JP2009153264A - 電力制御ユニットの冷却構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子部品の保護が適切に図られる電力制御ユニットの冷却構造、を提供する。
【解決手段】電力制御ユニットの冷却構造は、側面21aを含み、電子部品を内蔵するケース体21と、ケース体21の内部から側面21aに突出し、電子部品を冷却する冷却器31と、側面21aに設けられたコネクタ51および引っ掛け部56とを備える。コネクタ51および引っ掛け部56は、側面21aから冷却器31よりも大きく突出する。
【選択図】図4
【解決手段】電力制御ユニットの冷却構造は、側面21aを含み、電子部品を内蔵するケース体21と、ケース体21の内部から側面21aに突出し、電子部品を冷却する冷却器31と、側面21aに設けられたコネクタ51および引っ掛け部56とを備える。コネクタ51および引っ掛け部56は、側面21aから冷却器31よりも大きく突出する。
【選択図】図4
Description
この発明は、一般的には、電力制御ユニットの冷却構造に関し、より特定的には、半導体モジュールを冷却する冷媒器が設けられた電力制御ユニットの冷却構造に関する。
従来の電力制御ユニットの冷却構造に関して、たとえば、特開2004−175301号公報には、衝突時に、車両前方等に設置した電池部を破損から守ることを目的とした電気自動車が開示されている(特許文献1)。特許文献1では、電池部とPCUとが鉛直方向に並んで、電気自動車のサスペンションメンバに固定されている。PCUの筐体には、通電に伴い発生した熱を排出するための冷却路が設けられている。その冷却路のフィンによって、電池部と重なる筐体部分が強化されている。
また、特開2003−102111号公報には、前後方向の衝突などによりモータ室が変形した場合であっても、高圧ケーブルの取り外しが容易であり、またモータ室自体を変形し難い構造とすることを目的とした電気車両用パワーコントロールユニットが開示されている(特許文献2)。特許文献2では、PCUのボックスの底面が、ヒートシンクにより覆われている。ヒートシンクの内部に配設された流路の流路壁は、車両の前後方向に沿う壁面成分が、前後方向に直交する壁面成分よりも多くなるように形成されている。
また、特開2004−304935号公報には、エンジンルーム内で補機類等を効率的に配置するとともに、組み付け作業性を向上させることを目的としたパワーコントロールユニットが開示されている(特許文献3)。特許文献3に開示されたパワーコントロールユニットは、インバータ装置とDC−DCコンバータとを有して構成されている。これらを収めるインバータケースとコンバータケースとの間には、冷却水が流通するウォータジャケットが形成されている。
特開2004−175301号公報
特開2003−102111号公報
特開2004−304935号公報
上述の特許文献に開示されるように、電気自動車やハイブリッド自動車には、車両走行用の電力を制御する電力制御ユニットが搭載される。この電力制御ユニットの内部には、通電に伴う発熱を抑えるため冷却機構が設けられる。しかしながら、電力制御ユニットの搭載位置によっては、電気自動車やハイブリッド自動車の衝突時に、冷却機構に過大な衝撃が加わるおそれがある。この場合に、電力制御ユニットの内部で冷却水が漏洩すると、電力制御用ユニットに内蔵された電子部品を適切に保護することができない。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、電子部品の保護が適切に図られる電力制御ユニットの冷却構造を提供することである。
この発明に従った電力制御ユニットの冷却構造は、車両に搭載され、車両走行用の電力を制御する電力制御ユニットの冷却構造である。電力制御ユニットの冷却構造は、側面を含み、電子部品を内蔵するケース体と、ケース体の内部から側面に突出し、電子部品を冷却する冷却器と、側面に設けられた剛性部材とを備える。剛性部材は、側面から冷却器よりも大きく突出する。
このように構成された電力制御ユニットの冷却構造によれば、側面に対して過大な衝撃が加わった場合に、その衝撃をまず剛性部材で受けることにより、冷却器が受ける衝撃を緩和できる。これにより、冷却器の破損を防ぐとともに、ケース体に内蔵された電子部品を適切に保護することができる。
