JP2009154861A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】パワーアップした車輪トルク入力に対してもリム滑りが発生し難い空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ビードコアがそれぞれ埋設され、組み付け時、適用リムに接触する一対のビード部と、ビード部の一方から他方へ延び、ビードコアの周りをタイヤの内側から外側に巻き返されたカーカスとを備えた空気入りタイヤにおいて、適用リムRのフランジFとの接触部位であるビード外側部に配置される高モジュラスの第1保護ゴム層14と、第1保護ゴム層14のタイヤ幅方向内側に配置される低モジュラスの第2保護ゴム層15とを有する。第1保護ゴム層14は、適用リムRのベースとの接触部位であるビードベースBに配置されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、空気入りタイヤに関するものであり、特に、ビード部を改良した建設車輌に用いられる空気入りタイヤに関する。
従来、ホイールローダーやダンプカー等の重荷重建設車輌に用いられる空気入りラジアルタイヤにおいて、トルク発生時に、リムに装着されているタイヤがリムからずれてしまうリム滑りが発生することが知られている。リム滑りは、タイヤに転動方向の負荷が加わった場合に、タイヤを転動させる車輪トルクとタイヤ抗力のバランスが崩れ、車輪トルクがタイヤ抗力より大きくなる(車輪トルク>タイヤ抗力)と発生する。つまり、車輪への入力である駆動トルク(車輪トルク)がリムに伝わったときに、タイヤのリム接触部であるビードベース部に発生する力に対してタイヤが抵抗する力(タイヤ抗力)が、車輪トルク>タイヤ抗力の関係になると、リム滑りが発生する。
このリム滑りが発生すると、タイヤを装着した車輌が発生する駆動力がタイヤに十分伝わらず、駆動力に見合った仕事力が得られないので、生産性・作業性が著しく低下することになる。このため、リム滑りを発生させない対策が必要となる。タイヤ抗力は、リムとタイヤの間に発生する接触圧による抗力であるため、リムとタイヤの接触圧を高めることにより、或いはタイヤのリムとの接触範囲を広くすることにより、リム滑りを発生させないための対策としてきた。
図2は、従来の接触圧増大方法の説明図である。図2に示すように、タイヤ1のリム2との締め代を増やす(図中、矢印参照)ことにより、リム2と接触するビードベース部3に発生する接触圧を増大させることができる。このように、タイヤのリムとの締め代を増やすものとして、例えば、「建設車両用重荷重ラジアルタイヤ」(特許文献1参照)が知られている。図3は、従来のビードのコア幅とベース幅を増やすことによるタイヤ抗力増大方法の説明図である。図3に示すように、ビード部4に配置されたビードコア5の幅(コア幅)と、リム2と接触するビードベース部3の幅(ベース幅)を増やす(図中、矢印参照)ことにより、リム2とタイヤ1の接触範囲を広くしてタイヤ抗力を増大させることができる。
ところで、近年、車輌がパワーアップしたことにより、これまでのリム滑りに対処した、タイヤのリムとの締め代を増やしたりビードコアを太くしたりする方法では、対応し切れなくなってきた。何故なら、リムとの締め代を増やす方法では、締め代を増やすことによりビードベース部3のタイヤ内径は当然縮小するので、リムへの組み込みができなくなってしまう。また、コア幅・ベース幅を拡大する方法では、拡大に伴い必然的に重量及びコストの増加をもたらすことになる。そこで、タイヤのリムとの締め代を増やしたりビードコアを太くしたりすることなく、パワーアップした車輪トルク入力に対応してタイヤ抗力を増大させるために、ビードベース部に高モジュラスのゴムを配置する方法が提案されている。
図4は、従来の高モジュラスゴムを用いたタイヤ抗力増大方法の説明図である。図4に示すように、ビードベース部に高モジュラスのゴム8を配置することにより、リム滑りが生じ難くなり、加えて、リムフランジ2aに接する部分に低モジュラスのゴム9を配置してクラックを生じ難くさせている。このような、高モジュラスと低モジュラスの2種類のゴムからなるゴムチェーファーを用いたものとして、例えば、「大型車両用空気入りラジアルタイヤ」(特許文献2参照)が知られている。
特開2006−21588号公報 特開平10−324119号公報
