本発明は、光源装置、照明装置、モニタ装置及び画像表示装置、特に、複数の発光部を有する光源装置の技術に関する。
近年、プロジェクタ等の画像表示装置の光源装置として、レーザ光源を用いる技術が提案されている。レーザ光源は、高出力化及び多色化に伴い、画像表示装置の光源として開発されている。画像表示装置の光源として従来用いられているUHPランプと比較すると、レーザ光源は、高い色再現性、瞬時点灯が可能、長寿命等の利点がある。従来、画像表示装置は、高輝度化が求められている。レーザ光源の高出力化を実現する手段の一つとして、光を射出する複数の発光部を備える半導体素子が用いられている。半導体素子へ投入される電流の多くは熱に変換されるため、レーザ光源は、発光部を密に配置するほど高い放熱効率が求められる。放熱が不十分であることにより半導体素子が高温になるに従い、半導体素子の発光効率は低下することとなる。また、半導体素子が高温になるに従い、半導体素子の劣化が促進されることによってレーザ光源の寿命が短縮することにもなる。これに対して、例えば、特許文献1には、複数の発光部を、互いに異なる領域に設けられた主発光群と副発光群とに分け、主発光群の駆動と副発光群の駆動とを切り換え可能とする技術が提案されている。主発光群を駆動する間に主発光群全体の光量が低下した場合に、副発光群に駆動を切り換えることにより、レーザ光源全体としての出力を維持するとともに、レーザ光源全体の寿命を延ばすことが可能となる。
主発光群を構成する発光部、副発光群を構成する発光部のいずれも、発光効率、及び半導体素子の寿命への影響を低減可能なピッチで配列される。この場合、主発光群と副発光群とを互いに異なる領域に設ける分、半導体素子の面積が大型化することになる。半導体素子の製造コストは1枚のウエハーから生産できる半導体素子の個数に大きく依存することから、半導体素子が大型になるに従ってレーザ光源が高コストになってしまう。また、主発光群を駆動する期間と副発光群を駆動する期間とでは光が射出する領域の位置が大幅に変化することになるため、かかるレーザ光源を用いる機器、光学系において、レーザ光源からの光を効率良く利用することが困難となる場合が生じる。このように、従来の技術によると、光源装置の発光効率の向上及び長寿命化を図る場合に、光を射出する素子が大型化し、光が射出する領域の位置が大幅に変化するという問題を生じる。本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、高い発光効率かつ長寿命で、光を射出する素子を小型にでき、光が射出する領域の位置の変化を低減可能な光源装置、その光源装置を用いる照明装置、モニタ装置、及び画像表示装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る光源装置は、平面上に設けられ、光を射出する複数の第1レーザ発光部と複数の第2レーザ発光部とを有し、第1レーザ発光部と第2レーザ発光部とは、光を射出するための駆動が順次切り換えられ、第1レーザ発光部同士の間に第2レーザ発光部が配置されることを特徴とする。
第1レーザ発光部同士は、第1レーザ発光部を駆動する期間において発光効率及び素子の寿命への影響を低減可能なピッチで設けられている。第2レーザ発光部同士は、第2レーザ発光部を駆動する期間において発光効率及び素子の寿命への影響を低減可能なピッチで設けられている。第1レーザ発光部と第2レーザ発光部とで駆動を順次切り換えるため、第1レーザ発光部及び第2レーザ発光部の間隔は、熱による発光効率等への影響を低減させるのに必要な間隔より狭く設定できる。第1レーザ発光部同士の間に第2レーザ発光部を配置することにより、レーザ発光部を密に配列可能とし、光を射出する素子を小型にできる。第1レーザ発光部同士の間に第2レーザ発光部を配置することで、光が射出する領域の位置の変化を低減させることができる。第1レーザ発光部と第2レーザ発光部とで駆動を順次切り換えるため、高い発光効率及び長寿命を実現できる。これにより、高い発光効率かつ長寿命で、光を射出する素子を小型にでき、光が射出する領域の位置の変化を低減可能な光源装置を得られる。
さらに、本発明に係る光源装置は、平面上に設けられ、光を射出する複数の第1レーザ発光部と複数の第2レーザ発光部とを有し、第1レーザ発光部と第2レーザ発光部とは、光を射出するための駆動が順次切り換えられ、複数の第1レーザ発光部を包含する平面上の領域を第1領域、複数の第2レーザ発光部を包含する平面上の領域を第2領域とすると、第1領域は、第2領域の少なくとも一部を包含することを特徴とする。
第2領域の少なくとも一部を包含するように設定された第1領域に第1レーザ発光部、第2領域に第2レーザ発光部を配置することにより、平面上の領域ごとに発光部群の駆動を順次切り換える場合の構成に比較して、光を射出する素子を小型にできる。また、光が射出する領域の位置の変化も低減させることができる。第1レーザ発光部と第2レーザ発光部とで駆動を順次切り換えるため、高い発光効率及び長寿命を実現できる。これにより、高い発光効率かつ長寿命で、光を射出する素子を小型にでき、光が射出する領域の位置の変化を低減可能な光源装置を得られる。
