JP2000233613A - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents

重荷重用空気入りタイヤ

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JP2000233613A
JP2000233613A JP11039427A JP3942799A JP2000233613A JP 2000233613 A JP2000233613 A JP 2000233613A JP 11039427 A JP11039427 A JP 11039427A JP 3942799 A JP3942799 A JP 3942799A JP 2000233613 A JP2000233613 A JP 2000233613A
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bead
rim
tire
rubber
compression
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JP11039427A
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English (en)
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Yoshihisa Takubo
芳久 田窪
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C15/00Tyre beads, e.g. ply turn-up or overlap
    • B60C15/06Flipper strips, fillers, or chafing strips and reinforcing layers for the construction of the bead
    • B60C2015/0614Flipper strips, fillers, or chafing strips and reinforcing layers for the construction of the bead characterised by features of the chafer or clinch portion, i.e. the part of the bead contacting the rim

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  • Tires In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 重荷重用空気入りタイヤにおいて、良好なリ
ム組性と、高トルク負荷時での優れた耐リム滑り性、十
分なビード部耐久性を同時に満たすようにする。 【解決手段】 重荷重用空気入りタイヤにおいて、ビー
ドコアは多角形断面を有するものであり、ゴムチェーフ
ァは、圧縮ひずみ率30%の条件下で得られる圧縮弾性
率(MC )が17.6kgf/cm2 以上で、かつ、熱処理温
度が20℃及び50℃における圧縮永久ひずみ率(C
S)がそれぞれ2%以下及び4.5%以下であるゴムよ
りなり、タイヤをその適用リムに組付けて最高空気圧を
充てんした場合におけるタイヤビード部とリムとの間
の、ビードコアの断面図形の重心を通るタイヤ回転軸線
への垂直上でのゴム部分圧縮比(η)の値が0.37以
下であり、かつ、上記リムのビードシートとビード部の
ゴムチェーファとの間の圧縮力が24〜35kgf/cm2
範囲内にあるものとし、ビード部の、ビードヒール側の
角部に対応するビードベース面に該リムビードシートの
円周に沿う凹溝を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重荷重用空気入り
タイヤ、とくに、重荷重負荷の下で使用されるタイヤの
典型例として、一般路上を走行するトラックや土木・建
設・鉱山などで稼働する建設車両などの重車両の使途に
供するチューブレスタイプの重荷重用空気入りラジアル
タイヤについて、タイヤのリム組性能及びリムフィット
性を損なうことなく、高トルク負荷時及び急ブレーキ作
動時に発生しがちなリムとタイヤビード部との間の相対
滑り(以下リム滑りという)の抑制を図るとともに、リ
ムのフランジ側におけるビード部の耐久性を向上させた
ビード部を備える重荷重用空気入りタイヤに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】チューブレス(以下T/Lという)タイ
プのタイヤはチューブ付きタイプのタイヤと異なりリム
とビード部との間のエアーシール効果に期待してタイヤ
内部の空気圧をなるべく充てん初期の圧力に保持するた
め、タイヤの適用リムのビードシートに対しビード部の
ビードベース部のゴム部分にある値の締め代を付してエ
アーシール効果に万全を期すことを狙う一方で、締め代
が過大であればタイヤビード部のリムに対するフィット
性が低下し、リム組み性が悪化するという二面性をもつ
のは止むを得ないとされている。
【0003】そこでT/Lタイヤのエアーシール性を少
しでも高めるため、図9のビード部1の断面図に示すよ
うに、リムRのフランジR2 に接するビード背面部分及
びリムビードシートR1 に接するビードベース部分1b
を平坦な面としビードベース部分1bにつき、ビードシ
ート面R1 ぎりぎりまでゴム締め代δ(斜線を付した部
分)を付してこれらの平坦な面をヒール部においてアー
ルでつないだ断面円弧状とすることが慣例(二点鎖線Y
で囲んだ領域)であり、かようにして、ビードベース部
分1bのリムRのビードシート面R1 に対する締め代δ
