(実施の形態1)
以下に発明の実施の形態1について説明する。図2は本発明に関わる画像形成装置である電子写真プリンタと、増設給紙装置である大容量給紙ユニットの外観図である。図中10は図示しないパソコン等に接続され、文字図形等のデータを媒体に印刷し、当該媒体を排出口15へ搬送して排出する電子写真プリンタである。また、301は当該電子写真プリンタ10の下部に設けられ、当該電子写真プリンタ10に媒体を供給する大容量給紙ユニットである。当該電子写真プリンタ10及び大容量給紙ユニット301は、後述するように媒体を搬送する媒体搬送装置である給紙装置を具備している。なお、16は各種印刷状態の設定を行なうための操作部である。
図3は当該電子写真プリンタ10と大容量給紙ユニット301の搬送路の概略断面図である。当該電子写真プリンタ10の下部には前述の如く大容量給紙ユニット301が設けられ、当該大容量給紙ユニット301には媒体Pを積載した給紙カセット302が設けられる。当該給紙カセット302には図示しない押上げバネによって押上げられた図示しないシートレシーブがあり、媒体Pを挟んで対向する位置に給紙ローラ11と給紙サブローラ12が配置されている。当該給紙ローラ11と給紙サブローラ12は図示しない搬送モータによって駆動される。
更に、当該大容量給紙ユニット301における媒体Pの搬送ルートには、レジストローラ203aと、これに対向して加圧し搬送力を生み出す連れまわりのプレッシャローラ204aが配置されている。
一方、電子写真プリンタ10にも同様に、給紙カセット200内の媒体Pを給紙する給紙ローラ201、給紙サブローラ202および、レジストローラ203b,プレッシャローラ204bが配置されている。
更に、電子写真プリンタ10の現像部について、黒色(K)トナー像形成部を例に説明する。本発明に関する電子写真プリンタ10は、LEDにより発光するLEDヘッド103Kにより露光されることで潜像を形成し、当該潜像にトナーを付着することでトナー像を形成する感光ドラム208Kを備えたイメージドラムユニット102Kが設けられている。感光ドラム208Kに形成されたトナー像は、給紙装置より搬送される媒体に転写される。転写は、感光ドラム208Kに対向した位置に配置され、転写電圧を与える転写ローラ207Kにより行われる。なお、現像部における媒体の搬送は、感光ドラム208Kと転写ローラ207Kの間に設けられた搬送ベルト101によって行われる。搬送ベルト101は、当該搬送ベルト101を回転させる駆動ローラ205と、搬送ベルト101に張力を与えるアイドルローラ206に張架される。
また、他のY、M、Cのカラーのトナー像形成部も同様の構成である。トナー像が形成された媒体Pは、ヒータ211により加熱される定着ローラ209と加圧ローラ210からなる定着部90に搬送され、ヒータ211の熱によりトナーが媒体Pに溶融定着する。その下流には、媒体Pを排出する排出ローラ217、218および、排出コロ219、220が配置されている。
図4は本実施の形態1における大容量給紙ユニット301の斜視図である。当該大容量給紙ユニット301は図2に示すように電子写真プリンタ10の下部に増設用として設置される給紙装置である。302は前記の通り媒体Pを積載する給紙カセットであり、203aは電子写真プリンタ10の搬送ルートへ媒体Pを供給するレジストローラである。 図5は同じく本実施の形態1における大容量給紙ユニット301の一部切欠斜視図であり、図4に対し一部を切欠いて示す。前記大容量給紙ユニット301には、給紙ローラ11、給紙サブローラ12および本発明の特徴部分である装着部材としてのロック部材13からなるローラ支持部14が設けられている。
図6は同じく本実施の形態1における大容量給紙ユニット301内のローラ支持部14を示す部分拡大斜視図である。給紙ローラ11は給紙ローラシャフト23に取付けられており、図示しない駆動源により回転駆動される。また給紙ローラシャフト23は、大容量給紙ユニット301に固定された図示しないフレームに支持されている。一方給紙サブローラ12は回転しない給紙サブローラシャフト24に取付けられている。25は給紙ローラシャフト23に連結され、その回転をアイドルギア26に伝達する給紙ローラ用ギアである。
更に27は、前記給紙サブローラ12と一体構造であって、前記アイドルギア26からの回転の伝達を受け、記給紙サブローラ12と共に回転する給紙サブローラ用ギアである。22は給紙ローラシャフト23を中心に回動可能に設けられたプラスチックフレームである。なおこれらは理解を容易にするために簡略化して図示してある。
前記給紙ローラシャフト23は給紙ローラ11の交換を容易にするために片持ち構造となっており、その固定端側はプラスチックフレーム22の給紙ローラシャフト23の貫通する孔22a近傍と給紙ローラシャフト23の回転駆動源近傍で、各々大容量給紙ユニット301に固定された図示しない部材にて2点支持されている。一方前記給紙サブローラシャフト24も同じく片持ち構造であり、その固定端側は前記プラスチックフレーム22の固定部33によって固定されている。当該給紙サブローラシャフト24は前記の如く回転することはない。
