JP2009156587A - 糖タンパク質糖鎖の分析方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 試料中の糖タンパク質の糖鎖の分析方法であって、(a)糖タンパク質が保持された固相を得る工程、(b)前記固相を糖鎖遊離手段で処理する工程、(c)遊離した糖鎖を前記固相から溶出させて糖鎖を含む溶液を得る工程、(d)前記糖鎖を含む溶液を糖鎖と特異的に結合する捕捉担体に接触させて前記捕捉担体上に糖鎖を捕捉する工程、(e)上記捕捉担体に結合しなかった糖鎖以外の物質を除去する工程、(f)捕捉担体に結合した糖鎖を再遊離し、精製された糖鎖試料を得る工程、(g)糖鎖を分析する工程、を含む糖タンパク質糖鎖の分析方法。
【選択図】 図2
Description
糖鎖は、非常に多様性に富んでおり、天然に存在する生物が有する様々な機能に関与する物質である。糖鎖は生体内でタンパク質や脂質などに結合した複合糖質として存在することが多く、生体内の重要な構成成分の一つである。生体内の糖鎖は細胞間情報伝達、タンパク質の機能や相互作用の調整などに深く関わっていることが明らかになりつつある。
(1) 試料中の糖タンパク質の糖鎖の分析方法であって、
(a)糖タンパク質が保持された固相を得る工程、
(b)前記固相を糖鎖遊離手段で処理する工程、
(c)遊離した糖鎖を前記固相から溶出させて糖鎖を含む溶液を得る工程、
(d)前記糖鎖を含む溶液を糖鎖と特異的に結合する捕捉担体に接触させて前記捕捉担体上に糖鎖を捕捉する工程、
(e)上記捕捉担体に結合しなかった糖鎖以外の物質を除去する工程、
(f)捕捉担体に結合した糖鎖を再遊離し、精製された糖鎖試料を得る工程、
(g)糖鎖を分析する工程、
を含むことを特徴とする、糖タンパク質糖鎖の分析方法。
(2) 前記糖タンパク質が保持された固相を得る工程が
(a−1)試料を一次元又は二次元ゲル電気泳動により糖タンパク質を分画する工程、
(a−2)電気泳動後のゲルをタンパク質染色手段により染色する工程、
(a−3)染色された部分であるタンパク質が保持された部分を切り出し、細片を得る工程、
を含む(1)記載の糖タンパク質糖鎖の分析方法。
(3)前記糖タンパク質が保持された固相を得る工程が
(a−1)試料を一次元又は二次元ゲル電気泳動により糖タンパク質を分画する工程、
(a−4)電気泳動後のゲルをメンブレンに接触させ、タンパク質をメンブレンに転写する工程、
(a−5)メンブレンのタンパク質が保持された部分を切り出す工程、
を含む(1)記載の糖タンパク質糖鎖の分析方法。
(4) 前記糖鎖遊離手段がグリコシダーゼによる処理である(1)〜(3)いずれか記載の糖タンパク質糖鎖の分析方法。
(5)前記糖鎖遊離手段がトリプシン又はキモトリプシンであるプロテアーゼによる処理と、それに引き続いて行うグリコシダーゼによる処理である(1)〜(3)いずれか記載の糖タンパク質糖鎖の分析方法。
(6) 前記糖鎖遊離手段がヒドラジン分解又はアルカリ処理による糖鎖のβ脱離である(1)〜(3)いずれか記載の糖タンパク質糖鎖の分析方法。
(7) 前記糖鎖と特異的に結合する捕捉担体が、ヒドラジド基を含有するポリマー粒子である(1)〜(6)いずれか記載の糖タンパク質糖鎖の分析方法。
(8) 前記糖鎖と特異的に結合する捕捉担体が、式(1)の構造を有する架橋ポリマー粒子である(1)〜(7)いずれか記載の糖タンパク質糖鎖の分析方法。
(10)前記ラベル化試薬が、下記のヒドラジド基を含む物質またはアミノオキシ基を含む物質からなる群から選ばれる少なくと1つの物質、または、その塩である(9)記載の糖タンパク質糖鎖の分析方法。
(ヒドラジド基を含む物質) 5-Dimethylaminonaphthalene-1-sulfonyl hydrazine (Dansylhydrazine);2-hydrazinopyridine; 9-fluorenylmethyl carbazate (Fmoc hydrazine);benzylhydrazine; 4,4-difluoro-5,7-dimethyl-4-bora-3a,4a-diaza-s-indacene-3-propionoc acid, hydrazide; 2-(6,8-difluoro-7-hydroxy-4-methylcoumarin)acetohydrazide; 7-diethylaminocoumarin-3-carboxylic acid; hydrazide (DCCH);phenylhydrazine; 1-Naphthaleneacethydrazide; 2-hydrazinobenzoic acid; phenylacetic hydrazide; biotin hydrazide.