は、十分なエアーシール性と適度なリム組み性とが両立
する範囲内となるように設定され、ビードベース部分1
bとビードシート面R1 との間の締め代δにより生じる
圧縮力を適当に調整するのが一般的であって、それ以上
は深く追求するところがなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが最近になっ
て、特に建設現場や採鉱現場でのより一層の生産性向上
を意図し、積み荷積載時に上り坂でも所定速度を保持し
得る高馬力エンジンを搭載した車両を現場に投入して稼
働サイクルタイムを減少させ、加えて急ブレーキ、急発
進を繰り返して同様に稼働サイクルタイムを減少させる
ことが一般化している。
【0005】いずれの場合もタイヤに従来より高トルク
が作用するのは避けられず、この高トルク作用により従
来に比しタイヤのリム滑りがより一層高頻度で、かつよ
り過度に発生しがちになり、その結果従来にはそれほど
見られなかったビードベース部の早期摩耗が生じるよう
になり、本来充分なエアーシール性をもつべきビードベ
ース部表面を伝わりタイヤ内部の高圧空気が外気に放出
される現象が見られ、結局、タイヤ全体の耐久性に大き
な影響を及ぼすタイヤ空気圧が比較的短時間で大幅に低
下するという問題が生じていた。
【0006】さらに上記問題を少しでも改善するため、
どうにかリム組み性を保持する範囲内でビードベース部
のゴム締め代をできるだけ多くとる傾向が強くなり、こ
れで耐リム滑り性は大幅に改善されるようになった反
面、ビード部のリムのフランジ側のビード部補強層又は
カーカスプライの折返し部とその周辺ゴム、多くの場合
はゴムチェーファとの間のセパレーション故障が発生す
る新たな問題が浮上してきた。一たんこの種のセパレー
ションが生じると、ビード部バーストなど致命的で、危
険な故障に発展することが分かっているため、外見上で
セパレーションが進展した膨れ上がり部分などが発見さ
れれば、その時点で取り外し、廃棄処分となり、1本当
りの価格が極めて高価なタイヤであるだけに新たな問題
は深刻である。
【0007】本発明の目的は、従来の良好なリム組性及
びリムフィット性を保持したうえで、現在の高トルク作
用の下での耐リム滑り性を向上させ、これによりタイヤ
内部の充てん空気圧を長期間保持し、本来備えているタ
イヤの耐久性をいかんなく発揮させることができ、しか
もリムのフランジ側ビード部のセパレーション故障発生
を阻止し得る長寿命な重荷重用空気入りタイヤを提案す
るところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、一対のビード
部内に埋設したビードコア相互間にわたってトロイド状
に延びる1プライ以上のゴム被覆ラジアル配列コードよ
りなるカーカスを備え、該カーカスの少なくとも1プラ
イはビードコアの周りをタイヤ内側から外側に巻上げた
折返し部を有し、該折返し部の外側のビード部にゴムチ
ェーファを備えた重荷重用空気入りタイヤにおいて、上
記ビードコアは多角形断面を有するものであり、上記ゴ
ムチェーファは、圧縮ひずみ率30%の条件下で得られ
る圧縮弾性率(MC )が17.6kgf/cm2 以上で、か
つ、熱処理温度20℃及び50℃にける圧縮永久ひずみ
率(CS)がそれぞれ2%以下及び4.5%以下である
ゴムからなり、上記タイヤをその適用リムに組付けて最
高空気圧を充てんした場合におけるタイヤビード部とリ
ムとの間の、ビードコアの断面図形の重心を通るタイヤ
回転軸線への垂直上でのゴム部分圧縮比(η)の値が
0.37以下であり、かつ、上記リムのビードシートと
ビード部のゴムチェーファとの間の圧縮力が24〜35
kgf/cm2 の範囲内にあり、ビード部の、ビードヒール側
の角部に対応するビードベース面に該ビードシートの円
周に沿う凹溝を有することを特徴とする重荷重用空気入
りタイヤである。
【0009】ここに上記圧縮弾性率(MC )の値は、J
IS K 6301−1995が定める加硫ゴム物理試
験方法に記載した圧縮試験の試験方法に従い求めた値と
し、圧縮永久ひずみ率(CS)の値は、上記JIS規格
が定める圧縮永久ひずみ試験の試験方法に準じ、熱処理
温度は20℃及び50℃とする(本発明において規定す
る特有の温度)。また熱処理時間は熱処理温度20℃及
び50℃のいずれもが48時間である。さらにリムのビ
ードシートとビード部のゴムチェーファとの間の圧縮力
の算出は試験片でないため上記JIS規格が定める圧縮
試験に準拠するものとする。
【0010】また、上記ゴム部分圧縮比ηの値及び圧縮
力は、JATMA規格(1998年版)が定めるタイヤ
の最大負荷能力に対応する最高空気圧をタイヤ及びリム
組立体に充てんしたときの値とする。なお上記最大負荷
能力及び最高空気圧は、JATMA規格にタイヤ種別毎
に掲載された空気圧−負荷能力対応表に記載された値で
あり、但しPR(プライレーティング)又は星(☆)マ
ーク数が複数存在するタイヤではPR又は星(☆)マー
ク数により最大負荷能力が異なるので、ここでいう最大
負荷能力とは、所定PR又は所定星(☆)マーク数にお
ける最大負荷能力とし、最高空気圧は上記対応表でみて
この最大負荷能力に対応する空気圧である。さらに適用
リムとは上記JATMA規格がタイヤ種類毎に定めるリ
ムとする。
【0011】ビードコアは、多角形断面を有するものが
本発明に有利に適合するが、具体的にはその断面が六角
形をなす一般スチールワイヤ(丸線)の多列多段の巻回
になるもの、断面が四角形をなす方形板状断面をもつス
チールワイヤの多列多段の巻回になるものを使用するこ
とができる。
【0012】本発明において規定する圧縮比(η)の値
は、本発明の請求項2に記載したように、上記ゴム部分
圧縮比(η)が、次式 η=(E−F)/{(D−F)−Σt} によって求められた値とする。