また好ましくは、車両を構成し、剛体である部品が、側面に対向する位置に設置されている。剛性部材と部品との間の距離は、冷却器と部品との間の距離よりも小さい。このように構成された電力制御ユニットの冷却構造によれば、車両衝突時に電力制御ユニットおよび部品間の距離が近接した場合に、まず剛性部材と部品とを接触させることにより、電力制御ユニットおよび部品が近接するエネルギを低減させることができる。これにより、部品と冷却器とが接触することを防止するか、仮に接触したとしても冷却器が受ける衝撃を小さく抑えることができる。
また好ましくは、剛性部材は、電力制御ユニットの制御信号が流れる信号線が接続されるコネクタである。このように構成された電力制御ユニットの冷却構造によれば、車両走行用の電流が流れるケーブルと比較して、信号線には低圧の電流が流れる。本発明では、この低圧電流が流れる信号線が接続されるコネクタによって、冷却器への衝撃を緩和することができる。
また好ましくは、剛性部材は、電力制御ユニットを車両に搭載する際に吊り上げ用治具が掛けられる部位である。このように構成された電力制御ユニットの冷却構造によれば、電力制御ユニットの重量に耐えるため、吊り上げ用治具が掛けられる部位の剛性は十分に確保されている。本発明では、この剛性が十分に確保された部位によって、冷却器への衝撃を緩和することができる。
また好ましくは、電子部品は、複数の半導体モジュールである。複数の半導体モジュールが、互いに間隔を設けて一方向に配列されている。冷却器は、ケース体の内部から側面に突出し、ケース体の内部に冷媒を供給する冷媒供給管と、ケース体の内部から側面に突出し、ケース体の内部から冷媒を排出する冷媒排出管と、互いに隣り合う複数の半導体モジュール間に配置され、冷媒供給管から冷媒排出管まで延びるパイプ部とを含む。
このように構成された電力制御ユニットによれば、冷媒供給管もしくは冷媒排出管が受ける衝撃を緩和することにより、ケース体内部でパイプ部が破損することを防止できる。これにより、パイプ部からの冷却水の漏洩を防ぎ、パイプ部に隣接して配置された半導体モジュールを適切に保護することができる。
以上説明したように、この発明に従えば、電子部品の保護が適切に図られる電力制御ユニットの冷却構造を提供することができる。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
(実施の形態1)
図1は、ハイブリッド自動車の駆動ユニットを模式的に表わす図である。本実施の形態では、本発明における電力制御ユニットの冷却構造が、ハイブリッド自動車に搭載された電力制御ユニット(PCU:Power Control Unit)に適用されている。まず、ハイブリッド自動車を駆動させるためのHVシステムについて説明する。
図1は、ハイブリッド自動車の駆動ユニットを模式的に表わす図である。本実施の形態では、本発明における電力制御ユニットの冷却構造が、ハイブリッド自動車に搭載された電力制御ユニット(PCU:Power Control Unit)に適用されている。まず、ハイブリッド自動車を駆動させるためのHVシステムについて説明する。
図1を参照して、駆動ユニット1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関と、充放電可能なバッテリ800とを動力源とするハイブリッド自動車に設けられている。駆動ユニット1は、モータジェネレータ100と、ハウジング200と、減速機構300と、ディファレンシャル機構400と、ドライブシャフト受け部900と、端子台600とを含んで構成される。
モータジェネレータ100は、電動機または発電機としての機能を有する回転電機である。モータジェネレータ100は、回転シャフト110と、ロータ130と、ステータ140とを含む。回転シャフト110は、軸受120を介してハウジング200に回転可能に取り付けられている。ロータ130は、回転シャフト110と一体となって回転する。
モータジェネレータ100から出力された動力は、減速機構300からディファレンシャル機構400を介してドライブシャフト受け部900に伝達される。ドライブシャフト受け部900に伝達された駆動力は、ドライブシャフトを介して車輪に回転力として伝達されて、車両を走行させる。