図7は前記給紙ローラ11、給紙サブローラ12およびロック部材13からなるローラ支持部14を、給紙ローラシャフト23、給紙サブローラシャフト24の自由端側から見た正面図である。同図に示すように、ロック部材13は給紙ローラシャフト23、給紙サブローラシャフト24の間隔を固定することにより、前記給紙ローラ11、給紙サブローラ12を固定する。
以上のように給紙ローラシャフト23と給紙サブローラシャフト24は片持ち構造であり、その自由端には前記給紙ローラ11と給紙サブローラ12が取付けられており、更にその先端には本発明の特徴部分である装着部材としてのロック部材13が取付けられる。
図8はローラ支持部14を示す一部断面図である。給紙ローラシャフト23の先端部近傍には給紙ローラ用ギア25を介して給紙ローラ11が取付けられ、更にその先端にはロック部材13を取付けるための溝部23aが直径D1で設けられている。なお、給紙ローラ用ギア25は、給紙ローラシャフト23と連結されており、給紙ローラシャフト23と同時に回転する。一方給紙サブローラシャフト24の先端部近傍には給紙サブローラ用ギア27と一体に形成された給紙サブローラ12が取付けられ、更にその先端には、同様にロック部材13を取付けるための溝部24aが直径D2で設けられている。
給紙ローラシャフト23は前記の通り図示しない駆動源により回転駆動されるが、給紙サブローラシャフト24はプラスチックフレーム22の前記固定部33において圧入固定されている。従って、給紙サブローラシャフト24は回転することはないが、給紙サブローラ12は、前記給紙ローラ用ギア25、アイドルギア26、給紙サブローラ用ギア27によって給紙ローラシャフト23の回転が伝達される。
更に、プラスチックフレーム22は給紙ローラシャフト23を中心にして揺動する構造になっており、図示しない付勢手段によって上方から給紙カセット302内の媒体Pに向かって付勢され、媒体Pに押圧力が与えられる。
なお、給紙ローラシャフト23の直径は、自由端から固定端へ向かって見たとき、段部23bで太くなっており、給紙ローラ用ギア25は当該段部23b近傍の太部に連結される。給紙ローラ11は、突起部11aが給紙ローラ用ギア25の側面と勘合することで給紙ローラシャフト23の固定端方向のスラスト方向に規制されている。一方、給紙サブローラシャフト24の直径は、自由端から固定端へ向かって見たとき、段部24bで太くなっており、給紙サブローラ12は、当該段部24bと当接することで給紙サブローラシャフト24の固定端方向のスラスト方向に規制されている。なお、両ローラ11,12のボス部分の内側は軸孔となっている。
図9は本発明の特徴部分である前記ロック部材13の外観図である。当該ロック部材13は図示の如く、平板状で左右対称の形状である。当該ロック部材13の嵌合部13aと13bは、前記給紙ローラシャフト23の溝部23aと前記給紙サブローラシャフト24の溝部24aに嵌合するようにその内部は円形であり、その内径D3とD4が前記溝部23aと24aの外径D1とD2と同じになっている。
当該嵌合部13aと13bの内部の円形構造は半円以上の円形状であり、前記溝部23aと24aを挿入するための入口の間隔L3とL4は、それぞれ前記溝部23aと24aの外径D1とD2よりも狭い。そのため後述するように、当該嵌合部13a、13bを給紙ローラシャフト23又は給紙サブローラシャフト24に対し、ロック部材13を撓ませながら押込み又は取外すことで着脱する構造となっている。
また、嵌合部13aと13bの中心距離L2は、前記給紙ローラシャフト23と給紙サブローラシャフト24の根元部の軸間距離であるL1と同じであるので、ロック部材13の装着により、両シャフト23、24の先端部の距離が根元部の距離と同じになる。
当該嵌合部13a、13bの近傍にある角状の突起部13c、13dは、当該ロック部材13を前記給紙ローラシャフト23又は給紙サブローラシャフト24から取外す際に指を掛ける箇所であり、当該突起部13c又は突起部13dを指で下方に押すことにより、当該嵌合部13a又は13bを撓ませて給紙ローラシャフト23又は給紙サブローラシャフト24から取外すことができる。当該角状の突起部13c、13dの根元における嵌合部13a、13bの反対側には、撓み易いように前記嵌合部13a、13bに対向する位置に凹部13e、13fが設けられる。
一方、嵌合部13a、13bの前記給紙ローラシャフト23又は給紙サブローラシャフト24方向に対して反対側には、当該給紙ローラシャフト23又は給紙サブローラシャフト24に向けて指で押し易いように丸みを帯びた形状の押圧部13g、13hが設けられる。当該ロック部材13の装着時に、当該押圧部13g又は13hを給紙ローラシャフト23又は給紙サブローラシャフト24方向に押圧することにより、前記嵌合部13a又は13bを前記溝部23a又は24aへ嵌合させ、ロック部材13を前記給紙ローラシャフト23又は給紙サブローラシャフト24へ取付けることができる。なお、ロック部材13を給紙ローラシャフト23と給紙サブローラシャフト24の先端に装着することで、給紙ローラ11と給紙サブローラ12の各シャフト23,24の自由端方向へのスラスト方向の移動が規制される。
