JP2010148442A - 硫酸化糖鎖を有する糖ペプチドを濃縮する方法及びそのためのキット - Google Patents
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Abstract
【課題】 硫酸化糖鎖を有するペプチドの選択的な濃縮方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも、(1)生体試料をタンパク質分解酵素で処理して得られるペプチド混合物を弱酸性の液に溶解した溶液に、カルボジイミドと求核剤を添加して、ペプチド混合物に含まれるカルボキシル基をアミド化する工程、(2)アミド化されたペプチド混合物からなる群を含む溶液から、過剰の反応試薬を除去する工程、及び(3)試薬を除去したペプチド混合物からなる群を含む溶液から、イオン交換クロマトグラフィーによって硫酸化糖鎖を有する糖ペプチドを濃縮する工程を備えることにより、硫酸化糖鎖を有する糖ペプチドの濃縮を可能とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 少なくとも、(1)生体試料をタンパク質分解酵素で処理して得られるペプチド混合物を弱酸性の液に溶解した溶液に、カルボジイミドと求核剤を添加して、ペプチド混合物に含まれるカルボキシル基をアミド化する工程、(2)アミド化されたペプチド混合物からなる群を含む溶液から、過剰の反応試薬を除去する工程、及び(3)試薬を除去したペプチド混合物からなる群を含む溶液から、イオン交換クロマトグラフィーによって硫酸化糖鎖を有する糖ペプチドを濃縮する工程を備えることにより、硫酸化糖鎖を有する糖ペプチドの濃縮を可能とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、硫酸化糖鎖を有するペプチドを濃縮する方法及びそのためのキットに関する。
硫酸化糖鎖を有するタンパク質は、癌などの疾患との関連が示唆され新たな診断マーカーとしての可能性が注目されている。しかし、血清や組織抽出物など複雑な混合物から微量な硫酸化糖鎖を有するタンパク質やその分解物などを濃縮、検出することは極めて難しい。硫酸化糖鎖を特異的に認識するレクチンなどがあれば、それを用いた濃縮法やレクチンブロットなどの検出も可能となるが、そのようなレクチンは発見されていない。したがって、レクチンを用いて硫酸化糖鎖を持つタンパク質やペプチドを特異的に濃縮することは事実上不可能である。
硫酸化糖タンパク質の硫酸基に由来する強い負電荷は、硫酸化糖タンパク質の一つの特徴である。この特徴に着目した濃縮を行う場合には、硫酸化糖タンパク質をタンパク質分解酵素などによりペプチドに分解することで、分子内の電荷全体に対する硫酸基の負電荷の比率を高くしておくことが好ましいと考えられる。
タンパク質由来のペプチドのうち負電荷を特徴とするものには、硫酸化糖ペプチドのほか、シアロ糖ペプチド、リン酸化ペプチド及び硫酸化ペプチドがある。従来、シアロ糖ペプチド、リン酸化ペプチド及び硫酸化ペプチドについては、この特徴を利用し、等電点電気泳動やイオン交換クロマトグラフィーを用いた選択的濃縮法が提案されている。たとえば、シアロ糖ペプチドの選択的濃縮について、イオン交換クロマトグラフィーによる分離が報告されている(非特許文献1)。また、硫酸化ペプチドに関しては、トリプシンとカルボキシペプチダーゼBを用いて強い正電荷を有するアミノ酸(リジン、アルギニン)をペプチドから除去することにより、分子全体の中におけるチロシン硫酸化ペプチドの負電荷を強調し、イオン交換クロマトグラフィーでチロシン硫酸化ペプチドのみを選択的に濃縮する方法が報告されている(非特許文献2)。また、ペプチドには酸性アミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸)が含まれる場合があり、これらのカルボキシル基もペプチド分子に負電荷を与える。この点に着目した例として、リン酸化ペプチドを含むペプチド混合物のカルボキシル基を塩酸-メタノール法を用いてメチルエステルとすることでカルボキシル基の負電荷を消去し、負電荷をリン酸基のみに局在させた後、等電点電気泳動によりリン酸化ペプチドを選択的に濃縮する方法が報告されている(非特許文献3)。