一方、ハイブリッド自動車の回生制動時には、車輪は車体の慣性力により回転させられる。車輪からの回転力によりドライブシャフト受け部900、ディファレンシャル機構400および減速機構300を介してモータジェネレータ100が駆動される。このとき、モータジェネレータ100が発電機として作動する。モータジェネレータ100により発電された電力は、PCU700を介してバッテリ800に供給される。
図2は、図1中のPCUの構成を示す電気回路図である。図2を参照して、PCU700は、コンバータ710と、インバータ720と、制御装置730と、コンデンサC1,C2と、電源ラインPL1〜PL3と、出力ライン740U,740V,740Wとを含む。
コンバータ710は、電源ラインPL1,PL3を介してバッテリ800と接続されている。インバータ720は、電源ラインPL2,PL3を介してコンバータ710と接続されている。インバータ720は、出力ライン740U,740V,740Wを介してモータジェネレータ100と接続されている。バッテリ800は、直流電源であって、たとえばニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の2次電池から形成されている。バッテリ800は、蓄えた直流電力をコンバータ710に供給したり、コンバータ710から受け取る直流電力によって充電されたりする。
コンバータ710は、半導体モジュールから構成された上アームおよび下アームと、リアクトルLとを含む。上アームおよび下アームは、電源ラインPL2,PL3間に直列に接続されている。電源ラインPL2に接続される上アームは、パワートランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)Q1と、パワートランジスタQ1に逆並列に接続されるダイオードD1とからなる。電源ラインPL3に接続される下アームは、パワートランジスタQ2と、パワートランジスタQ2に逆並列に接続されるダイオードD2とからなる。リアクトルLは、電源ラインPL1と、上アームおよび下アームの接続点との間に接続されている。
コンバータ710は、バッテリ800から受け取る直流電圧をリアクトルLを用いて昇圧し、その昇圧した電圧を電源ラインPL2に供給する。コンバータ710は、インバータ720から受け取る直流電圧を降圧し、バッテリ800を充電する。
インバータ720は、U相アーム750Uと、V相アーム750Vと、W相アーム750Wとを含む。U相アーム750U、V相アーム750VおよびW相アーム750Wは、電源ラインPL2,PL3間に並列に接続されている。U相アーム750U、V相アーム750VおよびW相アーム750Wの各々は、半導体モジュールから構成された上アームおよび下アームからなる。各相アームの上アームおよび下アームは、電源ラインPL2,PL3間に直列に接続されている。
U相アーム750Uの上アームは、パワートランジスタ(IGBT)Q3と、パワートランジスタQ3に逆並列に接続されるダイオードD3とからなる。U相アーム750Uの下アームは、パワートランジスタQ4と、パワートランジスタQ4に逆並列に接続されるダイオードD4とからなる。V相アーム750Vの上アームは、パワートランジスタQ5と、パワートランジスタQ5に逆並列に接続されるダイオードD5とからなる。V相アーム750Vの下アームは、パワートランジスタQ6と、パワートランジスタQ6に逆並列に接続されるダイオードD6とからなる。W相アーム750Wの上アームは、パワートランジスタQ7と、パワートランジスタQ7に逆並列に接続されるダイオードD7とからなる。W相アーム750Wの下アームは、パワートランジスタQ8と、パワートランジスタQ8に逆並列に接続されるダイオードD8とからなる。各相アームのパワートランジスタの接続点は、対応する出力ライン740U,740V,740Wを介してモータジェネレータ100の対応する相のコイルの反中性点側に接続されている。
なお、図中では、U相アーム750UからW相アーム750Wの上アームおよび下アームが、それぞれ、パワートランジスタとダイオードとからなる1つの半導体モジュールから構成されている場合が示されているが、複数の半導体モジュールにより構成されてもよい。