次に本発明の作用を図10により説明する。図10は媒体搬送時の大容量給紙ユニット301の一部省略した上面図である。ロック部材13が給紙ローラシャフト23と給紙サブローラシャフト24の先端に装着されている。従って、ロック部材13によって、給紙ローラシャフト23と給紙サブローラシャフト24の位置が規制されるため、給紙ローラシャフト23と給紙サブローラシャフト24の軸間距離は、根元部L1と先端部L2において同じになる。
よって、媒体Pの搬送時には給紙ローラ11と給紙サブローラ12の搬送方向が同じになり、媒体Pにしわを発生させることはなく、矢印Bに示す方向へ媒体Pは良好な媒体搬送が得られる。
次に給紙ローラ11を交換する場合の動作について図11及び図12により説明する。図11は給紙ローラ11を取外す場合の動作を示す説明図であり、図12は給紙ローラ11を取外す場合のローラ支持部14付近を示す斜視図である。両図において、ロック部材13の角状の突起部13cに指を掛けて矢印C方向に押すと、ロック部材13の嵌合部13aが撓んで、その嵌合部13aが給紙ローラシャフト23の溝部23aから外れる。嵌合部13aが外れたロック部材13は、給紙サブローラシャフト24を回転支点として揺動するようになるが、嵌合部13bが当該給紙サブローラシャフト24の溝部24aとは嵌合したままであるため、ロック部材13は床等には落下しない。
当該ロック部材13を矢印C方向に揺動させて、給紙ローラシャフト23のスラスト方向に給紙ローラ11を移動させても給紙ローラ11と重ならない位置まで揺動させることにより、前記給紙ローラ11を自由端であるシャフト先端方向へ移動させて取外すことができる。
そして、給紙ローラ11を交換又は清掃後、再び給紙ローラシャフト23に挿入するのは逆の手順で行なう。即ち、前記ロック部材13を給紙ローラシャフト23のスラスト方向に給紙ローラ11と重ならない位置まで揺動させた状態で、給紙ローラ11を給紙ローラシャフト23へ挿入し、前記給紙ローラ用ギア25と勘合するまで押込む。その後、ロック部材13の押圧部13gを指で給紙ローラシャフト23方向へ押し上げる。ロック部材13を前記給紙サブローラシャフト24を回転支点として矢印Cの逆方向に揺動させると、嵌合部13aが給紙ローラシャフト23の溝部23aと嵌合する。
一方、給紙サブローラ12を交換する場合の動作について図13及び図14により説明する。図13は給紙サブローラ12を取外す場合の動作を示す説明図であり、図14は給紙サブローラ12を取外す場合のローラ支持部14付近を示す斜視図である。両図において、ロック部材13の角状の突起部13dに指を掛けて矢印D方向に押すと、ロック部材13の嵌合部13bが撓んで、嵌合部13bが給紙サブローラシャフト24の溝部24aから外れる。嵌合部13bが外れたロック部材13は、給紙ローラシャフト23を回転支点として揺動するようになるが、嵌合部13aが給紙ローラシャフト23の溝部23aとは嵌合したままであるため、ロック部材13は床等には落下しない。
当該ロック部材13を矢印D方向に揺動させて、給紙サブローラシャフト24のスラスト方向に給紙サブローラ12を移動させても給紙サブローラ12と重ならない位置まで揺動させることにより、給紙サブローラ12を給紙サブローラ用ギア27と共に自由端であるシャフト先端方向へ移動させて取外すことができる。
そして、給紙サブローラ12を交換又は清掃後、再び給紙ローラシャフト23に装着するのは逆の手順で行なう。即ち、前記ロック部材13を給紙サブローラシャフト24のスラスト方向に給紙サブローラ12と重ならない位置まで揺動させた状態で、給紙サブローラ用ギア27と一体になった給紙サブローラ12を給紙サブローラシャフト24へ挿入し、段部24b(図8参照)まで押込む。その後、ロック部材13の押圧部13hを指で給紙サブローラシャフト24方向へ押し上げる。ロック部材13を給紙ローラシャフト23を回転支点として矢印Dの逆方向へ回転させると、嵌合部13bが給紙サブローラシャフト24の溝部24aと嵌合する。
以上のように、本実施の形態1の媒体搬送装置によれば、ロック部材13によって、給紙ローラ11と給紙サブローラ12の軸間が平行に保たれる。また、ロック部材13を給紙ローラシャフト23と給紙サブローラシャフト24の先端に装着することで、給紙ローラ11と給紙サブローラ12のスラスト方向の移動も規制される。そのため媒体Pの搬送方向が同じになり、良好な媒体搬送が得られる。また、給紙ローラ11と給紙サブローラ12の清掃や交換を行なう際にも、ロック部材13の片方の嵌合部を取外すことで給紙ローラ11と給紙サブローラ12のスラスト方向の規制が解除されるので、給紙ローラ11又は給紙サブローラ12の取外し操作が簡単となる。
(実施の形態1の変形例)
図15は上述の実施の形態1におけるロック部材13の変形例としてのロック部材41の外観図である。実施の形態1の変形例としてのロック部材41は、前記給紙ローラシャフト23の溝部23aと嵌合する嵌合部41aの形状が、前記実施の形態1におけるロック部材13の嵌合部13aと異なる。即ち、前記溝部23aと嵌合する当該嵌合部41aは、給紙ローラシャフト23の回転動作における回転の負荷とならないように凹凸形状としたものである。
