JP2009155243A5 - - Google Patents
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Description
一方、化粧料などの皮膚外用剤に於いて、粉体を予め表面処理して配合する技術は既に知られている(例えば、特許文献4、特許文献5を参照)。更に、多層の表面処理を行う技術も知られ、該多層表面処理を水中油乳化剤形や固形粉体剤形に含有せしめる技術も開示されている(例えば、特許文献6、特許文献7を参照)。しかしながら、かかる開示における水中油乳化剤形の皮膚外用剤は分散安定性上、粉体の沈降に長時間抗し得ないと言う、大きな課題を有し、実用的であるとは言い難い。即ち、長期間粉体の沈降に抗しうる、水系乃至は乳化剤形の粉体含有皮膚外用剤であって、固形脂に構造を委ねないものは存しないと言える。
アシル乳酸又はその塩については、アシル化ポリグリセリンとともに乳化剤形の皮膚外用剤で使用されることが知られている(例えば、特許文献8、特許文献9を参照)。しかしながら、表面を多層被覆処理された粉体を5〜30質量%含有する、水中油乳化剤形の皮膚外用剤において、アシル乳酸及び/又はその塩を含有するものは全く知られていないし、この様な皮膚外用剤に於いて、粉体類が安定に分散保持されることも全く知られていない。
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、粉体類を含有する乳化剤形の皮膚外用剤に於いて、粉体の分散安定性を高める手段を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、表面を多層被覆処理された粉体を5〜30質量%を、アシル乳酸及び/又はその塩を含有する水中油剤形に分散させることにより、粉体の分散安定性に優れる系が得られることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。
<1>表面を多層被覆処理された粉体を5〜30質量%含有する、皮膚外用剤において、アシル乳酸及び/又はその塩を含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
<2>前記多層被覆処理は、アシル化アミノ酸塩被覆処理、ジメチルポリシロキサン焼付処理、ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼付処理、シリル化処理及びリン脂質被覆処理から選択される2種以上を順次粉体上に施したものであることを特徴とする、<1>に記載の皮膚外用剤。
<3>前記多層被覆処理粉体は、基体となる粉体にアシルグルタミン酸金属塩を被覆した後、ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼付処理を行った粉体であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の皮膚外用剤。
<4>前記アシル乳酸及び/又はその塩におけるアシル基は、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ベヘノイル基又はオレオイル基であることを特徴とする、<1>〜<3>何れか1項に記載の皮膚外用剤。
<5>水中油乳化剤形であって、アシル化ポリグリセリンを乳化剤として含有することを特徴とする、<1>〜<4>何れか1項に記載の皮膚外用剤。
<6>前記アシル化ポリグリセリンを少なくとも2種含有することを特徴とする、<5>に記載の皮膚外用剤。
<7>更に、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成単量体とするホモポリマー、コポリマー乃至はこれらの塩を含有することを特徴とする、<1>〜<6>何れか1項に記載の皮膚外用剤。
<1>表面を多層被覆処理された粉体を5〜30質量%含有する、皮膚外用剤において、アシル乳酸及び/又はその塩を含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
<2>前記多層被覆処理は、アシル化アミノ酸塩被覆処理、ジメチルポリシロキサン焼付処理、ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼付処理、シリル化処理及びリン脂質被覆処理から選択される2種以上を順次粉体上に施したものであることを特徴とする、<1>に記載の皮膚外用剤。
<3>前記多層被覆処理粉体は、基体となる粉体にアシルグルタミン酸金属塩を被覆した後、ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼付処理を行った粉体であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の皮膚外用剤。
<4>前記アシル乳酸及び/又はその塩におけるアシル基は、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ベヘノイル基又はオレオイル基であることを特徴とする、<1>〜<3>何れか1項に記載の皮膚外用剤。
<5>水中油乳化剤形であって、アシル化ポリグリセリンを乳化剤として含有することを特徴とする、<1>〜<4>何れか1項に記載の皮膚外用剤。
<6>前記アシル化ポリグリセリンを少なくとも2種含有することを特徴とする、<5>に記載の皮膚外用剤。
<7>更に、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成単量体とするホモポリマー、コポリマー乃至はこれらの塩を含有することを特徴とする、<1>〜<6>何れか1項に記載の皮膚外用剤。
<製造例8>
粉体1を粉体4に代えて、同様に処置し、粉体8を得た。
粉体1を粉体4に代えて、同様に処置し、粉体8を得た。