また、本発明の好ましい態様としては、第1領域及び第2領域のいずれも、互いに略平行な二つの第1外郭線と、第1外郭線に略直交し、かつ互いに略平行な二つの第2外郭線とによって平面上に定義可能な矩形の領域であって、第1領域の第1外郭線と第2領域の第1外郭線とは、いずれも略一致、或いは、互いに隣接する第1レーザ発光部及び第2レーザ発光部の中心位置間の長さ以下のずれであって、第1領域の第2外郭線と第2領域の第2外郭線とは、いずれも略一致、或いは、互いに隣接する第1レーザ発光部及び第2レーザ発光部の中心位置間の長さ以下のずれであることが望ましい。第1領域及び第2領域は、大部分が互いに重畳するように設定される。これにより、光を射出する素子をさらに小型にでき、光が射出する領域の位置の変化をさらに低減させることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、第1レーザ発光部と第2レーザ発光部とが同数であることが望ましい。これにより、第1レーザ発光部を駆動する期間と、第2レーザ発光部を駆動する期間とにおける光源装置の出力の変動を低減させることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、第1領域の面積と第2領域の面積とが略等しいことが望ましい。これにより、第1レーザ発光部を駆動する期間と、第2レーザ発光部を駆動する期間とにおける、光が射出する領域の大きさの変化を低減させることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、第1レーザ発光部と第2レーザ発光部とは、同一の基板上に設けられることが望ましい。これにより、第1レーザ発光部を駆動する期間と、第2レーザ発光部を駆動する期間とで、同一平面上から光を射出することができる。
また、本発明の好ましい態様としては、第1レーザ発光部及び第2レーザ発光部は、第1方向、及び第1方向に略垂直な第2方向の少なくとも一方について、交互に配列されることが望ましい。これにより、第1方向及び第2方向の少なくとも一方について、第1レーザ発光部同士の間に第2レーザ発光部を配置する。
また、本発明の好ましい態様としては、第1レーザ発光部及び第2レーザ発光部は、第1方向及び第2方向のいずれについても、交互に配列されることが望ましい。これにより、第1方向及び第2方向について、第1レーザ発光部同士の間に第2レーザ発光部を配置する。さらに、第1領域及び第2領域の重畳部分に、第1レーザ発光部、第2レーザ発光部を略同じ密度で配置することができる。
また、本発明の好ましい態様としては、複数の第1レーザ発光部及び複数の第2レーザ発光部から射出した光の波長を変換する波長変換素子を有し、複数の第1レーザ発光部及び複数の第2レーザ発光部は、複数の第1レーザ発光部及び複数の第2レーザ発光部から波長変換素子へ入射する光線に略直交する波長変換素子の断面より狭い領域に配置されることが望ましい。これにより、複数の第1レーザ発光部及び複数の第2レーザ発光部からの光を効率良く波長変換することができる。
さらに、本発明に係る光源装置は、平面上に設けられ、光を射出する複数の第1レーザ発光部と複数の第2レーザ発光部とを有し、第1レーザ発光部と第2レーザ発光部とは、光を射出するための駆動が順次切り換えられ、第1レーザ発光部同士の間に第2レーザ発光部が配置され、複数の第1レーザ発光部及び複数の第2レーザ発光部を同時に駆動させたとして、複数の第1レーザ発光部及び複数の第2レーザ発光部の発光効率への影響と、複数の第1レーザ発光部及び複数の第2レーザ発光部の寿命への影響とが許容される最小のピッチを許容限界ピッチとすると、第1レーザ発光部同士は、許容限界ピッチより大きいピッチで配置され、第2レーザ発光部同士は、許容限界ピッチより大きいピッチで配置され、第1レーザ発光部及び第2レーザ発光部は、許容限界ピッチより小さいピッチで配置されることを特徴とする。
「発光効率への影響が許容される」とは、所定の発光効率、例えば、当該製品についての規格、或いは仕様として定められた発光効率を満足する場合を指すものとする。「寿命への影響が許容される」とは、発光素子の本来の機能を持続し得る期間が所定の期間、例えば、当該製品についての規格、或いは仕様として定められた耐用寿命を満足する場合を指すものとする。第1レーザ発光部同士を許容限界ピッチより大きいピッチで配置し、第2レーザ発光部同士を許容限界ピッチより大きいピッチで配置することにより、発光効率への影響と寿命への影響とを許容可能とし、高い発光効率かつ長寿命にできる。第1レーザ発光部及び第2レーザ発光部を許容限界ピッチより小さいピッチで配置することにより、光を射出する素子を小型にでき、光が射出する領域の位置の変化を低減できる。
また、本発明の好ましい態様としては、複数の第1レーザ発光部から複数の第2レーザ発光部への駆動の切り換えは、複数の第1レーザ発光部の温度が定常状態となった後になされ、複数の第2レーザ発光部から複数の第1レーザ発光部への駆動の切り換えは、複数の第2レーザ発光部の温度が定常状態となった後になされることが望ましい。「温度が定常状態となる」とは、温度変化が漸次小さくなり、ある一定の温度に収束したと認められる状態をいうものとする。これにより、第1レーザ発光部と第2レーザ発光部とで駆動を切り換える周期を長くできるため、フリッカを低減させることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、複数の第1レーザ発光部による最大光量、及び複数の第2レーザ発光部による最大光量の差が、予め設定された閾値となるごとに、複数の第1レーザ発光部及び複数の第2レーザ発光部の駆動が切り換えられることが望ましい。これにより、第1レーザ発光部と第2レーザ発光部とを長い周期で駆動を切り換える場合に、輝度差を認識させにくくし、さらにフリッカを低減させることができる。
さらに、本発明に係る照明装置は、上記の光源装置を有し、光源装置からの光を用いて被照射物を照明することを特徴とする。上記の光源装置を用いることにより、高効率かつ長寿命な照明装置を得られる。
さらに、本発明に係るモニタ装置は、上記の照明装置と、照明装置により照明された被写体を撮像する撮像部と、を有することを特徴とする。上記の照明装置を用いることにより、高効率かつ長寿命なモニタ装置を得られる。