前記給紙ローラシャフト23の溝部23aと接触する凸部を形成する内径D3は、当該溝部23aの外径D1(図8参照)と同じである。また、凹部を形成する内径D13は、前記溝部23aの外径D1より大きい。このように嵌合部41aは、回転軸である給紙ローラシャフト23の溝部23aとの接触面積を減らすことで、給紙ローラシャフト23の回転負荷を減らすことができる。
なお、他方の嵌合部41bは給紙サブローラシャフト24の溝部24aと嵌合している。給紙サブローラシャフト24は前記の通り回転しないので、回転負荷に影響する接触面積を考慮する必要がないため、嵌合部41bの内径は前記溝部24aの外径D2(図8参照)と同じである。
また、実施の形態1の変形例としてのロック部材41は、シャフトに取付ける向きが決まるため、指で向きが確認できるように段差部41iを設けたり、視覚で向きが確認できるように矢印41jを刻印することにより、作業者がロック部材41を取付ける向きを分かり易くすることが望ましい。
(実施の形態2)
前記実施の形態1において、給紙ローラ11、給紙サブローラ12を交換するにあたり、給紙ローラ11は装置手前側に配置されているため比較的交換が容易であるが、給紙サブローラ12は給紙ローラ11の奥側に配置されているため交換が困難である。実施の形態2はこの点を考慮してなされたものである。
図16は本実施の形態2における大容量給紙ユニット351の一部切欠斜視図である。前記大容量給紙ユニット351には、給紙ローラ11、給紙サブローラ12およびロック部材53並びにスライド部材61からなるローラ支持部34が設けられている。
当該大容量給紙ユニット351には前記実施の形態1と同様に給紙ローラ11と給紙サブローラ12が片持ち構造で配置されている。当該給紙ローラ11は給紙ローラシャフト23の先端部近傍に支持されており、給紙サブローラ12は同図には示していない給紙サブローラシャフト24の先端部近傍に支持されている。当該給紙ローラシャフト23と給紙サブローラシャフト24の先端には本実施の形態2に係るロック部材53が取付けられている。
図17は同じく本実施の形態2における大容量給紙ユニットの下部板金フレーム353とスライド部材61を示す一部省略斜視図であり、図18は図17の部分拡大図である。スライド部材61は前記大容量給紙ユニット351に固定されている上部板金フレーム354と下部板金フレーム353の間に設けられ、かつ下部板金フレーム353上に当該下部板金フレーム353を切り起こして形成されたスライド部材ガイド部353aの間をガイドされて、矢印E方向、即ち媒体Pの搬送方向に直交する方向にスライドするように配置されている。更に、当該スライド部材61は、その一端が下部板金フレーム353の切起し部353bに圧接するスプリング64により矢印E方向に付勢されている。
図19は前記ローラ支持部34付近におけるロック部材53取付時の詳細を示すローラ支持部の正面図である。給紙ローラ11は給紙ローラシャフト23に取付けられており、当該給紙ローラシャフト23は片持ち構造である。即ち、下部板金フレーム353と図示しない下部板金フレーム353に締結されたプラスチックフレームの2箇所によって支持されている。そして、当該給紙ローラシャフト23は図示しない駆動源によって駆動される。また、給紙ローラシャフト23の先端には、前記実施の形態1と同様に溝部23aが直径D1(図8参照)で形成されている。更に、前記実施の形態1と同様に給紙ローラ用ギア25が給紙ローラシャフト23と連結されており、給紙ローラシャフト23と同時に回転する構造になっている(図8参照)。
一方、給紙サブローラ12の給紙サブローラシャフト24も片持ち構造であり、後述するフレーム80(図25参照)の固定部85において根元を圧入された回転しないシャフトである。従って、前記実施の形態1と同様に両シャフトの根元の軸間距離はL1となる。また、給紙サブローラシャフト24の先端には、前記実施の形態1と同様に溝部24aが直径D2(図8参照)で形成されている。更に、前記実施の形態1と同様に給紙サブローラ用ギア27が給紙サブローラ12と一体となっており、前記給紙ローラ用ギア25の回転は、アイドルギア26を介して、当該給紙サブローラ用ギア27を駆動し、給紙サブローラ12を回転させる。
更に、同じく図19において、給紙ローラシャフト23の先端と、給紙サブローラシャフト24の先端には前記の通りロック部材53が取付けられており、更に、後述するスライド部材61の第1傾斜部62が、当該ロック部材53を押さえるように配置されている。
次に、本実施の形態2における当該ロック部材53の詳細を図20及び図21により説明する。図20は当該ロック部材53の斜視図であり、図21は当該ロック部材53の詳細図である。当該ロック部材53が前記実施の形態1におけるロック部材13と大きく異なるところは、中央突起部54があることである。当該中央突起部54は後述するようにスライド部材61の第1傾斜部62(図22参照)によって押し当てられ、スプリング64の付勢力に抗するために比較的厚みのある形状になっている。
ロック部材53の嵌合部53aと53bは、前記給紙ローラシャフト23の溝部23aと前記給紙サブローラシャフト24の溝部24aに嵌合するようにその内部は円形であり、その内径D3とD4が前記溝部23aと24aの外径D1とD2(図8参照)と同じになっている。