【0013】ここに、Eは、最高空気圧を充てんした上
記タイヤ及びリム組立体の垂線とリムのビードシートと
の交点における直径とし、Fはリムに組付け前のタイヤ
のビード部外側間隔を上記適用リムの幅に合わせたとき
の、ビードコアの断面図形の重心を通るタイヤ回転軸線
への垂線とタイヤのビードベースとの交点における直径
とし、Dは上記最高空気圧を充てんした上記タイヤ及び
リム組立体の上記垂線とビードコアの断面図形のタイヤ
内方側辺との交点における直径、さらにΣtは直径Dに
含まれるコードなどの非圧縮性部材の合計厚さとする。
【0014】また本発明の請求項3に記載した発明にお
いては、凹溝を屈曲部を有しない滑らかな曲線で構成さ
れたものとする。また、本発明の請求項4に記載した発
明においては凹溝の幅をビードコア底辺の幅の40〜8
0%の範囲とし、さらに、本発明の請求項5に記載した
発明においては、凹溝の深さをコアヒール側の底角部の
下側にけるゴムゲージの15〜40%の範囲とする。
【0015】
【発明の実施の形態】リム滑り性を支配するビードベー
ス部の圧縮力はその要部の断面を図1に示すように内圧
充てん時のビードコアヒール側角下(図中B点)にて最
大値をとる。荷重が付加された場合でのタイヤの回転に
より該圧縮力の分布の傾向はさらに強まり、荷重が増大
していくに従い顕著になる。
【0016】その際に、押しつぶされたゴムチェーファ
のゴムは図2に示す如くビード部の背面側t1 とトウ側
2 に流れることになるが、背面側t1 へ流れ込むゴム
によって補強層との間にせん断力が生じセパレーション
に進展してしまう。
【0017】とくに、リム滑り防止対策のために締め代
を多くしたタイヤほどゴムの移動が大きいたいめセパレ
ーションに進展する危険が高くなる。
【0018】本発明においては、ビード部の、ビードヒ
ール側の角部に対応するビードベース面にリムビードシ
ールの円周に沿う凹溝を配設してビード部の背面側t1
へのゴムの流れの絶対量を抑制する。本発明で規定する
ような凹溝を設けることによってゴムの流れる量が減り
補強層における横せん断ひずみの増加を抑えることがで
き、リムの滑りの回避とセパレーションの進展防止の両
立化が図られる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して本発明をより具体的に
説明する。図3は本発明に従う重荷重用空気入りタイヤ
(T/L)につき、そのビード部断面を拡大して示した
図であり、図中1は一対のビード部(図においては片側
のみ示す)、2はビード部1内に埋設された多角形断面
になるビードコア、3はゴム被覆ラジアル配列コードか
らなり、ビードコア2の相互間にわたりトロイド状に延
びる少なくとも1プライ(図においては1プライを例と
したのもであってこの場合にはコードはスチールコード
であるのが望ましい)のカーカスであって、このカーカ
ス3はビードコア2の周りをタイヤの内側から外側に巻
上げた折返し部3aを有する。
【0020】また、4はゴム被覆になる補強コード層
(このコード層の配置を省略することもできる)であ
り、この補強コード層4は例えばカーカス3側に配置し
た1層のゴム被覆スチールコード4aと2層のゴム被覆
有機線維コード交差層4bにて構成する。さらに、5は
補強コード層4を覆い少なくもとリムR(二点鎖線で表
示)に接触する位置(リムRのビードシートR1 とリム
フランジR2 の領域)に配置されるゴムチェーファ、6
はビード部1のビードヒール側hの角部に対応するビー
ドベース面1aにリムRのビードシートR1 の周りに沿
って設けられた凹溝、7はスティフナゴム、そして8は
インナーライナである。
【0021】ビード部1のビードベース部1bはリムR
のビードシートR1 よりタイヤ回転軸方向に張り出さ
せ、リムRの外側輪郭とビード部輪郭とを図形上で重ね
合わせたとき、ビード部1のビードベース面(ビードベ
ース)1aはリムRのビードシートR1 よりタイヤ回転
軸側に位置する。ビードベース面1aからビードシート
1 に至るまでのオーバーラップ部分が、いわゆる締め
代δであり、この締め代δがエアーシールの役を果たし
てタイヤ内を所定の空気圧に保持する。
【0022】本発明において、ゴムチェーファ5は圧縮
ひずみ率30%の条件下で得られる圧縮弾性率(MC
が17.6kgf/cm2 以上でかつ、熱処理温度20℃及び
50℃における圧縮永久ひずみ率(CS)がそれぞれ2
%以下及び4.5%以下であると規定したが、ここで、
そのゴム物性のうち圧縮弾性率MC 、圧縮永久ひずみ率
CSとは、前者はJIS規格が定める加硫ゴム物理試験
方法K−6301に記載した圧縮試験に従い、圧縮ひず
み率30%の条件下で得られる圧縮弾性率MCの値を、
また、後者は上記加硫ゴム物理試験方法K−6301に
記載した圧縮永久ひずみ試験に準じ、熱処理温度20℃
での熱処理時間48時間の処理条件で得られる圧縮永久
ひずみ率CSの値及び熱処理温度50℃での熱処理時間
48時間の処理条件で得られる圧縮永久ひずみ率CSの
値とする。
【0023】上記の加硫ゴム物理試験方法K−6301
における圧縮試験の項に記載されている計算では圧縮弾
性率MC が圧縮力MC と表記されているが、ここでは圧
縮力MC を圧縮弾性率MC と呼び、計算式 MC =(P
−PO )/AO に従って求める。ここに、 MC :断面積当りの荷重(kgf/cm2) PO :初荷重(kgf) P :所定ひずみ(圧縮ひずみ率30%)を加えたとき
の荷重(kgf) AO :試験片の元の断面積(cm2) である。
【0024】さらにゴムチェーファ5のゴムの、JIS
規格が定める加硫ゴム物理試験方法K−6301に記載
した圧縮永久ひずみ試験の結果は、計算式 CS=
{(t0 −t1 )/(t0 −t2 )}×100に基づき
