回動部の前記回転ブレを演算することができる。
又本発明によれば、前記制御部は予め測定した前記反射鏡部の前記反射面のうねりのデータが格納された記憶部を有し、前記制御部は前記傾斜センサからの信号より前記反射面のうねりを除去して前記回動部の回転ブレを演算するので、傾斜センサからの検出結果だけでは得られない前記反射面のうねりによる誤差も補正でき、補正精度が向上する。
又本発明によれば、前記回動部と支持部間の相対回転角を検出するエンコーダが設けられ、前記制御部は、演算で得られた前記回転ブレに基づき前記エンコーダで測定された角度を補正するので、前記傾斜センサからの検出結果だけでは得られない前記反射面のうねりによる誤差も補正でき、補正精度が向上する。
又本発明によれば、前記回動部は、鉛直軸と該鉛直軸を中心に回転する水平回動部と、水平軸と該水平軸を中心に回転する鉛直回動部とを具備し、前記傾斜センサは、前記水平回動部の回転ブレを検出する水平傾斜センサと前記鉛直回動部の回転ブレを検出する鉛直傾斜センサから構成されたので、鉛直軸、水平軸の両方向の回転ブレが補正可能であり、補正精度が向上する。
又本発明によれば、前記回動部は、測距部を収納する鏡筒部であり、前記制御部は、演算で得られた前記回転ブレと前記測距部で測距した測距値に基づき水平距離と垂直距離の少なくとも1つを補正する演算を行うので、測距精度が向上するという優れた効果を発揮する。
又本発明によれば、回転自在な回動部と、該回動部に収納された測距部と、前記回動部の角度を検出する角度検出器と、前記回動部支持する支持部と、該支持部と前記回動部のいずれか一方に設けられた反射鏡部と、前記支持部と前記回動部のいずれか他方に設けられ、検出光を射出し、前記反射鏡部で反射された前記検出光を受光して前記支持部に対する前記反射鏡部の反射面の相対的な傾斜を検出する傾斜センサとを具備する測量機に於いて、前記反射鏡部単体で前記反射面のうねりを測定する工程と、前記傾斜センサを前記支持部に取付けた状態で前記反射鏡部の前記反射面の傾斜を検出する工程と、該反射面の傾斜から該反射面のうねりを除去して回転ブレを演算する工程と、前記うねりと前記回転ブレに基づき測定された前記回動部の回転角、或は更に該回転角の値と前記測距部で得られた測距結果から演算される3次元座標の少なくとも一方を補正するので、傾斜センサからの検出結果だけでは得られない反射面のうねりによる誤差も補正でき、補正精度が向上し、測角精度、測距精度が向上するという優れた効果を発揮する。
以下、図面を参照しつつ本発明を実施する為の最良の形態を説明する。
図1は、本発明に係る測量機の一例を示し、本発明の要部を示す断面図である。
図中、1は測量機本体を示し、該測量機本体1は、整準部2、托架部3、鏡筒部4、取手5を具備し、前記整準部2は既知点に設置される三脚(図示せず)に固定され、前記托架部3は前記整準部2に鉛直軸心を中心に水平回転可能に設けられ、前記鏡筒部4は前記托架部3に水平軸心を中心に回転可能に設けられ、前記取手5は前記托架部3の上端に掛渡って取付けられている。
前記托架部3は外形形状が略U字形状をしており、内部にチルトセンサ(図示せず)を具備し、該チルトセンサの検出結果を基に前記整準部2が調整され、前記測量機本体1が水平姿勢となる様に整準される。
前記整準部2より鉛直軸6が上方に延出し、該鉛直軸6が前記托架部3の底部を貫通し、前記鉛直軸6に水平回転軸7が回転自在に嵌合し、該水平回転軸7の上端に前記托架部3が固定されている。前記水平回転軸7の上端部にはフランジ部8が形成され、該フランジ部8に水平角エンコーダ板9が前記水平回転軸7と同心に取付けられている。
前記水平回転軸7には、水平被動ギア11が嵌着され、該水平被動ギアが水平角モータ12により回転されることで、前記托架部3が前記鉛直軸6を中心に水平回転する様になっている。