タンパク質由来のペプチドのうち負電荷を特徴とするものには、硫酸化糖ペプチドのほか、シアロ糖ペプチド、リン酸化ペプチド及び硫酸化ペプチドがある。従来、シアロ糖ペプチド、リン酸化ペプチド及び硫酸化ペプチドについては、この特徴を利用し、等電点電気泳動やイオン交換クロマトグラフィーを用いた選択的濃縮法が提案されている。たとえば、シアロ糖ペプチドの選択的濃縮について、イオン交換クロマトグラフィーによる分離が報告されている(非特許文献1)。また、硫酸化ペプチドに関しては、トリプシンとカルボキシペプチダーゼBを用いて強い正電荷を有するアミノ酸(リジン、アルギニン)をペプチドから除去することにより、分子全体の中におけるチロシン硫酸化ペプチドの負電荷を強調し、イオン交換クロマトグラフィーでチロシン硫酸化ペプチドのみを選択的に濃縮する方法が報告されている(非特許文献2)。また、ペプチドには酸性アミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸)が含まれる場合があり、これらのカルボキシル基もペプチド分子に負電荷を与える。この点に着目した例として、リン酸化ペプチドを含むペプチド混合物のカルボキシル基を塩酸-メタノール法を用いてメチルエステルとすることでカルボキシル基の負電荷を消去し、負電荷をリン酸基のみに局在させた後、等電点電気泳動によりリン酸化ペプチドを選択的に濃縮する方法が報告されている(非特許文献3)。
また、電荷の違い以外の原理に基づく濃縮法としては、金属イオン、金属酸化物に対するリン酸、シアル酸の親和性を利用した方法が報告されている。シアロ糖ペプチドの選択的濃縮について、酸化チタンを用いた選択的濃縮が報告されており(非特許文献4)、リン酸化ペプチドの選択的濃縮については、固定化金属イオンによる濃縮法(非特許文献5)がある。しかしながら、硫酸基に特異的に相互作用し、濃縮操作に利用できる金属イオンや金属酸化物は知られていない。
以上のように、硫酸化糖ペプチドを選択的に濃縮する方法は提案されていない。
以上のように、硫酸化糖ペプチドを選択的に濃縮する方法は提案されていない。
U. Lewandrowski et.al. Mol. Cell Proteomics,6, p1933-1941, 2007
Y. Amano et al. Anal. Biochem., 346, p124-131,2005
C. F. Xu et al. Anal Chem., 79,p2007-2014, 2007
M. R. Larsen et al., Mol.Cell Proteomics, 6, p1778-1787, 2007
S. R. Schmidt et al., J. Chromatogr. B., 849, p154-162, 2007
S. Sekiya et al. Anal Chem., 76, p5894-5902, 2004
Y. Wada et al. Anal Chem., 76, p6560-6565, 2004
特開平11−209389号公報
硫酸化糖ペプチドは、前述のとおり糖鎖部分に硫酸由来の強い負電荷を有するものであるが、糖鎖部分にはシアル酸、ペプチド部分にはグルタミン酸、アスパラギン酸のカルボキシル基に由来する負電荷が存在し、またリジンやアルギニンのような正電荷を有するアミノ酸も含まれる。このため硫酸化糖ペプチドおよびペプチドの電荷は、ペプチドのアミノ酸組成によって左右され、そのままでは等電点電気泳動やイオン交換クロマトグラフィーにより硫酸化糖ペプチドを選択的に濃縮することはできない。
従って、硫酸化糖ペプチドを電荷の違いに基づいて選択的に濃縮するためには、非特許文献2に記載されているように、トリプシンとカルボキシペプチダーゼBを用いて強い正電荷を有するアミノ酸(リジン、アルギニン)をペプチドから除去することにより、分子全体として硫酸化糖ペプチドの負電荷を際立たせることが有用であると考えられる。その上で、非特許文献3に記載されたように、酸性アミノ酸のカルボキシル基を化学修飾することにより、カルボキシル基に由来する負電荷を消去することが有用であると考えられる。
従って、硫酸化糖ペプチドを電荷の違いに基づいて選択的に濃縮するためには、非特許文献2に記載されているように、トリプシンとカルボキシペプチダーゼBを用いて強い正電荷を有するアミノ酸(リジン、アルギニン)をペプチドから除去することにより、分子全体として硫酸化糖ペプチドの負電荷を際立たせることが有用であると考えられる。その上で、非特許文献3に記載されたように、酸性アミノ酸のカルボキシル基を化学修飾することにより、カルボキシル基に由来する負電荷を消去することが有用であると考えられる。
しかし、該文献に記載された塩酸−メタノール法での修飾は、糖鎖が酸加水分解されるため用いることができない。ペプチドのカルボキシル基を修飾する方法として、塩化アンモニウムによるアミド化によって消去する方法も報告されているが(非特許文献6)、すべてのカルボキシル基を完全にアミド化することは難しく、硫酸化糖ペプチドを濃縮する目的には利用できない。