得られる値であり、ここに、 CS:圧縮永久ひずみ率(%) t0 :試験片の原厚(mm) t1 :試験片を圧縮装置から取り出し、30分後の厚さ
(mm) t2 :スペーサーの厚さ(mm) である。
【0025】また、本発明では、タイヤをその適用リム
Rに組付けたタイヤ及びリム組立体に、JATMA規格
が定める最大負荷能力に対応する最高空気圧を充てんし
て、図3に示す如く、二点鎖線で表示したリムRのビー
ドシートR1 にビード部1のビードベース部1bを嵌め
合わせたたとき、ビード部1内に埋設したビードコア2
の断面図形の重心Gを通るタイヤ回転軸線(図示省略)
への垂線VL上でのゴム部分圧縮比ηの値が0、37以
下であることを要する。
【0026】ここに圧縮比ηの値は下記計算式に基づき
求めるものとする。 η=(E−F)/{(D−F)−Σt}、ただし、図3
を参照して、 E;上記最高空気圧を充てんした上記タイヤ及びリム組
立体の上記垂線VLとリムRビードシートR1 との交点
eにおける直径、 F;リムRに組付ける前のタイヤのビード部1外側間隔
を上記適用リムRの幅に合わせたときの、ビードコア2
の断面図形の重心Gを通るタイヤ回転軸線に沿う垂線V
Lnとタイヤのビードベース面1aとの交点fにおける
直径、 D;上記最高空気圧を充てんした上記タイヤ及びリム組
立体の上記垂線VLとビードコア2断面図形のタイヤ内
方側辺との交点pにおける直径、 Σt;上記直径Dに含まれるコードなどのゴム分を除く
非圧縮性部材の合計厚さとする。
【0027】さらに先に触れたJIS規格が定める加硫
ゴム物理試験方法K−6301に記載した圧縮試験に準
拠するものとして、上記最高空気圧を充てんしたタイヤ
及びリム組立体におけるリムのビードシート面1aとビ
ード部1のゴムチェーファ5の間の圧縮力が24〜35
kgf/cm2 の範囲内にあるものとする。ここにいう圧縮力
は試験片によるものではなくビード部1のゴムチェーフ
ァ5を用いるため、上記圧縮試験に準拠するものとした
ものであるが、計算は先に記載したMC =(P−PO
/AO を適用するものとする。ただし、上式のファクタ
C :断面積当りの荷重(kgf/cm2)はそのままとし、フ
ァクタPO :初荷重(kgf)はゼロであり、ファクタP:
実際にゴムチェーファ6の内周表面に加えられる荷重
(kgf)であり、AO :リム10のビードシート10Sと
接触するゴムチェーファ6のビードベース部2Bの元の
断面積(cm2)とする。結局、計算式は MC =P/AO
となる。
【0028】図4は静荷重試験装置の要部を示したもの
であって、このような試験装置を用い、耐リム滑り性の
試験結果を得る場合には以下の要領に従う。まず、この
試験装置は支持装置により水平方向に延びる押圧軸9を
有し、タイヤTを装着し、これに最高内圧を充てんした
リムRにディスク部に連結したタイヤT及びリム・ディ
スク組立体をブレーキ装置10を介して押圧軸9に両側
から連結する。また試験装置はタイヤTの下方で上記押
圧軸9の軸心に対し直交する向きに延びるベルト状のプ
レーナ11を備える。
【0029】図示を省略した駆動手段によりプレーナ1
1は矢印12の方向に駆動される。タイヤTに所定荷重
を負荷したとき、タイヤTとプレーナ11との間の摩擦
係数を高めるため、プレーナ11の上側表面にはエキス
パンドメタル13が敷設されていて、このエキスパンド
メタル13によりタイヤTのプレーナ11に対するスリ
ップが阻止される。
【0030】試験は、まず図示を省略した押圧手段によ
り押圧軸9にプレーナ11(エキスパンドメタル13)
に対し垂直方向の荷重、すなわち先に述べた最大荷重、
すなわち車両の総重量におけるタイヤ負荷荷重に相当す
る荷重を加え、タイヤTをエキスパンドメタル13に対
し所定圧力で押し付け、タイヤTに最大荷重を負荷させ
た状態とする。次にブレーキ装置10を作動させてブレ
ーキ力、例えば30トンを掛けた状態でプレーナ11を
矢印12の方向に駆動させる。そのときのプレーナ11
に加わる抵抗値を測定し、その値を比較することで耐リ
ム滑り性を評価する。
【0031】この耐リム滑り性は先に述べたゴム部分圧
縮比ηの値とゴムチェーファ5の圧縮弾性率MC (kgf/c
m2) との関係(前者)及び先に述べたリムRのビードシ
ートR1 とビード部1のゴムチェーファ5との間の圧縮
力(kgf/cm2) とゴムチェーファ5の圧縮弾性率MC (kgf
/cm2) との関係(後者)が密接であり、これらの関係に
つき、上掲図3に示したようなビード部1を備える建設
車両用3種(Loader andDozer )ラジアルプライタイヤ
でサイズが26.5R25 ☆(ワンスター)を用いて
実験した結果を図5及び図6の線図と後掲の表1にそれ
ぞれ示す。このタイヤサイズの最大負荷能力は1500
0kgであり、15000kgに対応する空気圧は5.00
kgf/cm2 である。図5、6に圧縮ひずみ率30%のとき
の圧縮弾性率MC (kgf/cm2) の値を四角内に併記して示
した。各図において●印は圧縮弾性率MC が17.6kg
f/cm2 の場合、□印は23.2kgf/cm2 の場合、△印は
17.4kgf/cm2 の場合である
【0032】図5、6の縦軸の耐リム滑り性は、前記し
た静荷重試験装置によるリム滑り試験でリム滑りを発生
する前記抵抗値の限界を100とする指数をとり、値は
大なるほど良い。図5から、耐リム滑り性100以上の
OKレベルはゴムチェーファ5のゴムの圧縮ひずみ率3
0%での圧縮弾性率MC が17.6kgf/cm2 以上である
こと(左上がり矢印の方向であること)がわかり、1
7.6kgf/cm2 を下回ると、ゴム部分の圧縮比ηをいか
に変化させても耐リム滑り性100を満たすことはでき
ず、不可である。またゴム部分の圧縮比ηを増加させて
いくと耐リム滑り性は一旦上昇するが、圧縮比η=0.