さらに、本発明に係る画像表示装置は、上記の光源装置を有し、光源装置からの光を用いて画像を表示することを特徴とする。上記の光源装置を用いることにより、高効率かつ長寿命な画像表示装置を得られる。
以下に図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る光源装置10の概略構成を示す。光源装置10は、半導体素子11、第二高調波発生(Second−Harmonic Generation;SHG)素子13、及び体積ホログラム14を有するアレイレーザである。半導体素子11は、第1波長の基本波光を射出させる複数のレーザ発光部を備える面発光型のアレイ光源である。基本波光は、例えば赤外光である。半導体素子11は、第1波長の光を反射する不図示のミラー層を有する。半導体素子11は、サブマウント12上にマウントされている。サブマウント12は、半導体素子11で発生した熱を放散させる放熱基板である。
SHG素子13は、半導体素子11からの基本波光を入射させることにより、第2波長の高調波光を射出する。第2波長は、第1波長の半分に相当する波長である。SHG素子13は、半導体素子11のレーザ発光部から射出した光の波長を変換する波長変換素子である。高調波光は、例えば可視光である。SHG素子13は、例えば、非線形光学結晶であるニオブ酸リチウム(LiNbO3)の分極反転結晶(Periodically Poled Lithium Niobate;PPLN)である。SHG素子13を用いることで、容易に入手可能な汎用の光源を用いて、所望の波長かつ十分な光量のレーザ光を供給することが可能となる。
体積ホログラム14は、半導体素子11のミラー層との間において、半導体素子11からの基本波光を共振させる外部共振器として機能する。体積ホログラム14は、赤外領域において、第1波長を中心に半値幅が数nm以下となる反射特性を持つ狭帯域反射ミラーである。また、体積ホログラム14は、可視領域において、第2波長を含む広い波長域の光を透過させる。体積ホログラム14としては、例えば、VHG(Volume Holographic Grating)を用いる。VHGは、LiNbO3、BGO等のフォトリフラクティブ結晶、ポリマー等を用いて形成される。
半導体素子11のレーザ発光部から射出した基本波光は、SHG素子13へ入射する。SHG素子13で生じた高調波光は、体積ホログラム14を透過し、光源装置10の外部へ射出する。半導体素子11が設けられた側からSHG素子13を透過した基本波光は、体積ホログラム14で反射する。体積ホログラム14で反射した基本波光は、SHG素子13へ入射する。体積ホログラム14からSHG素子13へ入射し、SHG素子13を透過した基本波光は、半導体素子11へ入射する。半導体素子11へ入射した基本波光は、半導体素子11のミラー層で反射した後、半導体素子11からSHG素子13へ向けて射出する。ミラー層及び体積ホログラム14で反射した基本波光は、レーザ発光部から新たに射出した基本波光と共振することにより増幅する。
図2は、半導体素子11の平面構成を示す。半導体素子11は、第1方向へ並列された12個のレーザ発光部17を有する。12個のレーザ発光部17を並列させる第1方向を、X軸方向とする。Y軸方向は、第1方向に略直交する第2方向である。各レーザ発光部17は、第1方向及び第2方向を含む平面であるXY平面上に設けられている。Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向に略直交する方向である。各レーザ発光部17は、Z軸方向へ基本波光を射出する。半導体素子11、図1に示すSHG素子13及び体積ホログラム14は、Z軸方向へ並列している。レーザ発光部17は、互いに隣接する第1レーザ発光部及び第2レーザ発光部の中心位置間の寸法がいずれも略同一の長さpとなるように配置されている。
12個のレーザ発光部17は、6個の第1レーザ発光部と6個の第2レーザ発光部とから構成されている。第1レーザ発光部は、図中、ドット状のトーンを付して表している。第2レーザ発光部は、図中、斜線のハッチングを付して表している。第1レーザ発光部と第2レーザ発光部とは、半導体素子11を構成する同一の基板上に設けられている。第1レーザ発光部及び第2レーザ発光部は、第1方向であるX軸方向に交互に配列されている。第1レーザ発光部は、X軸方向において第2発光部と隣接する。第1レーザ発光部同士の間には、第2レーザ発光部が配置されている。第1レーザ発光部の中心位置間の寸法は、いずれも略同一の長さd1となる。第2レーザ発光部の中心位置間の寸法は、いずれも略同一の長さd2となる。第1レーザ発光部同士の間の長さd1、第2レーザ発光部同士の間の長さd2のいずれも、レーザ発光部17を配置するピッチpの2倍に相当する。
図3は、各レーザ発光部17を駆動するための構成を説明するものである。第1配線部15は、各第1レーザ発光部に接続されている。第1レーザ発光部は、第1配線部15を用いた電力供給によって光を射出する。第2配線部16は、各第2レーザ発光部に接続されている。第2レーザ発光部は、第2配線部16を用いた電力供給によって光を射出する。