本発明は、このような硫酸化糖ペプチドの化学修飾における課題を解決し、硫酸化糖鎖を有するペプチドの選択的な濃縮方法の提供を目的とするものである。
本発明は、このような硫酸化糖ペプチドの化学修飾における課題を解決し、硫酸化糖鎖を有するペプチドの選択的な濃縮方法の提供を目的とするものである。
本発明者らは、これまでにシアロ糖鎖の化学修飾についての研究のなかで、カルボキシル基の有効な修飾方法を見いだし、出願している(特願2007−339887)。
本発明者らは、これらの知見に基づいて更に検討を重ねた結果、ペプチドおよび糖ペプチドのカルボキシル基をヒドラジドによってアミド化することにより、硫酸基の負電荷に基づく硫酸化糖ペプチドの選択的濃縮が可能となることを見いだし、本発明の完成に至ったものである。
本発明者らは、これらの知見に基づいて更に検討を重ねた結果、ペプチドおよび糖ペプチドのカルボキシル基をヒドラジドによってアミド化することにより、硫酸基の負電荷に基づく硫酸化糖ペプチドの選択的濃縮が可能となることを見いだし、本発明の完成に至ったものである。
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
[1]生体試料をタンパク質分解酵素で処理して得られるペプチド混合物を弱酸性の液に溶解した溶液に、カルボジイミドと求核剤を添加して、ペプチド混合物に含まれるカルボキシル基をアミド化する工程、
アミド化されたペプチド混合物からなる群を含む溶液から、過剰の反応試薬を除去する工程、及び
試薬を除去したペプチド混合物からなる群を含む溶液から、イオン交換クロマトグラフィーによって硫酸化糖鎖を有する糖ペプチドを濃縮する工程、
を少なくとも備えることを特徴とする硫酸化糖鎖を有する糖ペプチドの濃縮方法。
[2]前記アミド化の工程を、pH3以下で行うことを特徴とする上記[1]の方法。
[3]前記求核剤としてヒドラジド基を有する化合物を用いることを特徴とする上記[1]又は[2]の方法。
[4]前記アミド化工程前に、試薬を含む溶液から糖ペプチドを分離する工程を有することを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかの方法。
[5]前記過剰の試薬を除去する工程に、アガロースまたはアガロース架橋体を用いることを特徴とする上記[4]の方法。
[6]前記アガロースまたはアガロース架橋体から糖ペプチドを溶出するために塩酸グアニンジン溶液を用いることを特徴とする上記[5]の方法。
[7]硫酸化糖鎖を有する糖タンパク質を含む生体試料から、硫酸化糖鎖を有する糖ペプチドを選択的に濃縮するためのキットであって、少なくとも、縮合剤としてのカルボジイミド、及び求核剤としてのヒドラジドを備えることを特徴とする硫酸化糖鎖を有する糖ペプチドの選択的濃縮用キット。
[1]生体試料をタンパク質分解酵素で処理して得られるペプチド混合物を弱酸性の液に溶解した溶液に、カルボジイミドと求核剤を添加して、ペプチド混合物に含まれるカルボキシル基をアミド化する工程、
アミド化されたペプチド混合物からなる群を含む溶液から、過剰の反応試薬を除去する工程、及び
試薬を除去したペプチド混合物からなる群を含む溶液から、イオン交換クロマトグラフィーによって硫酸化糖鎖を有する糖ペプチドを濃縮する工程、
を少なくとも備えることを特徴とする硫酸化糖鎖を有する糖ペプチドの濃縮方法。
[2]前記アミド化の工程を、pH3以下で行うことを特徴とする上記[1]の方法。
[3]前記求核剤としてヒドラジド基を有する化合物を用いることを特徴とする上記[1]又は[2]の方法。
[4]前記アミド化工程前に、試薬を含む溶液から糖ペプチドを分離する工程を有することを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかの方法。
[5]前記過剰の試薬を除去する工程に、アガロースまたはアガロース架橋体を用いることを特徴とする上記[4]の方法。
[6]前記アガロースまたはアガロース架橋体から糖ペプチドを溶出するために塩酸グアニンジン溶液を用いることを特徴とする上記[5]の方法。
[7]硫酸化糖鎖を有する糖タンパク質を含む生体試料から、硫酸化糖鎖を有する糖ペプチドを選択的に濃縮するためのキットであって、少なくとも、縮合剤としてのカルボジイミド、及び求核剤としてのヒドラジドを備えることを特徴とする硫酸化糖鎖を有する糖ペプチドの選択的濃縮用キット。
