JP2009154103A - アルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液の処理方法及びアルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液由来産物の製造方法 - Google Patents

アルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液の処理方法及びアルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液由来産物の製造方法 Download PDF

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【課題】短時間且つ低コストでエッチング廃液から水酸化アルミニウムを分離回収することのできるアルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液の処理方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム材を、水酸化ナトリウムを主成分とする溶液で処理することによって生じるアルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液の処理方法であって、前記水酸化ナトリウム処理廃液に炭酸ガスを吹き込み、水酸化アルミニウム及び炭酸ソーダに変化させて回収する。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルミニウム材を水酸化ナトリウム溶液でエッチングすることによって生じるアルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液の処理方法及びアルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液由来産物の製造方法に関する。さらに詳しくは、水酸化ナトリウム溶液でアルミニウム材をエッチングした後、硫酸溶液中でアルミニウム材に陽極酸化被膜を形成させる、アルミニウム材の表面処理工程で生じるエッチング廃液の処理に好適なものである。
アルミニウムサッシ等の建材やその他アルミニウム工業材料等のアルミニウム材は、例えば、耐久性を高めるため、前処理として水酸化ナトリウム溶液によりエッチングが行われ、続いて硫酸溶液中で電解酸化させ、表面に陽極酸化被膜を形成させることが行われている。この水酸化ナトリウム溶液によるエッチングでは、アルミニウム材の表面が、水酸化ナトリウム溶液に溶解してアルミン酸ソーダが生成し、徐々にエッチング液中のアルミン酸ソーダ濃度が高くなってくる。エッチング液のエッチング能力は、アルミン酸ソーダ濃度が高くなるに伴って低下するため、ある程度アルミン酸ソーダ濃度が高まった時点で新しいエッチング液に交換する必要がある。
エッチング廃液を、アルミニウムをエッチング可能な水酸化ナトリウム溶液として再生する方法の例として、下記特許文献1、2に示されるような、(1)アルミン酸ソーダが過飽和となってしまったエッチング廃液中のアルミン酸ソーダを加水分解し、(2)水酸化アルミニウムを析出させ、(3)析出した水酸化アルミニウムを濾過分離し、(4)濾液に水酸化ナトリウムを加え濃度調整をする、ことによってエッチング廃液を再生するという方法が知られている。
特開昭48−38890号公報 特開平05−279020号公報
しかしながら、エッチング廃液中のアルミン酸ソーダを水酸化アルミニウムに加水分解するには、エッチング廃液中に水酸化アルミニウムの種子を核として投入し、晶析反応層で液温を40℃から60℃に保ちながら、40時間から70時間という長時間に亘って撹拌し続けなければならない。このため、大量のエッチング廃液を処理するためには、必然的に設備の規模が大きくなってしまい、ランニングコストが増大してしまうという問題があった。
そこで、本発明の主たる課題は、短時間且つ低コストでエッチング廃液から水酸化アルミニウムを分離回収することのできるアルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液の処理方法を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
アルミニウム材を、水酸化ナトリウムを主成分とする溶液で処理することによって生じるアルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液の処理方法であって、