前記水平角エンコーダ板9と対向してエンコーダセンサ(図示せず)が設けられており、該エンコーダセンサと前記水平角エンコーダ板9とで水平角エンコーダ13が構成される。前記水平角エンコーダ板9の下面周縁部は鏡面であり、反射鏡部となっている。
前記鉛直軸6は前記水平回転軸7の支持部であり、前記鉛直軸6には第1支持アーム14が取付けられている。該第1支持アーム14は、前記水平回転軸7の支持部の一部を構成し、前記水平回転軸7と平行に上方に延出しており、前記第1支持アーム14の上部に水平傾斜センサ15が設けられている。
該水平傾斜センサ15は、前記水平角エンコーダ板9の反射鏡部に検出光を入射させ、該反射鏡部からの反射光を受光し、受光部上での反射光の受光位置と受光基準位置との比較によって偏差を求め、偏差の量、偏差の方向に基づき前記水平角エンコーダ板9の反射部位での傾斜、うねり、前記水平回転軸7の回転ガタを検出する様になっている。
前記鏡筒部4は前記托架部3の凹部に収納され、前記鏡筒部4は水平に突出する鉛直回転軸16,17を具備し、該鉛直回転軸16,17が前記托架部3に回転自在に支持されており、一方の前記鉛直回転軸16には高低従動ギア18が嵌着され、他方の前記鉛直回転軸17には高低角エンコーダ19が設けられている。
前記高低従動ギア18は高低角モータ21により回転される様になっており、該高低角モータ21の駆動により、前記高低従動ギア18及び前記鉛直回転軸16,17を介して前記鏡筒4が鉛直回転する様になっている。
前記鉛直回転軸17には鉛直フランジ22が嵌着され、該鉛直フランジ22には前記鉛直回転軸17と同心に高低角エンコーダ板23が設けられている。該高低角エンコーダ板23に対峙してエンコーダセンサ(図示せず)が設けられており、該エンコーダセンサと前記高低角エンコーダ板23とで前記高低角エンコーダ19が構成される。
前記高低角エンコーダ板23の周縁部には鏡面が形成され、反射部が構成され、該反射部に対向する様に高低傾斜センサ24(後述する)が設けられている。
前記托架部3の内壁の所要位置に水平方向に延びる第2支持アーム25が設けられ、該第2支持アーム25に前記高低傾斜センサ24が取付けられている。前記托架部3は、前記鉛直回転軸17の支持部であり、又前記第2支持アーム25は前記鉛直回転軸17の支持部の一部となっている。
前記高低傾斜センサ24は、前記高低角エンコーダ板23の反射鏡部に検出光を入射させ、該反射鏡部からの反射光を受光し、受光部上での前記反射光の受光位置と受光基準位置との比較によって偏差を求め、偏差の量、偏差の方向に基づき前記高低角エンコーダ板23の反射部位での傾斜、うねり、前記鉛直回転軸17の回転ガタを検出する様になっている。
前記鏡筒部4内部には測距光発光部、投光光学系、受光光学系、受光部、距離演算部等から構成される測距部(図示せず)が収納されている。又、前記托架部3内部には、制御部26が設けられ、該制御部26によって前記測距部が駆動され、測距が実行され、前記水平角エンコーダ13、前記高低角エンコーダ19からの角度信号が前記制御部26に入力され、水平角、高低角の測定が実行される様になっている。
又、前記水平角モータ12、前記高低角モータ21の駆動が制御され、又前記水平傾斜センサ15からは、該水平傾斜センサ15が検出した傾斜角が前記制御部26に入力され、又前記高低傾斜センサ24からは、該高低傾斜センサ24が検出した傾斜角が前記制御部26に入力され、該制御部26は前記水平傾斜センサ15、前記高低傾斜センサ24からの信号に基づき、測定した測距結果、水平角、高低角を補正する様になっている。
図2、図3により前記水平傾斜センサ15、前記高低傾斜センサ24について、説明する。尚、前記水平傾斜センサ15と前記高低傾斜センサ24とは同一の構成であるので、以下は前記水平傾斜センサ15について説明する。