本発明の方法により硫酸化糖ペプチドを濃縮することで、従来、困難であった以下のことが可能となる。
1.生体試料からの硫酸化糖ペプチドの検出。
2.硫酸化糖鎖を有するタンパク質の同定。
そして、これらはいずれも疾患関連マーカーの探索に新たな手法を提供するものである。
1.生体試料からの硫酸化糖ペプチドの検出。
2.硫酸化糖鎖を有するタンパク質の同定。
そして、これらはいずれも疾患関連マーカーの探索に新たな手法を提供するものである。
以下、本発明の硫酸化糖ペプチドの選択的濃縮について説明する。
図1は、本発明の方法の概要を模式的に示すものであって、図中Sは、硫酸基を示すものである。
図1は、本発明の方法の概要を模式的に示すものであって、図中Sは、硫酸基を示すものである。
生体試料は、非特許文献2に記載されている方法に準じて、プロテアーゼ処理、カルボキシペプチダーゼB処理を行い、リジン、アルギニンを含まないペプチド混合物へと導き、さらに必要に応じて特許文献1、非特許文献7に記載されている方法を用いて糖ペプチドを濃縮し、これを出発物質とする。
最初の工程は、ペプチド・糖ペプチド混合物中のカルボキシル基を、ヒドラジドを用いてアミド化することにより、カルボキシル基に由来する負電荷を消滅させる工程である。カルボキシル基のアミド化法として非特許文献6では、求核剤としてアミノ基を有する化合物である塩化アンモニウムと混合し、縮合剤である4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2イル)−4−メチルモルホリニウムクロライドを添加する方法が採用されている。
しかしながら、従来の塩化アンモニウムによる方法ではすべてのカルボキシル基を完全にアミド化することは難しい。特に、修飾するペプチドがα2−3結合で結合したシアル酸を含有する糖ペプチドである場合は、極めて難しい。
しかしながら、従来の塩化アンモニウムによる方法ではすべてのカルボキシル基を完全にアミド化することは難しい。特に、修飾するペプチドがα2−3結合で結合したシアル酸を含有する糖ペプチドである場合は、極めて難しい。
本発明においては、ペプチドおよび糖ペプチドに含まれるすべてのカルボキシル基を完全に修飾するため、求核剤としてヒドラジド、縮合剤としてカルボジイミドを用いた縮合反応を行なうことを特徴としている。
本発明において、修飾するペプチド混合物には糖鎖が含まれている。糖鎖は親水性に富むため、修飾反応は水系で行うことがより好ましい。したがって、用いるカルボジイミドは、水溶性のカルボジイミド、特に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(以下、「EDAC」と記す。)を用いるのが好ましい。
また、本発明において、カルボキシル基のアミド化に用いられる求核剤としては、ヒドラジド基を有する化合物が用いられる。該ヒドラジド基を有する化合物としては、好ましくは、アセトヒドラジドが用いられる。求核剤として用いる化合物がかさ高くなると、縮合反応における収率が低下するため好ましくない。よって、小さなヒドラジド体、特に、アセトヒドラジドを用いるのが好ましい。
本発明において、修飾するペプチド混合物には糖鎖が含まれている。糖鎖は親水性に富むため、修飾反応は水系で行うことがより好ましい。したがって、用いるカルボジイミドは、水溶性のカルボジイミド、特に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(以下、「EDAC」と記す。)を用いるのが好ましい。
また、本発明において、カルボキシル基のアミド化に用いられる求核剤としては、ヒドラジド基を有する化合物が用いられる。該ヒドラジド基を有する化合物としては、好ましくは、アセトヒドラジドが用いられる。求核剤として用いる化合物がかさ高くなると、縮合反応における収率が低下するため好ましくない。よって、小さなヒドラジド体、特に、アセトヒドラジドを用いるのが好ましい。
前記カルボジイミドを用いたアミド化は、通常、カルボジイミドそのものの反応性が高いpH3.5〜4.5付近で行われる。
しかし、生体試料中には、シアル酸を有するシアロ糖鎖を有するタンパク質が含まれている場合があり、この場合、シアル酸の結合位置によって、アミド化効率が異なり、反応性の低い結合位置の場合には、アミド化ができない場合がある。
すなわち、シアロ糖鎖を有するペプチドの場合、前記のpH3.5〜4.5の条件では、α2−6結合で存在するシアル酸等の、反応性の低くないシアル酸の場合にはアミド化がおこなえるものの、α2−3結合で存在するシアル酸等の、反応性の低い結合位置の場合にはシアル酸のアミド化ができない。