しかしながら、ビードベース部に高モジュラスのゴムを配置することにより、リム滑りを発生し難くすることができるが、車輪トルクのパワーアップが進む傾向の現在にあって、リム滑りを発生し難くするための更なる改善が求められている。この発明の目的は、パワーアップした車輪トルク入力に対してもリム滑りが発生し難い空気入りタイヤを提供することである。
上記目的を達成するため、この発明に係る空気入りタイヤは、ビードコアがそれぞれ埋設され、組み付け時、規定リムに接触する一対のビード部と、前記ビード部の一方から他方へ延び、前記ビードコアの周りをタイヤの内側から外側に巻き返されたカーカスとを備えた空気入りタイヤにおいて、前記規定リムのフランジとの接触部位であるビード外側部に配置される高モジュラスの第1保護ゴム層と、前記第1保護ゴム層のタイヤ幅方向内側に配置される低モジュラスの第2保護ゴム層と、を有することを特徴としている。また、この発明において、前記第1保護ゴム層は、前記規定リムのベースとの接触部位であるビードベースに配置されていることが好ましい。
また、この発明において、前記第1保護ゴム層は、正規内圧を充填し正規荷重が加わったとき、前記ビード外側部に沿って伸び前記規定リムに密着することが好ましい。また、この発明において、前記ビードコアは、六角形状断面を有し、前記第2保護ゴム層のタイヤ径方向内側端が、前記ビードコアの断面中心を通る垂線と、前記ビードコアの中心と前記ビードコアの断面底辺のタイヤ幅方向外側端を結ぶ直線の間に位置することが好ましい。また、この発明において、前記第2保護ゴム層のタイヤ径方向外側端が、前記第1保護ゴム層のタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向外側にあることが好ましい。
また、この発明において、前記第1保護ゴム層は、100%モジュラスが4.0〜7.0MPaの範囲にあり、前記第2保護ゴム層は、100%モジュラスが1.0〜3.5MPaの範囲にあることが好ましい。また、この発明において、前記ビード外側部は、5mm以上の厚みを有することが好ましい。
また、この発明において、ビードコアがそれぞれ埋設され、組み付け時、規定リムに接触する一対のビード部と、前記ビード部の一方から他方へ延びるカーカス本体、及び前記ビードコアの周りをタイヤの内側から外側に巻き返された折り返し部からなるカーカスとを備えた空気入りタイヤにおいて、
タイヤ幅方向断面において、リムフランジの離反点からカーカス本体に下ろした法線の足と、リムライン位置からカーカス本体に下ろした法線の足とを結んだ間のカーカス本体が、直線状であることが好ましい。
また、この発明において、タイヤ幅方向断面において、前記リムフランジの離反点から前記カーカス本体に下ろした法線の足における前記カーカス本体とタイヤ回転軸とがなす角度が、サイドウォール表面でのタイヤ最大幅位置とビードコアのタイヤ幅方向の最内側位置とを結んだ直線と、タイヤ回転軸とがなす角度よりも大きいことが好ましい。
この発明によれば、規定リムのフランジとの接触部位であるビード外側部に配置される高モジュラスの第1保護ゴム層と、第1保護ゴム層のタイヤ幅方向内側に配置される低モジュラスの第2保護ゴム層とを有するので、パワーアップした車輪トルク入力に対してもリム滑りを発生し難くすることができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤの一方のビード部を示す部分断面図である。図1に示すように、空気入りタイヤ10は、タイヤ外周方向に沿うクラウン部(図示しない)と、クラウン部の両側面を構成する一対のサイドウォール部10aを有している。各サイドウォール部10aのタイヤ径方向内周側には、ビード部11が設けられており、左右一対のビード部11のそれぞれには、ビードコア12が埋設されている。なお、図1において、ビード部11は、左右一対の内の右側のみを示す。
この空気入りタイヤ10は、タイヤサイズに応じて規格に規定された適用リム(規定リム)Rへの組み付け時、嵌め込まれた適用リムR(図1参照)のリムベースBに、ビード部11のビードベース11aを密着状態に接触させている。ビードコア12は、例えば、6角形状断面を有し、コア底面がビードシートSに沿って配置されており、一対のビードコア12の間には、例えば、ゴム被覆スチールコードのラジアル配列プライからなるカーカス13が配置されている。カーカス13は、一方のビード部11からクラウン部(図示しない)を経て他方のビード部11へ延び、各端部が各ビードコア12の周りをタイヤの内側から外側に折り返されている。