図2は、水平角エンコーダ板9の下面を示しており、該水平角エンコーダ板9にはエンコーダとしての角度パターン28がリング状に形成され、前記水平角エンコーダ板9の周縁部は鏡面とされ、反射鏡部29が形成されている。
図3は、前記水平傾斜センサ15の基本構成を示しており、検出光射出光軸31上に発光素子(LED)32、コンデンサレンズ33、パターン34、ハーフミラー(ビームスプリッタ)35が配設され、該ハーフミラー35は、前記検出光射出光軸31を直角に偏向し、検出光36の一部を偏向された偏向射出光軸31′上に反射する。該偏向射出光軸31′上にはコンデンサレンズ37が配設され、前記偏向射出光軸31′は前記反射鏡部29に対して垂直となる様に設定されている。又、前記ハーフミラー35を通過した前記偏向射出光軸31′の上にはプロファイルセンサ38が配設されている。前記反射鏡部29の反射面が前記偏向射出光軸31′に対して正確に垂直であれば、前記反射鏡部29で反射された前記検出光36の反射光軸は前記偏向射出光軸31′と合致し、垂直に対して傾斜していると、反射光軸は前記偏向射出光軸31′に対してブレを生じる。このブレを求めることで、反射面の傾斜を検出することができる。
前記プロファイルセンサ38は、例えばCCDセンサ、或はCMOSセンサであり、2次元に広がる受光面を有し、多数の画素の集合体である。各画素は受光信号を発し、その受信の信号を処理することで、例えば受光したスポット光の重心の位置情報を得ることができる。尚、プロファイルセンサ38は、例えば、一辺が1.9mmの正方形、画素数256×256、画素ピッチ7.8μmのものが使用される。
例えば、図4(A)、図4(B)に示される様に、受光面上にX−Y座標を設定すると、画素のX座標、Y座標を特定することで、プロファイルセンサ38は、パターンが図4(A)の状態の時を基準の位置とし、図4(B)に示される様に、各画素の受光面上でのパターンの移動量が特定される。尚、図4中のパターン34はパターンの一部を示している。又、パターンの一例としては、特開2007−127628号公報(特許文献2)に示されるものがある。
前記発光素子32から発せられた検出光36が前記パターン34を透過し、前記ハーフミラー35で反射されて前記反射鏡部29に投射される。該反射鏡部29で反射された前記検出光36は前記ハーフミラー35を透過して前記プロファイルセンサ38に投影される。
前記偏向射出光軸31′に対して、前記反射鏡部29の反射面が完全に垂直であると、該反射鏡部29で反射された前記検出光36の光軸と前記偏向射出光軸31′とはブレがなく、前記プロファイルセンサ38に投影された前記パターン34は前記プロファイルセンサ38の座標軸の原点Oに合致する(図4(A)参照)。一方、前記反射鏡部29の反射面が前記偏向射出光軸31′に対して傾斜していると、前記プロファイルセンサ38に投影された前記パターン34は、原点Oからズレる。
ズレ量の大きさで反射面の傾斜量が検出され、ズレの方向で反射面の傾斜方向が検出される。前記水平角エンコーダ板9を回転させ、所定角度ステップ(例えば1°)毎に前記プロファイルセンサ38上のパターンのズレを検出することで、前記反射鏡部29の全周での傾斜量、傾斜方向を検出することができる。
尚、パターンのズレを検出する場合、前記プロファイルセンサ38が受光したパターン34の受光信号と原点O又は基準となる位置にパターンが投影された場合に得られる信号とのズレを求め、信号のズレに基づきパターン34の受光位置と原点O、又は基準となる位置との偏差を位置ズレとして求める。又、プロファイルセンサを用いて、受光位置を検出する方法としては、スポットビームを受光した重心位置を演算する方法と、パターンをあてて受信信号のズレを読取る方法等がある。
前記水平傾斜センサ15の場合、前記検出光射出光軸31は水平であり、前記偏向射出光軸31′は鉛直となる。