当該嵌合部53aと53bの内部の円形構造は半円以上の円形状であり、前記溝部23aと24aを挿入するための入口の間隔L3とL4は、それぞれ前記溝部23aと24aの外径D1とD2よりも狭い。そのため後述するように、当該嵌合部53a、53bを給紙ローラシャフト23又は給紙サブローラシャフト24に対し、ロック部材53を撓ませながら押込み又は取外すことで着脱する構造となっている。
また、嵌合部53aと53bの中心距離L2は、前記給紙ローラシャフト23と給紙サブローラシャフト24の根元部の軸間距離であるL1と同じであるので、ロック部材53の装着により、両シャフト23、24の先端部の距離が根元部の距離と同じになる。
当該嵌合部53a、53bの近傍にある角状の突起部53c、53dは、当該ロック部材53を前記給紙ローラシャフト23又は給紙サブローラシャフト24から取外す際に指を掛ける箇所であり、当該突起部53c又は53dを指で下方に押すことにより、当該嵌合部53a又は53bを撓ませて給紙ローラシャフト23又は給紙サブローラシャフト24から取外すことができる。当該角状の突起部53c、53dの根元には、撓み易いように前記嵌合部53a、53bに対向する位置に凹部53e、53fが設けられる。
一方、嵌合部53a、53bの前記給紙ローラシャフト23又は給紙サブローラシャフト24に対して反対側には、当該給紙ローラシャフト23又は給紙サブローラシャフト24に向けて指で押し易いように丸みを帯びた形状の押圧部53g、53hが設けられる。ロック部材53の装着時に、当該押圧部53g又は53hを給紙ローラシャフト23又は給紙サブローラシャフト24方向に押圧することにより、前記嵌合部53a又は53bを前記溝部23a又は24aへ嵌合させ、前記ロック部材53を前記給紙ローラシャフト23又は給紙サブローラシャフト24へ取付けることができる。
なお、ロック部材53の回転軸となる給紙ローラシャフト23と嵌合する嵌合部53aについては、前記実施の形態1の変形例にて説明したように、ロック部材41の嵌合部41aと同様に凹凸形状とし、給紙ローラシャフト23の回転動作における回転の負荷を軽減する形状としてもよい。
図22は前記スライド部材61の斜視図である。当該スライド部材61はプラスチックからなり、一端側をスプリング64により、矢印E方向に付勢されている。スライド部材61の底面には、付勢方向に向かって傾斜している傾斜面を有する第1傾斜部62と、同じく付勢方向に向かって傾斜している傾斜面を有する第2傾斜部63を備えている。それぞれの傾斜部62,63は図示のように略逆台形をなしている。
63aは第2傾斜部63の傾斜面の先の底面に設けられた段部であり、図24において後述するように回転支持レバー71のストッパ72の上面と常に接触している。前記スプリング64の一端は下部板金フレーム353の切起し部353bに圧接し、他端はスライド部材61の一端に設けられた十字状のリブで固定されている。
こうして図18において示すように。スライド部材61は、前記大容量給紙ユニット351に固定されている上部板金フレーム354と下部板金フレーム353の間に設けられ、当該下部板金フレーム353を切り起こして形成されたスライド部材ガイド部353aの間をガイドされて、矢印E方向に移動可能となっている。
図23は前記スライド部材61の取付け状態を示す説明図である。前述の通りスライド部材61は下部板金フレーム353の上に設けられ、スプリング64により矢印E方向に付勢されている。当該スライド部材61は、前述の通り前記第1傾斜部62、第2傾斜部63及び段部63aと一体になっているため、当該スライド部材61が下部板金フレーム353の上を矢印E方向に移動することを考慮して、当該下部板金フレーム353には、前記第1傾斜部62、第2傾斜部63及び段部63aの移動する範囲にスリット状の図示しない孔部が形成されている。従って、当該下部板金フレーム353に形成された孔部の範囲を前記第1傾斜部62、第2傾斜部63及び段部63aが矢印E方向に移動する。
給紙ローラシャフト23の先端部近傍には給紙ローラ11が取付けられ、更にその先端の溝部23aにロック部材53が嵌合している。そして、前述の如くロック部材53の中央突起部54は前記スライド部材61の第1傾斜部62が押し当てられた状態になっている。従って、当該ロック部材53は、スライド部材61全体が矢印E方向に移動することを規制している。
当該ロック部材53により押し当てられた前記第1傾斜部62は上方へ反力を受けるが、前記の如くスライド部材61は上部板金フレーム354によって上部方向が規制されているため、スライド部材は持ち上がることはない。
給紙ローラシャフト23には、後述するフレーム80と、当該フレーム80の底面を支持する回転支持レバー71とが設けられている。図23状態では、前記スライド部材61の第2傾斜部63は、前記回転支持レバー71と接触していない。一方、前記スライド部材61の底面に設けられた段部63aは当該回転支持レバー71のストッパ72の上面と当接していて、回転支持レバー71の回転を規制している。更に、前記ストッパ72の上面は、図23の状態のように第1傾斜部62とロック部材53の中央突起部54が接触しているときは、前記スライド部材61の段部63aと接触し、当該回転支持レバー71が矢印F方向に回転するのを規制している。