37を境としてそれ以上に増加させると耐リム滑り性は
急下降するので圧縮比ηは0.37以下でなければなら
ない。
【0033】図6からも、ゴムチェーファ5の圧縮力(k
gf/cm2) を増加させると耐リム滑り性は一旦上昇するが
やはり途中で急下降するカーブを描くので、ゴムチェー
ファ6のゴムの圧縮ひずみ率30%での圧縮弾性率MC
が17.6kgf/cm2 であることを考慮するとゴムチェー
ファ5の圧縮力は24kgf/cm2 以上でなければならず、
圧縮弾性率MC が23.2kgf/cm2 の場合の圧縮力上限
値が35kgf/cm2 であることから、ゴムチェーファ5の
圧縮力は24〜35kgf/cm2 の範囲内にあることが必要
である。上限値の35kgf/cm2 を超えると、タイヤをリ
ムRに組付けて最高空気圧を充てんして相互に完全な組
立体とする意図に反し、リムRのビードシートR1 とビ
ード部1のビードベース部1bとの間の摩擦力が大きく
なり過ぎて、リムRに対するタイヤ1の十分なリムフィ
ット性が得られない不具合が生じる。
【0034】図5、6に関連して、同じタイヤを用い、
これに空気圧5.00kgf/cm2 を充てんしてリムフィッ
ト性を含めた実験結果を表1に示す。リムフィット性の
テストは図7に示すように、リムRのフランジにその円
周に沿って6箇所の貫通穴kを設け、その穴kからダイ
ヤルゲージ(図示省略)により距離yを測定し、測定し
た距離yから予め測定しておいたフランジの厚さを差し
引いてフランジとビード部1の外側表面との間の距離x
を求め、距離xの値が完全にゼロ、あるいは距離xがマ
イナス(ビード部1の外側表面が穴に僅かはみ出す)状
態の場合を指数100とし、距離xに応じて指数化し
た。値は小なる程悪い。
【0035】
【表1】
【0036】さらにゴムチェーファ5が、熱処理温度2
0℃での熱処理時間48時間の処理条件で得られる圧縮
永久ひずみ率CSが2%以下(前者)であり、かつ熱処
理温度50℃での熱処理時間48時間の処理条件で得ら
れる圧縮永久ひずみ率CSが4.5%以下(後者)であ
ることを要するのは、ゴムチェーファ5のビードベース
部1bは常時圧縮力の作用下にあるため、前者の圧縮永
久ひずみ率CSが2%を超えても、後者の圧縮永久ひず
み率CSが4.5%を超えても、いずれの場合もタイヤ
1の使用期間の経過と共に圧縮比ηが小さくなる結果、
圧縮弾性率MCの最小値17.6kgf/cm2 を保持でき
ず、結局のところ耐リム滑り性のOKレベル100を保
持できなくなるからである。
【0037】図3に従うビード部2を備える建設車両用
3種ラジアルプライタイヤ1でサイズが26.5R25
☆(ワンスター)を用いて、ゴムチェーファ5のゴム
における圧縮比ηが0.35、圧縮弾性率MC が23.