図4は、第1レーザ発光部を駆動するための駆動信号、及び第2レーザ発光部を駆動するための駆動信号について説明するものである。レーザ発光部17は、駆動信号が「H」である間、駆動のための電力が供給されるとする。第1レーザ発光部を駆動する間、第2レーザ発光部への電力供給は停止される。第1レーザ発光部への電力供給を開始してから一定時間Tが経過したとき、第1レーザ発光部への電力供給を停止するとともに、第2レーザ発光部への電力供給が開始される。第2レーザ発光部を駆動する間、第1レーザ発光部への電力供給は停止される。第2レーザ発光部への電力供給を開始してから一定時間Tが経過したとき、第2レーザ発光部への電力供給を停止するとともに、第1レーザ発光部への電力供給を再び開始する。光源装置10は、第1配線部15を用いた電力供給と第2配線部16を用いた電力供給とを一定時間Tごとに順次切り換えるための切換手段を備える。このようにして、第1レーザ発光部と第2レーザ発光部とは、光を射出するための駆動が交互に切り換えられる。一定時間Tは、レーザ発光部17の駆動により半導体素子11が劣化する程度に応じて適宜決定することができ、例えば100時間程度と設定される。同一の基板上に第1レーザ発光部と第2レーザ発光部とを設けることで、第1レーザ発光部を駆動する期間と、第2レーザ発光部を駆動する期間とで、同一平面上から光を射出することができる。
図5は、各レーザ発光部17を同時に駆動する場合における、レーザ発光部17のピッチxとレーザ発光部17の温度tとの関係の例を表す。ここでは、図6に平面構成を示す半導体素子18をモデルとしたシミュレーション結果を説明する。半導体素子18は、一列に並列させた6個のレーザ発光部17を有する。半導体素子18は、レーザ発光部17から光を射出することにより、1つのレーザ発光部17当たり直径0.1mmの円形領域において1Wの発熱をするものとする。また、半導体素子18は、熱伝導率44W/m・KのGaAs基板を備えるものとする。
ピッチxを0.1mmとして配置された各レーザ発光部17から同時に光を射出する場合、レーザ発光部17の温度tは、260℃となる。レーザ発光部17のピッチxを0.1mmより長くするに従い、レーザ発光部17の温度tは低下する。レーザ発光部17のピッチxを0.3mm以上とすると、レーザ発光部17の温度tは130度付近で略一定となる。各レーザ発光部17から同時に光を射出する場合、発光効率、及び半導体素子18の寿命への影響をできるだけ少なくし、かつレーザ発光部17をできるだけ密に配置するには、レーザ発光部17のピッチxを例えば0.3mmと設定する。
かかる結果を利用すると、本実施例の光源装置10の場合、同時に駆動する第1レーザ発光部のピッチd1を0.3mmと設定する。また、同時に駆動する第2レーザ発光部のピッチd2も、0.3mmと設定する。第1レーザ発光部と第2レーザ発光部とを交互に配列することにより、第1レーザ発光部及び第2レーザ発光部の中心位置間の長さは、0.15mmとなる。半導体素子11は、レーザ発光部17のピッチpを0.15mmと設定できる。このように、レーザ発光部17のピッチpは、熱による発光効率等への影響を低減させるのに必要なピッチより狭く設定できる。
平面上の領域ごとに発光部群の駆動を順次切り換える場合、レーザ発光部17のピッチは、熱による発光効率等への影響を低減させるのに必要なピッチ、シミュレーション結果によると0.3mmを確保する必要がある。これに対して、駆動が交互に切り換えられる第1レーザ発光部と第2レーザ発光部とを交互に配列することにより、レーザ発光部17のピッチを0.15mmにまで縮めることができる。密にレーザ発光部17を配置可能とすることで、半導体素子11を小型にできる。
また、互いに異なる領域に設けられた発光部群同士で駆動を順次切り換える場合の構成では、発光部群同士で駆動を切り換えるたびに、光が射出する領域の位置が大幅に変化する。これに対して、第1レーザ発光部と第2レーザ発光部とを交互に配列することにより、光が射出する領域の位置の変化を低減させることができる。
さらに、第1レーザ発光部同士は、限界許容ピッチより大きいピッチで配置されている。第2レーザ発光部同士は、限界許容ピッチより大きいピッチで配置されている。第1レーザ発光部及び第2レーザ発光部は、限界許容ピッチより小さいピッチで配置されている。限界許容ピッチとは、仮に、複数の第1レーザ発光部及び複数の第2レーザ発光部を同時駆動させたとして、複数の第1レーザ発光部及び複数の第2レーザ発光部の発光効率への影響と、複数の第1レーザ発光部及び複数の第2レーザ発光部の寿命への影響とが許容される、レーザ発光部17の最小のピッチをいうものとする。
同時に駆動する第1レーザ発光部同士を許容限界ピッチより大きいピッチで、第2レーザ発光部同士を限界許容ピッチより大きいピッチで配置することにより、半導体素子11についての規格、或いは仕様として定められた所定の発光効率、及び耐用寿命を満足することが可能となる。また、第1レーザ発光部及び第2レーザ発光部を許容限界ピッチより小さいピッチで配置することにより、半導体素子11を小型にでき、光が射出する領域の位置の変化を低減できる。
第1レーザ発光部と第2レーザ発光部とで駆動を交互に切り換えることにより、高い発光効率とし、かつ光源装置10の長寿命を実現できる。これにより、高い発光効率かつ長寿命で、半導体素子11を小型にでき、光が射出する領域の位置の変化を低減させることができるという効果を奏する。第1レーザ発光部及び第2レーザ発光部を同数とすることで、第1レーザ発光部と第2レーザ発光部とで駆動を交互に切り換えることによる光源装置10の出力の変動を低減させることができる。
なお、X軸方向へ並列させるレーザ発光部17は複数であれば良く、本実施例で説明する数である場合に限られない。第1レーザ発光部及び第2レーザ発光部は、同数である場合に限られず、互いに異なる数であっても良い。光源装置10は、必要に応じて、波長選択用フィルタ、偏光選択用フィルタ等の光学素子を設けても良い。また、光源装置10は、波長変換素子を有する構成に限られず、半導体素子11からの光を波長変換せずに射出するものであっても良い。光源装置10は、半導体レーザ励起固体(Diode Pumped Solid State;DPSS)レーザとしても良い。