図24は前記回転支持レバー71を示す斜視図である。前記給紙ローラシャフト23は当該回転支持レバー71を貫通して設けられている。そして、当該回転支持レバー71の先端には従動回転するコロ74が設けられ、他端は前記ストッパ72と支持部73およびスプリング75が設けられている。スプリング75の他端は前記下部板金フレーム353に固定されており、当該スプリング75によって、当該回転支持レバー71は常に矢印F方向に付勢されている。これにより、当該回転支持レバー71は前記給紙ローラシャフト23を中心に矢印F方向に回転する力が与えられている。
また、前記回転支持レバー71の支持部73は後述するようにフレーム80の底面を支持している。前記図23の状態では、回転支持レバー71はスプリング75によって矢印F方向に付勢され、前記支持部73によって、フレーム80の底面を支持している。しかし、当該回転支持レバー71は、前述の如く前記ストッパ72が前記スライド部材61の段部63aと接触しているので、これ以上は回転しない。
一方、後述するように、前記ロック部材53の中央突起部54によるスライド部材61の第1傾斜部62の規制を外すと、前記ストッパ72と前記スライド部材61の段部63aの間に、前記スライド部材61のスプリング64から付勢力を受けた前記第2傾斜部63が入り込む(図33参照)。そうすると、前記第2傾斜部63が、前記回転支持レバー71をスプリング75の付勢力に抗して、矢印Fとは逆方向に揺動させる。これにより前記フレーム80を支持している前記支持部73が給紙ローラシャフト23を中心にして揺動し、フレーム80を揺動させ、給紙サブローラシャフト24を下方に移動させることができる構造となっている。
このように、これらの機構は、前記スライド部材61のスプリング64の付勢力と、回転支持レバー71のスプリング75の付勢力の差を利用している。即ち、前記スライド部材61のスプリング64の付勢力は、回転支持レバー71のスプリング75の付勢力に勝るように配置されている。
図25は本実施の形態2における大容量給紙ユニット351内のローラ支持部34を示す部分拡大斜視図である。給紙ローラ11は給紙ローラシャフト23に取付けられており、図示しない駆動源により回転駆動される。また給紙ローラシャフト23は、大容量給紙ユニット301に固定された図示しないフレームに支持されている。一方給紙サブローラ12は回転しない給紙サブローラシャフト24に取付けられている。25は給紙ローラシャフト23に連結され、その回転をアイドルギア26に伝達する給紙ローラ用ギアである。
更に27は、前記給紙サブローラ12と一体構造であって、前記アイドルギア26からの回転の伝達を受け、記給紙サブローラ12と共に回転する給紙サブローラ用ギアである。80は給紙ローラシャフト23を中心に回動可能に設けられたプラスチックフレームである。なおこれらは理解を容易にするために簡略化して図示してある。
前記給紙ローラシャフト23は給紙ローラ11の交換を容易にするために片持ち構造となっており、その固定端側はプラスチックフレーム80の給紙ローラシャフト23の貫通する孔22a近傍と給紙ローラシャフト23の回転駆動源近傍で、各々大容量給紙ユニット351に固定された図示しない部材にて2点支持されている。一方前記給紙サブローラシャフト24も同じく片持ち構造であり、その固定端側は前記プラスチックフレーム80の固定部85によって固定されている。当該給紙サブローラシャフト24は前記の如く回転することはない。
当該フレーム80には押下部材81がスプリング82とともに設けられている。また、当該フレーム80は前記回転支持レバー71の支持部73によってその底面が支持されている。後述するように、前記回転支持レバー71がスプリング75の付勢力に抗して矢印Fと反対方向に回転させられると、支持部73はフレーム80の底面から離れ、更に、ストッパ72の下面がフレーム80の押下部材81を押下げることにより、フレーム80は給紙ローラシャフト23を中心軸にして揺動する。
また、スプリング75は回転支持レバー71を矢印F方向に付勢しているが、ストッパ72が下部板金フレーム353の上部に設けた前記スライド部材61の段部63aに当接するので、回転支持レバー71の回転は規制される。回転支持レバー71の他端には、前記給紙カセット352を装着する際に機能するコロ74が取付けられている。更に、前記フレーム80には、給紙サブローラ12を媒体Pに押付けるための付勢部材であるスプリング82と、当該スプリング82の圧縮方向にスライドする押下部材81が設けられている。
図26は給紙サブローラ12を支持するローラ支持部34を示す説明図である。前述のように、前記給紙サブローラ12は給紙サブローラシャフト24に支持されており、給紙サブローラシャフト24を支持しているフレーム80は、給紙ローラシャフト23を軸として揺動する。一方、回転支持レバー71も給紙ローラシャフト23を軸にして揺動するが、支持部73で前記フレーム80を支持している。
次に、実施の形態2における給紙カセット352を装着する場合の前記ローラ支持部34の動作について説明する。図27から図29は給紙カセット352を装着する場合のローラ支持部34の動作を示す説明図であり、図27から図29の順に経時的変化を示してある。