0kgf/cm2 、圧縮力が29.0kgf/cm2 であり、圧縮永
久ひずみ率CSを変化させたときの耐リム滑り性及びリ
ムフィット性について実験した。耐リム滑り性は、ドラ
ム試験機のドラムに空気圧5.00kgf/cm2 を充てんし
たタイヤをその最大負荷能力15000kgに相当する荷
重負荷の下で押し当て、速度10km/hにて24時間走行
させた後にリム滑り試験を実施した。耐リム滑り性は合
格レベルの下限値を100とする指数で(値は大なる程
良い)、リムフィット性も合格レベルを100とする指
数でそれぞれあらわすものとし、これらの結果を表2に
示す。
【0038】
【表2】
【0039】以上詳述したところは要するに、17.6
kgf/cm2 以上の圧縮弾性率MC を有し、熱処理温度20
℃、熱処理時間48時間の処理条件での圧縮永久ひずみ
率CSが2%以下であり、かつ熱処理温度50℃、熱処
理時間48時間での圧縮永久ひずみ率CSが4.5%以
下であるゴムチェーファ5を適用し、ゴム部分の圧縮比
ηが0.37以下で、かつリムRのビードシートR1
対するゴムチェーファ5の圧縮力が24〜35kgf/cm2
の範囲内のタイヤを用いれば、タイヤのリム組み性、リ
ムフィット性を損なわずに、新品タイヤの時はもとより
使用履歴のいかんにかかわらず、高馬力エンジン搭載の
車両の急坂登り、急ブレーキ作動、急発進に伴うタイヤ
に対する高トルク作用の下でリム滑りを生じることな
く、ビード部耐久性を顕著に向上させることが可能にな
る。
【0040】ビード部1の、ビードヒール側の角部に対
応するビードベース面1aに設けた凹溝6についてはリ
ムビードシートR1 の円周に連続して延在するのが好ま
しいが、極僅かな領域を挟んで断続させることもでき
る。凹溝6の溝部の表面は割れ等の発生を回避する観点
から、滑らかな曲線で構成し、図8(a)(b)に示す
ような屈曲部分を有しないものとする。
【0041】従来のタイヤのビード部1の断面を図9に
示す。ビードベース部1bのリムRのビードシートに対
する締め代δを、リム組み性に支障を来さない範囲内で
なるべく大きくすると、リム滑りに対しては良好な結果
をもたらす反面、下記するような不具合も併せもたら
す。
【0042】すなわち、ビードコア2、カーカス3及び
補強コード層4は大部分が非圧縮性部材であるから、締
め代δに見合う斜線で示すゴム、この場合はゴムチェー
ファ5のゴムは、ポアッソン比が0.5に限りなく近い
ので体積変化を殆ど生じることなく、変形移動し易い自
由空間へ向け移動する。移動し易い自由空間はリムRの
フランジR2 の上方端よりタイヤ半径方向外方空間と、
二点鎖線Zで囲んで示すビードトウ部分の先端よりタイ
ヤ内側空間とであり、よってビードベース部1bのゴム
は矢印Pの方向と矢印Qの方向とへ移動する。
【0043】矢印Qの方向へ向かうゴムはビードベース
1aを大きな摩擦力の下、拘束状態で移動するため、こ
の移動量は比較的小さく、それでも二点鎖線で示す位置
まで変形移動する。一方、リムRのフランジR2 の内面
に沿って矢印P方向へ移動するゴムは、充てん内圧の作
用によるゴムチェーファ5とフランジR2 内面との間の
摩擦力のみであるから、矢印Q方向への移動に比しより
容易に移動する。
【0044】その結果、ゴムチェーファ5とフランジR
2 と対向する補強ゴム層4との間に、補強ゴム層4をも
たないタイヤの場合はゴムチェーファ5とカーカス3の
折返し部3a外側表面との間に、大きなせん断ひずみが
作用する。よってリム滑りを改善するため十分な締め代
δを設けると、その見返りとして上述の大きなせん断ひ
ずみの発生とこのひずみの作用とを免れ得ず、そのため
リムRのフランジR2に対向する補強ゴム層4又は折返
し部3aとゴムチェーファ5との間にセパレーション故
障が発生し易くなる。
【0045】これに対し、ビードヒール部に凹溝6を設
けることにより、ビードベース部1bとリムRのビード
シート面R1 との間で締め代δに相当する分だけ圧縮さ
れたゴムチェーファ5は、一方では図9に示す矢印Q方
向移動と、矢印Q方向と逆方向のビードヒール部の凹溝
6の空間に逃げ込む移動との二方向移動を生じ、該溝部
6にて図9に示す矢印P方向のゴム移動作用は殆ど遮断
される。
【0046】その結果、リムRのフランジR2 と対向す
る位置の補強ゴム層4又は折返し部3aとゴムチェーフ
ァ5との間のせん断ひずみ発生は著しく抑制され、セパ
レーション故障の発生を阻止することができる。この凹
溝6は十分な容積の空間を形成せずとも、少なくともこ
の凹溝6の空間におけるゴム圧縮力は無視し得るほどに
小さいかゼロであるから、該凹溝6の移動ゴム吸収能力
は高く、矢印P方向のゴム移動は殆ど生じることはな
い。
【0047】またリム滑りの良否を支配するビードベー
ス部1bの圧縮力分布は、ビードコア2の垂線VLとそ
の近傍で最大値をとり、この最大値の両側では裾を引く
形態をとり、この圧縮力最大値が大きい程、リム滑りの
抑制効果が高く、よって圧縮力最大値位置から外したビ
ードベース部1bの締め代を小さく、あるいは締め代を
ゼロとしても耐リム滑り性を損なうことは殆どない。耐
リム滑り性が低下する場合は、最大圧縮力を示す位置の
ゴム締め代δを増加させることで容易に対処可能であ
り、この部分的締め代δ増加はリム組み性にさほど悪影
響を及ぼすことはない。
【0048】かくして凹溝6は、先に述べたゴムチェー
ファ5の圧縮弾性率MC 及び圧縮永久ひずみ率CS、垂
線VL上でのゴム部分圧縮比η、ゴムチェーファ5の圧
縮力と共に優れた耐リム滑り性を保持して、かつリムR