このカーカス13の下面側には、カーカス13を包み込み、且つ、ビード部11の下端部を形成するように、高モジュラスの第1保護ゴム層14と低モジュラスの第2保護ゴム層15の、2種類の保護ゴム層が配置されている。第1保護ゴム層14は、ビード部11の、適用リムRのベースとの接触部位であるビードベース11a及びフランジFとの接触部位であるビード外側部に配置されており、U字状の断面形状を有している。この第1保護ゴム層14は、正規内圧を充填し正規荷重が加わったとき、ビード外側部に沿って伸び適用リムRのビードシートS及びフランジFに密着状態に接触して、ビード部11の下端部を形成する。ここで、第1保護ゴム層が高モジュラスで、第2保護ゴム層が低モジュラスであるとは、第1保護ゴム層が第2保護ゴム層よりも高モジュラスであることを意味している。
第2保護ゴム層15は、ビードコア12のタイヤ幅方向外側と第1保護ゴム層14の間、即ち、第1保護ゴム層14のタイヤ幅方向内側に配置されて、第1保護ゴム層14のタイヤ幅方向外側部分を覆うと共に、第1保護ゴム層14の上方でビード部11の外側面を形成している。融合一体化された第1保護ゴム層14と第2保護ゴム層15の分割線Qの上端aは、フランジハイトh(リムベースBからリムフランジFの上端Faまでの距離)位置に、即ち、リムフランジ上端Faと略同一高さに位置している。従って、第2保護ゴム層15のタイヤ径方向外側端は、第1保護ゴム層14のタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向外側に位置することになる。このため、例えば、第1保護ゴム層14においてクラックが生じたとしても、そのクラックが内部に伝わるのを確実に防止することができる。
分割線Qの下端bは、ビードコア12の断面中心Oを通る垂線から、ビードコア12の断面中心Oとコア断面の底辺(コア底面)のタイヤ幅方向外側端(角)を結ぶ直線までの範囲に位置するようにする。このように、高モジュラスの第1保護ゴム層14が、上端、即ち、分割線Qの上端aが、リムフランジ上端Faに位置するようにしているのは、タイヤに荷重が加わったとき、ビード外側面が倒れ込んでリムフランジFに接触する範囲が略フランジハイトhに対応するので、有効範囲であるフランジハイトhを確保することができるようにするためである。
第1保護ゴム層14は、100%モジュラスが4.0〜7.0MPaの範囲にあることが好ましく、第2保護ゴム層15は、100%モジュラスが1.0〜3.5MPaの範囲にあることが好ましい。ゴムは、100%モジュラスが7.0MPa以上になると、ベース割れが発生する虞があるため、7.0MPa以下にする。また、第1保護ゴム層14のフランジFとの接触部位であるビード外側部は、5mm以上の厚みを有している。ビード外側部の厚みが5mmに満たないと、高モジュラスのゴムを配置して接触圧力を高くすることによる効果が十分に得られない。
このように、第1保護ゴム層14は、従来に比べ高モジュラスのゴムであるため、タイヤをリム組みしたとき、第1保護ゴム層14には高い接触圧力が発生する。このとき、第2保護ゴム層15において発生する接触圧力は小さい。空気入りタイヤ10への空気充填時、内部圧力により、ビード部11のフランジF側の外側面(ビード外側部)、即ち、第1保護ゴム層14がリムフランジFに押し当てられて、第1保護ゴム層14に接触圧力が発生する。この接触する部分に配置されているのは、100%モジュラスが4.0〜7.0MPaの範囲にある、高モジュラスの第1保護ゴム層14である。このため、従来の低モジュラスのゴムが配置されていた場合(図4参照)に比べ、接触圧力が増大するのに伴ってタイヤ抗力が増大するので、リム滑りを抑制することができる。
また、空気入りタイヤ10に負荷が加わった場合においても、撓みによりビード外側面がリムフランジFに押し付けられ接触圧力が発生するが、ビード部11のフランジF側の外側面(ビード外側部)に高モジュラスの第1保護ゴム層14を配置することにより、ビード部11の外側面の接触圧力が増大し、タイヤ抗力を増大させて、リム滑りを抑制することができる。低モジュラスの第2保護ゴム層15の下端、即ち、分割線Qの下端bを、ビード部11の中心位置であるビードコア12の断面中心Oからビードコア12の断面底辺のタイヤ幅方向外側端までの間に配置することにより、空気入りタイヤ10に内部圧力や外部荷重が加わったときに発生する、リムRとの接触により押し出されるゴムの動きによる歪みを緩和し、ビードヒール部において発生するセパレーションを防止するための耐セパレーション性を高めることができる。