図7は、本発明の実施例2に係る光源装置のうち、半導体素子20の平面構成を示す。上記実施例1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。半導体素子20は、24個のレーザ発光部17を有する。レーザ発光部17は、第1方向であるX軸方向へ12個、第2方向であるY軸方向へ2個が並列している。24個のレーザ発光部17は、12個の第1レーザ発光部、及び12個の第2レーザ発光部から構成されている。第1レーザ発光部及び第2レーザ発光部は、X軸方向及びY軸方向のいずれにも交互に配列されている。第1レーザ発光部同士の間には、第2レーザ発光部が配置されている。
図8は、SHG素子13のXY断面構成における有効範囲Eについて説明するものである。XY断面は、レーザ発光部17からSHG素子13へ入射する光線に略直交する断面である。有効範囲Eは、SHG素子13のうち光を有効に波長変換可能な範囲をいうものとする。例えば、厚さhが500μmのSHG素子13の場合、有効範囲Eは、SHG素子13の表面から100μm内側の範囲と設定できる。
全てのレーザ発光部17は、SHG素子13のXY断面における有効範囲Eと同一の矩形領域AR内に配置されている。これにより、全てのレーザ発光部17からの基本波光を効率良く有効範囲Eへ入射させ、基本波光を効率良く波長変換することができる。上記実施例1の場合と同様に、半導体素子20は小型にでき、かつ光が射出する領域の位置の変化を低減させることが可能である。従って、本発明によると、SHG素子13も小型にできるという利点がある。なお、半導体素子20は、全てのレーザ発光部17が有効範囲Eと同一の矩形領域AR内に配置される構成に限られない。半導体素子20は、少なくとも、SHG素子13のXY断面より狭い領域に、全てのレーザ発光部17が配置されていれば良い。レーザ発光部17の総数や、X軸方向及びY軸方向について並列させるレーザ発光部17の数は、本実施例で説明する場合に限られず、適宜変更しても良い。
図9は、本発明の実施例3に係る光源装置のうち、半導体素子25の平面構成を示す。上記実施例1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。半導体素子25は、36個のレーザ発光部17を有する。レーザ発光部17は、第1方向であるX軸方向へ6個、第2方向であるY軸方向へ6個が並列している。36個のレーザ発光部17は、12個の第1レーザ発光部、12個の第2レーザ発光部、12個の第3レーザ発光部で構成されている。第3レーザ発光部は、図中、白抜きで表している。
第1レーザ発光部は、X軸方向及びY軸方向のいずれについても、第2レーザ発光部、及び第3レーザ発光部と隣接する。X軸方向及びY軸方向において、第1レーザ発光部同士の間には、第2レーザ発光部及び第3レーザ発光部が配置されている。第1レーザ発光部、第2レーザ発光部、第3レーザ発光部は、光を射出するための駆動が順次切り換えられる。本実施例の場合も、高い発光効率かつ長寿命で、半導体素子25を小型にでき、光が射出する領域の位置の変化を低減させることができる。光源装置は、駆動が順次切り換えられる4つ以上にレーザ発光部を分類することとしても良い。
図10は、本発明の実施例4に係る光源装置のうち、半導体素子30の平面構成を示す。上記実施例1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。半導体素子30は、32個のレーザ発光部17を有する。レーザ発光部17は、第1方向であるX軸方向へ4個、第2方向であるY軸方向へ8個が並列している。32個のレーザ発光部17は、16個の第1レーザ発光部、及び16個の第2レーザ発光部から構成されている。第1レーザ発光部及び第2レーザ発光部は、Y軸方向について交互に配列されている。Y軸方向において、第1レーザ発光部同士の間には、第2レーザ発光部が配置されている。レーザ発光部17は、Y軸方向についてピッチpで配置されている。X軸方向については、第1レーザ発光部同士、第2レーザ発光部同士が並列している。レーザ発光部17は、X軸方向についてはピッチd1(=d2)で配置されている。
XY平面のうち、16個の第1レーザ発光部を包含する矩形の領域を、第1領域AR1とする。また、XY平面のうち、16個の第2レーザ発光部を包含する矩形の領域を、第2領域AR2とする。第1領域AR1は、第1方向であるX軸方向に略平行な二つの第1外郭線m1、及び第2方向であるY軸方向に略平行な二つの第2外郭線n1によって、XY平面上に定義される。第1外郭線m1及び第2外郭線n1は、互いに略直交する。第1外郭線m1及び第2外郭線n1は、第1領域AR1の外郭を示す仮想の線であるとする。第2領域AR2は、X軸方向に略平行な二つの第1外郭線m2、及びY軸方向に略平行な二つの第2外郭線n2によって、XY平面上に定義される。第1外郭線m2及び第2外郭線n2は、互いに略直交する。第1外郭線m2及び第2外郭線n2は、第2領域AR2の外郭を示す仮想の線であるとする。
第1領域AR1の第1外郭線m1と第2領域AR2の第1外郭線m2とは、Y軸方向に関して、いずれも長さgだけずれている。かかるずれの長さgは、Y軸方向について互いに隣接するレーザ発光部17の中心位置間の長さpと略同じである。第1領域AR1の第2外郭線n1と第2領域AR2の第2外郭線n2とは、X軸方向に関して、いずれも略一致している。第1領域AR1は、第2領域AR2の大部分を包含する。また、第1領域AR1及び第2領域AR2は、略等しい面積をなしている。第1領域AR1における第1発光部の密度、第2領域AR2における第2発光部の密度は、略同じである。