のフランジR2 と対向する位置の補強ゴム層4又は折返
し部3aとゴムチェーファ5との間のセパレーション故
障発生を阻止することができる。
【0049】本発明においては、図10に示す如く凹溝
6の幅dはビードコア底辺の幅(ビードコアベース幅)
wの40〜80%の範囲とし、深さkについてはコアヒ
ール側の底角部の下側におけるゴムゲージ(コア下ゲー
ジ)nの15〜40%の範囲とするが、その理由は次の
とおりである。
【0050】図11は、(凹溝6の幅d/ビードベース
幅w)×100%と、ビード部1のセパレーション耐久
性(指数)との関係を示すプロット線図であり、図12
は、(凹溝6の幅d/ビードベース幅w)×100%
と、耐リム滑り性(指数)との関係を示すプロット線図
であり、図13は、(凹溝6の深さk/コア下ゲージ
n)×100%と、ビード部1のセパレーション耐久性
(指数)との関係を示すプロット線図であり、図14
は、(凹溝6の深さk/コア下ゲージn)×100%
と、耐リム滑り性(指数)との関係を示すプロット線図
であり、耐久性及び耐リム滑り性はいずれも従来タイヤ
を100とする指数であらわしている。これらプロット
線図を得るため試験に供したタイヤは先に述べた建設車
両用3種ラジアルプライタイヤ1でサイズが26.5R
25 ☆である。
【0051】図11より、ビード部の耐セパレーション
性を従来タイヤ以上とするには、(凹溝6の幅d/ビー
ドベース幅w)×100%が40%以上とするのがよ
く、一方、図12より、耐リム滑り性を実用上問題が発
生しない範囲内に納める(従来タイヤの80%を超える
レベルに納める)には、(凹溝6の幅d/ビードベース
幅w)×100%を80%以下とする必要がある。
【0052】また図13より、ビード部の耐セパレーシ
ョン性を従来タイヤ以上とするには、(凹溝6の深さk
/コア下ゲージn)×100%を15%以上とする必要
があり、図14より、耐リム滑り性を実用上問題が発生
しない範囲内に納める(従来タイヤの80%を超えるレ
ベルに納める)には、(凹溝の深さk/コア下ゲージ
n)×100%を40%以下とする必要がある。
【0053】本発明においては、ビードベース1bのタ
イヤ内側に向かうテーパ状の傾斜角度は、リムRのビー
ドシートR1 の同様の傾斜角度に対して0〜3°の範囲
内でより大きくすることができ、ビードベース1bのう
ちビードトウ部にタイヤ半径方向内側に向く凸状部を設
けるようにしてもよい。
【0054】
【実施例】建設車両用3種ラジアルプライタイヤで、サ
イズが26.5R25☆であり、実施例1のタイヤは図
15従うビード部を備え、実施例2のタイヤは図16に
従うビード部を備える。カーカス3は1プライのラジア
ル配列スチールコードのゴム被覆になり、実施例1、2
共に図3に示したようなゴム被覆になる補強コード層4
を有する。実施例1、2のビードベース部1bのリムR
のビードシートR1に対する締め代δは垂線VL上で
5.3mmとした。これに対する従来例タイヤは図17
に従うビード部を有し、タイヤサイズなど基本構成は実
施例1、2と同じであるが凹溝6は有しない。
【0055】実施例1、2及び従来例のゴムチェーファ
5のゴムの圧縮ひずみ率30%での圧縮弾性率MC ( kg
f/cm2)、熱処理温度20℃及び熱処理時間48時間の処
理条件での圧縮永久ひずみ率CS1(%)、熱処理温度5
0℃及び熱処理時間48時間での圧縮永久ひずみ率CS
2(%)と、ゴム部分圧縮比η及び圧縮力( kgf/cm2)と、
凹溝6の幅d(mm)及び深さk(mm)と、ビードベ
ース部1bの幅BW (mm)の値とを表3に示す。また
表3には、先に解説した試験方法に従い測定した耐リム
滑り性を先の場合と同様に指数表示で示し、併せて評価
したリムフィット性を指数にて記載した。いずれも値は
大なるほど良い(リム滑り性は指数表示で95以上で市
場対応性あり)。
【0056】
【表3】
【0057】更に実施例1、2のタイヤ及び従来例のタ
イヤを供試タイヤとし、これらタイヤを適用リム(2
2.00/3.5)に組み付け、これに最高空気圧の
5.00kgf/cm2 の内圧を充てんして、ビード部1のセ
パレーション耐久性(ビード耐久性)を室内ドラム試験
機により評価した。
【0058】試験条件は、各供試タイヤへの初期負荷荷
重を、最大負荷能力15000kgに相当する荷重(kgf)
の1.5倍荷重とし、所定時間走行後に負荷荷重を増す
ステップロード方式を採用し、ドラム表面速度は20km
/h一定とした。この試験条件の下でタイヤのビード部1
にセパレーション故障が生じるまで走行させ、故障が生
じるまでの走行距離を、従来例タイヤを100とする指
数であらわした。この指数値を表3に示す。
【0059】表3に示す結果から、従来例タイヤと対比
して、実施例1、2のタイヤは、ゴム圧縮比が殆ど同等
であり、耐リム滑り性も同等レベルを保持しているにも
かかわらず、ビード部耐久性が著しく向上していること
が分かる。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、従来タイヤと同等の良
好なリム組性及びリムフィット性を保持した上で、タイ
ヤに対する高トルク作用下での耐リム滑り性を向上させ
てゴムチェーファの摩滅を大幅に軽減し、タイヤ内部の
充てん空気圧を長期間保持して、リム滑りと空気圧とに
関わるタイヤ耐久性を向上させることができ、しかもリ
ムのフランジ側ビード部のセパレーション故障発生を阻