前記水酸化ナトリウム処理廃液に炭酸ガスを吹き込み、水酸化アルミニウム及び炭酸ソーダに変化させて回収する、
ことを特徴とするアルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液の処理方法。
<請求項2記載の発明>
前記水酸化ナトリウム処理廃液の液温が50℃〜80℃の状態で炭酸ガスを吹き込み、
析出する水酸化アルミニウムを濾過分離して回収し、濾液中の炭酸ソーダは、そのまま溶液で又は乾燥によって固体で回収する、請求項1記載のアルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液の処理方法。
<請求項3記載の発明>
前記水酸化ナトリウム処理廃液の液温が30℃〜40℃で炭酸ガスを吹き込むことにより、遊離水酸化ナトリウム分を炭酸ソーダ化して析出させ濾過分離し、
他方、濾液の液温が50℃〜80℃で炭酸ガスを吹き込み、析出する水酸化アルミニウムを濾過分離して回収し、濾液中の炭酸ソーダは、そのまま溶液で又は乾燥によって固体で回収する、請求項1記載のアルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液の処理方法。
<請求項4記載の発明>
炭酸ガスは、ボイラーの燃焼排ガス、発酵排ガス、石灰石の焙焼炉から発生する炭酸ガスを用いる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液の処理方法。
<請求項5記載の発明>
請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法により、回収した水酸化アルミニウムをポリ塩化アルミニウム又は硫酸バンドの製造に使用することを特徴とするアルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液由来産物の製造方法。
(作用効果)
上記の課題を解決すべく調査した結果、本発明者等は、アルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液中のアルミン酸ソーダに炭酸ガスを吹き込めば、水酸化アルミニウムを得ることができるのではないかと考え、これを実施したところ、簡易かつ短時間に水酸化アルミニウム及び炭酸ソーダに変化させて回収することができることを知見した。
本発明におけるアルミン酸ソーダに炭酸ガスを吹き込んで水酸化アルミニウムを得る反応式は下記のとおりであると考えられる。
NaAlO2+ 2H2O = Na[Al(OH)4]=Al(OH)3 + NaOH …(1)
2Na[Al(OH)4]+ CO2= 2Al(OH)3 + Na2CO3 + H2O …(2)
(1)式はアルミン酸ソーダの加水分解反応を示し、(2)式はアルミン酸ソーダと炭酸ガスの反応を示している。この式によれば、アルミニウム分は水酸化アルミニウムになりナトリウム分は炭酸ソーダになることがわかる。
2NaOH+ CO2 =Na2CO3 + H2O …(3)
また、エッチング廃液には多量の水酸化ナトリウムが残存しているが、この水酸化ナトリウムも(3)式より炭酸ガスと反応すると炭酸ソーダと水になる。これらのことから、アルミニウムを水酸化ナトリウムによりエッチングすることで生じる、多量のアルミン酸ソーダを含むエッチング廃液の処理に炭酸ガス吹き込みが有効である。さらに、得られる水酸化アルミニウムは水に不溶解であり、炭酸ソーダの水に対する溶解度は温度によって溶解度に差がある。従って、この性質を利用すれば両者の分離は容易に行うことができる。
実際、本発明者等は試行的に、エッチング廃液の液温を15℃とし、撹拌しつつ炭酸ガスを吹き込んだところ、液温が反応熱によって徐々に上昇してきた。さらに炭酸ガスの吹き込みを続けると、白色の結晶が生成し始めた。エッチング廃液の液温が42℃になるとそれ以上液温が上昇しなくなったので、反応が終了したものと判断し炭酸ガスの吹き込みを停止して真空濾過器により固液分離した。
本発明者等は、固液分離により得られた固体が水酸化アルミニウムと炭酸ソーダとの混合物であると考え、60℃の温水で洗浄することで炭酸ソーダ分を分離して純度の高い水酸化アルミニウムを得ようとしたところ、全量が溶解してしまった。この事実から、本発明者等は、生成した結晶は炭酸ソーダであり、エッチング廃液中のフリーの水酸化ナトリウムが炭酸ガスと反応して生じたもので、アルミン酸ソーダ中のナトリウムはフリーの水酸化ナトリウムが存在するうちは炭酸ガスと反応しにくく、そのため、本実験における液温の上昇が停止した42℃ではアルミン酸ソーダと炭酸ガスの反応は起きていなかったと推察した。