次に、図5により、前記制御部26について説明する。
該制御部26は、CPUで代表される演算部41、半導体メモリ、HDD等の外部記憶装置等から構成される記憶部42、駆動制御部43等から構成され、前記演算部41には、前記水平角エンコーダ13、前記高低角エンコーダ19、前記水平傾斜センサ15、前記高低傾斜センサ24、チルトセンサ44、表示部45、操作部46が電気的に接続され、前記駆動制御部43には前記水平角モータ12、前記高低角モータ21が電気的に接続されている。
前記水平角エンコーダ13、前記高低角エンコーダ19は、それぞれ測距光軸の水平角、高低角を検出し、検出された水平角、高低角は前記演算部41に入力される。又、前記水平傾斜センサ15は、前記托架部3が水平回転した場合の前記鉛直軸6の回転ブレを検出し、検出結果は、前記演算部41に入力される。又、前記高低傾斜センサ24は前記鏡筒部4が鉛直回転した場合の前記鉛直回転軸17の回転ブレを検出し、検出結果は前記演算部41に入力される。
前記記憶部42は、データ格納部48、プログラム格納部49を有している。
前記データ格納部48には、工場等で精密検査された前記水平角エンコーダ板9の前記反射鏡部29のうねりの測定データ、前記水平回転軸7に対する前記水平角エンコーダ板9の傾きの測定データが、前記水平角エンコーダ板9の回転角度に関連付けて格納されている。
又、同様に、前記データ格納部48には、前記高低角エンコーダ板23の前記反射鏡部29のうねりの測定データ、前記鉛直回転軸17に対する前記高低角エンコーダ板23の傾きの測定データが、前記高低角エンコーダ板23の回転角度に関連付けて格納されている。
前記プログラム格納部49には、測定を実行する為に前記測距部(図示せず)、前記水平角モータ12、前記高低角モータ21等を駆動制御する為のシーケンスプログラム(図示せず)、エンコーダズレ量演算プログラム51、回転軸傾斜量演算プログラム52、回転軸のガタ演算プログラム53、測定値補正プログラム54等のプログラムが格納されている。
尚、前記演算部41と前記エンコーダズレ量演算プログラム51はエンコーダズレ量演算手段として機能し、前記演算部41と前記回転軸傾斜量演算プログラム52は回転軸傾斜量演算手段として機能し、前記演算部41と前記回転軸のガタ演算プログラム53は回転軸のガタ演算手段として機能し、前記演算部41と前記測定値補正プログラム54は測定値補正手段として機能する。
以下、本発明の作用について説明する。
先ず、前記水平角エンコーダ板9、前記高低角エンコーダ板23それぞれの前記反射鏡部29単体での鏡面むら(鏡面の撓み、歪み)を測定する。
前記水平角エンコーダ板9、前記高低角エンコーダ板23単体での測定では、芯ブレがない様に、又回転中心に対して前記水平角エンコーダ板9、前記高低角エンコーダ板23が垂直となる様に高精度で保持された状態で測定が行われる。
又、反射面でのうねり等による鏡面むらの測定は、図3で示した水平傾斜センサ15と同様な構成の測定装置が用いられ、反射面で反射された検出光をプロファイルセンサで受光して受光位置と基準位置との偏差を測定する。尚、この場合、鏡面むらの測定に使用される測定装置が、前記測量機本体1に取付けられた前記水平角エンコーダ板9、前記水平傾斜センサ15と同等の関係、配置になる様に構成されることが好ましく、この場合、測定データは、直ちに測量機本体1用の補正データとして使用可能である。
図6は、鏡面むらについての測定結果を示すものであり、前記反射鏡部29を1回転した場合、鏡面むらが全くない場合は、受光位置が基準位置に合致したままであり(図4(A)、図6(A)参照)、ズレ量を検出できない。