第2領域AR2の大部分を包含するように設定された第1領域AR1に第1レーザ発光部、第2領域AR2に第2レーザ発光部を配置することにより、平面上の領域ごとに発光部群の駆動を順次切り換える場合の構成に比較して、半導体素子30を小型にできる。また、光が射出する領域の位置の変化も低減させることができる。これにより、本実施例の場合も、高い発光効率かつ長寿命で、半導体素子30を小型にでき、光が射出する領域の位置の変化を低減させることができる。
第1領域AR1の第1外郭線m1と第2領域AR2の第1外郭線m2とは、Y軸方向に関して、いずれも略一致するか、レーザ発光部17の中心位置間の長さp以下のずれであれば良い。第1領域AR1の第2外郭線n1と第2領域AR2の第2外郭線n2とは、X軸方向に関して、いずれも略一致するか、レーザ発光部17の中心位置間の長さp以下のずれであれば良い。かかる場合、半導体素子30は、第1領域AR1が、第2領域AR2の大部分を包含する構成にできる。
半導体素子30は、第1外郭線m1、m2同士、第2外郭線n1、n2同士が略一致或いは長さp以下のずれである場合に限らない。半導体素子30は、第1領域AR1が、第2領域AR2の少なくとも一部を包含する構成であれば良い。これにより、半導体素子30を小型にでき、光が射出する領域の位置の変化を低減させる効果を得ることができる。第1領域AR1及び第2領域AR2は、面積が略等しい場合に限られず、互いに異なる面積であっても良い。さらに、第1レーザ発光部及び第2レーザ発光部は、同数である場合に限られず、異なる数であっても良い。
上記各実施例の場合も、本実施例と同様に第1領域AR1及び第2領域AR2を定義すると、第1領域AR1は、第2領域AR2の少なくとも一部を包含している。また、上記各実施例の場合も、第1外郭線m1、m2同士、第2外郭線n1、n2同士が略一致或いは長さp以下のずれである。なお、第1領域AR1及び第2領域AR2は、上記実施例2で説明したSHG素子13のXY断面より狭く設定することが望ましい。さらに好ましくは、第1領域AR1及び第2領域AR2は、有効範囲E(図8参照)と同一の矩形領域内に設定することが望ましい。これにより、基本波光を効率良く波長変換することが可能となる。
図11は、本発明の実施例5に係る光源装置の駆動について説明するものであって、第1レーザ発光部及び第2レーザ発光部の温度と時間との関係を示す。本実施例で説明する光源装置は、光を射出する複数の第1レーザ発光部と複数の第2レーザ発光部とを備える。第1レーザ発光部L1及び第2レーザ発光部L2は、光を射出するための駆動が順次切り換えられる。時間t0において、第1レーザ発光部L1の駆動を開始したとする。第1レーザ発光部L1の温度は、時間t0から上昇し、温度TAで定常状態となる。第2レーザ発光部L2の温度は、第1レーザ発光部L1からの熱によって時間t0から上昇し、温度TB(TA>TB)で定常状態となる。第2レーザ発光部L2は、温度TBである間は、発光効率及び寿命への影響は無いものとする。
時間t0から複数の第1レーザ発光部L1を駆動させ、複数の第1レーザ発光部L1の温度が温度TAで定常状態となった後、時間t1において、複数の第1レーザ発光部L1から複数の第2レーザ発光部L2へ駆動が切り換えられる。時間t1において第2レーザ発光部L2の駆動を開始すると、第2レーザ発光部L2の温度は温度TBから上昇し、温度TAで定常状態となる。第1レーザ発光部L1の温度は温度TAから低下し、第2レーザ発光部L2からの熱によって温度TBで定常状態となる。第1レーザ発光部L1は、温度TBである間は、発光効率及び寿命への影響は無いものとする。
図12は、第1レーザ発光部及び第2レーザ発光部の最大光量と時間との関係を示す。時間t0において、第1レーザ発光部L1及び第2レーザ発光部L2が射出可能な最大光量がいずれもP0であるとする。時間t0において第1レーザ発光部L1の駆動を開始してから、熱による劣化のため、時間の経過とともに第1レーザ発光部L1の最大光量は徐々に低下する。第1レーザ発光部L1から第2レーザ発光部L2へ駆動を切り換える時間t1において、第1レーザ発光部L1の最大光量はP1(P0>P1)となる。第1レーザ発光部L1を駆動させる時間t0〜t1において第2レーザ発光部L2は熱による劣化が無いものとすると、時間t1において第2レーザ発光部L2が射出可能な最大光量はP0のままとなる。
ここで、光が低周波数(1〜5Hz)で交替される場合に、人間は、最大で約5%の輝度差を認識することができるとされている(例えば、特開2005−107009号公報、段落0011参照)。このことから、時間t1における最大光量差ΔP(=P0−P1)は、5%以内であることが望ましいといえる。本実施例では、例えば、当初の最大光量P0の5%相当を最大光量差ΔPの閾値と予め設定し、最大光量差ΔPが閾値となるごとに第1レーザ発光部L1及び第2レーザ発光部L2の間で駆動を切り換える。
例えば、時間t0における最大光量P0を100とした場合に、時間t1における第1レーザ発光部L1の最大光量P1は95となる。第1レーザ発光部L1から第2レーザ発光部L2への駆動の切り換えは、複数の第1レーザ発光部L1の温度が定常状態となった後であって、かつ複数の第1レーザ発光部L1の最大光量と複数の第2レーザ発光部L2の最大光量との差が閾値に到達した場合に行う。