そこで、真空濾過器による固液分離で得られた濾液の液温を60℃に保つようにウォーターバスで温度調節しつつ炭酸ガスを吹き込んだところ、再度結晶の生成が始まったので、充分炭酸ガスを吹き込んだ後濾過分離した。得られた固形物を60℃の温水で洗浄したところ純度の高い水酸化アルミニウムが生成したのが確認できた。本発明者等は、この実験を基に、さらなる調査及び実験を重ね、本発明を完成させるに至ったものである。
本発明によれば、下記の実施例における実験結果にも示すとおり、従来と比べ短時間でエッチング廃液から水酸化アルミニウムを分離回収することができる。また、処理時間が短いため、エッチング廃液の処理設備が小規模であっても従来と同等かそれ以上の処理が可能となり、その結果ランニングコストを低く抑えることができる。
また、本発明を実施する上で使用される炭酸ガスは、ボイラーの燃焼排ガス、発酵排ガス、石灰石の焙焼炉等から発生する炭酸ガス、等を用いることができるため、炭酸ガスの調達の必要がなくコストを抑えることができる。
さらに、炭酸ガスの吹き込みを2段に分けることによって、1段目では炭酸ソーダを個体で回収し、2段目では炭酸ソーダを溶液で回収することができる。そのため、炭酸ソーダ溶液の回収を所望する場合は、請求項3記載の発明が好適である。
以上のとおり、本発明によれば、短時間且つ低コストでエッチング廃液から水酸化アルミニウムを分離回収することのできるアルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液の処理方法を提供することができる。
本発明は既述のごとく、アルミニウムサッシ等の建材の前処理として水酸化ナトリウム溶液によりエッチング処理、続く硫酸溶液中で電解酸化させ、表面に陽極酸化被膜を形成させる廃液のほか、平板印刷版の支持体であるアルミニウム板の粗面化のためのエッチング廃液など、各種の廃液を対象とすることができる。
また、回収した回収した水酸化アルミニウムをポリ塩化アルミニウム又は硫酸バンドの製造に使用することができる。
<実験例>
以下に、本発明に係る実験とその結果とを示す。図1は、本発明に係る実験の実験装置を表している。エッチング廃液を収容可能なガラス製のトールビーカー2は、ウォーターバスの水槽内に満たされた水に漬けられている。このウォーターバス1は、この水槽内に満たされた水を一定の温度が保つことができるようヒーターを備えている。
トールビーカー2には、トールビーカー2内に収容されたエッチング廃液の温度を測定可能な温度計9と、トールビーカー2内に収容されたエッチング廃液を図1における下方向端部に取り付けられたプロペラで撹拌可能である攪拌機3と、図1における下方向端部より炭酸ガス及び窒素ガスの混合ガスを噴射可能であるガス吹込管4とが挿入されている。ガス吹込管4に送り込まれる炭酸ガス及び窒素ガスは、それぞれ流量調整弁6、8によって量が調整される。なお、流量の調整はそれぞれのガスの流路に設けられた炭酸ガス流量計7と窒素流量計5とに示される流量を参照しつつ行われる。
本実験に使用したエッチング廃液(以後原液と記す)の組成は下記の通りである。
Na2O :17.3wt%
Al2O3:12.2wt%
NaOH :12.7wt%
H2O他 :57.8wt%
なお、液比重は1.345である。
実験ではトールビーカー2に1リットルの原液を入れ、ウォーターバス1にて反応液温を一定温度に保ち、炭酸ガスを微細化して反応を良くするため、攪拌機3で高速撹拌をしつつ、種々条件を変えて炭酸ガスを供給した。
炭酸ガス供給量は、原液の分析値と上記した反応式(2)、(3)より炭酸ソーダに反応する理論値を算出すると259.1グラムであるが、反応率を考慮して10wt%余分に285グラムを供給した。固液分離は濾過ビンを用いて、真空濾過を行った。
水酸化アルミニウムの収率は、アルミニウムを基準に算出した。炭酸ガスを規定量供給後直ちに真空濾過を行い、液温が60℃である500ミリリットルの温水にて洗浄して、得られた固形分の水分及び組成分析により算出した。
炭酸ソーダの収率は、ナトリウムを基準にして算出した。上記濾液と洗浄液を合わせて蒸発乾固により得られた固形分の組成分析により算出した。但し、炭酸ガスの吹き込みを2段に分ける実験では、1段目の反応で得られた固形物の濾過乾燥した固形物の炭酸ソーダ分と、2段目の反応で得られた炭酸ソーダ分の合計量から収率を算出した。
<実験1について>