本発明においては、求核剤を混合した後、pHを3以下に調節し、これに縮合剤であるカルボジイミドを添加することにより解決するものであり、これにより反応性の低い結合を有するシアル酸も完全にアミド化することができる。
本発明においては、縮合反応を、好ましくはpH2.5で行う。
しかし、生体試料中には、シアル酸を有するシアロ糖鎖を有するタンパク質が含まれている場合があり、この場合、シアル酸の結合位置によって、アミド化効率が異なり、反応性の低い結合位置の場合には、アミド化ができない場合がある。
すなわち、シアロ糖鎖を有するペプチドの場合、前記のpH3.5〜4.5の条件では、α2−6結合で存在するシアル酸等の、反応性の低くないシアル酸の場合にはアミド化がおこなえるものの、α2−3結合で存在するシアル酸等の、反応性の低い結合位置の場合にはシアル酸のアミド化ができない。
本発明においては、求核剤を混合した後、pHを3以下に調節し、これに縮合剤であるカルボジイミドを添加することにより解決するものであり、これにより反応性の低い結合を有するシアル酸も完全にアミド化することができる。
本発明においては、縮合反応を、好ましくはpH2.5で行う。
次の工程はアミド化反応試薬をペプチド・糖ペプチド混合物から除去する工程である。前記カルボキシル基のアミド化工程は、ペプチド・糖ペプチド混合物中に含まれるすべてのカルボキシル基を修飾するために過剰量の試薬を反応系内に添加する。過剰の試薬は、のちのイオン交換カラムでの分離に影響を与える。そのため、イオン交換カラムでの分離をする前に除去する必要がある。
試薬除去工程では、まずC18シリカゲルなどの逆相担体を用いた固相抽出法によって修飾ペプチドを回収することによって行う。濃縮される硫酸化糖ペプチドがそれ以外のペプチドに比して微量である場合は、さらに厳密な試薬除去が必要になる。このような場合、必要に応じて多糖担体からなるゲルまたは膜、あるいはホウ酸誘導体を用いて修飾されたペプチドを吸着させ、試薬と分離したのちに吸着していた修飾ペプチドを溶出させることが好ましい。吸着させる担体としては、より好ましくは、多糖担体からなるゲルまたは膜を用いる方法、もっとも好ましくは、アガロース架橋体ゲルを用いる方法が利用できる。アガロース架橋体ゲルを用いた場合、アミド化された糖ペプチドは、特許文献1、非特許文献7で提案されている糖ペプチド溶出条件である50%エタノールの条件ではゲルから十分に回収されない。溶出には50%エタノールで溶出したのち、水でさらに溶出、続いて、好ましくはカオトロピック試薬の水溶液、より好ましくは6Mの塩酸グアニジン溶液を用いることによって修飾ペプチドをゲルから完全に回収することができる。
ゲルから回収した修飾ペプチド混合物は、塩酸グアニジンを含む。塩酸グアニジンを除去するため、再度、C18シリカゲルなどの逆相担体を用いた固相抽出法によって修飾ペプチドを回収する。
試薬除去工程では、まずC18シリカゲルなどの逆相担体を用いた固相抽出法によって修飾ペプチドを回収することによって行う。濃縮される硫酸化糖ペプチドがそれ以外のペプチドに比して微量である場合は、さらに厳密な試薬除去が必要になる。このような場合、必要に応じて多糖担体からなるゲルまたは膜、あるいはホウ酸誘導体を用いて修飾されたペプチドを吸着させ、試薬と分離したのちに吸着していた修飾ペプチドを溶出させることが好ましい。吸着させる担体としては、より好ましくは、多糖担体からなるゲルまたは膜を用いる方法、もっとも好ましくは、アガロース架橋体ゲルを用いる方法が利用できる。アガロース架橋体ゲルを用いた場合、アミド化された糖ペプチドは、特許文献1、非特許文献7で提案されている糖ペプチド溶出条件である50%エタノールの条件ではゲルから十分に回収されない。溶出には50%エタノールで溶出したのち、水でさらに溶出、続いて、好ましくはカオトロピック試薬の水溶液、より好ましくは6Mの塩酸グアニジン溶液を用いることによって修飾ペプチドをゲルから完全に回収することができる。
ゲルから回収した修飾ペプチド混合物は、塩酸グアニジンを含む。塩酸グアニジンを除去するため、再度、C18シリカゲルなどの逆相担体を用いた固相抽出法によって修飾ペプチドを回収する。
最後の工程は、イオン交換クロマトグラフィーによって、硫酸化糖鎖を有する糖ペプチドを濃縮する工程である。
前の工程で得られたペプチド混合物は、その完全なアミド化により、硫酸化糖鎖を有するペプチドだけが負電荷を有している。よって該ペプチド混合物を、陰イオン交換クロマトグラフィーに供し、溶出画分を集めることによって、硫酸化糖ペプチドの濃縮分画を得ることができる。