又、前記反射鏡部29に鏡面むらがある場合は、ズレ量が検出される(図4(B)、図6(B)参照)。ズレ量は、1回転周期で変化する。ズレ量は、前記反射鏡部29の回転位置(回転角度)と共に測定され、回転角度とズレ量が関連付けられる。得られた鏡面むらの測定データは設定補正データとして、前記操作部46を介して前記データ格納部48に予め格納される。
測定が完了した前記水平角エンコーダ板9、前記高低角エンコーダ板23がそれぞれ前記水平回転軸7、前記鉛直回転軸17に取付けられ、測定が実行される。
測定が実行される過程で、前記水平回転軸7、前記鉛直回転軸17が回転した場合に、前記水平傾斜センサ15、前記高低傾斜センサ24により各前記反射鏡部29の反射面の傾斜が検出される。反射面の傾斜は、上記した様に偏向射出光軸31′(図3参照)の傾き、即ち前記パターン34の原点Oからのズレδとして現れる(図4(B))。測定の結果、角度に対応した傾きによるズレ量は、記憶部に格納される。或は、測量作業の際に測定前に回転軸を360度以上回転させ、プロファイルセンサのズレ量を、作業の度に記憶し補正量として用いてもよい。
又、このズレには、前記反射鏡部29について工場等で測定した、反射鏡部29単体の鏡面むらに起因するものの他に、前記鉛直軸6に対する前記水平回転軸7の回転ガタ、前記鉛直回転軸17が回転する際の回転ガタ、更に、前記水平角エンコーダ板9の回転中心に対する傾き、前記高低角エンコーダ板23の回転中心に対する傾きに起因するものが含まれる。
従って、前記水平傾斜センサ15、前記高低傾斜センサ24で検出する前記プロファイルセンサ38上の前記パターン34のズレには、前記反射鏡部29の鏡面むらに起因するズレδ1、回転中心に対する反射鏡部29の傾斜に起因するズレδ2、前記水平回転軸7、前記鉛直回転軸17の回転時の回転ガタに起因するズレδ3が含まれる。尚、ズレδ1について設定補正データとして、前記データ格納部48に格納されている。
先ず、前記水平傾斜センサ15の検出結果を基に水平角の補正について説明する。
前記水平傾斜センサ15が検出するズレの内、ズレδH1、ズレδH2は、直接水平角エンコーダ13が検出する水平角、高低角の誤差となって現れる。又、前記ズレδH1、ズレδH2は、測距光軸のブレを伴わない。ズレδH3については、鉛直方向の回転の軸をZ軸とすると、その成分はX方向(図1水平方向の回転軸16,17の方向)とY方向(図1の紙面に対して垂直方向)がある。X方向のズレは水平方向の角度の誤差となって現れ、Y方向のズレは高低角方向の角度の誤差となって現れる。従って、ズレδH3は、水平角だけでなく、高低角方向の測定誤差、光軸のブレを生じさせる。そして、測定誤差だけでなく、測距の結果から演算される水平距離、垂直距離(比高)にも誤差を及ぼす。
この為、水平角の補正、測距結果の補正では、前記ズレδH1、ズレδH2、とズレδH3とは分離して行う必要がある。又、ズレの方向がX軸、Y軸それぞれに対してズレを生じる場合(図4(B)参照)、X成分、Y成分それぞれについて補正を行う。
前記エンコーダズレ量演算プログラム51により、前記水平角エンコーダ13からの検出結果と前記水平傾斜センサ15からの検出結果に基づき、水平回転角に対応したズレδが検出される。更に、前記回転軸傾斜量演算プログラム52により、前記データ格納部48に格納された設定補正データ(ズレδH1)に基づき、前記ズレδから前記ズレδH1を除去した回転軸の傾斜が演算される。得られたズレには、ズレδH2とズレδH3が含まれており、前記水平角エンコーダ板9が回転軸心に垂直の場合は、前記ズレδH2は0であり、演算により得られるズレは、ズレδH3となる。又、前記水平角エンコーダ板9が回転軸心に傾きを有する場合は、ズレδH2が含まれるが、該ズレδH2は1回転毎に周期的に現れるので、演算により除去することが可能である。
前記演算プログラム53により前記回転軸のガタが演算される。前記回転軸傾斜量演算プログラム52で得られた前記回転軸の傾斜から更に前記ズレδH2が演算され、ズレδH3が分離抽出される(図7参照)。