更に、本発明のタイヤは、図5に示すように、ビードコア12がそれぞれ埋設され、組み付け時、規定リムに接触する一対のビード部と、前記ビード部の一方から他方へ延びるカーカス本体であるMCと、前記ビードコアの周りをタイヤの内側から外側に巻き返されたカーカス折り返し部TCからなるカーカス13とを備えた空気入りタイヤにおいて、タイヤ幅方向断面における、リムフランジの離反点16からカーカス本体MCに下ろした法線の足17と、リムライン位置18からカーカス本体MCに下ろした法線の足19とを結んだ間のカーカス本体が、直線状であるであることが好ましい。このように、カーカス本体MCの17から19までが直線状であることにより、図6に示すように、内圧充填時においてタイヤサイド部にタイヤ幅方向外側に膨らもうとする力が働いた際に、カーカス本体MCから矢印23で示すようなリムフランジ面を押す力が好適に増加する。従って、第2保護ゴム層とリムフランジとの間の接触圧と接触幅とが好適に増加するため、リムすべりを都合良く抑制できる。ここで、「リムフランジの傾きが始まる位置からカーカス本体MCに法線を引いた時にカーカス本体MCと交わる点と、リムライン位置からライン本体に法線を引いた時にカーカス本体MCと交わる点とを結んだカーカス本体が直線状である」とは、タイヤ成型時にゴムゲージなどを調整することによって、タイヤ加硫後のカーカス本体の形状を直線状にすることを意図している。また、リムライン位置16とは、タイヤを適用リムに組み付けた際に、ベースラインから適用リムのフランジハイトhの1.18倍の高さにあるタイヤ表面を指す。
また、これまでのタイヤにおいては、リムベース部とビード部の接触面を広げるためビードコアの最大幅を広くしていた。そのため、カーカス本体はタイヤ回転軸方向に対して角度が小さくなる傾向にあったが、これは、リムフランジとタイヤビード部との接触圧を向上させる上では不利であった。そこで、本発明のタイヤにおいては、図7に示すように、前記リムフランジの離反点16からカーカス本体MC下ろした法線の足17における前記カーカス本体MCとタイヤ回転軸とがなす角度が、サイドウォール表面でのタイヤ最大幅位置20とビードコアのタイヤ幅方向の最内側位置21とを結んだ直線と、タイヤ回転軸とがなす角度よりも大きいことが好ましい。このように、カーカス本体のタイヤ軸方向に対する角度がより大きくなるように配置すると、リムフランジとタイヤビード部との接触圧を向上させるために有利になる。また、この方法は追加の部材を必要としないため、材料費の面からも有利である。
次に、上述した構成に基づく空気入りタイヤの例である実施例1(改良品1、図1参照)と、従来のタイヤに対し、三次元有限要素法(Finite Element Method:FEM)により、ビードベース部とビード外側面のそれぞれで内圧時と荷重時について、接触圧力試験を実施した。
接触圧力試験の実施結果を表1に示す。接触圧力は、従来品を100としたときの指数で表示し、この数値が大きいほど、接触圧力が大きいことを意味する。このときの評価条件は、以下の通りである。
サイズ:29.5R25、内圧:500kpa、荷重:18.5トン
従来品は、100%モジュラスが、第1保護ゴム層:3.0MPa、第2保護ゴム層:4.1MPa
改良品1は、100%モジュラスが、第1保護ゴム層:6.0MPa、第2保護ゴム層:3.0MPa
Figure 2009154861
リム滑り試験機にてタイヤ抗力を測定した。その結果を表2に示す。ここで、リム滑り性は、回転軸に供試タイヤ(空気入りタイヤ10:改良品)が装着されたリムを固定し、この回転軸に制動装置により30トンの制動力を付加した状態において、プレーナーを駆動し、このプレーナーに加わる抵抗値にて評価した。各抵抗値は、車両重量によるタイヤ踏面での限界力を100としたときの指数で表示し、この数値が大きいほど、リム滑りが少ないことを意味する。
Figure 2009154861
このように、例えば、建設車輌用の空気入りラジアルタイヤのゴムチェーファーを、高モジュラスのゴムと低モジュラスのゴムを組み合わせて配置することにより、パワーアップした車輪トルク入力に対しても、タイヤとリムの間でリム滑りが発生するのを抑制することができる。つまり、この発明に係る空気入りタイヤ10は、ビードベースに加えリムフランジに接する部分にも高モジュラスのゴム(第1保護ゴム層14)を配置して、耐リム滑り性をより高めている。この耐リム滑り性が向上するのは、リムと接する部分に高モジュラスのゴム(第1保護ゴム層14)を配置したことで、リムとタイヤの接触圧が高くなることにある。