前の工程で得られたペプチド混合物は、その完全なアミド化により、硫酸化糖鎖を有するペプチドだけが負電荷を有している。よって該ペプチド混合物を、陰イオン交換クロマトグラフィーに供し、溶出画分を集めることによって、硫酸化糖ペプチドの濃縮分画を得ることができる。
イオン交換クロマトグラフィーに用いる樹脂は、水と有機溶媒の混合溶媒中で使用できるポリマーに陰イオン交換性の官能基が結合しているものであれば特に限定されない。例えば、陰イオン交換樹脂としては、シリカゲル、ポリスチレンおよびその架橋体からなるポリマー、またはアガロースおよびその架橋体からなるポリマーに、1級、2級、3級のアミノ基や4級アンモニウム基が共有結合したものが利用できる。好ましくは、イオン交換基としては、pH8.5において正電荷を有するイオン交換基、例えば、4級アンモニウム基が共有結合したものを用いることが好ましい。より好ましくは、シリカゲルに4級アンモニウム基が共有結合している陰イオン交換樹脂(例えば、東ソーのTSKgel QAE-2SW)が利用できる。陰イオン交換クロマトグラフィーによる濃縮に用いる溶液は、該樹脂担体を用いたイオン交換反応に利用できる溶媒で、かつ修飾されたペプチド混合物が溶解する溶媒であれば特に限定されない。好ましくは、30%アセトニトリル入りの20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.6)を用いる。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
<実施例1>
硫酸化糖鎖を有する糖ペプチド(下記の式(Sgp1、Sgp2))と単純ペプチド(下記の式(Pep1、Pep2、Pep3、Pep4)の混合物中より硫酸化糖ペプチドのみを選択的に濃縮した例を示す。
硫酸化糖鎖を有する糖ペプチド(下記の式(Sgp1、Sgp2))と単純ペプチド(下記の式(Pep1、Pep2、Pep3、Pep4)の混合物中より硫酸化糖ペプチドのみを選択的に濃縮した例を示す。
(カルボキシル基の修飾)
硫酸化糖ペプチドSgp1およびSgp2(0.5μg)、単純ペプチドPep1(2.5μg)、単純ペプチドPep2(3.1μg)、単純ペプチドPep3(2.4μg)、単純ペプチドPep4(2.2μg)の混合物をカルボキシペプチダーゼB処理後、ペプチド混合物中に含まれるカルボキシル基の修飾をおこなった。具体的には、ペプチド混合物を2.5Mアセトヒドラジド溶液(100μl)に溶解し、3M塩酸で、溶液をpH2.5に調製後、2M 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(以下、「EDAC」と記す)を8μl加え、室温で3時間反応させた。
硫酸化糖ペプチドSgp1およびSgp2(0.5μg)、単純ペプチドPep1(2.5μg)、単純ペプチドPep2(3.1μg)、単純ペプチドPep3(2.4μg)、単純ペプチドPep4(2.2μg)の混合物をカルボキシペプチダーゼB処理後、ペプチド混合物中に含まれるカルボキシル基の修飾をおこなった。具体的には、ペプチド混合物を2.5Mアセトヒドラジド溶液(100μl)に溶解し、3M塩酸で、溶液をpH2.5に調製後、2M 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(以下、「EDAC」と記す)を8μl加え、室温で3時間反応させた。
(過剰な試薬の除去)
上記の反応終了後、試料溶液をSepPak C18 カートリッジ(50mg、Waters社)に供し、修飾されたペプチドを回収した。本実施例はモデル実験であり、ペプチド混合物中に含まれる硫酸化糖ペプチドの含量は10%程度あるので、さらなる試薬の除去工程を加えることなく、回収したペプチド混合物をそのまま次の工程へ進めた。
上記の反応終了後、試料溶液をSepPak C18 カートリッジ(50mg、Waters社)に供し、修飾されたペプチドを回収した。本実施例はモデル実験であり、ペプチド混合物中に含まれる硫酸化糖ペプチドの含量は10%程度あるので、さらなる試薬の除去工程を加えることなく、回収したペプチド混合物をそのまま次の工程へ進めた。
(イオン交換クロマトによる硫酸化糖ペプチドの濃縮)
陰イオン交換カラム(TSKgel QAE-2SW、直径4.6mm、長さ250mm、東ソー社)を30%アセトニトリル入りの20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)で平衡化したのち、前工程にて回収したペプチド混合物を供した。流速は0.7ml/分とし、最初の10分間は平衡化に用いた緩衝液を流し、次の30分間で直線的に塩化ナトリウムの濃度を0.75Mまで上昇させた。2〜10分までに得られた溶出液を画分1、10〜19分までに得られた溶出液を画分2と分けてペプチドを回収した。