得られたズレδH1、ズレδH2、ズレδH3に基づき前記高低角エンコーダ19で測定された高低角が補正され、更に測距光軸のブレが演算され、測距の結果から演算される水平距離、垂直距離(比高)の値も補正される。
尚、前記水平傾斜センサ15は、前記鉛直軸6に対する前記托架部3の回転ガタ、前記水平角エンコーダ板9の反射鏡部29のうねりを相対的に検出しており、前記測量機本体1がどの様な姿勢に設置されても、該測量機本体1に対する相対的な回転ガタ、光軸のブレを正確に検出し、又測定結果を高精度で補正することができる。
前記高低傾斜センサ24の検出結果を基に高低角の補正をする場合も同様に行われる。
前記エンコーダズレ量演算プログラム51により、前記高低角エンコーダ19からの検出結果と前記高低傾斜センサ24からの検出結果に基づき、高低回転角に対応したズレδVが検出される。
更に、前記回転軸傾斜量演算プログラム52により、前記データ格納部48に格納された設定補正データ、ズレδV1に基づき、回転軸の傾斜が演算される。前記回転軸のガタ演算プログラム53により、ズレδV2、ズレδV3が演算され、前記鉛直回転軸17のガタが演算される。
得られたズレδV1、ズレδV2、ズレδV3に基づき前記高低角エンコーダ19で測定された高低角が補正され、更に測距光軸のブレが演算され、測距結果も補正される。
高低角についても、前記高低傾斜センサ24により検出されるズレδVは前記托架部3に対する前記鉛直回転軸17に関するズレであり、やはり、前記托架部3の姿勢に拘らず、前記測量機本体1に対する相対的な回転ガタ、光軸のブレを正確に検出し、又測定結果を高精度で補正することができる。又、水平方向角の回転軸のズレを考慮して、高低角を得ることが可能となるので、鉛直方向の回転軸の倒れを考慮したより精密な測定が可能となる。又、水平角、高低角が補正できるので、測距、測角の結果求められる測定点の3次元座標の補正も可能となる。
図8、図9は第2の実施の形態を示しており、第2の実施の形態では反射鏡部29をそれぞれ、前記水平回転軸7、前記鉛直回転軸17の回転中心に設けたものである。
前記反射鏡部29を回転中心に設け、前記水平傾斜センサ15、前記高低傾斜センサ24の検出光射出光軸31を回転軸心に合致させたものである。前記検出光射出光軸31を回転軸心に合致させることで、前記反射鏡部29のうねりの影響は受けず、反射面の傾きと回転ガタによるズレ量をプロファイルセンサでの測定から読取ることができる。1周の周期を有する反射面の傾きによる誤差を取除くことで、回転ガタによるズレ量を推定し、補正することができる。
図10、図11は第3の実施の形態を示すものであり、水平角エンコーダ板9、高低角エンコーダ板23とは別にリング状の反射鏡部29を設けたものであり、該反射鏡部29を前記水平角エンコーダ板9、前記高低角エンコーダ板23と別体とすることで、前記反射鏡部29の板厚を厚くすることができ、反射面のうねりを小さくすることができる。
尚、上記実施の形態では、回動部に反射鏡部を設け、支持部に傾斜センサを設けたが、回動部に傾斜センサを設け、支持部に反射鏡部を設けてもよいことは言う迄もない。
本発明の実施の形態を示す断面図である。 該実施の形態に用いられる水平角エンコーダ板、高低角エンコーダ板の平面図である。 該実施の形態に用いられる水平傾斜センサ、高低傾斜センサの構成図である。 該実施の形態に用いられるプロファイルセンサ、該プロファイルセンサに投影されたパターンとの関係を示す説明図である。 該実施の形態の制御ブロック図である。 (A)(B)は前記水平傾斜センサ、前記高低傾斜センサで検出される鏡面むらによる回転角とズレδとの関係を示す説明図であり、(A)は鏡面むらのない場合、(B)は鏡面むらがある場合を示している。 前記水平傾斜センサ、前記高低傾斜センサからの信号から、鏡面むらに起因するズレδを除去し、得られた回転軸のガタを示す説明図である。 第2の実施の形態に於ける水平傾斜センサを示す部分図である。 第2の実施の形態に於ける高低傾斜センサを示す部分図である。 第3の実施の形態に於ける水平傾斜センサを示す部分図である。 第3の実施の形態に於ける高低傾斜センサを示す部分図である。