図27において、ローラ支持部34は前記の通り大容量給紙ユニット351に設けられ、媒体Pを積載した給紙カセット352は、当該大容量給紙ユニット351に装着される際、矢印G方向に移動する。
図28において、当該給紙カセット352が矢印G方向に更に移動すると、回転支持レバー71の先端に設けたコロ74が、当該給紙カセット352の傾斜部352aを登り始める。これにより回転支持レバー71は、給紙ローラシャフト23を中心として半時計方向に回転する。当該回転支持レバー71の回転により、支持部73は図示のようにフレーム80の底面から離れ始め、更にストッパ72の上面は、前記スライド部材61の底面に設けられた段部63a(図22参照)から離れ始める。
図29において、その後更に前記給紙カセット352が矢印G方向に移動し、前記コロ74が前記傾斜面352aを登り続けると、当該ストッパ72の下面は前記フレーム80の押下部材81を押下する。フレーム80は押下部材81によって押込まれた分、スプリング82の反力を受けて、媒体P方向に揺動して給紙サブローラ12を媒体方向に押付ける。
その後、給紙カセット352が完全に収納されると、図示しないシートレシーブが押し上げられ、図29の状態となり、媒体Pは給紙可能となる。この間、前記ロック部材53は中央突起部54がスライド部材61の第1傾斜部62と当接しているため、スライド部材61を常に規制している。
次にローラの交換動作のうち給紙サブローラ12の交換動作について、図30から図34を用いて説明する。図30は給紙サブローラ12の交換動作を示す説明図であり、前記給紙サブローラ12を支持する機構は図示を省略してある。図31から図33は同じく給紙サブローラ12の交換動作を継時的に示す説明図であり、同図(a)は両シャフトの自由端側から見た図、同図(b)は両シャフトを側面から見た図である。図34は同じく給紙サブローラ12の交換動作のローラ支持部34を示す斜視図である。
図31に示すように、給紙サブローラ12の交換動作の前の状態は、スライド部材61がスプリング64によって矢印E方向に付勢されており、第1傾斜部62はロック部材53の中央突起部54と当接している。
図30において、ロック部材53の角状の突起部53dに指をかけて矢印D方向に押すと、ロック部材53の嵌合部53bが撓んで、その嵌合部53bが給紙サブローラシャフト24の溝部24aから外れる。嵌合部53bが外れたロック部材53は、給紙ローラシャフト23を回転支点として揺動するようになるが、他方の嵌合部53aが給紙ローラシャフト23と嵌合したままであるため、床等には落下しない。このとき、ロック部材53の中央突起部54はスライド部材61の第1傾斜部62との押し当て状態が解除されるため、図32に示すように、スライド部材61は前記スプリング64の付勢力によって、矢印E方向にスライドする。
図32において、スライド部材61が矢印E方向にスライドすると、スライド部材61の第2傾斜部63の傾斜面が回転支持レバー71のストッパ72と接触する。そうするとスライド部材61のスプリング64の付勢力がスプリング75の付勢力に勝ることにより、前記第2傾斜部63はストッパ72と下部板金フレーム353の間に入り込み、ストッパ72は下方に押下げられることになる。こうして回転支持レバー71は給紙ローラシャフト23を中心に矢印D方向に回転する。
図33に示すように、回転支持レバー71がスライド部材61の第2傾斜部63に沿って移動することで、矢印D方向に更に回転すると、当該ストッパ72の下面がフレーム80の押下部材81に接触する。前記スプリング64の付勢力が前記スプリング82の付勢力に勝ることにより、当該ストッパ72は第2傾斜部63に沿って移動することで、押下げられると同時にフレーム80を下方に押下げる。こうしてフレーム80は給紙ローラシャフト23を中心に矢印D方向に回転する。
当該フレーム80が矢印D方向に回転すると、当該フレーム80に圧入されている給紙サブローラシャフト24が下方に移動するので、図34に示すように、給紙サブローラ12の交換が容易になる。この状態で給紙サブローラ12を給紙サブローラシャフト24の先端方向へ移動させて取外す。
そして、当該給紙サブローラ12を交換、又は清掃後、再び給紙サブローラシャフト24に挿入する場合は、逆の手順で、当該給紙サブローラ12を前記給紙サブローラシャフト24の根元方向に挿入した後、ロック部材53の押圧部53hを指で上方に押上げる。ロック部材53は給紙ローラシャフト23の溝部23aを回転支点として揺動し、ロック部材53の前記中央部54がスライド部材61の前記第1傾斜部62に接触する。
すると、当該スライド部材61は矢印Eの反対方向にスライドする力が働き、前記第2傾斜部63とストッパ72とが接触しながらフレーム80は上方に押上げられ、遂には第2傾斜部63とストッパ72とが接触しなくなる。そして、最後にロック部材53の前記嵌合部53bが給紙サブローラシャフト24の前記溝部24aと嵌合すると、ロック部材53の前記中央部54がスライド部材61の前記第1傾斜部62に押し当てられる状態になり、ロックが完了し、給紙サブローラ12の装着が完了する。