多層表面被覆処理粉体は前記の如くに調製して用いることも出来るが、既に、多層表面被覆処理を施した粉体が市販されているので、この様な市販の粉体を購入して使用することも可能である。この様な市販品としては、例えば、三好化成工業株式会社から販売されている、「SA/NAI−Y−10」(N−ラウロリルグルタミン酸アルミニウム1.2%、トリメチルシリルジメチコン8%被覆黄色酸化鉄)、「SA/NAI−R−10」(N−ラウロリルグルタミン酸アルミニウム1.2%、トリメチルシリルジメチコン8%被覆ベンガラ)、「SA/NAI−ベンガラ79−P」(N−ラウロリルグルタミン酸アルミニウム1.2%、トリメチルシリルジメチコン8%被覆ベンガラ)、「SA/NAI−TR−10」(N−ラウロリルグルタミン酸アルミニウム1.2%、トリメチルシリルジメチコン8%被覆二酸化チタン)等が好ましく例示できる。
(2)本発明の化粧料の必須成分であるアシル乳酸
本発明の皮膚外用剤は、必須成分として、アシル乳酸及び/又はその塩を0.01〜1質量%、より好ましくは0.1〜1質量%含有することを特徴とする。前記アシル乳酸及び/又はその塩におけるアシル基は、カプリロイル基、カプリノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ベヘノイル基、イソパルミトイル基、イソステアロイル基、リノロイル基又はオレオイル基が好ましく例示でき、前記アシル乳酸及び/又はその塩におけるアシル基は、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ベヘノイル基又はオレオイル基がより好ましい。具体的には、かかるアシル乳酸としては、ステアロイル乳酸、ベヘノイル乳酸、カプロイル乳酸、ココイル乳酸、イソステアロイル乳酸、ラウロイル乳酸、オレオイル乳酸、2−エチルヘキサノイル乳酸、ミリストイル乳酸、パルミトイル乳酸、12−ヒドロキシステアロイル乳酸、リシノレイル乳酸が例示でき、好ましくはステアロイル乳酸、イソステアロイル乳酸である。かかるアシル乳酸はそのまま使用することも出来るし、アルカリなどと反応させて塩と為して使用することも可能である。かかる塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩やトリエタノールアミン塩等の有機アミン塩、リジン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸塩等が好適に例示できる。フリー体を含めて、特に好ましいものはアルカリ金属塩である。本発明の化粧料においては、かかるアシル乳酸及び/又はその塩は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明の化粧料では、アシル乳酸及び/又はその塩は、前記の含有量の範囲に於いて、乳化ゲル構造を増強し、前記被覆粉体を安定に含有せしめる作用を発揮する。
本発明の皮膚外用剤は、必須成分として、アシル乳酸及び/又はその塩を0.01〜1質量%、より好ましくは0.1〜1質量%含有することを特徴とする。前記アシル乳酸及び/又はその塩におけるアシル基は、カプリロイル基、カプリノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ベヘノイル基、イソパルミトイル基、イソステアロイル基、リノロイル基又はオレオイル基が好ましく例示でき、前記アシル乳酸及び/又はその塩におけるアシル基は、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ベヘノイル基又はオレオイル基がより好ましい。具体的には、かかるアシル乳酸としては、ステアロイル乳酸、ベヘノイル乳酸、カプロイル乳酸、ココイル乳酸、イソステアロイル乳酸、ラウロイル乳酸、オレオイル乳酸、2−エチルヘキサノイル乳酸、ミリストイル乳酸、パルミトイル乳酸、12−ヒドロキシステアロイル乳酸、リシノレイル乳酸が例示でき、好ましくはステアロイル乳酸、イソステアロイル乳酸である。かかるアシル乳酸はそのまま使用することも出来るし、アルカリなどと反応させて塩と為して使用することも可能である。かかる塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩やトリエタノールアミン塩等の有機アミン塩、リジン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸塩等が好適に例示できる。フリー体を含めて、特に好ましいものはアルカリ金属塩である。本発明の化粧料においては、かかるアシル乳酸及び/又はその塩は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明の化粧料では、アシル乳酸及び/又はその塩は、前記の含有量の範囲に於いて、乳化ゲル構造を増強し、前記被覆粉体を安定に含有せしめる作用を発揮する。
本発明の皮膚外用剤においては、前記必須成分以外に、通常皮膚外用剤で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボカド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、ステアロイル乳酸などのアシルヒドロキシカルボン酸及び/又はその塩等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、表面を多層被覆以外の処理法で処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等、フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。
実施例1と同様に、下記に示す処方を操作して、本発明の化粧料を得た。このものは実施例1と同様に評価したところ、顔料分散性は−、顔料の沈降は僅有り、分離の有無も無しで粘度は39000であった。これより、本発明の化粧料では少なくとも二種のアシル化ポリグリセリンを含有することが好ましいことがわかる。
Claims (1)
- 表面を多層被覆処理された粉体を5〜30質量%含有する、皮膚外用剤において、アシル乳酸及び/又はその塩を含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
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