符号の説明
1 測量機本体
2 整準部
3 托架部
4 鏡筒部
7 水平回転軸
9 水平角エンコーダ板
13 水平角エンコーダ
15 水平傾斜センサ
17 鉛直回転軸
19 高低角エンコーダ
23 高低角エンコーダ板
24 高低傾斜センサ
26 制御部
29 反射鏡部
31 検出光射出光軸
31′ 偏向射出光軸
38 プロファイルセンサ
41 演算部
42 記憶部
48 データ格納部
49 プログラム格納部

Claims (9)

  1. 回転自在な回動部と、該回動部を支持する支持部と、該支持部と前記回動部のいずれか一方に設けられた反射鏡部と、前記支持部と前記回動部のいずれか他方に設けられ、検出光を射出し、前記反射鏡部で反射された前記検出光を受光して前記支持部に対する前記反射鏡部の反射面の相対的な傾斜を検出する傾斜センサと、該傾斜センサからの信号に基づき前記回動部の回転ブレを演算する制御部とを具備することを特徴とする測量機。
  2. 前記制御部は予め測定した前記反射鏡部の前記反射面のうねりのデータが格納された記憶部を有し、前記制御部は前記傾斜センサからの信号より前記反射面のうねりを除去して前記回動部の回転ブレを演算する請求項1の測量機。
  3. 前記回動部と支持部間の相対回転角を検出するエンコーダが設けられ、前記制御部は、演算で得られた前記回転ブレに基づき前記エンコーダで測定された角度を補正する請求項1又は請求項2の測量機。
  4. 前記回動部は、鉛直軸と該鉛直軸を中心に回転する水平回動部と、水平軸と該水平軸を中心に回転する鉛直回動部とを具備し、前記傾斜センサは、前記水平回動部の回転ブレを検出する水平傾斜センサと前記鉛直回動部の回転ブレを検出する鉛直傾斜センサから構成された請求項1又は請求項2又は請求項3の測量機。
  5. 前記回動部は、測距部を収納する鏡筒部であり、前記制御部は、演算で得られた前記回転ブレと前記測距部で測距した測距値に基づき水平距離と垂直距離の少なくとも1つを補正する演算を行う請求項1又は請求項2の測量機。
  6. 前記反射鏡部は、前記回動部の回転中心線上に設けられた請求項1又は請求項2の測量機。
  7. 前記反射鏡部はリング状に形成され、前記回動部の回転中心線と同心に設けられた請求項1又は請求項2の測量機。
  8. 前記反射鏡部は、エンコーダのエンコーダ板にリング状に形成された請求項1又は請求項2の測量機。
  9. 回転自在な回動部と、該回動部に収納された測距部と、前記回動部の角度を検出する角度検出器と、前記回動部を支持する支持部と、該支持部と前記回動部のいずれか一方に設けられた反射鏡部と、前記支持部と前記回動部のいずれか他方に設けられ、検出光を射出し、前記反射鏡部で反射された前記検出光を受光して前記支持部に対する前記反射鏡部の反射面の相対的な傾斜を検出する傾斜センサとを具備する測量機に於いて、前記反射鏡部単体で前記反射面のうねりを測定する工程と、前記傾斜センサを前記支持部に取付けた状態で前記反射鏡部の前記反射面の傾斜を検出する工程と、該反射面の傾斜から該反射面のうねりを除去して回転ブレを演算する工程と、前記うねりと前記回転ブレに基づき測定された前記回動部の回転角、或は更に該回転角の値と前記測距部で得られた測距結果から演算される3次元座標の少なくとも一方を補正することを特徴とする測量補正方法。
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