止し得る長寿命な重荷重用空気入りタイヤを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 重荷重用空気入りタイヤのビード部の圧縮力
の分布状況を示した図である。
【図2】 重か重空気入りタイヤのビード部のゴム流れ
とせん断ひずみの説明図である。
【図3】 本発明に従う重か重空気入りタイヤの構成説
明図である。
【図4】 タイヤのリム滑り試験装置の要部及び供試タ
イヤの斜視図である。
【図5】 耐リム滑り性とゴム部分圧縮比との関係を圧
縮弾性率をパラメータとして示した図である。
【図6】 耐リム滑り性とゴムチェーファ圧縮力を圧縮
弾性率をパラメータとして示した図である。
【図7】 リムフィット性の試験方法の説明図である。
【図8】 (a)(b)は本発明に適合しない重荷重空
気入りタイヤのビード部の断面を示した図である。
【図9】 本発明に従う重荷重空気入りタイヤの凹溝の
説明図である。
【図10】 本発明に従う重荷重用空気入りタイヤのビ
ード部の断面を示した図である。
【図11】 凹溝の幅とビードコアベース幅との比の百
分率とビード部耐久性との関係を示すプロット線図であ
る。
【図12】 凹溝の幅とビードコアベース幅との比の百
分率と耐リム滑り性との関係を示すプロット線図であ
る。
【図13】 凹溝の深さとコア下ゲージとの比の百分率
とビード部耐久性との関係を示すプロット線図である。
【図14】 凹溝の深さとコア下ゲージとの比の百分率
と耐リム滑り性との関係を示すプロット線図である。
【図15】 実施例1で使用した重荷重用空気入りタイ
ヤのビード部の断面を示した図である。
【図16】 実施例2で使用した重荷重用空気入りタイ
ヤのビード部の断面を示した図である。
【図17】 実施例の比較タイヤとして用いた重か重用
空気入りタイヤのビード部の断面を示した図である。
【符号の説明】
1 ビード部 1a ビードベース面 1bビードベース部 2 ビードコア 3 カーカス 3a 折返し部 4 補強コード層 4a ゴム被覆スチールコード 4b 交差層 5 ゴムチェーファ 6 凹溝 7 スティフナゴム 8 インナーライナ 9 押圧軸 10 ブレーキ装置 11 ぷれーナ 12 矢印 13 エキスパンドメタル T タイヤ R リム R1 ビードシート R2 リムフランジ w ビードコアベース n コア下ゲージ h ビードヒール部 G ビードコアの断面図形の重心 D 点pにおける直径 E 点eにおける直径 F 点fにおける直径 Bw ビードベース幅 δ 締め代

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のビード部内に埋設したビードコア
    相互間にわたってトロイド状に延びる1プライ以上のゴ
    ム被覆ラジアル配列コードよりなるカーカスを備え、該
    カーカスの少なくとも1プライはビードコアの周りをタ
    イヤ内側から外側に巻上げた折返し部を有し、該折返し
    部の外側のビード部にゴムチェーファを備えた重荷重用
    空気入りタイヤにおいて、 上記ビードコアは多角形断面を有するものであり、上記
    ゴムチェーファは、圧縮ひずみ率30%の条件下で得ら
    れる圧縮弾性率(MC )が17.6kgf/cm2 以上で、か
    つ、熱処理温度が20℃及び50℃における圧縮永久ひ
    ずみ率(CS)がそれぞれ2%以下及び4.5%以下で
    あるゴムよりなり、 上記タイヤをその適用リムに組付けて最高空気圧を充て
    んした場合におけるタイヤビード部とリムとの間の、ビ
    ードコアの断面図形の重心を通るタイヤ回転軸線への垂
    直上でのゴム部分圧縮比(η)の値が0.37以下であ
    り、かつ、上記リムのビードシートとビード部のゴムチ
    ェーファとの間の圧縮力が24〜35kgf/cm2 の範囲内
    にあり、 ビード部の、ビードヒール側の角部に対応するビードベ
    ース面に該リムビードシートの円周に沿う凹溝を有する
    ことを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 上記ゴム部分圧縮比(η)が、次式 η=(E−F)/{(D−F)−Σt} ここで、 E:最高空気圧を充てんしたタイヤ及びリム組立体の上
    記垂線とリムビードシートとの交点における直径 F:リムに組付ける前のタイヤのビード部外側間隔を適
    用リムの幅に合わせたときの、ビードコアの断面図形の
    重心を通るタイヤ回転軸線への垂直とタイヤのビードベ
    ースとの交点における直径 D:最高空気圧を充てんしたタイヤおよびリム組立体の
    垂線とビードコアの断面図形のタイヤ内方側辺との交点
    における直径 Σt:直径Dに含まれるコードなどの比圧縮性部材の合
    計厚さ で定まるものである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 凹溝は、滑らかな曲線で構成され屈折部
    分を有しないものである請求項1記載の空気入りタイ
    ヤ。
  4. 【請求項4】 凹溝の幅が、ビードコア底辺の幅の40
    〜80%である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】 凹溝の深さが、コアヒール側の底角部の
    下側におけるゴムゲージの15〜40%である請求項1
    記載の空気入りタイヤ。
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