次に、時間t1において第2レーザ発光部L2の駆動を開始してから、熱による劣化のため、時間の経過とともに第2レーザ発光部L2の最大光量は徐々に低下する。第2レーザ発光部L2から第1レーザ発光部L1へ駆動を切り換える時間t2において、第2レーザ発光部L2の最大光量はP2(P1>P2)となる。第2レーザ発光部L2を駆動させる時間t1〜t2において第1レーザ発光部L1は熱による劣化が無いものとすると、時間t2において第1レーザ発光部L1が射出可能な最大光量はP1のままとなる。例えば、時間t2における第1レーザ発光部L1の最大光量P1が95であるとすると、時間t2における第2レーザ発光部L2の最大光量P2は90となる。
第2レーザ発光部L2から第1レーザ発光部L1への駆動の切り換えは、複数の第2レーザ発光部L2の温度が定常状態となった後であって、かつ複数の第2レーザ発光部L2の最大光量P2と複数の第1レーザ発光部L1の最大光量P1との差が閾値に到達した場合に行う。第1レーザ発光部L1から第2レーザ発光部L2へ駆動が切り換えられる時間t3も、複数の第1レーザ発光部L1の温度が定常状態となった後であって、かつ複数の第1レーザ発光部L1の最大光量P3と複数の第2レーザ発光部L2の最大光量P2との差が閾値に達したときとされる。
駆動させているレーザ発光部の温度が定常状態となるのを待って駆動を切り換えることで、第1レーザ発光部と第2レーザ発光部とで駆動を切り換える周期を長くできる。本実施例では、第1レーザ発光部及び第2レーザ発光部の間での駆動の切り換えは、例えば数Hz以上の周波数の一般的なパルス駆動に対して、長い周期でなされる。また、駆動を切り換える際の最大光量の差の閾値を予め設定することにより、第1レーザ発光部と第2レーザ発光部とを長い周期で駆動を切り換える場合に、輝度差を認識させにくくすることができる。以上により、第1レーザ発光部及び第2レーザ発光部の間で駆動を切り換える際におけるフリッカを低減させることができる。なお、第1レーザ発光部についての駆動期間内における第1レーザ発光部の駆動、第2レーザ発光部についての駆動期間内における第2レーザ発光部の駆動は、連続して光を射出する連続(CW)駆動、パルス駆動のいずれとしても良い。半導体素子の特性によっては、特に、CW駆動とする場合に高い発光効率を得られる場合がある。
第1レーザ発光部L1及び第2レーザ発光部L2の間で駆動を切り換える最大光量差ΔPの閾値は当初の最大光量P0の5%相当とする場合に限られず、適宜設定可能である。また、本実施例の説明は、第1レーザ発光部L1及び第2レーザ発光部L2の間で駆動を順次切り換える場合に限られず、3つ以上に分類されたレーザ発光部の駆動を順次切り換える場合に応用しても良い。
図13は、本発明の実施例6に係るモニタ装置40の概略構成を示す。モニタ装置40は、装置本体41と、光伝送部42とを有する。装置本体41は、上記実施例1の光源装置10(図1参照)を備える。光伝送部42は、2つのライトガイド44、45を有する。光伝送部42のうち被写体(不図示)側の端部には、拡散板46及び結像レンズ47が設けられている。第1ライトガイド44は、光源装置10からの光を被写体へ伝送する。拡散板46は、第1ライトガイド44の射出側に設けられている。第1ライトガイド44内を伝播した光は、拡散板46を透過することにより、被写体側にて拡散する。光源装置10から拡散板46までの光路中の各部は、被写体を照明する照明装置を構成する。
第2ライトガイド45は、被写体からの光をカメラ43へ伝送する。結像レンズ47は、第2ライトガイド45の入射側に設けられている。結像レンズ47は、被写体からの光を第2ライトガイド45の入射面へ集光させる。被写体からの光は、結像レンズ47により第2ライトガイド45へ入射した後、第2ライトガイド45内を伝播してカメラ43へ入射する。
第1ライトガイド44、第2ライトガイド45としては、多数の光ファイバを束ねたものを用いる。光ファイバを用いることで、光を遠方へ伝送させることができる。カメラ43は、装置本体41内に設けられている。カメラ43は、光源装置10からの光により照明された被写体を撮像する撮像部である。第2ライトガイド45から入射した光をカメラ43へ入射させることで、カメラ43による被写体の撮像ができる。上記実施例1の光源装置10を用いることにより、モニタ装置40を高効率かつ長寿命にできるという効果を奏する。モニタ装置40は、上記実施例に係るいずれの光源装置を備える構成としても良い。
図14は、本発明の実施例7に係るプロジェクタ50の概略構成を示す。プロジェクタ50は、スクリーン59に光を投写し、スクリーン59で反射する光を観察することで画像を鑑賞するフロント投写型のプロジェクタである。プロジェクタ50は、赤色(R)光用光源装置51R、緑色(G)光用光源装置51G、青色(B)光用光源装置51Bを有する。各色光用光源装置51R、51G、51Bは、いずれも上記実施例1の光源装置10(図1参照)と同様の構成を有する。プロジェクタ50は、各色光用光源装置51R、51G、51Bからの光を用いて画像を表示する画像表示装置である。
R光用光源装置51Rは、R光を射出する光源装置である。拡散素子52は、照明領域の整形、拡大、照明領域における光量分布の均一化を行う。拡散素子52としては、例えば、回折光学素子である計算機合成ホログラム(Computer Generated Hologram;CGH)を用いる。フィールドレンズ53は、R光用光源装置51Rからの光を平行化させ、R光用空間光変調装置54Rへ入射させる。R光用光源装置51R、拡散素子52、及びフィールドレンズ53は、R光用空間光変調装置54Rを照明する照明装置を構成する。R光用空間光変調装置54Rは、照明装置からのR光を画像信号に応じて変調する空間光変調装置であって、透過型液晶表示装置である。R光用空間光変調装置54Rで変調されたR光は、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム55へ入射する。