インバータ720は、制御装置730からの制御信号に基づいて、電源ラインPL2から受け取る直流電圧を交流電圧に変換してモータジェネレータ100へ出力する。インバータ720は、モータジェネレータ100によって発電された交流電圧を直流電圧に整流して電源ラインPL2に供給する。
コンデンサC1は、電源ラインPL1,PL3間に接続され、電源ラインPL1の電圧レベルを平滑化する。コンデンサC2は、電源ラインPL2,PL3間に接続され、電源ラインPL2の電圧レベルを平滑化する。
制御装置730には、外部制御装置としてのECU(Electrical Control Unit)950が電気的に接続されている。ECU950は、たとえば、モータジェネレータ100のトルク指令値を制御装置730に入力する。
制御装置730は、モータジェネレータ100のトルク指令値、各相電流値、およびインバータ720の入力電圧に基づいて、モータジェネレータ100の各相コイル電圧を演算する。制御装置730は、その演算結果に基づいて、パワートランジスタQ3〜Q8をオン/オフするPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成してインバータ720へ出力する。モータジェネレータ100の各相電流値は、インバータ720の各アームを構成する半導体モジュールに組込まれた電流センサによって検出される。この電流センサは、S/N比が向上するように半導体モジュール内に配設されている。制御装置730は、上述したトルク指令値およびモータ回転数に基づいてインバータ720の入力電圧を最適にするためのパワートランジスタQ1,Q2のデューティ比を演算する。制御装置730は、その結果に基づいてパワートランジスタQ1,Q2をオン/オフするPWM信号を生成してコンバータ710へ出力する。
制御装置730は、モータジェネレータ100によって発電された交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ800に充電するため、コンバータ710およびインバータ720におけるパワートランジスタQ1〜Q8のスイッチング動作を制御する。
図3は、この発明の実施の形態1における電力制御ユニットの冷却構造が適用されたハイブリッド自動車の平面図である。図4は、図3中の矢印IVに示す方向から見たエンジンルーム内を示す正面図である。
図3および図4を参照して、ハイブリッド自動車には、エンジンルーム13が形成されている。エンジンルーム13には、剛体である部品としてのエンジン11が配置されている。エンジンルーム13は、車両前方に形成されている。エンジンルーム13は、フロントバンパ16とダッシュボードパネル17との間に形成されている。ダッシュボードパネル17は、エンジンルーム13と車両室内との間を区画している。
エンジンルーム13には、PCU700が配置されている。PCU700とエンジン11とは、互いに距離を隔てて車両幅方向に隣り合っている。PCU700は、サイドボディ18に隣り合う位置に配置されている。エンジンルーム13には、エアクリーナ12およびラジエータ19が配置されている。エアクリーナ12は、エンジン11に供給される空気中のほこりを取り除く。ラジエータ19は、エンジン11もしくは前述のHVシステムに供給され、温度上昇した冷却水を放熱させる。エアクリーナ12は、ダッシュボードパネル17とPCU700との間に配置されている。エアクリーナ12とPCU700とは、互いに距離を隔てて車両前後方向に並んでいる。ラジエータ19は、フロントバンパ16と、エンジン11およびPCU700との間に配置されている。
図5は、図3中のV−V線上に沿ったPCUの内部構造を示す断面図である。図6は、図5中のPCUの分解組み立て図である。
図5および図6を参照して、PCU700は、ケース体21を含む。ケース体21は、金属から形成されている。ケース体21は、アルミダイキャストにより形成されている。ケース体21は、アルミニウムのほか、鉄やマグネシウム等の金属から形成されてもよい。ケース体21は、略直方体形状を有する。ケース体21は、側面21aを含む。側面21aは、略水平方向に面する。側面21aは、エンジン11と向い合う。