(アミノオキシ基を含む物質) O-benzylhydroxylamine; O-phenylhydroxylamine;O-(2,3,4,5,6-pentafluorobenzyl)hydroxylamine; O-(4-nitrobenzyl)hydroxylamine; 2-aminooxypyridine; 2-aminooxymethylpyridine; 4-[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid methyl ester; 4-[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid ethyl ester; 4-[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid n-butyl ester; aminooxy-biotin.
(11)ラベル化試薬がアルギニン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、チロシン残基、システイン残基およびこれら誘導体の少なくとも一つからなる部分を含む、(9)記載の糖タンパク質糖鎖の分析方法。
(12)前記ラベル化試薬が式(2)で表される構造を有する化合物である(9)記載の糖タンパク質糖鎖の分析方法。
本発明において使用する糖鎖を含む試料は、例えば全血、血清、血漿、尿、唾液、細胞、組織などの生体試料を用いることができる。また、精製された、あるいは未精製の糖タンパク質を用いることができる。試料は脱脂、脱塩、タンパク質分画などの方法により前処理されていてもよい。
(電気泳動およびブロッティング)
試料を例えばSDS-PAGE(SDS変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動)や、等電点電気泳動とSDS-PAGEを組み合わせた二次元電気泳動によって分離する。泳動後のゲルを例えばクーマシーブリリアントブルーなどの染色剤を用いて染色したのち、ニトロセルロース、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)などのメンブレンに転写してもよい。転写は一般的なブロッティング装置を用いて行うことができる。染色はメンブレンへの転写の後に行ってもよい。
電気泳動ゲルから糖鎖を回収する方法について記述する。電気泳動後のゲルを染色してタンパク質のバンドを確認し、バンド部分を刃物等を用いて切り出す。これを刃物等で細片化し、染色剤を洗浄除去したのち、ゲル内に保持されている糖タンパク質から糖鎖を遊離させる。糖鎖を遊離させる手段としては、N-グリコシダーゼあるいはO-グリコシダーゼを用いたグリコシダーゼ処理、ヒドラジン分解、アルカリ処理によるβ脱離などの方法を用いることができる。N型糖鎖の分析を行う場合は、N-グリコシダーゼを用いる方法が好ましい。グリコシダーゼ処理に先立って、トリプシンやキモトリプシンなどを用いてプロテアーゼ処理を行ってもよい。糖鎖遊離処理後、ゲルを水、緩衝液、有機溶媒などを用いてリンスすることにより、遊離された糖鎖をゲルから溶出させる。この上清を回収し、必要に応じて濃縮することで糖鎖を含む混合物を得ることができる。
電気泳動ゲルを転写したメンブレンから糖鎖を回収する方法について記述する。電気泳動ゲルからメンブレンに転写した後、必要に応じてメンブレンを染色する。染色にはクーマシーブリリアントブルーに代表される染色剤、あるいは銀染色を用いることが好ましい。染色された部分を刃物等で切り出す。メンブレン断片に保持されている糖タンパク質から糖鎖を遊離させる。糖鎖を遊離させる手段としては、N-グリコシダーゼあるいはO-グリコシダーゼを用いたグリコシダーゼ処理、ヒドラジン分解、アルカリ処理によるβ脱離などの方法を用いることができる。N型糖鎖の分析を行う場合は、N-グリコシダーゼを用いる方法が好ましい。グリコシダーゼ処理に先立って、トリプシンやキモトリプシンなどを用いてプロテアーゼ処理を行ってもよい。糖鎖遊離処理後、メンブレン断片を水、緩衝液、有機溶媒などを用いてリンスすることにより、遊離された糖鎖をメンブレンから溶出させる。この上清を回収し、必要に応じて濃縮することで糖鎖を含む混合物を得ることができる。