陰イオン交換カラム(TSKgel QAE-2SW、直径4.6mm、長さ250mm、東ソー社)を30%アセトニトリル入りの20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)で平衡化したのち、前工程にて回収したペプチド混合物を供した。流速は0.7ml/分とし、最初の10分間は平衡化に用いた緩衝液を流し、次の30分間で直線的に塩化ナトリウムの濃度を0.75Mまで上昇させた。2〜10分までに得られた溶出液を画分1、10〜19分までに得られた溶出液を画分2と分けてペプチドを回収した。
硫酸化糖ペプチドが濃縮できたことを確認するため、画分1と画分2をそれぞれ逆相HPLCに供した。図3に示すように、画分1からは4個のピーク(上段:ピーク1〜4)が、画分2からは1個のピーク(下段:ピーク5)が検出された。これらのピークを分取し質量分析計で解析した結果を表1にまとめた。表1から明らかなように、硫酸化糖ペプチドは、画分2に濃縮されて得られることが明らかとなった。
<実施例2>
硫酸化糖鎖を有する硫酸化糖タンパク質である黄体形成ホルモン(以下、「LH」と記す)より、硫酸化糖ペプチドのみを選択的に濃縮した例を示す。この例では、シアル酸に由来する分子の多様性を解消するため、あらかじめシアリダーゼ処理してシアル酸を除去した試料を用いた。シアル酸を除去したLH(400μg)を、従来法によりトリプシン消化、カルボキシペプチダーゼB処理し、得られたペプチド混合物を出発物質とした。
硫酸化糖鎖を有する硫酸化糖タンパク質である黄体形成ホルモン(以下、「LH」と記す)より、硫酸化糖ペプチドのみを選択的に濃縮した例を示す。この例では、シアル酸に由来する分子の多様性を解消するため、あらかじめシアリダーゼ処理してシアル酸を除去した試料を用いた。シアル酸を除去したLH(400μg)を、従来法によりトリプシン消化、カルボキシペプチダーゼB処理し、得られたペプチド混合物を出発物質とした。
(カルボキシル基の修飾)
ペプチド混合物中に含まれるカルボキシル基の修飾をおこなった。具体的には、ペプチド混合物を2.5Mアセトヒドラジド溶液(100μl)に溶解し、3M塩酸で、溶液をpH2.5に調製後、2M 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(以下、「EDAC」と記す)を8μl加え、室温で3時間反応させた。
ペプチド混合物中に含まれるカルボキシル基の修飾をおこなった。具体的には、ペプチド混合物を2.5Mアセトヒドラジド溶液(100μl)に溶解し、3M塩酸で、溶液をpH2.5に調製後、2M 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(以下、「EDAC」と記す)を8μl加え、室温で3時間反応させた。
(過剰な試薬の除去)
上記の反応終了後、試料溶液をSepPak C18 カートリッジ(50mg、Waters社)に供し、修飾されたペプチドを回収した。回収したペプチド混合物をn−ブタノール、エタノール、水の混合溶媒(4:1:1)にて膨潤させた500μlのSepharose CL-4Bゲル(GEヘルスケアバイオサイエンス社)に供し、50%エタノール(1ml)、水(2ml)、6M塩酸グアニジン溶液(3ml)の順で溶出を行い、すべての溶出画分を合わせて回収した。回収した溶出画分を、凍結乾燥し、再度、SepPak C18 カートリッジを用いて塩酸グアニジンを除去しペプチドを回収した。
上記の反応終了後、試料溶液をSepPak C18 カートリッジ(50mg、Waters社)に供し、修飾されたペプチドを回収した。回収したペプチド混合物をn−ブタノール、エタノール、水の混合溶媒(4:1:1)にて膨潤させた500μlのSepharose CL-4Bゲル(GEヘルスケアバイオサイエンス社)に供し、50%エタノール(1ml)、水(2ml)、6M塩酸グアニジン溶液(3ml)の順で溶出を行い、すべての溶出画分を合わせて回収した。回収した溶出画分を、凍結乾燥し、再度、SepPak C18 カートリッジを用いて塩酸グアニジンを除去しペプチドを回収した。
(イオン交換クロマトによる硫酸化糖ペプチドの濃縮)