なお、リムフランジに接する部分にも高モジュラスのゴム(第1保護ゴム層14)を配置したことにより、耐クラック性が悪化したとしても、高モジュラスのゴムのゴム幅方向内側に低モジュラスのゴム(第2保護ゴム層15)が配置されているため、クラックは低モジュラスのゴムで止まってビードコア周りの補強部材まで進展しないので、悪影響を及ぼすことはない。なお、本発明は、上述した実施の形態により説明したが、この実施の形態に限定されるものではない。従って、本発明の趣旨を逸脱することなく変更態様として実施するものも含むものである。例えば、ビードコア12は、断面六角形状に限らず、円形等の他の形状でも良く、また、カーカス13の周りに、1枚或いは複数枚の、例えばスチール製の補強部材を設けても良い。
次に、上記改良品のタイヤと同様の構成を有しており、カーカス本体が直線状であり図7における角度αが60°、βが70°であるタイヤ(改良品2)、かかる従来タイヤと第1保護ゴム層及び第2保護ゴム層の構成は同様であって、カーカス本体が直線状であり図7における角度αが70°、βが60°であってカーカス本体の17から19までが直線状であるタイヤ(改良品3)、及び表5に示す構成の空気入りタイヤについて、ゲージ内圧が0の時、内圧充填時(内圧:650kPa)、及び荷重時(28トン荷重時)におけるベース面及びフランジ面での接触圧について、面圧測定センサーにより測定し、更に、三次元有限要素法によって計算した。結果を表3、4、及び6に示す。
Figure 2009154861
Figure 2009154861
Figure 2009154861
Figure 2009154861
表3及び4の結果から、改良品3のタイヤは、改良品2のタイヤよりも、ゲージ内圧が0の時、内圧充填時、及び荷重時のいずれの場合においても、ベース面及びフランジ面での接触圧が向上している。特に内圧充填時及び荷重時におけるフランジ面の接触圧が著しく向上していることが分かる。従って、ビードコアがそれぞれ埋設され、組み付け時、規定リムに接触する一対のビード部と、前記ビード部の一方から他方へ延びるカーカス本体、及び前記ビードコアの周りをタイヤの内側から外側に巻き返された折り返し部からなるカーカスとを備えた空気入りタイヤにおいて、タイヤ幅方向断面において、リムフランジの離反点からカーカス本体に下ろした法線の足と、リムライン位置からカーカス本体に下ろした法線の足とを結んだ間のカーカス本体が、直線状であること、並びに、タイヤ幅方向断面において、前記リムフランジの離反点から前記カーカス本体に下ろした法線の足における前記カーカスライン本体とタイヤ回転軸とがなす角度が、サイドウォール表面でのタイヤ最大幅位置とビードコアのタイヤ幅方向の最内側位置とを結んだ直線と、タイヤ回転軸とがなす角度よりも大きいことが好ましい。
表6の結果から、実施例2の接触圧の値よりも、実施例3の値の方が総じて向上していることが分かる。従って、ビードコアがそれぞれ埋設され、組み付け時、規定リムに接触する一対のビード部と、前記ビード部の一方から他方へ延びるカーカス本体、及び前記ビードコアの周りをタイヤの内側から外側に巻き返された折り返し部からなるカーカスとを備えた空気入りタイヤにおいて、タイヤ幅方向断面において、リムフランジの離反点からカーカス本体に下ろした法線の足と、リムライン位置からカーカス本体に下ろした法線の足とを結んだ間のカーカス本体が、直線状であることが好ましい。
また、表6から、実施例3の接触圧の値よりも、実施例4の値の方が総じて向上していることが分かる。従って、タイヤ幅方向断面において、前記リムフランジの離反点から前記カーカス本体に下ろした法線の足における前記カーカス本体とタイヤ回転軸とがなす角度が、サイドウォール表面でのタイヤ最大幅位置とビードコアのタイヤ幅方向の最内側位置とを結んだ直線と、タイヤ回転軸とがなす角度よりも大きいことが好ましい。
この発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤの一方のビード部を示す部分断面図である。 従来の接触圧増大方法の説明図である。 従来のビードのコア幅とベース幅を増やすことによるタイヤ抗力増大方法の説明図である。 従来の高モジュラスゴムを用いたタイヤ抗力増大方法の説明図である。 本発明のタイヤの一例における、ゲージ内圧0での部分断面図である。 本発明のタイヤの一例における、内圧充填時での部分断面図である。 本発明のタイヤの他の例を説明する部分断面図である。