ポリマー粒子に結合した糖鎖を別の化合物(以下化合物Aと称す)に置換する工程に関して説明する。化合物Aはラベル化試薬であることが好ましい。糖鎖が結合しているポリマー粒子に対して化合物Aを過剰量加えることで置換が成される。すなわち、糖鎖はポリマー粒子から切り離され、それと同時に糖鎖に化合物Aが付加する(糖鎖はAで「ラベル化」される)。過剰に加える化合物Aの量は、好ましくはポリマー粒子が有する糖鎖と特異的に反応する官能基量の1.5倍量以上、より好ましくは3倍量以上、さらに好ましくは5倍量以上であり、最も好ましくは10倍量以上である。反応系のpHは、好ましくは2〜9、より好ましくは2〜7であり、さらに好ましくは2〜6である。pH調整のためには、各種緩衝液を用いることができる。反応系の温度は,好ましくは4〜90℃,より好ましくは4〜70℃、さらに好ましくは30〜80℃であり,最も好ましくは40〜80℃である。化合物Aとしては、アミノオキシ基またはヒドラジド基を有する化合物が好ましく、最も好ましい化合物はN-aminooxyacetyl-tryptophanyl(arginine methyl ester:化学式(2)でRがメチル基の化合物) である。
糖タンパク質の一種であるフェツイン(ウシ血清由来、Sigma-Aldrich製)を用いて実験を行った。フェツインを40μg/mLの濃度でリン酸緩衝液に溶解した。フェツイン溶液80μLとサンプル調製溶液(アトー(株)製EzApply、DTTとSDSを含む溶液)80μLを混合し、沸騰水浴で2分間処理することにより変性した後、SDS-PAGE用プレキャストゲル(アトー(株)製 c-PAGEL、ゲル濃度勾配5-20%)用いて電気泳動を行った。泳動に供するフェツインの量は、100、10、5、1、0.1μgとした。泳動終了後、ゲルを取り出し、クーマシーブリリアントブルーでタンパク質バンドを染色した。図1にクーマシーブリリアントブルー染色後のSDS-PAGEゲルの写真を示す。SDS-PAGEのゲル中にフェツインが保持されたことを確認した。
ゲルをPVDFメンブレンと重ねあわせ、緩衝液中で電圧を印加することで、ゲル内のタンパク質をメンブレン上に転写した。図2に転写後のPVDFメンブレンの写真を示す。ゲル中のフェツインがPVDFメンブレンに転写されたことを確認した。
メンブレンの、フェツインが転写された部分(クーマシーブリリアントブルーの染色で確認)をカッターナイフで切り出し、約2mm角の細片にしてチューブに入れた。これに重炭酸アンモニウム緩衝液(pH7.5)90μLを加え、さらに別途調製したトリプシン溶液(5μL、酵素量400unit)を加え、37℃で1時間処理することでフェツインをペプチド断片化した。80℃で20分間処理してトリプシンを失活させたのち、N-グリコシダーゼF(ロシュ・ダイアグノスティクス製)(5μL、酵素量5unit)を加え、37℃で一晩静置することにより、フェツインからN型糖鎖を遊離させた。溶液とメンブレン細片を分離し、溶液を回収し、減圧乾燥したのち20μLの純水に再溶解した。
糖鎖捕捉担体を用いて糖鎖の精製およびラベル化を行った。糖鎖捕捉担体は式(1)の構造式を有するポリマー粒子(住友ベークライト株式会社製BlotGlyco BS-X4104S)を用いた。ポリマー粒子約5mgを反応容器に取った。反応容器としてフィルタープレート(Millipore社製 MultiScreen Solvinert Filter Plate)を用いた。ポリマー粒子の入ったフィルタープレートのウェルに、上記で回収したフェツインN型糖鎖溶液20μLを加え、さらに2%酢酸/アセトニトリル溶液180μLを加えた。これを80℃で1時間加熱し、溶媒を完全に蒸発させた。乾燥したポリマー粒子を2Mグアニジン塩酸塩水溶液、純水、メタノール、1%トリエチルアミン/メタノール溶液、メタノールで順次洗浄することで糖鎖以外の莢雑物を除去した。ポリマー粒子上の未反応のヒドラジド基をブロッキングするため、10%無水酢酸/メタノール溶液100μLを加え、室温で30分間静置した。その後、ポリマー粒子をメタノール、10mM塩酸、純水、メタノール、1,4-ジオキサンで順次洗浄した。次に、酸性糖鎖のシアル酸のメチルエステル化を行った。1-メチル-3-p-トリルトリアゼン(東京化成)を100mMの濃度で1,4-ジオキサンに溶解し、100μLをブロッキング操作後のポリマー粒子に加え、60℃で1時間処理した。その後、ポリマー粒子をメタノール、純水、ジオキサン、純水で順次洗浄した。