本実験は、炭酸ガスの供給を2段に分けて行った。本実験では、原液をトールビーカー2に入れ、攪拌機3で撹拌しながら炭酸ガスを供給し、1段目の反応でウォーターバス1にて40℃に保ち反応させた。この時の炭酸ガス供給量は原液中の水酸化ナトリウムが炭酸ソーダに反応するのに必要な理論量を算出して決めた(103.3グラム)。析出した結晶を濾過分離し、1段目の反応を終えた濾液をトールビーカー2に入れさらに炭酸ガスを供給し、ウォーターバス1にて60℃に保ち2段目の反応を行った。この時の炭酸ガス供給量は原液中のNa2Oが炭酸ソーダに反応するのに必要な理論量を算出して決めた(181.7グラム)。
<実験2〜実験5について>
実験2〜実験5は、炭酸ガスの供給を2段に分けず1段で行った。これらの実験では、原液を容器に入れ攪拌機3で撹拌しながら炭酸ガスを供給し、ウォーターバス1にて液温を50℃、60℃、70℃、80℃に保ち反応を行った。この時の炭酸ガス供給量は、原液中のNaOHとNa2Oが炭酸ソーダに反応するのに必要な理論量を算出して決めた。
<実験6について>
本実験は、炭酸ガスの供給を2段に分けず1段で行った。本実験では、原液をトールビーカー2に入れ、攪拌機3で撹拌しながら、炭酸ガスに窒素ガスを加えて炭酸ガス濃度を10%に調節した擬似的なボイラー排ガスを供給し、ウォーターバス1にて液温を60℃に保ち反応を行った。この時の炭酸ガス供給量は、原液中の水酸化ナトリウムとNa2Oが炭酸ソーダに反応するのに必要な理論量を算出して決めた。
Figure 2009154103
以上の結果より、水酸化アルミニウムの収率に着目すると、反応温度が高いほど収率は良くなるが、水分の蒸発によるエッチング廃液の濃縮があり、温度が高いほどガス吹き込み管4、攪拌機3のシャフト、トールビーカー2内壁等に堅い結晶の析出が多くなるため、エッチング廃液の液温を80℃以上に上げるのは望ましくない。また、実験2では50℃で水酸化アルミニウムの収率が62%と低かったが、実装置化する場合、液深を深くしガス分散を良くすることにより反応率は上昇するため、反応温度は50℃〜80℃、好ましくは60から80℃が適している。
また、実験1における炭酸ソーダの回収については、1段目の炭酸ガスの供給後では固体で回収でき、2段目の炭酸ガスの供給では水酸化アルミニウムの濾液として炭酸ソーダ溶液を回収できるので、固体と溶液と双方が必要な場合、炭酸ガスの供給を2段に分ける方が適している。粉状の需要が多い場合、実験2から実験6に示されるように、炭酸ガスの供給を2段に分けず1段で行い、濾液と洗浄液を合わせて、真空乾燥機、噴霧乾燥機によって容易に粉状で回収できることが本実験で確認できた。
<水酸化アルミニウムおよび炭酸ソーダの利用方法>
次に、本発明に係るエッチング廃液処理のフローと、本発明に係るエッチング廃液の処理過程で生じる水酸化アルミニウムおよび炭酸ソーダの利用方法のフローとの一例を、図2を参照しつつ詳説する。
まず、エッチング廃液の処理フローについて詳説する。エッチング廃液貯留槽21からエッチング廃液を抜き出し、ジャケット内に温水を流し込むことによって槽内を加温可能なエッチング廃液反応槽22に張り込む。エッチング廃液反応槽22内に張り込まれたエッチング廃液の液温を60℃に保ち、攪拌機によって槽内のエッチング廃液を撹拌するとともに炭酸ガスを吹き込む。炭酸ガスを所定量供給した反応液を水酸化アルミニウム濾過器23にかけ、濾液を炭酸ソーダ貯留槽25に移し、水酸化アルミニウム濾過器23内の反応液全量の濾過が終了した後、水酸化アルミニウム濾過器23内の濾滓(ケーキ)を60℃の温水で洗浄することによって水酸化アルミニウムに付着析出した炭酸ソーダを洗い流し、温水で洗浄した水酸化アルミニウムを空気ブローすることによって含水率を15%以下まで下げ、水酸化アルミニウムホッパー24に排出する。洗浄液および空気ブロー液は、5wt%程度の炭酸ソーダを含んでいるため、そのまま廃棄せずに洗浄液貯留槽26に貯留する。炭酸ソーダ貯留槽25に貯留された濾液はスプレードライヤー27において熱風乾燥し、粉体状にして炭酸ソーダホッパー28に貯留し、製品として出荷する。
次に、エッチング廃液より分離した水酸化アルミニウムからPAC(ポリ塩化アルミニウム)を製造するまでのフローを詳説する。スラリー槽29に濃度が35wt%の塩酸を張り込み、そこに水酸化アルミニウムホッパー24から水酸化アルミニウムを計量して規定量投入し、撹拌することによってスラリー化する。そしてスラリー化した水酸化アルミニウムを、ジャケット内に加熱した蒸気を送り込むことによって槽内を加温可能なPAC反応釜30に移し、常温から100℃まで加熱する。そこからさらに反応釜30内の圧力をゲージ圧0.39メガパスカル、スラリー化した水酸化アルミニウムの温度を150℃として反応釜30を密閉状態として加圧反応させる。そして、反応が終了するとPAC反応釜30のジャケットへの蒸気供給を停止し、PAC反応釜30の内圧を徐々に下げる。次に、PAC反応釜30のジャケットに冷却水を供給し、PAC反応釜30内の反応液の温度を65℃まで下げる。反応液の液温が65℃になったら炭酸ソーダ添加槽31に移し、洗浄液貯留槽26から規定量の炭酸ソーダを抜き出して添加し、攪拌機によって撹拌しつつ1時間反応させた後、第1濾過器32にかけ濾液と濾滓に分離する。第1濾過器32によって分離された濾液は、硫酸ソーダ添加槽33に移し、硫酸ソーダを規定量添加し攪拌機によって撹拌後、第2濾過器34にかけて、PACと濾滓に分離し、PACは製品としてPAC貯留槽35に貯留し、製品として出荷する。