符号の説明
10 空気入りタイヤ
10a サイドウォール部
11 ビード部
11a ビードベース
12 ビードコア
13 カーカス
14 第1保護ゴム層
15 第2保護ゴム層
16 リムフランジの傾きが始まる位置
17 リムフランジの離反点16からカーカス本体MC下ろした法線の足
18 リムライン位置
19 リムライン位置からカーカス本体MCに下ろした法線の足
20 サイドウォール表面でのタイヤ最大幅位置
21 ビードコアのタイヤ幅方向の最内側位置
22 タイヤ回転軸と平行な直線
23 タイヤビード部におけるカーカス本体によるリムフランジへの接触圧の向き
B リムベース
F フランジ
Fa リムフランジ上端
MC カーカス本体
TC カーカス折り返し部
O 断面中心
Q 分割線
R 適用リム
S ビードシート
a 上端
b 下端
h フランジハイト

Claims (9)

  1. ビードコアがそれぞれ埋設され、組み付け時、規定リムに接触する一対のビード部と、前記ビード部の一方から他方へ延び、前記ビードコアの周りをタイヤの内側から外側に巻き返されたカーカスとを備えた空気入りタイヤにおいて、前記規定リムのフランジとの接触部位であるビード外側部に配置される高モジュラスの第1保護ゴム層と、前記第1保護ゴム層のタイヤ幅方向内側に配置される低モジュラスの第2保護ゴム層と、を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記第1保護ゴム層は、前記規定リムのベースとの接触部位であるビードベースに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第1保護ゴム層は、正規内圧を充填し正規荷重が加わったとき、前記ビード外側部に沿って伸び前記規定リムに密着することを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ビードコアは、六角形状断面を有し、前記第2保護ゴム層のタイヤ径方向内側端が、前記ビードコアの断面中心を通る垂線と、前記ビードコアの断面中心と前記ビードコアの断面底辺のタイヤ幅方向外側端を結ぶ直線の間に位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記第2保護ゴム層のタイヤ径方向外側端が、前記第1保護ゴム層のタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向外側にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第1保護ゴム層は、100%モジュラスが4.0〜7.0MPaの範囲にあり、前記第2保護ゴム層は、100%モジュラスが1.0〜3.5MPaの範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記ビード外側部は、5mm以上の厚みを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  8. ビードコアがそれぞれ埋設され、組み付け時、規定リムに接触する一対のビード部と、前記ビード部の一方から他方へ延びるカーカス本体、及び前記ビードコアの周りをタイヤの内側から外側に巻き返された折り返し部からなるカーカスとを備えた空気入りタイヤにおいて、
    タイヤ幅方向断面において、リムフランジの離反点からカーカス本体に下ろした法線の足と、リムライン位置からカーカス本体に下ろした法線の足とを結んだ間のカーカス本体が、直線状である請求項1〜7のいずれか一項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  9. タイヤ幅方向断面において、前記リムフランジの離反点から前記カーカス本体に下ろした法線の足における前記カーカス本体とタイヤ回転軸とがなす角度が、サイドウォール表面でのタイヤ最大幅位置とビードコアのタイヤ幅方向の最内側位置とを結んだ直線と、タイヤ回転軸とがなす角度よりも大きい請求項1〜8のいずれか一項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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