次に、給紙ローラ11を交換する場合について図35から図38を用いて説明する。図35は給紙ローラ11の交換動作を示す説明図である。図36、図37は同じく給紙ローラ11の交換動作を継時的に示す説明図であり、同図(a)は両シャフトの自由端側から見た図、同図(b)は両シャフトを側面から見た図である。図38は同じく給紙ローラ11の交換動作のローラ支持部34を示す斜視図である。
給紙ローラ11の交換動作の前の状態は、前記図31に示した状態と同様に、スライド部材61がスプリング64によって矢印E方向に付勢されており、第1傾斜部62はロック部材53の中央突起部54と当接している。
図35において、ロック部材53の角状の突起部53cに指をかけて矢印C方向に押すと、ロック部材53の嵌合部53aが撓んで、その嵌合部53aが給紙ローラシャフト23の溝部23aから外れる。嵌合部53aが外れたロック部材53は、給紙サブローラシャフト24を回転支点として揺動するようになるが、他方の嵌合部53bが当該給紙サブローラシャフト24と嵌合したままであるため、床等には落下しない。このとき、ロック部材53の中央突起部54はスライド部材61の第1傾斜部62との押し当て状態が解除されるため、図36に示すように、スライド部材61は前記スプリング64の付勢力によって、矢印E方向にスライドする。
図36において、スライド部材61が矢印E方向にスライドすると、スライド部材61の第2傾斜部63の傾斜面が回転支持レバー71のストッパ72と接触する。そうするとスライド部材61のスプリング64の付勢力がスプリング75の付勢力に勝ることにより、前記第2傾斜部63はストッパ72と下部板金フレーム353の間に入り込み、ストッパ72は下方に押下げられることになる。こうして回転支持レバー71は給紙ローラシャフト23を中心に矢印D方向に回転する。
図37に示すように、回転支持レバー71がスライド部材61の第2傾斜部63に沿って移動することで、矢印D方向に更に回転すると、当該ストッパ72の下面がフレーム80の押下部材81に接触する。前記スプリング64の付勢力が前記スプリング82の付勢力に勝ることにより、当該ストッパ72は第2傾斜部63に沿って移動することで、押下げられると同時にフレーム80を下方に押下げる。こうしてフレーム80は給紙ローラシャフト23を中心に矢印D方向に回転する。
当該フレーム80が矢印D方向に回転すると、給紙ローラシャフト23は移動しないが、図38に示すように、ロック部材53が下方に移動するので給紙ローラ11の交換が容易になる。この状態で給紙ローラ11を給紙ローラシャフト23の先端方向へ移動させて取外す。
そして、当該給紙ローラ11を交換、又は清掃後、再び給紙ローラシャフト23に挿入する場合は、逆の手順で、当該給紙ローラ11を当該給紙ローラシャフト23の根元方向に挿入した後、ロック部材53の押圧部53gを指で上方に押上げる。ロック部材53は給紙サブローラシャフト24の溝部24aを回転支点として揺動し、ロック部材53の前記中央突起部54がスライド部材61の前記第1傾斜部62に接触する。
すると、当該スライド部材61は矢印Eの反対方向にスライドする力が働き、前記第2傾斜部63とストッパ72とが接触しながらフレーム80は上方に押上げられ、遂には第2傾斜部63とストッパ72とが接触しなくなる。そして、最後にロック部材53の前記嵌合部53aが給紙ローラシャフト23の前記溝部23aと嵌合すると、ロック部材53の前記中央突起部54がスライド部材61の前記第1傾斜部62に押し当てられる状態になりロックが完了し、給紙ローラ11の装着が完了する。
以上のように、実施の形態2によれば、前記実施の形態1と同様にロック部材53によって、給紙ローラ11と給紙サブローラ12の軸間が平行に保たれ、また、ロック部材53を給紙ローラシャフト23と給紙サブローラシャフト24の先端に装着することで、給紙ローラ11と給紙サブローラ12のスラスト方向の移動も規制される。その結果、搬送方向が同じとなり、良好な媒体搬送が得られる。
更に、給紙ローラ11と給紙サブローラ12の清掃や交換を行なう際にも、ロック部材53の片方の嵌合部を取外すと、ローラ支持部34の奥側に位置する給紙サブローラ12が下方に下がってくるため、給紙サブローラ12の交換が容易になる。
なお、実施の形態2において、ロック部材53の取外しによって、給紙サブローラ12を交換し易い位置に移動させるため、給紙ローラ11の給紙ローラシャフト23を回転中心とする機構としたが、これに限らず、別の支点を中心に回転する機構としても本発明から何ら外れるものではない。
また、実施の形態2において、給紙サブローラ12を外し易い位置に移動させる機構として、ロック部材53の動きに連動するスライド部材61を用いて説明したが、ロック部材53の回転移動に連動して給紙サブローラ12の位置を回転移動させる回転部材を用いた別な機構であっても本発明から何ら外れるものではない。
本発明ではLEDタンデム方式による電子写真プリンタで説明を行なっているが、レーザ方式であっても、中間転写方式であっても良い。また、電子写真プリンタに限らず、ファクシミリ、複写機、複合機であっても良い。また、大容量トレイの給紙ローラと給紙サブローラで説明を行なったが、搬送ローラの軸間距離を規制する部材であって、規制の解除による搬送ローラの取り外しが可能となれば、給紙部に限らず、搬送部、定着部、画像形成部、転写部であっても本発明から外れることはない。