ケース体21の内部には、複数の半導体モジュール36が収容されている。この半導体モジュール36は、図2中の各アームを構成するパワートランジスタおよびダイオードを含む。半導体モジュール36は、平板形状を有する。複数の半導体モジュール36は、互いに間隔を設けて一方向に配列されている。本実施の形態では、並列された2つの半導体モジュール36の組が12段に配列されている。
PCU700は、冷却器31を含む。冷却器31には、冷媒としての冷却水(たとえば、エチレングリコール系のクーラント)が流通する。冷却器31は、PCU700の稼動時に発熱する半導体モジュール36を冷却する。冷却器31は、金属により一体に形成されている。冷却器31は、たとえばアルミニウムから形成されている。冷却器31は、ケース体21とは別部品として形成されている。冷却器31は、冷却水を流す管状部材の形態で形成されている。冷却器31は、ケース体21から独立して、冷却水が流れる流路を形成している。冷却器31と半導体モジュール36とは、ケース体21内部の同室に配置されている。
冷却器31の構造についてさらに詳細に説明すると、冷却器31は、冷却水供給管32と、冷却水排出管33と、パイプ部34とを含む。冷却水供給管32は、ケース体21の外部から内部に冷却水を供給する。冷却水排出管33は、ケース体21の内部から外部に冷却水を排出する。冷却水供給管32および冷却水排出管33は、それぞれ一方向に延びる。冷却水供給管32および冷却水排出管33は、複数の半導体モジュール36の配列方向に延びる。冷却水供給管32と冷却水排出管33とは、互いに距離を隔てて平行に延びる。冷却水供給管32と冷却水排出管33とは、複数の半導体モジュール36を挟んでその両側に配置されている。
パイプ部34は、ケース体21の内部に配置されている。パイプ部34は、冷却水供給管32から冷却水排出管33まで延びる。パイプ部34は、冷却水供給管32および冷却水排出管33が延びる方向の直交方向に延びる。複数のパイプ部34が、複数の半導体モジュール36の配列方向に並んでいる。パイプ部34は、配列方向に隣り合う複数の半導体モジュール36間に配置されている。パイプ部34は、冷却水が流通する複数本のパイプの集まりから構成されている。冷却水供給管32を通じてケース体21内に供給された冷却水は、パイプ部34を流れる。パイプ部34を流れる間、冷却水は、各パイプ部34の両側に配置された半導体モジュール36と熱交換を行なう。本実施の形態では、半導体モジュール36の両面から冷却が行なわれるため、冷却効率を向上させることができる。熱交換によって温度上昇した冷却水は、冷却水排出管33を通って、ケース体21の外部に排出される。
冷却器31は、ケース体21の内部から側面21aに突出するように設けられている。側面21aには、管挿入部22が形成されている。冷却水供給管32および冷却水排出管33には、それぞれ防水用のグロメット38が嵌め合わされている。冷却水供給管32および冷却水排出管33がグロメット38とともに管挿入部22に挿入されている。このとき、グロメット38が嵌め合わされた位置よりも先の冷却水供給管32および冷却水排出管33の端部が、側面21aから突出する。
図3および図4を参照して、側面21aから突出する冷却水供給管32および冷却水排出管33の端部には、冷却水ホース41が装着されている。冷却水ホース41は、可撓性を有する。
PCU700は、コネクタ51を含む。コネクタ51は、側面21aに取り付けられている。コネクタ51は、エンジン11に向い合う位置に設けられている。コネクタ51は、樹脂から形成されている。コネクタ51は、金属から形成されてもよい。コネクタ51には、図2中のPCU700およびECU950間を接続する信号線が接続されている。この信号線には、たとえば10V以下の低圧の電流が流れる。
PCU700は、引っ掛け部56を含む。引っ掛け部56は、側面21aに設けられている。引っ掛け部56は、エンジン11に向い合う位置に設けられている。引っ掛け部56は、金属から形成されている。引っ掛け部56は、ケース体21の一部であってもよいし、ケース体21に取り付けられた別部品であってもよい。PCU700をエンジンルーム13に搭載する際、引っ掛け部56には、PCU700を吊り上げるためのスリングやチェーン等の吊り上げ治具が掛けられる。吊り上げ時にPCU700の重量に耐えるため、引っ掛け部56は十分な剛性を備える。