G光用光源装置51Gは、G光を射出する光源装置である。拡散素子52及びフィールドレンズ53を経た光は、G光用空間光変調装置54Gへ入射する。G光用光源装置51G、拡散素子52、及びフィールドレンズ53は、G光用空間光変調装置54Gを照明する照明装置を構成する。G光用空間光変調装置54Gは、照明装置からのG光を画像信号に応じて変調する空間光変調装置であって、透過型液晶表示装置である。G光用空間光変調装置54Gで変調されたG光は、クロスダイクロイックプリズム55のうちR光が入射する面とは異なる面へ入射する。
B光用光源装置51Bは、B光を射出する光源装置である。拡散素子52及びフィールドレンズ53を経た光は、B光用空間光変調装置54Bへ入射する。B光用光源装置51B、拡散素子52、及びフィールドレンズ53は、B光用空間光変調装置54Bを照明する照明装置を構成する。B光用空間光変調装置54Bは、照明装置からのB光を画像信号に応じて変調する空間光変調装置であって、透過型液晶表示装置である。B光用空間光変調装置54Bで変調されたB光は、クロスダイクロイックプリズム55のうちR光が入射する面、及びG光が入射する面とは異なる面へ入射する。透過型液晶表示装置としては、例えば高温ポリシリコンTFT液晶パネル(High Temperature Polysilicon;HTPS)を用いる。
クロスダイクロイックプリズム55は、互いに略直交させて配置された2つのダイクロイック膜56、57を有する。第1ダイクロイック膜56は、R光を反射し、G光及びB光を透過させる。第2ダイクロイック膜57は、B光を反射し、R光及びG光を透過させる。クロスダイクロイックプリズム55は、それぞれ異なる方向から入射したR光、G光及びB光を合成し、投写レンズ58の方向へ射出する。投写レンズ58は、クロスダイクロイックプリズム55で合成された光をスクリーン59に向けて投写する。
上記の光源装置10と同様の構成を有する各色光用光源装置51R、51G、51Bを用いることにより、プロジェクタ50を高効率かつ長寿命にできるという効果を奏する。各色光用光源装置51R、51G、51Bは、上記実施例に係るいずれの光源装置と同様の構成としても良い。
プロジェクタは、空間光変調装置として透過型液晶表示装置を用いる場合に限られない。空間光変調装置としては、反射型液晶表示装置(Liquid Crystal On Silicon;LCOS)、DMD(Digital Micromirror Device)、GLV(Grating Light Valve)等を用いても良い。プロジェクタは、色光ごとに空間光変調装置を備える構成に限られない。プロジェクタは、一の空間光変調装置により2つ又は3つ以上の色光を変調する構成としても良い。プロジェクタは、空間光変調装置を用いる場合に限られない。プロジェクタは、ガルバノミラー等の走査手段により光源装置からのレーザ光を走査させ、被照射面において画像を表示するレーザスキャン型のプロジェクタであっても良い。プロジェクタは、画像情報を持たせたスライドを用いるスライドプロジェクタであっても良い。プロジェクタは、スクリーンの一方の面に光を供給し、スクリーンの他方の面から射出する光を観察することで画像を鑑賞する、いわゆるリアプロジェクタであっても良い。
本発明の光源装置は、画像表示装置である液晶ディスプレイに適用しても良い。本発明の光源装置と導光板とを組み合わせることにより、液晶パネルを照明する照明装置として用いることができる。この場合も、明るく高品質な画像を表示することができる。本発明の光源装置は、モニタ装置や画像表示装置に適用される場合に限られない。本発明の光源装置は、例えば、レーザ光を用いた露光のための露光装置やレーザ加工装置等の光学系に用いても良い。
以上のように、本発明に係る光源装置は、モニタ装置や画像表示装置に用いる場合に適している。
実施例1に係る光源装置の概略構成を示す図。
半導体素子の平面構成を示す図。
各発光部を駆動するための構成を説明する図。
第1発光部の駆動信号、第2発光部の駆動信号について説明する図。
発光部のピッチと発光部の温度との関係の例を示す図。
シミュレーションのモデルとした半導体素子の平面構成を示す図。
実施例2に係る光源装置のうち、半導体素子の平面構成を示す図。
SHG素子のXY断面構成における有効範囲について説明する図。
実施例3に係る光源装置のうち、半導体素子の平面構成を示す図。
実施例4に係る光源装置のうち、半導体素子の平面構成を示す図。
本発明の実施例5に係る光源装置の駆動について説明する図。
第1レーザ発光部及び第2レーザ発光部の最大光量と時間との関係を示す図。
本発明の実施例6に係るモニタ装置の概略構成を示す図。
本発明の実施例7に係るプロジェクタの概略構成を示す図。
符号の説明
10 光源装置、11 半導体素子、12 サブマウント、13 SHG素子、14 体積ホログラム、15 第1配線部、16 第2配線部、17 レーザ発光部、18、20 半導体素子、AR 矩形領域、E 有効範囲、25、30 半導体素子、AR1 第1領域、AR2 第2領域、m1、m2 第1外郭線、n1、n2 第2外郭線、40 モニタ装置、41 装置本体、42 光伝送部、43 カメラ、44 第1ライトガイド、45 第2ライトガイド、46 拡散板、47 結像レンズ、50 プロジェクタ、51R R光用光源装置、51G G光用光源装置、51B B光用光源装置、52 拡散素子、53 フィールドレンズ、54R R光用空間光変調装置、54G G光用空間光変調装置、54B B光用空間光変調装置、55 クロスダイクロイックプリズム、56 第1ダイクロイック膜、57 第2ダイクロイック膜、58 投写レンズ、59 スクリーン