実施例1と同様の手順により行った。2〜10分までに得られた溶出液を画分1、10〜19分までに得られた溶出液を画分2と分けてペプチドを回収した。
実施例1と同様の手順により行った。2〜10分までに得られた溶出液を画分1、10〜19分までに得られた溶出液を画分2と分けてペプチドを回収した。
(結果)
硫酸化糖ペプチドが濃縮できたことを確認するため、陰イオン交換HPLCにより得られた画分2を逆相HPLCに供した。図3の上段で示される10.5〜12.8分、13.5〜15.8分、27.0〜28.0分において検出されたピークを分取し質量分析に供し、得られたマススペクトルを図3の下段にまとめた。図3下段にまとめた6つのマススペクトルにおいて、矢印で示されるものはすべてLH由来の硫酸化糖ペプチドであった。これらの矢印で示される硫酸化糖ペプチドを表2にまとめた。以上のように、本発明の手法を用いて硫酸化糖ペプチドが選択的に濃縮できたことが明らかとなった。
硫酸化糖ペプチドが濃縮できたことを確認するため、陰イオン交換HPLCにより得られた画分2を逆相HPLCに供した。図3の上段で示される10.5〜12.8分、13.5〜15.8分、27.0〜28.0分において検出されたピークを分取し質量分析に供し、得られたマススペクトルを図3の下段にまとめた。図3下段にまとめた6つのマススペクトルにおいて、矢印で示されるものはすべてLH由来の硫酸化糖ペプチドであった。これらの矢印で示される硫酸化糖ペプチドを表2にまとめた。以上のように、本発明の手法を用いて硫酸化糖ペプチドが選択的に濃縮できたことが明らかとなった。
本発明によれば、微量な硫酸化糖鎖を有するタンパク質を選択的に濃縮することが可能となるので、疾患関連マーカーの探索、疾患診断に新たな手法を提供することができる。
Claims (7)
- 生体試料をタンパク質分解酵素で処理して得られるペプチド混合物を弱酸性の液に溶解した溶液に、カルボジイミドと求核剤を添加して、ペプチド混合物に含まれるカルボキシル基をアミド化する工程、
アミド化されたペプチド混合物からなる群を含む溶液から、過剰の反応試薬を除去する工程、及び
試薬を除去したペプチド混合物からなる群を含む溶液から、イオン交換クロマトグラフィーによって硫酸化糖鎖を有する糖ペプチドを濃縮する工程、
を少なくとも備えることを特徴とする硫酸化糖鎖を有する糖ペプチドの濃縮方法。 - 前記アミド化の工程を、pH3以下で行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記求核剤としてヒドラジド基を有する化合物を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- 前記アミド化工程前に、試薬を含む溶液から糖ペプチドを分離する工程を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記過剰の試薬を除去する工程に、アガロースまたはアガロース架橋体を用いることを特徴とする請求項4に記載の方法。
- 前記アガロースまたはアガロース架橋体から糖ペプチドを溶出するために塩酸グアニンジン溶液を用いることを特徴とする請求項5に記載の方法。
- 硫酸化糖鎖を有する糖タンパク質を含む生体試料から、硫酸化糖鎖を有する糖ペプチドを選択的に濃縮するためのキットであって、少なくとも、縮合剤としてのカルボジイミド、及び求核剤としてのヒドラジドを備えることを特徴とする硫酸化糖鎖を有する糖ペプチドの選択的濃縮用キット。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013068594A (ja) * | 2011-09-05 | 2013-04-18 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | シアロ糖鎖をアミド化修飾する方法 |
JP2013224867A (ja) * | 2012-04-20 | 2013-10-31 | Shimadzu Corp | 糖ペプチドの質量分析法 |
EP3279655A4 (en) * | 2015-03-31 | 2018-12-05 | Shimadzu Corporation | Method of preparing sample for analysis and analysis method |
-
2008
- 2008-12-25 JP JP2008330861A patent/JP2010148442A/ja active Pending
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