コネクタ51および引っ掛け部56は、側面21aから突出する冷却器31よりも大きい剛性を備えてもよいし、小さい剛性を備えてもよい。コネクタ51および引っ掛け部56は、車両のボディから分離して設けられている。
コネクタ51および引っ掛け部56は、側面21aから冷却器31よりも大きく突出する。エンジン11からコネクタ51および引っ掛け部56までの距離L1,L2は、それぞれ、エンジン11から冷却器31までの距離L3よりも小さい。
ハイブリッド自動車の側突時、サイドボディ18が変形し、これに伴ってPCU700がエンジン11に向けて移動した場合を想定する。このような場合であっても、本実施の形態では、コネクタ51および引っ掛け部56が冷却器31よりも大きく突出するため、まずコネクタ51および引っ掛け部56とエンジン11とが接触する。これにより、PCU700がエンジン11に向かって移動するエネルギを低減させ、エンジン11と冷却器31とが接触することを防止できる。また仮に、エンジン11と冷却器31とが接触したとしても、冷却器31に加わる衝撃を小さくできる。
すなわち、本実施の形態では、エンジン11およびPCU700の少なくとも一方が互いに近接する方向に移動した場合に、エンジン11と冷却器31とが接触する前に、エンジン11とコネクタ51および引っ掛け部56とが接触する。コネクタ51および引っ掛け部56は、それぞれ、信号線の接続および吊り上げ用治具の固定に加えて、冷却器31を保護する役割を果たす。このため、本実施の形態では、冷却器31の保護するためのプロテクタを新たに設ける必要がない。
この発明の実施の形態1における電力制御ユニットの冷却構造は、車両としてのハイブリッド自動車に搭載され、車両走行用の電力を制御する電力制御ユニットの冷却構造である。電力制御ユニットの冷却構造は、側面21aを含み、電子部品としての半導体モジュール36を内蔵するケース体21と、ケース体21の内部から側面21aに突出し、半導体モジュール36を冷却する冷却器31と、側面21aに設けられた剛性部材としてのコネクタ51および引っ掛け部56とを備える。コネクタ51および引っ掛け部56は、側面21aから冷却器31よりも大きく突出する。
このように構成された、この発明の実施の形態1における電力制御ユニットの冷却構造によれば、冷却器31に加わる衝撃を小さくすることによって、冷却器31が破損し、ケース体21の内部で冷却水が漏洩することを防止できる。このため、ケース体21に内蔵された半導体モジュール36を適切に保護することができる。特に本実施の形態では、PCU700の冷却構造が、半導体モジュール36に隣接してパイプ部34が配置される構成となっている。このような構成では、優れた冷却効率が得られる一方、パイプ部34が破損すると半導体モジュール36が冷却水に浸る可能性が大きい。このため、冷却器31に加わる衝撃が低減される本発明が、より有効に適用される。
なお、本実施の形態では、剛性部材がコネクタ51および引っ掛け部56である場合について説明したが、これに限られない。たとえば、剛性部材は、コネクタ51および引っ掛け部56のいずれか一方であってもよいし、側面21aに設けられた配線や配管のガイド部材等、別の部材であってもよい。
また、本実施の形態では、内燃機関とバッテリとを動力源とするハイブリッド自動車に本発明を適用したが、これに限定されず、燃料電池とバッテリとを動力源とする燃料電池ハイブリッド自動車(FCHV:Fuel Cell Hybrid Vehicle)、または電気自動車(EV:Electric Vehicle)に本発明を適用することもできる。本実施の形態におけるハイブリッド自動車では、燃費最適動作点で内燃機関を駆動するのに対して、燃料電池ハイブリッド自動車では、発電効率最適動作点で燃料電池を駆動する。また、バッテリの使用に関しては、両方のハイブリッド自動車で基本的に変わらない。
(実施の形態2)
図7は、この発明の実施の形態2における電力制御ユニットの冷却構造が適用されたハイブリッド自動車を示す平面図である。本実施の形態における電力制御ユニットの冷却構造は、実施の形態1における電力制御ユニットの冷却構造と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については、その説明を繰り返さない。