次に、エッチング廃液より分離した水酸化アルミニウムから硫酸バンド(硫酸アルミニウム)を製造するまでのフローを詳説する。反応槽36に、水酸化アルミニウムホッパー24から水酸化アルミニウムを計量して規定量投入し、さらに濃度が98wt%である硫酸を供給する。反応槽36内の反応で得られた反応スラリーは、循環ポンプ37で反応スラリーを循環させることによって撹拌するとともに、空気を吹き込んで空気撹拌することによって反応を促進させ、そのまま1時間反応させる。その後、調整槽に反応スラリーを移してアルミナ(酸化アルミニウム)の濃度が8wt%となるように水を加える。そして、濃度調整後に第3濾過器39にかけ、そこで得られた濾液を硫酸バンド貯留槽40に貯留し、製品として出荷する。
本発明は、アルミニウム材を水酸化ナトリウム溶液でエッチングすることによって生じるエッチング廃液の処理に適用できるものである。
本発明に使用した実験装置の概略図である。 アルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液由来産物の製造方法例のフローシートである。
符号の説明
1…ウォーターバス、2…トールビーカー、3…攪拌機、4…ガス吹込管、5…窒素流量計、6…流量調整弁、7…炭酸ガス流量計、8…流量調整弁、9…温度計、21…エッチング廃液貯留槽、22…反応槽、23…水酸化アルミニウム濾過器、24…水酸化アルミニウムホッパー、25…炭酸ソーダ貯留槽、26…洗浄液貯留槽、27…スプレードライヤー、28…炭酸ソーダホッパー、29…スラリー槽、30…PAC反応釜、31…炭酸ソーダ添加槽、32…第1濾過器、33…硫酸ソーダ添加槽、34…第2濾過器、35…PAC貯留槽、36…反応槽、37…循環ポンプ、38…調整槽、39…第3濾過器、40…硫酸バンド貯留槽。

Claims (5)

  1. アルミニウム材を、水酸化ナトリウムを主成分とする溶液で処理することによって生じるアルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液の処理方法であって、
    前記水酸化ナトリウム処理廃液に炭酸ガスを吹き込み、水酸化アルミニウム及び炭酸ソーダに変化させて回収する、
    ことを特徴とするアルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液の処理方法。
  2. 前記水酸化ナトリウム処理廃液の液温が50℃〜80℃の状態で炭酸ガスを吹き込み、
    析出する水酸化アルミニウムを濾過分離して回収し、濾液中の炭酸ソーダは、そのまま溶液で又は乾燥によって固体で回収する、請求項1記載のアルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液の処理方法。
  3. 前記水酸化ナトリウム処理廃液の液温が30℃〜40℃で炭酸ガスを吹き込むことにより、遊離水酸化ナトリウム分を炭酸ソーダ化して析出させ濾過分離し、
    他方、濾液の液温が50℃〜80℃で炭酸ガスを吹き込み、析出する水酸化アルミニウムを濾過分離して回収し、濾液中の炭酸ソーダは、そのまま溶液で又は乾燥によって固体で回収する、請求項1記載のアルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液の処理方法。
  4. 炭酸ガスは、ボイラーの燃焼排ガス、発酵排ガス、石灰石の焙焼炉から発生する炭酸ガスを用いる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液の処理方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法により、回収した水酸化アルミニウムをポリ塩化アルミニウム又は硫酸バンドの製造に使用することを特徴とするアルミニウム材の水酸化ナトリウム処理廃液由来産物の製造方法。
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