次いで、ポリマー粒子に固定化された糖鎖に対して過剰量のアミノオキシ基含有化合物を加え、交換反応で糖鎖を複合体(ラベル化体)として回収するため以下の操作を行なった。N-aminooxyacetyl-tryptophanyl(arginine methyl ester) (aoWRと略す) を20mMの濃度で純水に溶解した。この溶液20μLを上記ポリマー粒子に加え、さらに2%酢酸/アセトニトリル溶液180μLを加えた。これを80℃で1時間加熱(溶媒は完全に蒸発)することにより、固定化された糖鎖をポリマー粒子から切り離すと同時に、糖鎖の還元末端にaoWRを導入した。乾燥したポリマー粒子に純水50μLを加えて撹拌することで糖鎖-aoWR複合体(ラベル化糖鎖)を液中に溶出させ、これを回収した。
この溶液には未反応のaoWRが含まれているため、これを除去するために固相抽出を行った。固相抽出にはWaters社製「MassPREPTM HILIC μElution Plate」を用いた。回収した糖鎖-aoWR複合体溶液50μLにアセトニトリル950μLを加え、これを上記固相抽出プレートに添加した。溶液を固相抽出プレートのカラム部を通過させることにより糖鎖-aoWR複合体のみをカラム部に吸着させたのち、アセトニトリルで洗浄することにより未反応aoWRを洗い流した。カラム部に50μLの純水を通過させることにより、吸着していた糖鎖-aoWR複合体を溶出させ、これを回収し、濃縮した。
回収した糖鎖の1/5量をマトリックスと混合し、MALDI-TOF MS測定を行った。MALDIマトリックスの一種である2,5-dihydroxybenzoic acid を10mg/mL の濃度でアセトニトリル/水混合溶媒(3:7, v/v)に溶解した。このマトリックス溶液1μLを容器に取り、これに糖鎖-aoWR複合体溶液を1μL加え、混合した。これをMALDI-TOF MSのターゲット(試料台)に1μLスポットし、風乾させて結晶を作製した。これをMALDI-TOF MS(Bruker Daltonics社製 Autoflex III TOF/TOF)を用いて質量分析測定を行った。測定はポジティブイオン検出モード、リフレクトロンモードで行い、全てのイオンはプロトン付加体[M+H]+ として観測した。得られたデータを解析ソフト(Bruker Daltonics社製 FlexAnalysis)を用いて解析した。図3にMALDI-TOF MSチャートを示す。フェツイン5μgからスタートした場合において、糖鎖由来の質量数ピークが明確に観測された。フェツイン1μgからスタートした場合でも、存在比の高い糖鎖由来のピークが観測された。それぞれのピーク(図中、(a)〜(d)で表示)の質量数は、下記の組成をもつ糖鎖(aoWRとの複合体)に由来することが分かった。フェツインはシアル酸含有N型糖鎖をもつことが知られており、本特許における結果はそれとよく一致した。
(a) (Hex)2 (HexNAc)2 (NeuAc)2 + (Man)3(GlcNAc)2
(b) (Hex)3 (HexNAc)3 (NeuAc)2 + (Man)3(GlcNAc)2
(c) (Hex)3 (HexNAc)3 (NeuAc)3 + (Man)3(GlcNAc)2
(d) (Hex)3 (HexNAc)3 (NeuAc)4 + (Man)3(GlcNAc)2
(略称はそれぞれ、Hex: ヘキソサミン、HexNAc: N-アセチルヘキソサミン、NeuAc: ノイラミン酸(シアル酸)、Man: 万ノース、GlcNAc: N-アセチルグルコサミンを示す。)
Claims (12)
- 試料中の糖タンパク質の糖鎖の分析方法であって、
(a)糖タンパク質が保持された固相を得る工程、
(b)前記固相を糖鎖遊離手段で処理する工程、
(c)遊離した糖鎖を前記固相から溶出させて糖鎖を含む溶液を得る工程、
(d)前記糖鎖を含む溶液を糖鎖と特異的に結合する捕捉担体に接触させて前記捕捉担体上に糖鎖を捕捉する工程、
(e)上記捕捉担体に結合しなかった糖鎖以外の物質を除去する工程、
(f)捕捉担体に結合した糖鎖を再遊離し、精製された糖鎖試料を得る工程、
(g)糖鎖を分析する工程、