図7は、この発明の実施の形態2における電力制御ユニットの冷却構造が適用されたハイブリッド自動車を示す平面図である。本実施の形態における電力制御ユニットの冷却構造は、実施の形態1における電力制御ユニットの冷却構造と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については、その説明を繰り返さない。
図7を参照して、本実施の形態では、エンジンルーム13に、剛体である部品としてのブレーキアクチュエータ70が配置されている。ブレーキアクチュエータ70は、スキッドコントロールコンピュータからの制御信号により各ホイールシリンダへのブレーキ圧力を調整して、各ホイールの回転状態を制御し、各制御(ABS:anti-lock brake system、トラクションコントロール、ブレーキアシスト等)に応じた油圧回路の変更を行なう。ブレーキアクチュエータ70は、PCU700とダッシュボードパネル17との間に配置されている。ブレーキアクチュエータ70とPCU700とは、互いに距離を隔てて車両前後方向に隣り合っている。
PCU700のケース体21は、側面21bを含む。冷却器31は、側面21bから突出して設けられている。側面21bは、略水平方向に面する。側面21bは、ブレーキアクチュエータ70と向い合う。PCU700は、実施の形態1におけるコネクタ51および引っ掛け部56に替えて、剛性部材61を含む。剛性部材61は、側面21bに設けられている。剛性部材61は、側面21bから冷却器31よりも大きく突出する。ブレーキアクチュエータ70から剛性部材61までの距離は、ブレーキアクチュエータ70から冷却器31までの距離よりも小さい。
ハイブリッド自動車が正面から衝突し、PCU700がブレーキアクチュエータ70に向けて移動した場合を想定する。この場合、本実施の形態では、まず剛性部材61とブレーキアクチュエータ70とを衝突させることにより、冷却器31に加わる衝撃を小さくできる。
このように構成された、この発明の実施の形態2における電力変換ユニットの冷却構造によれば、実施の形態1に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
21 ケース体、21a,21b 側面、31 冷却器、32 冷却水供給管、33 冷却水排出管、34 パイプ部、36 半導体モジュール、51コネクタ、56 引っ掛け部、70 ブレーキアクチュエータ、700 PCU。
Claims (5)
- 車両に搭載され、車両走行用の電力を制御する電力制御ユニットの冷却構造であって、
側面を含み、電子部品を内蔵するケース体と、
前記ケース体の内部から前記側面に突出し、前記電子部品を冷却する冷却器と、
前記側面に設けられた剛性部材とを備え、
前記剛性部材は、前記側面から前記冷却器よりも大きく突出する、電力制御ユニットの冷却構造。 - 前記車両を構成し、剛体である部品が、前記側面に対向する位置に設置され、
前記剛性部材と前記部品との間の距離は、前記冷却器と前記部品との間の距離よりも小さい、請求項1に記載の電力制御ユニットの冷却構造。 - 前記剛性部材は、電力制御ユニットの制御信号が流れる信号線が接続されるコネクタである、請求項1または2に記載の電力制御ユニットの冷却構造。
- 前記剛性部材は、電力制御ユニットを車両に搭載する際に吊り上げ用治具が掛けられる部位である、請求項1から3のいずれか1項に記載の電力制御ユニットの冷却構造。
- 前記電子部品は、複数の半導体モジュールであり、
前記複数の半導体モジュールが、互いに間隔を設けて一方向に配列され、
前記冷却器は、前記ケース体の内部から前記側面に突出し、前記ケース体の内部に冷媒を供給する冷媒供給管と、前記ケース体の内部から前記側面に突出し、前記ケース体の内部から冷媒を排出する冷媒排出管と、互いに隣り合う前記複数の半導体モジュール間に配置され、前記冷媒供給管から前記冷媒排出管まで延びるパイプ部とを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の電力制御ユニットの冷却構造。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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