を含むことを特徴とする、糖タンパク質糖鎖の分析方法。 - 前記糖タンパク質が保持された固相を得る工程が
(a−1)試料を一次元又は二次元ゲル電気泳動により糖タンパク質を分画する工程、
(a−2)電気泳動後のゲルをタンパク質染色手段により染色する工程、
(a−3)染色された部分であるタンパク質が保持された部分を切り出し、細片を得る工程、
を含む請求項1記載の糖タンパク質糖鎖の分析方法。 - 前記糖タンパク質が保持された固相を得る工程が
(a−1)試料を一次元又は二次元ゲル電気泳動により糖タンパク質を分画する工程、
(a−4)電気泳動後のゲルをメンブレンに接触させ、タンパク質をメンブレンに転写する工程、
(a−5)メンブレンのタンパク質が保持された部分を切り出す工程、
を含む請求項1記載の糖タンパク質糖鎖の分析方法。 - 前記糖鎖遊離手段がグリコシダーゼによる処理である請求項1〜3いずれか記載の糖タンパク質糖鎖の分析方法。
- 前記糖鎖遊離手段がトリプシン又はキモトリプシンであるプロテアーゼによる処理と、それに引き続いて行うグリコシダーゼによる処理である請求項1〜3いずれか記載の糖タンパク質糖鎖の分析方法。
- 前記糖鎖遊離手段がヒドラジン分解又はアルカリ処理による糖鎖のβ脱離である請求項1〜3いずれか記載の糖タンパク質糖鎖の分析方法。
- 前記糖鎖と特異的に結合する捕捉担体が、ヒドラジド基を含有するポリマー粒子である請求項1〜6いずれか記載の糖タンパク質糖鎖の分析方法。
- 捕捉担体に捕捉された糖鎖の再遊離が、ラベル化試薬との交換反応である請求項1〜8いずれか記載の糖タンパク質糖鎖の分析方法。
- 前記ラベル化試薬が、下記のヒドラジド基を含む物質またはアミノオキシ基を含む物質からなる群から選ばれる少なくと1つの物質、または、その塩である、請求項9記載の糖タンパク質糖鎖の分析方法。
(ヒドラジド基を含む物質) 5-Dimethylaminonaphthalene-1-sulfonyl hydrazine (Dansylhydrazine);2-hydrazinopyridine; 9-fluorenylmethyl carbazate (Fmoc hydrazine);benzylhydrazine; 4,4-difluoro-5,7-dimethyl-4-bora-3a,4a-diaza-s-indacene-3-propionoc acid, hydrazide; 2-(6,8-difluoro-7-hydroxy-4-methylcoumarin)acetohydrazide; 7-diethylaminocoumarin-3-carboxylic acid; hydrazide (DCCH);phenylhydrazine; 1-Naphthaleneacethydrazide; 2-hydrazinobenzoic acid; phenylacetic hydrazide; biotin hydrazide.
(アミノオキシ基を含む物質) O-benzylhydroxylamine; O-phenylhydroxylamine;O-(2,3,4,5,6-pentafluorobenzyl)hydroxylamine; O-(4-nitrobenzyl)hydroxylamine; 2-aminooxypyridine; 2-aminooxymethylpyridine; 4-[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid methyl ester; 4-[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid ethyl ester; 4-[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid n-butyl ester; aminooxy-biotin. - ラベル化試薬がアルギニン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、チロシン残基、システイン残基およびこれら誘導体の少なくとも一つからなる部分を含む、請求項9記載の糖タンパク質糖鎖の分析方法。
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